JPH07102315A - ステンレス鋼帯のデスケーリング方法 - Google Patents

ステンレス鋼帯のデスケーリング方法

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JPH07102315A
JPH07102315A JP24701493A JP24701493A JPH07102315A JP H07102315 A JPH07102315 A JP H07102315A JP 24701493 A JP24701493 A JP 24701493A JP 24701493 A JP24701493 A JP 24701493A JP H07102315 A JPH07102315 A JP H07102315A
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stainless steel
descaling
pressure water
pickling
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Tomoaki Yamamoto
知明 山本
Hikari Okada
光 岡田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】焼鈍処理後に高圧水を噴射させ、ショットブラ
スト処理を省略することができるステンレス鋼帯のデス
ケーリング方法を提供 【構成】連続焼鈍され、焼鈍炉から出た直後の 700℃以
上の高温状態にある熱延ステンレス鋼帯の表面に吐出圧
力が300kgf/cm2以上である高圧水を噴射した後水冷し、
その後に、酸洗を行うことを特徴とするステンレス鋼帯
のデスケーリング方法。また、このデスケーリング方法
は、バッチ焼鈍されたのち連続焼鈍炉で再加熱された熱
延ステンレス鋼帯においても採用される。 【効果】ステンレス鋼帯の表面疵の発生を防ぎ、表面粗
度を向上させるとともに、効率のよいデスケーリングを
行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間圧延後に連続焼鈍
酸洗処理を施すステンレス鋼帯のデスケーリング方法に
関し、詳しくは、ショットブラスト処理を省略すること
ができるステンレス鋼帯のデスケーリング方法を提供す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ステンレス鋼帯は熱間圧延を
した後に、機械的性質を満たすために焼鈍処理を施した
のち、表面性状を向上させるために酸洗処理等のデスケ
ーリングが行われる。この焼鈍、酸洗処理を効率よく短
時間で施すために、熱間圧延されたステンレス鋼帯は連
続焼鈍酸洗ライン (Annealing and Pickling Line : 以
下、APラインと記載する) で連続的に処理される。こ
のAPラインの主な設備構成は入側および出側の付帯装
置の他に、焼鈍炉、水冷槽、メカニカルデスケーリング
装置および酸洗槽からなっている。
【0003】熱間圧延されたステンレス鋼帯をAPライ
ンで処理すると、熱間圧延時にステンレス鋼帯の表面に
生成していた厚さ5〜6μmの酸化スケールが、APラ
インにおける焼鈍炉を通過するうちに、厚さ10〜20μm
程度の緻密な酸化スケールに成長する。この酸化スケー
ルは普通鋼帯のそれと比べ極めて緻密であるため、その
デスケーリングは困難である。このため、焼鈍、水冷処
理を終えた鋼帯は、あらかじめショットブラスト等のメ
カニカルデスケーリングにより、酸化スケールを機械的
に破壊、除去し、または、酸化スケールにひび割れを発
生させて、後続する酸洗を容易にさせたのち、硫酸槽お
よび硝酸と弗酸の混酸槽に浸漬して化学的処理によって
完全にデスケーリングを行う必要がある。
【0004】しかし、従来のAPラインにおけるショッ
トブラスト等を利用したデスケーリング方法には、次の
ような問題がある。
【0005】焼鈍処理後にショット粒の吹き付け処理で
あるショットブラストを行うと、ショット粒の衝突によ
りステンレス鋼帯の表面に凹凸状の打痕(ショット目)
が形成されて、鋼帯の表面粗度が大きくなる。このショ
ットブラストによる打痕は、次工程の冷間圧延での圧下
加工によって消滅していくが、圧下率を高くとれないス
テンレス鋼帯では、その表面にショット目が残ることに
なる。このような場合には、特に、表面光沢が要求され
る光輝焼鈍製品では、満足な光沢を得ることが難しくな
る。さらに、表面の凹凸状の打痕が比較的大きな場合に
は、この打痕は冷間圧延時につぶされて押さえ込まれる
ことになり、ステンレス鋼帯の表面に疵が発生し、冷延
鋼板製品として使用できないという問題もある。
【0006】これらの対策として、ショットブラスト後
に、ステンレス鋼帯表面の凹凸状の打痕を除去するた
め、コイルグラインダーによって研削を行うことが試み
られているが、作業工数の増加をきたすことから、経済
的でないという問題が残る。
【0007】上記のような問題を解決するために、特開
平5−17827 号公報において、熱間圧延後の脱スケール
工程でのショットブラスト処理を省略するステンレス鋼
帯の焼鈍・デスケーリング方法であって、アルカリ土類
金属塩化物溶液をステンレス鋼帯に塗布して焼鈍し、鋼
帯の幅方向反り矯正装置を通した後にブラシによってデ
スケーリングを行う方法が提案されている。
【0008】即ち、ステンレス鋼帯に塗布されたアルカ
リ土類金属塩化物溶液は、酸化スケール層中に浸透し、
熱間圧延で表面に形成したスピネル構造を有する非常に
強固な酸化スケールを、不定形で機械的強度の弱いアル
カリ土類金属を含有する金属塩化物に改質する。この鋼
帯の表面に生じた塩化物は簡単に剥離させることがで
き、一方、酸化スケール内部への酸素の侵入を阻止し
て、鋼帯の表面に新たな酸化スケールが成長することを
防止するというのである。
【0009】しかし、このデスケーリング方法では表面
にアルカリ土類金属塩化物溶液を塗布するため、塗布後
のステンレス鋼帯の搬送に伴って、搬送ロールや支持ロ
ールにアルカリ土類金属化合物が付着、堆積し、新た
に、ステンレス鋼帯の表面疵を発生させる要因となる。
さらに、アルカリ土類金属塩化物溶液は吸湿性であるた
め、APラインの装置廻りの環境条件は腐食性となり、
APラインを含め諸設備の寿命を低下させるという問題
がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来のAPラインにお
けるデスケーリング方法では、前述したようにショット
ブラスト等のメカニカルデスケーリングを採用した場合
には表面粗度や表面疵の問題があり、またショットブラ
スト処理を省略する方法としてアルカリ土類金属塩化物
溶液を塗布した場合には表面疵が発生することの他、装
置廻りの環境条件を悪化させるという問題があった。
【0011】本発明は、従来のデスケーリング方法にお
ける問題を解決し、ショットブラスト等の処理を省略す
ることができるステンレス鋼帯のデスケーリング方法を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の (1)およ
び (2)のデスケーリング方法を要旨としている。
【0013】(1) 連続焼鈍され、焼鈍炉から出た直後の
700℃以上の高温状態にある熱延ステンレス鋼帯の表面
に吐出圧力が300kgf/cm2以上である高圧水を噴射した後
水冷し、その後に、酸洗を行うことを特徴とするステン
レス鋼帯のデスケーリング方法。
【0014】(2) バッチ焼鈍された熱延ステンレス鋼帯
を連続焼鈍炉で再加熱し、焼鈍炉から出た直後の 700℃
以上の高温状態にある熱延ステンレス鋼帯の表面に吐出
圧力が300kgf/cm2以上である高圧水を噴射した後水冷
し、その後に、酸洗を行うことを特徴とするステンレス
鋼帯のデスケーリング方法。
【0015】
【作用】本発明者らは、焼鈍後にステンレス鋼帯の表面
に形成した酸化スケール、特にそのスケール厚さが酸洗
処理後のスケール残りにどのように影響を及ぼすかを詳
細に調査した。その結果、酸洗前に酸化スケールの厚さ
が薄くなっている場合には、ショットブラスト処理を省
略しても、酸洗処理の化学的処理のみでステンレス鋼帯
表面の緻密な酸化スケールを完全にデスケーリングする
ことが可能であることを知った。また、ステンレス鋼帯
の表面に形成する酸化スケールを酸洗前に薄くする方法
は種々あるが、なかでも焼鈍直後の鋼帯の表面温度が比
較的高温に保持されている段階で、高圧水を噴射して酸
化スケールをステンレス鋼帯の表面から除去し、その後
の酸化スケールの成長を抑制する方法が最も有効である
ことを知見した。
【0016】以上の知見に基づく本発明のデスケーリン
グ方法のメカニズムについて整理すると、次のようにな
る。
【0017】APラインの焼鈍工程では、鋼帯の加熱は
直火雰囲気で行われる。この焼鈍中、ステンレス鋼帯は
通常 700〜1150℃程度の温度に加熱されるため、その表
面に酸化スケールが生成、成長する。その後、水冷槽に
よってステンレス鋼帯は急冷され、表面の酸化が停止す
ることになる。そのため、酸化スケールのデスケーリン
グを焼鈍炉と水冷槽との間で行うことによって、その後
の酸化スケールの成長は抑制されるので、酸洗前にステ
ンレス鋼帯表面の酸化スケールの厚さを薄くすることが
できる。
【0018】焼鈍炉と水冷槽との間で行うデスケーリン
グとして種々の方法を検討した。例えば、ショットブラ
ストを利用しない方法として研削ブラシを使用して機械
的に酸化スケールを除去する方法も考えたが、機械的に
除去する方法では作業工数が増加し、酸洗時間の短縮が
図れなかった。その後の検討において、本発明を完成さ
せるためには、高圧水をステンレス鋼帯の表面に噴射す
る方法が有効であることを見出した。これは、高温に加
熱された鋼帯の表面に高圧水を噴射すると、表面に付加
される高圧水の衝突力の他に、ステンレス鋼帯の地鉄と
その表面に形成された酸化スケールとの間に熱膨張係数
差があり、これに起因する熱応力がステンレス鋼帯表面
に発生し、酸化スケールの剥離を促すことになり、表面
の酸化スケールを除去することが容易になるからであ
る。
【0019】図2は、ステンレス鋼帯の温度と高圧水の
吐出圧力とが、デスケーリングにおよぼす影響を調査し
た結果を示す図である。ここで、使用したステンレス鋼
帯はSUS 430 鋼で、ステンレス鋼帯の搬送速度を一定
(40m/min )とした。また、表面のデスケーリング状況
は目視によって判定している。
【0020】同図から明らかなように、高圧水の吐出圧
力が300kgf/cm2以上であり、かつ、鋼帯の温度が 700℃
以上である場合において、ステンレス鋼帯表面の酸化ス
ケールを完全にデスケーリングすることが可能である。
即ち、高圧水の吐出圧力を300kgf/cm2以上とすれば、酸
化スケールをステンレス鋼帯の表面から剥離するのに十
分な衝突力が確保でき、ステンレス鋼帯の温度を 700℃
以上にすることによって、鋼帯の表面に発生する熱応力
が酸化スケールの剥離を促進できることになる。
【0021】同時に行った酸化スケールの成長状況の調
査結果によれば、高圧水の噴射によるデスケーリングで
スケールを除去した後も、ステンレス鋼帯の表面温度が
まだ高いため、わずかに表面が酸化され、酸化スケール
の発生および成長があるが、その成長は著しく抑制さ
れ、最終的にステンレス鋼帯の表面に残留するスケール
は、その厚さが1μm以下と極めて薄いスケールであ
る。
【0022】このように高圧水の噴射によって酸洗前の
残留スケールの厚さを1μm以下と薄くして酸洗する場
合には、従来行われていたショットブラスト等のメカニ
カルデスケーリングによって酸化スケールを機械的に破
壊、除去し、または酸化スケールにひび割れを発生させ
て酸洗していた場合に比べ、デスケーリング〜酸洗に要
する酸洗時間は1/3以下に短縮することができる。こ
のデスケーリング方法をAPラインのような連続処理ラ
インの設備に採用すれば、酸洗時間の短縮によって大幅
な能率向上が期待できる。
【0023】フェライト系ステンレス鋼帯の焼鈍処理
は、APラインの焼鈍炉を使用せず、バッチ式のベル型
炉を使用して長時間焼鈍処理を行う。APラインの焼鈍
炉を使用して焼鈍すると、短時間での高温加熱処理とな
らざるを得ないため、γ相の析出があり、靱性が劣化し
塑性ひずみ比で表されるいわゆるr値が低下するからで
ある。従って、フェライト系ステンレス鋼帯をデスケー
リングするためにAPラインを使用する場合には、バッ
チ式ベル型炉で焼鈍したのち、APラインの焼鈍炉で所
定温度まで再加熱して、焼鈍炉と水冷槽との間で高圧水
を噴射してデスケーリングを行う。
【0024】高圧水の噴射によるデスケーリングは、高
圧水の衝突力のほかに地鉄と酸化スケールとの間に生じ
る熱膨張係数の差を利用するものであるから、酸化スケ
ールを効率的に除去するには、ステンレス鋼帯の表面温
度が高ければ高いほど望ましい。しかし、フェライト系
ステンレス鋼は、γ域の温度範囲以上の高温にすると、
変態と炭窒化物の凝集溶解により結晶粒は急激に粗大化
し、脆化するという問題がある。そのため、フェライト
系ステンレス鋼帯をデスケーリングする場合には、鋼帯
の温度を変態点未満、即ち、α域の温度に抑制しなけれ
ばならない。
【0025】
【実施例】本発明の実施例について図面を用いて説明す
る。
【0026】図1は、本発明の高圧水によるデスケーリ
ング設備を備えたAPラインの一実施例であり、 (1)は
APラインの構成を示す概略図を、 (2)はバッチ式ベル
型炉の概略図を表している。同図 (1)において、1はペ
イオフリール、2は入側シャー、3はウエルダ、4は入
側ルーパである。5は焼鈍炉であって、6の高圧水噴射
装置によって酸化スケールを除去してのち、7の水冷槽
で冷却する。8は硫酸および硝酸と弗酸の混酸による酸
性槽、9は洗浄装置、10はドライヤー、11は出側ルー
パ、12は分割シャー、そして13はテンションリールであ
る。このAPラインにおいて、まずペイオフリール1に
より巻き戻された熱延ステンレス鋼帯Sは、入側シャー
2で先端部または後端部を切断され、先行コイルまたは
後行コイルとウエルダ3により接続される。次に熱延ス
テンレス鋼帯Sは、入側ルーパ4を経て、焼鈍炉5へ搬
送され、直火雰囲気の下で熱処理が施される。その後、
焼鈍炉5の出側直近に設けられた高圧水噴射装置6によ
って高圧水を噴射され、表面の酸化スケールはデスケー
リングされ、その後の表面酸化が抑制された状態で水冷
槽7で冷却される。続いて、熱延ステンレス鋼帯S表面
の薄いスケールは、硫酸および硝酸と弗酸の混酸からな
る複数の酸性槽8によって、化学的処理によってデスケ
ーリングが行われる。そののち、熱延ステンレス鋼帯S
は、ブラッシング、スプレー等を行う洗浄装置9によっ
て表面が清浄にされ、ドライヤー10で乾燥されてから、
出側ルーパ11を経て、分割シャー12によって所定の長さ
に切断された後、テンションリール13に巻き取られる。
【0027】図1 (2)に示すベル型炉21は、熱延ステン
レス鋼帯Sをバッチ処理で長時間焼鈍を行う。熱延ステ
ンレス鋼帯Sはベースの炉床に積載され、その上から加
熱装置を取り付けたカバーを被せて加熱される。
【0028】(実施例1)熱間圧延後のステンレス鋼帯
(SUS 304 )を、上記の実施例で説明した図1 (1)に示
すAPラインによって処理したときの焼鈍前、焼鈍後お
よび酸洗前(高圧水噴射後)における酸化スケールの厚
さの推移を、高圧水噴射が有る場合と無い場合に区分し
て測定した。表1はAPラインでの処理条件を表してお
り、表2に測定結果をまとめている。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表2から明らかなように、APラインで
は、直火バーナによって熱処理を行うため、熱間圧延時
にステンレス鋼帯の表面に厚さ5μm で形成していた酸
化スケールは、直火雰囲気の下での焼鈍中に厚さ12μm
の緻密な酸化スケールに成長する。しかし、その後の高
圧水の噴射はデスケーリングに有効であり、高圧水の噴
射がなされたステンレス鋼帯表面の酸化スケールは、水
冷槽を通過後、即ち、酸洗前で測定すると、その厚さは
1μmであり、極めて薄い酸化スケールになっている。
【0032】(実施例2)図1 (1)に示すAPラインを
使用して、熱間圧延後のステンレス鋼帯(SUS 304 )に
焼鈍、高圧水の噴射によるデスケーリングおよび酸洗を
行い、そのときのステンレス鋼帯の酸化スケールの付着
状態及び表面粗度を調査した。
【0033】表3は、APラインでの焼鈍、高圧水の噴
射および酸洗の各処理条件を表すが、高圧水の噴射圧の
効果を確認するため、吐出圧力を 200〜 400Kgf/cm2
範囲で変化させた。さらに、デスケーリング法による効
果を比較するため、高圧水の噴射をしないで、酸洗前に
ショットブラストを施した場合の酸化スケールの付着状
態及び表面粗度も調査した。その調査結果を、表4にま
とめる。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】表4の結果から、高圧水の吐出圧力が300k
gf/cm2以上であれば、ショットブラストの処理を省略し
ても、酸洗後にスケール残りはなかった。一方、表面粗
度(Ra)に関しては、ショットブラスト処理によるメ
カニカルデスケーリングでは酸洗後 3.6〜 5.0μm であ
るのに対して、高圧水の噴射によるデスケーリングでは
いずれも 1.1〜 2.5μm と良好であった。
【0037】(実施例3)図1 (1)に示すAPラインを
使用して、熱間圧延後のフェライト系ステンレス鋼帯
(SUS 430 )に、高圧水の噴射によるデスケーリングお
よび酸洗を行った。
【0038】ステンレス鋼帯は、事前に図1 (2)に示す
ベル型炉(大気雰囲気)で 850℃×24時間の焼鈍処理を
した後、APラインに通して、焼鈍炉で再加熱ののち高
圧水の噴射および酸洗を行って、鋼帯表面の酸化スケー
ルの付着状態及び表面粗度を調査した。デスケーリング
法による効果を比較するため、実施例2と同様に、高圧
水の噴射をしないで酸洗前にショットブラストを施した
場合についても調査した。
【0039】表5に、APラインでの加熱、高圧水の噴
射および酸洗の各処理条件を表す。
【0040】表6に、酸洗後のスケール残りおよび表面
粗度の調査結果をまとめた。
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】表6の結果から、フェライト系ステンレス
鋼帯についても、高圧水の噴射が300kgf/cm2以上であれ
ば、ショットブラストの処理を省略しても、酸洗後にス
ケール残りはなかった。一方、表面粗度(Ra)に関し
ては、ショットブラスト処理によるメカニカルデスケー
リングでは酸洗後 3.9〜 5.5μm であるのに対して、高
圧水の噴射によるデスケーリングではいずれも 1.2〜
2.4μm と良好であった。
【0044】
【発明の効果】本発明のデスケーリング方法によれば、
熱間圧延後のステンレス鋼帯を連続焼鈍酸洗処理する場
合、ショットブラスト処理を省略しても、酸洗後のスケ
ール残りをなくして、効率のよいデスケーリングを行う
ことができる。さらに、ステンレス鋼帯の表面疵の発生
を防ぎ、表面粗度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデスケール方法を適用した連続焼鈍酸
洗ラインの一実施例であり、 (1)は連続焼鈍酸洗ライン
の構成を示す概略図、 (2)はバッチ式ベル型炉の概略図
である。
【図2】ステンレス鋼帯の温度と高圧水の吐出圧力と
が、酸化スケールのデスケーリングにおよぼす影響を示
す図である。
【符号の説明】
S…熱延ステンレス鋼帯、1…ペイオフリール、2…入
側シヤー 3…ウエルダー、4…入側ルーパ、5…焼鈍炉、6…高
圧水噴射装置 7…水冷槽、8…酸洗槽、9…洗浄装置、10…ドライヤ
ー、11…出側ルーパ 12…分割シヤー、13…テンションリール 21…ベル型炉

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続焼鈍され、焼鈍炉から出た直後の 700
    ℃以上の高温状態にある熱延ステンレス鋼帯の表面に吐
    出圧力が300kgf/cm2以上である高圧水を噴射した後水冷
    し、その後に、酸洗を行うことを特徴とするステンレス
    鋼帯のデスケーリング方法。
  2. 【請求項2】バッチ焼鈍された熱延ステンレス鋼帯を連
    続焼鈍炉で再加熱し、焼鈍炉から出た直後の 700℃以上
    の高温状態にある熱延ステンレス鋼帯の表面に吐出圧力
    が300kgf/cm2以上である高圧水を噴射した後水冷し、そ
    の後に、酸洗を行うことを特徴とするステンレス鋼帯の
    デスケーリング方法。
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