JPH0699624B2 - ポリカ−ボネ−ト樹脂組成物 - Google Patents

ポリカ−ボネ−ト樹脂組成物

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JPH0699624B2
JPH0699624B2 JP16553786A JP16553786A JPH0699624B2 JP H0699624 B2 JPH0699624 B2 JP H0699624B2 JP 16553786 A JP16553786 A JP 16553786A JP 16553786 A JP16553786 A JP 16553786A JP H0699624 B2 JPH0699624 B2 JP H0699624B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐候性、耐熱安定性および低温耐衝撃性に優
れたポリカーボネート樹脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
芳香族ポリカーボネート樹脂と芳香族ポリエステル樹脂
の機械的性質、熱的性質等を改良する方法については従
来から種々の方法が提案されており、両者の組合せのみ
では耐衝撃性等が劣ることから、その改良として、例え
ば特公昭55−9435号公報には芳香族ポリエステル樹脂、
芳香族ポリカーボネート樹脂およびブタジエン系グラフ
ト共重合体からなる樹脂組成物が提案されている。かか
る樹脂組成物は耐衝撃性の改良にはある程度成功してい
るものの、本質的に耐候性に劣る欠点を有している。ま
た特開昭53−129246号公報には、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂および芳香族ポリエステル樹脂にアクリレート系
共重合体を配合することによって耐候性、耐衝撃性に優
れた成形品が得られることが開示されているが、低温に
おける耐衝撃性が劣るという欠点を有している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このように、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂の改質について種々の提案がなされているが、耐
衝撃性を改良したものは耐候性を低下させ、耐候性の良
いものは耐衝撃性が不充分であったりして、物性全般に
バランスのとれた改良はなされていない。
一方、自動車、電子電気分野での有機材料への期待は大
きく、より高度な機能、種々の異なる機能を有する有機
材料が求められている。特に自動車外装材料等従来金属
が多用されていた用途では、耐衝撃性、耐候性、耐熱性
等を満足する樹脂が求められているが、充分な対応がで
きていないため、厳しい環境下で高い物性を要求される
用途についてはその使用が制限されているのが現状であ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意検討した結
果、ポリオルガノシロキサンゴムにビニル系単量体をグ
ラフト重合させたグラフト共重合体と、ポリカーボネー
ト樹脂および飽和ポリエステル樹脂および/またはポリ
エステル系エラストマーとを配合することにより、耐熱
安定性、耐衝撃性特に低温衝撃に優れると共に、耐候
性、耐薬品性にも極めて優れた熱可塑性樹脂組成物が得
られることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポ
リカーボネート樹脂(A)、飽和ポリエステル樹脂およ
び/またはポリエステル系エラストマー(B)、および
トルエン中で測定した膨潤度が3〜30で、グラフト交叉
剤に由来する構造単位を有し、かつ平均粒子径が0.08〜
0.8μmであるポリオルガノシロキサンゴム5〜90重量
%に、少なくとも一種のビニル系単量体95〜10重量%を
グラフト重合して得られるシロキサン系グラフト共重合
体または該シロキサン系グラフト共重合体とビニル系重
合体との混合物(C)とからなり、成分(A)1〜99重
量部および成分(B)99〜1重量部に、成分(C)を、
ポリオルガノシロキサンゴム成分が全樹脂組成物の0.5
〜60重量%となる量で配合したことを特徴とする。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂(A)は、ジヒド
ロキシジアリールアルカンを主原料として用いて製造さ
れたもので、任意に枝分れ鎖を有していてもよい。かか
るポリカーボネート樹脂は公知の方法により製造される
ものであり、一般にジヒドロキシおよび/またはポリヒ
ドロキシ化合物を、ホスゲンまたは炭酸のジエステルと
反応させることにより製造される。適当なジヒドロキシ
ジアリールアルカンは、ヒドロキシ基に関してオルト位
にアルキル基、塩素原子または臭素原子を有するものも
含む。ジヒドロキシジアリールアルカンの好ましい具体
例としては、4,4′−ジヒドロキシ−2,2−ジフェニルプ
ロパン(ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノ
ールA、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイ
ソプロピルベンゼン等が挙げられる。また分岐したポリ
カーボネート樹脂は、例えばジヒドロキシ化合物の一
部、例えば0.2〜2モル%をポリヒドロキシ化合物で置
換することにより製造される。ポリヒドロキシ化合物の
具体例としては1,4−ビス−(4′,4,2′−ジヒドロキ
シトリフェニルメチル)−ベンゼン、フロログルシノー
ル、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ
−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−ト
リ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼン、1,1,1−
トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン,2,2−ビス
〔4,4−(4,4′−ジヒドロキシフェニル)−シクロヘキ
シル〕−プロパン等が挙げられる。
本発明に用いる成分(B)の飽和ポリエステル樹脂は、
芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と
アルキレングリコールとを主成分として用いて縮合反応
させて得られる樹脂で、例えばテレフタル酸、イソフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸と、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチ
レングリコール、ヘキサメチレングリコール等のグリコ
ールとを反応させて得られ、必要に応じ他のジカルボン
酸やグリコールを少量共重合してもよい。好ましい飽和
ポリエステル樹脂は、ポリテトラメチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレートおよびその混合物であ
る。
また、本発明に用いる成分(B)のポリエステル系エラ
ストマーは、高融点ポリエステルトセグメンと分子量40
0〜20000の低融点重合体セグメントとから成るブロック
共重合体である。ここで高融点ポリエステルセグメント
は、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールとを縮
合反応させて得られるポリエステルであり、具体例とし
ては上記の飽和ポリエステルの場合と同様である。一
方、低融点重合体セグメントは、ポリアルキレンエーテ
ルグリコール、例えばポリ(エチレンオキシド)グリコ
ール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポ
リ(プロピレンオキシド)グリコールおよびこれらの混
合物並びに脂肪族ポリエステル、例えば炭素数2〜12の
脂肪族ジカルボン酸と炭素数2〜10の脂肪族グリコール
とから得られるポリエステル、より具体的にはポリエチ
レンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリ
エチレンセバケート、ポリネオペンチルセバケート、ポ
リヘキサメチレンアゼレート、ポリ−ε−カプロラクト
ン等である。これらの低融点重合体セグメントのポリエ
ステル系エラストマー中の割合としては2〜80重量%が
好ましい。
本発明に用いる成分(C)のシロキサン系グラフト共重
合体は、ポリオルガノシロキサンゴム5〜90重量%と少
なくとも一種のビニル系単量体95〜10重量%とからなる
グラフト共重合体である。本発明に用いるポリオルガノ
シロキサンゴムは、オルガノシロキサン、グラフト交叉
剤および架橋剤の三成分を重合、好ましくは乳化重合さ
せて得られるもので、オルガノシロキサンとしては、R3
SiO(R3は、メチル基、エチル基、プロピル基またはフ
ェニル基を表わす)で表わされるシロキサン単位を有す
る化合物、例えばヘキサメチルトリシクロシロキサン、
オクタメチルテトラシクロシロキサン、デカメチルペン
タシクロシロキサン、ドデカメチルヘキサシクロシロキ
サン、トリメチルフェニルトリシクロシロキサン、テト
ラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オク
タフェニルシクロテトラシロキサン等が用いられ、その
使用割合はポリオルガノシロキサンゴムの60〜99.8重量
%の範囲である。
グラフト交叉剤としては、一般式(I)、(II)および
(III) HSCH2 pSi▲R1 n▼0(3−n)/2 ……(II) CH2=CH-Si▲R1 n▼0(3−n)/2 ……(III) (式中、R1はメチル基、エチル基、プロピル基またはフ
ェニル基を表わし、R2は水素原子またはメチル基を表わ
し、nは0、1または2、pは1〜6の整数を表わす) で表わされる構造単位をポリオルガノシロキサンゴム中
に形成する化合物が用いられ、特に好ましくは一般式
(I)で表わされる構造単位を形成する(メタ)アクリ
ロキシシロキサンが用いられる。(メタ)アクリロキシ
シロキサンはグラフト効率が高いため、有効なグラフト
鎖を形成しやすく、耐衝撃性発現の点で有利である。グ
ラフト交叉剤の添加量としては0.1〜20重量%が好まし
い。0.1重量%未満ではグラフト重合が不充分となり、
グラフト共重合体の組成物中での均一分散性に劣る傾向
にあり、逆に20重量%を超えるとグラフト率は増大する
ものの、得られるグラフト共重合体の重合度が低下する
傾向にあり好ましくない。
また、架橋剤としては、3官能性または4官能性のシラ
ン系架橋剤、例えばトリメトキシメチルシラン、トリエ
トキシフェニルシラン、メチルオルソシリケート、エチ
ルオルソシリケート、ブチルオルソシリケート等が用い
られる。架橋剤の使用量はポリオルガノシロキサンゴム
中0.1〜40重量%であり、ポリオルガノシロキサンゴム
の膨潤度(ポリオルガノシロキサンゴムをトルエン溶媒
下で25℃で飽和したとき、ポリオルガノシロキサンゴム
が吸収しているトルエンの重量比)が3〜30、好ましく
は3〜25の範囲になるように調整することが必要であ
る。膨潤度が3未満では架橋剤量が多くなり過ぎてゴム
弾性が得られなくなる。また膨潤度が30を超えると、樹
脂中でドメイン構造を保持できなくなり、対衝撃性能を
付与できず、単にポリジメチルシロキサンを添加するの
と同等の効果しか得られない。
なお、3官能性シラン系架橋剤よりも4官能性シラン架
橋剤の方が上記範囲の膨潤度に調整しやいので好まし
い。
ポリオルガノシロキサンゴムの膨潤度の測定は次のよう
にして行う。ポリオルガノシロキサンゴムラテックスを
約3〜5倍量のイソプロピルアルコール中に攪拌しなが
ら添加し、このエマルジョンを破壊し凝固することによ
りポリオルガノシロキサンゴムを得る。こうして得られ
たゴムを水洗した後、80℃で10時間減圧乾燥する。乾燥
後、約1gのゴムを精秤し、約30gのトルエン中に浸漬
し、25℃で100時間放置し、ゴムをトルエンで膨潤させ
る。次いで残余のトルエンをデカンテーションにより分
離除去し、精秤した後、80℃で16時間減圧乾燥し、吸収
されたトルエンを蒸発除去し、再び精秤する。膨潤度は
次式により算出される。
このポリオルガノシロキサンゴムラテックスの製造は、
例えば米国特許第2891920号、同第3294725号明細書等に
記載された方法を用いることができる。例示すれば、オ
ルガノシロキサンとグラフト交叉剤および架橋剤の混合
溶液を、乳化剤、例えばアルキルベンゼンスルホン酸、
アルキルスルホン酸等のスルホン酸系乳化剤の存在下で
水と剪断混合し、重合させて製造される。アルキルベン
ゼンスルホン酸はポリオルガノシロキサンの乳化剤とし
て作用すると同時に重合開始剤ともなるので好適であ
る。この際、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アル
キルスルホン酸金属塩等を併用すると、グラフト重合を
行う際にポリマーを安定に維持するのに効果があるので
好ましい。
このポリオルガノシロキサンゴムテックスのゴム粒子径
は、本発明の樹脂組成物の耐衝撃性能の発現性に重大な
影響をおよぼすものであり、0.08μm〜0.8μmの範囲
が好ましい。この範囲をはずれると耐衝撃性能が低下す
るので好ましくない。
このポリオルガノシロキサンゴムにグラフト重合させる
ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エチレン、プ
ロピレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、酢
酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルメタク
リレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレンジメ
タクリレート、メタクリル酸エステル、アクリル酸エス
テル、共役ジオレフィン等の一種以上が用いられる。
上記ビニル系単量体とポリオルガノシロキサンゴムとの
割合は、ポリオルガノシロキサンゴム5〜90重量%に対
し、ビニル系単量体95〜10重量%とする。ポリオルガノ
シロキサンゴム成分が5重量%未満では、本発明の樹脂
組成物の耐衝撃性改良の効果が充分でなく、また90重量
%より多いと、グラフトの効果が発揮できなくなる。ま
た該グラフト共重合体とビニル系重合体との混合物を使
用する場合には、混合物中のポリオルガノシロキサンゴ
ム成分が5〜90重量%となるようビニル系重合体を配合
する必要がある。
かかるシロキサン系グラフト共重合体は、通常の乳化重
合法によって得たポリオルガノシロキサンゴムのラテッ
クスにビニル系単量体をラジカル重合させる技術によっ
て一段あるいは多段で重合させることにより得られる。
ここでグラフト率は10%以上であることが好ましい。な
お、グラフト重合の際に用いるビニル系単量体の内、グ
ラフトに関与したビニル系単量体の割合、即ちグラフト
効率はできるだけ、100%に近い方が耐衝撃性能を発揮
するのに好適であり、この効率は使用されるグラフト交
叉剤の種類によって大きく変化する。かかる点からして
グラフト交叉剤として、前述の(I)式で示される構造
単位を形成する(メタ)アクリロキシシロキサンを用い
たポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体が好まし
い。
さらに、本発明の組成物において成分(C)として上記
シロキサン系グラフト共重合体とビニル系重合体との混
合物を用いる場合には、該ビニル系重合体としては、芳
香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体および(メ
タ)アクリル酸エステル単量体からなる群より選ばれた
一種以上の単量体70〜100重量%と、これと共重合可能
なビニル系単量体30〜0重量%とを重合して得られるも
のが用いられる。例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、メチ
ルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルからなる群より選ばれた一種以
上の単量体の重合体または共重合体およびこれら単量体
に30重量%以下の範囲でエチレン、酢酸ビニル等の他の
ビニル系単量体を共重合させた共重合体も用いられる。
これらのビニル系重合体は二種以上を併用してもよい。
ビニル系重合体の製造方法は、各種単量体をグラフトさ
せるのに容易な乳化重合法によることが好ましい。
本発明の樹脂組成物を構成するこれら各成分の配合割合
としては、ポリカーボネート樹脂(A)1〜99重量部、
および飽和ポリエステル樹脂および/またはポリエステ
ル系エラストマー(B)99〜1重量部に、シロキサン系
グラフト共重合体またはシロキサン系グラフト共重合体
とビニル系重合体との混合物(C)を、ポリオルガノシ
ロキサンゴム成分が全樹脂組成物の0.5〜60重量%とな
る量で配合する。成分(A)あるいは成分(B)が1重
量部未満では添加効果が明瞭に現われず、また成分
(C)を成分(C)中のポリオルガノシロキサンゴム成
分の量が全樹脂組成物の重量に基づいて0.5重量%未満
で配合しても本発明の改質効果、特に耐衝撃性、耐薬品
性の改良効果が充分でなく、逆に60重量%を超えると成
形加工性が低下するため好ましくない。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の調整方法は特に
限定されるものではなく、公知の技術、例えばヘンシェ
ルミキサー、タンブラー等で粉体、粒状物を混合し、こ
れを押出機、ニーダー、ミキサー等で溶融混合する方
法、あらかじめ溶融させた成分に他成分を逐次混合して
いく方法、さらには混合物を直接射出成形機で成形する
方法等各種の方法で製造することができる。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、熱ま
たは光に対する安定剤、例えばフェノール系、フォスフ
ァイト系安定剤、紫外線吸収剤、アミン系の光安定剤;
耐加水分解性等の改質剤、例えばエポキシ系のもの;公
知の難燃化剤;ガラス繊維、酸化チタン、タルク等の充
填剤;染顔料;可塑剤等を必要に応じ加えることができ
る。
〔発明の実施例〕
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。な
お、以下の記載中「部」および「%」は各々「重量部」
「重量%」を意味する。
製造例1 ポリオルガノシロキサンラテックスIの製造: エチルオルソシリケート3部、γ−メタクリロキシプロ
ピルジメトキシメチルシラン、1部およびオクタメチル
テトラシクロシロキサン96部を混合し、混合シロキサン
100部を得た。ドデシルベンゼンスルホン酸1部および
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1部を溶解した蒸留
水300部に上記の混合シロキサン100部を加え、ホモミキ
サーにて10000rpmで予備攪拌した後ホモジナイザーに30
0kg/cm2の圧力で2回通すことにより乳化、分散させ、
ポリオルガノシロキサンラテックスを得た。このラテッ
クスを、コンデンサーおよび攪拌翼を備えたセパラブル
フラスコに移し、撹拌混合しながら85℃で4時間加熱し
た後、5℃で24時間冷却した。次いで水酸化ナトリウム
水溶液でこのラテックスのpHの7.2に中和し、重合を完
結した。得られたポリオルガノシロキサンゴムの重合率
は91.2%、固形分濃度は22.74%、膨潤度は7.4であり、
ポリオルガノシロキサンゴムのゴム粒子径は0.15μmで
あった。
製造例2 ポリオルガノシロキサンラテックスIIの製造: エチルオルソシリケート3部、メルカプトプロピルジメ
トキシメチルシラン2部およびオクタメチルテトラシク
ロシロキサン95部を混合して混合シロキサン100部を得
た。以下の乳化、分散および重合は製造例1と同様に行
い、水酸化ナトリウム水溶液でpH6.8に中和した。得ら
れたポリオルガノシロキサンゴムの重合率は90.8%、固
形分濃度22.64%、膨潤度は7.0であり、ポリオルガノシ
ロキサンゴムのゴム粒子径は0.156μmであった。
製造例3 ポリオルガノシロキサンラテックスIIIの製造: エチルオルソシリケート3部、テトラビニルテトラメチ
ルテトラシクロシロキサン2部およびオクタメチルテト
ラシクロシロキサン95部を混合し混合シロキサン100部
を得た。以下の乳化、分散および重合は製造例1と同様
に行い、水酸化ナトリウム水溶液によりpH7.0に中和し
た。得られたポリオルガノシロキサンゴムの重合率は9
1.6%固形分濃度22.84%、膨潤度は7.3であり、ポリオ
ルガノシロキサンゴムのゴム粒子径は0.152μmであっ
た。
製造例4 シロキサン系グラフト共重合体S-1、S-2およびS-3の製
造: 製造例1〜3で得たポリオルガノシロキサンラテックス
I〜IIIを、各々263.9部(固形分濃度22.74%)、265.0
部(固形分濃度22.64%)、262.7部(固形分濃度22.84
%)を攪拌器を備えた別々のセパラブルフラスコに入
れ、窒素置換した後70℃に昇温し、その後アクリロニト
リル10部、スチレン30部およびt−ブチルハイドロパー
オキサイド0.08部を各々のセパラブルフラスコに仕込み
30分間撹拌した。さらにロンガリット0.12部、硫酸第一
鉄0.0002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.
0006部を水10部に溶解した水溶液を投入しラジカル重合
を開始した。1時間攪拌混合を維持し重合発熱がなくな
った後4時間反応温度を維持し、その後冷却し、重合を
終了させた。得られたグラフト共重合体の重合率は各々
97%、98.4%および96.8%、グラフト率は48%、21%お
よび18%、グラフト効率は72%、31.5%および27%であ
った。得られたラテックスを、塩化カルシウム2水塩を
5部溶解した熱水中に滴下することにより重合体を凝
固、分離し、乾燥して水分を除去し、シロキサン系グラ
フト共重合体の乾燥粉末S-1、S-2およびS-3を得た。
実施例1〜3および比較例1〜3 分子量約25000のビスフェノールAタイプのポリカーボ
ネート、極限粘度〔η〕が0.98のポリテトラメチレンテ
レフタレート、アクリロニトリル/スチレンの重量比が
25/75のAS樹脂およびポリオルガノシロキサン系グラフ
ト共重合体S-1およびS-2を表1に示す割合で秤量し、ヘ
ンシェルミキサーで4分間混合した後、30mmφの二軸押
出機にてシリンダー温度260℃で溶解混練し、ペレット
状に賦型して本発明の組成物を得た。これらのペレット
を用い各種物性を評価した結果を表1に併せて示した。
なお比較例1および2は、ポリオルガノシロキサン系グ
ラフト共重合体の代わりに、ポリブタジエン60部にアク
ロリニトリル10部、スチレン30部をグラフト重合した重
合体 ABS-1およびブチルアクリレート/スチレン/トリ
アリルイソシアヌレートの重量比が92/7/1のアクリル系
ゴム60部にアクリロニトリル10部、スチレン30部を重合
したアクリル系重合体ASA-1を用いた以外は実施例1と
同様にして製造されたものである。
なお以下の表中、アイゾット衝撃強度は ASTMD256によ
り厚さ1/4″Vノッチ付のものを測定した。また耐候性
はサンシャインウエザオメーター63℃、1000時間加速曝
露後の試片と未照射片との色差ΔEを、耐熱安定性は15
0℃ギヤオーブン中48時間加熱後の試片と未加熱片との
色差ΔEを評価した。また成形性はシリンダー温度260
℃の名機製作所製 M100射出成形機で型温60℃、射出圧5
0kg/cm2 Gで、厚さ1mm、幅10mmのキャビティを流動する
長さでmm単位で測定したものである。
表1から明らかなように、本発明の組成物から得られる
成形品は極めて良好な低温耐衝撃性を示し、比較例1の
ブタジエンゴム系のグラフト共重合体を配合した組成物
と比べ耐候性に優れ、比較例2のアクリルゴム系のグラ
フト共重合体を配合した組成物の耐候性と同等以上で、
かつ、低温衝撃性の問題もない。しかも本発明の組成物
はこれらの材料に比べ、成形加工性に優れており、大型
成形品等に好適なことがわかる。
実施例4〜7および比較例4〜5 本実施例は本発明の組成物の優れた他の特徴を例示す
る。表2に示す割合で各成分を配合し、実施例1と同様
にして本発明の組成物を得た。これを1/12″厚×1/2″
幅×5″長の試片に射出成形(シリンダー温度260℃、
全型温度60℃)し、耐薬品性をカンチレバー試験に評価
した。
薬品として、日本ペイント製自動車ウレタン系塗料用シ
ンナーを支点付近に塗布し、支点より85mmの部分に150g
の負荷をかけて破断までの時間(分)を測定した。結果
を表2に併せて示す。
なお、表中、ポリカーボネート、ポリテトラメチレンテ
レフタレートおよびAS樹脂は、実施例1〜3と同一のも
のを使用し、シロキサン系グラフト共重合体としてS-
1、S-3を用いた。また、ポリエステル系エラストマーと
して分子量約1200のポリテトラメチレンオキシドセグメ
ントを35重量%含むポリテトラメチレンテレフタレート
−ポリテトラメチレンオキシドブロック共重合体および
芳香族ポリエステル−脂肪族ポリエステルブロック共重
合体(ペルプレンS-2000、商品名、東洋紡績(株)製)
を使用した。
表2から明らかなように、本発明の組成物は極めて良好
な耐薬品性を示す。
実施例8〜14および比較例6 分子量約22000のポリカーボネート、極限粘度〔η〕が
1.08のポリテトラメチレンテレフタレート、極限粘度
〔η〕が0.72のポリエチレンテレフタレート、シロキサ
ン系グラフト共重合体、実施例3で使用したAS樹脂およ
びスチレン含有率が42%のメタクリル酸メチル−スチレ
ン共重合体(MS樹脂)を表3に示す割合で秤量し、実施
例1と同様にして本発明の組成物を製造し、これを成形
して評価用試片を得た。
表中、アイゾット衝撃強度は、実施例1と同様にして測
定したものであり、ロックウェル硬度は ASTM D785によ
りRスケールで測定したものである。本発明の組成物は
高い硬度、剛性の範囲で優れた特性を有している。
〔発明の効果〕 本発明により、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系
重合体およびシロキサン系グラフト共重合体を上述した
割合で配合した、従来にない耐衝撃性、耐候性、耐熱安
定性、さらに耐薬品性、成形性にも優れた組成物が提供
された。自動車内装、外装材料等厳しい条件下で使用す
る場合に極めて有益な効果を奏する。また必要に応じて
ガラス繊維等の補強充填剤を配合することにより、さら
に耐熱性、剛性等を向上させることもできる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカーボネート樹脂(A)、飽和ポリエ
    ステル樹脂および/またはポリエステル系エラストマー
    (B)、およびトルエン中で測定した膨潤度が3〜30
    で、グラフト交叉剤に由来する構造単位を有し、かつ平
    均粒子径が0.08〜0.8μmであるポリオルガノシロキサ
    ンゴム5〜90重量%に、少なくとも一種のビニル系単量
    体95〜10重量%をグラフト重合して得られるシロキサン
    系グラフト共重合体または該シロキサン系グラフト共重
    合体とビニル系重合体との混合物(C)とからなり、成
    分(A)1〜99重量部および成分(B)99〜1重量部
    に、成分(C)を、ポリオルガノシロキサンゴム成分が
    全樹脂組成物の0.5〜60重量%となる量で配合してなる
    ことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記ポリオルガノシロキサンゴムが、グラ
    フト交叉剤に由来する構造単位として、下記一般式I〜
    III HSCH2pSi▲R1 n▼0(3−n)/2 ……(II) CH2=CH-Si▲R1 n▼0(3−n)/2 ……(III) (式中、R1はメチル基、エチル基、プロピル基またはフ
    ェニル基を表わし、R2は水素原子またはメチル基を表わ
    す。nは0、1または2、pは1〜6の整数を表わす) で表わされる構造単位のいずれかを有するものである特
    許請求の範囲第1項記載の組成物。
  3. 【請求項3】前記ポリオルガノシロキサンゴムが、グラ
    フト交叉剤に由来する構造単位として、前記一般式Iで
    表わされる構造単位を有する特許請求の範囲第2項記載
    の組成物。
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