JPH07102605A - 浴室ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浴槽の排水口から洗い場の排水孔までの排水
管の配管施工が省略でき、現場施工が容易な浴室ユニッ
トを提供する。 【構成】 防水パン１を浴槽設置部５と洗い場６とに区
分けする仕切り壁４を有し、洗い場６には排水孔８が設
けられ、浴槽設置部５上には、立ち上がり壁１１により
浴槽１３の排水口１５からの排水を、排水用開口部７に
導くための排水路１２が形成されている。かくすること
により、排水路１２が排水管と同じ機能を発揮し、排水
管の配管施工の必要がなくなり、現場の施工性が改善さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一半部に浴槽設置部が
設けられた防水パンを使用する浴室ユニットに関し、更
に詳しくは浴槽からの排水を、防水パンの略中央に設け
られた排水孔に導くための排水手段の改善に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、一半部に浴槽設置部が設けられた
防水パンを使用する浴室ユニットの排水手段としては、
特開平２−１２８７３０号公報に記載されているよう
に、防水パンの略中央に排水孔を設け、該洗い場側で生
じた排水はこの排水孔から排水し、一方、浴槽からの排
水は、浴槽の底部の排水口に排水管の一端を接続すると
共に、他端を洗い場の排水孔に臨ませ、排水するように
したものが知られている。

【０００３】このようにすれば、一度に多量の湯水が排
水される浴槽からの排水が、浴槽の下方に流れ込み、浴
槽載置部の表面が湯垢等で汚れることがなく、浴室の清
掃が簡単になるという利点がある。

【０００４】

【本発明が解決しようとする課題】ところが、排水管の
取り付けを、浴槽設置部に浴槽を設置する前に実施する
となると、浴槽を横倒しにして排水管の一端を浴槽の排
水口に接続し、洗い場側に設けられた排水孔迄の長さ設
定や方向付け等を、おおよその目測で行った後、浴槽を
起こし、設置するという手順を踏むことになる。従っ
て、狭い浴室内で浴槽の立て起こしを円滑に行うことが
難しく、また立て起こしが出来たとしても、排水管の先
端が正しく排水孔の上方の所定位置に来ていることは少
なく、手直しを必要とする場合が多い。

【０００５】また、排水管の取り付けを、浴槽設置部に
浴槽を設置した後で行うようにすれば上述のような問題
は起こらないが、逆に、狭い浴室内で排水管の一端を浴
槽の底部に接続すると共に、排水管を浴槽の底部と浴槽
設置部との間に通して配管する作業が並み大抵ではな
い。

【０００６】本発明は、このような従来技術の欠点を解
消し、浴槽の排水口から洗い場の排水孔までの配管施工
を省略でき、現場施工が容易な浴室ユニットを提供する
ことを目的としてなされたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、「一半部に浴
槽設置部が設けられた防水パンに排水孔が設けられ、該
排水孔に通じる排水路が防水パンの床面から立設され立
ち上がり壁に囲まれて形成され、浴槽設置部に設置され
た浴槽の底面に立ち上がり壁の上端が当接され、浴槽の
排水口が排水路内に位置されてなることを特徴とする浴
室ユニット」をその要旨とするものである。

【０００８】即ち、浴槽設置部の上面に予め排水路を形
成しておき、この排水路によって、上記従来技術におけ
る排水管と同じ機能を発揮できるようになし、もって、
浴槽設置前或いは後における排水管の配管施工を省略す
るようにしたことを骨子とするものである。

【０００９】

【作用】本発明の浴室ユニットは、一半部に浴槽設置部
が設けられた防水パンに排水孔が設けられ、該排水孔に
通じる排水路が防水パンの床面から立設され立ち上がり
壁に囲まれて形成され、浴槽設置部に設置された浴槽の
底面に立ち上がり壁の上端が当接され、浴槽の排水口が
排水路内に位置されているので、浴槽からの排水は全て
排水路に流出し、しかもこの排水路は周りが囲繞されて
いるから、排水管と同じ機能を発揮することになる。

【００１０】かくして、狭い浴室内で浴槽の立て起こし
をしたり、排水管の先端が正しく排水孔の上方の所定位
置に来ているように手直しをしたり、或いは、狭い浴室
内で排水管の一端を浴槽の底部に接続すると共に、排水
管を浴槽の底部と浴槽設置部との間に通して配管すると
いう煩わしい施工作業を行う必要がなく、防水パンの浴
槽設置部上に浴槽を設置するだけで、浴室内での排水関
係の主たる施工は完了する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。

【００１２】図１は、本発明の一実施例をその使用態様
と共に示す断面図であり、図２は同上における排水孔、
及び排水用開口部付近を示す拡大断面図であり、図３は
図１において側壁パネルやエプロンを取り外し、且つ各
部材をそれぞれ分解して模式的に示す斜視図である。

【００１３】これらの図において、１は繊維強化合成樹
脂製の防水パンであって、低い防水壁がその四周に形成
され、また、該防水壁の上部には、浴室ユニットの側壁
パネル２の下端縁を取着するための段部３が形成されて
いる。４は仕切り壁であって（図３参照）、防水パン１
と同じ素材からなり、防水パン１の相対向する一組の防
水壁間に、防水パン１を、図１及び図３において左右に
ほぼ２分する形で防水パン１上に一体的に立設され、そ
の上端縁は防水壁の上端縁とほぼ面一となされている。

【００１４】そして、該仕切り壁４により、防水パン１
の一方が浴槽設置部５となされ、他方が洗い場６となさ
れている。また、浴槽設置部５と洗い場６とは、それぞ
れ防水壁の根元から仕切り壁４に向けて僅かに下り勾配
が付されている。７は仕切り壁４の長手方向ほぼ中程に
形成された排水用開口部であって、四角形状を呈してお
り、仕切り壁４は、該排水用開口部７により実質上その
長手方向に２分された形となっている。８は洗い場６の
床面の、該排水用開口部７に対応する位置に、ほぼ円形
の凹所を形成してなる排水孔である。

【００１５】また、排水孔８はその下方に配設された排
水用トラップ９に連通しており、更に、排水用トラップ
９から、下水管（図示しない）への連結管１０に連通し
ている。本発明において、洗い場６に設ける排水孔８
は、本実施例のように排水用開口部７に対応する位置
に、必ずしも設ける必要はないが、このようにすると、
洗い場６での排水経路が短くて済むので、該洗い場６の
汚損面を抑制することができる。

【００１６】１１は浴槽設置部５上に形成された立ち上
がり壁であって、図３に示すように、全体として平面視
ほぼＴ字状の空間部が形成されるように、その外枠を形
成している。１２はこの立ち上がり壁１１により形成さ
れた空間部からなる排水路である。この排水路１２はＴ
字状の横線部分が受水部となり、縦線部分が集水部とな
り、縦線部分の先端が排水部となる。排水路１２をＴ字
状に形成する理由は、浴槽１３の排水口１５との位置合
わせをやり易くするためである。

【００１７】本実施例の場合、立ち上がり壁１１は防水
パン１と同じ素材からなり一体的に形成されているが、
必ずしもこれに限定されず、同じ素材或いは他の素材に
より別体に形成したものを、それぞれの素材に適した取
り付け手段、例えば接着剤等により防水パン１上に立設
してもよい。

【００１８】この排水路１２は、この上に浴槽１３が設
置された場合、後述するように、立ち上がり壁１１と、
その上方に位置する浴槽１３の底面と、防水パン１の上
面とによって、周方向に囲繞されたＴ字型の空間部を形
成する。そして、排水部は排水用開口部７に接続されて
いる。

【００１９】かくすることにより、前述の通り、防水パ
ン１には防水壁の根元から仕切り壁４に向けて下り勾配
が付されているから、この排水路１２の受水部に流出し
た排水は、途中で漏水することなく、集水部を経由して
排水用開口部７に達し、図２の矢印で示すように排水孔
８へと流出することになる。

【００２０】次に、防水パン１の浴槽設置部５上に浴槽
１３を設置する手順を、上記実施例の場合に基づいて説
明すると、浴槽１３の底部下面に、図３に示すように４
個のスペーサー１４を、排水路１２内を除く浴槽設置部
５上に、それぞれ位置するように予め取着乃至一体成形
しておく。このスペーサー１４は、浴槽１３の荷重全部
が直接立ち上がり壁１１にかからないように、且つ後述
するように、立ち上がり壁１１上に水密材を貼着した場
合は、該水密材によって、立ち上がり壁１１と浴槽１３
の底面との間を、水密にシールできるような高さに、浴
槽１３を浴槽設置部５上に支承する為のものである。

【００２１】また、浴槽１３の排水口１５が、矢印で示
すように、排水路１２の所定箇所に位置するように設け
ておく必要がある。そして、立ち上がり壁１１の上縁に
は、例えばウレタン発泡シートの一面に接着剤層が設け
られた水密材１６を貼着すると共に、排水用開口部７の
カバー材１７を矢印で示す位置に取り付ける。このカバ
ー材１７は、図２から判るように、浴槽１３からの排水
が排水路１２から、排水用開口部７を通る直前に、浴槽
１３とエプロン１８との間に浸水したり、或いは、排水
用開口部７を通って排水孔８内に落下する際に、飛沫が
洗い場６の方に飛ばないようにする為のものである。

【００２２】次に、浴槽１３を、そのスペーサー１４が
排水路１２の外側に位置するようにして防水パン１上に
載置する。すると、水密材１６により、立ち上がり壁１
１と浴槽１３の底面との間は完全にシールされる。かく
して、排水路１２はほぼ密閉された空間部を形成する。
尚、水密材は、浴槽の底面と立ち上がり壁の上端とが隙
間無く確実に当接する場合は、必ずしも必要としない。

【００２３】本発明の浴室ユニットの排水装置は上述の
ように構成されており、浴槽１３内の湯水を排水すると
きは、排水口１５に嵌着されている図示しない止水栓を
外せは、排水が排水路１２を通って排水用開口部７に達
し、更に排水孔８内に落下する。そして、排水用トラッ
プ９を経由して連結管１０、下水管へと排出されるので
ある。

【００２４】本発明における排水路の構造と、これに対
応する排水口の位置関係として、上記実施例では、Ｔ字
状の排水路を使用し、浴槽の排水口は受水部の一端に位
置するようにしたが、必ずしもこれに限定されない。例
えば、排水路が三角形状であっても、Ｌ字状であっても
よく、要は、排水量に対応して、必要最小限度の排水容
量を有し、且つ排水用開口部から掃除用ブラシを挿入し
て掃除ができる形状のものが好ましい。排水容量を必要
以上に大きく採ると、排水路、即ち汚損面が広くなり好
ましくない。また逆に排水容量が小さいと、浴槽の底面
が汚損されやすくなる。

【００２５】

【発明の効果】本発明の浴室ユニットは、一半部に浴槽
設置部が設けられた防水パンの略中央に排水孔が設けら
れ、該排水孔に通じる排水路が防水パンの床面から立設
され立ち上がり壁に囲まれて形成され、浴槽設置部に設
置された浴槽の底面に立ち上がり壁の上端が当接され、
浴槽の排水口が排水路内に位置されているので、浴槽か
らの排水は全て排水路に流出し、しかもこの排水路は周
方向が囲繞されているから、排水管と同じ機能を発揮す
ることになる。

【００２６】かくして、狭い浴室内で浴槽の立て起こし
をしたり、排水管の先端が正しく排水孔の上方の所定位
置に来ているように手直しをしたり、或いは、狭い浴室
内で排水管の一端を浴槽の底部に接続すると共に、排水
管を浴槽の底部と浴槽設置部との間に通して配管すると
いう煩わしい施工作業を行う必要がなく、防水パンの浴
槽設置部上に浴槽を設置するだけで、浴室内での排水関
係の主たる施工は完了する。

【００２７】従って、浴槽の排水口から洗い場の排水孔
までの配管施工を省略でき、現場の施工性が改善され、
施工費の低減を図り得る浴室ユニットを提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例をその使用態様と共に示す断
面図である。

【図２】同上における排水孔、及び排水用開口部付近を
示す拡大断面図である。

【図３】図１において側壁パネルやエプロンを取り外
し、且つ各部材をそれぞれ分解して模式的に示す斜視図
である。

【符号の説明】

１ 防水パン ４ 仕切り壁 ５ 浴槽設置部 ６ 洗い場 ７ 排水用開口部 ８ 排水孔 11 立ち上がり壁 12 排水路 13 浴槽 15 排水口

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一半部に浴槽設置部が設けられた防水パ
   ンに排水孔が設けられ、該排水孔に通じる排水路が防水
   パンの床面から立設され立ち上がり壁に囲まれて形成さ
   れ、浴槽設置部に設置された浴槽の底面に立ち上がり壁
   の上端が当接され、浴槽の排水口が排水路内に位置され
   てなることを特徴とする浴室ユニット。