JPH07104363A - 動力伝達機構 - Google Patents

動力伝達機構

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Publication number
JPH07104363A
JPH07104363A JP24801593A JP24801593A JPH07104363A JP H07104363 A JPH07104363 A JP H07104363A JP 24801593 A JP24801593 A JP 24801593A JP 24801593 A JP24801593 A JP 24801593A JP H07104363 A JPH07104363 A JP H07104363A
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JP
Japan
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gear
satellite
output
sun gear
planetary
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Application number
JP24801593A
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English (en)
Inventor
Masaru Yano
賢 谷野
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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  • Details Of Cameras Including Film Mechanisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的簡単な構成で、遊星ギアの数を削減
し、且つ割出数を増大させる。 【構成】 モータ1によって正逆転駆動される太陽ギア
6と、太陽ギア6と噛合し、且つ、第1キャリアレバー
12で結ばれた惑星ギア7と、惑星ギア7と噛合し、且
つ、第2キャリアレバー13で結ばれた衛星ギア8とで
二連遊星ギア機構2を構成し、太陽ギア6の正方向回転
時、第1、第2キャリアレバー12、13が屈曲し、衛
星ギア8が各割出先の出力ギア3と接触することなく公
転し、太陽ギア6の逆方向回転時、第1、第2キャリア
レバー12、13が伸展し、衛星ギア8の中心に設けら
れたピン13aがカム溝15に誘導され、衛星ギア8が
割出先の出力ギア3と噛合するようにした動力伝達機
構。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータ等により構成さ
れる駆動装置の出力を平面方向の複数の割出位置に設け
られた被動作部にそれぞれ独立して伝達する動力伝達機
構、特に遊星ギアを用いた動力伝達機構に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、単一モータを用いて複数の仕
事を行わせるための動力伝達機構には多種、多様な方式
のものが開発、実用化されているが、中でもカメラやビ
デオカセットデッキ等の複数の被動作部にモータの駆動
力を伝達するための機構として、遊星ギア機構を用いた
ものが広く知られている。
【0003】このような遊星ギア機構を用いた動力伝達
機構では、モータの正逆回転を利用し、例えばモータの
正転時にはカムが動作し、該カムによって遊星ギアが割
出先の被駆動部へ誘導され、モータの逆転によって遊星
ギアを駆動させ割出先の負荷を駆動させるように構成さ
れている。
【0004】図8はこの種遊星ギア機構を用いた従来の
動力伝達機構の一例を模式的に示している。この図にお
いて、51a、51b、51cは初段、次段及び最終段
の伝達ギアユニットであって、各伝達ギアユニット51
a、51b、51cはそれぞれ太陽ギア52a、52
b、52cと、遊星ギア53a、53b、53c、中間
ギア54a、54b及び出力ギア55a、55b、55
c、55dとにより構成されている。
【0005】このうち、初段の伝達ギアユニット51a
は太陽ギア(以下、入力ギアと呼ぶ)52aが例えば減
速機構を介してモータ(いずれも図示せず)に連動連結
されている。各遊星ギア53a、53b、53cは対応
する太陽ギア52a、52b、52cに常時噛合してい
るとともに、キャリアレバー56a、56b、56cに
よって該太陽ギア52a、52b、52cを中心として
公転可能に連動連結されている。また、各出力ギア55
a、55b、55c、55dにはそれぞれ対応する負荷
(図示せず)が連結されている。
【0006】さらに、図示してはいないが、この従来例
の動力伝達系には遊星ギア53b、53cの出力先を決
定するためのカムが初段の出力ギア55aと同軸に設け
られており、該カムから延びる制御レバーを介して対応
する遊星ギア53b、53cが割出された出力先へと誘
導されるように構成されている。
【0007】このような従来構造の動力伝達系では、例
えば、モータの逆方向回転(逆転)により太陽ギア52
aが反時計方向に回転すると、遊星ギア53aが時計方
向に回転するとともに反時計方向に公転して2点鎖線で
示す割出位置に誘導され、その位置で出力ギア55aと
噛合することによりモータの回転が入力ギア52a、遊
星ギア53aを介して出力ギア55aに伝達される。
【0008】このとき、出力ギア55aと同軸のカムが
動作して出力ギア55b、中間ギア54b、及び出力ギ
ア55c、55dの位置を出力ギア55aの回転量に応
じて決定する。
【0009】次に、モータを正方向に回転すると、初段
の遊星ギア53aがカムに沿って1点鎖線で示す割出位
置に誘導され、その位置で中間ギア54aと噛合する。
中間ギア54a、次段の太陽ギア52bを介して回転さ
れる次段の遊星ギア53bは回転と同時に前記カムによ
って決められた次段の出力ギア55bまたは中間ギア5
4bと噛合する位置に誘導される。以下、最終段の出力
ギア55dまで、上記と同様の動作を行って所要の出力
先に独立的に動力が伝達される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成のように、動力伝達系の途中に遊星ギア53a、
53b、53cを介在させ、該遊星ギア53a、53
b、53cの出力先をカムによって決定するような割
出、伝達方式によるものでは、割出す数に対応して遊星
ギアが必要となるため、必然的にコスト高を招く。ま
た、遊星ギア53a、53b、53cは列状に配置され
た構造となるため、カムから遊星ギア53a、53b、
53cへ延びる制御レバーの配置が複雑化するなど、機
構の簡素化が困難である。
【0011】このような問題点を改善し、遊星ギアの数
を削減し得るとともに、カムと遊星ギアとを可及的に近
い位置に配置し得る先行技術として、例えば本出願人が
先に提案した特開平1−287648号公報に開示され
たものがある。図9は前記先行技術例の要部を簡略化し
て示している。
【0012】図9において、61は動力伝達系の途中部
に介在する太陽ギアであって、該太陽ギア61には正逆
転モータの回転が減速機構(いずれも図示せず)を介し
て伝達される。62は遊星ギアであって、該遊星ギア6
2は太陽ギア61と常時噛合しているとともに、キャリ
アレバー63によって太陽ギア61を中心として公転可
能に連動連結されている。
【0013】64a、64b、64c、64dはそれぞ
れ出力ギアであって、各出力ギア64a、64b、64
c、64dはそれぞれ太陽ギア61を中心に遊星ギア6
2の直径分だけ離れた複数、例えば4個所の割出先に配
置されており、各々対応する負荷(図示せず)と連結さ
れている。また、図示してはいないが、太陽ギア61と
同軸に割出機能を備えたカムが設けられている。
【0014】このような先行技術の構成では、モータが
正転すると、入力ギアである太陽ギア61が例えば時計
方向に回動し、一方向クラッチ(図示せず)を介してカ
ムが同じく時計方向に駆動されることにより、遊星ギア
62の公転ストップ位置が決定されるようになってい
る。
【0015】また、モータを逆転させると、太陽ギア6
1が反時計方向に回転するが、この場合、一方向クラッ
チは非伝達方向であるため、カムは前記遊星ギア62の
公転ストップ位置に対応する位置を保持しているが、遊
星ギア62は公転ストップ位置に来るまで太陽ギア61
を中心に公転し、公転ストップ位置に対応する割出先の
出力ギア(図では64a)に太陽ギア61からの回転を
伝達する。
【0016】上記先行技術のように遊星ギア62をいず
れの出力ギア64a、64b、64c、64dと噛合さ
せるかを、太陽ギア61と同軸に配されたカムによって
制御するような割出、伝達方式では、複数の割出位置に
設けられた出力ギア64a、64b、64c、64dに
対して、太陽ギア61及び遊星ギア62は各1個のみ準
備すればよく、また、カムの構成も簡略化し得る点で前
記従来例と比較して有利である。
【0017】しかしながら、この場合、遊星ギア62は
モータの正転時及び、逆転時の公転ストップ位置に至る
までの間で公転するため、該遊星ギア62は公転の途中
で、割出先に配置された複数の出力ギア64a、64
b、64c、64dと何度か接触、噛合してしまい、所
要の出力ギア(例えば64a)だけを独立して駆動させ
たいにも拘らず、無関係な割出先の出力ギア64b、6
4c、64dまで動力が伝わってしまうという不都合が
生じる。また、このような不都合を回避しようとする
と、複数の出力ギア64a、64b、64c、64dの
配置が大きく制約されるという問題点がある。
【0018】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、使用する遊星ギアの数を削減す
るとともに、機構の簡素化及びコンパクト化を図り、さ
らに出力ギアの配置の制約が少なく、また、割出途中で
遊星ギアが無関係の出力ギアと接触することもなく、機
能性、経済性に優れた新規な動力伝達機構を提供するこ
とを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る動力伝達機構では、太陽ギアと、この太
陽ギアと常時噛合し且つ該太陽ギアを中心に公転可能な
惑星ギアと、この惑星ギアと常時噛合し且つ該惑星ギア
を中心に公転可能な衛星ギアと、この衛星ギアの中心に
設けられたカムフォロアを前記太陽ギアを中心とする前
記衛星ギアの軌跡から外側に誘導するカム部材と、この
カム部材によって軌跡の外側に誘導された前記衛星ギア
と噛合する位置に配置された出力ギアとを具備するもの
としている。
【0020】
【作用】上記構成によると、太陽ギアが正方向に回転し
たとき、惑星ギアは太陽ギアと同方向に公転し、衛星ギ
アは惑星ギアに対して逆方向に公転しようとする。これ
により衛星ギアはカムフォロアがカム部材に誘導されて
太陽ギアと接近する方向へ移動する。従って、太陽ギア
の正転時には衛星ギアが太陽ギアに接近した形を保持し
た状態で、太陽ギア、惑星ギア及び衛星ギアの3者が正
方向に回転するため、衛星ギアはいずれの出力ギアとも
接触することなく公転する。
【0021】このように本発明では太陽ギア、惑星ギア
及び衛星ギアによる二連遊星ギア構造としたことによ
り、割出時には衛星ギアは太陽ギアに対して屈曲した位
置を保持し、しかも割出先の出力ギアは太陽ギアの正転
時における衛星ギアの公転軌跡よりも外側という太陽ギ
アから比較的離れた位置に配置されるため、割出先の出
力ギアの配置の自由度を大きくすることが可能となり、
また、割出先の出力ギア数を増やすことが可能になる。
【0022】次に、太陽ギアが逆方向に回転したとき
は、惑星ギアが太陽ギアの自転と同方向に公転し、これ
によって衛星ギアはカム部材により太陽ギアから離れる
方向に移動し、出力ギアに噛合する位置まで誘導され
る。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図1及び図2は本実施例の要部を示し、また
図3は各構成部材を分解して示す。これらの図に示され
た動力伝達機構は、正逆転可能なモータ(駆動装置)1
の駆動力を複数の割出先に独立的に伝達するものであっ
て、モータ1と連動連結された二連遊星ギア機構2、割
出先に配される複数個(図では8個)の出力ギア3、各
出力ギア3を支持する台板4及びカム板5により構成さ
れている。
【0024】二連遊星ギア機構2は、太陽ギア6、惑星
ギア7及び衛星ギア8により構成されており、それぞれ
前記出力ギア3とともに、同一平面である台板上面に配
設されている。台板4は円盤状に形成された固定板であ
って、その中心には、駆動軸9を回転自在に支持する駆
動軸挿通孔4aが形成されている。
【0025】台板4の下方に突出する駆動軸9の下端部
には大径の減速ギア10が取り付けられている。一方、
モータ1の出力軸1aには小径のピニオンギア11が取
り付けられており、該ピニオンギア11が減速ギア10
と常時噛合して減速機構を構成している。
【0026】また、台板4上に突出する駆動軸9の先端
側は回転軸として太陽ギア6が取り付けられているとと
もに、該駆動軸9を中心に回動可能な第1キャリアレバ
ー12の一端部が枢支されている。この第1キャリアレ
バー12の他端部には惑星ギア7の回転軸7aが設けら
れており、これによって惑星ギア7は太陽ギア6と常時
噛合した状態で、該太陽ギア6を中心に公転できるよう
になっている。
【0027】惑星ギア7の回転軸7aには、該回転軸7
aを中心に回動可能な第2キャリアレバー13の一端部
が装着されており、この第2キャリアレバー13の他端
部には上方に突出するピン13aが設けられている。前
記衛星ギア8は該ピン13aと同軸に設けられており、
これによって衛星ギア8は惑星ギア7と常時噛合した状
態で、該惑星ギア7を中心に公転できるようになってい
る。また、ピン13aは衛星ギア8の回転軸であるとと
もに、後述するカム板5に設けたカム溝15に係合する
カムフォロアとしても機能する。
【0028】さらに、太陽ギア6と惑星ギア7間には所
定のフリクション力が存在しており、このフリクション
力により惑星ギア7は太陽ギア6の回動方向に付勢され
ている。また、惑星ギア7と衛星ギア8間にもフリクシ
ョン力が存在しており、衛星ギア8は惑星ギア7の回動
方向に付勢されている。
【0029】台板4には駆動軸挿通孔4aから所定距離
離れた複数部位に、それぞれ各出力ギア3を回転自在に
支持する支軸4bが設けられている。また、出力ギア3
は衛星ギア8と噛合できる位置に配する必要があるた
め、太陽ギア6に対して第1、第2キャリアレバー1
2、13が一直線上に位置したときの距離、即ち太陽ギ
ア6、惑星ギア7及び衛星ギア8の中心が一直線上に並
んだときの距離よりも近くに位置させてある。
【0030】なお、本実施例では、各出力ギア3は図1
に示すように台板4上において、太陽ギア6を中心とす
る仮想円上に等間隔毎に配置したものとなっているが、
これは一例に過ぎず、各出力ギア3は例えば図7に示す
ように、負荷に対応して寸法や円周方向の位置が種々決
定されるものである。
【0031】カム板5は中央の円盤部5aの周方向3等
分位置から取付用アーム部5bを延出してなるもので、
各アーム部5bを台板4の外周3等分位置に突設したブ
ラケット4c上に締着することにより、台板4と一体的
に固定されている。このカム板円盤部5aの中心部には
ピン13aが突入する円孔14が形成されている。この
円孔14は惑星ギア回転軸7aの軌跡より僅かに大きい
直径に形成されており、その内周から各出力ギア3に向
かって該出力ギア3の数と同数のカム溝15が延びてい
る。
【0032】各カム溝15は後述するような曲率を有す
る円弧状に形成されており、カムフォロアとしてのピン
13aを係合して太陽ギア6を中心とする衛星ギア8の
軌跡の外側で、且つ、該衛星ギア8が出力ギア3と噛合
する位置に誘導するものである。また、円孔14の中央
部にはピン13aの該円孔14内への入り込み量を規制
する円板16が設けられている。
【0033】この円板16の存在により、第1、第2キ
ャリアレバー12、13は惑星ギア7の回転軸7aを屈
曲点として、太陽ギア6と衛星ギア8とが噛み合わない
程度まで屈曲したところで、それ以上の屈曲を規制され
る。この屈曲状態においてはピン13aは円板16の外
周に接しており、衛星ギア8と出力ギア3とは噛み合わ
ない。なお、円板16は駆動軸9の先端面に支持させて
もよく、また、別の支持手段によって支持させるように
してもよい。
【0034】上記構成を備えた本実施例の動力伝達機構
において、いま、ピン13aがいずれかのカム溝15に
係合して、衛星ギア8が対応する出力ギア3と噛合して
いるとする。この状態から、モータ1の出力軸1aが時
計方向に回転したときは、このモータ1の回転がピニオ
ンギア11及び減速ギア10を介して駆動軸9に伝達さ
れることにより、太陽ギア6が反時計方向に回転する。
【0035】この太陽ギア6の回転により、惑星ギア7
はフリクション力によって同方向に公転し、また、衛星
ギア8は惑星ギア7に対して時計方向に公転しようとす
る。このため、ピン13aはカム溝15に誘導されて内
側へ移動し、これによって第1、第2キャリアレバー1
2、13はピン13aが円板16に接するまで屈曲す
る。従って、二連遊星ギア機構2の全体がこの屈曲状態
を保ったまま反時計方向に回転する。
【0036】このように本実施例では、モータ1の時計
方向の回転(正転)によって、ピン13aが円孔14内
で円板16の外周に接してガイドされることにより衛星
ギア8がいずれの出力ギア3とも噛合することなく、太
陽ギア6を中心とする軌跡を描いて回転することにな
る。従って、本実施例機構を用いて出力先を割出すとき
は、その割出動作中、いずれの出力ギア3とも接触しな
い。
【0037】次に、上述の第1、第2キャリアレバー1
2、13の最大屈曲状態から、モータ1の出力軸1aが
反時計方向に回転したときは、太陽ギア6が時計方向に
回転する。この太陽ギア6の時計方向の回転により、惑
星ギア7はフリクション力によって同方向に公転し、衛
星ギア8が反時計方向に回転しようとする。これによっ
て、ピン13aは割出先に対応するカム溝15に係合し
て該カム溝15にガイドされる。
【0038】これにより、第1、第2キャリアレバー1
2、13は惑星ギア回転軸7aを中心として拡開してい
き、衛星ギア8は前述の軌跡の外側へ誘導され、最終的
に出力ギア3と噛合する。この噛合状態において、衛星
ギア8はモータ1の回転を太陽ギア6及び惑星ギア7を
介して伝達されており、これによって出力ギア3が駆動
される。
【0039】このように本実施例では、モータ1の反時
計方向の回転(逆転)によって、ピン13aがいずれか
のカム溝15にガイドされることにより、衛星ギア8が
割出先の出力ギア3へと誘導され、且つ、該出力ギア3
と噛合する。これによってモータ1の回転が太陽ギア
6、惑星ギア7及び衛星ギア8を介して出力ギア3に伝
達されるものである。
【0040】ところで、上記割出動作に際して、太陽ギ
ア6が反時計方向に回転し、第1、第2キャリアレバー
12、13が屈曲するとき、モータ1に加わる負荷とし
ては、前述の惑星ギア7及び衛星ギア8に存在するフリ
クション力の他に、ピン13aと円板16との間に生じ
るフリクション力がある。図4及び図5はこのピン13
aと円板16間のフリクション力を低減するための構造
の一例を示している。
【0041】即ち、ピン13aは円板16に対して摺接
するものであるため、図4に示すように、円板16の外
周面に接するピン13aの上端部にローラー17を回転
自在に装着している。このようにするとローラー17が
円板16の外周面に転接することになるので、フリクシ
ョン力が大きく低減される。
【0042】また、図5に示すように、第2キャリアレ
バー13の衛星ギア寄り部から屈曲方向内方に延びるア
ーム片18を突設したものとすることにより、第1、第
2キャリアレバー12、13の屈曲時において、ピン1
3aが円板16の外周面に接する前に該アーム片18が
第1キャリアレバー12に当接するため、ピン13aと
円板16間のフリクション力が発生しない。
【0043】なお、このような構成においては、前記ア
ーム片18は第1、第2キャリアレバー12、13相互
の屈曲位置を規制する働きをなすものであるため、第1
キャリアレバー12側に設けるようにしてもよく、ま
た、該アーム片18に代えて、これと同等の働きをなす
別の構造としてもよい。
【0044】また、図6に示すように、出力ギア3を駆
動させる場合、自転している衛星ギア8から該出力ギア
3に回転が伝達されるとき、各ギア3、8の圧力角によ
ってそれぞれの回転軸4b、13aを結ぶ直線L1から
圧力角と同一角度だけ傾いた直線L2に対して垂直な方
向に反力を受ける。この反力によって第1、第2キャリ
アレバー12、13を屈曲させないために、カム溝15
の外端部近傍部分が前記直線L2と交差する角度を圧力
角以上に設定するとよい。なお、本実施例では、各ギア
の圧力角は20゜としているため、カム溝15の外端部
近傍部分が前記直線L2と交差する角度を20゜以上傾
けるようにしている。
【0045】ところで、出力ギア3との接続点付近にお
けるカム溝15の曲率は太陽ギア6を中心とする円に対
して符号が逆になるような曲率を有する形状とすること
により、各割出先の出力ギア3の配置の自由度を向上さ
せることができる。本実施例では、太陽ギア6が反時計
方向に回転するときのピン13aの軌跡は円板16の外
周と相似形状を画くが、前記カム溝15の形状は曲率の
符号が逆になるような滑らかな形状、例えば図1で示す
カム溝15’のような形状が最も好ましいと言える。
【0046】また、衛星ギア8がいずれの出力ギア3に
噛合している状態においても、第1、第2キャリアレバ
ー12、13のなす屈曲角度が一定である必要はない。
例えば図7に示すように、各割出先の出力ギア3の配置
及び直径が異なっている場合が考えられるが、このよう
な場合、衛星ギア8が噛合する出力ギア3によって、第
1、第2キャリアレバー12、13のなす屈曲角度は相
違することになる。
【0047】さらに、惑星ギア7の歯数>衛星ギア8の
歯数>太陽ギア6の歯数とすれば、第1、第2キャリア
レバー12、13が展開して外側に移動したとき、衛星
ギア8と太陽ギア6間距離の惑星ギア7の軌跡に対する
比率を大きくとることができる。つまり、惑星ギア7の
直径は太陽ギア6のそれに対して大きい方が、第2キャ
リアレバー13の腕長さを大きくとることができ、その
分、割出先の出力ギア3を遠く配置できる点で好まし
い。
【0048】さらにまた、惑星ギア7の歯数>衛星ギア
8の歯数とすれば、衛星ギア8が惑星ギア7の軌跡の範
囲内で太陽ギア6を中心に回転できるので、機構全体を
コンパクトに構成できる。つまり、衛星ギア8は惑星ギ
ア7に対して小さい方が衛星ギア8の公転軌跡を惑星ギ
ア7のそれからはみ出しにくくできる。
【0049】上記構成において割出先は例えばマイクロ
コンピュータを用いて選択することができる。この場
合、衛星ギア8の現在位置を検出するデータと、目的と
する割出先の出力ギア3’の位置データをマイクロコン
ピュータ(図示せず)に入力し、該出力ギア3’に対応
する位置にもってくるのに必要なモータ1の回転量を算
出して、モータドライブ回路(図示せず)に与えるよう
にするとよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る動力伝
達機構は、太陽ギアと、この太陽ギアと常時噛合し且つ
該太陽ギアを中心に公転可能な惑星ギアと、この惑星ギ
アと常時噛合し且つ該惑星ギアを中心に公転可能な衛星
ギアと、この衛星ギアの中心に設けられたカムフォロア
を前記太陽ギアを中心とする前記衛星ギアの軌跡から外
側に誘導するカム部材と、このカム部材によって軌跡の
外側に誘導された前記衛星ギアと噛合する位置に配置さ
れた出力ギアとを具備するものとしたので、次のような
効果を奏するものとなった。
【0051】まず、遊星ギアと太陽ギアとが常時直列し
ている従来構成とは異なり、惑星ギアの介在により衛星
ギアと太陽ギアとが必ずしも直列するものではなく、ま
た、太陽ギアと比較的離れた位置に割出先の出力ギアを
配置することができるので、各割出先の出力ギアの配置
の自由度が向上する上、割出先の出力ギア数、つまり割
出数を増大させることができる。
【0052】また、前述のように衛星ギアと太陽ギアが
直列しないので、割出時における衛星ギアの軌跡は出力
ギアと接触しない範囲となる。従って、割出中の衛星ギ
アは割出先でない出力ギアとは接触しないので、割出中
に不必要な割出先を駆動するといった事態が発生しな
い。このため、各割出先にギア伝達の入切を行うクラッ
チ等の手段が不要であり、また、駆動装置の出力が無駄
に使用されるといった不都合も生じない。
【0053】さらに、衛星ギアの移動範囲を規制するた
めの手段として、位置固定されたカム部材を設けるだけ
でよく、従ってカム部材の構成を従来と比較して大幅に
簡略化することができる。その上、前述のように、割出
中においては、衛星ギアはカム部材の内側の範囲で公転
することになるため、割出中、衛星ギアはカム部材に干
渉せず、従って、割出動作時において騒音の発生が抑制
された静粛な駆動を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る動力伝達機構の要部平
面図。
【図2】 図1の切断線II−IIに対応する断面図。
【図3】 その分解斜視図。
【図4】 フリクション低減構造の一例を示す要部拡大
斜視図。
【図5】 フリクション低減手段の他の例を示す要部拡
大平面図。
【図6】 カム部材の形状を示す要部拡大平面図。
【図7】 変形例を示す要部拡大平面図。
【図8】 従来例を模式的に示す要部平面図。
【図9】 他の従来例を模式的に示す要部平面図。
【符号の説明】
1 モータ 2 二連遊星ギア機構 3 出力ギア 4 台板 5 カム板 6 太陽ギア 7 惑星ギア 8 衛星ギア 9 駆動軸 12 第1キャリアレバー 13 第2キャリアレバー 13a ピン 15 カム溝 16 円板 17 ローラー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽ギアと、この太陽ギアと常時噛合し
    且つ該太陽ギアを中心に公転可能な惑星ギアと、この惑
    星ギアと常時噛合し且つ該惑星ギアを中心に公転可能な
    衛星ギアと、この衛星ギアの中心に設けられたカムフォ
    ロアを前記太陽ギアを中心とする前記衛星ギアの軌跡か
    ら外側に誘導するカム部材と、このカム部材によって軌
    跡の外側に誘導された前記衛星ギアと噛合する位置に配
    置された出力ギアとを具備することを特徴とする動力伝
    達機構。
JP24801593A 1993-10-04 1993-10-04 動力伝達機構 Pending JPH07104363A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018523956A (ja) * 2015-12-17 2018-08-23 広東通宇通訊股▲ふん▼有限公司Tongyu Communication Inc. アンテナ伝動装置及びアンテナ

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