JPH0615768B2 - 止水壁の構築工法 - Google Patents
止水壁の構築工法Info
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- JPH0615768B2 JPH0615768B2 JP17241885A JP17241885A JPH0615768B2 JP H0615768 B2 JPH0615768 B2 JP H0615768B2 JP 17241885 A JP17241885 A JP 17241885A JP 17241885 A JP17241885 A JP 17241885A JP H0615768 B2 JPH0615768 B2 JP H0615768B2
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- Japan
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- bentonite
- soil
- water
- mud
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は止水壁の構築工法に関するものである。
<従来の技術> 掘削溝(トレンチ)内に鉱物質を主成分とするベントナ
イトを含む泥水を充満し、トレンチの壁面に浸透したベ
ントナイト粒子群による止水壁を構築するベントナイト
工法が存在する。
イトを含む泥水を充満し、トレンチの壁面に浸透したベ
ントナイト粒子群による止水壁を構築するベントナイト
工法が存在する。
<本発明が解決しようとする問題点> (イ)通常、ベントナイトは粉末状態のものをトレンチ
内に投入して使用する。
内に投入して使用する。
しかし、乾いた粉末状態のベントナイトを海水中に混合
すると、ベントナイトの膨潤性と共に粘性が小さくな
る。
すると、ベントナイトの膨潤性と共に粘性が小さくな
る。
その結果、ベントナイトは通常の粘土粒子と何ら変わら
なくなり、止水性が劣化する。
なくなり、止水性が劣化する。
そのため、現在では塩分による汚染の程度にもよるが、
海水中に粉末状態のベントナイトを直接投入して使用す
ることは、極力避けられている。
海水中に粉末状態のベントナイトを直接投入して使用す
ることは、極力避けられている。
(ロ)上記したように、粉末状態のベントナイトを海水
中に混合すると、ベントナイトの膨潤性、懸濁性、粘
性、チクソトロピー性等の特性が劣化するため、使用範
囲が制限される。
中に混合すると、ベントナイトの膨潤性、懸濁性、粘
性、チクソトロピー性等の特性が劣化するため、使用範
囲が制限される。
特に、清水の入手が困難であって海水しか使用できない
地域や、海浜の埋立地などではその使用が制限される。
地域や、海浜の埋立地などではその使用が制限される。
<本発明の目的> 本発明は以上のような問題点を解決するためになされた
もので、海水中で施工する場合や塩分で汚染された地盤
においても、ベントナイトの特性である膨潤性、粘性な
どを低下させずに良好な止水性を長時間維持できる、止
水壁の構築工法を提供することを目的とする。
もので、海水中で施工する場合や塩分で汚染された地盤
においても、ベントナイトの特性である膨潤性、粘性な
どを低下させずに良好な止水性を長時間維持できる、止
水壁の構築工法を提供することを目的とする。
<問題点を解決するための手段> [イ]改良原理 本発明はあらかじめ乾いた粉末状態のベントナイトを、
ベントナイトの2倍〜5倍の重量比の清水中で膨潤させ
て泥土性粘土(ベントナイト泥土)を製造し、このベン
トナイト泥土と、トレンチから掘削した掘削土とを撹拌
混合し、ベントナイト泥土と掘削土の撹拌混合が済んだ
ら、この混合物をトレンチ内に戻して止水壁を構築する
方法である。
ベントナイトの2倍〜5倍の重量比の清水中で膨潤させ
て泥土性粘土(ベントナイト泥土)を製造し、このベン
トナイト泥土と、トレンチから掘削した掘削土とを撹拌
混合し、ベントナイト泥土と掘削土の撹拌混合が済んだ
ら、この混合物をトレンチ内に戻して止水壁を構築する
方法である。
[ロ]施工法 以下、海浜の埋立地などの地盤に止水壁を構築する場合
を一例に説明する。
を一例に説明する。
(1)トレンチの掘削 バックホー1などで所定の深さのトレンチ2を開削す
る。
る。
この際、トレンチ2内にはベントナイト泥水4を充満し
て開削作業を行う。
て開削作業を行う。
掘削した掘削土Mは混練ピット5へ運搬する。
(2)ベントナイト泥土の製造 トレンチ2の開削作業から独立して、清水とベントナイ
トを所定の混合比で混合して、泥土性粘土のベントナイ
ト泥土6を製造する。
トを所定の混合比で混合して、泥土性粘土のベントナイ
ト泥土6を製造する。
[泥土性粘土の成分比] 清水中に投入するベントナイトの添加量は、次の通りで
ある。
ある。
水1重量部に対してベントナイトを20%〜50%の高
濃度に添加する。
濃度に添加する。
ベントナイトの添加量の選定については後で検討する。
(3)掘削土とベントナイト泥土の地上混練 混練ピット5内に、前記の配合比で製造したベントナイ
ト泥土6と、トレンチ2から掘削した掘削土Mを投入し
て、公知のスタビライザーSを使用して撹拌する。
ト泥土6と、トレンチ2から掘削した掘削土Mを投入し
て、公知のスタビライザーSを使用して撹拌する。
塩分に汚染された掘削土Mと、膨潤をほぼ完了したベン
トナイト泥土6は均質に混練されて、混練土3が製造さ
れる。
トナイト泥土6は均質に混練されて、混練土3が製造さ
れる。
(4)埋戻し 混練ピット5内でベントナイト泥土6と掘削土Mを撹拌
混合して製造した混練土3を、再びトレンチ内に埋め戻
す。
混合して製造した混練土3を、再びトレンチ内に埋め戻
す。
すなわち、混練土3内の土粒間のベントナイトは、埋め
戻す以前に清水中で良好に膨潤がなされているため、ト
レンチ2内に搬入してもベントナイトの膨潤性は、トレ
ンチ2内の塩基の影響を全く受けない。
戻す以前に清水中で良好に膨潤がなされているため、ト
レンチ2内に搬入してもベントナイトの膨潤性は、トレ
ンチ2内の塩基の影響を全く受けない。
従って、埋め戻した混練土3は、ベントナイト本来の性
能を発揮して止水効果の高い止水壁を構築できる。
能を発揮して止水効果の高い止水壁を構築できる。
以上の各工程を繰り返しながら、所定の区間に渡って止
水壁を構築する。
水壁を構築する。
(5)ベントナイト泥土の成分比の検討 前記したようにベントナイト泥土6を製造する場合のベ
ントナイトの添加量は、清水1重量部に対し20%〜5
0%が好ましい。
ントナイトの添加量は、清水1重量部に対し20%〜5
0%が好ましい。
その理由は次の事由によるものである。
[ベントナイトの添加量が20%以下の場合] ベントナイトの添加量が20%以下であると、所望のベ
ントナイト添加率を得る際に、掘削土Mとの混練土3の
含水比が高くなり過ぎ、トレンチ2内に埋め戻した時に
流動化して埋め戻し土の勾配が保てない。
ントナイト添加率を得る際に、掘削土Mとの混練土3の
含水比が高くなり過ぎ、トレンチ2内に埋め戻した時に
流動化して埋め戻し土の勾配が保てない。
そのうえ、埋戻土の圧密現象が大きく現れ、構築される
止水壁と水平方向の縮みや沈下を起こし易いといった難
点がある。
止水壁と水平方向の縮みや沈下を起こし易いといった難
点がある。
[ベントナイトの添加量が50%を超える場合] ベントナイトの添加量が50%以上になると、ベントナ
イトの濃度が高くなるために、泥土がゼラチン状の塊と
なって掘削土Mとの混練の作業性が低下するといった問
題が発生する。
イトの濃度が高くなるために、泥土がゼラチン状の塊と
なって掘削土Mとの混練の作業性が低下するといった問
題が発生する。
さらに、ベントナイトと清水との好適な混合比を調べる
ために、ベントナイトの添加量を変えて透水性について
試験を行った。
ために、ベントナイトの添加量を変えて透水性について
試験を行った。
<試験例1> (試料土) 塩分を含む土砂 土の粒度:74μm以下が20% 土の透水係数:4×10-4cm/sec 試料土I:上記土砂に粉状態のベントナイトを直線混合
した試料 試料土II:上記土砂に、清水中でベントナイトを膨潤さ
せたベントナイト泥土を混合した試料 (ベントナイトの添加量) 土の乾土重量に対し、4%、6%、8%の3種類のベン
トナイトを添加した。
した試料 試料土II:上記土砂に、清水中でベントナイトを膨潤さ
せたベントナイト泥土を混合した試料 (ベントナイトの添加量) 土の乾土重量に対し、4%、6%、8%の3種類のベン
トナイトを添加した。
試料土IIの透水係数は、試料土Iの場合に比べて2倍か
ら3倍程度低くなることが確認できた。
ら3倍程度低くなることが確認できた。
つまり、透水係数が低いということは、止水性が良好で
あるということを意味する。
あるということを意味する。
<試験例2> (試料土) 塩分に汚染されない土砂 土の粒度:74μm以下が20% 試料土III:上記土砂に直接粉状態のベントナイトを混
合攪拌した試料 試料土IV:上記土砂に、清水中でベントナイトを膨潤さ
せたベントナイト泥土を混合した試料 (ベントナイトの添加量) 土の乾土重量に対し、2%、4%、6%、の3種類のベ
ントナイトを添加した。
合攪拌した試料 試料土IV:上記土砂に、清水中でベントナイトを膨潤さ
せたベントナイト泥土を混合した試料 (ベントナイトの添加量) 土の乾土重量に対し、2%、4%、6%、の3種類のベ
ントナイトを添加した。
塩分に汚染されない土砂に対しても、清水で膨潤させた
ベントナイト泥土を混合した試料土IVの方が、試料土II
Iに比べて止水性が良好であることが確認できた。
ベントナイト泥土を混合した試料土IVの方が、試料土II
Iに比べて止水性が良好であることが確認できた。
<試験例3>(第3図) この試験は、下記の条件に従って製造した2種類の試料
土からなる止水壁の経時的な透水係数の変化について試
験した。
土からなる止水壁の経時的な透水係数の変化について試
験した。
(試料土) 土砂の粒度:74μm以下が20% 試料土V:上記土砂に直接粉状態のベントナイトを混合
した試料 試料土VI:上記土砂に清水1に対し、0.5%のベント
ナイトを膨潤させたベントナイト泥土を混合した試料 (試験方法) 第3図に示すように、上下端に小口を有する容器7内に
上記の試料土V、VIそれぞれ収納し、容器7の上部側か
ら海水8を注入する。
した試料 試料土VI:上記土砂に清水1に対し、0.5%のベント
ナイトを膨潤させたベントナイト泥土を混合した試料 (試験方法) 第3図に示すように、上下端に小口を有する容器7内に
上記の試料土V、VIそれぞれ収納し、容器7の上部側か
ら海水8を注入する。
そして、容器7の上口側から3Kg/cm2の圧力で加
圧して、下口側からの透水性を試験した。
圧して、下口側からの透水性を試験した。
(ベントナイトの添加量) 土の乾土重量に対し、4%、6%、8%の3種類のベン
トナイトを添加した。
トナイトを添加した。
試料土Vの場合は、時間の経過に伴って透水係数が大き
く変化するが、試料土VIの場合には長時間経過しても透
水係数はほとんど変化しない。
く変化するが、試料土VIの場合には長時間経過しても透
水係数はほとんど変化しない。
すなわち、粉末状態のベントナイトを塩分で汚染された
土砂に混合して使用するよりも、あらかじめベントナイ
トを膨潤させて製造したベントナイト泥土6を、土砂に
混合して使用する方が、長時間に渡って良好な止水性を
維持できることが立証された。
土砂に混合して使用するよりも、あらかじめベントナイ
トを膨潤させて製造したベントナイト泥土6を、土砂に
混合して使用する方が、長時間に渡って良好な止水性を
維持できることが立証された。
<効果> 本発明は以上説明したようになるから、次のような効果
を得ることができる。
を得ることができる。
(イ)ベントナイトは、膨潤効果が大きい清水中で膨潤
させた後、掘削土と混合してトレンチ内に埋め戻され
る。
させた後、掘削土と混合してトレンチ内に埋め戻され
る。
従って、塩分に汚染された地盤であっても、塩基の影響
をまったく受けずに止水性に優れた止水壁を構築するこ
とができる。
をまったく受けずに止水性に優れた止水壁を構築するこ
とができる。
(ロ)あらかじめ製造したベントナイトと水の混合物か
らなるベントナイト泥土は、掘削土と良好に混合するの
で、均質の止水壁を構築できる。
らなるベントナイト泥土は、掘削土と良好に混合するの
で、均質の止水壁を構築できる。
(ハ)塩分に汚染された土砂と汚染されない土砂の場合
にも、ベントナイトを泥土の状態で混合した場合には、
ベントナイトを粉末状態で混合した場合に比べて、1/
2〜2/3程度の少ないベントナイトの使用量で同等の
止水性能が得られる。
にも、ベントナイトを泥土の状態で混合した場合には、
ベントナイトを粉末状態で混合した場合に比べて、1/
2〜2/3程度の少ないベントナイトの使用量で同等の
止水性能が得られる。
従って、経済的にも有利である。
第1図:止水壁の構築方法の説明図 第2図:掘削土とベントナイト泥土の混練状況の説明図 第3図:透水性 の試験装置の説明図 1:バックホー、2:トレンチ、3:混練土 4:ベントナイト泥水、5:混練ピット 6:ベントナイト泥土、M:掘削土
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−27022(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】あらかじめベントナイトを清水1重量部に
対して20%〜50%の高濃度に添加して膨潤させたベ
ントナイト泥土を製造し、 前記ベントナイト泥土に、 地盤改良予定の地盤を開削して搬出した土砂を加えて混
練した後、 この混練土を地盤改良予定地に開設した開削溝内に埋め
戻して行うことを特徴とする、 止水壁の構築工法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17241885A JPH0615768B2 (ja) | 1985-08-07 | 1985-08-07 | 止水壁の構築工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17241885A JPH0615768B2 (ja) | 1985-08-07 | 1985-08-07 | 止水壁の構築工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6233923A JPS6233923A (ja) | 1987-02-13 |
JPH0615768B2 true JPH0615768B2 (ja) | 1994-03-02 |
Family
ID=15941593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17241885A Expired - Lifetime JPH0615768B2 (ja) | 1985-08-07 | 1985-08-07 | 止水壁の構築工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0615768B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001055720A (ja) * | 1999-08-18 | 2001-02-27 | Ohbayashi Corp | 現地土の混合方法 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL1014185C2 (nl) * | 2000-01-26 | 2001-07-27 | Trisoplast Int Bv | Werkwijze voor het aanbrengen van een voor vocht ondoorlaatbare laag in de grond, alsmede een volgens een dergelijke werkwijze verkregen sleuf. |
JP7128731B2 (ja) * | 2018-12-04 | 2022-08-31 | ライト工業株式会社 | 遮水壁の構築方法 |
-
1985
- 1985-08-07 JP JP17241885A patent/JPH0615768B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001055720A (ja) * | 1999-08-18 | 2001-02-27 | Ohbayashi Corp | 現地土の混合方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6233923A (ja) | 1987-02-13 |
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