JPH0710322Y2 - コネクタ付光ケーブルの分岐部 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、光ファイバケーブルの端末にコネクタを取り
付けた、コネクタ付光ファイバケーブルの分岐部に関す
るものである。

［従来の技術］ 従来、光ファイバケーブルは、第２図に示すように、テ
ンションメンバ１の周囲に光ファイバ心線２を適当な介
在と共に撚合わせ、押え巻きテープ３を施し、シース４
を被覆して光ファイバケーブル５を構成している。

現地工事の省力化を目的として、この光ファイバケーブ
ルの端末にコネクタを取り付けることが多い。予め工場
において光ファイバケーブルの端末にコネクタを取り付
け、そのコネクタ取り付け部に適当な防護を施すことに
より、輸送及び布設時において、コネクタ及び光ファイ
バケーブル端末部に障害が発生しないようにするもので
ある。このようにすれば、光ファイバケーブル布設後、
端末部に取り付けたコネクタ同志を直接接続可能とな
り、光ファイバ心線を融着接続する必要がなく、現地接
続作業の省力化が図れる。

第３図にこのようなコネクタ付光ファイバケーブルの構
造例を示す。光ファイバケーブル５の端末に分岐部７を
設け、その一端は熱収縮チューブ６を用いて固着する。
分岐部７の外部は、光ファイバ心線２を収容した単心コ
ード８を設け、その端末にコネクタ10を取り付ける。ま
た、外部テンションメンバ９を分岐部７の外部へ単心コ
ード８と同じ方向に取り出す。

第４図に分岐部７の詳細を示す。段むきされた光ファイ
バケーブル５のテンションメンバ１の端末にテンション
メンバ接続部12を介して、中子17を接続する。一方、端
面板13はケース11と固着されており、そのケース11は熱
収縮チューブ６により、光ファイバケーブル５と固着さ
れている。外部テンションメンバ９は、挿通孔15部でナ
ット16により端面板13に締め付けられている。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、第４図の構成では、光ファイバケーブル５のシ
ース４と押え巻テープ３の間の引抜力が弱い場合、布設
作業時のしごき等により、ケーブルのコアのみが突き出
してきたり捩じられる場合がある。即ち、固定されたシ
ース４の端から、押え巻テープ3,光ファイバ心線２及び
テンションメンバ１が回転して出て来ることがある。こ
のケーブルコアのみの突き出しにより、端面板13との距
離が短くなり、結果として、ケース11の内部で光ファイ
バ心線２が曲げ或いはねじられて、光損失の増加または
断線をもたらす原因となる。

勿論、その回転はナット16の締め付け力によって阻止し
得るが、ナット16の締め付けトルク以上の左方向の回転
力が生じると、締め付け力が弱まり、回転を生じる。

本考案は、前記した従来技術の欠点を解消し、ケース11
の内部で光ファイバ心線２がねじれるのを防止した構造
のコネクタ付光ケーブルの分岐部を提供することにあ
る。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、光ファイバケーブルの端末を段むきにして光
ファイバ心線及びテンションメンバを取り出し、該テン
ションメンバに中子を機械的に固着せしめ、該中子を筒
型ケースの端面板に挿通し、該ケースを熱収縮チューブ
を用いて光ファイバケーブルのシースに固着したコネク
タ付光ケーブルの分岐部において、端面板に挿入される
中子の係合部を角型断面形状とし、該係合部が挿入され
る端面板の挿入孔の形状を相応する角穴とし、中子と端
面板を軸方向に移動不能にねじ締めした構成としたもの
である。

［作用］ 上記構成によれば、中子の係合部と端面板の挿入孔とは
角型形状で嵌合されてるため、布設作業時のしごき等に
よっても、テンションメンバ等が回転しない。また、中
子と端面板は軸方向に移動不能にねじ締めされているた
め、テンションメンバが突き出すこともない。従って、
光ファイバ心線の捩じれが防止され、光ファイバの光損
失の増加又は断線を防ぐことができる。

［実施例］ 以下、図示の実施例に基づいて本考案を説明する。

第１図に示すコネクタ付光ファイバケーブル５の分岐部
７は、従来と同様に、ケース11,端面板13,中子20を有す
る。即ち、筒型スリーブから成るケース11の一端は熱収
縮チューブ６により光ファイバケーブル５と固着され、
他端の円形開口部には円形の端面板13が挿入されてネジ
止め固定されており、この端面板13の中央には中子20が
設けられている。しかし、中子20の形状と、中子20を挿
入する端面板の挿入孔25の形状とにおいて従来と大きく
異なる。

詳述するに、中子20は中間部からケース内側にスリーブ
部21を又ケース外側に雄ねじ棒部22を有し、両者の境界
部にはフランジ23により段差が付けられている。スリー
ブ部21と、雄ねじ棒部22と、端面板13を貫く係合部24の
形状は、角型断面、本実施例では四角断面となってい
る。一方、端面板13の挿入孔25は、この係合部24と相応
する形状の角穴として設けられている。尚、この実施例
では、捩じれを全体として防止するため、外部テンショ
ンンメンバ９と中子20の係合結合させる接続部材27も角
型となっている。

挿入孔25に係合部24が挿入された中子20は、雄ねじ棒部
22にナット26が螺合され締め付けられて、端面板13に固
定されている。分岐部７の端面板外部には、光ファイバ
心線２を収容した単心コード８が設けられ、その端末に
はコネクタ10（第３図）が取り付けられている。

光ファイバケーブルの端末処理において、段むきされた
光ファイバケーブル５のテンションメンバ１は、中子20
のスリーブ部21にかしめ処理により接続される。外部テ
ンションメンバ９は、接続部材27により雄ねじ棒部22に
固着され、分岐部７の外部へ単心コード８と同じ方向に
取り出されている。

上記構成によれば、中子20はその角型形状の係合部24が
これに対応した端面板13の挿入孔25に嵌合されるため、
布設作業時のしごき等によっても、テンションメンバ１
等は回転しない。また、フランジ23の段差によりネジで
締め付けられているため、テンションメンバ１が突き出
すこともない。従って、光ファイバ心線２の捩じれが防
止され、光ファイバの光損失の増加又は断線を防止する
ことができる。

［考案の効果］ 以上述べたように、本考案によれば中子と端面板とを角
型形状にて嵌合させ勝つ軸方向に移動不能にねじ締めし
ているため、テンションメンバの回転及び突出を防ぐこ
とができる。このため光ファイバ心線の捩じれがなくな
り、捩じれによる光ファイバの光損失の増加又は断線を
防止できる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の実施例のコネクタ付光ケーブルの分岐
部を示す断面図、第２図は光ファイバケーブルの断面
図、第３図は従来の光ファイバケーブルの端末にコネク
タを取り付けたコネクタ光ファイバケーブルを示す図、
第４図は従来のコネクタ付光ケーブルの分岐部を示す断
面図である。 図中、１はテンションメンバ、２は光ファイバ心線、３
は押え巻テープ、４はシース、５は光ファイバケーブ
ル、６は熱収縮チューブ、７は分岐部、８は単心コー
ド、９は外部テンションメンバ、10はコネクタ、11はケ
ース、12はテンションメンバ接続部、13は端面板、14は
空間、15は挿通孔、16はナット、17は中子、20は中子、
21はスリーブ部、22は雄ねじ棒部、23はフランジ、24は
係合部、25は挿入孔、26はナット、27は接続部材を示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】光ファイバケーブルの端末を段むきにして
   光ファイバ心線及びテンションメンバを取り出し、該テ
   ンションメンバに中子を機械的に固着せしめ、該中子を
   筒型ケースの端面板に挿通し、該ケースを熱収縮チュー
   ブを用いて光ファイバケーブルのシースに固着したコネ
   クタ付光ケーブルの分岐部において、端面板に挿入され
   る中子の係合部を角型断面形状とし、該係合部が挿入さ
   れる端面板の挿入孔の形状を相応する角穴とし、中子と
   端面板を軸方向に移動不能にねじ締めしたことを特徴と
   するコネクタ付光ケーブルの分岐部。