JPH0699851A - 自動車の側部車体構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 センターピラーとサイドシルとの結合部の強
度を十分に確保してセンターピラーの車室内への倒れ込
みを防止するとともに、車体剛性を向上させることので
きる自動車の側部車体構造を提供する。 【構成】 車体両側縁に前後方向に延設されたサイドシ
ルと、上端が車体上部のルーフに接続され、下端がサイ
ドシルに連結されたセンターピラーとの連結部におい
て、サイドシルとセンターピラーの内部に、サイドシル
に沿って車体前後方向に延びる横棒部52と、センターピ
ラーに沿って上方に延びる縦棒部51とから成る逆Ｔ字形
に接合したパイプ部材５を設け、パイプ部材５の縦棒部
の上端をドアヒンジの取付部に接合するとともに、横棒
部の前後端部をサイドシルの閉断面内に固定した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、センターピラーとサイ
ドシルとの結合構造を改善した自動車の側部車体構造に
関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、自動車の側部車体構造において
は、車体下部両側に車体前後方向に延びるサイドシルと
車体上部のルーフパネル両側縁とを連結するセンターピ
ラーが設けられており、このセンターピラーは車体側方
からの衝撃に対する車体強度を確保するとともに、後部
ドアのヒンジを支持している。

【０００３】従来、このような側部車体構造において、
側方からの衝撃を受けた時に、センターピラー自体を屈
曲させようとする力が作用するとともに、センターピラ
ーを車室内に倒そうとする力が作用するものであるか
ら、センターピラー自体の強度を増大させるためにセン
ターピラーのアウタパネルとインナパネルとの間にセン
ターピラーレインフォースメントを設け、センターピラ
ーとサイドシルとの結合部に強度を持たせて車室内への
倒れ込みを防ぐためにセンターピラーレインフォースメ
ントをサイドシル上面部にまで延長したものが知られて
おり（実開昭61−41083公報参照）、また、サイドシル
自体の強度を増大させるためにサイドシルの閉断面内に
パイプ部材を車体前後方向に配設し、サイドシルの内部
空間を車体前後方向に区分する複数のフシ部材によりパ
イプ部材を支持するものが知られている（特開昭64− 1
8784号公報参照）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の自動車の側部車体構造においては、センターピラー
とサイドシルとの結合部の強度並びに後部ドアのヒンジ
を取り付ける際の強度の点でさらなる改善が求められる
ものであった。

【０００５】本発明の目的は、センターピラーとサイド
シルとの結合部の強度を十分に確保してセンターピラー
の車室内への倒れ込みを防止するとともに、車体剛性を
向上させることのできる自動車の側部車体構造を提供す
ることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の自動車の側部車
体構造は、車体両側縁に車体前後方向に延設されたサイ
ドシルと、上端が車体上部のルーフパネルに接続され、
下端がサイドシルに連結されたセンターピラーとの連結
部において、サイドシルとセンターピラーの内部に、サ
イドシルに沿って車体前後方向に延びる横棒部と、セン
ターピラーに沿って上方に延びる縦棒部とから成る逆Ｔ
字形に接合したパイプ部材を設け、パイプ部材の縦棒部
の上端をドアヒンジ取付部に接合するとともに、横棒部
の前後端部をサイドシル閉断面内に固定したものであ
り、センターピラーとサイドシルとの結合部の強度を十
分に確保してセンターピラーの車室内への倒れ込みを防
止するとともに、車体剛性を向上させることができる。
さらに、パイプ部材の横棒部を、サイドシルの内部空間
を車体前後方向に区分するフシ部材によって支持するこ
とにより、車体剛性の一層の向上を図ることができる。

【０００７】

【実施例】図１において、車体Ａはルーフ１と、フロア
パネル２の両側端に車体前後方向に延設された左右一対
のサイドシル３との間にセンターピラー４が立設されて
おり、センターピラー４の上端はルーフサイドレールに
連結され、下端はサイドシル３に連結されている。

【０００８】図２にサイドシル３とセンターピラー４の
下端との連結部を拡大して示しており、サイドシル３は
サイドシルアウタ31とサイドシルインナ32とが接合され
て中空閉断面構造に形成され、センターピラー４はセン
ターピラーアウタ41とセンターピラーインナ42とが接合
されて同じく中空閉断面構造に形成されており、サイド
シル３とセンターピラー４の下端との連結部の内部に逆
Ｔ字形に形成されたパイプ部材５が配置固定されてお
り、パイプ部材５の縦棒部51はセンターピラー４内に位
置して上方に延び、センターピラー４の外側面に固定さ
れるリアドアのドアヒンジ７をレインフォースメント６
及びセンターピラーアウタ41を介して縦棒部51にボルト
８により取付固定し、縦棒部51の上端は、図６に示され
るように、センターピラー４の外側面に上下に配置さ
れ、ボルト孔10が穿設された一対のドアヒンジ７の取付
部の上方取付部にまで延びている。また、パイプ部材５
の横棒部52はサイドシル３内に延設されており、図６に
示されるように、その前後端はサイドシル３の前後端に
達している。

【０００９】図３にサイドシルアウタ31とセンターピラ
ーアウタ41を取り除いた状態が示されており、パイプ部
材５は、縦棒部51と横棒部52とが接合されて逆Ｔ字形に
形成され、縦棒部51と横棒部52の接合部に２枚の三角形
の補強板53が縦棒部51の下端を挟んで縦棒部51と横棒部
52に溶接されてパイプ部材５を補強しており、ドアヒン
ジ７の取付部においてパイプ部材５の縦棒部51に接合さ
れているレインフォースメント６は、上下方向に適宜の
長さを有し、中央部にパイプ部材５の縦棒部51が嵌合す
る溝から成る係合部61を備え、両側縁にセンターピラー
アウタ41のフランジとセンターピラーインナ42のフラン
ジとに挟持されるフランジ62を有しており、係合部61に
はボルト８の挿通孔63が穿設されている。

【００１０】図４に示すように、ドアヒンジ７の取付部
においては、センターピラー４内から順にパイプ部材５
の縦棒部51、レインフォースメント６、センターピラー
アウタ41及びドアヒンジ７が重合されて、ボルト８で締
付固定される。

【００１１】ドアヒンジ７の取付部は、図５に示すよう
に、パイプ部材５の縦棒部51の内側に補助レインフォー
スメント９を設け、上記レインフォースメント６との間
に縦棒部51を挟持するようにしても良いものであり、こ
の補助レインフォースメント９は中央部にボルト８の挿
通孔が穿設されるとともに、両側縁にフランジが設けら
れてレインフォースメント６のフランジとセンターピラ
ーインナ42のフランジとに挟持されて固定される。

【００１２】この構成によると、パイプ部材５の縦棒部
51をセンターピラー４内に配設し、ドアヒンジ７の取付
部において、レインフォースメント６またはレインフォ
ースメント６と補助レインフォースメント９を介してド
アヒンジ７を縦棒部51に固定しているから、ドアヒンジ
７の取付部の強度を大幅に増大させることができるとと
もに、センターピラー４の強度を増大させ、側方からの
衝撃に対してセンターピラー４が車室内に倒れ込むのを
防止することができる。

【００１３】サイドシル３内に車体前後方向に延設され
ているパイプ部材５の横棒部52は、図７，８に示すよう
に、サイドシル３の内部空間を車体前後方向に複数空間
に区分するフシ部材11により支持固定されており、この
フシ部材11はパイプ部材を挟んで配置される第１部材11
ａと第２部材11ｂとに分割され、第１部材11ａはサイド
シルインナ32の内側面に合致する外形を備え、第２部材
11ｂはサイドシルアウタ31の内側面に合致する外形を備
えており、第１部材11ａと第２部材11ｂとの接合部には
横棒部52に当接して支持固定する円弧状の受け部110 が
設けられ、第１部材11ａの上端にフランジ111 、下端に
フランジ113 が設けられ、第２部材11ｂの上端にフラン
ジ112 、下端にフランジ114 が設けられており、サイド
シルアウタ31の上端フランジ311 とサイドシルインナ32
の上端フランジ321 との間に第１部材11ａのフランジ11
1 と第２部材11ｂのフランジ112 が挟持され、サイドシ
ルアウタ31の下端フランジ312 とサイドシルインナ32の
下端フランジ322 との間に第１部材11ａのフランジ113
と第２部材11ｂのフランジ114 が挟持され、横棒部52を
受け部10で保持固定する。なお、パイプ部材の上端を固
定する際に、上記サイドシル３内のフシ部材と同様のフ
シ部材をセンターピラー４内に設けて固定すると良い。

【００１４】横棒部52の前後端は端部に支持ブラケット
を固定し、支持ブラケットにフランジ部を設けてサイド
シルアウタ31の下端フランジ312 とサイドシルインナ32
の下端フランジ322 との間に挟持するとともに、横棒部
52の端部を、サイドシル３の前後端のサイドシルアウタ
31とサイドシルインナ32との接合部に形成した嵌合部に
挿通して固定するか、または横棒部52の前後端を潰して
偏平断面とし、サイドシルアウタ31の下端フランジ312
とサイドシルインナ32の下端フランジ322 との間に挟持
固定しても良いものである。

【００１５】この構成により、サイドシル３とパイプ部
材５の横棒部52とが強固に連結されるから、サイドシル
３の強度を増大させることになり、車体の捩じり剛性を
向上させることができる。

【００１６】

【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているか
ら、サイドシルとセンターピラーの内部に、逆Ｔ字形に
接合したパイプ部材を設け、パイプ部材の縦棒部の上端
をドアヒンジ取付部に接合するとともに、横棒部の前後
端部をサイドシル閉断面内に固定したものであるから、
センターピラーとサイドシルとの結合部の強度を十分に
確保してセンターピラーの車室内への倒れ込みを防止す
るとともに、車体剛性を向上させることができ、ドアヒ
ンジ取付部の強度を向上させることができる。さらに、
パイプ部材の横棒部を、サイドシルの内部空間を車体前
後方向に区分するフシ部材によって支持することによ
り、サイドシルと横棒部とを強固に連結することがで
き、車体剛性の一層の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した車体構造の斜視図である。

【図２】本発明の実施例に係るセンターピラーとサイド
シルとの結合部の構造を示す図１におけるII部の要部拡
大斜視図である。

【図３】本発明の実施例に係る図１におけるII部のアウ
タパネルを除去した状態を示す要部拡大斜視図である。

【図４】図２におけるIVーIV線断面図である。

【図５】本発明の異なる実施例を示すセンターピラー断
面図である。

【図６】本発明の実施例に係るセンターピラーとサイド
シルの斜視図である。

【図７】本発明の実施例に係るサイドシル内のパイプ部
材取付手段であるフシ部材を示す構造図である。

【図８】本発明の実施例に係るサイドシル断面図であ
る。

【符号の説明】

１ ルーフ ２ フロアパネル ３ サイドシル ４ センターピラー ５ パイプ部材 ６ レインフォースメント ７ ドアヒンジ 31 サイドシルアウタ 32 サイドシルインナ 41 センターピラーアウタ 42 センターピラーインナ 51 縦棒部 52 横棒部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体両側縁に延設されたサイドシルと、
   車体上部のルーフパネルとサイドシルとを連結するセン
   ターピラーとの連結部において、サイドシルとセンター
   ピラーの内部に、逆Ｔ字形に接合したパイプ部材を設
   け、パイプ部材の上端をドアヒンジ取付部に接合すると
   ともに、前後端部をサイドシル閉断面内に固定したこと
   を特徴とする自動車の側部車体構造。
2. 【請求項２】 パイプ部材を、サイドシルの内部空間を
   車体前後方向に区分するフシ部材によって支持すること
   を特徴とする請求項１に記載された自動車の側部車体構
   造。