JP7360889B2 - 多層管 - Google Patents

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Description

本発明は、内層と外層とを備える多層管に関する。
マンション、アパート、戸建住宅等の建築物には、給水及び排水をするために、塩化ビニル樹脂管等のプラスチック配管が多く使用されている。また、屋外で使用される配管として、内層と、耐候性を有する材料により形成された外層とが一体化された配管が用いられている。
下記の特許文献1には、管状に形成された内層部と、該内層部の外側に該内層部と一体に設けられ、前記内層部よりも耐候性の高い外層部とを有する配管が記載されている。
また、下記の特許文献2,3には、耐候性を有する樹脂組成物が開示されている。
下記の特許文献2には、(A)ビニル系共重合体と、(B)イソシアナート基を2個以上含有する化合物と、(C)加水分解性ケイ素基及びイソシアナートの硬化触媒とを含有するコーティング用多液型硬化性樹脂組成物が開示されている。(A)ビニル系共重合体は、主鎖として(メタ)アクリル系共重合体鎖を有し、主鎖末端及び/又は側鎖に特定の構造を含む加水分解性ケイ素基を10個以上有し、且つ主鎖末端及び/又は側鎖に水酸基を10個以上有する。
下記の特許文献3には、(I)水酸基価60~120の水酸基含有グラフト共重合体と、(II)変性ビニル系共重合体と、(III)ポリイソシアネート化合物とを含有する被覆用組成物が開示されている。(I)水酸基含有グラフト共重合体は、(a)マクロモノマー10~30重量%、(b)スチレン0~30重量%、及び(c)その他のエチレン性不飽和単量体40~90重量%を共重合させることにより得られる。(II)変性ビニル系共重合体は、(a)セルロースアセテートブチレート5~75重量%と、(b)ビニルモノマー混合物95~25重量%とを共重合させることにより得られる。上記(b)ビニルモノマー混合物は、水酸基を含有する官能性ビニルモノマーの少なくとも1種1~50重量%と、共重合可能な他のビニルモノマー99~50重量%とから構成される。
特開2016-188696号公報 WO2013/081022A1 特開平06-001949号公報
塩化ビニル樹脂管等のプラスチック配管の耐候性が低い場合には、紫外線により塩化ビニル樹脂等が分解し、耐衝撃性が低下したり、外表面が黒化又は白化することによって意匠性が低下したりすることがある。
特許文献1に記載の配管では、耐候性をある程度高めることができるものの、配管の形状によっては内層が外層により被覆されていない部分が存在したり、内層と外層との接着力が低く、外層が剥離したりすることがある。この場合、外層が被覆されてない部分又は外層が剥離した部分において、耐候性を十分に高めることができないことがある。
特許文献2,3に記載のような耐候性を有する樹脂組成物を内層に塗布して外層を形成する場合、得られる配管の耐候性を高めることができる。
しかしながら、本発明者は、耐候性を有する従来の樹脂組成物によって外層を形成した場合、得られる多層管の耐衝撃性が、外層を形成する前の管の耐衝撃性よりも大きく低下することを見出した。耐衝撃性が低い場合には、多層管の保管時、輸送時、施工時及び使用時に、多層管が破損することがある。
本発明の目的は、内層と外層との接着性に優れ、かつ耐候性及び耐衝撃性に優れる多層管を提供することである。
本発明の広い局面によれば、塩化ビニル系樹脂を含む内層と、前記内層の外表面上に配置されており、かつアクリル系ブロック共重合体を含む外層とを備え、前記アクリル系ブロック共重合体が、メタクリル酸メチルと、アクリル酸ブチル又はアクリル酸2-エチルヘキシルとの反応物である、多層管が提供される。
本発明に係る多層管のある特定の局面では、0℃及び500mm/分の条件での前記内層の第1の引張破断伸び率が、30%以上80%以下であり、0℃及び500mm/分の条件での多層管の第2の引張破断伸び率が、30%以上80%以下であり、前記第1の引張破断伸び率と、前記第2の引張破断伸び率との差の絶対値が、20%以下であり、JIS K5600-5-6に準拠して、前記内層と前記外層との付着性試験をクロスカット法により行ったときに、前記付着性試験の結果が、分類0又は分類1である。
本発明に係る多層管のある特定の局面では、前記外層が、無機顔料を含み、前記無機顔料の平均粒径が、100nm以上800nm以下である。
本発明に係る多層管のある特定の局面では、前記外層の厚みが、0.01mm以上0.25mm以下である。
本発明に係る多層管は、塩化ビニル系樹脂を含む内層と、上記内層の外表面上に配置されており、かつアクリル系ブロック共重合体を含む外層とを備え、上記アクリル系ブロック共重合体が、メタクリル酸メチルと、アクリル酸ブチル又はアクリル酸2-エチルヘキシルとの反応物である。本発明に係る多層管では、上記の構成が備えられているので、内層と外層との接着性に優れ、かつ耐候性及び耐衝撃性に優れる。
図1は、本発明の一実施形態に係る多層管を示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(多層管)
本発明に係る多層管は、塩化ビニル系樹脂を含む内層と、上記内層の外表面上に配置されており、かつアクリル系ブロック共重合体を含む外層とを備える。本発明に係る多層管では、上記アクリル系ブロック共重合体が、メタクリル酸メチルと、アクリル酸ブチル又はアクリル酸2-エチルヘキシルとの反応物である。
本発明に係る多層管では、上記の構成が備えられているので、内層と外層との接着性に優れ、かつ耐候性及び耐衝撃性に優れる。従来の多層管では、該多層管の耐衝撃性能が、外層を形成する前の管の耐衝撃性能と比べて大きく低下するにもかかわらず、本発明の多層管では、該多層管の耐衝撃性能を、外層を形成する前の管の耐衝撃性能と同等程度に維持することができる。また、本発明に係る多層管では、内層と外層との付着性(接着性)を高めることができ、かつ耐候性を高めることができるので、例えば、多層管の耐衝撃性能等の機械的強度を長期に亘って維持することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。なお、以下の図面において、大きさ、厚み及び形状等は、図示の便宜上、実際の大きさ、厚み及び形状等と異なる場合がある。
図1は、本発明の一実施形態に係る多層管を示す断面図である。
多層管11は、内層1と、外層2とを備える。内層1は、管状である。内層1は、多層管11の両側の末端に至っている。
外層2は、内層1の外表面上に配置されている。外層2は、内層1の外表面の全体に配置されている。外層は、多層管の両側の末端に至っていることが好ましい。外層は、管状に配置されていることが好ましい。
(内層)
上記内層は、塩化ビニル系樹脂を含む。上記内層は、塩化ビニル系樹脂を含む内層の材料を成形することにより得られる。上記塩化ビニル系樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記塩化ビニル系樹脂としては特に限定されない。上記塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルモノマーの単独重合体、塩化ビニルモノマーと塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとの共重合体、並びに、塩化ビニル以外の重合体及び共重合体に塩化ビニルがグラフト重合されたグラフト重合体等が挙げられる。上記塩化ビニル系樹脂は、硬質塩化ビニル系樹脂であってもよい。
上記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとしては特に限定されず、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα-オレフィン化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル化合物;ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル化合物;スチレン、α-メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等のN-置換マレイミド化合物等が挙げられる。上記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
塩化ビニルをグラフト共重合する重合体及び共重合体としては特に限定されず、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル-一酸化炭素共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-ブチルアクリレート-一酸化炭素共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、及び塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。塩化ビニルをグラフト共重合する重合体及び共重合体は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記塩化ビニル系樹脂100重量%中、塩化ビニルに由来する構造単位の含有率は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは75重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上、好ましくは98重量%以下、より好ましくは95重量%以下である。上記塩化ビニルに由来する構造単位の含有率が上記下限以上であると、耐衝撃性をより一層高めることができる。上記塩化ビニルに由来する構造単位の含有率が上記上限以下であると、成形性を高めることができ、成形時に塩化ビニルの熱分解を抑えることができ、また、耐衝撃性、扁平性及び耐水圧性を高めることができ、さらに、外観を良好にすることができる。なお、上記塩化ビニル系樹脂100重量%中、塩化ビニルに由来する構造単位の含有率は、100重量%(全量)であってもよい。
上記塩化ビニル系樹脂の重合度は、好ましくは100以上、好ましくは10000以下である。上記塩化ビニル系樹脂の重合度が上記下限以上であると、疲労特性等の長期性能が損なわれ難い。上記塩化ビニル系樹脂の重合度が上記上限以下であると、成形時に高温下にする必要がなくなり、加工性がより一層良好になる。
上記塩化ビニル系樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の有機材料と併用してもよい。例えば、機械的強度をより一層向上させるために、アクリル樹脂等を上記塩化ビニル系樹脂と併用してもよい。
また、上記塩化ビニル系樹脂は、後塩素化塩化ビニル系樹脂であってもよい。
上記内層100重量%中、上記塩化ビニル系樹脂の含有量は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、好ましくは80重量%以下、より好ましくは75重量%以下である。上記塩化ビニル系樹脂の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、耐候性及び耐衝撃性をより一層高めることができる。
上記内層及び上記内層の材料は、必要に応じて、各種の添加剤を含んでいてもよい。上記添加剤としては、安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、衝撃改質剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、顔料、及び可塑剤等が挙げられる。上記添加剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記安定剤としては特に限定されず、熱安定剤、及び熱安定化助剤等が挙げられる。上記熱安定剤としては特に限定されず、有機錫系安定剤、鉛系安定剤、カルシウム-亜鉛系安定剤、バリウム-亜鉛系安定剤、及びバリウム-カドミウム系安定剤等が挙げられる。上記有機錫系安定剤としては、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート、及びジブチル錫ラウレートポリマー等が挙げられる。上記熱安定化助剤としては特に限定されず、例えば、エポキシ化大豆油、りん酸エステル、ポリオール、ハイドロタルサイト、及びゼオライト等が挙げられる。上記安定剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記滑剤としては、内部滑剤、及び外部滑剤が挙げられる。上記内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で使用される。上記内部滑剤としては特に限定されず、ブチルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エポキシ大豆油、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸、及びビスアミド等が挙げられる。上記外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用される。上記外部滑剤としては特に限定されず、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、エステルワックス、及びモンタン酸ワックス等が挙げられる。上記滑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記加工助剤としては特に限定されず、アクリル系加工助剤等が挙げられる。上記アクリル系加工助剤としては、重量平均分子量が10万~200万であるアルキルアクリレート-アルキルメタクリレート共重合体等が挙げられ、具体的には、n-ブチルアクリレート-メチルメタクリレート共重合体、及び2-エチルヘキシルアクリレート-メチルメタクリレート-ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。上記加工助剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記衝撃改質剤としては特に限定されず、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレン共重合体(MBS)、塩素化ポリエチレン、及びアクリルゴム等が挙げられる。上記衝撃改質剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記耐熱向上剤としては特に限定されず、α-メチルスチレン系、及びN-フェニルマレイミド系樹脂等が挙げられる。上記耐熱向上剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記酸化防止剤としては特に限定されず、フェノール系酸化防止剤等が挙げられる。上記酸化防止剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。上記紫外線吸収剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光安定剤としては特に限定されず、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。上記光安定剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記充填剤としては特に限定されず、炭酸カルシウム、及びタルク等が挙げられる。上記充填剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記顔料としては特に限定されず、有機顔料及び無機顔料が挙げられる。上記有機顔料としては、アゾ系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、スレン系有機顔料、及び染料レーキ系有機顔料等が挙げられる。上記無機顔料としては、酸化物系無機顔料、クロム酸モリブデン系無機顔料、硫化物・セレン化物系無機顔料、及びフェロシアニン化物系無機顔料等が挙げられる。上記顔料は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記可塑剤は、成形時の加工性を高める目的で添加されていてもよい。上記可塑剤としては特に限定されず、ジブチルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、及びジ-2-エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。上記可塑剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(外層)
上記外層は、アクリル系ブロック共重合体を含む。上記アクリル系ブロック共重合体は、メタクリル酸メチルと、アクリル酸ブチル又はアクリル酸2-エチルヘキシルとの反応物である。上記アクリル系ブロック共重合体は、メタクリル酸メチルと、アクリル酸ブチルとの反応物であってもよく、メタクリル酸メチルと、アクリル酸2-エチルヘキシルとの反応物であってもよく、メタクリル酸メチルと、アクリル酸ブチルと、アクリル酸2-エチルヘキシルとの反応物であってもよい。上記アクリル系ブロック共重合体は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アクリル系ブロック共重合体を含む外層は、例えば、メタクリル酸メチルと、アクリル酸ブチル又はアクリル酸2-エチルヘキシルとを含む外層の材料を、内層の外表面上に塗布し、該メタクリル酸メチルと該アクリル酸ブチル又は該アクリル酸2-エチルヘキシルとを反応させることにより形成することができる。また、上記アクリル系ブロック共重合体を含む外層は、例えば、上記アクリル系ブロック共重合体を含む外層の材料を、内層の外表面上に塗布することにより形成することができる。
上記アクリル系ブロック共重合体として、市販品を用いることもできる。上記アクリル系ブロック共重合体の市販品としては、クラレ社製「クラリティLAシリーズ」及び「クラリティLBシリーズ」(メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルとのブロック共重合体)及び、クラレ社製「クラリティLKシリーズ」(メタクリル酸メチルとアクリル酸2-エチルへキシルとのブロック共重合体)等が挙げられる。
<顔料>
耐候性をより一層高める観点から、上記外層及び上記外層の材料は、顔料を含むことが好ましい。上記顔料としては、着色顔料、体質顔料、及びアルミフレーク等が挙げられる。上記顔料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
耐候性をより一層高める観点から、上記顔料は、無機顔料であることが好ましい。
上記無機顔料としては、酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化鉄、カーボンブラック、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化クロム、硫酸モリブデン酸クロム酸鉛、炭酸カルシウム、及び硫化亜鉛等が挙げられる。
光の吸収に起因する顔料の発熱を効果的に抑え、かつ外層の劣化を効果的に抑え得る観点からは、上記無機顔料は、酸化チタンを含むことが好ましい。
上記無機顔料の平均粒径は、好ましくは100nm以上、より好ましくは120nm以上、好ましくは800nm以下、より好ましくは750nm以下である。上記無機顔料の平均粒径が上記下限以上であると、耐候性をより一層良好にすることができ、長期間に亘って、機械的特性を良好に維持することができる。上記無機顔料の平均粒径が上記上限以下であると、耐候性及び耐衝撃性をより一層高めることができる。
上記無機顔料の平均粒径は、数平均粒子径を示す。上記無機顔料の平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定を行うことにより求められる。
<溶剤>
内層と外層との接着性を高める観点、及び塗布性を高め、内層の外表面上に外層を良好に配置する観点から、上記外層の材料は、溶剤を含むことが好ましい。例えば、溶剤を含む外層の材料を、上記内層の外表面上に塗布した後、溶剤を揮発させることにより、外層を形成させることができる。上記溶剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
内層と外層との接着性をより一層高める観点、及び塗布性をより一層高める観点からは、上記溶剤は、有機溶剤であることが好ましい。
上記有機溶剤としては、トルエン、及びキシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、並びに、酢酸エチル、酢酸ノルマルブチル、及びセロソルブアセテート等のエステル系溶剤等が挙げられる。
内層と外層との接着性を更により一層高める観点及び耐衝撃性を高める観点からは、上記有機溶剤は、酢酸ノルマルブチルであることが好ましい。
<その他の成分>
上記外層の材料は、必要に応じて、例えば、レベリング剤及び沈降防止剤等を含んでいてもよい。
塗布性を高め、内層の外表面上に外層を良好に配置する観点から、上記外層の材料の20℃での粘度は、好ましくは25mPa・s以上、より好ましくは35mPa・s以上、好ましくは75mPa・s以下、より好ましくは60mPa・s以下である。また、上記粘度が上記の範囲内であれば、上記外層の材料をスプレー塗布により容易に塗布することができる。
上記外層の材料の20℃での粘度は、イワタカップを用いて測定される。
(多層管の他の詳細)
上記多層管は、上記内層と上記外層との2層の構造を有していてもよく、3層以上の構造を有していてもよい。上記外層は、多層管の最外層であることが好ましい。上記内層は、多層管の最内層であってもよく、最内層以外の層であってもよい。
上記多層管は、直管であってもよく、曲げ角度を有する管であってもよい。上記曲げ角度を有する管としては、例えば、T字管及びL字管等が挙げられる。
上記多層管は、継手であってもよい。
0℃及び500mm/分の条件での上記内層の第1の引張破断伸び率は、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは45%以上、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下、更に好ましくは60%以下である。上記第1の引張破断伸び率が上記下限以上及び上記上限以下であると、耐衝撃性をより一層高めることができる。
0℃及び500mm/分の条件での多層管の第2の引張破断伸び率は、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上、更に好ましくは40%以上、好ましくは80%以下、より好ましくは60%以下、更に好ましくは55%以下である。上記第2の引張破断伸び率が上記下限以上であると、耐衝撃性を高めることができ、また、扁平性も高めることができる。上記第2の引張破断伸び率が上記上限以下であると、比較的温度が高い場所で多層管を継手として用いたとしても、熱収縮等による接合部分への応力集中等を抑えることができ、多層管のひび又は割れを抑えることができる。
なお、上記第1の引張破断伸び率及び上記第2の引張破断伸び率は、より具体的には、0℃及び500mm/分の条件で、JIS K6815に準拠して求められる。
上記第1の引張破断伸び率と上記第2の引張破断伸び率とは同一であるか、又は、上記第1の引張破断伸び率が上記第2の引張破断伸び率よりも大きいことが好ましい。この場合、多層管に外部から衝撃が加わり変形したとしても、外層が内層の変形に良好に追従できるため、耐衝撃性を高めることができる。
耐衝撃性及び扁平性を高める観点から、上記第1の引張破断伸び率と、上記第2の引張破断伸び率との差の絶対値は、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下である。上記第1の引張破断伸び率と、上記第2の引張破断伸び率との差の絶対値は小さいほうが好ましい。
内層と外層との接着性を高め、例えば、多層管を設置した後などに外層が剥離することを抑える観点から、上記多層管では、JIS K5600-5-6に準拠して、上記内層と上記外層との付着性試験をクロスカット法により行ったときに、上記付着性試験の結果が、分類0又は分類1であることが好ましく、分類0であることが最も好ましい。
JIS K5600-5-6には、付着性試験の結果として、分類0~分類5の6つの分類が規定されている。分類0に近いほど、付着性に優れる。
内層まで太陽光等が到達することを効果的に抑え、耐候性より一層高める観点からは、上記外層の厚み方向における全光線透過率は、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下である。
上記全光線透過率を測定するための外層は、多層管から外層を切り出すことにより得てもよく、外層の材料を成形して多層管における外層の厚みと同じ厚みの層を作製することにより得てもよい。
上記全光線透過率は、JIS K7361-1に準拠して測定される。
実使用上の観点からは、上記多層管の厚みは、好ましくは2mm以上、より好ましくは4mm以上、更に好ましくは5mm以上、特に好ましくは10mm以上、好ましくは30.25mm以下、より好ましくは20.25mm以下であり、更に好ましくは15mm以下、特に好ましくは12mm以下である。
実使用上の観点及び耐候性をより一層高める観点からは、上記内層の厚みは、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上、更に好ましくは4mm以上、より好ましくは10mm以上、好ましくは30mm以下、より好ましくは20mm以下、更に好ましくは14.5mm以下、特に好ましくは13mm以下である。
実使用上の観点及び耐候性をより一層高める観点からは、上記外層の厚みは、好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.02mm以上、更に好ましくは0.1mm以上、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.5mm以下、更に好ましくは0.25mm以下、特に好ましくは0.20mm以下である。特に、上記外層の厚みが上記下限以上であると、耐候性を高めることができる。また特に、上記外層の厚みが上記上限以下であると、外観を良好にすることができる。
(多層管の製造方法)
上記多層管の製造方法としては、外層の材料を上記内層の外表面上に塗布することにより、上記外層を形成する方法等が挙げられる。上記内層の外表面上に塗布された上記外層の材料を乾燥することにより、上記内層の外表面上に外層を形成することができる。上記外層は、塗布膜であることが好ましい。
上記外層の材料の塗布方法としては、スプレー塗布、及びハケ等による塗布等が挙げられる。
上記外層の材料の塗布方法は、スプレー塗布であることが好ましい。上記外層の材料を内層の外表面上にスプレー塗布することにより、例えば、内層が複雑な形状を有する場合であっても、内層の外表面上に外層を容易にかつ均一に配置することができ、その結果、耐候性及び耐衝撃性に優れる多層管を得ることができる。また、上記スプレー塗布では、施工時間を短くすることができ、かつ施工費用を低くすることができる。
上記外層の材料の塗布厚みは、好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.02mm以上、更に好ましくは0.1mm以上、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.5mm以下、更に好ましくは0.25mm以下、特に好ましくは0.20mm以下である。上記塗布厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、上記外層の厚みを上記の好ましい範囲に良好に制御することができ、耐候性をより一層高めることができる。また、上記塗布厚みが上記上限以下であると、塗布時の液だれを抑えることができ、また、溶剤を良好に揮発させることができ、さらに、外層の剥離を効果的に抑えることができる。
上記メタクリル酸メチルと、上記アクリル酸ブチル又は上記アクリル酸2-エチルヘキシルとを含む外層の材料において、アクリル系ブロック共重合体の合成は、内層の外表面への塗布前に行われてもよく、内層の外表面への塗布後に行われてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
内層として、以下を用意した。
直管1:積水化学工業社製「エスロンノーマルVPパイプ」、口径50A
直管2:積水化学工業社製「エスロンノーマルVUパイプ」、口径50A
直管3:積水化学工業社製「エスロンHIパイプ」、口径50A
継手本体1:積水化学工業社製「エスロンTSソケット継手」、口径50A
継手本体2:積水化学工業社製「エスロンTSエルボ継手」、口径50A
継手本体3:積水化学工業社製「エスロンTSチーズ継手」、口径50A
継手本体4:積水化学工業社製「エスロンDVソケット継手」、口径50A
継手本体5:積水化学工業社製「エスロンTSHIソケット継手」、口径50A
なお、上記直管1,2及び上記継手本体1~5は、硬質塩化ビニル系樹脂を含む。また、上記直管3は、アクリルグラフト硬質塩化ビニル系樹脂を含む。
外層の材料として、以下を用意した。
(アクリル系ブロック共重合体)
アクリル系ブロック共重合体:クラレ社製「クラリティLB550」(メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルとのブロック共重合体)
(ポリオール化合物)
アクリルポリオール化合物:イサム塗料社製「ハイアートCBエコ ホワイト」、数平均分子量10000
なお、イサム塗料社製「ハイアートCBエコ ホワイト」は、該製品100重量%中、酸化チタン(平均粒径600nm)を50重量%で含む。
(イソシアネート化合物)
イソシアネート化合物:イサム塗料社製「ハイアートCBエコハードナー標準」、数平均分子量300
(溶剤)
酢酸ノルマルブチル:イサム塗料社製「ハイアートCBエコシンナー」
(無機顔料)
酸化チタン(平均粒径80nm)
酸化チタン(平均粒径600nm)
酸化チタン(平均粒径1200nm)
(実施例1)
内層として、継手本体1を用意した。
以下の成分を以下の配合比で23℃で混合して、外層の材料を得た。
イサム塗料社製「ハイアートCBエコシンナー」100重量部
クラレ社製「クラリティLB550」20重量部
酸化チタン(平均粒径600nm)5重量部
得られた外層の材料を、スプレーイングシステムジャパン合同会社製「TPU-65-0025-SS」を用いて、スプレー圧力0.2MPa及び23℃の条件で、継手本体1の外表面全体にスプレー塗布した。スプレー塗布後、60℃で30分間乾燥し、酢酸ノルマルブチル(溶剤)を揮発させ、内層の外表面上にアクリル系ブロック共重合体を含む外層を形成させた。なお、外層の厚みは0.03mmとした。このようにして、内層(継手本体)と外層とを備える多層管(継手)を得た。
(実施例2~5)
表1に示す内層を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、内層(継手本体)と外層とを備える多層管(継手)を得た。
(実施例6~8)
表1に示す内層を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、内層(管本体)と外層とを備える多層管を得た。
(実施例9)
平均粒径80nmの酸化チタンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、内層(継手本体)と外層とを備える多層管(継手)を得た。
(実施例10)
平均粒径1200nmの酸化チタンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、内層(継手本体)と外層とを備える多層管(継手)を得た。
(比較例1)
継手本体1自体を用いた。
(比較例2)
以下の成分を以下の配合比で23℃で混合して、外層の材料を得た。
イサム塗料社製「ハイアートCBエコ ホワイト」100重量部
イサム塗料社製「ハイアートCBエコハードナー標準」20重量部
イサム塗料社製「ハイアートCBエコシンナー」35重量部
なお、イサム塗料社製「ハイアートCBエコ ホワイト」は、上述したように、酸化チタン(平均粒径600nm)を含む。
得られた外層の材料を、スプレーイングシステムジャパン合同会社製「TPU-65-0025-SS」を用いて、スプレー圧力0.2MPa及び23℃の条件で、継手本体1の外表面全体にスプレー塗布した。スプレー塗布後、60℃で30分間乾燥し、酢酸ノルマルブチル(溶剤)を揮発させ、かつアクリルポリオール化合物とイソシアネート化合物とを反応させて、アクリルウレタン樹脂を含む外層を形成した。なお、外層の厚みは0.03mmとした。このようにして、内層(継手本体)と外層とを備える多層管(継手)を得た。
(比較例3,4)
表2に示す内層を用いたこと以外は、比較例2と同様にして、内層(継手本体)と外層とを備える多層管(継手)を得た。
(比較例5~7)
表2に示す内層を用いたこと以外は、比較例2と同様にして、内層(管本体)と外層とを備える多層管を得た。
(評価)
(1)引張破断伸び率
得られた多層管の外層を研磨機により削り、内層を得た。内層の引張破断伸び率(第1の引張破断伸び率)、及び多層管の引張破断伸び率(第2の引張破断伸び率)を、引張試験機(島津製作所社製「卓上形精密万能試験機 AGX-X」)を用いて、0℃及び500mm/分の条件で、JIS K6815に準拠して測定した。
(2)内層と外層との付着性試験(内層と外層との接着性)
得られた多層管について、JIS K5600-5-6に準拠して、上記内層と上記外層との付着性試験をクロスカット法により行った。具体的には、以下のようにして行った。得られた多層管を150mm×100mmのサイズに切り出し、試験サンプルを得た。20度の刃を有するカッターナイフ及び等間隔スペンサーを用いて、試験サンプルの外層に2mmの間隔で合計7本の切り込みを入れた。次いで、この切り込みに対して90度で同様の操作を行い、格子パターンを形成した。25mm×25mmあたり10Nの付着強さを有する透明感圧付着テープを、形成した格子パターン部分に貼り付けた後、60度の角度及び0.5秒~1.0秒で引き離した。格子パターンから外層が剥がれた数を数え、JIS K5600-5-6に記載の試験結果の分類に従って、分類した。
[付着性試験の判定基準]
○:分類0又は分類1
×:分類2、分類3、分類4又は分類5
(3)耐候性試験(色差)
得られた多層管について、下記の条件で800時間の耐候性試験を実施した。耐候性試験機として、ダイプラウインテス社製「METALWEATHER」を用いた。
[耐候性試験条件]
運転モード:L+D
L:照射強度75mW/cm、ブラックパネル温度50℃、湿度50%、4時間
D:照射なし、ブラックパネル温度30℃、湿度98%、4時間
シャワー:Dの前後に各30秒
耐候性試験実施前後の多層管について、日本電色工業社製の色差計「NR-300」を用いて、L,a,b値をJIS-Z8730に準拠して測定した。耐候性試験実施前の多層管のL,a,b値と、耐候性試験実施後の多層管のL,a,b値とから、下記式により色差を求めた。耐候性試験(色差)を下記の基準で判定した。
ΔE=[(ΔL)+(Δa)+(Δb)1/2
[耐候性試験(色差)の判定基準]
○:ΔEが5以下
△:ΔEが5を超え12以下
×:ΔEが12を超える
(4)落錘衝撃試験(50%衝撃破壊高さ)
用いた内層及び得られた多層管について、重量3kgの平底形状の錘を用いて、JIS K6742の附属書JA及びJIS K6743の附属書JAに準拠して、0℃にて落錘衝撃試験(耐衝撃試験)を実施した。測定結果から、JIS K7211に準拠して50%衝撃破壊高さを算出した。なお、落錘試験機として、安田精機製作所社製「FALLING DART IMPACT TESTER」を用いた。
また、下記式に従って、多層管の50%衝撃破壊高さの保持率を算出した。
多層管の50%衝撃破壊高さの保持率(%)=(多層管の50%衝撃破壊高さ(cm)/内層の50%衝撃破壊高さ(cm))×100
[落錘衝撃試験(50%衝撃破壊高さ)の判定基準]
○:多層管の50%衝撃破壊高さの保持率が70%以上
×:多層管の50%衝撃破壊高さの保持率が70%未満
(5)衝撃強度保持率
上記(3)耐候性試験(色差)で得られた耐候性試験実施後の多層管について、上記(4)落錘衝撃試験(50%衝撃破壊高さ)と同様にして、50%衝撃破壊高さを求めた。耐候性試験実施前後の多層管の50%衝撃破壊高さから、以下の式に従って、衝撃強度保持率を求めた。
衝撃強度保持率(%)=(耐候性試験実施後の多層管の50%衝撃破壊高さ(cm)/耐候性試験実施前の多層管の50%衝撃破壊高さ(cm))×100
[衝撃強度保持率の判定基準]
○:衝撃強度保持率が50%以上
△:衝撃強度保持率が25%以上50%未満
×:衝撃強度保持率が25%未満
(6)外層の厚み方向における全光線透過率
用いた外層の材料をPTFEシート上に塗布し、厚み0.05mm、0.10mm及び0.20mmの塗膜を作製した。なお、得られた各塗膜の厚みは±0.005mmのばらつきが生じたため、マイクロメーターで正確な厚みを測定した。
得られた塗膜の全光線透過率を日本電色工業社製「NDH2000」を用いて、JIS K7361-1に準拠して測定した。片対数グラフ上に、塗膜の厚みを横軸、全光線透過率を縦軸にプロットし、得られた近似直線の傾きを定数Aとした。下記の式に従い、外層(得られた多層管における外層を同じ厚みを有する外層)の厚み方向における全光線透過率を算出した。なお、該全光線透過率が小さいほど、多層管の耐候性に優れる。
外層の厚み方向における全光線透過率(%)=100×exp(-A×T)
T:外層の厚み(mm)
[外層の厚み方向における全光線透過率の判定基準]
○:外層の厚み方向の全光線透過率が50%以下
△:外層の厚み方向の全光線透過率が50%を超え80%以下
×:外層の厚み方向の全光線透過率が80%を超える
多層管の構成及び結果を下記の表1,2に示す。
Figure 0007360889000001
Figure 0007360889000002
1…内層
2…外層
11…多層管

Claims (3)

  1. 塩化ビニル系樹脂を含む内層と、
    前記内層の外表面上に配置されており、かつアクリル系ブロック共重合体を含む外層とを備え、
    前記アクリル系ブロック共重合体が、メタクリル酸メチルと、アクリル酸ブチル又はアクリル酸2-エチルヘキシルとの反応物であり、
    0℃及び500mm/分の条件での前記内層の第1の引張破断伸び率が、30%以上80%以下であり、
    0℃及び500mm/分の条件での多層管の第2の引張破断伸び率が、30%以上80%以下であり、
    前記第1の引張破断伸び率と、前記第2の引張破断伸び率との差の絶対値が、20%以下であり、
    JIS K5600-5-6に準拠して、前記内層と前記外層との付着性試験をクロスカット法により行ったときに、前記付着性試験の結果が、分類0又は分類1である、多層管。
  2. 前記外層が、無機顔料を含み、
    前記無機顔料の平均粒径が、100nm以上800nm以下である、請求項に記載の多層管。
  3. 前記外層の厚みが、0.01mm以上0.25mm以下である、請求項1又は2に記載の多層管。
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