JP2518600Y2

JP2518600Y2 - 床排水器具

Info

Publication number: JP2518600Y2
Application number: JP1993043955U
Authority: JP
Inventors: 信義島
Original assignee: 信義島
Priority date: 1993-07-15
Filing date: 1993-07-15
Publication date: 1996-11-27
Anticipated expiration: 2006-11-27
Also published as: JPH0710074U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は浴室の洗い場床等に埋設
して使用する床排水器具に係り、さらに詳しくは両面が
使用できる蓋体を有する床排水器具に関するものであ
る。

【０００２】

【従来技術】浴室の洗い場床等には排水器具が埋設され
て使用されている。従来、この排水器具は排水を円滑に
行うという機能性が重要視されてきたが、最近ではそれ
に加えて浴室内の床面や壁面あるいは浴槽との外観的な
調和が図られるようになってきた。そのような排水器具
の一例として、実開平４−１１２９５６号公報や実開平
５−２７１７３号公報に開示された浴室用排水器があ
る。この排水器は、四角筒状のベース本体と、タイル収
納体を備え、該タイル収納体をその周縁部に導水用の隙
間を設けてベース本体開口部に装着できるようにしたも
ので、タイル収納体に床タイルと同じタイルを収納すれ
ば、排水部が床部と調和して目立たないというものであ
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、実開平４−１
１２９５６号公報に開示されている皿状蓋体の裏面には
放射状に形成された補強リブが下方に突設形成されてい
る。また、該皿状蓋体の四辺にはベース本体との間に通
水路を形成するリブ脚部が突設されている。皿状蓋体は
上記したような構造であるため、これを裏向きに設置す
ると補強リブ及びリブ脚部が上方に突出するばかりでな
く、ベース本体との間に通水路が形成されなくなる。こ
のため、皿状蓋体の裏面を上に設置して使用することは
できない。つまり、常に裏面側を下側にして設置しなけ
ればならず、排水器の上面には常にタイル面しか表れな
いので、外観的な融通がきかず、浴室内の雰囲気を変え
たいときなどに不便であるという課題がある。

【０００４】実開平５−２７１７３号公報に開示されて
いるタイル収納体は底部に脚ピンを設けてベース本体と
の間に通水路を形成する構造であるためにタイル収納体
を裏向きに設置すると、ピンが上方に突出する。従って
実開平４−１１２９５６号公報に開示されているタイル
収納体の場合と同様な課題がある。

【０００５】そこで本考案の目的は、タイル収容部に板
状物を収容することによって蓋体の両面が使用でき、且
つ排水器具本体に蓋体を嵌め込み装着したときに蓋体の
外周部及び底部と排水器具本体との間に導水隙間が形成
される床排水器具を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に講した本考案の手段は次のとおりである。第１の手段
は、両面が使用できる蓋体を有する床排水器具であっ
て、一方の面には板状物を収容することによって平面が
形成される収容部が形成してあり、他方の面は平面に形
成してある有底箱状の蓋体と、下部に排水口を有し、上
部の開口部には前記蓋体が嵌め込んで装着される排水器
具本体と、を備え、前記排水器具本体には、前記蓋体を
嵌め込み装着したときに蓋体の外周部及び底部と排水器
具本体との間に導水隙間が形成されるように構成された
蓋体の載置部が設けてあることを特徴とする、床排水器
具である。

【０００７】第２の手段は、蓋体の収容部に板状物を収
容したことを特徴とする、第１の手段に係る床排水器具
である。

【０００８】第３の手段は、蓋体の側面に指掛け凹部が
設けてあることを特徴とする、第１または第２の手段に
かかる床排水器具である。

【０００９】第４の手段は、排水器具本体とは別に設け
られた水封式の排水トラップが排水器具本体の排水口に
装着してあることを特徴とする、第１、第２または第３
の手段にかかる床排水器具である。

【００１０】第５の手段は、排水器具本体と水封式の排
水トラップは一体に設けてあることを特徴とする、第
１、第２または第３の手段にかかる床排水器具である。

【００１１】第６の手段は、排水トラップのトラップボ
ックス底部には排水部が縦方向に設けてあることを特徴
とする、第４または第５の手段にかかる床排水器具であ
る。

【００１２】第７の手段は、排水トラップのトラップボ
ックス側部には排水部が横方向に設けてあることを特徴
とする、第４または第５の手段にかかる床排水器具であ
る。

【００１３】第８の手段は、排水トラップのトラップボ
ックス底部には第１の排水部が縦方向に設けてありトラ
ップボックス側部には第２の排水部が横方向に設けてあ
ることを特徴とする第４または第５の手段にかかる床排
水器具である。

【００１４】

【作用】収容部に板状物、例えばタイルを収容した蓋体
は、表側にはタイル面が表れ、裏側には蓋体の裏面の素
材、例えば、金属面や合成樹脂面が表れる。蓋体は、排
水器具本体に装着する際に、板状物表面を上に向けるこ
ともできるし、蓋体裏面を上に向けることもできる。こ
れによって蓋体の表面に変化を持たせることができる。
なお、蓋体が合成樹脂製の場合は、色は目地と同じ色
（白色）か灰色等、目立ちにくい色が好ましい。

【００１５】蓋体側面に指掛け凹部が設けてあるもの
は、蓋体の取り外しが簡単にできる。排水器具本体に排
水トラップが設けてあるものは、水封機能により悪臭や
虫が上がってくることを防止できる。また、排水トラッ
プの横方向に排水部が設けてあるものは、排水管を横方
向につなぐことができるので高さ方向に対する省スペー
ス化が可能となる。更に、排水トラップに縦横方向に二
つの排水部が設けてあるものは、施工の際に任意の排水
部を選択できる。

【００１６】

【実施例】本考案を図面に示した実施例に基づき更に詳
細に説明する。図１は本考案にかかる床排水器具の第１
の実施例を示す分解斜視図、図２は要部縦断面図、図３
は平面図である。符号Ａは床排水器具で、蓋体１と排水
器具本体２を備えている。まず、蓋体１から説明する。
蓋体１は合成樹脂で平面視略正方形の有底箱状に成型さ
れており、板状物を収容する収容部１０が形成してあ
る。収容部１０は底板１５を備えている。底板１５の周
囲には側壁１４が立設してある。各側壁１４のうちの一
辺の中央部には全高さにわたり半円形の指掛け凹部１２
が設けてある。収容部１０には板状物であるタイル１１
が嵌着してある。

【００１７】タイル１１は、収容部１０に収容できる形
状で、一辺には指掛け凹部１２と対応する半円形の嵌合
凹部１３が設けてある。タイル１１を嵌着した蓋体１
は、蓋体１の厚みを有する板状体となっている。なお、
収容部１０にはタイルの他に、木材板、天然石板、人工
の大理石板など各種の板状物が収容できる。また、蓋体
１は排水器具本体２に装着する際に、裏面を上に向けて
載置することもできるが、その際は収容部１０の充填材
として木材板等を収容しておくと補強材となると共に、
収容部１０内に湯垢が溜るのを防止できる。

【００１８】次に排水器具本体２について説明する。排
水器具本体２は合成樹脂製で、底板２０１を備え上部が
開口した平面視ほぼ正方形の箱状に形成してある。底板
２０１の周囲には側壁２００が立設してあり、底板２０
１と共に蓋体１の収容部２０２を構成している。側壁２
００の一辺の長さは、前記蓋体１の一辺の長さよりやや
長く形成してある。排水器具本体２の底板２０１の中央
部には排水口（図では見えない）が設けてあり、排水口
には目皿２１が取り外し可能に装着してある。

【００１９】側壁２００と底板２０１を含む排水器具本
体２の四箇所の角部には載置部２２が設けてある。載置
部２２は、前記蓋体１の四隅部を載置嵌合できる載置段
部２２０が内側に設けてある。なお、排水器具本体２及
び蓋体１がやや大型となる場合は、必要に応じて載置部
２２を側壁２００の中間部に補強的に設けることもで
き、更には載置部２２自体を大きく形成することもでき
る。そして、蓋体１を載置段部２２０に載置嵌合する
と、図２及び図３に示すように排水器具本体２の底板２
０１と蓋体１の間、及び側壁２００と蓋体１の側壁１４
との間に導水隙間Ｓが形成される。

【００２０】排水器具本体２の下側には排水トラップ２
３が設けてある。排水トラップ２３は底板２０１と一体
に成型されたトラップボックス２４を有している。トラ
ップボックス２４の底部には、二重管に形成された縦排
水筒２５が縦方向に設けてある。また、トラップボック
ス２４の下部側部には横排水筒２６が横方向に設けてあ
る。縦排水筒２５は二重管となっているので口径の違う
排水管を接続することができる。そして、縦排水筒２５
及び横排水筒２６にはキャップＣ１、Ｃ２が択一的に被
せられて接着される。つまり施工時には、使用しない側
の排水筒にキャップが取り付けられることになる。

【００２１】トラップボックス２４の内底部には三箇所
に椀受リブ２７（図２に図示）が設けてあり、椀受リブ
２７にはトラップボックス２４より小径の椀体２８が載
置装着されている。椀体２８の上部には導水具２９が配
設してある。導水具２９の筒部２９０は椀体２８内に配
設してあり、椀体２８内に溜る水で水封できるようにし
てある。なお、導水具２９と前記目皿２１の装着は、本
実施例では爪部を落し込んで回して係合する一般的な手
段が使用されているが、他の手段を採用してもよい。符
号Ｐはパッキンである。

【００２２】図４は施工状態を示す説明図である。図１
ないし図４を参照して本実施例の作用を説明する。洗い
場床への埋設施工時においては、排水トラップ２３の縦
排水筒２５及び横排水筒２６のうち、好適な排水筒に排
水管（図示省略）を接続し、他方にはキャップを被冠し
て床排水器具を設置しておく。蓋体１は、通常はタイル
１１表面が上面に表れるように、蓋体１の底板１５側を
載置部２２に載置嵌合して排水器具本体２に装着して使
用する。なお、タイル１１は一般には床部のタイル１１
ａと同じものを使用するが、それに限定はせず、外観上
調和するものであれば色あるいは模様の違うタイルを使
用してもよい。

【００２３】洗い場床の排水は蓋体１と排水器具本体２
の間に設けてある導水隙間Ｓから排水器具本体２内へ導
入され、排水トラップ２３を通り排水される。清掃等の
際に蓋体１を取り外すときは、指を蓋体１の指掛け凹部
１２に引っ掛けて持ち上げれば簡単に外すことができ
る。また、例えば浴室内の雰囲気を変えたいとき、その
一つの方法として、蓋体１を裏返し、底板１５の合成樹
脂面が上面に表れるようにする。こうすれば、床部に周
囲のタイルとは違う、いわばアクセントが設けられ、タ
イル面を表したときとはまた違った雰囲気を楽しむこと
ができる。

【００２４】図５は床排水器具の第２の実施例を示す分
解斜視図である。本実施例においては、蓋体１は長方形
状に形成されており、収容部１０内部には四枚のタイル
１１が境界部分に目地部１１０を設けて嵌着してある。
目地部１１０には目地材が充填されている。また排水器
具本体２も同様に長方形状に形成してあり、底板２０１
の側壁２００を含む四隅部分には載置段部２２０を有す
る載置部２２が設けてある。また、底板２０１の長さ方
向中間部の側壁２００を含む二箇所には載置段部２２０
ａを有する載置部２２ａが設けてある（手前側の載置部
２２ａは見えない）。

【００２５】底板２０１の一端寄りには排水口２０３が
設けてあり、その周縁部にはフランジ２０４がやや低く
設けてある。排水具本体２の排水口２０３には、排水器
具本体２とは別体に形成された排水トラップ２３ａが装
着されている。排水トラップ２３ａのトラップボックス
２４内部にはトラップ部品が装着される。トラップ部品
には椀体２８、導水具２９、目皿２１及びトラップボッ
クス２４を固定するための挟持具３０、パッキンＰがあ
る。なお、トラップボックス２４には、前記排水トラッ
プ２３と相違して、横排水筒２６のみが設けてある。

【００２６】図６は床排水器具の第３の実施例を示す説
明図である。本実施例においては、排水トラップ２３ｂ
のトラップボックス２４には、前記排水トラップ２３と
相違して、縦排水筒２５のみが設けてある。なお、第
２、第３の実施例共に、作用効果については排水方向に
関する点を除いて前記実施例とほぼ同様である。また、
図５、図６において図１に示す第１の記実施例と同一ま
たは同等箇所には同一符号を付して示している。本考案
は図示の実施例に限定されるものではなく、実用新案登
録請求の範囲の記載内において種々の変形が可能であ
る。

【００２７】

【考案の効果】本考案は上記構成を備え、次の効果を有
する。（ａ）タイル収容部に板状物を収容することによって蓋
体の両面が使用でき、且つ排水器具本体に蓋体を嵌め込
み装着したときに蓋体の外周部及び底部と排水器具本体
との間に導水隙間が形成される床排水器具が提供でき
る。つまり収容部に例えばタイルを収容した蓋体は、表
側にはタイル面が表れ、裏側には蓋体の裏面の素材、例
えば、金属面や合成樹脂面が表れる。蓋体は、排水器具
本体に装着する際に、板状物表面を上に向けることもで
きるし、蓋体裏面を上に向けることもできる。これによ
って蓋体の表面に変化を持たせることができる。

【００２８】（ｂ）蓋体に指掛け凹部を設けたものは、
清掃等の際に蓋体を取り外すときに指を指掛け凹部に引
っ掛けて持ち上げれば簡単に外すことができ、面倒がな
い。

【００２９】（ｃ）排水器具本体に排水トラップを設け
たものは、水封機能を有しているので悪臭や虫が上がっ
てくることを防止でき、衛生的である。（ｄ）排水トラップに横方向に排水部が設けてあるもの
は、排水管を横方向につなぐことができるので高さ方向
に対する省スペース化が可能となる。更に、排水トラッ
プに縦横方向に二つの排水部が設けてあるものは、施工
の際に任意の排水部を選択できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる床排水器具の第１の実施例を示
す分解斜視図。

【図２】床排水器具の第１の実施例を示す要部縦断面
図。

【図３】床排水器具の第１の実施例を示す平面図。

【図４】施工状態を示す説明図。

【図５】床排水器具の第２の実施例を示す分解斜視図。

【図６】床排水器具の第３の実施例を示す説明図。

【符号の説明】

Ａ床排水器具１蓋体２排水器具本体１０収容部１１タイル１２指掛け凹部１５底板２２載置部２２０載置段部２３排水トラップ２４トラップボックス２５縦排水筒２６横排水筒

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】両面が使用できる蓋体を有する床排水器
具であって、一方の面には板状物を収容することによって平面が形成
される収容部（１０）が形成してあり、他方の面は平面
に形成してある有底箱状の蓋体（１）と、下部に排水口を有し、上部の開口部には前記蓋体（１）
が嵌め込んで装着される排水器具本体（２）と、を備え、前記排水器具本体（２）には、前記蓋体（１）を嵌め込
み装着したときに蓋体（１）の外周部及び底部と排水器
具本体（２）の間に導水隙間（Ｓ）が形成されるように
構成された蓋体（１）の載置部（２２）が設けてあるこ
とを特徴とする、床排水器具。
【請求項２】蓋体（１）の収容部（１０）に板状物を
収容したことを特徴とする請求項１記載の床排水器具。
【請求項３】蓋体（１）の側面に指掛け凹部（１２）
が設けてあることを特徴とする、請求項１または２記載
の床排水器具。
【請求項４】排水器具本体（２）とは別に設けられた
水封式の排水トラップが排水器具本体の排水口に装着し
てあることを特徴とする、請求項１、２または３記載の
床排水器具。
【請求項５】排水器具本体と水封式の排水トラップは
一体に設けてあることを特徴とする、請求項１、２また
は３記載の床排水器具。
【請求項６】排水トラップのトラップボックス底部に
は排水部が縦方向に設けてあることを特徴とする、請求
項４または５記載の床排水器具。
【請求項７】排水トラップのトラップボックス側部に
は排水部が横方向に設けてあることを特徴とする、請求
項４または５記載の床排水器具。
【請求項８】排水トラップのトラップボックス底部に
は第１の排水部が縦方向に設けてあり、トラップボック
ス側部には第２の排水部が横方向に設けてあることを特
徴とする、請求項４または５記載の床排水器具。