JPH07101983A - 新規化合物ウスチロキシンcもしくはウスチロキシンdまたはそれらの誘導体 - Google Patents

新規化合物ウスチロキシンcもしくはウスチロキシンdまたはそれらの誘導体

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JPH07101983A
JPH07101983A JP5251327A JP25132793A JPH07101983A JP H07101983 A JPH07101983 A JP H07101983A JP 5251327 A JP5251327 A JP 5251327A JP 25132793 A JP25132793 A JP 25132793A JP H07101983 A JPH07101983 A JP H07101983A
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JP
Japan
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ustiloxin
ustyroxine
ester
ustilaginoidea
usthyroxine
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Pending
Application number
JP5251327A
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English (en)
Inventor
Shigeo Iwasaki
成夫 岩崎
Kuniko Koiso
邦子 小磯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、式 【化11】 で示される新規化合物ウスチロキシンCまたは、式 【化12】 で示される新規化合物ウスチロキシンD、あるいはこれ
らの誘導体に関する。 【効果】抗腫瘍作用を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗腫瘍作用を有する新
規化合物ウスチロキシンCもしくはウスチロキシンDま
たはそれらのエステルまたはそれらの塩(以下、「ウス
チロキシン類」という。)ならびにそれらの製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】稲コウジ病菌(ウスチラギノイデア・ヴ
ィレンス・コーク:Ustilaginoidea virens Cooke )は
不完全菌類に属するが、菌核上に形成される完全世代も
認められており、Claviceps virens Sakurai と称され
る(原田幸雄、日植病報、第 3巻、387 頁(1984
年))。稲コウジ病菌の代謝産物として Ustilaginoidi
n A、B 、C (藪田貞治郎、住木諭介、日本農芸化学会
誌、第 9 巻、478 頁(1933年))および Ustilaginoi
din D 、E 、F 、G 、H 、I 、J (K.Koyama and S.N
atori 、Chem.Pharm.Bull.、第36 巻、146 頁、(1988
年) )が知られている。しかし、これらの化合物と本発
明のウスチロキシン類とは理化学的性質および構造が明
らかに異なる。
【0003】また、環内に 1 個のエーテル結合と 2
個のペプチド結合を有する 13 員環化合物としては、例
えばカビの一種 Phomopsis leptostromiformis から生
産されるフォモプシン A (Phomopsin A) (CLAUDE C.
J. CULVENOR ら、 Tetrahedron、第 45 巻、8 号、235
1頁 (1989 年) )が知られている。しかし、その側鎖
の構造はウスチロキシン類とは全く異なる。
【0004】なお、本願発明に用いたと同じ稲コウジ病
菌ウスチラギノイデア・ヴィレンス・コーク( Ustilag
inoidea virens (Cooke)) Takahashi SANK 15391 株
(微工研条寄第 3691 号:FERM BP-3691)により、自然
的に稲穂に発生した、または人為的に稲穂に発生せしめ
た稲コウジから単離された抗腫瘍効果を有する化合物と
してウスチロキシンAおよびウスチロキシンBが既に知
られている(Tetrahedron Letters、 第 33 巻、29号、
4157-4160 頁 (1992 年) ;PCT国際公開第 9314111
号(=WO 9314111)、公開日 1993年 7月 22
日)。しかし、これらの化合物と本願発明のウスチロキ
シン類とはフェニル環に結合している側鎖が全く異な
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、稲コウ
ジ病菌により、自然的に稲穂に発生したまたは人為的に
稲穂に発生せしめた稲コウジから単離された新規化合物
ウスチロキシンCおよびウスチロキシンDが強い抗腫瘍
作用を有することを見出すとともに、それらのエステル
またはそれらの塩も強い抗腫瘍作用を有することを見出
して本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)一般式
【0007】
【化5】
【0008】で示されるウスチロキシンCまたはそのエ
ステルまたはその塩、(2)前記(1)記載の一般式
(I)において、一般式
【0009】
【化6】
【0010】で示されるウスチロキシンCまたはそのエ
ステルまたはその塩、(3)一般式
【0011】
【化7】
【0012】で示されるウスチロキシンDまたはそのエ
ステルまたはその塩、(4)前記(3)記載の一般式
(II)において、一般式
【0013】
【化8】
【0014】で示されるウスチロキシンDまたはそのエ
ステルまたはその塩、(5)ウスチラギノイデア (Usti
laginoidea) 属に属するウスチロキシンCまたはウスチ
ロキシンD生産能を有する稲コウジ病菌を用いて自然的
または人為的に稲に稲コウジを発生せしめ、該稲コウジ
よりウスチロキシンCまたはウスチロキシンDを単離す
ることからなる、ウスチロキシンCまたはウスチロキシ
ンDの製造法、(6)ウスチラギノイデア (Ustilagino
idea) 属に属するウスチロキシンCまたはウスチロキシ
ンD生産能を有する稲コウジ病菌が、ウスチラギノイデ
ア・ヴィレンス・コーク( Ustilaginoidea virens (Co
oke)) Takahashi SANK 15391 株(微工研条寄第3691
号:FERM BP-3691)である前記(5)記載の製造法、に
関する。
【0015】本発明の前記一般式(I)を有するウスチ
ロキシンCまたは前記一般式(II)を有するウスチロ
キシンDはカルボキシル基を有する。これらの化合物は
酸であり、エステルおよび塩を形成する。それらが治療
目的の使用であり、当業者に周知の”薬学的に許容され
る”、即ち、フリーの酸に比べて活性を低下させない
(受け入れることのできない活性の低下)、または毒性
を増加させない(受け入れることのできない毒性の増
加)という条件下で、これらの塩およびエステルの性質
に特に制限はない。しかしながら、他の化合物を合成す
る際の中間体のような、治療目的以外に用いられるとき
にはこれらの制限はあてはまらない。
【0016】エステル基としては、例えば次のものがあ
げられる。 1) アルキル基、例えばメチル、エチル、1−プロピ
ル、1−メチルエチル、1−ブチル、1−メチルプロピ
ル、2−メチルプロピル、1、1−ジメチルエチル、1
−ペンチル、3−メチルブチル、2、2−ジメチルプロ
ピル、1、1−ジメチルプロピル、1−ヘキシル、1−
メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペン
チル、4−メチルペンチル、1−ヘプチル、1−メチル
ヘキシル、2−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、
3−エチルペンチル、1−オクチル、2−メチルヘプチ
ル、6−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、2−エ
チル−3−メチルペンチル、3−エチル−2−メチルペ
ンチル、1−ノニル、2−メチルオクチル、7−メチル
オクチル、4−エチルヘプチル、3−エチル−2−メチ
ルヘキシル、2−エチル−1−メチルヘキシル、1−デ
シル、2−メチルノニル、8−メチルノニル、5−エチ
ルオクチル、3−エチル−2−メチルヘプチル、3、3
−ジエチルヘキシル、1−ウンデシル、2−メチルデシ
ル、9−メチルデシル、4−エチルノニル、3、5−ジ
メチルノニル、3−プロピルオクチル、5−エチル−4
−メチルオクチル、1−ドデシル、1−メチルウンデシ
ル、10−メチルウンデシル、3−エチルデシル、5−
プロピルノニル、3、5−ジエチルオクチル、1−トリ
デシル、11−メチルドデシル、7−エチルウンデシ
ル、4−プロピルデシル、5−エチル−3−メチルデシ
ル、3−ペンチルオクチル、1−テトラデシル、12−
メチルトリデシル、8−エチルドデシル、6−プロピル
ウンデシル、4−ブチルデシル、2−ペンチルノニル、
1−ペンタデシル、13−メチルテロラデシル、10−
エチルトリデシル、7−プロピルドデシル、5−エチル
−3−メチルドデシル、4−ペンチルデシル、1−ヘキ
サデシル、14−メチルペンタデシル、6−エチルテト
ラデシル、4−プロピルトリデシル、2−ブチルドデシ
ル、1−ヘプタデシル、15−メチルヘキサデシル、7
−エチルペンタデシル、3−プロピルテトラデシル、5
−ペンチルドデシル、1−オクタデシル、16−メチル
ヘプタデシル、5−プロピルペンタデシル、1−ノナデ
シル、5−プロピルペンタデシル、17−メチルオクタ
デシル、4−エチルヘプタデシル、アイコシル、18−
メチルノナデシル、3−エチルオクタデシル、ヘニコシ
ル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシ
ルなどの直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基をあげる
ことができる。好適には炭素数1乃至20個を有する直
鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基である。特に好適に
は炭素数6乃至18個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状
のアルキル基である。
【0017】2) シクロアルキル基、例えばシクロプ
ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチル、特にシクロプロピル、シクロペン
チル、シクロヘキシルをあげることができる。好適には
炭素数3乃至7個を有するシクロアルキル基である。
【0018】3) 無置換またはハロゲン、ハロアルキ
ル、ヒドロキシ、アルキルもしくはアルコキシで置換さ
れたアラルキル基、例えばベンジル、2−メチルベンジ
ル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジル、2−エ
チルベンジル、3−エチルベンジル、4−エチルベンジ
ル、2−メトキシベンジル、3−メトキシベンジル、4
−メトキシベンジル、2−エトキシベンジル、3−エト
キシベンジル、4−エトキシベンジル、2−クロロベン
ジル、3−クロロベンジル、4−クロロベンジル、2−
ブロモベンジル、3−ブロモベンジル、4−ブロモベン
ジル、フェネチル、1−フェニルエチル、3−フェニル
プロピル、2−フェニルプロピル、4−フェニルブチ
ル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、1
−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2−(1−ナ
フチル)エチル、2−(2−ナフチル)エチル、ベンズ
ヒドリル、トリフェニルメチル、9−アントリルメチ
ル、2、4、6−トリメチルベンジル、などの無置換ま
たは置換されたアラルキル基をあげることができる。好
適には炭素数1乃至6個を有するアルキルと炭素数6乃
至14個を有するアリールからなり、置換分としてハロ
ゲン、炭素数1乃至4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖
状のハロアルキル、ヒドロキシ、炭素数1乃至4個を有
する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルまたは炭素数1
乃至4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシ
を有するか、あるいは有しないアラルキル基である。全
体として炭素数7乃至9個を有するアラルキル基が好ま
しい。
【0019】4) アルケニル基、例えばビニル、アリ
ル、2−メチル−2−プロペニル、1−プロペニル、イ
ソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテ
ニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニ
ル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニ
ル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニ
ル、1−ヘプテニル、1−オクテニル、1−ノネニル、
1−デセニル、などの直鎖状もしくは分枝鎖状のアルケ
ニル基をあげることができる。好適には炭素数2乃至1
0個、更に好適には3乃至10個、最適には3乃至5
個、を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルケニル基で
ある。例えば好適にはビニル、アリル、2−メチル−2
−プロペニル、1−プロペニル、1−メチルビニル、1
−ブテニルであり、最適にはアリル、2−メチル−2−
プロペニルである。
【0020】5) ハロゲノアルキル基であり、アルキ
ル部分としては例えば上記の1)で述べた例示であり、
ハロゲン原子としては例えば塩素、臭素、沃素、弗素で
ある。このようなハロゲノアルキルとしては、例えばク
ロロメチル、ブロモメチル、ヨードメチル、フルオロメ
チル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、ジクロ
ロメチル、ジフルオロメチル、2、2、2−トリクロロ
エチル、2−クロロエチル、2−フルオロエチル、2−
ブロモエチル、2−ヨードエチル、2、2−ジブロモエ
チル、2、2、2−トリブロモエチルである。好適には
炭素数1乃至6個、好ましくは1乃至4個、を有する直
鎖状もしくは分枝鎖状のハロゲノアルキル基である。
【0021】6) シリルアルキル基であり、アルキル
部分が例えば上記の1)で述べた例示であり、シリル基
が3個までの置換分を有する置換シリルアルキル基であ
る。置換分は炭素数1乃至4個を有する直鎖状もしくは
分枝鎖状のアルキル基、あるいは無置換または置換分と
してハロゲン、炭素数1乃至4個を有する直鎖状もしく
は分枝鎖状のハロアルキル、ヒドロキシ、炭素数1乃至
4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルまたは
炭素数1乃至4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のア
ルコキシを有する置換分から選ばれた少なくとも1個の
置換分を有するフェニル基であり、例えば2−トリメチ
ルシリルエチル基である。
【0022】7) 置換または無置換のフェニル基であ
り、好ましくは少なくとも1個の炭素数1乃至4個のア
ルキルまたはアシルアミノを有する。このような置換ま
たは無置換のフェニル基としては、例えばフェニル、ト
リル、ベンズアミドフェニルである。
【0023】8) 無置換または置換分としてハロゲ
ン、炭素数1乃至4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状
のハロアルキル、ヒドロキシ、炭素数1乃至4個を有す
る直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルまたは炭素数1乃
至4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシを
有する置換分から選ばれた少なくとも1個の置換分を有
するフェナシル基であり、例えばフェナシル、p−ブロ
モフェナシルである。
【0024】9) 環式または非環式テルペニル基、例
えばゲラニル、ネリル、リナリル、フィティル、メンチ
ル(特に、 m−および p−メンチル)、ツジル、カリ
ル、ピナニル、ボルニル、ノルカリル、ノルピナニル、
ノルボルニル、メンテニル、カンフェニル、ノルボルネ
ニルである。
【0025】10) アルコキシメチル基、例えばアル
コキシ部分が炭素数1乃至6個、好ましくは1乃至4
個、のアルコキシメチル基であり、1個の無置換アルコ
キシで置換されていてもよく、例えばメトキシメチル、
エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメ
チル、ブトキシメチルである。
【0026】11) 脂肪族アシルオキシアルキル基で
あり、アシル部分は好ましくは炭素数2乃至6個のアル
カノイル、アルキル部分は炭素数1乃至6個、好ましく
は1乃至4個、である。このような脂肪族アシルオキシ
アルキル基としては例えばアセトキシメチル、プロピオ
ニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、イソブチリ
ルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、1−ピバロ
イルオキシエチル、1−アセトキシエチル、1−イソブ
チリルオキシエチル、1−ピバロイルオキシプロピル、
2−メチル−1−ピバロイルオキシプロピル、2−ピバ
ロイルオキシプロピル、1−イソブチリルオキシエチ
ル、1−イソブチリルオキシプロピル、1−アセトキシ
プロピル、1−アセトキシ−2−メチルプロピル、1−
プロピオニルオキシエチル、1−プロピオニルオキシプ
ロピル、2−アセトキシプロピル、1−ブチリルオキシ
エチルである。
【0027】12) シクロアルキルで置換された脂肪
族アシルオキシアルキル基であり、アシル部分は好まし
くは炭素数2乃至6個のアルカノイル、シクロアルキル
部分は炭素数3乃至7個であり、アルキル部分は炭素数
1乃至6個、好ましくは1乃至4個である。このような
シクロアルキルで置換された脂肪族アシルオキシアルキ
ル基としては例えばシクロヘキシルアセトキシメチル、
1−(シクロヘキシルアセトキシ)エチル、1−(シク
ロヘキシルアセトキシ)プロピル、2−メチル−1−
(シクロヘキシルアセトキシ)プロピル、シクロペンチ
ルアセトキシメチル、1−(シクロペンチルアセトキ
シ)エチル、1−(シクロペンチルアセトキシ)プロピ
ル、2−メチル−1−(シクロペンチルアセトキシ)プ
ロピルである。
【0028】13) アルコキシカルボニルオキシアル
キル基であり、特に1−(アルコキシカルボニルオキ
シ)エチル基であり、アルコキシ部分は炭素数1乃至1
0個、好ましくは1乃至6個、更に好ましくは1乃至4
個であり、アルキル部分は炭素数1乃至6個、好ましく
は1乃至4個である。このようなアルコキシカルボニル
オキシアルキル基としては、例えば1−メトキシカルボ
ニルオキシエチル、1−エトキシカルボニルオキシエチ
ル、1−プロポキシカルボニルオキシエチル、1−イソ
プロポキシカルボニルオキシエチル、1−ブトキシカル
ボニルオキシエチル、1−イソブトキシカルボニルオキ
シエチル、1−s −ブトキシカルボニルオキシエチル、
1−t −ブトキシカルボニルオキシエチル、1−(1−
エチルプロポキシカルボニルオキシ)エチル、1−
(1、1−ジプロピルブトキシカルボニルオキシ)エチ
ルである。更に他のアルコキシカルボニルオキシアルキ
ル基であり、アルコキシおよびアルキル部分は共に炭素
数1乃至6個、好ましくは1乃至4個である。このよう
なアルコキシカルボニルオキシアルキル基としては、例
えば2−メチル−1−(イソプロポキシカルボニルオキ
シ)プロピル、2−(イソプロポキシカルボニルオキ
シ)プロピル、イソプロポキシカルボニルオキシメチ
ル、 t−ブトキシカルボニルオキシメチル、メトキシカ
ルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシメチ
ルである。
【0029】14) シクロアルキルカルボニルオキシ
アルキル基およびシクロアルキルオキシカルボニルオキ
シアルキル基であり、シクロアルキル部分は炭素数3乃
至10個、好ましくは3乃至7個であり、単環または多
環である。該環は少なくとも1個(好ましくは1個)の
炭素数1乃至4個を有するアルキル(例えば上記の1)
で述べた例示であるアルキル)を有していてもよい。上
記の基のアルキル部分は炭素数1乃至6個、好ましくは
1乃至4個であり、最適にはメチル、エチル、プロピル
である。このような基としては、例えば1−メチルシク
ロヘキシルカルボニルオキシメチル、1−メチルシクロ
ヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、シクロペンチ
ルオキシカルボニルオキシメチル、シクロペンチルカル
ボニルオキシメチル、1−シクロヘキシルオキシカルボ
ニルオキシエチル、1−シクロヘキシルカルボニルオキ
シエチル、1−シクロペンチルオキシカルボニルオキシ
エチル、1−シクロペンチルカルボニルオキシエチル、
1−シクロヘプチルオキシカルボニルオキシエチル、1
−シクロヘプチルカルボニルオキシエチル、1−メチル
シクロペンチルカルボニルオキシメチル、1−メチルシ
クロペンチルオキシカルボニルオキシメチル、2−メチ
ル−1−(1−メチルシクロヘキシルカルボニルオキ
シ)プロピル、1−(1−メチルシクロヘキシルカルボ
ニルオキシ)プロピル、2−(1−メチルシクロヘキシ
ルカルボニルオキシ)プロピル、1−(シクロヘキシル
カルボニルオキシ)プロピル、2−(シクロヘキシルカ
ルボニルオキシ)プロピル、2−メチル−1−(1−メ
チルシクロペンチルカルボニルオキシ)プロピル、1−
(1−メチルシクロペンチルカルボニルオキシ)プロピ
ル、2−(1−メチルシクロペンチルカルボニルオキ
シ)プロピル、1−(シクロペンチルカルボニルオキ
シ)プロピル、2−(シクロペンチルカルボニルオキ
シ)プロピル、1−(1−メチルシクロペンチルカルボ
ニルオキシ)エチル、アダマンチルオキシカルボニルオ
キシメチル、アダマンチルカルボニルオキシメチル、1
−アダマンチルオキシカルボニルオキシエチル、1−ア
ダマンチルカルボニルオキシエチルである。
【0030】15) シクロアルキルアルコキシカルボ
ニルオキシアルキル基であり、アルコキシ部分は1個の
シクロアルキル置換分を有し、シクロアルキル置換分は
炭素数3乃至10個、好ましくは3乃至7個、を有し、
単環または多環である。このようなシクロアルキルアル
コキシカルボニルオキシアルキル基としては、例えばシ
クロプロピルメトキシカルボニルオキシメチル、シクロ
ブチルメトキシカルボニルオキシメチル、シクロペンチ
ルメトキシカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルメ
トキシカルボニルオキシメチル、1−(シクロプロピル
メトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(シクロブチ
ルメトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(シクロペ
ンチルメトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(シク
ロヘキシルメトキシカルボニルオキシ)エチルである。
【0031】16) テルペニルカルボニルオキシアル
キル基およびテルペニルオキシカルボニルオキシアルキ
ル基であり、テルペニル部分は環式または非環式テルペ
ニル、例えばゲラニル、ネリル、リナリル、フィティ
ル、メンチル、ツジル、カリル、ピナニル、ボルニル、
ノルカリル、ノルピナニル、ノルボルニル、メンテニ
ル、カンフェニル、ノルボルネニルであり、好ましくは
環式テルペニルである。このようなテルペニルカルボニ
ルオキシアルキル基およびテルペニルオキシカルボニル
オキシアルキル基としては、例えば1−(メンチルオキ
シカルボニルオキシ)エチル、1−(メンチルカルボニ
ルオキシ)エチル、メンチルオキシカルボニルオキシメ
チル、メンチルカルボニルオキシメチル、1−(3−ピ
ナニルオキシカルボニルオキシ)エチル、1−(3−ピ
ナニルカルボニルオキシ)エチル、3−ピナニルオキシ
カルボニルオキシメチル、3−ピナニルカルボニルオキ
シメチルである。
【0032】17) 5−アルキル−または5−フェニ
ル−、該フェニルは置換分としてハロゲン、炭素数1乃
至4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のハロアルキ
ル、ヒドロキシ、炭素数1乃至4個を有する直鎖状もし
くは分枝鎖状のアルキルまたは炭素数1乃至4個を有す
る直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシから選ばれた少
なくとも1個の置換分で置換されていてもよい、(2−
オキソ−1、3−ジオキソレン−4−イル)アルキル基
であり、アルキル部分は同一もしくは異なって炭素数1
乃至6個、好ましくは1乃至4個、を有する。このよう
な基としては、例えば(5−メチル−2−オキソ−1、
3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−フェニル
−2−オキソ−1、3−ジオキソレン−4−イル)メチ
ル、(5−イソプロピル−2−オキソ−1、3−ジオキ
ソレン−4−イル)メチル、(5−t −ブチル−2−オ
キソ−1、3−ジオキソレン−4−イル)メチル、1−
(5−メチル−2−オキソ−1、3−ジオキソレン−4
−イル)エチルである。
【0033】18) 他の基としては、生体内で容易に
除去される基、例えばフタリジル、インダニル、2−オ
キソ−4、5、6、7−テトラヒドロ−1、3−ベンゾ
ジオキソレン−4−イルである。
【0034】上記のエステル基において、好ましくはウ
スチロキシンCまたはウスチロキシンDに適度な脂溶性
基が結合したエステルである。
【0035】本発明のウスチロキシンCまたはウスチロ
キシンDは前述の如く、更に塩を形成する。そのような
塩としては例えばリチウム、ナトリウム、カリウムのよ
うなアルカリ金属塩;カルシウム、バリウム、マグネシ
ウムのようなアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;等
の無機塩,またはアンモニウム塩;メチルアミン、エチ
ルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ジプロ
ピルアミン、ジイソプロピルアミン、グアニジン、アミ
ノグアニジン、ジシクロヘキシルアミンのようなアミン
塩;リジン、アルギニンのような塩基性アミノ酸塩;等
の有機塩基塩をあげることができる。好適にはウスチロ
キシンCまたはウスチロキシンDに適度な脂溶性を付与
する塩である。最適には薬理上許容しうる塩である。
【0036】なお、前記一般式(I)を有するウスチロ
キシンCまたはそのエステルまたはその塩あるいは前記
一般式(II)を有するウスチロキシンDまたはそのエ
ステルまたはその塩は、種々の異性体を有する。前記一
般式(I)を有するウスチロキシンCまたはそのエステ
ルまたはその塩あるいは前記一般式(II)を有するウ
スチロキシンDまたはそのエステルまたはその塩におい
てはこれらの異性体がすべて単一の式で示されている。
従って、本発明においてはこれらの異性体およびこれら
の異性体の混合物をもすべて含むものである。
【0037】更に、本発明の前記一般式(I)を有する
ウスチロキシンCまたはそのエステルまたはその塩ある
いは前記一般式(II)を有するウスチロキシンDまた
はそのエステルまたはその塩においては、生体内におい
て前記一般式(I)を有するウスチロキシンCまたはそ
のエステルまたはその塩あるいは前記一般式(II)を
有するウスチロキシンDまたはそのエステルまたはその
塩に誘導される、いわゆる「プロドラッグ化合物」もす
べて含まれるものである。
【0038】前記一般式(I)を有するウスチロキシン
Cまたはそのエステルまたはその塩あるいは前記一般式
(II)を有するウスチロキシンDまたはそのエステル
またはその塩において、 1)好適には、ウスチロキシンCまたはウスチロキシン
Dあるいはこれらに適度な脂溶性基が結合したエステル
あるいはこれらに適度な脂溶性を付与する塩である。
【0039】2)特に好適にはウスチロキシンCまたは
ウスチロキシンDあるいはこれらの炭素数1乃至20個
を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル、炭素数1
乃至6個を有するアルキルと無置換もしくは置換の炭素
数6乃至14個を有するアリールとのアラルキルまたは
フェニルからなるエステルあるいはこれらに適度な脂溶
性を付与する塩である。
【0040】3)更に特に好適にはウスチロキシンCま
たはウスチロキシンDあるいはこれらの炭素数6乃至1
8個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル、炭素
数1乃至6個を有するアルキルと無置換もしくは置換の
フェニルとのアラルキルまたはフェニルからなるエステ
ルあるいはこれらに適度な脂溶性を付与する塩である。
【0041】4)最適にはウスチロキシンCまたはウス
チロキシンDあるいはこれらの炭素数6乃至18個を有
する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルまたはベンジル
からなるエステルあるいはこれらの薬理上許容される塩
である。
【0042】5) 特に最適にはウスチロキシンCまた
はウスチロキシンDあるいはこれらの炭素数6乃至18
個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルからなる
エステルあるいはこれらの薬理上許容される塩である。
【0043】本発明の化合物の具体例としては、例えば
下記に記載する化合物をあげることができる。
【0044】1)ウスチロキシンC、 2)ウスチロキシンCのメチル、エチル、1−プロピ
ル、1−メチルエチル、1−ブチル、1−メチルプロピ
ル、2−メチルプロピル、1、1−ジメチルエチル、1
−ペンチル、3−メチルブチル、2、2−ジメチルプロ
ピル、1、1−ジメチルプロピル、1−ヘキシル、1−
メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペン
チル、4−メチルペンチル、1−ヘプチル、1−メチル
ヘキシル、2−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、
3−エチルペンチル、1−オクチル、1−ノニル、1−
デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、1−トリデシ
ル、1−テトラデシル、1−ペンタデシル、13−メチ
ルテロラデシル、10−エチルトリデシル、7−プロピ
ルドデシル、5−エチル−3−メチルドデシル、4−ペ
ンチルデシル、1−ヘキサデシル、1−ヘプタデシル、
1−オクタデシル、ベンジル、フェニルエステル、 3)ウスチロキシンCのナトリウム、カリウム、アンモ
ニウム、ジイソプロピルアミン塩、 4)ウスチロキシンD 5)ウスチロキシンDのメチル、エチル、1−プロピ
ル、1−メチルエチル、1−ブチル、1−メチルプロピ
ル、2−メチルプロピル、1、1−ジメチルエチル、1
−ペンチル、3−メチルブチル、2、2−ジメチルプロ
ピル、1、1−ジメチルプロピル、1−ヘキシル、1−
メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペン
チル、4−メチルペンチル、1−ヘプチル、1−メチル
ヘキシル、2−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、
3−エチルペンチル、1−オクチル、1−ノニル、1−
デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、1−トリデシ
ル、1−テトラデシル、1−ペンタデシル、13−メチ
ルテロラデシル、10−エチルトリデシル、7−プロピ
ルドデシル、5−エチル−3−メチルドデシル、4−ペ
ンチルデシル、1−ヘキサデシル、1−ヘプタデシル、
1−オクタデシル、ベンジル、フェニルエステル、 6)ウスチロキシンDのナトリウム、カリウム、アンモ
ニウム、ジイソプロピルアミン塩、; である。
【0045】1)本発明のウスチロキシンCまたはウス
チロキシンDは次のようにして得られる。
【0046】即ち、稲田において稲コウジ病菌ウスチラ
ギノイデア・ヴィレンス・コーク (Ustilaginoidea vir
ens Cooke)の感染により稲穂に発生した稲コウジ(コウ
ジ粒)を採取する。コウジ粒は、立毛中の罹病穂から手
で取り、室内で約1週間自然乾燥し、粉砕機で粉砕した
後に使用することができる。また、粉砕後に、 5℃前後
の冷蔵庫で保存したものを使用することもできる。
【0047】このものより、水、メタノール、エタノー
ルなどのアルコール類、酢酸エチルなどの有機酸エステ
ル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類を
単独または組み合わせて用いて抽出することにより、ウ
スチロキシンCまたはウスチロキシンDを含有する抽出
物を得ることができる。このようにして得られた抽出物
から、ウスチロキシンCまたはウスチロキシンDを単
離、精製するには、その物理化学的性状を利用すること
によって達成される。例えば、吸着剤を用いて採取する
ことができる。使用される吸着剤としては例えば、活性
炭、または吸着樹脂であるアンバーライト XAD−2 、 X
AD−4 、 XAD−7 等(ローム・アンド・ハース社製)、
ダイアイオン HP 10、HP 20 、HP 50 、CHP 20P (三菱
化成(株)製)、ポリアミドゲル(ウエルム社製)等が
使用される。ウスチロキシンCまたはウスチロキシンD
を含む抽出液を上記の吸着剤の層を通過させてウスチロ
キシンCまたはウスチロキシンDを含む液に含まれる不
純物を吸着させて取り除くか、またはウスチロキシンC
またはウスチロキシンDを吸着させた後、適当な溶剤で
溶出することによって得られる。このようにして得られ
たウスチロキシンCまたはウスチロキシンDを更に精製
するためにはアビセル(旭化成工業(株))などのセル
ロース、セファデックス LH −20(ファルマシア社製)
などを用いた分配カラムクロマトグラフィー、ウスチロ
キシンCまたはウスチロキシンDと混在する不純物との
溶剤に対する分配率の差を利用した抽出法、または向流
分配法などが有効な方法である。
【0048】以上の分離、精製の手段を単独または適宜
組み合わせ、反復用いることによりウスチロキシンCま
たはウスチロキシンDを分離、精製することができる。
【0049】あるいは、本発明者らにより単離された稲
コウジ病菌株ウスチラギノイデア・ヴィレンス・コーク
(Ustilaginoidea virens (Cooke) )Takahashi SANK 1
5391の胞子懸濁液を圃場に成育している稲穂に噴霧して
一定期間後に発生させた稲コウジを用いて上記と同様に
してウスチロキシンCまたはウスチロキシンDを得るこ
とができる。
【0050】この場合、出穂 2〜6 週間前の稲に SANK
15391 の分生胞子または厚膜胞子を上から噴霧接種し、
稲コウジを発生させることができる。
【0051】分生胞子の懸濁液は、ショ糖加用ジャガイ
モ煎汁培地を入れた三角フラスコに菌糸片を移植し、26
℃ の暗黒条件下で 12 〜20 日間液体培養して得る
ことができる。この懸濁液にツィーン20 等の界面活性
剤を 0.05% 相当量添加し、圃場のイネ体の上から約 1
リットル/m2 噴霧接種する方法が好ましい。
【0052】また、噴霧接種の時刻は、19 時頃が好ま
しい。
【0053】厚膜胞子は、以下の方法により得ることが
できる。
【0054】ショ糖加用ジャガイモ煎汁培地を用いて 2
6 ℃で 7 日間液体培養して得た菌糸懸濁液を、ショ糖
加用ジャガイモ煎汁寒天培地上に薄く広がるように流し
込み、約 25 ℃の暗黒条件で培養する。
【0055】最初の1週間位は分生胞子を形成するが、
それ以降は厚膜胞子が形成される。このような条件下で
1〜3 か月間培養後、ペトリ皿のふたをとった状態で 2
2℃ 内外の室内に 7 日間放置し、乾燥させたものを
培地ごとミキサーで粉砕し、所望の厚膜胞子を得ること
ができる。
【0056】この厚膜胞子を直接圃場のイネ体の上から
接種することにより稲コウジを発生させることができ
る。接種には、小型散粉器を用いるのが好ましく、ま
た、摂取量としては、m2 当たりペトリ皿 30 〜40 枚
分の厚膜胞子が好ましい。
【0057】接種時刻は、日中行うのが好ましい。
【0058】供試品種としては、特に制限はないが、と
りで 1 号、農林 21 号などの晩成品種が好ましい。
【0059】稲コウジを作る稲コウジ菌株ウスチラギノ
イデア・ヴィレンス・コーク(Ustilaginoidea virens
(Cooke) )Takahashi SANK 15391 は次のようにして単
離、保存し必要に応じて使用することができる。即ち、
羅病し暗緑色に病徴を示した稲穂から胞子(厚膜胞子)
を採取し、これをポテトグルコース培地などの培養液に
入れ 23 〜28 ℃にて 1〜2 日間培養する。この培養液
の一部を取り、顕微鏡下で観察し、発芽しはじめている
胞子をマニプレータにて単胞子分離を行なう。これを適
当な寒天培地、例えばポテトデキストロース寒天培地上
にとり 23 〜28 ℃で培養し充分成育したものを保存
しておく。ポテトデキストロース寒天培地上での成育は
緩慢で、はじめは白色綿毛状の菌糸が成育するがやがて
暗緑褐色となる。また、培地中にも暗緑色の可溶性色素
を産出する。菌糸は有色で隔壁を有し、その径は 2.0
〜5.0 μm で壁が非常に肥厚し暗緑褐色を示し、菌糸塊
を形成するものが多く見られる。分生子はシンポジオ型
に生じ、1 細胞、無色で5.0 〜 8.0× 3.0〜 4.5μm で
ある。稲コウジに見られる厚膜胞子は観察されない。
【0060】なお、これらの諸性状は橋岡らの報告(埼
玉県立農業試験場研究報告第 2 号1 〜20 頁、1951
年出版)に詳細に記述されている。
【0061】本発明者らにより単離された稲コウジ病菌
ウスチラギノイデア・ヴィレンス・コーク(Ustilagino
idea virens (Cooke) )Takahashi SANK 15391 は、通
産省工業技術院微生物工業技術研究所に国際寄託されて
いる(寄託番号、微工研条寄第 3691 号(FERM BP-369
1):寄託日 1991 年 12 月 24 日)。
【0062】2)本発明のウスチロキシンCまたはウス
チロキシンDのエステル化合物は、次のようにして得ら
れる。
【0063】製造法1.即ち、ウスチロキシンCまたは
ウスチロキシンDとメタノール、エタノールのようなエ
ステルを形成する化合物のアルコール誘導体を用いて、
酸の存在下でエステル化反応を行なうことによって達成
される。反応に使用される酸としては反応に影響を与え
なければ特に限定はなく、例えば硫酸、塩酸、塩素酸、
過塩素酸のような鉱酸;ギ酸、トリフルオロ酢酸、p−
トルエンスルホン酸のような有機酸;が好ましい。反応
は通常、溶剤を用いる代わりに反応試薬のアルコール誘
導体を過剰に用いる。または溶剤としてベンゼンのよう
な芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサンのようなエーテル類、クロロホルム
のようなハロゲン化炭化水素類などを使用することがで
きる。反応温度、反応時間は使用する試薬、溶剤等で異
なるが、通常、0 〜100 ℃、1 〜24 時間、好適には 0
〜30 ℃、 1〜5 時間、でエステル交換反応により他の
エステル基に変換できる。
【0064】製造法2.あるいはウスチロキシンCまた
はウスチロキシンDとジアゾメタンのようなジアゾアル
カン類とを反応させることによっても達成される。反応
は溶剤の存在下で行なわれる。使用される溶剤としては
反応に影響を与えないものであれば特に限定はなく、例
えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸エチル
のようなエステル類;ジメチルホルムアミドのようなア
ミド類;ジメチルスルフォキシドのようなスルフォキシ
ド類;メタノール、エタノールのようなアルコール類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンの
ような炭化水素類;またはこれらの混合溶剤が好まし
い。反応温度、反応時間は使用する試薬、溶剤等で異な
るが、通常、室温〜50℃、1 〜24時間、好適には 0〜 3
0 ℃、 1〜 5 時間、である。
【0065】製造法3.あるいはウスチロキシンCまた
はウスチロキシンDをアルカリとハロゲン化アルキルに
よるエステル化法によって得ることもできる。反応は炭
酸カリウム、炭酸ナトリウムのようなアルカリ金属炭酸
塩の存在下、ヨウ化メチル、ヨウ化エチルのようなハロ
ゲン化アルキル化合物と反応させる。または例えばイミ
ダゾリド混合酸無水物に誘導した後、エタノール、ヘキ
サノール、オクタデカノールのようなアルコール類、ま
たはエチルアミン、ヘキシルアミン、オクタデシルアミ
ンのようなアルキルアミン類と反応させる。反応は溶剤
の存在下で行なわれる。使用される溶剤としては反応に
影響を与えないものであれば特に限定はなく、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエ
ーテル類;ジメチルホルムアミドのようなアミド類;ジ
メチルスルフォキシドのようなスルフォキシド類;が好
ましい。反応温度、反応時間は使用する試薬、溶剤等で
異なるが、通常、0 〜100 ℃、1 〜72 時間が好適であ
る。
【0066】3)ウスチロキシンCまたはウスチロキシ
ンDは、これらのエステル化合物を逆に加水分解するこ
とによっても得られる。
【0067】即ち、エステル化合物を水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;炭酸
ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;
の存在下で加水分解することによっても得られる。反応
は溶剤の存在下で好適に行われる。使用される溶剤とし
ては反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えば
水;メタノール、エタノール、プロパノールのようなア
ルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような
エーテル類などの有機溶剤と水との混合溶剤;が好適で
ある。反応温度および反応時間は、使用する試薬、溶剤
等で異なるが、通常、0 〜150 ℃、1 〜10 時間が好適
である。
【0068】4)ウスチロキシンCまたはウスチロキシ
ンDの塩は、常法に従って次のようにして得られる。
【0069】金属塩の製造法 該金属の水酸化物、炭酸塩等を、水性溶剤中でウスチロ
キシンC(またはウスチロキシンD)と接触させること
によって得られる。使用される水性溶剤としては例えば
水;メタノール、エタノールのようなアルコール類、ア
セトンのようなケトン類等の有機溶剤と水との混合溶
剤;が好適である。特に、親水性有機溶剤と水との混合
溶剤が好適である。反応は通常、室温付近で好適に行わ
れるが、必要に応じて加熱下で行ってもよい。
【0070】アミン塩の製造法 対応するアミンを、水性溶剤中でウスチロキシンC(ま
たはウスチロキシンD)と接触させることによって得ら
れる。使用される水性溶剤としては例えば水;メタノー
ル、エタノールのようなアルコール類、テトラヒドロフ
ランのようなエーテル類、アセトニトリルのようなニト
リル類等の有機溶剤と水との混合溶剤;が好適である。
特に、含水アセトンが好適である。反応は通常、pH 7乃
至 8.5で室温以下、特に 5 ℃〜 10 ℃付近で好適に
行われる。
【0071】アミノ酸塩の製造法 対応するアミノ酸を、水性溶剤中でウスチロキシンC
(またはウスチロキシンD)と接触させることによって
得られる。使用される水性溶剤としては例えば水;メタ
ノール、エタノールのようなアルコール類、テトラヒド
ロフランのようなエーテル類等の有機溶剤と水との混合
溶剤;が好適である。反応は通常、加熱下、好ましくは
50℃〜 60 ℃付近で好適に行われる。
【0072】各反応終了後、目的化合物は種々の方法を
適宜組み合わせることによって採取、分離、生成するこ
とができる。例えば反応混合物から溶剤を留去し、残渣
を乾燥することにより得られる。または反応終了後、目
的化合物は反応混合物から溶剤を留去し、残渣に水およ
び酢酸エチルのような有機溶剤を加えて分液する。有機
層を濃縮し、残渣を再結晶または通常のカラムクロマト
グラフィーに付して精製することにより得られる。
【0073】このようにして得られたウスチロキシンC
またはウスチロキシンDあるいはこれらのエステルある
いはこれらの塩は、更にシリカゲル、フロリジルのよう
な担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー、セファ
デックス LH −20(ファルマシア社製)などを用いた分
配カラムクロマトグラフィー、および順相、逆相カラム
を用いた高速液体クロマトグラフィー等で精製すること
が出来る。
【0074】
【作用】本発明のウスチロキシン類は、文献未載の新規
化合物であり、チューブリン重合阻害活性を有し、ま
た、種々のヒト癌細胞に対して強い増殖抑制作用を示
し、抗腫瘍剤として有用である。
【0075】本発明のウスチロキシン類を医薬として用
いる場合、常法に従ってそれ自体または適宜の薬学的に
許容される担体、賦形剤、希釈剤と混合し、粉末、顆
粒、錠剤、カプセル剤、注射剤などの形態で経口的また
は非経口的に安全に投与することが出来る。投与量は対
象疾患、投与経路および投与回数などにより異なる。例
えば成人に対して有効 1 日投与量は注射の場合、患者
の体重 1Kg 当たり 0.01 mgから 80 mg 、経口投与の
場合 0.5 mg から 120 mg を、症状に応じて 1回または
数回に分けて投与するのが好ましい。
【0076】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0077】実施例1.ウスチロキシンD 稲コウジ病菌ウスチラギノイデア・ヴィレンス・コーク
(Ustilaginoidea virens Cooke )の感染により稲穂に
自然発生した稲コウジを採集し、乾燥後、500g を 5000
mlの水と共にミキサーで粉砕し、室温で 1 時間振と
う抽出した。抽出液 5000 mlをろ過後、十分の一に濃縮
し、250 ml の ODS カラム(ODS-SS-1020 T 、センシ
ュウ科学(株)製)に注入した。紫外吸収 254 nm でモ
ニターしながら、水 750 ml、メタノール:水=2 : 8
の混合液 750 ml、100 %メタノール 750 ml で展開
溶出した。メタノール:水=2 : 8 の混合液で溶出した
分画を集め、濃縮すると、2.6 g の濃縮物が得られた。
この濃縮物を水に溶解後、再度 100 ml の ODS カラ
ムに注入した。メタノール:水= 5 : 95 の混合液で溶
出した。得られた画分 0.6 g を 20 g のシリカゲル
カラム(キーゼルゲル−60(Kieselgel-60)、メルク社
製)に注入し、ジクロルメタン:メタノール:水=60:
36:4 の混合液で展開溶出し、分取した。得られた画分
をダイアイオン CHP-20P カラム(三菱化成(株)製)
に注入し、メタノール:水= 1 : 99 の混合液で展開溶
出し、ウスチロキシンBを含む分画とウスチロキシンD
を含む分画とに分けた。ウスチロキシンDを含む分画を
更に ODS カラム(ODS-SS-1020 T 、センシュウ科学
(株)製)を用い、高速液体クロマトグラフィーに付し
た。紫外吸収 254 nm にて検出を行い、目的化合物を含
む部分を採取した。この画分を濃縮すると約 0.5 mg
の粗結晶が得られた。この粗結晶を水で再結晶すると
ウスチロキシンDの純品 1.5 mg が結晶としてが得ら
れた。
【0078】本実施例で得られたウスチロキシンDは、
以下の物性値を示した。 1)構造式
【0079】
【化9】
【0080】2)分子式: C23 H34 N4 O8 3)物質の性状:無色粉末 4)分子量: 494 5)紫外線吸収スペクトル:λ max nm (ε) 水中で測定した紫外線吸収スペクトルは、次に示す通り
である。 208(10100)、 227(8700)、 287(2800)。
【0081】6)1H−核磁気共鳴スペクトル:(δ;pp
m ) 重水中、外部基準にテトラメチルシランを使用して 50
℃で測定した核磁気共鳴スペクトル(500 MHz )は、次
に示す通りである。 0.59(3H,d,J=6.7 Hz), 0.67(3H,d,J=6.7 Hz),0.92(1H,
dd,J=7.4 および 7.4 Hz),1.68(1H,m,J=7.0, 6.7 お
よび 6.7 Hz), 1.53(3H,s),1.53(1H,dq,J=14.8 および
7.4 Hz), 1.96(1H,dq,J=14.8および7.4 Hz),2.58(3H,
s), 3.74(1H,d,J=9.6 Hz), 3.90(1H,d,J=7.0 Hz),4.6
1(1H,d,J=9.6 Hz), 4.68(1H,s), 6.86(1H,s), 7.03
(1H,d,J=8.3Hz)。
【0082】実施例2.ウスチロキシンD 人工接種により稲にコウジ粒を発生せしめ、このものよ
りウスチロキシンDを単離、精製した。稲は以下の方法
で育成した。1993年 4月14日に播種した苗を 同年5 月
20日に本田に移植した。栽培密度は3.3m2 当たり 75
株とし、 1株 1本上とした。肥料は基肥として窒素(N)
、リン酸(P2O5 ) およびカリ(K2O) を成分量として10a
当たり各 8Kg を使用し、同年 7月14日に追肥として
窒素(N) を 10 a 当たり 2 Kg 施用した。その他の方法
は、慣行法に従った。稲コウジ病菌 SANK 15391 株を培
養し、以下の方法により、放置後、形成した厚膜胞子を
得た。ショ糖加用ジャガイモ煎汁培地を用いて 26 ℃で
7 日間液体培養して得た菌糸懸濁液を、ショ糖加用ジ
ャガイモ煎汁寒天培地上に薄く広がるように流し込み、
約 25 ℃の暗黒条件で培養した。最初の 1 週間位は分
生胞子を形成したが、それ以降は厚膜胞子が形成され
た。 このような条件下で 1〜3 か月間培養後、ペトリ
皿のふたをとった状態で22 ℃ 内外の室内に 7 日間
放置し、乾燥させたものを培地ごとミキサーで粉砕し、
厚膜胞子を得た。この厚膜胞子を直接圃場のイネ体の上
から接種することにより稲コウジを発生させた。すなわ
ち、圃場に成育している稲穂に噴霧し、一定期間(約 2
ケ月)放置しておくと稲コウジが発生した。これらの
稲コウジを採集し、実施例1.記載と同様の方法により
ウスチロキシンDを単離、精製した。 500 g の稲コウ
ジから約 0.5 mg の目的化合物を単離した。本実施例
で得られたウスチロキシンDの物性値は実施例1.で得
られたウスチロキシンDの物性値と同じであった。
【0083】実施例3.ウスチロキシンC 稲コウジ病菌ウスチラギノイデア・ヴィレンス・コーク
(Ustilaginoidea virens Cooke )の感染により稲穂に
自然発生した稲コウジを採集し、乾燥後、500g を 5000
mlの水と共にミキサーで粉砕し、室温で 1 時間振と
う抽出した。抽出液 5000 ml をろ過後、十分の一に濃
縮し、250 ml の ODS カラム(ODS-SS-1020 T 、セン
シュウ科学(株)製)に注入した。紫外吸収 254 nm で
モニターしながら、水 750 ml、メタノール:水=2 :
8 の混合液 750 ml、100 %メタノール 750 ml で展
開溶出した。メタノール:水=2 : 8 の混合液で溶出し
た分画を集め、濃縮すると、2.6 g の濃縮物が得られ
た。この濃縮物を水に溶解後、再度 100 ml の ODS
カラムに注入した。メタノール:水= 5:95 の混合液
500 ml で溶出した。得られた画分 0.5 g をシリカゲ
ルカラム(キーゼルゲル−60(Kieselgel-60)、メルク社
製)に注入し、ジクロルメタン:メタノール:水=60:
36:4 の混合液で展開溶出し、ウスチロキシンAを含
む分画 0.15 g とウスチロキシンCを含む分画 0.1 g
に分けた。ウスチロキシンCを含む分画を更に ODS カ
ラム(ODS-SS-1020 T 、センシュウ科学(株)製)を用
い、高速液体クロマトグラフィーに付した。紫外吸収
254 nm にて検出を行い、目的化合物を含む部分を採取
した。この画分を濃縮すると約 3 mg の粗結晶が得ら
れた。この粗結晶を水で再結晶するとウスチロキシンC
の純品 5 mg が結晶としてが得られた。
【0084】本実施例で得られたウスチロキシンCは、
以下の物性値を示した。 1)構造式
【0085】
【化10】
【0086】2)分子式: C23 H34 N4 O10 S 3)物質の性状:無色粉末 4)分子量: 558 5)紫外線吸収スペクトル:λ max nm (ε) 水中で測定した紫外線吸収スペクトルは、次に示す通り
である。 216(12400)、 253(5000)、 290(2900)。
【0087】6)質量分析: FAB-MS ; m/z 559 [M+H]- HR FAB-MS ; m/z 559.2085 [M+H]-1 (理論値 559.2073) 7)1H−核磁気共鳴スペクトル:(δ;ppm ) 重水中、外部基準にテトラメチルシランを使用して 50
℃で測定した核磁気共鳴スペクトル(500 MHz)は、次
に示す通りである。 0.92(1H,dd,J=7.5および 7.5 Hz), 1.15(1H,d,J=7.0 H
z),1.66(1H,dq,J=14.0 および 7.5 Hz), 1.69(3H,s),
2.07(1H,dq,J=14.0 および 7.5Hz), 2.70(3H,s),2.94
(1H,ddd,J=14.0, 4.0 および 4.0 Hz),3.37(1H,ddd,J=1
4.0, 5.5 および 9.5 Hz), 3.95(1H,d,J=17.0 Hz),3.9
7(1H,ddd,J=12.5, 4.0 および 5.5 Hz),4.01(1H,ddd,J=
12.5, 4.0 および 9.5 Hz), 4.03(1H,d,J=17.0 Hz),4.
17(1H,d,J=10.0 Hz), 4.40(1H,q,J=7.0 Hz), 4.66(1
H,s),4.92(1H,d,J=10.0 Hz), 7.38(1H,s), 7.52(1H,
s)。
【0088】実施例4.ウスチロキシンC 人工接種により稲にコウジ粒を発生せしめ、このものよ
りウスチロキシンDを単離、精製した。なお、人口接種
には、稲コウジ病菌 SANK 15391 株を使用し、摂取方法
は、実施例2.記載の方法に従った。
【0089】採集した稲コウジから、実施例3.記載と
同様の方法によりウスチロキシンCを単離、精製した。
500 g の稲コウジから約 3 mg の目的化合物を単離
した。本実施例で得られたウスチロキシンCの物性値は
実施例3.で得られたウスチロキシンCの物性値と同じ
であった。
【0090】
【発明の効果】本発明のウスチロキシンCおよびウスチ
ロキシンDならびにそれらの誘導体は、チューブリン重
合阻害活性を示し、抗腫瘍剤として有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 で示されるウスチロキシンCまたはそのエステルまたは
    その塩。
  2. 【請求項2】[請求項1]記載の一般式(I)におい
    て、 一般式 【化2】 で示されるウスチロキシンCまたはそのエステルまたは
    その塩。
  3. 【請求項3】一般式 【化3】 で示されるウスチロキシンDまたはそのエステルまたは
    その塩。
  4. 【請求項4】[請求項3]記載の一般式(II)におい
    て、 一般式 【化4】 で示されるウスチロキシンDまたはそのエステルまたは
    その塩。
  5. 【請求項5】ウスチラギノイデア (Ustilaginoidea) 属
    に属するウスチロキシンCまたはウスチロキシンD生産
    能を有する稲コウジ病菌を用いて自然的または人為的に
    稲に稲コウジを発生せしめ、該稲コウジよりウスチロキ
    シンCまたはウスチロキシンDを単離することを特徴と
    する、ウスチロキシンCまたはウスチロキシンDの製造
    法。
  6. 【請求項6】ウスチラギノイデア (Ustilaginoidea) 属
    に属するウスチロキシンCまたはウスチロキシンD生産
    能を有する稲コウジ病菌が、ウスチラギノイデア・ヴィ
    レンス・コーク( Ustilaginoidea virens (Cooke)) T
    akahashi SANK 15391 株(微工研条寄第 3691 号:FERM
    BP-3691)である[請求項5]記載の製造法。
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