JPH0699574B2 - 塩化ビニル系樹脂フィルム及びビニル被覆鋼板 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂フィルム及びビニル被覆鋼板

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JPH0699574B2
JPH0699574B2 JP15478991A JP15478991A JPH0699574B2 JP H0699574 B2 JPH0699574 B2 JP H0699574B2 JP 15478991 A JP15478991 A JP 15478991A JP 15478991 A JP15478991 A JP 15478991A JP H0699574 B2 JPH0699574 B2 JP H0699574B2
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多賀夫 友末
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐電子線性の良好な、
塩化ビニル系樹脂フィルム及びそれを用いたビニル被覆
鋼板に関するものである。更に詳しくは、電子線架橋型
接着剤又は電子線架橋型粘着剤又は、電子線硬化型イン
キ、電子線硬化型表面処理剤などにより加工処理をする
用途に供せられる塩化ビニル系樹脂フィルムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】電子線架橋型モノマーを利用した接着
剤、粘着剤、インキ等の開発は近年急速に進められてい
る。この方法は従来の熱架橋、紫外線架橋に比べ、架橋
速度が速いこと、加熱不要、等の利点により、種々の産
業分野で応用されつつある。例えばビニル被覆鋼板の従
来の製造方法は、塩化ビニル樹脂ペーストを鋼板に塗
布、焼き付けする方法か鋼板に接着剤を塗布し、別途製
造された塩化ビニルフィルムを積層する方法に大別され
ているが、高温の加熱炉を通さなければならず、このた
め生産性が悪く、また、加熱のためにフィルムに施され
たエンボス絞が消え易いという欠点があった。ところ
が、電子線架橋型接着剤を鋼板に塗布してから、別途製
造された塩ビフィルムを積層し、フィルム側から電子線
を照射すると、硬化速度が速く、フィルムが加熱されな
いためフィルムに施されたエンボスが明確に保持される
という利点があるため、この電子線照射法によるビニル
被覆鋼板の製造法が注目されている。しかし、塩化ビニ
ルフィルムは電子線が照射されると、劣化、黄変しやす
い、欠点があり、この方法の普及を阻んでいた。この劣
化黄変を防止する方法としては、特開昭62-236733 号公
報にみられるように懸濁重合塩化ビニル樹脂に可塑剤と
して、DOP又はDOS、安定剤としてジアルキル錫メ
ルカプタイド系安定剤を使用する方法が提案されてい
る。
【0003】ところが、この方法では確かに電子線照射
後の劣化は少ないものの、メルカプト系の臭気が発生す
る問題があり、屋内で使用する用途には向かないという
欠点があり、この改良が望まれていた。
【0004】錫メルカプタイド系以外の安定剤としては
鉛系、カドミウム系、バリウム系、カルシウム系、亜鉛
系等数多くあり、いづれも電子線が照射されても、臭気
の発生はないが、従前の配合組成では、電子線が照射さ
れるとその直後に変色するか、あるいはその後の経時変
化や加熱雰囲気にさらされることにより、黄変してしま
う。特に屋内内装用建材は明るい淡彩色の色調のものが
多く、又、印刷柄も、微妙な組合せにより意匠効果を発
現するものが多いため、フィルムの色調変化は、意匠に
大きな影響を与える。
【0005】この様な問題は電子線硬化型のインキ、表
面処理剤、粘着剤などを用いて塩ビ系フィルムを2次加
工しようとする場合にも同様に生ずる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
事情に鑑み、電子線が照射されても、変色、劣化がな
く、しかも臭気の発生がない塩化ビニル系フィルムを得
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は樹脂成分
として塩化ビニル−エチレン共重合体樹脂を100 重量部
に対し、エポキシ化合物として、エポキシ化脂肪酸モノ
アルキルエステルを7重量部以上と、フタル酸エステル
系可塑剤又はトリメリット酸エステル系可塑剤から一種
又は二種以上の組合せで選定された可塑剤を8重量部以
上、とを必須成分として配合することを特徴とする塩化
ビニル系樹脂フィルムである。
【0008】本発明において使用される塩化ビニル−エ
チレン共重合体樹脂とは、塩化ビニルモノマーとエチレ
ンモノマーの重合反応により得られる共重合体樹脂で、
現在数社から上市されている周知のものを使用すれば良
く、平均重合度は600 〜1500、エチレン量は9%以下の
ものが好ましい。この選定は可塑剤量と、加工性、さら
に物性面から選定される。平均重合度が600以下の場合
はフィルムの軟化温度が下がるので好ましくなく、又、
溶融粘度が下がるのでフィルム成形加工が難しくなる。
平均重合度が1500を超えると、フィルムの高温弾性が上
がる利点があるが、成形加工温度が上がり熱劣化のため
に耐電子線性が低下し易いので、可塑剤量を多くする必
要がある。例えば塩化ビニル−エチレン共重合体樹脂の
重合度が1700の場合はエポキシ化脂肪酸モノアルキルエ
ステルと可塑剤の合計量は40重量部から60重量部、重合
度が2200の場合は50重量部から80重量部使用するのが好
ましい。
【0009】塩化ビニル−エチレン共重合体樹脂のエチ
レン含有量が10%を超えるとフィルムの軟化温度が下が
る事と、溶融樹脂の粘着性が上がり成形加工が難しくな
るので好ましくない。
【0010】塩化ビニル−エチレン共重合体樹脂は成形
したフィルムの強度や弾性が低下し易いので、フィルム
の用途によっては、塩化ビニル樹脂と混合して強度を向
上させる必要が生ずる。この場合は特別の注意を払う必
要がある。これは、塩化ビニル−エチレン共重合体樹脂
と塩化ビニル樹脂の溶融挙動が異なることと、塩化ビニ
ル樹脂の量が多くなると耐電子線性が低下するという理
由からである。
【0011】塩化ビニル−エチレン共重合体樹脂と塩化
ビニル樹脂とを混合して使用する場合は、塩化ビニル−
エチレン共重合体樹脂を50〜100 重量部に対し、塩化ビ
ニル樹脂を50重量部以下で配合し、両樹脂の合計量が10
0 重量部になる割合で配合し、塩化ビニル−エチレン共
重合体樹脂のエチレン含有量は3%〜9%であり、塩化
ビニル樹脂の平均重合度は600〜1200のものを使用する
のが好ましい。エチレン含有量が3%未満であると耐電
子線性が低下し、塩化ビニル樹脂の平均重合度が1200を
超えると成形したフィルムに未ゲル樹脂のブツ(フィッ
シアイ)が発生し易い事と、加工温度が上がるため熱劣
化のために耐電子線が低下する。塩化ビニル樹脂の平均
重合度が600 以下のものを使用すると、フィルムの強度
は向上せず、又、溶融温度が下がるので成形加工性が悪
くなる。
【0012】本発明で使用されるエポキシ化脂肪酸モノ
アルキルエステルとしてはエポキシ化ステアリン酸メチ
ル、エポキシ化ステアリン酸ブチル、エポキシ化ステア
リン酸2エチルヘキシル、エポキシ化ステアリン酸ステ
アリル、エポキシ化オクチルステアリル等が挙げられ
る。
【0013】上記エポキシ化脂肪酸モノアルキルエステ
ルは一種または二種以上の組合せで配合されるが、その
配合量は、7重量部以上必要である。7重量部未満であ
ると、電子線照射後の変色が大きくなる。
【0014】エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油の
ようなエポキシ化グリセライドは、電子線照射後の黄変
が著しく、又、ブルームし易いので印刷性が悪くなる。
【0015】本発明ではフタル酸エステル系可塑剤、又
はトリメリット酸エステル系可塑剤、から選定される一
種又は二種以上の可塑剤を8重量部以上配合しなければ
ならない。
【0016】フタル酸エステル系可塑剤としては、ジブ
チルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジn−オクチ
ルフタレート、ジ2エチルヘキシルフタレート、ジノニ
ルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシル
フタレート等が挙げられる。トリメリット酸エステル系
可塑剤としては、トリメリット酸トリブチル、トリメリ
ット酸トリイソブチル、トリメリット酸トリ2エチルヘ
キシル、トリメリット酸トリオクチル等が挙げられる。
【0017】本発明で使用される可塑剤としてはフタル
酸エステル系可塑剤、又は、トリメリット酸エステル系
可塑剤以外の可塑剤として、アジピン酸エステル系可塑
剤、セバチン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑
剤などを併用してもよいが、その場合でも必ず、フタル
酸エステル系可塑剤、又は、トリメリット酸エステル系
可塑剤を8重量部以上配合しなければならない。
【0018】アジピン酸系可塑剤としては、ジ2エチル
ヘキシルアジペート、ジイソオクチルアジペート、ジイ
ソデシルアジペート、オクチルデシルアジペート等が挙
げられる。
【0019】ゼバチン酸エステル系可塑剤としては、ジ
ブチルセバケート、ジ2エチルヘキシルセバケート、ブ
チルベンジルセバケート等が挙げられる。
【0020】ポリエステル系可塑剤とはアジピン酸、セ
バチン酸、フタル酸のようなアルコールと結合できる結
合基(カルボキシル基)を2個持ったジカルボン酸とプ
ロピレングリコール、エチレングリコールのような多価
アルコールとの重合体(例えば平均分子量500 〜5000)
の末端を1価アルコール又は1価カルボン酸で封鎖した
ものである。
【0021】塩化ビニル系樹脂が電子線による劣化の進
行過程で可塑剤がどのような働きを示しているか明確で
ないが、本発明者の研究では、エポキシ化脂肪酸モノエ
ステルや、安定剤と共にフタル酸エステル系可塑剤や、
トリメリット酸エステル系可塑剤が配合されていること
により劣化が防止されることがわかった。電子線による
劣化は、熱劣化や、紫外線劣化と異なり常温で瞬時に脱
塩酸、分解、架橋が進み、ラジカルやポリエンが発生す
る。従って、成形されたフィルムの常温での樹脂、エピ
キシ化合物、可塑剤、安定剤等の分散状態が耐電子線性
に影響を与え、可塑剤は、安定化の媒体として働いてい
るように推測される。
【0022】フタル酸エステル系可塑剤又はトリメリッ
ト酸エステル系可塑剤は8重量部以上配合されなければ
ならず、8重量部より少ないと電子線照射後の変色が著
しく悪くなる。
【0023】可塑剤の量は用途に応じて調整されるべき
である。ビニル被覆鋼板用フィルムの場合は、エポキシ
化脂肪酸モノエステルと可塑剤の合計量が15重量部から
45重量部が好ましい。
【0024】15重量部より少ないと鋼板用金属原板とラ
ミネートされたビニル被覆鋼板をプレス成型で折り曲げ
加工されたとき割れが生じる。45重量部より多いと汚れ
易く傷がつき易くなる。
【0025】本発明に係る塩化ビニル系樹脂フィルムに
は、上記成分のほかに塩化ビニルの製造に通常使用され
る安定剤、安定化助剤、加工助剤、滑剤、充填剤を配合
し、又、用途に応じて紫外線吸収剤、着色剤を含んでも
よい。
【0026】安定剤として使用できる化合物としては、
金属がバリウム、カルシウム、亜鉛である炭素数12〜22
脂肪酸金属石けんの中から選ばれる一種又は二種以上の
もので、中でも、バリウム−亜鉛、又は、カルシウム−
亜鉛の併用系が好ましい。
【0027】化合物の具体例としては、ステアリン酸バ
リウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、
ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、リシノレイン酸
バリウム、オレイン酸亜鉛等が挙げられる。ジアルノキ
ル錫メルカプタイド、ジブチル錫マレートは臭気が発生
し易いので好ましくなく、使用するとしても他の安定剤
と併用し、0.5 重量部以下の配合量にすべきである。も
ちろん、臭気が問題にならない用途(例えば屋外用装飾
シート)では、2.0 〜4.0 重量部配合すると良好な性能
が得られる。カドミニウム系、鉛系安定剤も使用するこ
とができるが環境毒性の問題があるので好ましくない。
【0028】安定化助剤としては、トリフェニルフォス
ファイト、ジオクチルフェニルフォスファイト、ジフェ
ニルイソデシルフォスファイト、ジオクチルアシドフォ
スファイト等を挙げることができる。これらの安定化助
剤は、単独又は、二種以上組合わせて使用することがで
きる。
【0029】滑剤、加工助剤については、フィルムの成
形設備(カレンダー、押出機等)によって変わるのでそ
の加工設備に合わせた適切な量を添加すべきである。滑
剤としては、ポリエチレンワックス系滑剤、脂肪酸エス
テル系滑剤、アクリルオリゴマー系滑剤を0.1 〜1.0 部
程度、加工助剤としては、エチレン酢ビ共重合体樹脂、
アクリル系樹脂を1〜10重量部程度使用できる。
【0030】充填剤としては、タルク、水酸化アルミニ
ウムが好ましく、炭酸カルシウム系のものは黄変しやす
いので少量の添加にとどめるべきであろう。
【0031】次に、本発明に係るビニル被覆鋼板の製造
方法について説明する。ビニル被覆鋼板用の薄板状金属
原板は亜鉛メッキ鋼板、クロメート処理、酸洗い等の前
処理冷延鋼板各種メッキ鋼板、ステンレス鋼板等の表面
を機械的研磨、リン酸処理を施したものを用いる。この
金属原板の表面に電子線硬化型接着剤を塗布し、該塗布
面に本発明に基づいて製造された塩化ビニル系フィルム
を積層し、その上面から電子線を照射し、金属原板と塩
化ビニル系フィルムを接着する。この接着強度を向上さ
せるために予め金属原板にプライマー処理例えば高分子
ポリエステル系プライマーを塗布、焼き付け処理をして
も良い。
【0032】電子線硬化型接着剤としては既に市販され
ている周知のものから選べば良く、例えば、アクリル酸
エステル系のオリゴマー、モノマーを主成分として、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン等を樹脂
成分とする電子硬化型接着剤が使用できる。電子線の照
射線量は、10Mradで充分な接着強度が得られる。この方
法では従来法の様な加熱炉が不要のためフィルムに施さ
れた微細エンボス絞が消えず意匠性の高いビニル被覆鋼
板を得ることができる。又、加熱工程、冷却工程が不要
であり、接着速度が早く、装置の起動、停止も容易なの
で生産性が良く、工業的に非常に優れた方法である。
【0033】
【実施例】次に本発明の具体的実施の態様及び比較例に
より、本発明の塩化ビニル系樹脂フィルムの効果を示す
が、本発明は広く応用が可能であるのでこれらに限定さ
れるものではない。
【0034】実施例1〜12及び比較例1〜10 下記に示す配合により秤量、混合の後、テストロールを
表1の温度に設定し、10分間混練後、0.1mm 厚の白色フ
ィルムを作成し、このフィルムをキュアトロン電子線照
射装置(日新ハイボルテージ (株) 社製200keV,20mA )
を用い5Mrad照射し、フィルムの黄変を下記の試験によ
り調査した。
【0035】 配合 樹脂 ─┐ エポキシ化合物─┼──表1の通り 可塑剤 ─┘ 安定剤────┬─バリウム−亜鉛複合液状安定剤(※1)──1.2 重量部 ├─ステアリン酸バリウム──────────0.3 重量部 └─ステアリン酸亜鉛────────────0.5 重量部 着色剤(白)───TiO2 (※2)────────────5.0 重量部 ※1 旭電化 (株) 社製 アデカスタブAC−186 ※2 石原産業 (株) 社製 タイペーク R−550
【0036】試験項目 1.電子線照射後の黄変‥‥電子線照射前のフィルムと
電子線照射後のフィルムの色調の変化(黄変)を調べ
た。 ◎:変化なし (色差ΔE=1.0 以内) ○:わずかに黄変(色差ΔE=1.1 〜5.0 ) △:黄変 (色差ΔE=5.1 〜10.0) ×:著しく黄変 (色差ΔE=10.1以上) 2.加熱後の変色‥‥‥‥‥電子線照射後のフィルムを
オーブンで120 ℃,24時間加熱しフィルムの黄変を調べ
た。 ◎:変化なし (色差ΔE=1.0 以内) ○:わずかに黄変(色差ΔE=1.1 〜5.0 ) △:黄変 (色差ΔE=5.1 〜10.0) ×:著しく黄変 (色差ΔE=10.1以上)
【0037】
【表1】
【0038】※3 呉羽化学工業(株) 社製 ポリ塩
化ビニル樹脂 平均重合度=1300 ※4 呉羽化学工業(株) 社製 ポリ塩化ビニル樹脂
平均重合度=1000 ※5 東ソー(株)社製 塩化ビニルエチレン共重合体
樹脂 平均重合度=1300 エチレン含有量=1% ※6 東ソー(株)社製 塩化ビニルエチレン共重合体
樹脂 平均重合度=1000 エチレン含有量=1% ※7 積水化学工業(株)社製 塩化ビニルエチレン共
重合体樹脂 平均重合度=1350 エチレン含有量=4% ※8 積水化学工業(株)社製 塩化ビニルエチレン共
重合体樹脂 平均重合度=1050 エチレン含有量=4% ※9 積水化学工業(株)社製 塩化ビニルエチレン共
重合体樹脂 平均重合度=1050 エチレン含有量=8% ※10 積水化学工業(株)社製 塩化ビニルエチレン共
重合体樹脂 平均重合度=1050 エチレン含有量=9% ※11 旭電化工業(株)社製 エポキシ化脂肪酸アルキ
ルエステル 分子量=356 ※12 旭電化工業(株)社製 エポキシ化脂肪酸オクチ
ルエステル 分子量=409 ※13 旭電化工業(株)社製 エポキシ化大豆油 分子
量=約1000 ※14 旭電化工業(株)社製 エポキシ樹脂 (エピクロルヒドリンとビスフェノールAの重合物) ※15 ジ2エチルヘキシルフタレート ※16 トリオクチルトリメリテート ※17 ジ2エチルヘキシルアジペート ※18 旭電化工業(株)社製 アジピン酸系ポリエステ
ル可塑剤 分子量約2000 ※19 トリクレジルフォスフェート ※20 呉羽化学工業(株)社製 ポリ塩化ビニル樹脂 平均重合度=750
【0039】前記実施例1〜12,比較例1〜10の説明 (1)塩化ビニル−エチレン共重合体樹脂を使用したフ
ィルムは何れも電子線照射後に加熱しても黄変は少な
い。しかし、塩化ビニル樹脂を使用した配合は加熱後の
着色変化が大きい(実施例1〜6と比較例1〜3)。 (2)エポキシ化合物としてエポキシ化脂肪酸モノアル
キルエステルを使用しない配合は、加熱後の着色が大き
い。エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油は、配合量
を多くしても黄変は改善されない(比較例3〜7)。 (3)可塑剤として、フタル酸エステル系可塑剤のDO
Pを、トリメリット酸エステル系可塑剤のTOTMを使
用した配合は黄変しない(実施例1〜10)。 (4)DOPを10部とアジピン酸エステル系可塑剤10部
とを配合したものや、DOP10部とポリエステル系可塑
剤10部とを配合したものは、黄変が少ない。しかし、D
OPが5部又はTOTMが5重量部と、ポリエステル系
可塑剤又はリン酸エステル系可塑剤20重量部とを配合し
たものは黄変が大きい(実施例11,12 比較例8,9)。 (5)エポキシ化脂肪酸モノアルキルエステルを7重量
部以上配合したものは黄変が少ない。しかし、5重量部
では黄変が大きい(実施例8,9、比較例10)。
【0040】実施例13〜21及び比較例11〜18 下記の配合により秤量、混合の後、テストロールを表2
の加工温度に設定し、10分間混練後、0.1mm 厚の白色フ
ィルムを作成後、実施例1と同じ方法で評価した。
【0041】 配合 樹脂 ─┐ エポキシ化合物─┼─表2の通り 可塑剤 ─┘ 安定剤────┬─バリウム−亜鉛複合液状安定剤(※1)─1.2 重量部 ├─ステアリン酸バリウム─────────0.3 重量部 └─ステアリン酸亜鉛───────────0.5 重量部 着色剤(白)────TiO2 (※2)───────────5.0 重量部 試験項目 実施例1〜12及び比較例1〜10と同じ
【0042】
【表2】
【0043】この実施例13〜21及び比較例11〜18の説明 (1)塩化ビニル−エチレン共重合体樹脂と塩化ビニル
樹脂とを混合した配合では、エチレンの含有量と塩化ビ
ニル樹脂の重合度とに注目して混合する必要がある。エ
チレン含有量が4%から8.7 %の塩化ビニル−エチレン
共重合体樹脂と平均重合度が750 及び1000の塩化ビニル
樹脂とを混合した配合では、塩化ビニル樹脂が40重量部
以下の範囲で電子線照射後の加熱でも着色が少ないが、
50部以上だと着色は大きくなる(実施例13〜21、比較例
11〜14)。 (2)エチレン含有量が4%の塩化ビニル−エチレン共
重合体樹脂と平均重合度が1300の塩化ビニル樹脂とを混
合した配合の場合には加熱後の変色が大きい(比較例1
5,16 )。 (3)平均重合度が750 の塩化ビニル樹脂を使用して
も、エチレン含有量が0.5%の塩化ビニル−エチレン共
重合体樹脂を混合した配合の場合には電子線照射後の加
熱による黄変が大きい(比較例17,18 )。
【0044】実施例22〜25及び比較例19〜22 下記の配合により秤量、混合後、テストロールで10分間
混練後、0.1mm 厚のフィルムを作成し、170 ℃に設定し
たプレス機で、このフィルムに微細エンボス模様を施し
た。別途用意した処理鋼板(板厚5mm)に下記の電子線
硬化型接着剤を塗布し(塗布厚10μm )、この上に上記
作成のフィルムをゴムローラで圧着、積層し、このサン
プルをキュアトロン電子線照射装置により、フィルム側
から電子線を10Mrad照射し、鋼板とフィルムを接着し、
塩化ビニル被覆鋼板を作成した。
【0045】 フィルム配合 樹脂 ─┐ エポキシ化合物─┼─表3の通り 可塑剤 ─┘ 安定剤────┬─バリウム−亜鉛複合液状安定剤(※1)──1.2 重量部 ├─ステアリン酸バリウム──────────0.3 重量部 └─ステアリン酸亜鉛────────────0.5 重量部 着色剤(白)────TiO2(※2)─────────── 5.0 重量部
【0046】接着剤の配合 イソボルニルアクリレート 40部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 25部 エポキシエステル3002A ※21 15部 デンカビニル#1000A ※22 10部 ディスモコール 130 ※23 10部 ※21 共栄社油脂化学工業(株)製 エポキシアクリレ
ート ※22 電気化学工業(株)製 塩化ビニル酢酸
ビニル共重合体 ※23 住友バイエルウレタン(株)製 線状ポリウレタ
ン樹脂
【0047】試験項目 1.沸水試験 … 作成したビニル被覆鋼板を沸騰水中
に6時間浸漬し、その後取り出して常温18時間放置す
る。これを1サイクルとして20サイクル繰り返し、試験
前と試験後の黄変状態を調べた。 評価 ○:わずかに黄変(色差ΔE=1.1 〜5.0 ) △:黄変 (色差ΔE=5.1 〜10.0) ×:著しく黄変 (色差ΔE=10.1以上) 2.耐侯性 … 促進耐侯性試験機(スガ試験機
(株)製)サンシャインウェザロメータWEL−SUN
−DC型ブラックパネル温度63℃ 500 時間連続試験後
のサンプルをとり黄変状態を調べた。 評価 ◎:変化なし (色差ΔE=1.0 以内) ○:わずかに黄変(色差ΔE=1.1 〜5.0 ) △:黄変 (色差ΔE=5.1 〜10.0) 3.折り曲げ試験…ビニル被覆鋼板をビニルフィルム側
を外側にして180 度折り曲げて折り曲げ部分の表面状態
を観察した。 評価 ○:異常なし ×:白化あり 4.汚れ試験 … 10%のカーボンブラックパウダーを
混ぜた白色ワセリンをビニル被覆鋼板に塗り、24時間放
置する。その後湿布でワセリンを拭きとり試験前後の光
沢度(60℃)の変化を測定する。 評価 ○:光沢度の保持率85%以上 ×:光沢度の保持率85%以下
【0048】
【表3】
【0049】実施例26〜28、及び比較例23〜24 下記の配合により、秤量、混合後テストロールで10分間
混練後0.1mm 厚のベースフィルムと0.05mm厚の透明フィ
ルムを作成し、ベースフィルムにグラビア印刷機で抽象
柄の印刷をした後、このフィルムに透明フィルムを重
ね、プレス機でラミネートエンボスをして総厚0.15mm厚
の化粧シートを作成した。 配合 クリヤーフィルム 樹脂 …表4の通り 可塑剤…表4の通り 安定剤…実施例1と同じ 着色剤…なし ベースフィルム VE−L ※7:100 重量部 D−55 ※11:10重量部 DOP :20重量部 安定剤 :実施例1と同じ 着色剤 :実施例1と同じ 試験方法 電子線照射後(5Mrad)の意匠シートをオーブン中で85
℃×30時間加熱し、プリントされた意匠の意匠性の変化
を調べた 試験結果−表4の通り
【0050】
【表4】
【0051】実施例22〜25及び比較例19〜22の説明 (1)本発明による配合で製造されたフィルムにより作
成したビニル被覆鋼板は沸水試験、耐侯性、折り曲げ加
工性、汚れ性、何れも良好であった(実施例22〜25)。 (2)しかし、樹脂として塩化ビニル樹脂を使用した配
合では、沸水試験で黄変が大きかった(比較例19〜2
0)。 (3)エポキシ化脂肪酸モノアルキルエステルと可塑剤
との合計量が10重量部の配合ではフィルムが硬く折曲げ
加工で白化を生じた(比較例21)。 (4)エポキシ化脂肪酸モノアルキルエステルと可塑剤
の合計量が50重量部の配合は汚れ易くなった(比較例2
2)。
【0052】実施例26〜28及び比較例23〜24の説明 (1)本発明による配合の透明フィルムを表面にラミネ
ートエンボスした化粧フィルムは加熱後も黄変は少な
く、プリント意匠に変化は見られなかった。しかし、本
発明によらない配合では透明フィルムの黄変によりプリ
ント意匠の鮮明さが失われた(実施例26〜28、比較例23
〜24)。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は塩化ビニル
−エチレン共重合体樹脂を100 重量部に対し、エポキシ
化合物として、エポキシ化脂肪酸モノアルキルエステル
を7重量部以上と、フタル酸エステル系可塑剤又はトリ
メリット酸エステル系可塑剤から一種又は二種以上の組
合せで選定された可塑剤を8重量部以上、とを必須成分
として配合してなるから、該フィルムは電子線が照射さ
れても、黄変がなく、しかも、照射後の実用試験(加
熱、沸水、耐侯性)においても劣化黄変がないことが確
認された。本発明では、従来から知られているスズメル
カプタイド系安定剤を使用しなくても通常知られている
一般的な安定剤が使用できるため用途に制限が無くな
り、この結果電子線の優れた特徴を生かした加工製品を
得ることが可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27/06 LES (72)発明者 輿石 謙二 千葉県市川市高谷新町7番地の1 日新製 鋼株式会社 新材料研究所内 (72)発明者 友末 多賀夫 千葉県市川市高谷新町7番地の1 日新製 鋼株式会社 塗覆装センター内 (72)発明者 増原 憲一 千葉県市川市高谷新町7番地の1 日新製 鋼株式会社 新材料研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成分として塩化ビニル−エチレ
    ン共重合体樹脂100重量部に対し、エポキシ化合物とし
    てエポキシ化脂肪酸モノアルキルエステルを7重量部以
    上と、フタル酸エステル系可塑剤又はトリメリット酸エ
    ステル系可塑剤から一種、又は二種以上の組合せで選定
    された可塑剤を8重量部以上、とを必須成分として配合
    することを特徴とする塩化ビニル系樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル−エチレン共重合体樹脂
    の平均重合度が600〜1500であって、エチレン含有量が
    0.5 〜9%であることを特徴とする第1項記載の塩化ビ
    ニル系樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 樹脂成分として (a)塩化ビニル−エ
    チレン共重合体樹脂が50〜100 重量部、 (b)塩化ビニル
    樹脂が50重量部以下であってこれら樹脂の合計量((a)
    +(b) )が100 重量部になる割合で配合し、塩化ビニル
    −エチレン共重合体樹脂のエチレン含有量が3%〜9%
    であり、塩化ビニル樹脂の平均重合度が600 〜1200であ
    ることを特徴とする第1項記載の塩化ビニル系樹脂フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 エポキシ化合物としてのエポキシ化
    脂肪酸モノアルキルエステルと可塑剤の合計量が15〜45
    重量部であることを特徴とする第1項記載の塩化ビニル
    系樹脂フィルムを薄板状金属原板に接着したビニル被覆
    鋼板。
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