JP3603487B2 - ポリ塩化ビニル製粘着テープ - Google Patents

ポリ塩化ビニル製粘着テープ Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ塩化ビニル製粘着テープに関するものである。更に詳しくは、遮光性、耐候性に優れ、且つ、指先で容易に切り取ることができるポリ塩化ビニル製粘着テープに関するものである。具体的には、遮光性農業用フィルムの補修用テープや、表面保護フイルムとして利用できる。
【0002】
【従来の技術】
従来、遮光性農業用フィルムの補修テープとしては、遮光性農業用フィルム自身に接着剤を塗って切り張りすることで使用してきたが、指先では簡単に切れず、ハサミやカッター等を使用する必要があるため、作業性が劣るという問題があった。また、塗装鋼板や、建材外壁等屋外で使用する表面保護フイルムにおいても、耐候性と作業性の良いものが望まれていた。
【0003】
指先で簡単に切れる性能(以下「手切れ性」という)を改良する方法として、粘着テープにミシン目や切り込みを入れる方法が一般に知られているが、ポリ塩化ビニル製粘着テープにこれらの方法を適用した場合は、極端に引張り強度等の機械物性が低下するため、数ヶ月〜数年屋外で使用する補修テープや表面保護フイルムとしては、実用的ではなかった。
【0004】
この点を改良するために、単に切れ目や凹部を形成する方法が、特開昭56−120784号公報等により提案されているが、ポリ塩化ビニル製粘着テープに用いた場合には、手切れ性は若干改良されるものの、強度の点で劣るという欠点があった。また、ポリ塩化ビニル製粘着テープに特定形状の溝を設ける方法が特開平7−286143号公報により提案され、手切れ性が改良されたものの、耐候性等のその他の性能に劣るという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
遮光性、耐候性に優れ、且つ指先で容易に切り取ることができるポリ塩化ビニル製粘着テープの提供。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塩化ビニル系樹脂100重量部あたり、数平均分子量が1200〜3000のポリエステル系可塑剤を20〜50重量部、遮蔽性顔料を5〜50重量部及び平均粒子径0.5〜10μmである無機微粒子を5〜40重量部含む塩化ビニル系樹脂フイルムの少なくとも片面に、フィルムの幅方向に平行に、断面V字形またはU字形の直線状の溝が複数形成され、そのフィルムの少なくとも片面に粘着剤層を設けてなるテープにおいて、溝断面のV字の対向する2つの傾斜面の各々がフィルム面となす角またはU字の対向する2つの曲面の各々に溝深さの1/2の位置で引いた接線の各々がフィルム面となす角である角A及びBが、下記の関係式(I)〜(IV)を満たし、溝の深さがフィルム厚さの1/20〜3/10であり、溝のピッチが50〜250μmであることを特徴とするポリ塩化ビニル製粘着テープに存する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルの単独重合体の他、塩化ビニルとこれと共重合可能な他の単量体との共重合体を含む。
塩化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のビニルエステル類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、ジブチルマレエート、ジエチルマレエート等のマレイン酸エステル類、ジブチルフマレート、ジエチルフマレート等のフマール酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、エチレン、プロピレン、スチレン等のα−オレフィン類、塩化ビニリデン、臭化ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビニリデン又はハロゲン化ビニル類、ジアリルフタレート、エチレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体があげられ、勿論、これらの単量体は、上述のものに限定されるものではない。また、これらの単量体は、塩化ビニル単量体に対し、通常30重量部以下、好ましくは20重量部以下の割合で使用されるが、特に制限はない。
塩化ビニル系樹脂の重合度は、700〜2500の範囲で選ぶことができ、好ましくは、700〜1700である。
【0008】
本発明においてポリエステル系可塑剤は、粘着テープの耐久性を向上させる機能を有する。具体的には、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族二塩基酸と1,2−プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールのようなグリコールとを重縮合した構造のポリエスエル系可塑剤のうち、数平均分子量が1200〜3000のものであればいずれでもよい。数平均分子量は、特に1500〜2500のものが好ましい。数平均分子量が、1200未満では、耐候性に劣り、逆に、3000を超えると塩化ビニル系樹脂フイルムと粘着剤との密着性が不十分となり、更には手切れ性が劣る。
これらポリエステル系可塑剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部あたり、20〜50重量部、好ましくは25〜45重量部である。配合量が、20重量部未満では粘着テープの柔軟性が不十分であり、また、50重量部を超えると強度が劣り、汚れがつきやすくなる。
【0009】
本発明で用いる遮蔽性顔料は、光線を遮蔽する能力を有するものであればいずれでもよい。具体的には例えば、酸化チタン、亜鉛華、鉛白、石膏、沈降性シリカ、カーボンブラック、ベンガラ、モリブデン赤、カドミウム黄、黄鉛、チタン黄、酸化クロム緑、群青等の無機顔料;パーマネント・レッド4R、ハンザ・イエロー10G、ベンジジンイエローGR、パーマネント・カーミンFB、フタロシアニン・ブルーB、フタロシアニン・グリーン等の有機顔料があげられる。中でも、酸化チタンが好ましい。酸化チタンとしては、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタンのいづれでもよいが、ルチル型酸化チタンが耐久性の点で好ましい。その平均粒径は0.01〜0.5μmのものが好ましい。
配合量は塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、5〜50重量部、好ましくは10〜30重量部である。配合量が5重量部未満では耐候性、遮光性が劣り、50重量部を超えると配合量に比し耐久性の向上効果は望めず、逆に基材フイルム自体の物性強度が低下する。
【0010】
また、本発明においては、塩化ビニル系樹脂フイルムに平均粒子径0.5〜10μmの無機微粒子を塩化ビニル樹脂100重量部に対して5〜40重量部配合する。使用する無機微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、珪酸アルミニウム、タルク等があげられ、特に炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムが好ましい。
これらの無機微粒子は、1種または2種以上を組合わせて配合することが出来る。これら無機微粒子の平均粒子径は、0.5〜10μm、好ましくは0.5〜5μmである。配合量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して5〜40重量部、好ましくは10〜30重量部である。配合量が5重量部未満では、手切れ性が不十分となり、40重量部を超えると粘着テープの強度が劣る。
【0011】
また、本発明では、ヒンダードアミン系化合物とハイドロタルサイト類をフィルムの耐熱性を向上させるために配合してもよい。ヒンダードアミン系化合物としては、従来塩化ビニル系樹脂に配合しているようなものを用いればよく、具体的には以下のものが例示できる。
(1)2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−ベンゾエート
(2)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
(3)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オキザレート
(4)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート
(5)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート
(6)トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ホスファイト
(7)トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート
【0012】
(8)トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリアジン−2,4,6−トリカルボキシレート
(9)トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトロトリアセテート
(10)トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタン−1,2,3−トリカルボキシレート
(11)1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチル−3−n−オクチルスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン
(12)1,2,3,4−テトラ(4−カルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−ブタン
(13)1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチル−2,4−ジオキソ−スピロ[4,5]デカン
(14)トリ(4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)アミン
【0013】
(15)4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(16)4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(17)4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(18)4−フェニルカルバモイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(19)4−p−トルエンスルホニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
(20)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート
(21)商品名「キマソーブ944FL」
【0014】
【化2】
Figure 0003603487
【0015】
(22)商品名「チヌビン144」
【0016】
【化3】
Figure 0003603487
【0017】
これらヒンダードアミン系化合物の配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部あたり、0.1〜3重量部、好ましくは0.2〜2重量部である。0.1重量部未満では十分な耐候性が得られず、3重量部を超えると、配合量に見合った耐候性向上効果は得られず、逆に接着剤層への移行等により劣化を促進する。
【0018】
本発明で用いるハイドロタルサイト類は、下記一般式(V)で示される化合物である。
【化4】
1−x 2+Al(OH)(An−x/n・mHO ・・・(V)
0<x<0.5、0≦m≦2
(但し式中、M2+はMg、Ca及びZnよりなる群からえらばれた二価金属イオンを示し、An−はn価のアニオンを示す。)
前記式(V)において、An−で表されるn価のアニオンの例としては、Cl、Br、I、NO 、ClO 、SO 2−、CO 2−、SiO 2−、HPO 2−、HBO 2−、PO 3−、Fe(CN) 3−、Fe(CN) 4−、CHCOO
【0019】
【化5】
Figure 0003603487
【0020】
これらハイドロタルサイト類の平均粒子径は、0.01〜0.5μmのものが好ましく、その配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部あたり、0.5〜20重量部が好ましい。
【0021】
更に、塩化ビニル系樹脂フイルムには必要に応じて、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の添加剤を配合することができる。
熱安定剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、二塩基性ステアリン酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレート、ジブチルスズメルカプタイド、あるいは、ジオクチルスズマレート系安定剤、ジオクチルスズラウレート系安定剤、ジオクチルスズメルカプタイド系安定剤等があげられる。これら熱安定剤は、塩化ビニル系樹脂100重量部あたり、0.1〜10重量部配合すればよい。
【0022】
滑剤としては、高級脂肪酸またはその金属塩類、各種パラフィン、高級アルコール類、天然ワックス類、ポリエチレンワックス、脂肪酸エステル及び脂肪酸アミド等があげられる。これら滑剤は、塩化ビニル系樹脂100重量部あたり、0.1〜10重量部配合すればよい。
【0023】
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、或いはサリチル酸エステル系紫外線吸収剤等があげられる。これら紫外線吸収剤は、塩化ビニル系樹脂100重量部あたり、0.1〜10重量部配合すればよい。
【0024】
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等があげられる。これら帯電防止剤は、塩化ビニル系樹脂100重量部あたり、0.1〜10重量部配合すればよい。
【0025】
塩化ビニル系樹脂フィルムを製造するには、まず、塩化ビニル系樹脂に所定量のポリエステル系可塑剤、遮蔽性顔料、無機微粒子、各種添加剤を所定割合秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー或いはスーパーミキサー等の混合機により混合して樹脂組成物とする。得られた組成物を、それ自体公知の方法、例えばTダイ法やインフレーション法等の溶融押出成形法、カレンダー成形法、溶液流延法等の方法によりフィルムを製造することができる。
フィルムの厚さは、作業性や強度、耐候性の点から、50〜200μm、特に70〜150μmとするのが良い。
【0026】
本発明の塩化ビニル系樹脂製粘着テープには、フィルムの少なくとも片面に、フィルムの幅方向に平行に、即ちフィルムの長手方向に対して直角に、断面V字形またはU字形の直線状の溝が複数形成されている。
得られたフィルムに溝を付ける方法としては、特定の凹凸又は凸状を持つエンボスロールやプレス板で加工する方法等を用いればよい。溝の形状は、V字の対向する2つの傾斜面の各々がフィルム面となす角、またはU字の対向する2つの曲面の各々に溝深さの1/2の位置で引いた接線(図2のa及びb)がフィルム面となす角である角A及びBが、下記の関係式(I)〜(IV)を満たすものである。更に、溝の深さ(図1及び2のD)は、フィルム厚さの1/20〜3/10、好ましくは1/15〜3/10であり、溝のピッチ(図1及び2のP)は、50〜250μm、好ましくは100〜250μmである。
【0027】
【数2】
A≦B≦4A ・・・(I)
A+B≦100° ・・・(II)
10°≦A≦50° ・・・(III)
20°≦B≦80° ・・・(IV)
【0028】
溝の深さが、1/20未満では手切れ性が劣り、3/10を超えると強度、遮光性が劣り、溝ピッチが、上記の範囲以外では、力のかかり具合が分散してしまい、手切れ性が劣る。また、傾斜角度が所定範囲未満のでは、手切れ性が劣り、所定範囲を超えると強度および耐候性が劣る。
溝の形状が上記の式を満たし、かつ、テープ中に特定のポリエステル系可塑剤、遮蔽性顔料および無機微粒子を含有させることにより、耐候性、遮光性、強度に優れ、且つ、指先で容易に切り取ることができるポリ塩化ビニル製粘着テープが得られる。
【0029】
本発明において用いる粘着剤としては、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤あるいはアクリル系粘着剤等の合成樹脂系粘着剤のいずれでも使用でき、表面保護の用途では、再剥離型粘着剤を用いるのがよい。
所定の溝を形成したフイルムに粘着剤層を設けるには、例えば、粘着剤をトルエン、酢酸エチル等の溶剤に溶解させた塗布液をリバースロールコート法等により、フイルム面に直接塗布した後、乾燥させるか、あるいは、一旦離型紙に塗布し、乾燥させてから、フイルム面に転写すればよい。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限定されるものではない。
実施例1〜4、比較例1〜7
表−1に示す組成からなる塩化ビニル系樹脂組成物を、カレンダー装置にて厚さ100μmのフイルムa〜gを作成した。
【0031】
【表1】
Figure 0003603487
【0032】
表−1中の注は以下のことを意味する。
*1:三菱化学(株)製 PVC 37L(平均分子量 1050)
*2:ポリエステル系1 三菱化学(株)製 ダイヤサイザー D−623
(数平均分子量 1800)
:ポリエステル系2 大日本インキ化学(株)製 ポリサイザー P−204N
(数平均分子量 4000)
:ジ−2−エチルヘキシルフタレート 三菱化学(株)製 DOP
*3:CR−90 石原産業(株)製 ルチル型酸化チタン(平均粒子径0.2μm)
*4:チバガイギー社製 キマソーブ944FL
*5:Mg0.67Al0・33(OH)(CO0.165
*6:アデカ・アーガス(株)製 AP−539 Ba/Zn系安定剤
*7:川研ファインケミカル(株)製 Bu−St エステル系滑剤
【0033】
表−2に示すようなピッチとシボ高さの、図−3に示すような形状のエンボスロールを用いて、表−2に示す種類の塩化ビニル樹脂フィルムに溝を形成した。溝形状は、表−2に示す通りであった。例えば実施例1のフイルムは、直径210mmのエンボスロールで表面形状が、ピッチ(図−3のP’)200μm、シボ高さ(図−3のT’)95μmのものを用い、赤外線ヒーターで130℃に加熱したフイルムを水冷エンボスロールと水冷ゴムロールとの間に0.4kg/cmの線圧力となるように通すことでフイルム片面にフイルム幅方向に平行な直線状の溝を形成させた。
このようにして得られた溝を有するフィルムの、溝を有する面上にアクリル系粘着剤を塗布し、100℃で乾燥させて粘着フイルムを作成した。更に、このフイルムを8cm幅に切断し粘着テープを得た。
【0034】
【表2】
Figure 0003603487
【0035】
得られた各粘着テープの、指先での切り易さ、遮光性、初期及び耐候試験後の強度を評価し、結果を表−3に示した。なお、評価方法は次の通りである。
(1)手切れ性(指先での切り易さ)
ハサミ、カッター等の治具を用いず、両手の指先だけで粘着テープの幅方向に切り、その時の切り易さを評価した。評価基準は次の通りである。
○:容易に切れ、力がほとんど要らない(切り口が直線状)
△:切り始めに少し力が要るが、切れ始めると容易に切れる(切り口が直線状)
×:切ることが困難で、切ろうとすると伸びてしまう(切り口が波打つ)
【0036】
(2)遮光性
波長555nmでの光線透過率を分光光度計(日立330型)で測定した。
(3)初期の強度
・粘着テープの横方向(幅方向)について、JIS K6732に準じエレメンド ルフ引裂き強度を測定した。
・粘着テープの縦方向(長手方向)について、JIS Z0237に準じ引張強度 を測定した。
(4)耐候試験後の強度
促進耐候試験機サンシャインウエザロメーター(ブラックパネル温度 63℃、降雨12分/60分)に600時間さらした後、JIS Z0237に準じて評価した。
【0037】
【表3】
Figure 0003603487
【0038】
【発明の効果】
本発明に係るポリ塩化ビニル製粘着テープは、遮光性、耐候性に優れ、且つ、指先で容易に切り取ることが出来ることから粘着テープとしての利用価値は極めて大きい。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】エンボスフイルムの1例の模式断面図。
【図2】エンボスフイルムの1例の模式断面図。
【図3】エンボスロール表面の模式断面図。
【符号の説明】
A,B 溝断面V字形のV字の対向する2つの傾斜面の各々がフィルム面となす角またはU字形のU字の対向する2つの曲面の各々に溝深さの1/2の位置で引いた接線の各々がフィルム面となす角
α、β エンボスロールのシボの角度
D エンボスフイルムの溝深さ
P エンボスフイルムの溝ピッチ
P’ エンボスロールのシボのピッチ
T エンボスフイルムの厚さ
T’ エンボスロールのシボの高さ
W エンボスフイルムの溝幅
a,b 断面U字形の溝の溝深さ1/2の位置で引いた接線
a’,b’ U字形の溝の溝深さ1/2の位置

Claims (5)

  1. 塩化ビニル系樹脂100重量部あたり、数平均分子量が1200〜3000のポリエステル系可塑剤を20〜50重量部、遮蔽性顔料を5〜50重量部及び平均粒子径0.5〜10μmである無機微粒子を5〜40重量部含む塩化ビニル系樹脂フイルムの少なくとも片面に、フィルムの幅方向に平行に、断面V字形またはU字形の直線状の溝が複数形成され、そのフィルムの少なくとも片面に粘着剤層を設けてなるテープにおいて、溝断面のV字の対向する2つの傾斜面の各々がフィルム面となす角またはU字の対向する2つの曲面の各々に溝深さの1/2の位置で引いた接線の各々がフィルム面となす角である角A及びBが、下記の関係式(I)〜(IV)を満たし、溝の深さがフィルム厚さの1/20〜3/10であり、溝のピッチが50〜250μmであることを特徴とするポリ塩化ビニル製粘着テープ。
    Figure 0003603487
  2. 遮蔽性顔料が、平均粒子径0.01〜0.5μmである酸化チタンである請求項1記載のポリ塩化ビニル製粘着テープ。
  3. 無機微粒子が、炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウムである請求項1または2記載のポリ塩化ビニル製粘着テープ。
  4. 塩化ビニル系樹脂フィルムが、該樹脂100重量部あたり、0.1〜3重量部のヒンダードアミン系化合物と0.5〜20重量部の下記一般式(V)で示されるハイドロタルサイト類を含んでなる請求項1ないし3のいずれかの項に記載のポリ塩化ビニル製粘着テープ。
    Figure 0003603487
    (但し式中、M2+はMg、Ca及びZnよりなる群からえらばれた二価金属イオンを示し、An−はn価のアニオンを示す。)
  5. 粘着剤層が、再剥離型粘着剤層である請求項1ないし4のいずれかの項に記載のポリ塩化ビニル製粘着テープ。
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