JPH07102532B2 - 溝付き化粧板の製造方法 - Google Patents
溝付き化粧板の製造方法Info
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- JPH07102532B2 JPH07102532B2 JP1009409A JP940989A JPH07102532B2 JP H07102532 B2 JPH07102532 B2 JP H07102532B2 JP 1009409 A JP1009409 A JP 1009409A JP 940989 A JP940989 A JP 940989A JP H07102532 B2 JPH07102532 B2 JP H07102532B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、建築物の壁面内装材、天井材等に使用され
る溝付き化粧板の製造方法に関する。
る溝付き化粧板の製造方法に関する。
従来の技術と問題点 主に壁面内装用に用いられるような化粧板として、表面
に多数の平行する細い溝を形成することにより、立体感
を付与し意匠性の向上をはかった溝付き化粧板が多く用
いられている。
に多数の平行する細い溝を形成することにより、立体感
を付与し意匠性の向上をはかった溝付き化粧板が多く用
いられている。
かゝる溝付き化粧板は、従来最も一般的には切削加工に
よって表面に溝を削成することによって製造されてい
た。ところがこの場合、切削後の溝内面の仕上りに難点
があるところから、近時、溝の内面に表面の化粧層を連
続状に存在せしめたものとする溝付き化粧板の製造方法
が種々提案されている。
よって表面に溝を削成することによって製造されてい
た。ところがこの場合、切削後の溝内面の仕上りに難点
があるところから、近時、溝の内面に表面の化粧層を連
続状に存在せしめたものとする溝付き化粧板の製造方法
が種々提案されている。
この先行提案技術の1つは、実公昭59−1765号に見られ
るように、所要の基板面にV溝を削成したのち、このV
溝上に側縁部が重なり状に突出する状態に、各V溝間の
平面部上に化粧用木質単板を貼着したのち、この単板の
上記側縁部をV溝の両側面部に折込んで貼着するもので
ある。しかしながら、この方法による場合、化粧溝の数
に応じた個々独立状の多数の化粧単板を必要とし、しか
もそれらを個々に正確な配置において基板上に配列して
貼着しなければならない。加えて、各化粧単板自体も、
その幅寸法に相当厳密な精度が要求されるため、実際上
工業的生産には不向きであり、コスト高につくという根
本的な問題点を有している。
るように、所要の基板面にV溝を削成したのち、このV
溝上に側縁部が重なり状に突出する状態に、各V溝間の
平面部上に化粧用木質単板を貼着したのち、この単板の
上記側縁部をV溝の両側面部に折込んで貼着するもので
ある。しかしながら、この方法による場合、化粧溝の数
に応じた個々独立状の多数の化粧単板を必要とし、しか
もそれらを個々に正確な配置において基板上に配列して
貼着しなければならない。加えて、各化粧単板自体も、
その幅寸法に相当厳密な精度が要求されるため、実際上
工業的生産には不向きであり、コスト高につくという根
本的な問題点を有している。
また、他の先行提案技術として特開昭61−29541号公報
では基板に化粧シートを貼着したのち、断面V字状等の
型押し凸条を有する型押しロールまたは型押し盤で板面
を型押しすることにより、上記凸条に対応した細溝を圧
入形成せしめる方法が提案されている。しかしながら、
この方法による場合、化粧用の溝の形成部分において化
粧シートを破断させないことが必要であり、そのことを
前提として型押しを行うものであるから、畢竟溝の深さ
は0.4mmからせいぜい0.6mm程度の極く浅いものにしかつ
くることができず、十分に立体感に富む化粧板を提供す
ることができないという別の問題点があった。
では基板に化粧シートを貼着したのち、断面V字状等の
型押し凸条を有する型押しロールまたは型押し盤で板面
を型押しすることにより、上記凸条に対応した細溝を圧
入形成せしめる方法が提案されている。しかしながら、
この方法による場合、化粧用の溝の形成部分において化
粧シートを破断させないことが必要であり、そのことを
前提として型押しを行うものであるから、畢竟溝の深さ
は0.4mmからせいぜい0.6mm程度の極く浅いものにしかつ
くることができず、十分に立体感に富む化粧板を提供す
ることができないという別の問題点があった。
この発明は、上記のような従来技術の背景のもとにおい
て、溝の深さ、幅を充分に大きく形成することが可能で
あり、それでいて溝部分の表面の仕上り状態を美しく保
つことができ、しかも製造工程が簡易で生産性の良い溝
付き化粧板の製造方法を提供しようとするものである。
て、溝の深さ、幅を充分に大きく形成することが可能で
あり、それでいて溝部分の表面の仕上り状態を美しく保
つことができ、しかも製造工程が簡易で生産性の良い溝
付き化粧板の製造方法を提供しようとするものである。
問題点を解決するための手段 この発明は、型押しの技法を用いて溝の形成を行うが、
従来の考え方から脱却してむしろ逆に、溝の中央部にお
いて表面の化粧シートを切断し、溝の上部両側面のみに
それを被覆せしめるものとすることにより、十分に深い
溝の形成を可能にしながら、溝の下部内面に基板素地を
露出せしめ、該露出部分に塗料を含浸硬化させて凹溝を
安定化させることで他の副次的な利点を享受しうるよう
にしたものである。
従来の考え方から脱却してむしろ逆に、溝の中央部にお
いて表面の化粧シートを切断し、溝の上部両側面のみに
それを被覆せしめるものとすることにより、十分に深い
溝の形成を可能にしながら、溝の下部内面に基板素地を
露出せしめ、該露出部分に塗料を含浸硬化させて凹溝を
安定化させることで他の副次的な利点を享受しうるよう
にしたものである。
即ち、この発明は、平板状基板の上面に化粧シートを貼
着し、得られた化粧板の表面の溝付予定位置に沿って少
なくとも上記化粧シートに切目を入れたのち、この切目
の対応位置に断面略V字状の溝付け用凸条を有する型押
しロールまたは型押し盤で押圧することにより、前記化
粧板表面に、溝の両側面の上部が化粧シートで被覆さ
れ、同下部内面において基板素地が露出した断面略V字
状の複数条の凹溝を並列状に圧入形成せしめると共に、
その後の塗装工程により、上記凹溝の下部の基板露出部
分に塗料を含浸硬化せしめることを特徴とする溝付き化
粧板の製造方法を要旨とする。
着し、得られた化粧板の表面の溝付予定位置に沿って少
なくとも上記化粧シートに切目を入れたのち、この切目
の対応位置に断面略V字状の溝付け用凸条を有する型押
しロールまたは型押し盤で押圧することにより、前記化
粧板表面に、溝の両側面の上部が化粧シートで被覆さ
れ、同下部内面において基板素地が露出した断面略V字
状の複数条の凹溝を並列状に圧入形成せしめると共に、
その後の塗装工程により、上記凹溝の下部の基板露出部
分に塗料を含浸硬化せしめることを特徴とする溝付き化
粧板の製造方法を要旨とする。
以下、この発明を添附図面に基いて説明すれば次のとお
りである。
りである。
先ず、第1図に示すように厚さ2.0〜35mm程度、特に一
般的には5〜20mm程度の平板状基板(1)の上面に、接
着剤(3)を介して化粧シート(2)を貼着し、平板状
の化粧板(A)を得る。
般的には5〜20mm程度の平板状基板(1)の上面に、接
着剤(3)を介して化粧シート(2)を貼着し、平板状
の化粧板(A)を得る。
上記基板(1)としては、型押しにより溝の付形が可能
であるものであれば何でも良く、その材質が特に限定さ
れるものではない。例えば合板、中質繊維板(MDF)、
パーティクルボード、軽量パーティクルボード、ハード
ボード、インシュレーションボード、ウエハーボード
(WB)、オリエンテッドストランドボード(OSB)、単
板積層材(LVL)、単板積層板(LVB)、集成板、連続網
状繊維板(ゼファーウッド)、無機質含浸木質板等の木
質材料板のほか、ロックウール板、ガラス繊維板、金属
繊維板等の無機繊維板を用いることができる。
であるものであれば何でも良く、その材質が特に限定さ
れるものではない。例えば合板、中質繊維板(MDF)、
パーティクルボード、軽量パーティクルボード、ハード
ボード、インシュレーションボード、ウエハーボード
(WB)、オリエンテッドストランドボード(OSB)、単
板積層材(LVL)、単板積層板(LVB)、集成板、連続網
状繊維板(ゼファーウッド)、無機質含浸木質板等の木
質材料板のほか、ロックウール板、ガラス繊維板、金属
繊維板等の無機繊維板を用いることができる。
化粧シート(2)は、最も一般的かつ好適には、厚さ0.
2〜1.0mm程度の木質単板が用いられるが、その他印刷
紙、合成樹脂含浸化粧紙、合成樹脂シート等の従来公知
の化粧材料を用いることもできる。木質単板は、通常の
突き板のほか、積層材をスライスして得られる積層単板
を用いても良く、またそれは予め染色したものを用いて
も良い。更にまた、木質単板は、必ずしも基板の大きさ
に対応した1枚物を用いる必要はなく、複数枚の単板を
基板上に隙間を生じないように並べて貼着するものとし
ても良い。この場合、単板のジョイント部は、なるべく
後述の凹溝の中央部に配置せしめるようにすることが好
ましい。
2〜1.0mm程度の木質単板が用いられるが、その他印刷
紙、合成樹脂含浸化粧紙、合成樹脂シート等の従来公知
の化粧材料を用いることもできる。木質単板は、通常の
突き板のほか、積層材をスライスして得られる積層単板
を用いても良く、またそれは予め染色したものを用いて
も良い。更にまた、木質単板は、必ずしも基板の大きさ
に対応した1枚物を用いる必要はなく、複数枚の単板を
基板上に隙間を生じないように並べて貼着するものとし
ても良い。この場合、単板のジョイント部は、なるべく
後述の凹溝の中央部に配置せしめるようにすることが好
ましい。
また、化粧シート(2)を基板(1)に貼着する接着剤
(3)としては、常用の各種接着剤を適宜選択使用でき
る。例えば尿素樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エチレン酢
酸ビニル樹脂系、ゴム系、メラミン樹脂系、尿素・メラ
ミン共縮合樹脂系、フェノール樹脂系、水性ビニルウレ
タン樹脂系、エポキシ樹脂系、ゴム系、アクリル系ある
いはそれらを適宜組合わせたもの等を使用できる。接着
剤(3)は、無着色のものゝほか、着色のものを用いて
も良い。化粧シート(2)に木質単板を用いる場合、そ
れを着色接着剤で基板(1)に接着すると、単板の導管
部分を接着剤の浸透による着色によって強調することが
できる。
(3)としては、常用の各種接着剤を適宜選択使用でき
る。例えば尿素樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エチレン酢
酸ビニル樹脂系、ゴム系、メラミン樹脂系、尿素・メラ
ミン共縮合樹脂系、フェノール樹脂系、水性ビニルウレ
タン樹脂系、エポキシ樹脂系、ゴム系、アクリル系ある
いはそれらを適宜組合わせたもの等を使用できる。接着
剤(3)は、無着色のものゝほか、着色のものを用いて
も良い。化粧シート(2)に木質単板を用いる場合、そ
れを着色接着剤で基板(1)に接着すると、単板の導管
部分を接着剤の浸透による着色によって強調することが
できる。
なお、化粧シート(2)の貼着は、必要に応じて補強用
の介挿シートを介して行うこともある。即ち、特に化粧
シートに木質単板を用いるような場合、そのヒワレ防止
をはかるべく、紙、不織布、織布、樹脂シート、金属箔
等よりなる補強用シートを介して基板(1)に貼着する
こともある。
の介挿シートを介して行うこともある。即ち、特に化粧
シートに木質単板を用いるような場合、そのヒワレ防止
をはかるべく、紙、不織布、織布、樹脂シート、金属箔
等よりなる補強用シートを介して基板(1)に貼着する
こともある。
次に、上記化粧板(A)の表面の少なくとも化粧シート
(2)に、溝付予定位置に沿って切目(4)を入れる
(第2図参照)。この切目(4)を付与する切込加工
は、第2図及び第3図(イ)に示すような円板状カッタ
ー(5)を用いて連続状に切目(4)を形成するものと
しても良いし、あるいは同図(ロ)に示すように周面に
ジグザグ刃を有する円板状カッター(5′)を用いて断
続状に形成するものとして良い。更には同図(ハ)に示
すようなナイフ(5″)を用い、連続状に切目(4)を
入れるものとしても良い。こゝにいう切目(4)は、単
なる破断線として形成されるものゝほか、細い溝の形態
に付与されるものも含むものとする。即ち、溝付け用カ
ッターを用いて、例えば1〜3mm程度の凹溝あるいはV
溝の形態に形成するものとしても良い。また切目(4)
の深さは、少なくとも化粧シートの厚さの上半部程度以
上のものであれば可とするが、望ましくは形成しようと
する溝の深さに対応して、それよりやゝ浅い目の範囲内
で基板(1)の厚さの中間部にまで達する深さに形成す
ることが望ましい。
(2)に、溝付予定位置に沿って切目(4)を入れる
(第2図参照)。この切目(4)を付与する切込加工
は、第2図及び第3図(イ)に示すような円板状カッタ
ー(5)を用いて連続状に切目(4)を形成するものと
しても良いし、あるいは同図(ロ)に示すように周面に
ジグザグ刃を有する円板状カッター(5′)を用いて断
続状に形成するものとして良い。更には同図(ハ)に示
すようなナイフ(5″)を用い、連続状に切目(4)を
入れるものとしても良い。こゝにいう切目(4)は、単
なる破断線として形成されるものゝほか、細い溝の形態
に付与されるものも含むものとする。即ち、溝付け用カ
ッターを用いて、例えば1〜3mm程度の凹溝あるいはV
溝の形態に形成するものとしても良い。また切目(4)
の深さは、少なくとも化粧シートの厚さの上半部程度以
上のものであれば可とするが、望ましくは形成しようと
する溝の深さに対応して、それよりやゝ浅い目の範囲内
で基板(1)の厚さの中間部にまで達する深さに形成す
ることが望ましい。
次に必要に応じて化粧板(A)の表面を常法に従ったサ
ンディング等の方法により研磨したのち、更に必要に応
じて化粧シート(2)に着色を施す。そしてまた、透明
または着色透明の下塗り塗料を用いて下塗り塗装(6)
(第4図参照)を施し、再びサンディング等により表面
を研磨する。こゝに、下塗り塗料としては、常用の塗
料、たとえばアミノアルキッド、ポリウレタン、ラッカ
ー、ポリエステルなどのほか、要すれば紫外線硬化塗
料、電子線硬化塗料など適宜のものを用いることができ
る。
ンディング等の方法により研磨したのち、更に必要に応
じて化粧シート(2)に着色を施す。そしてまた、透明
または着色透明の下塗り塗料を用いて下塗り塗装(6)
(第4図参照)を施し、再びサンディング等により表面
を研磨する。こゝに、下塗り塗料としては、常用の塗
料、たとえばアミノアルキッド、ポリウレタン、ラッカ
ー、ポリエステルなどのほか、要すれば紫外線硬化塗
料、電子線硬化塗料など適宜のものを用いることができ
る。
もっとも、上記下塗り塗装(6)は、特に化粧シート
(2)として木質単板を用いる場合、前述の切目(4)
を付与する切込加工の前の段階で行うものとしても良
い。この場合、下塗り塗装(6)による木質単板の硬化
により、切込加工時において切目(4)を正確に入れ易
いものとなしうる点で有利である。
(2)として木質単板を用いる場合、前述の切目(4)
を付与する切込加工の前の段階で行うものとしても良
い。この場合、下塗り塗装(6)による木質単板の硬化
により、切込加工時において切目(4)を正確に入れ易
いものとなしうる点で有利である。
次いで、化粧板(A)の表面を、第4図及び第5図に示
すように、前記切目(4)に対応する位置に断面略V字
状の溝付け用凸条(7)を備えた型押し盤(8)または
型押しロールを用いて押圧し、切目(4)に沿って化粧
板(A)の表面部に多数の凸条(7)の形状に対応した
凹溝(9)を並列状に圧入形成する。
すように、前記切目(4)に対応する位置に断面略V字
状の溝付け用凸条(7)を備えた型押し盤(8)または
型押しロールを用いて押圧し、切目(4)に沿って化粧
板(A)の表面部に多数の凸条(7)の形状に対応した
凹溝(9)を並列状に圧入形成する。
この型押し加工は、凹溝の付形安定性を良好なものとす
るために加熱下に行うことが好ましく、その温度及び型
押し時間は基板(1)の種類や比重、及び化粧シート
(2)の種類に応じて適宜に設定するが、一般的には温
度70〜300℃、時間1〜10分程度の範囲内で設定するこ
とができる。なお、上記の加熱は、化粧板(A)及び押
型のいずれか一方を加熱するものとしても良いし、両者
を共に加熱するものとしても良い。
るために加熱下に行うことが好ましく、その温度及び型
押し時間は基板(1)の種類や比重、及び化粧シート
(2)の種類に応じて適宜に設定するが、一般的には温
度70〜300℃、時間1〜10分程度の範囲内で設定するこ
とができる。なお、上記の加熱は、化粧板(A)及び押
型のいずれか一方を加熱するものとしても良いし、両者
を共に加熱するものとしても良い。
上記の型押し加工により、化粧シート(2)は切目
(4)の部分が拡がり、該切目(4)の両側部分が凹溝
(9)に押し込まれてその両側面上部のみを被覆し、溝
の下部内面は基材(1)の素地が露出したものとなる一
方、凹溝(9)の両側部において基板(1)の組織が圧
密化されその表面が滑らかな状態となる。溝付け用凸条
(7)の形状は、基本的に略V字状のものであることを
要し、第6図に示すように両側面が真直ぐな断面三角形
のものでも良いが、好ましくは第5図に示すように、先
端が鋭角をなし、両側面が内方になだらかに湾曲した断
面略V字状のものとする方が凹溝(9)の外観形態の点
で良好なものを得ることができる。また上記凸条(7)
は先端に基板(1)を押し切る刃が付いたものを用いて
も良い。
(4)の部分が拡がり、該切目(4)の両側部分が凹溝
(9)に押し込まれてその両側面上部のみを被覆し、溝
の下部内面は基材(1)の素地が露出したものとなる一
方、凹溝(9)の両側部において基板(1)の組織が圧
密化されその表面が滑らかな状態となる。溝付け用凸条
(7)の形状は、基本的に略V字状のものであることを
要し、第6図に示すように両側面が真直ぐな断面三角形
のものでも良いが、好ましくは第5図に示すように、先
端が鋭角をなし、両側面が内方になだらかに湾曲した断
面略V字状のものとする方が凹溝(9)の外観形態の点
で良好なものを得ることができる。また上記凸条(7)
は先端に基板(1)を押し切る刃が付いたものを用いて
も良い。
上記型押し加工によって形成される凹溝(9)の形状
は、第4図に示されるような溝付け用凸条(7)の形状
にほゞ対応した形状のものに形成される場合のほか、第
7図(イ)に示すように溝底(9a)に若干の丸味をもっ
た形態、あるいは同図(ロ)に示すように溝の下部側面
に僅かな屈折部(9b)を有し、溝底(9a)にかすかに丸
味のついた形態に形成されることもある。もとより、第
6図に示すような凸条(7)で型押し加工した場合も、
その形状をほゞ再現した第7図(ハ)に示すようなシャ
ープな角張りをもった断面V字状に形成される場合のほ
か、その溝底(9a)及び溝の上縁部(9c)に丸味のある
形態に形成されることが多い。
は、第4図に示されるような溝付け用凸条(7)の形状
にほゞ対応した形状のものに形成される場合のほか、第
7図(イ)に示すように溝底(9a)に若干の丸味をもっ
た形態、あるいは同図(ロ)に示すように溝の下部側面
に僅かな屈折部(9b)を有し、溝底(9a)にかすかに丸
味のついた形態に形成されることもある。もとより、第
6図に示すような凸条(7)で型押し加工した場合も、
その形状をほゞ再現した第7図(ハ)に示すようなシャ
ープな角張りをもった断面V字状に形成される場合のほ
か、その溝底(9a)及び溝の上縁部(9c)に丸味のある
形態に形成されることが多い。
凹溝(9)の幅(W)及び深さ(D)は、いずれも特に
限定されるものではないが、十分な立体感を表出するた
めには幅(W)を3.0mm以上、深さ(D)を2.5mm以上と
するのが良い。特に好ましくは幅(W)を5〜10mm程
度、深さ(D)を3〜5mm程度に形成すべきであり、例
えば厚さ5mmのMDF基板(1)に0.2mmの木質単板(2)
を貼着した化粧板(A)において、幅(W)7.0mm、深
さ(D)3.5mmの第5図に示すような凹溝(9)を2.0cm
間隔に形成した場合、表面に優れた立体感を付与しなが
ら併せて化粧板(A)に若干の撓曲性を付与し、曲面に
も施工可能なものを得ることができる。なお、もとより
凹溝(9)の間隔、すなわちピッチは任意であり、何ら
限定されるものではない。
限定されるものではないが、十分な立体感を表出するた
めには幅(W)を3.0mm以上、深さ(D)を2.5mm以上と
するのが良い。特に好ましくは幅(W)を5〜10mm程
度、深さ(D)を3〜5mm程度に形成すべきであり、例
えば厚さ5mmのMDF基板(1)に0.2mmの木質単板(2)
を貼着した化粧板(A)において、幅(W)7.0mm、深
さ(D)3.5mmの第5図に示すような凹溝(9)を2.0cm
間隔に形成した場合、表面に優れた立体感を付与しなが
ら併せて化粧板(A)に若干の撓曲性を付与し、曲面に
も施工可能なものを得ることができる。なお、もとより
凹溝(9)の間隔、すなわちピッチは任意であり、何ら
限定されるものではない。
続いて、凹溝(9)に着色剤を塗布して着色を施したの
ち、あるいは該着色を施すことなく、第7図に示すよう
に凹溝内部に透明または着色透明な塗料を塗布して溝塗
装(10)を施す。この塗装(10)は、溝内の下部側面及
び底面における基板素地の露出部分から塗料がよく浸透
しこれが硬化することにより、凹溝(9)部分の基板
(1)を強化すると共に、吸湿、吸水等による凹溝
(9)の弾性復元を防止するのに有効であり、更には凹
溝(9)の内面の仕上り状態を良好なものとするのに役
立つ。
ち、あるいは該着色を施すことなく、第7図に示すよう
に凹溝内部に透明または着色透明な塗料を塗布して溝塗
装(10)を施す。この塗装(10)は、溝内の下部側面及
び底面における基板素地の露出部分から塗料がよく浸透
しこれが硬化することにより、凹溝(9)部分の基板
(1)を強化すると共に、吸湿、吸水等による凹溝
(9)の弾性復元を防止するのに有効であり、更には凹
溝(9)の内面の仕上り状態を良好なものとするのに役
立つ。
そして最後に、凹溝(9)が形成された化粧板(A)の
表面全体に上塗り塗装(11)を施し乾燥して製品とす
る。この上塗り塗料には、下塗り塗料と同様に、アミノ
アルキッド、ポリウレタン、ラッカー、ポリエステルな
どの一般的な塗料のほか、要すれば紫外線硬化型塗料、
電子線硬化型塗料などを用いることができる。
表面全体に上塗り塗装(11)を施し乾燥して製品とす
る。この上塗り塗料には、下塗り塗料と同様に、アミノ
アルキッド、ポリウレタン、ラッカー、ポリエステルな
どの一般的な塗料のほか、要すれば紫外線硬化型塗料、
電子線硬化型塗料などを用いることができる。
上記により製造した製品において、これに反りが発生す
るおそれがあるような場合、従来の常法に応じて基板
(1)の裏面側に適宜所定間隔に切込みとか細溝をつけ
ても良い。また、裏面からの吸水、吸湿、乾燥等によっ
て反りを生じることが懸念されるような場合には、裏面
に樹脂含浸紙、バルカナイズドファイバー紙、合成樹脂
フィルム、合成樹脂独立発泡シート等を貼着したり、裏
面に前記上塗り塗料と同様の塗料を塗布する等の防水、
防湿処理を施すものとすることが好ましい。
るおそれがあるような場合、従来の常法に応じて基板
(1)の裏面側に適宜所定間隔に切込みとか細溝をつけ
ても良い。また、裏面からの吸水、吸湿、乾燥等によっ
て反りを生じることが懸念されるような場合には、裏面
に樹脂含浸紙、バルカナイズドファイバー紙、合成樹脂
フィルム、合成樹脂独立発泡シート等を貼着したり、裏
面に前記上塗り塗料と同様の塗料を塗布する等の防水、
防湿処理を施すものとすることが好ましい。
ところで、前記凹溝(9)の着色は、前述のように必要
に応じて行うものであるが、着色する場合、化粧シート
(2)の色調と異った色調に溝を着色することで、凹溝
を強調することができ、また化粧シート(2)と同じ色
調のものに着色することで、全体に自然な感じを出すこ
とができ、いずれかを適宜に選択すれば良い。
に応じて行うものであるが、着色する場合、化粧シート
(2)の色調と異った色調に溝を着色することで、凹溝
を強調することができ、また化粧シート(2)と同じ色
調のものに着色することで、全体に自然な感じを出すこ
とができ、いずれかを適宜に選択すれば良い。
また、化粧シート(2)には、化粧板の外観に高級感を
与える上から、天然木のツキ板からなる木質単板を用い
るのが最も好適である。この場合、該木質単板の着色や
塗装は、溝付け型押し加工工程の前後いずれにおいて行
ってもよく、また両方で行っても良い。もっとも、着色
は、型押し加工前の段階に行うことによって、凹溝
(9)の底部を基材色に保ち、溝底が濃くなるのを防い
で、全体に自然な外観を与えうる点で好適である。しか
し逆に、型押し加工後に着色を行う場合、着色剤の吸い
込みが溝底の基材露出部分においてよいので、溝底部が
表面の化粧面より濃色となり、それが細くてシャープな
陰影を出し、立体感を高めたものとすることができる。
与える上から、天然木のツキ板からなる木質単板を用い
るのが最も好適である。この場合、該木質単板の着色や
塗装は、溝付け型押し加工工程の前後いずれにおいて行
ってもよく、また両方で行っても良い。もっとも、着色
は、型押し加工前の段階に行うことによって、凹溝
(9)の底部を基材色に保ち、溝底が濃くなるのを防い
で、全体に自然な外観を与えうる点で好適である。しか
し逆に、型押し加工後に着色を行う場合、着色剤の吸い
込みが溝底の基材露出部分においてよいので、溝底部が
表面の化粧面より濃色となり、それが細くてシャープな
陰影を出し、立体感を高めたものとすることができる。
更にまた、化粧用シートに木質単板を用いる場合の表面
塗装、とくに下塗り塗装は、型押し加工工程の前後いず
れの段階で行っても良いが、これを型押し加工前の段階
で行うことにより、塗料の硬化で木質単板を強化し、型
押し時において化粧木質単板が溝の上縁部等で裂けたり
割れたりするのを防止し、所期する正確な態様の凹溝
(9)の形成を確実に行い得る点で好ましい。
塗装、とくに下塗り塗装は、型押し加工工程の前後いず
れの段階で行っても良いが、これを型押し加工前の段階
で行うことにより、塗料の硬化で木質単板を強化し、型
押し時において化粧木質単板が溝の上縁部等で裂けたり
割れたりするのを防止し、所期する正確な態様の凹溝
(9)の形成を確実に行い得る点で好ましい。
第8図には、この発明によって製造される溝付き化粧板
の好適な一例として、先端が鋭角をなし両側面が内方に
なだらかに湾曲した断面略V字状の凹溝(9)を比較的
狭い間隔に平行に、かつ板の長手方向に真直ぐ形成した
場合の外観を示す。凹溝(9)の配列形態は上記に限ら
れるものではなく、第9図(イ)に示すように斜行状あ
るいは同図(ロ)に示すように波状等、任意の変形配列
形態に形成することもできる。
の好適な一例として、先端が鋭角をなし両側面が内方に
なだらかに湾曲した断面略V字状の凹溝(9)を比較的
狭い間隔に平行に、かつ板の長手方向に真直ぐ形成した
場合の外観を示す。凹溝(9)の配列形態は上記に限ら
れるものではなく、第9図(イ)に示すように斜行状あ
るいは同図(ロ)に示すように波状等、任意の変形配列
形態に形成することもできる。
実施例 以下、この発明の具体的な実施例を示す。
実施例1 板状基板(1)として、厚さ5.0mm、比重0.6の中質繊維
板(MDF)を用い、一方化粧シートとして厚さ0.3mmの天
然木質単板(2)を用いた。そして、上記MDF基板上に
木質単板を茶褐色に着色した酢酸ビニル系樹脂と尿素・
メラミン共縮合樹脂系との混合接着剤を用いて常法によ
り貼着したのち、この得られた化粧板の表面部に、第2
図に示すような円板状カッター(5)を用いて、深さ3m
m、ピッチ25mmに多数の切目(4)を平行状に形成し
た。
板(MDF)を用い、一方化粧シートとして厚さ0.3mmの天
然木質単板(2)を用いた。そして、上記MDF基板上に
木質単板を茶褐色に着色した酢酸ビニル系樹脂と尿素・
メラミン共縮合樹脂系との混合接着剤を用いて常法によ
り貼着したのち、この得られた化粧板の表面部に、第2
図に示すような円板状カッター(5)を用いて、深さ3m
m、ピッチ25mmに多数の切目(4)を平行状に形成し
た。
そして、化粧板の表面にサンディングを施し、茶褐色の
着色剤を用いて着色したのち、透明なポリウレタン系下
塗り塗料を45g/m2程度に塗布し、乾燥後再びサンディン
グを行って表面を平滑にした。
着色剤を用いて着色したのち、透明なポリウレタン系下
塗り塗料を45g/m2程度に塗布し、乾燥後再びサンディン
グを行って表面を平滑にした。
次いで、第4図に示すような溝付け用凸条(7)を備え
た型押し盤(8)を用いて、化粧板の表面に型押し加工
を施し、前記切目(4)の部分においてそれぞれ深さ3.
5mm、断面略V字状の凹溝(9)を圧入形成した。この
型押し加工は、型押し盤(8)を120℃に加熱し、型押
し時間を5分に設定して行った。
た型押し盤(8)を用いて、化粧板の表面に型押し加工
を施し、前記切目(4)の部分においてそれぞれ深さ3.
5mm、断面略V字状の凹溝(9)を圧入形成した。この
型押し加工は、型押し盤(8)を120℃に加熱し、型押
し時間を5分に設定して行った。
次いで、上記凹溝部分に、ポリウレタン系の透明塗料を
用いて溝塗装を施したのち、化粧板の表面全体に、ポリ
ウレタン系の透明上塗り塗料を65g/m2程度に塗布し、乾
燥して求める溝付き化粧板を得た。
用いて溝塗装を施したのち、化粧板の表面全体に、ポリ
ウレタン系の透明上塗り塗料を65g/m2程度に塗布し、乾
燥して求める溝付き化粧板を得た。
この溝付き化粧板は、第8図に示すような形態をもち、
凹溝(9)においてその両側面上部が木質単板(2)で
被覆され、下部側面に基板(1)の素地が露出し、該露
出部分の色調が表面の単板(2)の色調よりも淡く、凹
溝の存在によって全体が立体感に富みながらも凹溝に自
然な彫り込み状の外観を有する美麗なものであった。
凹溝(9)においてその両側面上部が木質単板(2)で
被覆され、下部側面に基板(1)の素地が露出し、該露
出部分の色調が表面の単板(2)の色調よりも淡く、凹
溝の存在によって全体が立体感に富みながらも凹溝に自
然な彫り込み状の外観を有する美麗なものであった。
実施例2 実施例1と同様にして型押し加工を施したのち、凹溝を
表面の化粧木質単板の色と同系色の着色剤を用いて着色
し、以降実施例1と同様に溝塗装及び上塗り塗装を施し
たところ、凹溝部分の溝底及びその近傍が着色剤の吸込
みによって濃く細い線となってあらわれ、強い陰影を形
成して溝部分が一層強調された溝付き化粧板を得ること
ができた。
表面の化粧木質単板の色と同系色の着色剤を用いて着色
し、以降実施例1と同様に溝塗装及び上塗り塗装を施し
たところ、凹溝部分の溝底及びその近傍が着色剤の吸込
みによって濃く細い線となってあらわれ、強い陰影を形
成して溝部分が一層強調された溝付き化粧板を得ること
ができた。
実施例3 木質単板を基板に貼着したのち、切目を付与する切込加
工の前に、表面の着色及び下塗り塗装を施すものとし
た。そのほかは実施例1と全く同様にして溝付き化粧板
を製造した。
工の前に、表面の着色及び下塗り塗装を施すものとし
た。そのほかは実施例1と全く同様にして溝付き化粧板
を製造した。
この実施例の場合、製品外観は実施例1によるものと同
様であったが、下塗り塗装後の切込加工時において、単
板にまっすぐな切目を一層正確に入れ易いものであっ
た。
様であったが、下塗り塗装後の切込加工時において、単
板にまっすぐな切目を一層正確に入れ易いものであっ
た。
実施例4 基板に厚さ12mmのラワン合板を用い、これの表面に化粧
シートとして印刷紙を常法に従って貼着し化粧板とし
た。そして、この化粧板の表面全体にポリウレタン系の
透明塗料を40g/m2程度の割合に塗布し、乾燥後、前記実
施例1と同様にして切目を施す切込加工、溝付け型押し
加工を順次実施した。この場合、型押し加工は、型押し
盤の温度140℃で、型押し時間2分に設定して行った。
シートとして印刷紙を常法に従って貼着し化粧板とし
た。そして、この化粧板の表面全体にポリウレタン系の
透明塗料を40g/m2程度の割合に塗布し、乾燥後、前記実
施例1と同様にして切目を施す切込加工、溝付け型押し
加工を順次実施した。この場合、型押し加工は、型押し
盤の温度140℃で、型押し時間2分に設定して行った。
次いで、実施例2と同様に凹溝の着色、溝塗装、表面全
体の上塗り塗装を順次施し、所期する溝付き化粧板を得
た。
体の上塗り塗装を順次施し、所期する溝付き化粧板を得
た。
この溝付き化粧板は、凹溝部分に強い陰影をあらわして
凹溝が強調された美麗なものであった。
凹溝が強調された美麗なものであった。
発明の効果 この発明の請求項(1)によれば、表面の化粧シートを
切断した状態において断面V字状の凹溝を型押し成形す
るものであるから、凹溝を十分に深くかつ広幅なものに
形成することが可能であり、板面に凹溝の存在を十分に
強調した溝付き化粧板を得ることができる。しかも、上
記凹溝は、化粧板の表面の化粧シートを予め切断したの
ち、この切断部分を押し拡げる形に、断面略V字状の溝
付け用凸部を備えた型押し盤あるいは型押しロールを用
いて、型押し加工によって上記凸部対応形状の断面略V
字状に形成するものであるから、型押し加工時において
化粧シートに破れとか割れを発生することがなく、凹溝
の上部側面が表面の化粧シートからのきれいな連続した
部分で覆われたものとなる。従って、凹溝部分において
薄い化粧シートの厚みが外観されるということがなく、
恰も厚物の化粧単板やムク板が使われているかの如くに
外観され高級感のあるものとすることができる。かつ、
溝の下部内面は基材素地が露出するが、これはむしろ凹
溝を着色する場合であってもまた着色しない場合であっ
ても、略V字状溝の深いところに細くてシャープな線と
なってあらわれるため、凹溝の存在を強調し、立体感を
向上しうると共に、殊に溝を着色する場合にあっては、
基材露出部分において着色剤の付着吸収性が良いので、
容易に自由な色合いに着色でき、愈々凹溝部分の存在を
強調した立体感に富むものとすることができる。かつ凹
溝は、型押し加工によって形成され、その周辺組織が圧
密化されるので、凹溝の表面状態が滑らかできれいなも
のに仕上り、凹溝の格別な研磨等の仕上げ加工を必要と
しない。また、型押し加工後、溝塗装あるいは表面仕上
げのための上塗り塗装を施すことにより、凹溝の下部の
基材露出部分において塗料の吸収性が良いので、該塗料
の硬化によって凹溝周辺部分が強化されると共に、凹溝
の弾性復元が防止される。従って型押し加工によって形
成した凹溝であるにもかゝわらず、その形態保持性に優
れたものとすることができる。かつもとより基板に化粧
シートを貼着し、切目を付与する切込加工と凹溝を付与
する型押し加工とを必須主要工程として製造しうるもの
であるから、いずれの工程も簡易であり、生産効率が良
い等の優れた効果を奏する。
切断した状態において断面V字状の凹溝を型押し成形す
るものであるから、凹溝を十分に深くかつ広幅なものに
形成することが可能であり、板面に凹溝の存在を十分に
強調した溝付き化粧板を得ることができる。しかも、上
記凹溝は、化粧板の表面の化粧シートを予め切断したの
ち、この切断部分を押し拡げる形に、断面略V字状の溝
付け用凸部を備えた型押し盤あるいは型押しロールを用
いて、型押し加工によって上記凸部対応形状の断面略V
字状に形成するものであるから、型押し加工時において
化粧シートに破れとか割れを発生することがなく、凹溝
の上部側面が表面の化粧シートからのきれいな連続した
部分で覆われたものとなる。従って、凹溝部分において
薄い化粧シートの厚みが外観されるということがなく、
恰も厚物の化粧単板やムク板が使われているかの如くに
外観され高級感のあるものとすることができる。かつ、
溝の下部内面は基材素地が露出するが、これはむしろ凹
溝を着色する場合であってもまた着色しない場合であっ
ても、略V字状溝の深いところに細くてシャープな線と
なってあらわれるため、凹溝の存在を強調し、立体感を
向上しうると共に、殊に溝を着色する場合にあっては、
基材露出部分において着色剤の付着吸収性が良いので、
容易に自由な色合いに着色でき、愈々凹溝部分の存在を
強調した立体感に富むものとすることができる。かつ凹
溝は、型押し加工によって形成され、その周辺組織が圧
密化されるので、凹溝の表面状態が滑らかできれいなも
のに仕上り、凹溝の格別な研磨等の仕上げ加工を必要と
しない。また、型押し加工後、溝塗装あるいは表面仕上
げのための上塗り塗装を施すことにより、凹溝の下部の
基材露出部分において塗料の吸収性が良いので、該塗料
の硬化によって凹溝周辺部分が強化されると共に、凹溝
の弾性復元が防止される。従って型押し加工によって形
成した凹溝であるにもかゝわらず、その形態保持性に優
れたものとすることができる。かつもとより基板に化粧
シートを貼着し、切目を付与する切込加工と凹溝を付与
する型押し加工とを必須主要工程として製造しうるもの
であるから、いずれの工程も簡易であり、生産効率が良
い等の優れた効果を奏する。
また、請求項(2)のように化粧シートに木質単板を用
いることによって、外観上最も高級感のある天然木調の
溝付き化粧板を得ることができ、その場合、請求項
(3)のように化粧シートに切目を付与する切込加工前
の段階において化粧板の表面に下塗り塗装を施すこと
で、木質単板を強化し、切込加工時において切目を入れ
易いものとすることができると共に、更に続く凹溝を付
与する型押し加工時において化粧木質単板に割れや破れ
の発生を愈々確実に防止することができ、化粧表面の仕
上り不良品の発生を防止できる。更に請求項(4)のよ
うに型押し加工前の段階で表面の化粧木質単板に着色を
施すものとすることにより、表面着色を溝付け後に行う
場合のように着色剤が凹溝に多く溜って溝部分が濃色に
なるという不具合の発生を回避して、表面全体を自然な
感じに仕上げることができる。
いることによって、外観上最も高級感のある天然木調の
溝付き化粧板を得ることができ、その場合、請求項
(3)のように化粧シートに切目を付与する切込加工前
の段階において化粧板の表面に下塗り塗装を施すこと
で、木質単板を強化し、切込加工時において切目を入れ
易いものとすることができると共に、更に続く凹溝を付
与する型押し加工時において化粧木質単板に割れや破れ
の発生を愈々確実に防止することができ、化粧表面の仕
上り不良品の発生を防止できる。更に請求項(4)のよ
うに型押し加工前の段階で表面の化粧木質単板に着色を
施すものとすることにより、表面着色を溝付け後に行う
場合のように着色剤が凹溝に多く溜って溝部分が濃色に
なるという不具合の発生を回避して、表面全体を自然な
感じに仕上げることができる。
第1図は基板に化粧シートを貼着した化粧板の断面図、
第2図は化粧板に切目を付与する切込加工状態を示す断
面図、第3図(イ)(ロ)(ハ)は切込加工に用いる刃
物の各種変形例を示す側面図、第4図は型押し加工状態
を示す断面図、第5図は凹溝の付形状態を示す拡大断面
図、第6図は型押し盤の溝付け用凸条の形状の変形例を
示す断面図、第7図(イ)(ロ)(ハ)は凹溝の形状の
各種変形例を示す断面図、第8図は凹溝に溝塗装を施し
更に化粧板の表面全体に上塗り塗装を施した状態の拡大
断面図、第9図は製品の溝付き化粧板の一例を示す斜視
図、第10図(イ)(ロ)は凹溝の付形形態の変形例を示
す溝付き化粧板の概略平面図である。 (A)……化粧板、(1)……基板、(2)……化粧シ
ート、(4)……切目、(5)……カッター、(6)…
…下塗り塗装、(7)……溝付け用凸条、(8)……型
押し盤、(9)……凹溝、(10)……溝塗装、(11)…
…上塗り塗装。
第2図は化粧板に切目を付与する切込加工状態を示す断
面図、第3図(イ)(ロ)(ハ)は切込加工に用いる刃
物の各種変形例を示す側面図、第4図は型押し加工状態
を示す断面図、第5図は凹溝の付形状態を示す拡大断面
図、第6図は型押し盤の溝付け用凸条の形状の変形例を
示す断面図、第7図(イ)(ロ)(ハ)は凹溝の形状の
各種変形例を示す断面図、第8図は凹溝に溝塗装を施し
更に化粧板の表面全体に上塗り塗装を施した状態の拡大
断面図、第9図は製品の溝付き化粧板の一例を示す斜視
図、第10図(イ)(ロ)は凹溝の付形形態の変形例を示
す溝付き化粧板の概略平面図である。 (A)……化粧板、(1)……基板、(2)……化粧シ
ート、(4)……切目、(5)……カッター、(6)…
…下塗り塗装、(7)……溝付け用凸条、(8)……型
押し盤、(9)……凹溝、(10)……溝塗装、(11)…
…上塗り塗装。
Claims (4)
- 【請求項1】平板状基板の上面に化粧シートを貼着し、
得られた化粧板の表面の溝付予定位置に沿って少なくと
も上記化粧シートに切目を入れたのち、この切目の対応
位置に断面略V字状の溝付け用凸条を有する型押しロー
ルまたは型押し盤で押圧することにより、前記化粧板表
面に、溝の両側面の上部が化粧シートで被覆され、同下
部内面に基板素地が露出した断面略V字状の複数条の凹
溝を並列状に圧入形成せしめると共に、その後の塗装工
程により、上記凹溝の下部の基板露出部分に塗料を含浸
硬化せしめることを特徴とする溝付き化粧板の製造方
法。 - 【請求項2】化粧シートに木質単板を用いる請求項
(1)記載の溝付き化粧板の製造方法。 - 【請求項3】化粧シートに切目を付与する切込加工前の
段階において、該化粧板の表面に下塗り塗装を施す請求
項(2)に記載の溝付き化粧板の製造方法。 - 【請求項4】化粧板に凹溝を付与する型押し加工前の段
階において、化粧用木質単板に着色を施す請求項(2)
または(3)記載の溝付き化粧板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1009409A JPH07102532B2 (ja) | 1989-01-17 | 1989-01-17 | 溝付き化粧板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1009409A JPH07102532B2 (ja) | 1989-01-17 | 1989-01-17 | 溝付き化粧板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02188203A JPH02188203A (ja) | 1990-07-24 |
JPH07102532B2 true JPH07102532B2 (ja) | 1995-11-08 |
Family
ID=11719606
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1009409A Expired - Fee Related JPH07102532B2 (ja) | 1989-01-17 | 1989-01-17 | 溝付き化粧板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07102532B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3189022B2 (ja) * | 1993-09-28 | 2001-07-16 | 永大産業株式会社 | 建築用化粧板の製造方法 |
BRPI0407674B1 (pt) * | 2003-02-24 | 2015-01-06 | Vaelinge Innovation Ab | Método de fabricação de tábuas de assoalho |
JP4505306B2 (ja) * | 2004-10-22 | 2010-07-21 | 大倉工業株式会社 | 美観に優れた溝付き化粧板およびその製造方法 |
JP5523409B2 (ja) * | 2011-08-05 | 2014-06-18 | 株式会社オリエント | 化粧シート付棒材 |
JP2016211273A (ja) * | 2015-05-12 | 2016-12-15 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 板状建材および板状体凹条部の加飾方法 |
JP6598842B2 (ja) * | 2017-12-28 | 2019-10-30 | 大建工業株式会社 | ラッピング化粧板及びその製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4962613A (ja) * | 1972-10-17 | 1974-06-18 | ||
JPS59209857A (ja) * | 1983-05-14 | 1984-11-28 | 松下電工株式会社 | 溝付き木質化粧合板とその製造方法 |
JPS63153101A (ja) * | 1986-12-17 | 1988-06-25 | イビデン株式会社 | 寄木模様単板 |
-
1989
- 1989-01-17 JP JP1009409A patent/JPH07102532B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02188203A (ja) | 1990-07-24 |
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