JPH0710074U - 床排水器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］排水器具の蓋体の両面が表面側として使用でき
るようにし、浴室の洗い場床などに周囲のタイルとは違
う外観的なアクセントを設けることができるようにし
た、模様替えの際にも便利な排水器具を提供する。 ［構成］床排水器具Ａは蓋体１と排水器具本体２を備え
ている。蓋体１は有底箱状で収容部１０と指掛け凹部１
２を有し、収容部１０にはタイル１１が嵌着してある。
排水器具本体２は底板２０１中央部に排水口を有する有
底箱状で、排水口下部には排水トラップ２３のトラップ
ボックス２４が一体に設けてある。排水器具本体２の四
箇所の角部には載置段部２２０を有する載置具２２が設
けてある。蓋体１を載置段部２２０に載置すると、排水
器具本体２と蓋体１の間に導水隙間が形成される。トラ
ップボックス２４の底部と側部には排水筒２５、２６が
縦横方向に設けてある。トラップボックス２４内には椀
体２８、導水具２９、目皿２１、パッキンＰが装着され
ている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は床排水器具に係り、特に浴室の洗い場床等に埋設して使用する床排水 器具に関するものである。

【０００２】

【従来技術】

浴室の洗い場床等には排水器具が埋設されて使用されている。従来、この排水 器具は排水を円滑に行うという機能性が重要視されてきたが、最近ではそれに加 えて浴室内の床面や壁面あるいは浴槽との外観的な調和が図られるようになって きた。 そのような排水器具の一例として、実開平５−２７１７３号公報に示された浴 室用排水器がある。この排水器は、四角筒状のベース本体と、タイル収納体を備 え、タイル収納体をその周縁部に導水用の隙間を設けてベース本体開口部に装着 できるようにしたもので、タイル収納体に床タイルと同じタイルを収納すれば、 排水部が床部と調和して目立たないというものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記したような従来の排水器には、次のような課題があった。 （ａ）タイル収納体は底部に脚ピンを設けてベース本体との間に通水路を形成す る構造であるため、タイル収納体を裏向きに設置するとピンが上方に突出するの でタイル収納体を表裏置き変えることはできない。 つまり、常に脚ピン側を下側にして設置しなければならず、排水器の上面には 常にタイル面しか表れない。このため、外観的な融通がきかず、浴室内の雰囲気 を変えたいときなどに不便である。 （ｂ）持上用回動板は導水用の狭い隙間分に設けてあるので操作がしにくく、タ イル収納体の取り外しが面倒である。 （ｃ）ベース本体は単に筒状で底部がなく、水封機能も備えていない。従って、 導水部から悪臭や虫が上がってくるので不衛生である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために講じた本考案の手段は次のとおりである。 第１の手段は、 板状物を収容する有底箱状の収容部が形成してある蓋体と、 蓋体を嵌め込んで装着できる上部開口部と、排水口とを有する排水器具本体と 、を備え、 排水器具本体には、蓋体を嵌め込み装着したときに蓋体の外周部及び底部と排 水器具本体との間に導水隙間が形成されるように設定してある載置部が設けてあ る、 床排水器具である。

【０００５】 第２の手段は、 蓋体の収容部に板状物を収容した、第１の手段に係る床排水器具である。

【０００６】 第３の手段は、 蓋体の側面に指掛け凹部が設けてある、第１または第２の手段にかかる床排水 器具である。

【０００７】 第４の手段は、 排水器具本体とは別に設けられた水封式の排水トラップが排水器具本体の排水 口に装着してある、第１、第２または第３の手段にかかる床排水器具である。

【０００８】 第５の手段は、 排水器具本体と水封式の排水トラップは一体に設けてある、第１、第２または 第３の手段にかかる床排水器具である。

【０００９】 第６の手段は、 排水トラップのトラップボックス底部には排水部が縦方向に設けてある、第４ または第５の手段にかかる床排水器具である。

【００１０】 第７の手段は、 排水トラップのトラップボックス側部には排水部が横方向に設けてある、第４ または第５の手段にかかる床排水器具である。

【００１１】 第８の手段は、 排水トラップのトラップボックス底部には第１の排水部が縦方向に設けてあり 、トラップボックス側部には第２の排水部が横方向に設けてある、第４または第 ５の手段にかかる床排水器具である。

【００１２】

【作用】

収容部に板状物、例えばタイルを収容した蓋体は、表側にはタイル面が表れ、 裏側には蓋体の裏面の素材、例えば、金属面や合成樹脂面が表れる。蓋体は、排 水器具本体に装着する際に、板状物表面を上に向けることもできるし、蓋体裏面 を上に向けることもできる。これによって蓋体の表面に変化を持たせることがで きる。なお、蓋体が合成樹脂製の場合は、色は目地と同じ色（白色）か灰色等、 目立ちにくい色が好ましい。 蓋体側面に指掛け凹部が設けてあるものは、蓋体の取り外しが簡単にできる。 排水器具本体に排水トラップが設けてあるものは、水封機能により悪臭や虫が 上がってくることはない。また、排水トラップに横方向に排水部が設けてあるも のは、排水管を横方向につなぐことができるので省スペース化できる。更に、排 水トラップに縦横方向に二つの排水部が設けてあるものは、施工の際に任意の排 水部を選択でき、施工が容易になり、設計の幅も拡がる。

【００１３】

【実施例】

本考案を図面に示した実施例に基づき更に詳細に説明する。 図１は本考案にかかる床排水器具の第１の実施例を示す分解斜視図、図２は要 部縦断面図、図３は平面図である。 符号Ａは床排水器具で、蓋体１と排水器具本体２を備えている。 まず、蓋体１から説明する。 蓋体１は合成樹脂で有底箱状に成型されており、板状物を収容する収容部１０ が形成してある。収容部１０は底板１５を備えている。底板１５の周囲には側壁 １４が立設してある。各側壁１４のうちの一辺の中央部には全高さにわたり半円 形の指掛け凹部１２が設けてある。収容部１０には板状物であるタイル１１が嵌 着してある。

【００１４】 タイル１１は、収容部１０に収容できる正方形で、一辺には指掛け凹部１２と 対応する半円形の嵌合凹部１３が設けてある。 タイル１１を嵌着した蓋体１は、蓋体１の厚みを有する板状体となっている。 なお、収容部１０にはタイルの他に、木材板、天然石板、人工の大理石板など各 種の板状物が収容できる。 また、蓋体１は排水器具本体２に装着する際に、裏面を上に向けて載置するこ ともできるが、その際は収容部１０の充填材として木材板等を収容しておくと補 強材となると共に、収容部１０内に湯あかが溜るのを防止できる。

【００１５】 次に排水器具本体２について説明する。 排水器具本体２は合成樹脂製で、底板２０１を備え上部が開口した平面視ほぼ 正方形の箱状に形成してある。底板２０１の周囲には側壁２００が立設してあり 、底板２０１と共に蓋体１の収容部２０２を構成している。 側壁２００の一辺の長さは、前記蓋体１の一辺の長さよりやや長く形成してあ る。排水器具本体２の底板２０１の中央部には排水口（図では見えない）が設け てあり、排水口には目皿２１が取り外し可能に装着してある。

【００１６】 側壁２００と底板２０１を含む排水器具本体２の四箇所の角部には載置具２２ が設けてある。載置具２２は、前記蓋体１の四隅部を載置嵌合できる載置段部２ ２０が内側に設けてある。なお、排水器具本体２及び蓋体１がやや大型となる場 合は、必要に応じて載置具２２を側壁２００の中間部に補強的に設けることもで き、更には載置具２２自体を大きく形成することもできる。 そして、蓋体１を載置段部２２０に載置嵌合すると、図２及び図３に示すよう に排水器具本体２の底板２０１と蓋体１の間、及び側壁２００と蓋体１の側壁１ ４との間に導水隙間Ｓが形成される。

【００１７】 排水器具本体２の下側には排水トラップ２３が設けてある。排水トラップ２３ は底板２０１と一体に成型されたトラップボックス２４を有している。トラップ ボックス２４の底部には、二重管に形成された第１の排水筒２５が縦方向に設け てある。また、トラップボックス２４の下部側部には第２の排水筒２６が横方向 に設けてある。排水筒２５は二重管となっているので口径の違う排水管を接続す ることができる。そして、排水筒２５、２６にはキャップＣ１、Ｃ２が必要に応 じて被せられ、接着される。つまり施工時には、使用しない側の排水筒にキャッ プが取り付けられることになる。

【００１８】 トラップボックス２４の内底部には三箇所に椀受リブ２７（図２に図示）が設 けてあり、椀受リブ２７にはトラップボックス２４より小径の椀体２８が載置装 着されている。 椀体２８の上部には導水具２９が配設してある。導水具２９の筒部２９０は椀 体２８内に配設してあり、椀体２８内に溜る水で排水器具本体２と排水筒２５、 ２６の間を水封できるようにしてある。なお、導水具２９と前記目皿２１の装着 は、本実施例では爪部を落し込んで回して係合する一般的な手段が使用されてい るが、他の手段を採用してもよい。また、符号Ｐはパッキンである。

【００１９】 図４は施工状態を示す説明図である。図１ないし図４を参照して本実施例の作 用を説明する。 洗い場床への埋設施工時においては、排水トラップ２３の排水筒２５、２６の うち、好適な排水筒に排水管（図示省略）を接続し、他方にはキャップを被冠し て床排水器具を設置しておく。 蓋体１は、通常はタイル１１表面が上面に表れるように、蓋体１の底板１５側 を載置具２２に載置嵌合して排水器具本体２に装着して使用する。なお、タイル １１は一般には床部のタイル１１ａと同じものを使用するが、それに限定はせず 、外観上調和するものであれば色あるいは模様の違うタイルを使用してもよい。

【００２０】 洗い場床の排水は蓋体１と排水器具本体２の間に設けてある導水隙間Ｓから排 水器具本体２内へ導入され、排水トラップ２３を通り排水される。 清掃等の際に蓋体１を取り外すときは、指を蓋体１の指掛け凹部１２に引っ掛 けて持ち上げれば簡単に外すことができる。 また、例えば浴室内の雰囲気を変えたいとき、その一つの方法として、蓋体１ を裏返し、底板１５の合成樹脂面が上面に表れるようにする。こうすれば、床部 に周囲のタイルとは違う、いわばアクセントが設けられ、タイル面を表したとき とはまた違った雰囲気を楽しむことができる。

【００２１】 図５は床排水器具の第２の実施例を示す分解斜視図である。 本実施例においては、蓋体１は長方形状に形成されており、収容部１０内部に は四枚のタイル１１が境界部分に目地部１１０を設けて嵌着してある。目地部１ １０には目地材が充填されている。また排水器具本体２も同様に長方形状に形成 してあり、底板２０１の側壁２００を含む四隅部分には載置段部２２０を有する 載置具２２が設けてある。また、底板２０１の長さ方向中間部の側壁２００を含 む二箇所には載置段部２２０ａを有する載置具２２ａが設けてある（手前側の載 置具２２ａは見えない）。

【００２２】 底板２０１の一端寄りには排水口２０３が設けてあり、その周縁部にはフラン ジ２０４がやや低く設けてある。排水具本体２の排水口２０３には、排水器具本 体２とは別体に形成された排水トラップ２３ａが装着されている。 排水トラップ２３ａのトラップボックス２４内部にはトラップ部品が装着され る。トラップ部品には椀体２８、導水具２９、目皿２１及びトラップボックス２ ４を固定するための挟持具３０、パッキンＰがある。なお、トラップボックス２ ４には、前記排水トラップ２３と相違して、横方向の排水筒２６のみが設けてあ る。

【００２３】 図６は床排水器具の第３の実施例を示す分解斜視図である。 本実施例においては、排水トラップ２３ｂのトラップボックス２４には、前記 排水トラップ２３と相違して、縦方向の排水筒２６のみが設けてある。 なお、第２、第３の実施例共に、作用効果については排水方向に関する点を除 いて前記実施例とほぼ同様である。また、図５、図６において図１に示す第１の 記実施例と同一または同等箇所には同一符号を付して示している。 本考案は図示の実施例に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲の 記載内において種々の変形が可能である。

【００２４】

【考案の効果】

本考案は上記構成を備え、次の効果を有する。 （ａ）蓋体にタイル等の板状物を収容したものにあっては、排水器具本体に板状 物側を上面にして装着することもできるし、底板側を上面にして装着することも できる。従って、浴室内の雰囲気を変えたいときに、一つの方法として、蓋体を 裏返して違った面が上面に表れるようにすることができる。このように、例えば タイル面から合成樹脂面あるいは金属面に変えることにより床部に周囲のタイル とは違う、いわば外観的なアクセントが設けられる等、それまでとはまた違った 雰囲気を楽しむことができる。 （ｂ）蓋体に指掛け凹部を設けたものは、清掃等の際に蓋体を取り外すときに指 を指掛け凹部に引っ掛けて持ち上げれば簡単に外すことができ、面倒がない。

【００２５】 （ｃ）排水器具本体に排水トラップを設けたものは、水封機能を有しているので 、悪臭や虫が上がってくることもなく、衛生的である。 （ｄ）排水トラップに横方向に排水部が設けてあるものは、排水管を横方向につ なぐことができるので省スペース化できる。更に、排水トラップに縦横方向に二 つの排水部が設けてあるものは、施工の際に任意の排水部を選択でき、施工が容 易になり、設計の幅も拡がる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる床排水器具の第１の実施例を示
す分解斜視図。

【図２】床排水器具の第１の実施例を示す要部縦断面
図。

【図３】床排水器具の第１の実施例を示す平面図。

【図４】施工状態を示す説明図。

【図５】床排水器具の第２の実施例を示す分解斜視図。

【図６】床排水器具の第３の実施例を示す分解斜視図。

【符号の説明】

Ａ 床排水器具 １ 蓋体 ２ 排水器具本体 １０ 収容部 １１ タイル １２ 指掛け凹部 １５ 底板 ２２ 載置具 ２２０ 載置段部 ２３ 排水トラップ ２４ トラップボックス ２５ 第１の排水筒 ２６ 第２の排水筒

【手続補正書】

【提出日】平成５年１２月２８日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

【図５】

【図６】

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 板状物を収容する有底箱状の収容部が形
   成してある蓋体と、 この蓋体を嵌め込んで装着できる上部開口部と、排水口
   とを有する排水器具本体と、 を備え、 前記排水器具本体には、前記蓋体を嵌め込み装着したと
   きに蓋体の外周部及び底部と排水器具本体との間に導水
   隙間が形成されるように設定してある載置部が設けてあ
   る、 床排水器具。
2. 【請求項２】 蓋体の収容部に板状物を収容した、請求
   項１記載の床排水器具。
3. 【請求項３】 蓋体の側面に指掛け凹部が設けてある、
   請求項１または２記載の床排水器具。
4. 【請求項４】 排水器具本体とは別に設けられた水封式
   の排水トラップが排水器具本体の排水口に装着してあ
   る、請求項１、２または３記載の床排水器具。
5. 【請求項５】 排水器具本体と水封式の排水トラップは
   一体に設けてある、請求項１、２または３記載の床排水
   器具。
6. 【請求項６】 排水トラップのトラップボックス底部に
   は排水部が縦方向に設けてある、請求項４または５記載
   の床排水器具。
7. 【請求項７】 排水トラップのトラップボックス側部に
   は排水部が横方向に設けてある、請求項４または５記載
   の床排水器具。
8. 【請求項８】排水トラップのトラップボックス底部には
   第１の排水部が縦方向に設けてあり、トラップボックス
   側部には第２の排水部が横方向に設けてある、請求項４
   または５記載の床排水器具。