JPH07101765A - 水硬性材料 - Google Patents

水硬性材料

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JPH07101765A
JPH07101765A JP5269477A JP26947793A JPH07101765A JP H07101765 A JPH07101765 A JP H07101765A JP 5269477 A JP5269477 A JP 5269477A JP 26947793 A JP26947793 A JP 26947793A JP H07101765 A JPH07101765 A JP H07101765A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ベントナイト泥水等の安定液との置換性が良好
でかつ遮水、土止め等に適した水硬性材料を提供する。 【構成】本発明の水硬性材料は、水1、水硬性セメント
2および所定の骨材3を含むモルタル4に、ベントナイ
ト等の膨潤物質5を膨潤状態で分散させてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モルタル、コンクリー
ト等の水硬性材料に係り、特に、地中連続壁工法等に用
いる水硬性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】地中連続壁工法においては、安定液によ
って側壁の崩壊を防ぎながら地盤をトレンチ状に掘削
し、掘削終了後、トレンチ内に地中壁を構築するが、地
中壁の種類、構築方法等は、地中壁を設ける目的、トレ
ンチの深さ等に応じて様々である。
【0003】例えば、地中壁を本体構造物の耐震壁等に
利用する場合には、コンクリートをトレミー管等で打設
することによって安定液をコンクリートで置換し、トレ
ンチ内に高強度の地中壁を構築する。
【0004】一方、地中壁を止水壁、遮水壁等に利用す
る場合、地中壁に要求される強度は比較的小さいことか
ら、コンクリートよりも安価ないわゆる自硬性安定液が
使用されることが多い。自硬性安定液は、掘削中におい
ては側壁の崩壊を防止し、掘削後においては安定液自ら
硬化して地中壁を構成する。
【0005】ここで、地中壁が深い場合には掘削量が増
加しあるいは掘削地盤が強固になって掘削時間が長くな
る。そのため、掘削中は自硬性安定液を使用せずにポリ
マー、ベントナイト等を含んだ安定液を使用し、掘削後
にこれを自硬性安定液と置換することによってトレンチ
内に地中壁を構築する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自硬性安定液は、ベントナイト泥水等の安定液との比重
の差はあまり大きくなく、従って自硬性安定液でベント
ナイト泥水等の安定液を良好に置換できず、結果とし
て、地中壁の品質が低下するという問題があった。
【0007】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、ベントナイト泥水等の安定液との置換性が良
好でかつ遮水、土止め等に適した水硬性材料を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の水硬性材料は請求項1に記載したように、
水、水硬性セメントおよび所定の骨材を含む水硬性材料
において、ベントナイト等の膨潤物質を膨潤状態で分散
させたものである。
【0009】また、本発明の水硬性材料は、請求項1の
骨材を実質的に細骨材で構成するとともに前記膨潤物質
をベントナイトで構成する一方、前記水、前記水硬性セ
メントおよび前記骨材を、水硬性セメント1部に対し、
骨材が3乃至8部、水が0.5乃至1.5部の重量比で
混合してモルタルをつくるとともに、前記ベントナイト
を、水1部に対しベントナイトが0.03乃至0.2部
の重量比で水と混合して泥水をつくり、前記モルタルと
前記泥水とを、前記モルタル1部に対し前記泥水が0.
2乃至1部の体積比で混合して形成したものである。
【0010】また、本発明の水硬性材料は、請求項1の
骨材を実質的に細骨材で構成するとともに前記膨潤物質
をベントナイトで構成する一方、前記水、前記水硬性セ
メントおよび前記骨材を、水硬性セメント1部に対し、
骨材が4乃至6部、水が0.7乃至1部の重量比で混合
してモルタルをつくるとともに、前記ベントナイトを、
水1部に対し、ベントナイトが0.07乃至0.12部
の重量比で混合して泥水をつくり、前記モルタルと前記
泥水とを、前記モルタル1部に対し、前記泥水が0.4
乃至1部の体積比で混合して形成したものである。
【0011】
【作用】本発明の水硬性材料においては、ベントナイト
等の膨潤物質を膨潤状態でモルタル等の内部に分散させ
てあるため、所定量の水が膨潤物質内に保持され、ブリ
ージング水が発生しにくくなる。また、膨潤物質にこの
ような保水能力があるため、水の配合量を多くすること
が可能となり、打設時の流動性が向上する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の水硬性材料の実施例につい
て、添付図面を参照して説明する。
【0013】図1は、本実施例の水硬性材料の組成を示
した略図である。同図でわかるように、本実施例の水硬
性材料は、水1、水硬性セメント2および細骨材である
砂3を含むモルタル4内に、膨潤物質としてのベントナ
イト5を膨潤状態で分散させてある。
【0014】ベントナイトを膨潤状態でモルタル内に分
散させるには、まず、水およびベントナイトを所定の割
合で混合して泥水をつくる。水とベントナイトとの割合
は重量比で、水1部に対し、ベントナイトを0.03乃
至0.2部とするのがよいが、さらに、ベントナイトを
0.07乃至0.12部とするのが好ましい。
【0015】なお、泥水をつくるにあたっては、連続地
中壁工法等で生じた泥水を再利用するのがよい。すなわ
ち、生じた泥水に含まれるベントナイトの量を調べ、水
とベントナイトとの重量比が上述の範囲となるように、
水あるいはベントナイトを新たに添加して泥水ミキサー
で混合する。
【0016】一方、水、水硬性セメントおよび骨材を所
定の割合で混合させて貧配合流動性モルタルをつくる。
貧配合流動性モルタル内の水硬性セメント、骨材および
水の割合は、重量比で水硬性セメント1部に対し、骨材
を3乃至8部、水を0.5乃至1.5部とするのがよい
が、さらに、水硬性セメント1部に対し、骨材を4乃至
6部、水を0.7乃至1部とするのが好ましい。また、
骨材は、実質的に細骨材だけですなわち砂で構成するの
がよい。
【0017】次に、泥水と貧配合流動性モルタルとを混
合して水硬性材料としてのクレイモルタルをつくる。
【0018】クレイモルタル内の泥水および貧配合流動
性モルタルの割合は、体積比で貧配合流動性モルタル1
部に対し、泥水を0.2乃至1部とするのがよいが、さ
らに、貧配合流動性モルタル1部に対し、0.4乃至1
部とするのが好ましい。
【0019】図2は、上述の手順に従い、ベントナイト
5をいったん水1に添加して泥水とし、この泥水をモル
タル4に混合させた様子を示したものである。
【0020】同図からわかるように、ベントナイト5を
いったん水1に添加すると、ベントナイト5の層間に水
が浸入して層間が著しく膨潤し、板状結晶が一枚ずつバ
ラバラになって大きな保水性を示す。このようなベント
ナイト泥水は、モルタル4中でもその性質が引き継が
れ、安定な凝集構造(カードハウス)を形成する。
【0021】なお、図3に示すように粉末状のベントナ
イト5をモルタル4に直接添加した場合、ベントナイト
5は、セメント粒子から溶出したカルシウムイオンの作
用によって膨潤性を阻害され、膨潤性を発揮しないまま
モルタル4内に残る。
【0022】かかる状態でモルタル4が硬化すると、余
分な水6がブリージング水として表面に浮き上がるとと
もに、モルタル内部の品質は大きくばらつく。
【0023】すなわち、ベントナイトを予め泥水の状態
にし、この泥水をモルタルに添加することが、ベントナ
イトを膨潤状態でモルタルに分散させる上できわめて重
要であることがわかった。
【0024】次に、上述の水硬性材料の製造に関しいく
つかの室内実験を行ったので、以下、それらの実験結果
を説明する。
【0025】(実験例1)まず、A地点で採取された細
骨材を用いた場合のクレイモルタルの実験結果について
説明する。
【0026】表1は、貧配合流動性モルタルの重量比を
示したものである。なお、セメントには、高炉セメント
B種を使用した。
【0027】
【表1】 同表でわかるように本実験では、水セメント比W/Cを
1.0、砂セメント比S/Cを4.0とした。
【0028】次に、泥水を構成する水とベントナイトと
の重量比を表2に示す。
【0029】
【表2】 同表でわかるように、水とベントナイトとの重量比は、
1:0.1とした。
【0030】表3は、表1、表2にしたがって配合され
たモルタルおよび泥水を異なる体積比で混合してクレイ
モルタルをつくり、その密度、Pロート流下時間、小型
スランプフロー、ブリージングおよび圧縮強度を測定し
た結果を示したものである。
【0031】ここで、Pロート流下試験とは、モルタル
の流動性を測定する試験である。なお、モルタルと泥水
との体積比は、1:0.2、1:0.35、1:0.4
9、1:0.69の4ケースとした。
【0032】
【表3】 図4は、表3に示した結果をグラフ化したものであり、
図4(a)は一軸圧縮強度、図4(b)は小型スランプフロー
およびブリージング率、図4(c)はPロート流下時間を
それぞれ横軸に泥水とモルタルの体積比をとって示して
ある。
【0033】これらの図および表でわかるように、28
日圧縮強度は12乃至62kgf/cm2、小型スランプフロ
ーは36乃至47cm、ブリージング率は2.2乃至
2.6%、Pロート流下時間は10乃至14秒程度、比
重は1.6乃至1.9となった。
【0034】本実験例においては、従来の自硬性安定液
(比重が1.15乃至1.2、ブリージング率が5乃至
10%程度)に比較して、比重は50%程度大きくな
り、ブリージング率は3分の1程度に低減した。
【0035】なお、粉末状のベントナイトをモルタルに
直接混合させた場合、上述したようにブリージング水が
多くなり、ブリージング率は5乃至20%程度となっ
た。
【0036】(実験例2)次に、B地点で採取された細
骨材を用いた場合のクレイモルタルの実験結果について
説明する。
【0037】表4は、貧配合流動性モルタルの重量比を
示したものである。
【0038】
【表4】 同表でわかるように本実験では、水セメント比W/Cを
0.7、砂セメント比S/Cを4.0とした。
【0039】次に、泥水を構成する水とベントナイトと
の重量比を表5に示す。
【0040】
【表5】 同表でわかるように、水とベントナイトとの重量比は、
1:0.1とした。
【0041】表6は、表4、表5にしたがって配合され
たモルタルおよび泥水を異なる体積比で混合してクレイ
モルタルをつくり、その密度、Pロート流下時間、小型
スランプフロー、ブリージングおよび圧縮強度を測定し
た結果を示したものである。
【0042】なお、モルタルと泥水との体積比は、1:
0.16、1:0.23、1:0.35、1:0.4
9、1:0.67の5ケースとした。
【0043】
【表6】 図5は、表6に示した結果をグラフ化したものであり、
図5(a)は一軸圧縮強度、図5(b)は小型スランプフロー
およびブリージング率、図5(c)はPロート流下時間を
それぞれ横軸に泥水とモルタルの体積比をとって示して
ある。
【0044】これらの図および表でわかるように、28
日圧縮強度は、20乃至106kgf/cm2 、小型スランプ
フローは30乃至47cm、ブリージング率は1.4乃
至2.1%以下、Pロート流下時間は10秒乃至20秒
程度、比重は1.7乃至2.0程度となった。
【0045】本実験例においては、従来の自硬性安定液
に比較して、比重は66%程度大きくなり、ブリージン
グ率は3分の1乃至5分の1程度に低減した。
【0046】(実験例3)次に、C地点で採取された細
骨材を用いた場合のクレイモルタルの実験結果について
説明する。
【0047】表7は、貧配合流動性モルタルの重量比を
示したものである。
【0048】
【表7】 同表でわかるように本実験では、水セメント比W/Cを
1.0、砂セメント比S/Cを5.0とした。
【0049】次に、泥水を構成する水とベントナイトと
の重量比を表8に示す。
【0050】
【表8】 同表でわかるように、水とベントナイトとの重量比は、
1:0.09とした。
【0051】表9は、表7、表8にしたがって配合され
たモルタルおよび泥水を異なる体積比で混合してクレイ
モルタルをつくり、その密度、Pロート流下時間、小型
スランプフロー、ブリージングおよび圧縮強度を測定し
た結果を示したものである。
【0052】なお、モルタルと泥水との体積比は、1:
0.54、1:0.67、1:0.82、1:1.00
の4ケースとした。
【0053】
【表9】 図6は、表9に示した結果をグラフ化したものであり、
図6(a)は一軸圧縮強度、図6(b)は小型スランプフロー
およびブリージング率、図6(c)はPロート流下時間を
それぞれ横軸に泥水とモルタルの体積比をとって示して
ある。
【0054】これらの図および表でわかるように、28
日圧縮強度は5乃至15kgf/cm2 、小型スランプフロー
は50cm程度、ブリージング率は3乃至4%程度、P
ロート流下時間は9乃至10秒程度、比重は1.6乃至
1.8程度となった。
【0055】本実験例においては、従来の自硬性安定液
に比較して、比重は40%程度大きくなり、ブリージン
グ率は3分の1乃至2分の1程度に低減した。
【0056】(実験例4)次に、D地点で採取された細
骨材を用いた場合のクレイモルタルの実験結果について
説明する。
【0057】表10は、貧配合流動性モルタルの重量比
を示したものである。
【0058】
【表10】 同表でわかるように本実験では、水セメント比W/Cを
0.7、砂セメント比S/Cを4.0とした。
【0059】次に、泥水を構成する水とベントナイトと
の重量比を表11に示す。
【0060】
【表11】 同表でわかるように、水とベントナイトとの重量比は、
1:0.1とした。
【0061】表12は、表10、表11にしたがって配
合されたモルタルおよび泥水を異なる体積比で混合して
クレイモルタルをつくり、その密度、Pロート流下時
間、小型スランプフロー、ブリージングおよび圧縮強度
を測定した結果を示したものである。
【0062】なお、モルタルと泥水との体積比は、1:
0.16、1:0.23、1:0.35、1:0.4
9、1:0.67、1:0.78、1:0.90の7ケ
ースとした。
【0063】
【表12】 図7は、表12に示した結果をグラフ化したものであ
り、図7(a)は一軸圧縮強度、図7(b)は小型スランプフ
ローおよびブリージング率、図7(c)はPロート流下時
間をそれぞれ横軸に泥水とモルタルの体積比をとって示
してある。
【0064】これらの図および表でわかるように、28
日圧縮強度は20乃至130kgf/cm2 、小型スランプフ
ローは10乃至40cm程度、ブリージング率は1.5
乃至2.0%以下、Pロート流下時間は、モルタルと泥
水との混合比が1:0.49、1:0.67、1:0.
78、1:0.90の4ケースについては13乃至23
秒程度、比重は1.6乃至1.8程度となった。なお、
モルタルと泥水との混合比が1:0.16、1:0.2
3、1:0.35の3ケースについてはPロート流下時
間を測定することができなかった。
【0065】本実験例においては、従来の自硬性安定液
に比較して、比重は40%程度大きくなり、ブリージン
グ率は5分の1乃至2分の1程度に低減した。
【0066】以上説明したように、本実施例の水硬性材
料は、ベントナイトを膨潤状態でモルタル内に分散させ
たので、所定の強度および耐久性を維持しつつ、経済
性、遮水性、流動性および品質の均一性を向上させるこ
とができる。
【0067】すなわち、10-8cm/s程度の透水係数を確
保できたので、例えば薄形止水壁内に薄形鋼板をジョイ
ントさせた場合にも、鋼板の継ぎ目からの漏水を十分防
止することができる。
【0068】また、水セメント比を大きくすることによ
り、Pロート流下時間が10秒程度の流動性を確保する
ことができるので、掘削断面が小さくかつその断面内に
薄形鋼板やH形鋼が挿入されている場合であっても、そ
れらの隙間にクレイモルタルを良好に充填することがで
きる。
【0069】また、所定量の水をベントナイトに膨潤さ
せることにより、ブリージング率を3%程度に抑えるこ
とが可能となり、品質の均一性を向上させることができ
る。
【0070】また、10乃至30kgf/cm2 程度の一軸圧
縮強度を得ることができるので、所定の日数経過後は、
土圧あるいは水圧に十分対抗できるだけの強度を得るこ
とができる。
【0071】また、モルタル内の骨材割合を高めたの
で、従来の自硬性安定液と比べて比重が大きくなり、ベ
ントナイト、ポリマー等を含む安定液との置換性が格段
に向上し、高い品質の地中壁を構築することができる。
【0072】また、モルタル内のセメント量を少なくし
たので、地中壁のコストを低く抑えることができる。
【0073】したがって、掘削断面の小さなトレンチに
高品質の薄形止水壁を経済的に構築することが可能とな
り、通常の仮設遮水壁のみならず、特に、地下ダム、廃
棄物処分場、ダム底部等の遮水壁あるいは液状化対策用
の地中壁に非常に有効な手段となる。さらに、地中壁の
みならず、掘削後の埋め戻し、特に、狭くて複雑な空間
の埋め戻し、シールド工法におけるトンネル掘削時のセ
グメントの裏込めあるいは埋立等にも適用することがで
きるとともに、使用場所も水中、陸上を問わない。
【0074】また、骨材を実質的に細骨材で構成したの
で、トレンチ幅が非常に狭い場合あるいはトレンチ内に
H型鋼、鋼板等が設けてある場合にも、トレンチ内の隅
々にまで本実施例のクレイモルタルを充填することがで
きる。
【0075】また、貧配合モルタルに混合する泥水を孔
壁安定用の安定液からつくるようにしたので、従来は所
定の処理を行った上で廃棄するしかなかった安定液を有
効利用することができる。
【0076】このため、地中壁のトータルコストをさら
に低減することが可能となるとともに、廃棄物の量を少
なくして環境への影響を小さくすることができる。
【0077】なお、上述の実施例では特に言及しなかっ
たが、必要に応じて、通常使用される流動化剤、減水
剤、分離低減剤、発泡剤、起泡剤、硬化促進剤、硬化遅
延剤等の混和剤を泥水、モルタルあるいはクレイモルタ
ルに適宜添加してもよいことは言うまでもない。
【0078】本実施例では、水セメント混合物をモルタ
ルに限定して説明したが、かかる物質に限定されるもの
ではなく、骨材を細骨材および粗骨材で構成したコンク
リートにも本発明を適用することができる。
【0079】また、本実施例では、膨潤物質としてベン
トナイトを採用したが、カオリン粘土等の他の粘土を用
いてもよいし、水溶性高分子であるポリマー等の他の膨
潤物質を用いてもよい。
【0080】また、本実施例では、孔壁安定用の安定液
を再利用してモルタル添加用の泥水をつくったが、孔壁
安定用の安定液とは別に、新たに水およびベントナイト
を泥水ミキサー等で混合しこれをモルタルに混合するよ
うにしてもよいし、泥水シールド工法、リバース杭工
法、アースドリル工法などの泥水を用いた他の地盤掘削
工法で生じた泥水を再利用するようにしてもよい。ま
た、砕石工場の洗い水などでもよい。
【0081】かかる泥水の再利用によって建設廃棄物を
減らすことができる。したがって、廃棄物の処理コスト
(脱水減水化、セメント固化あるいはそれらの埋立廃棄
コスト)を低減し、環境への影響を最小限にとどめるこ
とが可能となる。
【0082】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の水硬性材料
は、水、水硬性セメントおよび所定の骨材を含む水硬性
材料において、ベントナイト等の膨潤物質を膨潤状態で
分散させたので、所定の強度および耐久性を維持しつ
つ、経済性、遮水性、流動性および品質の均一性を向上
させることができる。
【0083】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る水硬性材料の組成を示す略図。
【図2】本実施例に係る水硬性材料の作用を説明する
図。
【図3】ベントナイトを直接モルタルに添加した場合を
比較説明する図。
【図4】第1の実験例に係る水硬性材料の試験結果を示
したグラフ。
【図5】第2の実験例に係る水硬性材料の試験結果を示
したグラフ。
【図6】第3の実験例に係る水硬性材料の試験結果を示
したグラフ。
【図7】第4の実験例に係る水硬性材料の試験結果を示
したグラフ。
【符号の説明】
1 水 2 セメント粒子 3 細骨材(砂) 4 モルタル 5 ベントナイト 6 ブリージング水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 14:10 Z 14:06) Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、水硬性セメントおよび所定の骨材を
    含む水硬性材料において、 ベントナイト等の膨潤物質を膨潤状態で分散させたこと
    を特徴とする水硬性材料。
  2. 【請求項2】 前記骨材を実質的に細骨材で構成すると
    ともに前記膨潤物質をベントナイトで構成する一方、前
    記水、前記水硬性セメントおよび前記骨材を、水硬性セ
    メント1部に対し、骨材が3乃至8部、水が0.5乃至
    1.5部の重量比で混合してモルタルをつくるととも
    に、前記ベントナイトを、水1部に対しベントナイトが
    0.03乃至0.2部の重量比で水と混合して泥水をつ
    くり、前記モルタルと前記泥水とを、前記モルタル1部
    に対し前記泥水が0.2乃至1部の体積比で混合して形
    成した請求項1記載の水硬性材料。
  3. 【請求項3】 前記骨材を実質的に細骨材で構成すると
    ともに前記膨潤物質をベントナイトで構成する一方、前
    記水、前記水硬性セメントおよび前記骨材を、水硬性セ
    メント1部に対し、骨材が4乃至6部、水が0.7乃至
    1部の重量比で混合してモルタルをつくるとともに、前
    記ベントナイトを、水1部に対し、ベントナイトが0.
    07乃至0.12部の重量比で混合して泥水をつくり、
    前記モルタルと前記泥水とを、前記モルタル1部に対
    し、前記泥水が0.4乃至1部の体積比で混合して形成
    した請求項1記載の水硬性材料。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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