JP3261161B2 - 薄膜磁気ディスクの製造方法 - Google Patents
薄膜磁気ディスクの製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子計算機やワ−クス
テ−ション等の外部記憶装置として用いられる薄膜磁気
ディスクの製造方法に関する。
テ−ション等の外部記憶装置として用いられる薄膜磁気
ディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク等の磁気記録媒体を利用し
た記憶装置は、計算機やワ−クステ−ション等の外部記
憶装置として広く用いられており、近年の情報量の増大
に伴って益々大容量のものが要求されている。一方、装
置自身の形状は、より小型、軽量のものが望まれてお
り、これらを両立させるには記録媒体の飛躍的な記録密
度向上が不可欠となっている。
た記憶装置は、計算機やワ−クステ−ション等の外部記
憶装置として広く用いられており、近年の情報量の増大
に伴って益々大容量のものが要求されている。一方、装
置自身の形状は、より小型、軽量のものが望まれてお
り、これらを両立させるには記録媒体の飛躍的な記録密
度向上が不可欠となっている。
【0003】例えば、磁気ディスクの製造においては、
磁気特性を向上させるため磁性膜形成前に、磁気ディス
クの基板面、あるいは基板表面に予め下地膜として設け
られた例えばNi−Pメッキ上を、図2の一部破断斜視
図に示すように、磁気ディスク媒体の円周方向に、ほぼ
同心円状に加工痕を残す表面加工処理(以下、テクスチ
ャ加工と略す)が行われている。
磁気特性を向上させるため磁性膜形成前に、磁気ディス
クの基板面、あるいは基板表面に予め下地膜として設け
られた例えばNi−Pメッキ上を、図2の一部破断斜視
図に示すように、磁気ディスク媒体の円周方向に、ほぼ
同心円状に加工痕を残す表面加工処理(以下、テクスチ
ャ加工と略す)が行われている。
【0004】テクスチャ加工は、その利点として(1)
磁気ディスクの停止時に磁気ヘッドと磁気ディスク媒体
との間の吸着現象を軽減する効果、(2)加工表面上に
成膜される磁性膜に形状異方性を持たせることにより、
円周方向に磁気特性を均一化させる効果などを有する。
しかし、他方ではダイヤモンドやアルミナ等の砥粒を使
って加工するため、基板表面にバリや突起等が発生し易
く、これがもとで磁気ヘッドの浮上特性や磁性媒体の結
晶成長が不均一となり、保磁力等の磁気特性に向上が期
待できないと云う難点があった。
磁気ディスクの停止時に磁気ヘッドと磁気ディスク媒体
との間の吸着現象を軽減する効果、(2)加工表面上に
成膜される磁性膜に形状異方性を持たせることにより、
円周方向に磁気特性を均一化させる効果などを有する。
しかし、他方ではダイヤモンドやアルミナ等の砥粒を使
って加工するため、基板表面にバリや突起等が発生し易
く、これがもとで磁気ヘッドの浮上特性や磁性媒体の結
晶成長が不均一となり、保磁力等の磁気特性に向上が期
待できないと云う難点があった。
【0005】なお、この種のテクスチャ加工に関連する
ものとしては、例えば特開昭62−262227号、特
開昭63−42019号、特開昭63−42027号、
特開昭63−249933号等の公報が挙げられる。
ものとしては、例えば特開昭62−262227号、特
開昭63−42019号、特開昭63−42027号、
特開昭63−249933号等の公報が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は上
記のような現状に鑑みて為されたものであり、その目的
とするところは従来のテクスチャ加工技術の問題を解消
することにあり、ヘッドの浮上特性を損なわず、且つ、
磁気特性を向上させることのできる改良された基板の表
面加工技術を有する薄膜磁気ディスクの製造方法を提供
することにある。
記のような現状に鑑みて為されたものであり、その目的
とするところは従来のテクスチャ加工技術の問題を解消
することにあり、ヘッドの浮上特性を損なわず、且つ、
磁気特性を向上させることのできる改良された基板の表
面加工技術を有する薄膜磁気ディスクの製造方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、磁性膜等の成膜前に下地Ni−Pメッキ
された基板表面を砥粒の無い表面処理液と表面処理テ−
プで同心円状に擦ること(表面処理をすること)を特徴
とする。すなわち、さらに具体的に説明すれば上記目的
は、磁性媒体を支えるNi−Pメッキ基板上に、下地
膜、磁性膜、保護膜、潤滑膜を順次成膜する工程を有す
る薄膜磁気ディスクの製造方法において、前記成膜工程
の前工程としてNi−P基板表面を表面処理液と表面処
理テ−プとを用いて表面処理する工程を付加して成る薄
膜磁気ディスクの製造方法により、達成される。
に本発明では、磁性膜等の成膜前に下地Ni−Pメッキ
された基板表面を砥粒の無い表面処理液と表面処理テ−
プで同心円状に擦ること(表面処理をすること)を特徴
とする。すなわち、さらに具体的に説明すれば上記目的
は、磁性媒体を支えるNi−Pメッキ基板上に、下地
膜、磁性膜、保護膜、潤滑膜を順次成膜する工程を有す
る薄膜磁気ディスクの製造方法において、前記成膜工程
の前工程としてNi−P基板表面を表面処理液と表面処
理テ−プとを用いて表面処理する工程を付加して成る薄
膜磁気ディスクの製造方法により、達成される。
【0008】表面処理液としては、アルコール類、もし
くは界面活性剤等の親水性の処理液を主成分とするもの
が良く、これらはそれぞれ単独でも両者を混合して併用
しても良い。
くは界面活性剤等の親水性の処理液を主成分とするもの
が良く、これらはそれぞれ単独でも両者を混合して併用
しても良い。
【0009】アルコール類としては、例えばエチレング
リコ−ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ
−ル、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価
アルコ−ル系、もしくは適度な粘性を持つ高級アルコ−
ルが挙げられる。
リコ−ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ
−ル、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価
アルコ−ル系、もしくは適度な粘性を持つ高級アルコ−
ルが挙げられる。
【0010】界面活性剤としては、例えばポリオキシエ
チレン系の非イオン界面活性剤等を主成分とするものが
良く、エッチング作用を有するものを使用すると表面処
理の効果が更に良くなり好ましい。同様にエチレングリ
コ−ル等のアルコール類の処理液についても、エッチン
グ作用を有する成分を添加することは有効である。
チレン系の非イオン界面活性剤等を主成分とするものが
良く、エッチング作用を有するものを使用すると表面処
理の効果が更に良くなり好ましい。同様にエチレングリ
コ−ル等のアルコール類の処理液についても、エッチン
グ作用を有する成分を添加することは有効である。
【0011】また、表面処理テープについては、例えば
ナイロンの如き脂肪族ポリアミド、ポリエステル、セル
ロ−ス等の合成繊維を使用することが好ましい。
ナイロンの如き脂肪族ポリアミド、ポリエステル、セル
ロ−ス等の合成繊維を使用することが好ましい。
【0012】
【作用】磁気ディスクの基板となるプレ−ン基板は、マ
クロ的には平らな基板でもミクロ的には表面はランダム
に小さな傷が入っている。このため、この基板上に磁性
媒体を成膜しても磁気異方性は得られない。しかし、プ
レ−ン基板に表面処理液を付けてテ−プで円周方向に擦
ることで、このランダムな傷は無くなり、擦った方向に
微細な筋が残る。この表面処理液にエッチング処理能力
を保有させれば、さらに好ましい結果を得ることができ
る。
クロ的には平らな基板でもミクロ的には表面はランダム
に小さな傷が入っている。このため、この基板上に磁性
媒体を成膜しても磁気異方性は得られない。しかし、プ
レ−ン基板に表面処理液を付けてテ−プで円周方向に擦
ることで、このランダムな傷は無くなり、擦った方向に
微細な筋が残る。この表面処理液にエッチング処理能力
を保有させれば、さらに好ましい結果を得ることができ
る。
【0013】この様に、円周方向に表面処理をすること
で、この上に成膜される磁性媒体には円周方向に磁気異
方性が表れ、また、テクスチャ加工のような砥粒による
切削等で発生するバリや突起は全く発生しないためヘッ
ドの浮上特性が向上する。
で、この上に成膜される磁性媒体には円周方向に磁気異
方性が表れ、また、テクスチャ加工のような砥粒による
切削等で発生するバリや突起は全く発生しないためヘッ
ドの浮上特性が向上する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。 〈実施例1〉図1は、本発明の薄膜磁気ディスクの製造
プロセスの一例を示す工程図、図2は、薄膜磁気ディス
クの構造を示す一部破断斜視図、図3は、表面処理方法
を実現する装置を模式的に示す斜視図、図4は、本発明
の製造プロセスで作製した基板の磁気特性を示す特性図
である。
する。 〈実施例1〉図1は、本発明の薄膜磁気ディスクの製造
プロセスの一例を示す工程図、図2は、薄膜磁気ディス
クの構造を示す一部破断斜視図、図3は、表面処理方法
を実現する装置を模式的に示す斜視図、図4は、本発明
の製造プロセスで作製した基板の磁気特性を示す特性図
である。
【0015】薄膜磁気ディスクの構成は、図2に示すよ
うに磁性媒体を支えるアルミ合金基板1、基板に適度な
固さを持たせるためのNi−Pメッキ下地膜2、磁性媒
体の磁気異方性を付けるための下地膜3、磁性膜4、磁
性膜の摩耗を保護するための保護膜5、摩耗係数を小さ
くするための潤滑膜6で構成する。ただし、本実施例で
は図2のNi−Pメッキ下地膜2にはテクスチャ加工を
施さない。
うに磁性媒体を支えるアルミ合金基板1、基板に適度な
固さを持たせるためのNi−Pメッキ下地膜2、磁性媒
体の磁気異方性を付けるための下地膜3、磁性膜4、磁
性膜の摩耗を保護するための保護膜5、摩耗係数を小さ
くするための潤滑膜6で構成する。ただし、本実施例で
は図2のNi−Pメッキ下地膜2にはテクスチャ加工を
施さない。
【0016】以下、本実施例の薄膜磁気ディスクの製造
方法を図1の工程図にしたがって説明する。工程(a)
でディスク基板としてアルミ合金基板1を準備する。工
程(b)で基板1に無電解メッキ法によりNi−Pメッ
キ2を10〜30μm付ける。工程(c)でNi−Pメ
ッキ2の表面を砥粒、研磨粉等を含む加工液を用いて鏡
面研磨する。工程(d)で基板表面を洗浄する。
方法を図1の工程図にしたがって説明する。工程(a)
でディスク基板としてアルミ合金基板1を準備する。工
程(b)で基板1に無電解メッキ法によりNi−Pメッ
キ2を10〜30μm付ける。工程(c)でNi−Pメ
ッキ2の表面を砥粒、研磨粉等を含む加工液を用いて鏡
面研磨する。工程(d)で基板表面を洗浄する。
【0017】工程(e)で表面処理液と処理テ−プで円
周方向に表面処理する。この表面処理方法が本発明の特
徴点であり、図3はそれを実現する装置の一例を示して
いる。表面処理方法としては、同図(a)に示すように
処理液7を、基板8とそれに直交して回転移動する処理
テ−プ9との間に滴下しながら、しかもコンタクトロ−
ラ−10で押し付けながら基板8を回転させる方法、同
図(b)に示すように基板8に処理液7をスプレ−で吹
き付けながら、しかも同様にコンタクトロ−ラ−10で
押し付けながら基板8を回転させる方法等があり、ま
た、基板8をこの処理液に浸漬した状態で行うこともで
きる。
周方向に表面処理する。この表面処理方法が本発明の特
徴点であり、図3はそれを実現する装置の一例を示して
いる。表面処理方法としては、同図(a)に示すように
処理液7を、基板8とそれに直交して回転移動する処理
テ−プ9との間に滴下しながら、しかもコンタクトロ−
ラ−10で押し付けながら基板8を回転させる方法、同
図(b)に示すように基板8に処理液7をスプレ−で吹
き付けながら、しかも同様にコンタクトロ−ラ−10で
押し付けながら基板8を回転させる方法等があり、ま
た、基板8をこの処理液に浸漬した状態で行うこともで
きる。
【0018】コンタクトロ−ラ10の幅は、基板8の半
径より小さい幅、半径と同じ幅、基板8の直径と同じ幅
の何れでも良い。ただし、この場合、処理テ−プ9の幅
は、ロ−ラ10の幅と同じか、又はこれ以上のものを使
用する必要がある。コンタクトロ−ラ10と処理テ−プ
9を揺動することで基板表面を均一に処理することがで
きる。
径より小さい幅、半径と同じ幅、基板8の直径と同じ幅
の何れでも良い。ただし、この場合、処理テ−プ9の幅
は、ロ−ラ10の幅と同じか、又はこれ以上のものを使
用する必要がある。コンタクトロ−ラ10と処理テ−プ
9を揺動することで基板表面を均一に処理することがで
きる。
【0019】テ−プ9の押し付け圧は、ロ−ラ10の幅
や材質、固さ等で変わるが、通常、1〜5kgfが望ま
しく、本実施例では例えば45mm幅のポリウレタン系
のロ−ラを使用した場合、2.5kgfで行った。この
場合の押し付け圧は、最低1kgfは必要である。ま
た、ディスクの回転数は100〜1000rpmの範囲
で良いが、本実施例では600rpmとした。また、処
理時間は数秒〜数分であり、処理液の組成、処理テープ
の種類により選択する。
や材質、固さ等で変わるが、通常、1〜5kgfが望ま
しく、本実施例では例えば45mm幅のポリウレタン系
のロ−ラを使用した場合、2.5kgfで行った。この
場合の押し付け圧は、最低1kgfは必要である。ま
た、ディスクの回転数は100〜1000rpmの範囲
で良いが、本実施例では600rpmとした。また、処
理時間は数秒〜数分であり、処理液の組成、処理テープ
の種類により選択する。
【0020】処理テ−プ9としては、例えばナイロンの
如きポリアミド、ポリエステル、セルロ−ス等の合成繊
維でテープ状に織ったものが望ましい。処理液は、基板
8と処理テ−プ9の滑り状態と基板表面への処理効果を
付けるため、親水性の処理液が良い。例えば、処理液の
主成分としてエチレングリコ−ル、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコー
ル、グリセリン等の多価アルコ−ル系、また、適度な粘
性を持つ高級アルコ−ル、更に界面活性剤等が好まし
い。界面活性剤の主成分はポリオキシエチレン系の非イ
オン界面活性剤等が良い。界面活性剤の場合、エッチン
グ作用のあるものを使用することにより、表面処理の効
果は更に良くなる。同様にエチレングリコ−ル等の他の
処理液についても、エッチング作用のある液を添加する
だけでも良い。表面処理後の洗浄〔工程(f)〕を考慮
すると、洗浄用の界面活性剤を使用することにより、洗
剤の濯ぎだけで済むのでプロセスは簡単に済む利点があ
る。こうして得られた基板8は、表面状態が均一とな
り、この後の工程で磁気特性の良い薄膜磁気ディスクが
得られる。
如きポリアミド、ポリエステル、セルロ−ス等の合成繊
維でテープ状に織ったものが望ましい。処理液は、基板
8と処理テ−プ9の滑り状態と基板表面への処理効果を
付けるため、親水性の処理液が良い。例えば、処理液の
主成分としてエチレングリコ−ル、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコー
ル、グリセリン等の多価アルコ−ル系、また、適度な粘
性を持つ高級アルコ−ル、更に界面活性剤等が好まし
い。界面活性剤の主成分はポリオキシエチレン系の非イ
オン界面活性剤等が良い。界面活性剤の場合、エッチン
グ作用のあるものを使用することにより、表面処理の効
果は更に良くなる。同様にエチレングリコ−ル等の他の
処理液についても、エッチング作用のある液を添加する
だけでも良い。表面処理後の洗浄〔工程(f)〕を考慮
すると、洗浄用の界面活性剤を使用することにより、洗
剤の濯ぎだけで済むのでプロセスは簡単に済む利点があ
る。こうして得られた基板8は、表面状態が均一とな
り、この後の工程で磁気特性の良い薄膜磁気ディスクが
得られる。
【0021】工程(f)で表面処理後の洗浄を行なう。
工程(g)で基板8上にスパッタ方法により所定の厚み
のCr下地膜3、Co磁性膜4、C保護膜5を順次成膜
する。工程(h)で成膜時のゴミや基板上の突起等を取
るために、図3の表面加工装置を用いてテープ9だけで
表面加工処理を行なう。この場合、処理液は使用しな
い。工程(i)で潤滑剤6を塗布する。工程(j)で最
後の検査を行う。以上の工程で図2の磁気ディスクを製
造した。
工程(g)で基板8上にスパッタ方法により所定の厚み
のCr下地膜3、Co磁性膜4、C保護膜5を順次成膜
する。工程(h)で成膜時のゴミや基板上の突起等を取
るために、図3の表面加工装置を用いてテープ9だけで
表面加工処理を行なう。この場合、処理液は使用しな
い。工程(i)で潤滑剤6を塗布する。工程(j)で最
後の検査を行う。以上の工程で図2の磁気ディスクを製
造した。
【0022】図4は、工程(e)で表面処理した基板8
に、工程(g)でCr下地膜、Co磁性膜、C保護膜を
スパッタ方法で成膜した磁気ディスクについて、磁気異
方性を測定した結果を示したものである。縦軸には円周
方向の保磁力Hc(θ)と半径方向の保磁力Hc(R)
の比を示した。Hc(θ/R)が1の場合、磁気異方性
は無く、この値が大きい方が磁気異方性が付いており磁
気特性が良いことを示す。その結果、本実施例の表面処
理をすることにより、比較のために作成した未処理(プ
レ−ン基板)基板と比べ、磁気異方性が格段に付いてい
ることが判る。なお、本実施例による表面処理Aは処理
液の主成分にプロピレングリコ−ルを使用した場合、同
じく表面処理Bの処理液はポリオキシエチレン系の界面
活性剤が主成分の洗剤を使用した場合をそれぞれ示して
いる。
に、工程(g)でCr下地膜、Co磁性膜、C保護膜を
スパッタ方法で成膜した磁気ディスクについて、磁気異
方性を測定した結果を示したものである。縦軸には円周
方向の保磁力Hc(θ)と半径方向の保磁力Hc(R)
の比を示した。Hc(θ/R)が1の場合、磁気異方性
は無く、この値が大きい方が磁気異方性が付いており磁
気特性が良いことを示す。その結果、本実施例の表面処
理をすることにより、比較のために作成した未処理(プ
レ−ン基板)基板と比べ、磁気異方性が格段に付いてい
ることが判る。なお、本実施例による表面処理Aは処理
液の主成分にプロピレングリコ−ルを使用した場合、同
じく表面処理Bの処理液はポリオキシエチレン系の界面
活性剤が主成分の洗剤を使用した場合をそれぞれ示して
いる。
【0023】〈実施例2〉従来のテクスチャ加工はダイ
ヤモンドやアルミナ等の砥粒を使って加工するため、基
板表面にバリや突起等が発生し易く、これがもとで磁気
ヘッドの浮上特性や磁性媒体の結晶成長が不均一とな
り、保磁力等の磁気特性に向上が期待できなかったが、
このような場合でもテクスチャ加工後に本発明の表面処
理工程を採用すれば表面状態が改質され磁気特性の向上
が見られる。すなわち、この実施例は、実施例1の工程
(e)に2段階の処理を行なうものであり、初めに周知
の手法でNi−Pメッキ2の表面をテクスチャ加工し、
次いで実施例1の工程(e)と同様の表面処理を行な
う。
ヤモンドやアルミナ等の砥粒を使って加工するため、基
板表面にバリや突起等が発生し易く、これがもとで磁気
ヘッドの浮上特性や磁性媒体の結晶成長が不均一とな
り、保磁力等の磁気特性に向上が期待できなかったが、
このような場合でもテクスチャ加工後に本発明の表面処
理工程を採用すれば表面状態が改質され磁気特性の向上
が見られる。すなわち、この実施例は、実施例1の工程
(e)に2段階の処理を行なうものであり、初めに周知
の手法でNi−Pメッキ2の表面をテクスチャ加工し、
次いで実施例1の工程(e)と同様の表面処理を行な
う。
【0024】以上、本発明の具体的な代表例として二つ
の実施例を説明したが、実施例1と実施例2とを対比し
てみると、本発明の特徴はテクスチャ加工を必ずしも必
要としないので、実用的には実施例2よりも実施例1で
行なうのが望ましい。
の実施例を説明したが、実施例1と実施例2とを対比し
てみると、本発明の特徴はテクスチャ加工を必ずしも必
要としないので、実用的には実施例2よりも実施例1で
行なうのが望ましい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、テ
クスチャ加工のように砥粒を使った加工をしないので、
基板表面に対しては処理液と処理テ−プで擦るだけの表
面処理のため、何れも従来の問題点を解消することがで
き、所期の目的を達成することができた。すなわち、
(1)バリや突起が発生しない、(2)砥粒を使わない
ので処理後の洗浄性が良い、(3)砥粒や研磨粉を含む
加工液を使わないで表面処理だけで済むため、処理後の
洗浄が簡素になり、(4)磁気異方性が付くと共にヘッ
ドの浮上特性が向上する効果がある。
クスチャ加工のように砥粒を使った加工をしないので、
基板表面に対しては処理液と処理テ−プで擦るだけの表
面処理のため、何れも従来の問題点を解消することがで
き、所期の目的を達成することができた。すなわち、
(1)バリや突起が発生しない、(2)砥粒を使わない
ので処理後の洗浄性が良い、(3)砥粒や研磨粉を含む
加工液を使わないで表面処理だけで済むため、処理後の
洗浄が簡素になり、(4)磁気異方性が付くと共にヘッ
ドの浮上特性が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す薄膜磁気ディスクの製
造工程図。
造工程図。
【図2】同じく薄膜磁気ディスクの構造を示す一部破断
斜視図。
斜視図。
【図3】同じく表面処理方法を実現する装置例を模式的
に示した斜視図。
に示した斜視図。
【図4】磁気特性として円周方向(θ)と半径方向
(R)の保持力比Hc(θ/R)を示した特性図。
(R)の保持力比Hc(θ/R)を示した特性図。
1…アルミ基板、 2…Ni−P
下地膜、3…下地膜、 4…
磁性膜、5…保護膜、 6…
潤滑膜、7…処理液、 8…
Ni−P基板、9…処理テ−プ、
10…コンタクトローラー。
下地膜、3…下地膜、 4…
磁性膜、5…保護膜、 6…
潤滑膜、7…処理液、 8…
Ni−P基板、9…処理テ−プ、
10…コンタクトローラー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武尾 典幸 神奈川県小田原市国府津2880番地株式会 社日立製作所 小田原工場内 (72)発明者 渡辺 正博 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株 式会社日立製作所 生産技術研究所内 (56)参考文献 特開 平1−182926(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/84 - 5/858
Claims (4)
- 【請求項1】磁性媒体を支えるNi−Pメッキ基板上
に、下地膜及び磁性膜を順次スパッタ法により成膜する
工程を有する薄膜磁気ディスクの製造方法において、前
記下地膜をスパッタ法で形成する成膜工程の前工程とし
て、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びグ
リセリンから選択される多価アルコールの少なくとも一
つを主成分として含み、砥粒を含まない表面処理液を、
100〜1000rpmで回転する前記基板とそれに直
交して回転移動する合成繊維からなる表面処理テ−プと
の間に滴下しながら前記表面処理テープをコンタクトロ
ーラで前記基板に押し付けて表面処理する工程を付加し
て成る薄膜磁気ディスクの製造方法。 - 【請求項2】前記回転移動する表面処理テープをコンタ
クトローラで前記回転する基板に押し付けて表面処理す
る工程において、前記表面処理液を基板と表面処理テー
プとの間に滴下する代わりに、前記表面処理液を基板に
吹きつけながら前記回転移動する表面処理テープをコン
タクトローラで前記回転する基板に押し付けて表面処理
する工程として成る請求項1記載の薄膜磁気ディスクの
製造方法。 - 【請求項3】前記回転移動する表面処理テープをコンタ
クトローラで前記回転する基板に押し付けて表面処理す
る工程において、前記処理液を基板と表面処理テープと
の間に滴下する代わりに、前記表面処理液中に基板を浸
漬しながら前記回転移動する表面処理テープをコンタク
トローラで前記回転する基板に押し付けて表面処理する
工程として成る請求項1記載の薄膜磁気ディスクの製造
方法。 - 【請求項4】前記回転移動する表面処理テープを、脂肪
族ポリアミド、ポリエステル及びセルロースから選ばれ
る少なくとも1種の合成繊維で形成して成る請求項1記
載の薄膜磁気ディスクの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16448192A JP3261161B2 (ja) | 1992-06-23 | 1992-06-23 | 薄膜磁気ディスクの製造方法 |
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