JPH06297307A - 金属ストリップのコイルグラインダー方法 - Google Patents
金属ストリップのコイルグラインダー方法Info
- Publication number
- JPH06297307A JPH06297307A JP11238393A JP11238393A JPH06297307A JP H06297307 A JPH06297307 A JP H06297307A JP 11238393 A JP11238393 A JP 11238393A JP 11238393 A JP11238393 A JP 11238393A JP H06297307 A JPH06297307 A JP H06297307A
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- JP
- Japan
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- grinding
- strip
- heating
- oil
- metal strip
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- Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 この発明は、ステンレス鋼板などの金属スト
リップに対するコイルグラインダー方法に係り、これら
のコイルについてのタンデム冷間圧延時におけるストリ
ップとブライドルロール間のスリップを防ぎ、ブライド
ルロールによるストリップの安定搬送を実現し、より詳
しくは冷間圧延前処理工程のグラインダー研削時にスト
リップ表面に付着した研削油を研削工程のインラインで
適切に除去しようとするものである。 【構成】 研削液を用いて金属ストリップを研削し、研
削後に加熱して研削液を除去する。
リップに対するコイルグラインダー方法に係り、これら
のコイルについてのタンデム冷間圧延時におけるストリ
ップとブライドルロール間のスリップを防ぎ、ブライド
ルロールによるストリップの安定搬送を実現し、より詳
しくは冷間圧延前処理工程のグラインダー研削時にスト
リップ表面に付着した研削油を研削工程のインラインで
適切に除去しようとするものである。 【構成】 研削液を用いて金属ストリップを研削し、研
削後に加熱して研削液を除去する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はステンレス鋼板およびス
テンレス鋼帯などの各種鋼帯その他の金属ストリップに
対するコイルグラインダー方法に係り、これらのコイル
についてのタンデム冷間圧延時におけるストリップとブ
ライドルロール間のスリップを防ぎ、ブライドルロール
によるストリップの安定搬送を実現せしめ、より詳しく
は冷間圧延前処理工程のグラインダー研削時にストリッ
プ表面に付着した研削油を、研削工程のインラインで適
切に除去することのできる方法を提供しようとするもの
である。
テンレス鋼帯などの各種鋼帯その他の金属ストリップに
対するコイルグラインダー方法に係り、これらのコイル
についてのタンデム冷間圧延時におけるストリップとブ
ライドルロール間のスリップを防ぎ、ブライドルロール
によるストリップの安定搬送を実現せしめ、より詳しく
は冷間圧延前処理工程のグラインダー研削時にストリッ
プ表面に付着した研削油を、研削工程のインラインで適
切に除去することのできる方法を提供しようとするもの
である。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼帯の製造プロセスにおいて
は、熱間圧延材に焼鈍・酸洗を施し、グラインダー研削
によりストリップ表面の疵を除去してから冷間圧延に供
されることがある。このような場合においては、研削時
に使用した研削液がストリップ表面に付着し、油シミ、
あるいは冷間圧延時のブライドルロールとストリップ間
におけるスリップ等の原因となるため、従来は一般的に
グラインダー研削をほどこした後にECL(電解洗浄ラ
イン)、アルカリ洗浄等の洗浄工程を通してストリップ
表面の研削液を除去している。
は、熱間圧延材に焼鈍・酸洗を施し、グラインダー研削
によりストリップ表面の疵を除去してから冷間圧延に供
されることがある。このような場合においては、研削時
に使用した研削液がストリップ表面に付着し、油シミ、
あるいは冷間圧延時のブライドルロールとストリップ間
におけるスリップ等の原因となるため、従来は一般的に
グラインダー研削をほどこした後にECL(電解洗浄ラ
イン)、アルカリ洗浄等の洗浄工程を通してストリップ
表面の研削液を除去している。
【0003】また、特開昭62−146300において
は圧延油を燃焼除去する方法が発表されており、即ちこ
の場合の脱脂メカニズムは圧延油を燃焼させるもので、
酸化性雰囲気とするものである。
は圧延油を燃焼除去する方法が発表されており、即ちこ
の場合の脱脂メカニズムは圧延油を燃焼させるもので、
酸化性雰囲気とするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
一般的技術においては、ストリップにグラインダー研削
を施した後に洗浄ラインに通してストリップ表面に付着
した研削油を除去するものであるから、この方法を実施
するための専用洗浄設備の建設によるコスト高が避けら
れずまた製造工程が増えることによる生産性の低下を招
く不利がある。
一般的技術においては、ストリップにグラインダー研削
を施した後に洗浄ラインに通してストリップ表面に付着
した研削油を除去するものであるから、この方法を実施
するための専用洗浄設備の建設によるコスト高が避けら
れずまた製造工程が増えることによる生産性の低下を招
く不利がある。
【0005】前記した特開昭62−146300による
ものは加熱処理の後、アルカリ塩への浸漬あるいは硝
酸、硫酸水溶液中での電解処理が行われ、生産性および
コストの面から不利とならざるを得ない。
ものは加熱処理の後、アルカリ塩への浸漬あるいは硝
酸、硫酸水溶液中での電解処理が行われ、生産性および
コストの面から不利とならざるを得ない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
従来のものにおける技術的課題を解消することについて
検討を重ね、特別な専用設備の如きを必要としないで、
簡易且つ低コストに研削油除去をなすことに成功したも
のであって、以下の如くである。
従来のものにおける技術的課題を解消することについて
検討を重ね、特別な専用設備の如きを必要としないで、
簡易且つ低コストに研削油除去をなすことに成功したも
のであって、以下の如くである。
【0007】金属ストリップを研削液を用いて研削し、
該研削後に加熱して研削液を除去することを特徴とする
金属ストリップのコイルグラインダー方法。
該研削後に加熱して研削液を除去することを特徴とする
金属ストリップのコイルグラインダー方法。
【0008】
【作用】上記した本発明について説明すると、ステンレ
ス熱延焼鈍酸洗鋼帯などの表面は、熱間圧延時の焼きつ
き疵や酸洗時に生じたピットと呼ばれる凹部等により非
常に荒れたものとなる。然してステンレス鋼帯の如きに
おける特徴は耐食性とともにその表面光沢などの意匠性
にあるが、上記したような熱延鋼帯上の疵は冷間圧延時
に焼きつきの原因となったり、オイルピットと呼ばれる
表面凹部を生じさせ、最終製品の表面光沢度や表面粗さ
などの表面性状を著しく悪化させる原因となる。
ス熱延焼鈍酸洗鋼帯などの表面は、熱間圧延時の焼きつ
き疵や酸洗時に生じたピットと呼ばれる凹部等により非
常に荒れたものとなる。然してステンレス鋼帯の如きに
おける特徴は耐食性とともにその表面光沢などの意匠性
にあるが、上記したような熱延鋼帯上の疵は冷間圧延時
に焼きつきの原因となったり、オイルピットと呼ばれる
表面凹部を生じさせ、最終製品の表面光沢度や表面粗さ
などの表面性状を著しく悪化させる原因となる。
【0009】このため、ステンレス鋼帯、主にフェライ
ト系ステンレス鋼帯における冷間圧延の前処理工程とし
て、ストリップの表面をグラインダー研削することによ
りこれらの表面疵を除去している。しかし、このグライ
ンダー研削をかけた時に使用した研削液を除去せずにそ
のまま放置すると、ストリップの表面に付着してしま
い、冷間圧延時のブライドルロールとストリップ間のス
リップなどのトラブルの原因となる。即ち、本発明にお
いては上述のようなコイルグラインダーの出側にインラ
イン加熱装置を設けて研削中にストリップ表面に付着し
た研削油を該研削工程のインラインにおいて加熱分解、
蒸発させて除去する。
ト系ステンレス鋼帯における冷間圧延の前処理工程とし
て、ストリップの表面をグラインダー研削することによ
りこれらの表面疵を除去している。しかし、このグライ
ンダー研削をかけた時に使用した研削液を除去せずにそ
のまま放置すると、ストリップの表面に付着してしま
い、冷間圧延時のブライドルロールとストリップ間のス
リップなどのトラブルの原因となる。即ち、本発明にお
いては上述のようなコイルグラインダーの出側にインラ
イン加熱装置を設けて研削中にストリップ表面に付着し
た研削油を該研削工程のインラインにおいて加熱分解、
蒸発させて除去する。
【0010】前記脱脂に当っては加熱処理による表面酸
化層の生成を抑制することが必要であって、表面品質を
考慮して還元性雰囲気とする。一般に、金属の還元雰囲
気での熱処理に使用されるガスは、Rxガス(Co2:0.2%, C
O:20.7%, H2:38.7%, H2O:0.6%, CH4:0.05%, N2: 残り)
、Dxガス(Co2:5.0%, CO:10.5%, H2:12.5%, H2O:0.8%,N
2:残り) 、Nxガス(Co2:0.05%, CO:1.5%, H2:1.2%, N2:
残り) 、Axガス( アンモニア分解ガス H2:25%, N2:残
り) 等があり、それぞれ熱処理される金属に応じて使い
分けられる。これらのガス中成分には、浸炭、脱炭反応
を起こすものもあるが、本出願の加熱方法では加熱時間
が数十秒と短いため、これらの反応を考える必要はな
い。
化層の生成を抑制することが必要であって、表面品質を
考慮して還元性雰囲気とする。一般に、金属の還元雰囲
気での熱処理に使用されるガスは、Rxガス(Co2:0.2%, C
O:20.7%, H2:38.7%, H2O:0.6%, CH4:0.05%, N2: 残り)
、Dxガス(Co2:5.0%, CO:10.5%, H2:12.5%, H2O:0.8%,N
2:残り) 、Nxガス(Co2:0.05%, CO:1.5%, H2:1.2%, N2:
残り) 、Axガス( アンモニア分解ガス H2:25%, N2:残
り) 等があり、それぞれ熱処理される金属に応じて使い
分けられる。これらのガス中成分には、浸炭、脱炭反応
を起こすものもあるが、本出願の加熱方法では加熱時間
が数十秒と短いため、これらの反応を考える必要はな
い。
【0011】なお、上記したようなステンレスの研削油
としては一般に鉱油を基油とし、これに各種添加剤(硫
黄等)を加えたものが用いられているが、加熱過程にお
いて研削油中の硫黄分とステンレス表面との反応を防ぐ
ため、加熱雰囲気は還元性でかつ硫黄分との反応性の高
いガスを用いることが好ましい。このことから、ステン
レス鋼の加熱雰囲気としては、一般にステンレス鋼の光
輝焼鈍雰囲気として用いられるAxガスが適切である。即
ちこのような加熱処理により、研削油は分解・蒸発し、
板上に油分あるいはカーボン状物質を残さず除去するこ
とができる。また、加熱処理後、冷却過程での表面酸化
層の生成を防止するため、急速冷却を行う。
としては一般に鉱油を基油とし、これに各種添加剤(硫
黄等)を加えたものが用いられているが、加熱過程にお
いて研削油中の硫黄分とステンレス表面との反応を防ぐ
ため、加熱雰囲気は還元性でかつ硫黄分との反応性の高
いガスを用いることが好ましい。このことから、ステン
レス鋼の加熱雰囲気としては、一般にステンレス鋼の光
輝焼鈍雰囲気として用いられるAxガスが適切である。即
ちこのような加熱処理により、研削油は分解・蒸発し、
板上に油分あるいはカーボン状物質を残さず除去するこ
とができる。また、加熱処理後、冷却過程での表面酸化
層の生成を防止するため、急速冷却を行う。
【0012】本発明に従い鉱油形の研削油を加熱し、そ
の蒸気圧を測定したところ、450℃前後で大気圧を越
えるため、加熱温度として最低450℃程度が必要であ
る。一方、その上限についてはフェライト系ステンレス
鋼を主体とした場合には850℃で粒界腐食が起こるた
め、これを上限として450〜850℃の範囲が適当で
ある。(しかし、フェライト系ステンレス鋼の場合、コ
イルグラインダーにより生成された急峻な表面硬化層が
冷間圧延後の表面欠陥(白筋模様)の原因となるため、
かかる表面硬化層を修復するために、フェライト系ステ
ンレス鋼の再結晶・回復開始温度である650℃程度以
上の加熱温度が好ましい。また、温度の加熱による表層
の軟化はオイルピット等の冷間圧延時における表面欠陥
を生じ易く、800℃以上の加熱処理は却って冷間圧延
後の表面性状を荒らす原因となる。かかる理由により、
フェライト系ステンレス鋼の場合の加熱温度は650〜
800℃、その他の金属ストリップにおいては500℃
程度の加熱温度が好ましい。)
の蒸気圧を測定したところ、450℃前後で大気圧を越
えるため、加熱温度として最低450℃程度が必要であ
る。一方、その上限についてはフェライト系ステンレス
鋼を主体とした場合には850℃で粒界腐食が起こるた
め、これを上限として450〜850℃の範囲が適当で
ある。(しかし、フェライト系ステンレス鋼の場合、コ
イルグラインダーにより生成された急峻な表面硬化層が
冷間圧延後の表面欠陥(白筋模様)の原因となるため、
かかる表面硬化層を修復するために、フェライト系ステ
ンレス鋼の再結晶・回復開始温度である650℃程度以
上の加熱温度が好ましい。また、温度の加熱による表層
の軟化はオイルピット等の冷間圧延時における表面欠陥
を生じ易く、800℃以上の加熱処理は却って冷間圧延
後の表面性状を荒らす原因となる。かかる理由により、
フェライト系ステンレス鋼の場合の加熱温度は650〜
800℃、その他の金属ストリップにおいては500℃
程度の加熱温度が好ましい。)
【0013】また、冷却時の表面酸化層の生成を抑える
ため、冷却速度50℃/sec 以上の急速冷却を行うこと
が適切である。なお、加熱方法としては還元バーナや還
元雰囲気中でのレーザ加熱、高周波加熱処理等でもよ
い。
ため、冷却速度50℃/sec 以上の急速冷却を行うこと
が適切である。なお、加熱方法としては還元バーナや還
元雰囲気中でのレーザ加熱、高周波加熱処理等でもよ
い。
【0014】加熱時間は、加熱温度、昇熱能力、付着し
た研削油の量、ストリップの板厚等によって変わるが、
板厚3.0mmのステンレス鋼帯を加熱する場合、500℃
に到達するには約40秒程度の時間が必要である。
た研削油の量、ストリップの板厚等によって変わるが、
板厚3.0mmのステンレス鋼帯を加熱する場合、500℃
に到達するには約40秒程度の時間が必要である。
【0015】酸化雰囲気中において加熱温度660℃で
研削油除去を行い、その後鋼板上のケイ素光安定性分析
を行ったところ、鋼板上には硫黄分が検出されず、空気
中の酸素と反応してSO2 となり、鋼板上から除去された
ものと認められた。また、不活性雰囲気(100% N2)中で
同条件での加熱を行ったところ、加熱後の鋼板上には硫
黄と金属表面との反応生成物と推定される硫黄分が残存
しており、加熱雰囲気として還元性でかつ硫黄との反応
性の高いガスが適当であることが知られた。
研削油除去を行い、その後鋼板上のケイ素光安定性分析
を行ったところ、鋼板上には硫黄分が検出されず、空気
中の酸素と反応してSO2 となり、鋼板上から除去された
ものと認められた。また、不活性雰囲気(100% N2)中で
同条件での加熱を行ったところ、加熱後の鋼板上には硫
黄と金属表面との反応生成物と推定される硫黄分が残存
しており、加熱雰囲気として還元性でかつ硫黄との反応
性の高いガスが適当であることが知られた。
【0016】上記のようなことから、S+H2 →SH2
の反応によりSが除去できると判断され、前述したよう
なアンモニア分解ガスがこのような観点から適当と考え
られる。然して還元性を高めるためには雰囲気中の水素
濃度を高めればよいが、水素はコスト高であり、また爆
発の危険性があることなどからできるだけ低く抑えるこ
とが望ましい。
の反応によりSが除去できると判断され、前述したよう
なアンモニア分解ガスがこのような観点から適当と考え
られる。然して還元性を高めるためには雰囲気中の水素
濃度を高めればよいが、水素はコスト高であり、また爆
発の危険性があることなどからできるだけ低く抑えるこ
とが望ましい。
【0017】
【実施例】本発明によるものの具体的な実施例について
説明すると、一般に、コイルグラインダー装置は1パス
で片面のみを研削する構造になっており、両面を研削す
るためには1パスで一方の表面を研削した後、ワインダ
ーに巻取られたストリップをアンコイラーに逆向きにセ
ットし、2パス目で他方の裏面をグラインドする。
説明すると、一般に、コイルグラインダー装置は1パス
で片面のみを研削する構造になっており、両面を研削す
るためには1パスで一方の表面を研削した後、ワインダ
ーに巻取られたストリップをアンコイラーに逆向きにセ
ットし、2パス目で他方の裏面をグラインドする。
【0018】図1は本発明方法を実施するグラインダー
研削装置の概略図であって、1はストリップ、2は研削
ベルト、3は研削液吹き付けノズル、4はインライン加
熱装置、5は急速冷却装置、6はワインダーである。1
のストリップは図中の矢印の方向に通板され、4のノズ
ルから研削液を噴き付けながら研削ベルト2(図は4タ
ンデムのグラインダー研削装置)により表層を研削され
る。1パス目では加熱処理を行なわずそのまま5のワイ
ンダーに巻取られ、次いで再セットして2パス目の研削
を行なった後、還元バーナ装置4により加熱し、ストリ
ップ上に付着している研削液を加熱除去する。その後、
2次スケールの発生を防止するため、5の冷却装置によ
りストリップを常温まで急速冷却してワインダーに巻取
るように成っている。
研削装置の概略図であって、1はストリップ、2は研削
ベルト、3は研削液吹き付けノズル、4はインライン加
熱装置、5は急速冷却装置、6はワインダーである。1
のストリップは図中の矢印の方向に通板され、4のノズ
ルから研削液を噴き付けながら研削ベルト2(図は4タ
ンデムのグラインダー研削装置)により表層を研削され
る。1パス目では加熱処理を行なわずそのまま5のワイ
ンダーに巻取られ、次いで再セットして2パス目の研削
を行なった後、還元バーナ装置4により加熱し、ストリ
ップ上に付着している研削液を加熱除去する。その後、
2次スケールの発生を防止するため、5の冷却装置によ
りストリップを常温まで急速冷却してワインダーに巻取
るように成っている。
【0019】上記した図1のような設備において、1例
としてSUS430の熱延焼鈍酸洗鋼帯を従来方法の場
合と、本発明による研削液の除去を行なった場合、加熱
装置を使わずに研削液がストリップ表面に付着している
場合についてタンデム冷間圧延を行ない通板状況を観察
した。また、このとき目視により鋼帯表面の研削油シミ
も観察した。使用した研削油は、硫黄分約2%を含む鉱
油系の研削油である。コイルグラインダー通板速度は2
0m/min 、グラインダー各スタンドの粒度は1番スタ
ンドから順に#80、#120、#240、#320相
当であり、総研削量は50μm 程度である。
としてSUS430の熱延焼鈍酸洗鋼帯を従来方法の場
合と、本発明による研削液の除去を行なった場合、加熱
装置を使わずに研削液がストリップ表面に付着している
場合についてタンデム冷間圧延を行ない通板状況を観察
した。また、このとき目視により鋼帯表面の研削油シミ
も観察した。使用した研削油は、硫黄分約2%を含む鉱
油系の研削油である。コイルグラインダー通板速度は2
0m/min 、グラインダー各スタンドの粒度は1番スタ
ンドから順に#80、#120、#240、#320相
当であり、総研削量は50μm 程度である。
【0020】更に上記したインライン加熱方法としては
還元バーナを用い、加熱温度としては約660℃である
が、前記したように650〜800℃程度の範囲で適宜
に選ぶことができる。然して使用した還元バーナは予混
合燃焼方式であり、燃料はプロパン(C3H8) 、空気比は
0.85、噴出速度は最高100m/sである。また、加
熱後鋼帯はガスシール装置を経て冷却チャンバー内でガ
スジェットにより常温まで冷却され、この時、表面酸化
を防ぐため約3%H2 を添加したN2 ガスを使用した。
なお、加熱方法は還元バーナ以外に還元雰囲気中での電
気加熱、高周波加熱等でもよい。
還元バーナを用い、加熱温度としては約660℃である
が、前記したように650〜800℃程度の範囲で適宜
に選ぶことができる。然して使用した還元バーナは予混
合燃焼方式であり、燃料はプロパン(C3H8) 、空気比は
0.85、噴出速度は最高100m/sである。また、加
熱後鋼帯はガスシール装置を経て冷却チャンバー内でガ
スジェットにより常温まで冷却され、この時、表面酸化
を防ぐため約3%H2 を添加したN2 ガスを使用した。
なお、加熱方法は還元バーナ以外に還元雰囲気中での電
気加熱、高周波加熱等でもよい。
【0021】次のケース1〜3について各3本宛の冷間
圧延をなし、評価した結果は次の表1に示す如くであ
る。 (ケース1)従来方法により、コイルグラインダー工程
の後にECLラインを通してストリップに付着している
研削油を洗浄した場合。 (ケース2)本願技術による、コイルグラインダー装置
インラインでの研削油加熱除去を行なった場合。 (ケース3)上記加熱処理を施さず、ストリップ上に研
削油が付着している場合。
圧延をなし、評価した結果は次の表1に示す如くであ
る。 (ケース1)従来方法により、コイルグラインダー工程
の後にECLラインを通してストリップに付着している
研削油を洗浄した場合。 (ケース2)本願技術による、コイルグラインダー装置
インラインでの研削油加熱除去を行なった場合。 (ケース3)上記加熱処理を施さず、ストリップ上に研
削油が付着している場合。
【0022】
【表1】
【0023】評価方法は3段階として評価し、○が非常
に良い、△が多少のスベリがあったがストリップの搬送
には問題が無い場合、×が非常に悪い場合である。ま
た、通板中の目視による研削油シミの判定は、○が全然
ない、△が全表面の約1〜5%程度の面積のシミが認め
られる、×は約5%以上の面積の研削油シミが観察され
た場合である。
に良い、△が多少のスベリがあったがストリップの搬送
には問題が無い場合、×が非常に悪い場合である。ま
た、通板中の目視による研削油シミの判定は、○が全然
ない、△が全表面の約1〜5%程度の面積のシミが認め
られる、×は約5%以上の面積の研削油シミが観察され
た場合である。
【0024】即ち、従来法による電解洗浄では、ストリ
ップの搬送状況、シミの状況ともに非常に良い状態であ
ったが、設備的、作業能率上好ましいものでないことは
前述の如くである。これに対し本発明方法では、わずか
ながら研削油シミの存在が認められたが、ストリップ搬
送状況にはほとんど問題がなかった。
ップの搬送状況、シミの状況ともに非常に良い状態であ
ったが、設備的、作業能率上好ましいものでないことは
前述の如くである。これに対し本発明方法では、わずか
ながら研削油シミの存在が認められたが、ストリップ搬
送状況にはほとんど問題がなかった。
【0025】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるなら
ば、ステンレス鋼帯などの金属ストリップの冷間圧延に
おける前処理工程において、低コストで生産工程を増や
さずにストリップ上の研削液を除去でき、効果的な冷間
圧延を円滑に実施し得るものであり、工業的、経済的に
みてその効果は非常に大きく、頗る意義深いものであ
る。
ば、ステンレス鋼帯などの金属ストリップの冷間圧延に
おける前処理工程において、低コストで生産工程を増や
さずにストリップ上の研削液を除去でき、効果的な冷間
圧延を円滑に実施し得るものであり、工業的、経済的に
みてその効果は非常に大きく、頗る意義深いものであ
る。
【図1】本発明方法の全般的な関係を示した概略図であ
る。
る。
1 ストリップ 2 研削ベルト 3 研削液噴き付けノズル 4 インライン加熱装置 5 冷却装置 6 ワインダー
Claims (1)
- 【請求項1】 金属ストリップを研削液を用いて研削
し、該研削後に加熱して研削液を除去することを特徴と
する金属ストリップのコイルグラインダー方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11238393A JPH06297307A (ja) | 1993-04-16 | 1993-04-16 | 金属ストリップのコイルグラインダー方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11238393A JPH06297307A (ja) | 1993-04-16 | 1993-04-16 | 金属ストリップのコイルグラインダー方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06297307A true JPH06297307A (ja) | 1994-10-25 |
Family
ID=14585311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11238393A Pending JPH06297307A (ja) | 1993-04-16 | 1993-04-16 | 金属ストリップのコイルグラインダー方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06297307A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102042477A (zh) * | 2009-10-15 | 2011-05-04 | 无锡宝昌金属制品有限公司 | 一种不锈钢表面及其制备方法 |
KR102467921B1 (ko) * | 2022-06-30 | 2022-11-16 | 양순모 | 강대표면 연마기 |
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JPS62146300A (ja) * | 1985-12-20 | 1987-06-30 | Kawasaki Steel Corp | ステンレス冷延鋼帯の脱脂方法 |
JPH0386318A (ja) * | 1989-08-28 | 1991-04-11 | Kawasaki Steel Corp | ステンレス鋼帯の連続疵取り研削ラインおよび研削方法 |
JPH0531663A (ja) * | 1991-07-26 | 1993-02-09 | Nippon Steel Corp | 帯状金属体の処理方法 |
-
1993
- 1993-04-16 JP JP11238393A patent/JPH06297307A/ja active Pending
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