JPH07102400B2 - 金属板の平坦度矯正法 - Google Patents

金属板の平坦度矯正法

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JPH07102400B2
JPH07102400B2 JP20383988A JP20383988A JPH07102400B2 JP H07102400 B2 JPH07102400 B2 JP H07102400B2 JP 20383988 A JP20383988 A JP 20383988A JP 20383988 A JP20383988 A JP 20383988A JP H07102400 B2 JPH07102400 B2 JP H07102400B2
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誠一 竹田
雅啓 佐々木
宏 新井
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ステンレス鋼板等の金属板の平坦度を矯正す
る方法に係るものである。
(従来技術とその問題点) プレスプレートとしてしばしばステンレス鋼が使用され
るが、このために平坦度の良好な板が求められている。
また、金属板の特殊な加工法に際し、あるいは、精密機
器の部品等として、平坦度の高い板を求められることが
多い。
しかしながら、平坦度の良好な板を得る方法はかなり難
しい。例えば研磨による方法では研磨熱による歪が生じ
たり、内部歪が変化したりして難しく、圧延による方法
でもある程度の平坦度がだせるにすぎず、板内には内部
歪が残る。内部歪を除去し平坦度を出すためには板を高
温に加熱し、歪を除去した後に冷却すれば良いが、均一
に冷却することが困難なため平坦な板を得ることが難し
いのが現状である。
発明者らは平坦な状態で加熱により歪を除去した後、冷
却歪を発生させなければ平坦な板が得られるものと考察
し、冷却歪の発生をなくす方法を鋭意研究した結果、そ
の方法を見い出し本発明を完成したものである。
(発明の構成) 本発明の要旨は、以下のとおりの金属板の平坦度矯正法
にある。
1.黒鉛板2枚を定盤として、平坦度を矯正しようとする
目的金属板を上下両側から挟むように水平に配置し、板
の場所による温度差の不均一をなくすため熱伝導率の良
好な銅板を目的金属板の両側または片側に置き、この銅
板または黒鉛板と目的金属板との焼付きを防止するため
酸化皮膜を薄く形成させたAlまたはSiを含有する耐熱鋼
薄板を目的金属の両側に重ね合わせ、これら全体を断熱
材を使用して目的金属板の回復温度以上の高温に均一加
熱し、平坦な状態での歪を除去した後、冷却することを
特徴とするステンレス鋼等の金属板の平坦度矯正法。
2.黒鉛板1枚を定盤として水平に配置し、板の場所によ
る温度差の不均一をなくすため熱伝導率の良好な銅板を
この黒鉛板の上または下に重ね、これらの上に、銅板ま
たは黒鉛板と目的金属板との焼付きを防止するため酸化
皮膜を薄く形成させたAlまたはSiを含有する耐熱鋼薄板
で挟んだ平坦度を矯正しようとする目的金属板を置き、
それらの上にさらに小片重しを全面的に配置した後、こ
れら全体を断熱材を使用して目的金属板の回復温度以上
の高温に均一加熱し、平坦な状態での歪を除去した後、
冷却することを特徴とするステンレス鋼等の金属板の平
坦度矯正法。
以下、本発明を図面によって説明する。
本発明の特徴の1つは、高温の歪除去時に平坦度を得る
ために、高温で歪を生じない黒鉛板を定盤として使用し
且つ目的金属板全体を上下から押える方法を採用した点
にある。即ち、平坦度の良い黒鉛板(3)を下側基板と
して使用し、平坦度を矯正しようとする目的板を上下2
枚の黒鉛板(3)で挟む(第1図)か、或は下側黒鉛板
(3)と上側に多数個配置した平板状の小片重し(6)
とで挟む(第2図)ことにより平坦度を得るものであ
る。
小片重しとしては耐熱鋼の小ブロック或は耐熱レンガな
どが適している。小片重しを多数個全面的に配置するこ
とにより、目的金属板に均一に荷重がかかるようにして
いる。
本発明の他の特徴の1つは、目的金属板の温度差の不均
一をなくすため熱伝導率の良好な銅板(4)を目的金属
板の上下両側に(第1図)、或は片側に(第2図)置い
た点にある。銅板(4)としては、目的金属板(1)よ
り大面積のものを使用することにより、温度差の不均一
をより少くできる。銅板(4)の位置は黒鉛板(3)と
目的金属板(1)の間でも、黒鉛板(3)の外側でもど
ちらでも良い。
第3図のように銅板を使用しないで加熱した場合の歪の
発生状態の1例を第4図に示す。即ち、銅板を使用しな
いと加熱時および冷却時に板内の温度分布が不均一であ
るため、冷却後の板は平坦とならず、500mm角の板の周
囲が伸び、定盤上で3mmもの浮き上がりを生じた。例え
ば、SUS304の保熱時に板幅中心と周辺部の温度差が10℃
あり、この状態で平坦化したものを常温まで冷却し、同
一温度になったとすると、周辺と中央で0.016%の長さ
の差(SUS304の熱膨張率を16×10-6として計算)を生じ
る。近似解法として、ピタゴラスの定理により第5図の
ように一辺500mmの板で浮き上がりの高さyを計算する
と、 となり、約4mm浮き上がる。したがって、第4図の場合
には、周辺と中心部におよそ10℃の温度差があったもの
と考えられる。
本発明では、銅板を使用することによって、目的金属板
の保熱時および冷却時の幅方向の温度差を少なくするこ
とができるが、より好ましくは、第1図、第2図に示す
ように目的金属板(1)、耐熱板(2)、銅板(4)等
を断熱材(5)で包んで、熱の流れを厚み方向のみにな
るようにした場合に歪の発生を防止でき、良好な結果が
得られる。
更に、本発明の他の特徴の1つは、銅板(4)または黒
鉛板(3)と目的金属板(1)との焼付きを防止するた
めに、表面に酸化皮膜を薄く形成させたAl又はSiを含有
する耐熱鋼薄板(2)で目的金属板(1)を上下から挟
んだ点にある。例えば、SUS304ステンレス鋼板(1)を
上下の黒鉛板(3)(3)間に挟んで真空中で加熱した
ところ、SUS304が黒鉛板に焼きつく現象が観察された
が、Alを含有する耐熱鋼(18Cr−3.5Al)に800℃×3分
の大気中加熱によりテンパーカラーを付けたものを用意
し、これを黒鉛板とSUS304の間に挟んだところ(第3
図)焼付き現象をなくすことができた。重量%で2%以
上のAl又はSiを含む耐熱鋼板を使用し、予めその板表面
に酸化アルミニウムや酸化ケイ素の剥離しにくい酸化被
膜を生成しておくと、これらが銅板、黒鉛板と反応しな
いという利点があり焼付きが防止できる。耐熱鋼として
は2%以上のAl又はSiを含む耐熱鋼例えば、Fe−15〜30
%Cr−8〜25%Ni−2〜3%SiやFe−15〜30%Cr−2〜
3%Si又はFe−10〜30%Cr−2〜6%AlやFe−15〜30%
Cr−20〜40%Ni−2〜6%Alなどが最適である。又、耐
熱鋼板の厚さは1mm以下が好ましい。
なお、加熱方法は大気中加熱でもよいが、目的金属板が
酸化するため更に脱スケール工程が必要となるので、真
空中又は不活性ガス雰囲気中で、加熱するのが好まし
い。また、金属板としては、ステンレス鋼に限定される
ものではなく、鉄系合金、ニッケル系合金などにも適用
できる方法である。
本発明は、上述の3つの特徴点を組合せることによっ
て、金属板の平坦度の矯正に著しい良結果を得たもので
ある。次に、本発明を本実施例によって具体的に説明す
る。
(実施例1) 両面から黒鉛を挟むSUS304の薄板の平坦度矯正 第1図に示すように、厚さ1.5mm、500mm角のSUS304の薄
板(1)を、800℃でテンパーカラーを生成させた18Cr
−3.5Al耐熱鋼板(2)(2)で両側から挟み、その外
側に10mm厚さの銅板(4)(4)を、さらにその外側に
15mm厚さの黒鉛板(3)(3)を置き、これら各板の隙
間を断熱材(5)で充填した。これらのセットを真空中
で1000℃に30分加熱後徐冷した。真空炉から取り出した
後、SUS304薄板を定盤上に置いた所、定盤と密着した。
(実施例2) 実施例1のSUS304板(1)を3枚に増やし、各板の両側
に4枚の18Cr−3.5Al耐熱鋼板(2)をセットし、実施
例1と同様な実験を行ったところ、いずれのSUS304板も
定盤と密着した。
(実施例3) 1100℃の焼鈍酸洗ラインで工場生産されたSUS631の1.5m
m厚さの薄板(1)を500mm角に切り出し、第1図に示す
ように、予め800℃でテンパーカラーを生成させた18Cr
−3.5Al耐熱鋼板(2)(2)で両側から挟み、その外
側に10mm厚さの銅板(4)(4)を、さらにその外側に
15mm厚さの黒鉛板(3)(3)を置き、これらのセット
を真空中で950℃に30分加熱後真空の冷却室中で20時間
冷却した後取り出し、この状態のまま液体窒素のプール
に浸し、冷却状態で8時間放置した。これを再度真空炉
内に装入し510℃に60分保熱後、空冷した。このように
析出硬化処理したSUS631板を定盤上に置いた所、定盤と
密着した。また、硬度はHv398と充分硬化していた。
(実施例4) この方法の別の応用例として溶接応力により跳ね上った
板の平坦度矯正を試みた。0.5mm厚さ×300mm×500mmのS
US304を2枚重ね、周囲をシーム溶接した。この板を定
盤上に置いたところ、周囲全体が10〜20mmも跳ね上っ
た。そこで、第2図に示すように、黒鉛定盤(3)上に
銅板(4)を置き、その上にテンパーカラーを付けた18
Cr−3.5Al耐熱鋼板(2)を置き、矯正すべきシーム溶
接板(1)を置き、さらにその上にもう1枚テンパーカ
ラーを付けた18Cr−3.5Al耐熱鋼板(2)を置き、その
上に厚さ15mm×50mm×50mmの耐熱鋼の板(6)を重しと
して10列×6列並べた。また図のように周囲には断熱材
(5)を置いた。これらのセットを1000℃の真空炉内に
装入し昇温後、30分保熱し、徐冷した。取出したシーム
溶接板(1)を定盤上に置いたところ周囲の1部に0.1m
m以下の隙間を生じた部分も存在したが、ほとんど平坦
になった。
(発明の効果) 本発明によれば、実施例に示すようにステンレス鋼板等
の金属板の平坦度矯正に著しい効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法を実施するためのセットの1例を
示す模式図。第2図は、他のセット例を示す模式図。第
3図〜第5図は、本発明以外のもので、第3図は焼付き
防止の説明図。第4図は歪の発生状態の1例を示す説明
図。第5図は歪発生の際の浮き上り高さの近似計算例の
説明図である。 1.目的金属板、4.銅板 2.耐熱鋼薄板、5.断熱材 3.黒鉛板、6.小片重し

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】黒鉛板2枚を定盤として、平坦度を矯正し
    ようとする目的金属板を上下両側から挟むように水平に
    配置し、板の場所による温度差の不均一をなくすため熱
    伝導率の良好な銅板を目的金属板の両側または片側に置
    き、この銅板または黒鉛板と目的金属板との焼付きを防
    止するため酸化皮膜を薄く形成させたAlまたはSiを含有
    する耐熱鋼薄板を目的金属の両側に重ね合わせ、これら
    全体を断熱材を使用して目的金属板の回復温度以上の高
    温に均一加熱し、平坦な状態での歪を除去した後、冷却
    することを特徴とするステンレス鋼等の金属板の平坦度
    矯正法。
  2. 【請求項2】黒鉛板1枚を定盤として水平に配置し、板
    の場所による温度差の不均一をなくすため熱伝導率の良
    好な銅板をこの黒鉛板の上または下に重ね、これらの上
    に、銅板または黒鉛板と目的金属板との焼付きを防止す
    るため酸化皮膜を薄く形成させたAlまたはSiを含有する
    耐熱鋼薄板で挟んだ平坦度を矯正しようとする目的金属
    板を置き、それらの上にさらに小片重しを全面的に配置
    した後、これら全体を断熱材を使用して目的金属板の回
    復温度以上の高温に均一加熱し、平坦な状態での歪を除
    去した後、冷却することを特徴とするステンレス鋼等の
    金属板の平坦度矯正法。
  3. 【請求項3】目的金属板が固溶化熱処理後の析出硬化型
    ステンレス鋼である請求項1または2記載の方法。
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