JPH04255912A - 金属薄膜型磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、製造工程中に付着する
異物を除去するために、クリーニングテープによる清浄
工程を有する金属薄膜型磁気記録媒体の製造方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に磁気記録媒体では、その記録再生
時の画質・音質劣化の原因となる磁気ヘッドの目づまり
やドロップアウトを極力少なくすることが求められてい
る。これらの記録・再生性能の低下は、主に製造工程中
に発生したり、外から混入する異物（ダスト，欠落物，
付着物等）が磁性層表面に付着することによって引き起
こされるものである。そこで、従来、これらの異物を除
去する対策として不織布からなる拭き取り紙による除去
や清浄空気の吹きつけによる除去やラッピングテープを
接触させて除去する方法（特開平１−１９６７２５号公
報）などが採用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】金属薄膜型磁気記録媒
体の異物除去には、ラッピングテープを接触させて除去
するのが、最も有効な手段である。

【０００４】しかしながら、上記の対策では異物の中で
も数μｍ〜数１０μｍの大きさの異物除去においては、
十分な効果が得られ、大幅な性能改善に結びついていた
が、瞬時ドロップアウトの原因となる数μｍ以下の大き
さの異物を除去するためには、接触圧を高め、接触力を
増加させなければならなかった。このように接触圧を高
めると、金属薄膜磁気記録媒体表面に損傷を与え、かえ
って異物付着を増加させるという問題を有していた。

【０００５】本発明はこのような課題を解決するもので
、金属薄膜磁気記録媒体の表面に付着している異物を記
録媒体に損傷を与えずに効果的に除去し、記録・再生時
の画質・音質劣化の原因となる磁気ヘッドの目づまりや
ドロップアウトを極力少なくする金属薄膜磁気記録媒体
の製造方法を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、滑剤層を除いては金属薄膜磁気記録媒体
と同じ構成の金属薄膜磁気記録媒体からなるラッピング
テープと不織布で構成した拭き取りテープを金属薄膜磁
気記録媒体の両面に加圧接触させて走行させ付着した異
物を除去するようにしたものである。

【０００７】

【作用】この構成により、滑剤層を除いては金属薄膜磁
気記録媒体と同じ構成の金属薄膜磁気記録媒体を接触走
行させることにより、同じ表面粗さ，表面性状のテープ
でラッピングされるので、低い接触圧力でも十分な異物
除去効果があり、媒体を損傷させずに表面を清浄化処理
することができる。

【０００８】また、裏面は同時に不織布で清浄化される
ので、裏面に付着していた異物が磁性面に移動して付着
することもない。この結果、異物の付着による記録・再
生特性の低下が防止できることとなる。

【０００９】

【実施例】以下に本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら説明する。

【００１０】図１に示すように、ポリエステルなどの合
成樹脂からなる支持体上に金属磁性薄膜層を形成した磁
気記録媒体１（以下原反と呼ぶ）は、最初巻き出しロー
ル２に捲回されており、順次矢印方向に引き出されて移
動し、ガイドローラー４を通過し巻取りロール３に再度
捲回される。この間、磁性面処理部Ａと裏面処理部Ｂの
接触を受け、表裏両面を順次、清浄化処理している。清
浄化の目的は、主として磁性層表面に付着した異物の除
去であるが、裏面に付着している異物が磁性層表面に転
写して付着する可能性があるため、表裏両面を処理する
ことを基本としている。磁性面処理部Ａ，裏面処理部Ｂ
ともそれぞれ上記の原反と滑剤層を除いて同じ構成の金
属磁性薄膜媒体（以下ラッピングテープと呼ぶ）５，１
３とその巻き出しロール６，１４、巻取ロール７，１５
と、さらには接触ロール８，１９から構成されている。 原反１は一般に幅５００ｍｍ〜１０００ｍｍの広幅のも
の、あるいは幅８ｍｍ，１／２インチ，１インチなどに
スリットされた狭幅のものでも良い。また、厚さも５〜
１００μｍの範囲であればとくに限定されるものではな
い。原反１の走行スピードは一般に３０ｍ／ｍｉｎ〜３
００ｍ／ｍｉｎ範囲で、接触面積，処理段数，異物付着
程度に対応して変えることができ、特定の速度に限定さ
れるものではない。

【００１１】一方、ラッピングテープ５，１３は原反１
よりも広い幅であることが望ましく、走行スピードは、
原反１の速度より遅くして、一定の速度差をつけている
。この速度差は、走行安定性，ラッピングテープの汚れ
具合，ラッピングテープ消費の経済性などから決定され
、１／１０〜１／１０００程度が望ましい。ラッピング
テープの走行方向は、原反走行方向と逆方向が付着物除
去効果が大きく、効果的である。

【００１２】つぎに各種の条件の検討から得られた清浄
化処理性能を（表１），（表２）を用いて説明する。

【００１３】

【表１】

【００１４】

【表２】

【００１５】（表１）に接触圧と瞬時ドロップアウト（
３μｓｅｃ，−１０ｄＢ）の関係を示す。（表１）から
判るように接触圧が増加し、接触力が増加するとともに
異物除去能力も増加する。しかし、（表２）からわかる
ように、接触圧がある限界を越えると記録層表面に損傷
を与えるようになり、逆に異物を増加させる。この限界
値は５０ｇ／ｃｍ２で、この領域では、損傷は起らず、
ドロップアウト数も少ない値が得られる。この接触圧の
コントロールは（ｉ）原反のテンションの強弱、（ｉｉ
）接触ロール８，１９の直径や中心軸の垂直方向の位置
関係により決定される原反とラッピングテープの抱きつ
き状態の２つによって行なわれる。

【００１６】つぎに、清浄化処理を一層完全に行なうた
めに、不織布９，１６とその巻き出しロール１０，１７
、巻取りロール１１，１８を備え、さらには接触ロール
１２，２０を清浄化処理部近傍に設けている。この不織
布による清浄化処理は、ほとんど大半の異物はラッピン
グテープに付着するが、一部、材質・大きさによりラッ
ピングテープより遊離するものもあり、それらの原反へ
の再付着を防止するために行なわれる。この目的のため
、材質は不織布に限定されるものではなく発塵性の少な
い材料であればよい。走行速度もラッピングテープと同
様に原反と一定の速度差があればよい。また接触圧は表
面の損傷が起らない程度の接触圧であれば特に限定する
ものではない。

【００１７】

【発明の効果】以上の実施例の説明からも明らかなよう
に、本発明によれば、損傷をうけやすい金属薄膜型磁気
記録媒体において、そのような損傷を発生することなく
、従来では除去が難しかった数μｍ以下の大きさで、付
着強度の強い異物をほぼ完全に除去することが可能とな
る。従って磁気ヘッドの目づまりや、ドロップアウトが
減少し、良好な音質・画質の記録・再生が可能な磁気記
録媒体を提供でき、金属薄膜型磁気記録媒体の高性能化
に貢献する。また、この清浄化処理は、他の工程へも導
入可能であり、特別にこの清浄化工程を独立して設ける
ということは必要としないため経済的でもある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の金属薄膜型磁気記録媒体の
製造方法を示す構成図

【符号の説明】

１　　金属薄膜型磁気記録媒体（原反）２　　巻き出し
ロール ３　　巻取ロール ４　　ガイドロール ５，１３　　ラッピングテープ ６，１４　　ラッピングテープの巻き出しロール７，１
５　　ラッピングテープの巻取ロール８，１９　　接触
ロール ９，１６　　不織布 １０，１７　　不織布巻き出しロール １１，１８　　不織布巻取りロール １２，２０　　接触ロール Ａ　　磁性面処理部 Ｂ　　裏面処理部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】長尺の金属薄膜型磁気記録媒体を供給する
   巻出しロールと、前記金属薄膜型磁気記録媒体をガイド
   ロールを介して巻取る巻取ロールとにより走行する前記
   金属薄膜磁気記録媒体の磁気記録面と裏面に、薄膜磁気
   記録媒体から滑剤層を除いた構成のラッピングテープと
   不織布テープを接触圧を、可変できる接触ロールにより
   圧接し、前記金属薄膜磁気記録媒体と逆方向あるいは同
   方向に前記ラッピングテープと前記不織布テープを走行
   させる金属薄膜型磁気記録媒体の製造方法。