JPH07269016A - 建材用フィルム - Google Patents

建材用フィルム

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JPH07269016A
JPH07269016A JP5917594A JP5917594A JPH07269016A JP H07269016 A JPH07269016 A JP H07269016A JP 5917594 A JP5917594 A JP 5917594A JP 5917594 A JP5917594 A JP 5917594A JP H07269016 A JPH07269016 A JP H07269016A
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JP
Japan
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film
vinyl chloride
chloride resin
resin film
fluororesin
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Application number
JP5917594A
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English (en)
Inventor
Kiyobumi Tanaka
清文 田中
Shigenobu Hiraiwa
重信 平岩
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 屋外や高温多湿の条件下に長期間曝される場
合でも耐候性を維持し且つ汚染防止性能を有するエンボ
ス加工適性に優れた建材用フィルムを提供する。 【構成】 塩化ビニル系樹脂フィルム上に厚さ1〜10μ
mの酸化亜鉛微粒子を分散したバインダ−からなる紫外
線吸収層、厚さ2〜20μmのフッ素系樹脂層を順次積層
してなることを特徴とする建材用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建材として用いられる鋼
板、アルミニウム板、樹脂コート金属板、合成樹脂製板
等の被覆体に被覆する建材用フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来耐候性に優れたフィルムとしてはフ
ッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂等のフッ素系樹
脂フィルムが知られているが、このフィルムは高価であ
る上、フィルム自体は耐候性に優れていても被覆体を保
護する効果は劣っていた。即ち例えば塩化ビニル系樹脂
フィルムに被覆された鋼板の上に透明なフッ化ビニリデ
ン樹脂フィルムをラミネートした場合、フッ化ビニリデ
ン樹脂フィルムそのものは長期にわたり優れた耐候性を
示すが、塩化ビニル系樹脂フィルムの耐候性は向上せ
ず、数年後には著しく変色してしまう欠点があった。ま
た、鋼板上に直接エポキシ系接着剤でフッ素系樹脂フィ
ルムを接着した場合も、このフィルム自体の経時変化に
よる変色はほとんどないが、接着剤の劣化によりフィル
ムが鋼板から剥離するという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】さらに、塩化ビニル系
樹脂にベンゾトリアゾール系や、ベンゾフェノン系の紫
外線吸収剤を練り込み、それをフィルムとした後、フッ
素系樹脂を塗布する方法も実施されている。しかし、紫
外線吸収剤を練り込む方法は塩化ビニル系樹脂フィルム
表面の耐候性が劣り、経時変化により変色を生じたり、
塩化ビニル系樹脂フィルムとフッ素系樹脂層とが剥離す
るという問題点があった。さらに、塩化ビニル系樹脂を
フィルム化する際の加熱溶融時に練り込まれている紫外
線吸収剤が著しく気化・蒸散するため、相当量の添加が
必要となりコストが高くなる欠点があった。さらに、塩
化ビニル系樹脂フィルムに練り込まれた紫外線吸収剤が
フッ素系樹脂層との界面に移行し、密着強度の低下をき
たすという問題点もあった。従って、これらの問題点の
ない製品が待望されていた。
【0004】本発明は前記フッ素系樹脂フィルムと同様
の耐候性を有し、且つ、このフッ素系樹脂フィルムに比
較し十分に被覆体を保護し得る建材用フィルムを提供す
るものである。また、本発明はラミネート性、接着性に
も優れた建材用フィルムを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は塩化ビニ
ル系樹脂フィルム上に厚さ1〜10μmの酸化亜鉛微粒子
を均一に分散したバインダ−からなる紫外線吸収層、厚
さ2〜20μmのフッ素系樹脂層を順次積層してなること
を特徴とする建材用フィルムである。
【0006】本発明の建材用フィルムを図1に基づいて
説明すると、図1に示すように、本発明の建材用フィル
ムは上から順にフッ素系樹脂層1、酸化亜鉛微粒子2を
均一に分散したバインダ−からなる紫外線吸収層3、塩
化ビニル系樹脂フィルム4からなるものである。本発明
のフッ素系樹脂層に用いるフッ素系樹脂とはテトラフル
オロエチレン、クロルトリフルオロエチレン、フッ化ビ
ニル、フッ化ビニリデン等の1種または2種以上と、こ
れと共重合可能な単量体、例えばエチレン、プロピレ
ン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化
ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸メチル、反応型メタアクリレート、多
官能性アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類、
酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル類、メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フル
オロビニルエーテル等のビニルエーテル類などの1種ま
たは2種以上の単量体との共重合体樹脂であって、且つ
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケト
ン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステ
ル類、トルエン、キシレン等の芳香族化合物類、その他
ミネラルスピリット、ブチルアルコール等の一般有機溶
剤に可溶な溶剤型フッ素系樹脂が成形性の点から好まし
い。一般にこのフッ素系樹脂の組成としては、フッ素系
単量体の含量が25〜80重量%程度であることが好まし
い。
【0007】また上記フッ素系樹脂としては分子量が1
0,000〜80,000、フッ素含有量が20〜45重量%、ヒドロ
キシル価(樹脂1g 中に含まれるヒドロキシル基と同じ
モル数の苛性カリウムのmg数で表わされる値)が30〜70
のものが好ましい。ヒドロキシル価が30未満であると、
次に述べる架橋剤と反応しにくく70を越えると反応が進
み過ぎる。また他の極性基を含んでいても良い。そして
フッ素系樹脂に次のような架橋剤例えば、メチル化メラ
ミン、ブチル化メラミン、イソシアネート等を添加する
と低温で反応硬化して、比較的容易に且つ強固にその下
層である紫外線吸収層に密着し、優れた超耐候性及び防
汚染性を発揮するフッ素系樹脂層を形成する。
【0008】本発明で用いる溶剤型フッ素系樹脂は、塩
化ビニル系樹脂フィルムの軟化温度を勘案して、溶剤型
フッ素系樹脂に対して適量の架橋剤を混合し0℃〜 150
℃、好ましくは5℃〜80℃で硬化する低温架橋性の溶剤
型フッ素系樹脂が好ましく、これら低温架橋性溶剤型フ
ッ素系樹脂は、例えば固形分濃度が40〜60重量%で、溶
剤としてMIBK/キシレン=50/50、溶液粘度約 100
cps で用いられ、フッ素系樹脂 100重量部に対して、架
橋剤5〜25重量部及びその他の添加剤を添加して使用さ
れる。
【0009】さらに、建材用フィルムとしての目的に応
じ、前記添加剤以外に、例えば着色剤、紫外線吸収剤、
他の樹脂等を添加することもできる。また、該溶剤型フ
ッ素系樹脂を塗布、乾燥した後の塗膜の厚さは、用途に
より異なるが概ね2〜20μm、好ましくは5〜15μmが
好適である。この塗膜の厚さが2μm未満では塗膜の耐
久性が不十分であり、20μmを超える場合は経済的な問
題があり、透明性も悪くなる。
【0010】本発明の酸化亜鉛微粒子を均一に分散した
バインダ−からなる紫外線吸収層に用いられるバインダ
−はアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系
樹脂等が挙げられ、特に好ましいのはアクリル系樹脂で
ある。ここでアクリル系樹脂としては、アクリル酸、ア
クリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロニトリ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等を重合して
得られるものである。ここでバインダ−の形態は樹脂そ
のもの、樹脂を溶剤に溶解した溶液、或はエマルジョン
等の水分散体などの形態で用いることができる。
【0011】このバインダ−に添加される酸化亜鉛微粉
末としては、粒子径 0.005〜 0.015μmの六方晶系のも
のが用いられる。 0.005μm未満では紫外線に対する遮
蔽効果が劣り、 0.015μmを超えると透明性を阻害する
ので好ましくない。この酸化亜鉛微粒子の添加量はバイ
ンダ−99〜25重量%に対して1〜75重量%である。これ
が1重量%未満では紫外線の遮蔽効果が乏しく、75重量
%を超えると透明性を阻害するので好ましくない。また
酸化亜鉛微粒子の紫外線に対する遮蔽効果がその層で均
一に発揮されるためにバインダ−の中で、この微粒子が
均一に分散されることが必要である。
【0012】本発明に用いられる塩化ビニル樹脂フィル
ムの基材となる塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル
ホモポリマー、塩化ビニル単量体とそれぞれ塩化ビニル
を50重量%以上含有するこれと共重合可能なビニル系単
量体との共重合体、塩化ビニル単量体と各種重合体また
はポリ塩化ビニルとビニル系単量体とのグラフト重合
体、後塩素化塩化ビニル重合体、前記各重合体の混合物
およびこれらの塩化ビニル系重合体と他の重合体との混
合物が包含される。共重合またはグラフト重合に用いら
れるビニル系単量体としては、エチレン、プロピレンな
どのオレフィン類;塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の
塩化ビニルを除くハロゲン化オレフィン類;酢酸ビニ
ル、ラウリル酸ビニルなどのビニルエステル類;2−エ
チルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル
などのアルキルビニルエーテル類;アクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸または
そのエステル類;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸2−エチルヘキシルなどのメタクリル酸ま
たはそのエステル類;マレイン酸またはそのエステル
類;無水マレイン酸、アクリロニトリル、スチレンなど
のアクリル系誘導体;N−t−ブチルマレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミドなどのN−置換マレイミド類
が挙げられ、これらは単独または2種以上の組合せで用
いられる。
【0013】塩化ビニルとグラフト重合し得る重合体ま
たは塩化ビニル系重合体と混合し得る重合体としては、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸
エチル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリウレタン、
ポリブタジエン−スチレン−メチルメタクリレート、ポ
リブタジエン−アクリロニトリル−(α−メチル)スチ
レン、ポリブチルアクリレート、ブチルゴム、ポリスチ
レン、スチレン−ブタジエン共重合体、ABS樹脂、N
BR、架橋アクリルゴム等が例示される。これらの塩化
ビニル系樹脂には、さらに必要に応じて、透明性を著し
く阻害しない範囲の量の、通常知られた下記の熱安定
剤、可塑剤または滑剤;炭酸カルシウム、クレー、シリ
カ、タルクなどの充填剤;水酸化アルミニウム、三酸化
アンチモン、塩素系、臭素系などの各難燃剤;無機また
は有機顔料、各種染料などの着色剤;カチオン系、アニ
オン系、非イオン系もしくは両性の各種界面活性剤から
なる帯電防止剤;アクリル系樹脂等の加工助剤;酸化防
止剤、耐熱性改良剤、発煙抑制剤、紫外線吸収剤などの
各種改質剤を添加することができる。
【0014】熱安定剤としては、例えば、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの金属石ケン、ジブ
チル錫ラウレートのような有機錫化合物が挙げられる。
これらは二種以上を組み合わせて用いることもでき、通
常配合される範囲の量が好都合である。可塑剤として
は、例えば、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレー
ト、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル
類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェ
ートのようなリン酸エステル;エポキシ化大豆油、エポ
キシ化アマニ油のようなエポキシ化油類;アセチルトリ
オクチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート等の
クエン酸エステル類;ポリプロピレンアジペートのよう
なポリエステル系可塑剤等が挙げられる。これらも二種
以上を組み合わせて使用することができ、量については
塩化ビニル系樹脂100 重量部に対して概ね5〜50重量部
が適当である。
【0015】滑剤としては、ステアリン酸、パルミチン
酸などの脂肪酸系;ステアリン酸アミド、パルミチン酸
アミドなどの脂肪酸アミド系;ブチルステアレートなど
のエステル系またはポリエチレンワックスのようなワッ
クス系を挙げることができる。これらはフィルム成形条
件、フィルムとしての物性に関連して各々適切な量が選
択使用される。
【0016】これらの各成分からなる塩化ビニル系樹脂
は、スーパーミキサー、ブレンダー等の従来公知の方法
により混合してコンパウンドとし、カレンダー成形、T
−ダイ押出成形等の任意の成形方法により塩化ビニル系
樹脂フィルムとすることができる。塩化ビニル系樹脂フ
ィルムの厚さは通常0.025 〜1.0mm である。前述した塩
化ビニル系樹脂フィルム上に紫外線吸収層を設ける方法
としては、バインダ−に酸化亜鉛微粒子を練り込み、前
記塩化ビニル系樹脂フィルム上に押出ラミネートする方
法、バインダ−に酸化亜鉛微粒子を練り込み、T−ダイ
法によりフィルムを成形した後、塩化ビニル系樹脂フィ
ルムと加熱加圧により熱ラミネートする方法、この加熱
加圧に代えて接着剤を介して、いわゆるドライラミネー
トにより貼合せる方法、さらにはバインダ−の水分散
体、例えばエマルジョンに前述した酸化亜鉛微粒子を混
合分散し、公知のグラビアコーターにより、塩化ビニル
系樹脂フィルム上に塗布、乾燥してバインダ−中に酸化
亜鉛微粒子が分散された層を設ける方法もある。また水
分散体に限らず溶剤にバインダ−を溶解したものに酸化
亜鉛微粒子を混合分散したものを用いても同様のものを
得ることができる。
【0017】このようにして得られる紫外線吸収層の膜
厚は1〜10μmが好適であり、これが1μm未満では充
分な紫外線遮蔽効果が得られず、また10μmを超えると
建材用フィルムとしての透明性が低下するほかコストが
上昇するので好ましくない。
【0018】前記塩化ビニル系樹脂フィルム上に、紫外
線吸収層を積層したフィルム上に、更にフッ素系樹脂層
を設ける方法としては、例えば、公知のグラビアコータ
ーやロールコーター等を使用し、前記段落(0006)
で列挙した一般有機溶剤を単独、もしくは混合して用い
られる溶剤型フッ素系樹脂を塗布し、次いで溶剤を乾燥
することによりフッ素系樹脂層を設けることができる。
このときのフッ素系樹脂層の塗膜の厚さは、一般に2〜
20μmで十分であり、経済的観点を考えると概ね5〜15
μmが好ましい。該塗膜厚さが2μm未満では、耐擦傷
性等、保護効果が期待できず、また20μmを超えてもフ
ッ素系樹脂の効果の向上は望めず、経済的でない。
【0019】このように塩化ビニル系樹脂フィルム上に
紫外線吸収層を積層した上にさらに、フッ素系樹脂層を
積層して得られる建材用フィルムは、従来のフィルムに
比べ被覆体のフィルムやシートが、例えば高級石目印刷
等が施されている場合、該石目印刷の褪色防止効果に優
れ、さらに、フッ素系樹脂の有する汚れの付着し難い性
質、或は汚れが付着しても除去し易い性質を持ってい
る。フッ素系樹脂層を積層しないと酸化亜鉛微粒子は酸
に弱く、酸性雨が降るとボロボロになり紫外線にたいす
る遮蔽効果が失われる。本発明のようにフッ素系樹脂層
をその上に設けることによりどのような天候でも問題が
生じなくなった。
【0020】さらに、従来塩化ビニル系樹脂に使用され
ている有機系紫外線吸収剤、例えば2’−ヒドロキシフ
ェニル−5−クロロベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、2’−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系紫
外線吸収剤、2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン系
紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線
吸収剤などは特に40℃、90%RH等の高温多湿環境下に
あってはこれら有機系紫外線吸収剤が可塑剤や安定剤、
滑剤などと共に塩化ビニル系樹脂中から、その表面に移
行するため、接着不良となったり、この塩化ビニル系樹
脂そのものの変色や物性低下の原因となった。本発明
は、これら従来法の欠点をも解決するものである。
【0021】従来、塩化ビニル系樹脂中に有機系紫外線
吸収剤を直接分散させていたが、表面への移行に起因す
るさまざまな問題点を有していたため、本発明は、バイ
ンダ−中に、酸化亜鉛微粒子を均一に分散したものを塩
化ビニル系樹脂フィルム上に積層することにより、塩化
ビニル系樹脂フィルム及び被覆体の印刷シート等の双方
に優れた耐候性を与えることが可能となった。すなわ
ち、ここでバインダ−は、酸化亜鉛微粒子を均一に分散
するための作用、酸化亜鉛微粒子を含む紫外線吸収層を
塩化ビニル系樹脂シ−トに密着させるための作用、さら
には、その上にさらに積層されるフッ素系樹脂層の塩化
ビニル系樹脂フィルムへの密着性を向上させるためのプ
ライマーとしての作用も有する。この表面に使用するフ
ッ素系樹脂はその特性である撥水、撥油性により、フッ
素系樹脂層表面へ汚れが付着し難く、酸化亜鉛微粒子を
保護し更には、仮に汚れが付着しても容易に除去可能で
あるため防汚染層としても作用する。
【0022】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。 (塩化ビニル系樹脂フィルムの作製)塩化ビニル樹脂・
TK−1000[信越化学工業(株)製商品名] 100重量
部、エポキシ化大豆油可塑剤・アデカサイザーO− 130
D[アデカ・アーガス化学(株)製商品名]5重量部と
可塑剤・アデカサイザーPN−400 [アデカ・アーガス
化学(株)製商品名]15重量部からなる可塑剤の合計20
重量部;カルシウム・亜鉛系安定剤2重量部、メルカプ
トスズ系安定剤1重量部、アマイド系滑剤 0.3重量部を
ヘンシエル型高速撹拌機を用いて撹拌、混合し、配合物
を得た。この配合物から公知のカレンダーシート成形機
により、厚さ 0.1mmの塩化ビニル系樹脂フィルムを得
た。
【0023】(実施例1)前記の塩化ビニル系樹脂フィ
ルム上に、、粒子径 0.005〜 0.015μmの六方晶系酸化
亜鉛微粒子を50重量%分散したアクリル系樹脂溶液を、
厚さ約2μmとなるようにグラビアコーター・ZR−10
0 [住友セメント(株)製商品名]で塗布し、次いで80
℃で30秒間乾燥して膜厚2μmの紫外線吸収層を有する
塩化ビニル系樹脂フィルムを得た。MIBK/キシレン
=1/1の混合溶剤に溶剤型フッ素系樹脂を固形分濃度
50重量%、架橋剤・コロネートEH[日本ポリウレタン
(株)製商品名]を該フッ素系樹脂 100重量部に対して
を10重量部の割合で添加した低温架橋性の溶剤型フッ素
系樹脂・ルミフロンLF− 302D[旭硝子(株)製商品
名]を前記紫外線吸収層上に厚さ10μmになるようにグ
ラビアコーターを用いて塗布し、次いで80℃で60秒間乾
燥後、40℃で48時間エイジングを行い防汚染性と紫外線
遮蔽性に優れた建材用フィルムを得た。他方、カレンダ
ー成形法により得られた厚さ80μmの半硬質塩化ビニル
系樹脂フィルム状物上に、グラビア印刷により高級石目
印刷を施したものを準備し、この印刷面上に上記の建材
用フィルムを積層した、積層はダブリング機(エンボス
加工機)により、加熱加圧して図2に示すようなフッ素
系樹脂層1、酸化亜鉛微粒子2を均一に分散したバイン
ダ−からなる紫外線吸収層3、塩化ビニル系樹脂フィル
ム4、表面に高級石目印刷5が施されている塩化ビニル
系樹脂層6が上から順に積層されてなる積層体を得た。
この積層体の上表面にピッチ約2mm、深さ約 0.5mmの高
級石目調のエンボスロールによりエンボス加工を施し
た。
【0024】(実施例2)実施例1と全く同様にして塩
化ビニル系樹脂フィルムの上に得られた紫外線吸収層上
に、フッ素系樹脂の固形分濃度25重量%で、溶剤を酢酸
エチル/MIBK/MEK=1/1/1とした一液性の
溶剤型フッ素系樹脂・バーコートXPF−2300−1[大
日本色材工業(株)製商品名]を厚さ5μmになるよう
にグラビアコーターを用いて塗布し、次いで80℃で60秒
間乾燥後、40℃で48時間エイジングを行い、防汚染性に
優れ、かつ紫外線遮蔽性にも優れた建材用フィルムを得
た。次いでこのフィルムを実施例1と同様に高級石目印
刷を施した半硬質塩化ビニル系樹脂フィルム状物の上に
積層した。
【0025】(比較例1)塩化ビニル系樹脂フィルムの
上に、粒子径 0.005〜 0.015μmの六方晶系酸化亜鉛微
粒子を50重量%分散したアクリル系樹脂溶液をグラビア
コーター・ZR−100 [住友セメント(株)製商品名]
で約 0.5μmの厚さとなるように塗布し、次いで80℃で
30秒間乾燥して膜厚 0.5μmの紫外線吸収層を有する塩
化ビニル系樹脂フィルムを得た。さらにその上に実施例
1と同様に、溶剤型フッ素系樹脂を膜厚10μmとなるよ
うに塗布した。このフィルムを実施例1と同様に高級石
目印刷を施した半硬質塩化ビニル系樹脂フィルム状物の
上に積層した。
【0026】(比較例2)実施例1と全く同様にして塩
化ビニル系樹脂フィルムの上に紫外線吸収剤層を設け、
その上に膜厚1μmとなるように実施例1で用いたフッ
素系樹脂層を設けた塩化ビニル系樹脂フィルムを、実施
例1と同様の高級石目印刷を施した半硬質塩化ビニル系
樹脂フィルム状物上にダブリング機で積層した。
【0027】(比較例3)実施例1で使用した塩化ビニ
ル系樹脂に予め紫外線吸収剤・チヌビン 327[チバ・ガ
イギー(株)製商品名] 1.2重量部を混合、混練してフ
ィルムにしたものの表面に、実施例1で用いたのと同様
なフッ素系樹脂層を積層した。さらに実施例1と同様
の、高級石目印刷を施した半硬質塩化ビニル系樹脂フィ
ルム状物の上にこのフィルムを同様の方法で積層した。
【0028】(比較例4)T−ダイ成形法により得られ
たベンゾフェノン系紫外線吸収剤を含む、厚さ50μmの
アクリル系樹脂フィルム状物の上に、同じくT−ダイ成
形法により得られた厚さ20μmのフッ化ビニリデン樹脂
フィルムを押出しラミネートして積層体を得た。これ
に、実施例1と同様の高級石目印刷を施した厚さ80μm
の半硬質塩化ビニル系樹脂フィルム状物を同様の方法で
積層した。
【0029】以上の実施例1〜2、比較例1〜4で得ら
れた積層体について下記の試験手法により試験を行い得
られた試験結果を第1表に示した。 (1) 耐候性試験方法 サンシャインウエザオメーター(JIS A 1415)に従って
サンシャインウエザオメーターで促進暴露試験を行い、
5,000時間経過後の色差と光沢の評価を行った。試験条
件は、 150mm×70mmの寸法の試料片を用い、ブラックパ
ネル温度65℃、スプレー水のサイクル 180分中18分、ス
プレー水の圧力1kg/cm2とし、スプレー水はイオン交換
水を使用した。 (2) 紫外線遮蔽波長領域の測定方法 吸光度計を用い、 210〜900nm の吸光度を測定し遮蔽波
長領域を求めた。 (3) エンボス加工適性 ダブリング・エンボス加工機を用いて、積層体の上表面
にエンボス加工を施した時のエンボスの入り具合の評価
を行った。
【0030】(4) 色差 JIS Z 8722に定められた測定方法に準じ、JIS Z 8730の
色差表示方法に準じて△E*abで表示した。[日本電
色(株)製 測色色差計モデルZ−1001DP使用] (5) 光沢 光沢については、JIS K 5400に定められた60度鏡面光沢
測定法により測定し、耐候性試験後の保持率%で表示し
た。 (6) フッ素樹脂塗膜の密着度 セロテープ碁盤目試験により残存率を%で表示した。 (7) 防汚染性 JIS A 5704に準じ、日本薬局方による日方ワセリンとJI
S K 5107に規定する顔料用カーボンを10/1で混練した
ものを汚染物質とし、JIS Z 8722で規定する刺激値Yの
回復率をもって汚染回復率%とした。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】表1から明らかなように実施例1及び2
のフィルムは比較例4のフィルムに比較すると防汚染性
では同等であり耐候性とエンボス加工適性ではより優れ
ている。また比較例3のフィルムと比較すると耐候性及
びフッ素系樹脂層の密着度でより優れていることがわか
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建材用フィルムの断面説明図。
【図2】本発明の建材用フィルムを使用した実施例1の
積層体の断面説明図。
【符号の説明】
1 フッ素系樹脂層 2 酸化亜鉛微粒子 3 紫外線吸収層 4 塩化ビニル系樹脂フィルム 5 高級石目印刷 6 塩化ビニル系樹脂フィルム

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂フィルム上に厚さ1〜
    10μmの酸化亜鉛微粒子を均一に分散したバインダ−か
    らなる紫外線吸収層、厚さ2〜20μmのフッ素系樹脂層
    を順次積層してなることを特徴とする建材用フィルム。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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