JPH07102356A - 電気電子機器用導体およびその製造方法 - Google Patents

電気電子機器用導体およびその製造方法

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JPH07102356A
JPH07102356A JP26986893A JP26986893A JPH07102356A JP H07102356 A JPH07102356 A JP H07102356A JP 26986893 A JP26986893 A JP 26986893A JP 26986893 A JP26986893 A JP 26986893A JP H07102356 A JPH07102356 A JP H07102356A
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JP
Japan
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electric
aluminum
conductor
electronic equipment
alloy
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JP26986893A
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English (en)
Inventor
Yutaka Yanagawa
裕 柳川
Mutsuo Sakamoto
睦夫 阪本
Hideo Suda
英男 須田
Yasushi Aiyoshizawa
康 相吉沢
Hideo Kaneko
秀雄 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車、家庭用電気製品等に使用される、軽
量でかつ電気接続性に優れた電気電子機器用導体および
その製造方法を提供する。 【構成】 (1)アルミニウムまたはアルミニウム合金
材の表面に、Sn10〜70wt%、Al2〜10wt%、
Cu0.5〜4wt%を含有し、残部Znと不可避的不純
物とからなるZn−Sn基合金層を被覆したことを特徴
とする電気電子機器用導体。 (2)アルミニウムまたはアルミニウム合金材をSn1
0〜70wt%、Al2〜10wt%、Cu0.5〜4wt%
を含有し、残部Znと不可避的不純物とからなるZn−
Sn基合金溶湯中に浸漬した後、引き上げることによ
り、アルミニウムまたはアルミニウム合金材にZn−S
n基合金層を被覆することを特徴とする電気電子機器用
導体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車等の車両、家庭用
電気製品、各種医療機器、ロボット、ブスバー等に用い
られる電気電子機器用導体とその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の車両、家庭用電気製
品、各種医療機器、ロボット、ブスバー等に使用される
電気電子機器用導体としては、電気伝導度の高い無酸素
銅やタフピッチ銅、あるいは黄銅等からなる銅、または
銅合金条あるいは銅、または銅合金線が用いられてき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年自動車
等の車両の軽量化はもとより、上記各種電気電子機器も
小型軽量化が求められているため、これらに使用される
電気電子機器用導体も軽量化する必要に迫られている。
しかし、従来電気電子機器用導体として使用されてきた
銅、または銅合金条あるいは銅、または銅合金線は、電
気伝導度は高いが、比重が大きいため、薄肉化や細径化
によっても十分な軽量化は困難であり、またコストも高
いという欠点があった。特に電気自動車では電気電子機
器用導体の使用量が多いため、電気電子機器用導体がそ
の重量増加の大きな要因となっている。
【0004】このため電気伝導度が高く、銅よりも比重
が小さいアルミニウムまたはアルミニウム合金を素材と
して使用し、電気電子機器用導体を軽量化することが検
討されているが、アルミニウムまたはアルミニウム合金
には表面に酸化皮膜が必然的に存在するため、半田付け
性および圧着性が悪く、接触抵抗が高いという、電気接
続性の問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような状況
に鑑み鋭意検討の結果、軽量でかつ電気接続性にも優れ
た電気電子機器用導体およびその製造方法を開発したも
のである。
【0006】即ち第1発明は、アルミニウムまたはアル
ミニウム合金材の表面に、Sn10〜70wt%、Al2
〜10wt%、Cu0.5〜4wt%を含有し、残部Znと
不可避的不純物とからなるZn−Sn基合金層を被覆し
たことを特徴とする電気電子機器用導体である。
【0007】第1発明において、被覆するZn−Sn基
合金としてはSn30〜65wt%、Al2〜4wt%、C
u0.5〜2wt%を含有し、残部Alと不可避的不純物
とからなるZn−Sn基合金が望ましい。
【0008】またZn−Sn基合金層の被覆厚さは0.
5〜20μmとするのが望ましく、0.5〜3μmとす
るのがさらに望ましい。
【0009】アルミニウム合金としては、Zrを含有す
る耐熱アルミニウム合金が望ましい。
【0010】第2発明は、アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金材をSn10〜70wt%、Al2〜10wt%、
Cu0.5〜4wt%を含有し、残部Znと不可避的不純
物とからなるZn−Sn基合金溶湯中に浸漬した後、引
き上げることにより、アルミニウムまたはアルミニウム
合金材にZn−Sn基合金層を被覆することを特徴とす
る電気電子機器用導体の製造方法である。
【0011】第2発明において、Zn−Sn基合金溶湯
としては、Sn30〜65wt%、Al2〜4wt%、Cu
0.5〜2wt%を含有し、残部Znと不可避的不純物と
からなるZn−Sn基合金溶湯であることが望ましい。
【0012】また、アルミニウムまたはアルミニウム合
金材をZn−Sn合金溶湯中から引き上げるに当たっ
て、冷却しながら被覆厚さを制御して引き上げることが
望ましい。
【0013】さらに、アルミニウムまたはアルミニウム
合金材にフラックスを塗布し、150〜280℃の温度
に加熱した後、Zn−Sn基合金溶湯中に浸漬するのが
望ましい。
【0014】
【作用】本発明はアルミニウムまたはアルミニウム合金
材の表面に、アルミニウムまたはアルミニウム合金との
密着性が良く、また耐変色性、耐食性の良いZn−Sn
基合金層を被覆することにより、半田付け性、圧着性を
良好とするとともに接触抵抗を低くして電気接続性を改
善し、かつ長期に使用しても電気接続性が劣化しない電
気電子機器用導体を得たものである。ここでアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金材の形状は、線、棒、板、条
等のいずれでも良く、用途に応じて適宜選択すれば良
い。
【0015】まず本発明において、アルミニウムまたは
アルミニウム合金材に被覆するZn−Sn基合金の合金
組成を上記のように限定した理由について説明する。S
nはアルミニウムまたはアルミニウム合金との密着性を
向上させるために添加するもので、その含有量を10〜
70wt%と限定したのは、10wt%未満では密着性の向
上に対する寄与が乏しく、70wt%を超えるとそれ以上
密着性の向上に寄与しないばかりか、コストを上昇させ
るからである。
【0016】Alは耐変色性と加工性を向上させるため
に添加するもので、その含有量を2〜10wt%と限定し
たのは、2wt%未満では加工性の向上に対する寄与が乏
しく、10wt%を超えると逆に加工性を劣化させるばか
りか接触抵抗を高めてしまうからである。
【0017】Cuは耐食性を向上させるために添加する
もので、その含有量を0.5〜4wt%と限定したのは、
0.5wt%未満では耐食性の向上に対する寄与が乏し
く、4wt%を超えると耐食性の一層の改善は認められ
ず、Zn−Sn基合金の融点が上昇し、溶湯の流動性が
低下して溶融めっき性が低下するためである。
【0018】上記Zn−Sn基合金のうちの、Sn30
〜65wt%、Al2〜4wt%、Cu0.5〜2wt%を含
有し、残部Alと不可避的不純物とからなるZn−Sn
基合金は、融点が低いため、溶融めっき法による被覆が
容易であり、また溶融めっきの際の熱によるアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金材の軟化も起きにくいので特
に好ましい合金である。
【0019】また上記Zn−Sn基合金に、Li、T
i、Mg、Cd、Sb、Zr、Beから選ばれた1種ま
たは2種以上の元素を合計で0.5〜3wt%添加すれ
ば、アルミニウムまたはアルミニウム合金との濡れ性を
向上させることができ、溶融めっきが容易となる。これ
らの元素の添加量の合計が0.5wt%未満ではその効果
がなく、3wt%を超えるとZn−Sn基合金の融点が高
くなり、逆に濡れ性が悪くなる。
【0020】Zn−Sn基合金層の被覆厚さは0.5〜
20μmとするのが望ましいが、その理由は、被覆厚さ
が0.5μm未満の場合は接触抵抗の低減に対する効果
が不十分であり、20μmを超える場合は前記効果が飽
和してしまい、製造コストの上昇を招くばかりであるか
らである。特性、製造コストを考慮した場合、特に望ま
しい被覆厚さは0.5〜3μmである。
【0021】アルミニウム合金としては、Zrを含有す
る耐熱アルミニウム合金を用いるのが、溶融めっきの際
に熱で軟化しにくいので望ましい。
【0022】本発明電気電子機器用導体の製造方法とし
ては、上記Zn−Sn基合金はアルミニウムまたはアル
ミニウム合金より融点が低いため、アルミニウムまたは
アルミニウム合金材を上記Zn−Sn基合金の溶湯(溶
融めっき浴)中に浸漬した後引き上げる溶融めっき法が
採用される。
【0023】Zn−Sn基合金層の被覆厚さの制御は、
アルミニウムまたはアルミニウム合金材の引き上げ速度
を制御することによっても可能であるが、引き上げる際
に、被覆されたZn−Sn基合金が凝固する前に、溶融
めっき浴の液面付近に設置された冷却用のロールを通す
か、送風によるか等で冷却しながら被覆厚さを制御する
のが被覆厚さの寸法精度を高める上で望ましい。
【0024】またアルミニウムまたはアルミニウム合金
材にあらかじめフラックスを塗布し、150〜280℃
の温度に加熱した後、Zn−Sn基合金溶湯中に浸漬す
れば、溶湯との濡れ性がよくなるため、Zn−Sn基合
金の被覆がより容易に行える。
【0025】次に、本発明電気電子機器用導体の具体的
な使用形態について説明する。図1はアルミニウムまた
はアルミニウム合金条1にZn−Sn基合金層2を被覆
した条状の電気電子機器用導体の断面図である。この条
状電気電子機器用導体は必要に応じてさらに圧延加工を
施し、適当なサイズにスリット加工して使用される。図
2はアルミニウムまたはアルミニウム合金線3にZn−
Sn基合金層2を被覆した線状の電気電子機器用導体の
断面図である。この線状電気電子機器用導体は、そのま
ま使用されたり、図3に示すように数本を撚り合わせて
撚線あるいは成形撚線としても使用される。また図4、
図5に示すように、これらに例えばポリエチレン等の有
機絶縁層4を被覆しても使用される。
【0026】次に本発明を実施例により更に詳細に説明
する。厚さ0.5mmの純Al(JIS 1100合
金)条、Al−Zr合金(Zr0.3wt%、Fe0.3
wt%、Si0.3wt%、Be0.3wt%、残Al)条ま
たはAl−Mg合金(JIS 5052合金)条に塩化
亜鉛を主成分とするフラックスを塗布した後、230℃
の温度に加熱保持し、所定の組成のZn−Sn基合金溶
湯中に浸漬してから引き上げる溶融めっき法により表1
に示す合金組成のZn−Sn基合金層を被覆して条状の
電気電子機器用導体を得た。Zn−Sn基合金層の被覆
厚さの制御は、溶融めっき浴の液面付近に配置した2本
の冷却ロールの間に上記各条を通す方法で行った。これ
らの電気電子機器用導体について、電気接続性、耐変色
性、加工性および耐食性を調べた。また比較のために、
従来例として溶融めっきを施さない純Al条についても
同様な特性を調べた。電気接続性としては、大気雰囲気
中で180℃で30分間加熱し、冷却後、接触面積2m
m×2mm、荷重10gでAuからなる接触子を用いて
100mAの電流で接触抵抗を測定した。耐変色性は、
大気雰囲気中で180℃で30分間加熱し、冷却後、目
視で観察して評価し、殆ど変色が無い場合は大いに良
好、僅かに変色が認められる場合は良好、それより若干
変色している場合はやや良好とした。加工性は、180
°曲げ試験によって評価し、曲げ部に多数の割れが認め
られる場合は×、数カ所の割れが認められる場合は△、
全く認められない場合は○とした。耐食性は、温度50
℃、湿度90%の恒温恒湿槽にて加湿試験を1000時
間行った後、接触抵抗を測定した。加湿試験後の接触抵
抗は、測定箇所によりばらつきが大きいため、加湿試験
前の接触抵抗と比較して抵抗値の増加が大きい場合は
×、抵抗値の増加が小さい場合は○とした。これらの結
果を表2に記した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】表2から明らかなように、本発明例No. 1
〜14は従来例No. 21に比較して接触抵抗が低く、耐
変色性、加工性および耐食性に優れている。これに対
し、比較例No. 15〜20は接触抵抗が高いか、耐変色
性、加工性あるいは耐食性が劣っていることが判る。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明電気電子機器
用導体は接触抵抗が低く優れた電気接続性を有し、また
軽量でかつ耐変色性、加工性、耐食性にも優れており、
自動車、家庭用電気製品等に用いるのに、極めて好適な
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】条状の本発明電気電子機器用導体の断面図。
【図2】線状の本発明電気電子機器用導体の断面図。
【図3】線状の本発明電気電子機器用導体を撚合わせた
成形撚線の断面図。
【図4】有機絶縁層を被覆した線状の本発明電気電子機
器用導体の断面図。
【図5】有機絶縁層を被覆した線状の本発明電気電子機
器用導体を撚合わせた成形撚線の断面図。
【符号の説明】
1 アルミニウムまたはアルミニウム合金条 2 Zn−Sn基合金層 3 アルミニウムまたはアルミニウム合金線 4 有機絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/02 Z (72)発明者 相吉沢 康 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 金子 秀雄 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金材
    の表面に、Sn10〜70wt%、Al2〜10wt%、C
    u0.5〜4wt%を含有し、残部Znと不可避的不純物
    とからなるZn−Sn基合金層を被覆したことを特徴と
    する電気電子機器用導体。
  2. 【請求項2】 Zn−Sn基合金がSn30〜65wt
    %、Al2〜4wt%、Cu0.5〜2wt%を含有し、残
    部Znと不可避的不純物とからなるZn−Sn基合金で
    あることを特徴とする請求項1記載の電気電子機器用導
    体。
  3. 【請求項3】 Zn−Sn基合金層の被覆厚さが0.5
    〜20μmであることを特徴とする請求項1および請求
    項2記載の電気電子機器用導体。
  4. 【請求項4】 被覆厚さが0.5〜3μmであることを
    特徴とする請求項3記載の電気電子機器用導体。
  5. 【請求項5】 アルミニウム合金がZrを含有する耐熱
    アルミニウム合金であることを特徴とする請求項1乃至
    請求項4記載の電気電子機器用導体。
  6. 【請求項6】アルミニウムまたはアルミニウム合金材を
    Sn10〜70wt%、Al2〜10wt%、Cu0.5〜
    4wt%を含有し、残部Znと不可避的不純物とからなる
    Zn−Sn基合金溶湯中に浸漬した後、引き上げること
    により、アルミニウムまたはアルミニウム合金材にZn
    −Sn基合金層を被覆することを特徴とする電気電子機
    器用導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 Zn−Sn基合金溶湯がSn30〜65
    wt%、Al2〜4wt%、Cu0.5〜2wt%を含有し、
    残部Znと不可避的不純物とからなるZn−Sn基合金
    溶湯であることを特徴とする請求項6記載の電気電子機
    器用導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 アルミニウムまたはアルミニウム合金材
    をZn−Sn基合金溶湯から引き上げるに当たって、冷
    却しながら被覆厚さを制御して引き上げることを特徴と
    する請求項6および請求項7記載の電気電子機器用導体
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 アルミニウムまたはアルミニウム合金材
    にフラックスを塗布し、150〜280℃の温度に加熱
    した後、Zn−Sn合金溶湯中に浸漬することを特徴と
    する請求項6乃至請求項8記載の電気電子機器用導体の
    製造方法。
JP26986893A 1993-10-01 1993-10-01 電気電子機器用導体およびその製造方法 Pending JPH07102356A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2881870A1 (fr) * 2005-02-10 2006-08-11 Nexans Sa Fil electrique a ame en aluminium ou alliage d'aluminium
IT202200010391A1 (it) * 2022-05-19 2023-11-19 Kofler Srl Lega metallica di tipo migliorato per la zincatura a caldo di materiali ferrosi

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EP1693857A1 (fr) * 2005-02-10 2006-08-23 Nexans Fil Electrique a ame en aluminium ou alliage d'aluminium
IT202200010391A1 (it) * 2022-05-19 2023-11-19 Kofler Srl Lega metallica di tipo migliorato per la zincatura a caldo di materiali ferrosi

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