JPH0697904B2 - イ草自載式収穫機におけるイ草の姿勢変換方法 - Google Patents

イ草自載式収穫機におけるイ草の姿勢変換方法

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JPH0697904B2
JPH0697904B2 JP30127989A JP30127989A JPH0697904B2 JP H0697904 B2 JPH0697904 B2 JP H0697904B2 JP 30127989 A JP30127989 A JP 30127989A JP 30127989 A JP30127989 A JP 30127989A JP H0697904 B2 JPH0697904 B2 JP H0697904B2
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秀夫 宇津
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株式会社東洋社
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はイ草自載式収穫機におけるイ草の姿勢変換方法
に関する。
〈従来の技術とその問題点〉 圃場から引起した未刈りイ草の穂先部側を弾力的に挟持
中、その株元部をバリカン刃によって刈取り、その後結
束機の存在位置まで吊り持ち搬送する過程において、短
かい屑イ草のすぐり出し選別作用を加えるイ草収穫機は
既知であるが、その結束作用をイ草の吊り下がり起立姿
勢のもとで行ない、その結束後のイ草束を圃場へ落下放
出させる一般的な型式であればともかく、本発明が分割
出願の親発明とする特願昭61−121435号(特開昭61−26
5015号)のように、その結束作用を機体の上面(結束
床)においてイ草の横倒し姿勢のもとで行ない、その結
束後のイ草束をそのまま機体の積載台へ自積みさせるべ
く、上記刈取りイ草の穂先部側を弾力的に挟持して、機
体の後方へ吊り下げ搬送中において、その株元部を機体
の左右横方向へ搬送することにより、上記挟持位置を言
わば円弧運動支点としつつ、扇の輪郭軌跡を描くよう
に、イ草の株元部が機体の上面まで持ち上がる横倒し姿
勢に変向させようとする場合には、そのイ草の全体とし
て円弧形態に弯曲付勢されることとなる。
つまり、イ草の穂先部側はその刈取られた1株分づつの
所謂団子状態として挟持搬送されることになり、しかも
その吊り下がり搬送中において、株元部が横方向への姿
勢変換作用力を受ける関係上、イ草の挟持位置にはその
搬送作用に言わば抵抗ともなる無理な力が働き、その結
果正規な長さのイ草までの不慮に抜け落ちてしまい、そ
の抜け落ちぬまでも必らずや位置ズレを起し、バリカン
刃による株元部の刈取り面が、爾後的に不揃いとなる。
そして、このような問題は特に吊り下げの起立姿勢から
横倒し姿勢へと、その株元部が持ち上がり変向される初
期段階において、顕著に発生することとなる。蓋し、上
記穂先部側の挟持路は上下方向に沿って開口する状態に
あり、その挟持中のイ草には自重落下力が働いていると
共に、その吊り下げ状態での後方に向かう搬送中に、突
如これと異なる横方向への姿勢変換作用力が加えられる
からである。
これとの比較から言えば、ある程度の角度まで株元部が
持ち上がり変向した爾後段階になると、イ草には突然的
に異なる方向の作用力が加わらず、又上記挟持路から横
方向への張り出し弯曲形態に寝るため、簡単には抜け落
ちない。このことは短小な屑イ草についても言えること
であるため、そのすぐり出し選別作用は上記初期段階に
おいて、その実効の殆んど完了することが確かめられて
いる。
そこで、上記初期段階での問題を解決するために、穂先
部側の挟持力を強化するとすれば、そのイ草を挟持すべ
く受け入れることが却って困難となり、これに傷付きを
与えると共に、上記弯曲付勢作用時に折れてしまうこと
にもなる。従って、適度な弾圧力のもとで穂先部側を挟
持することが不可欠である。
他方、そのイ草の株元部側をも挟持しつつ、横上がり方
向へ搬送して、その機体の上面まで一旦持ち上げた後
に、すぐり選別作用を加えることも考えられるが、そう
するとイ草の穂先部側と株元部側との双方が挟持力を受
けて拘束されるため、仮りにその挟持力に適正な弾圧度
を与えたとしても、上記した変向時イ草に上下方向から
の引き合い力が働くこととなり、やはり茎稈の傷付きや
株元部の不揃いなどを生ずるのである。
又、穂先部側の挟持位置はそのイ草の搬送に連れて、刻
々と後方へ移動変化しており、その際中に株元部が持ち
上がり伏倒される関係上、上記扇の輪郭軌跡に沿うイ草
の円弧運動としても、その支点位置からの半径寸法が一
定せず、その株元部の三次元的に動き変化するため、こ
れを自づと吸収する連動作業機構として、予じめ適正・
安価に設計することも実際上殆んど不可能である。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明はこのような問題点の解決を目的としており、そ
のための構成上機体の左右何れか一方側へ偏倚した位置
に、後上がりの傾斜状態として立設されたイ草の引起し
機構と、 同じく機体の他方側へ偏倚した位置に設けられたイ草の
株元部側受け取り用集束搬送機構と、 上記引起し機構の上段位置へ、背後から臨むように支架
されたイ草の穂先部側挟持搬送機構と、 同じく引起し機構の下段位置へ、背後から臨むように設
置されたイ草の株元刈取り機構と、 更に、引起し機構の中段位置へ、やはり背後から臨むよ
うに横架されたイ草のすぐり選別機構とを備え、 上記挟持搬送機構を、一定角度の後上がり傾斜状態とし
て一定な作用長さ分だけ延在する左右一対の無端な挟持
搬送帯から形作り、その両挟持搬送帯の背中合わせ面を
イ草の弾圧挟持路として、その弾圧挟持路にイ草を屈曲
付勢状態に吊り下げるべき凹凸段差を与える一方、 上記すぐり選別機構を、イ草に挟持力を付加することな
く順次自然分離状に整流するすぐり爪が張り出された無
端なすぐり搬送帯から形作って、その作用始点が上記引
起し機構の背後へ臨む関係状態のもとに、上記挟持搬送
機構と交叉する機体の左右横方向に沿い配置させると共
に、 上記挟持搬送機構の作用始点よりも後側へ、刈取り機構
の作用点とすぐり選別機構の作用始点とを順次に位置さ
せて、 機体の前進に伴ない、引起し機構により引起したイ草の
穂先部側を、挟持搬送機構の弾圧挟持路に受け入れ挟持
させ、その穂先部側を機体の後方へゆっくり搬送する際
中に、その株元部を刈取り機構によりカツトして、その
カツトしたイ草の中間部をすぐり選別機構のすぐり搬送
帯へ自づと垂らし掛けると共に、 その垂らし掛けた状態において、同じくすぐり搬送帯の
すぐり爪により、イ草の株元部側を横方向へすばやく振
り払い搬送して、イ草の全体を横倒し姿勢に変向させる
べく、その穂先部側の挟持位置を可動支点とする裾広が
り状に振り上げた後、その株元部側を上記集束搬送機構
により受け取って、上記イ草の全体を円弧弯曲形態に保
つことを特徴とするものである。
〈実施例〉 以下、図示の実施例に基いて本発明の詳細を説明する
と、第1〜3図は乗用型イ草収穫機の全体を表わしてお
り、(11)はその収穫機における機体の総称であって、
その前部位置のほぼ中央個所にはエンジン(12)が固定
状態に搭載されている。(13)は同じく後部位置のほぼ
中央個所に固定設置されたトランスミツシヨンであり、
中間軸(14)と伝動ベルトなどを介してエンジン(12)
に連結されている。
(15)はそのエンジン(12)によって回走駆動される左
右一対の走行用クローラー、(16)は油圧シリンダーで
あって、これにより後述するイ草の分草機構(A)や引
起し機構(B)、挟持搬送機構(C)、刈取り機構
(D)、すぐり選別機構(E)、集束搬送機構(F)並
びに結束機構(G)から成る一連の作業機構を走行上、
その前端部側から機体(11)に対する作業フレーム(1
7)の枢支横軸(18)を回動中心として、昇降作動させ
得るようになっている。その作業フレーム(17)は上記
作業機構の支持材として機能する意味で、機体(11)の
一部をなす。
エンジン(12)の上方位置は全体的に結束床(19)とし
て遮蔽されていると共に、そのエンジン(12)の後部に
位置する中間軸(14)やトランスミツシヨン(13)など
の上方が、結束床(19)との連続的なイ草束(M)の積
載台(20)として、好ましくは第1図から示唆されるよ
うな側面視の凹溝形態に形作られている。
つまり、機体(11)における前部位置の上面が、圃場か
ら一定高さのイ草結束床(19)として機能するように定
められており、そのほぼ中央一部がエンジン(12)の遮
蔽用カバーを兼ねていると共に、同じく機体(11)にお
ける後部位置の上面が、結束床(19)よりも低いイ草束
積載台(20)として形成されているわけである。尚、結
束床(19)はイ草の結束場所を意味するものであり、従
ってその全体的に均一なフラツト面に限らず、起伏面か
ら成る形態をも含み、このことは積載台(20)について
も同様である。
(21)は結束床(19)と積載台(20)との境界段部であ
って、後下がりの傾斜面を呈しており、作業中にはこの
段部(21)を介して、結束床(19)と積載台(20)が相
互の連続面を形作ることにより、結束床(19)にて結束
されたイ草束(M)を、その自重落下的に積載台(20)
上へ蹴り出せるようになっている。(22)はイ草束
(M)の株元部側に対面する積載台(20)の起立側壁面
であり、これには例えば第1図の鎖線で示す如き別な開
閉ドアー若しくは延長閉塞板(23)を付設するか、又は
その起立側壁面(22)自身を背高く延長させることによ
って、イ草束(M)の積載量を増加できるように定める
ことが望ましい。
他方、積載台(20)におけるイ草束(M)の穂先部側に
臨む側壁面は、これも若干背高く起立延長させるか、又
はその開放させた側壁面に穂先部側の支持枕となるバー
材を架設することにより、イ草束(M)を下方から安定
良く支持して、その穂先部側からの垂れ下がりを防ぐこ
とが良い。もっとも、その左右両側壁面の何れか一方又
は双方を開放状態に放任して、イ草束(M)の長さ変化
に対応させるようにしてもさしつかえない。更に、積載
台(20)の底壁面(24)は、これをイ草束(M)の株元
部側において低くなる横下がり傾斜面として、これによ
り積み降し作業の容易化や、積載状態の水平安定化など
を図ることが有利である。
(25)は機体(11)から後方へ一体的に派出された運転
台であって、言うまでもなく操縦ボックス(26)やシー
ト(27)を備えており、日除け用の屋根が付属的に立設
されることもある。つまり、運転台(25)の直前位置が
イ草束(M)の積載台(20)として配設されているわけ
であり、従ってオペレーターが運転台(25)に乗って収
穫機を操縦し乍ら、イ草束(M)の積載量などを支障な
く直視することができ、又積載状態を手直しすることも
できる。この点につき、図示の実施例では乗用型収穫機
を表わしているが、上記の趣旨を達成できるならば、オ
ペレーターが圃場を歩行し乍ら操縦する型式のイ草収穫
機に対しても、本発明を適用できること言うまでもな
い。
又、(28)は機体(11)の前端部付近に位置しつつ、上
記中間軸(14)とほぼ平行な左右横方向に亘る延在状態
として、作業フレーム(17)上に支持された作業動力分
配軸であり、その左右何れか一方側へ偏倚した端部位置
において、中間軸(14)とベルトなどを介して伝動連結
され、以ってエンジン(12)から次に詳述する各種作業
機構(A)(B)(C)(D)(E)(F)(G)へ、
その駆動力を分配している。つまり、一連の作業機構
(A)〜(G)が機体(11)上に搭載された単一のエン
ジン(12)によって、悉く駆動されるようになっている
わけである。
その一連の作業機構(A)〜(G)は、本発明の場合第
1〜3図から明白なように、機体(11)の前部をなす作
業フレーム(17)上へ集中的に配列設置されており、こ
れによってイ草に対する一連の作業工程を著しく短縮化
し、高能率に処理できるようにすると共に、その作業機
自身を全体的に小型コンパクト化しつつも、機体(11)
の後部位置に配設した上記積載台(20)を極力に広く確
保して、そのイ草束(M)の積載量を著しく増加できる
ようになっているのである。
即ち、上記一連の作業機構(A)〜(G)をその工程順
序に従って詳述すると、先づイ草を分草作用する分草機
構(A)は、収穫機を上方から見た状態において、機体
(11)の前部に位置する上記結束床(19)の左右何れか
一方側(図では収穫機の前進方向に向かって左側位置)
へ偏倚した端部に配設されている。(29)はその機構
(A)を形作る固定分草杆であって、機体(11)の前方
へ水平状に長く突出しており、これとの結合下部前端位
置を支点とし乍ら、偏心軸(30)によってあたかも中張
りの縄跳び振幅運動に似た回動(公転運動)作用を営な
む可撓な振動分草杆(31)が、第1図の側面図から示唆
される通り、水平面と交叉する一定角度の後上り傾斜状
態に立設されている。
そのため、収穫機の前進に連れて、圃場に密生繁茂して
いるイ草の茎稈群へ一早く分け入ることができ、その茎
稈群の絡み付きをも上記運動作用により、確実に解きほ
ぐすことができる。しかも、その振動分草杆(31)は自
転運動しないよう、偏心軸(30)の軸受筒(32)内へ支
持連結されているので、その可撓性の材質から成ること
とも相俟って、イ草の茎稈に傷付きを与えたり、該茎稈
と絡み付くような心配もない。(33)は同じく偏心軸
(30)へ上方からエンジン(12)の動力を伝える伝動
軸、(34)は分草矢である。
分草されたイ草は、その直後引起し機構(B)によっ
て、正しい起立姿勢に引起される。つまり、引起し機構
(B)は分草機構(A)の直後位置に臨んでおり、従っ
て第2、3図から明白なように、これも機体(11)の前
部に位置しつつ、その一方側(同じく左側)へ偏倚した
横端部に配設されていることになる。(35)はその引起
し機構(B)を形作る引起しチエンケース、(36)は同
じく橇、(37)はそのチエンケース(35)に付属された
引起しガイド杆であり、何れも上記振動分草杆(31)の
設置角度より大きな急角度の後上がり傾斜状態に立設さ
れている。(S)はそのチエンケース(35)とガイド杆
(37)との正しく向かい合う左右相互間に開口区成され
た引起し通路であり、この通路(S)を無端な引起しチ
エン(38)が、循環回走するようになっている。
そして、そのチエン(38)には多数の引起し爪(39)が
一定間隔おきに、且つ起伏自在に枢着されており、その
爪(39)が引起し通路(S)を上昇する往動時において
のみ、該通路(S)内への横断状態に起立して、イ草を
梳りつつ引起すことになり、逆に下降する復動時には、
チエンケース(35)内への埋没状態に伏倒する。(40)
はその伏倒状態にある引起し爪(39)を清掃する回転ク
リーナーであり、チエンケース(35)の上端部近傍に付
属設置されている。(41)は同じくケース(35)の上端
部に架設されたギヤボツクスである。
その場合、第1図の側面図から明白なように、上記振動
分草杆(31)と引起し通路(S)は、その中途高さ位置
においてX字型に交叉する関係の設置状態にあり、従っ
て分草後のイ草はそのまま円滑に、且つその所要数が引
起し爪(39)により、順次に正しく引起されることにな
る。尚、引起しチエン(38)を掛架する上下一対のスプ
ロケツトは図示省略してあるが、これもエンジン(12)
により回走駆動されること勿論である。
起立姿勢に引起されたイ草は、引続き第4図に示すよう
に、その穂先部側が挟持搬送機構(C)によって挟持さ
れたままで、機体(11)の後方に向かい吊り上げ搬送さ
れるようになっている。つまり、その挟持搬送機構
(C)は引起し機構(B)の上段位置へ背後から臨むよ
うに架設されており、やはり機体(11)の一方側(左
側)へ偏倚した横端部位置にある。
(42)はその挟持搬送機構(C)を形作る挟持搬送帯の
総称であり、これは第2、6図の平面図から明白なよう
に、上記引起し通路(S)へ後方から正しく臨みつつ、
機体(11)の実質上前後方向に沿って延在している。し
かも、第1、4図の側面図から示唆されるように、引起
されたイ草の穂先部側と対応する一定高さ位置におい
て、水平面と一定角度(α)に交叉する後上がりの傾斜
設置状態に支架されている。(L)はその挟持搬送作用
長さ、(a)(b)は同じく作用始点と作用終点の各位
置を示している。
この挟持搬送帯(42)を第7〜11図に抽出して一層具体
的に言えば、これは左右何れか一方側(左側)の無端な
複列型Vベルト組(43)と、残る他方側(右側)の無端
な複列型Vベルト組(44)との一対から成ると共に、そ
の両Vベルト組(43)(44)が少なくとも前後一対づつ
の複列型Vプーリー(45)(46)に、各々循環回走でき
るように張架されている。
そして、その他方側(右側)のVベルト組(44)は所要
数の複列型中間Vプーリー(47)によって、好ましくは
上方から見た場合に機体(11)の内側から外側への凸曲
面状に張り出し付勢されており、これに一方側(左側)
のVベルト組(43)が弾圧的に密着されているので、イ
草の穂先部側はその相互間に挟持されたままで、その所
謂垂れ下がり起立姿勢のもとに後方へ吊り上げ搬送され
ることとなる。
つまり、その両ベルト組(43)(44)の背中合わせ面
が、上記一定作用長さ(L)分だけ延在するイ草の弾圧
挟持路(P)として形成されているわけであり、その内
部にイ草の穂先部側が受け入れ挟持されるようになって
いる。その場合、挟持搬送帯(42)の弾圧挟持路(P)
には、第8、9図の符号(H)で示す一定の凹凸段差も
付与されており、その段差(H)によってイ草の茎稈を
屈曲する付勢状態に保ちつつ搬送するようになってい
る。
挟持されるイ草の量に多少の変化がある時に、団子状の
多量なイ草により弾圧挟持路(P)が容易に拡開変形さ
れて、その内部から少量なイ草が抜け落ちたり、或いは
位置ズレしてしまうことを防ぎ、又上記挟持搬送帯(4
2)自身の素材や、そのテンシヨン作用による弾圧力
は、これを予じめイ草の茎稈に傷付けない程度の一定と
して維持しつつも、その弾圧挟持面(P)の凹凸段差
(H)により、イ草の抜け落ちや位置ズレなどを効果的
に防止する趣旨である。
この点、図示の実施例では上記凹凸段差(H)を与える
につき、複列型中間Vプーリー(47)におけるベルト組
掛架面の隣り合う相互間に、その直径寸法の大小変化を
加工付与しているが、上記趣旨を達成できるならば、例
えばベルト自身の断面形状を互いに咬み合う屈曲形態に
定めて、その咬み合いによる凹凸段差(H)を与えても
勿論良い。
(48)はラグ(49)付きの無端な引込みベルトであっ
て、やはりゴムなどの弾性材から成り、第7、10図から
明白なように、上記挟持搬送帯(42)のほぼ前半部に対
応する作用長さを有するものとして、該搬送帯(42)の
直下位置に平行するよう延在されており、しかも上記他
方側(右側)の複列型Vベルト組(44)と一体的に同一
方向へ循環回走するように、共通のプーリー支軸(50)
によって結合されている。
つまり、挟持搬送帯(42)が引込みベルト(48)付きの
所謂ユニツト体として、全体的な挟持搬送機構(C)を
形作っているわけであり、これもエンジン(12)によっ
て循環回走される。(51)はその挟持搬送帯(42)のプ
ーリー駆動支軸、(52)は同じく支持フレームであり、
これに内蔵されたテンシヨンバネ(53)によって、左右
一対の上記複列型Vベルト組(43)(44)に対し、その
長手の前後方向に沿って働く適度なテンシヨン作用が各
々付与されている。(54)はギヤボツクス、(55)は伝
動軸である。
上記挟持搬送機構(C)の引込みベルト(48)は起立姿
勢のイ草を、その引起し通路(S)から挟持搬送帯(4
2)の弾圧挟持路(P)内へ確実に受け渡しガイド作用
するものであり、従いその作用始点(d)が挟持搬送帯
(42)の搬送作用始点(a)よりも、若干前方位置にあ
る。そして、イ草の穂先部側が上記挟持搬送帯(42)の
弾圧挟持路(P)内へ受け入れ挟持されると同時か、又
はその直後に刈取り機構(D)の刈刃(56)によって、
そのイ草の株元部側が安定良くカツトされるように関係
設定されている。その刈刃(56)による株元部のカツト
作用点が、上記穂先部側の挟持搬送機構(C)における
挟持搬送帯(42)の作用始点(a)よりも、若干後側に
配置されているわけである。
従って、刈取り機構(D)も上方から見た時、機体(1
1)の一方側(左側)へ偏倚した端部位置にあり、しか
も引起し機構(B)の下段位置へ、その背後から臨んで
いることになる。上記後方への吊り上げ搬送中に、短小
な屑イ草が自動選別的に落下投棄されるのである。
図示の実施例では刈取り機構(D)の刈刃(56)とし
て、引起し通路(S)の下段位置に臨み乍ら、その通路
(S)の背後を横断する如き左右横方向へ往復運動され
るバリカン形態を表わしているが、例えばロータリー式
やその他の機構を採用しても良い。
上記挟持搬送機構(C)をなす挟持搬送帯(42)の下方
位置には、平面から見た状態において、その挟持搬送方
向(機体のほぼ前後方向)とほぼ直角に交叉する左側又
は右側(図の場合)の横方向に沿って延在するすぐり選
別機構(E)が配設されており、これによって穂先部側
の挟持搬送中に、その刈取り後のイ草を中間部から株元
部側に向かって梳る如くすぐり作用すると共に、その株
元部を裾広がり状に拡開させる如く振り上げ変向させ
て、その過程で短小な屑イ草を再度選んですぐり落すよ
うになっている。
即ち、イ草のすぐり選別機構(E)は第1〜3図から明
白なように、その全体として機体(11)における結束床
(19)の前面相当部(一定高さの前側)へ臨む位置にあ
り、且つ上記挟持搬送方向と交叉する左右横方向への延
在状態として設置されている。
そして、これを一層具体的に説明すると、そのすぐり選
別機構(E)はイ草の中間部を引掛けつつ横斜め上方に
振り払う上段すぐり搬送帯(57)と、同じく株元部側を
引掛けてほぼ横水平方向へ振り払う下段すぐり搬送帯
(58)との一対から成り、その両者の何れも第1、4図
の側面図から示唆されるように、そのすぐり搬送作用始
点(e)(f)が上記挟持搬送帯(42)から吊り下がる
起立姿勢の刈取りイ草へ臨む位置にあり、そのイ草の後
方に向かう挟持搬送作用に際会して、その中間部や株元
部側がやがて自動的に上下一対のすぐり搬送帯(57)
(58)へ垂れ掛かり、すばやく横方向へ振り払い搬送さ
れるようになっている。
その上下一対のすぐり搬送帯(57)(58)は、何れもす
ぐりチエンケース(59)(60)と、その内部を循環回走
する無端なすぐりチエン(61)(62)との組立体であ
り、そのチエン(61)(62)には一定間隔おきに多数の
すぐり爪(63)(64)が、上記引起し爪(39)と同じよ
うに起伏自在として枢着されている。つまり、そのすぐ
り爪(63)(64)が第5、6図の矢印で示すように、イ
草のすぐり搬送作用終点(g)(h)に向かって往動す
る時、初めてチエンケース(59)(60)から各々突出す
るように起立して、イ草を単に引掛け得るようになって
おり、逆方向へ復動する時にはチエンケース(59)(6
0)内へ埋没伏倒するのである。そのすぐり爪(63)(6
4)はイ草に挟持力を付加せず、単に引掛けるだけであ
るため、その通り抜けによってイ草は順次自然に分離す
る如く整流されることとなる。
その場合、特に第3、5図示の前方から見た状態では、
下段すぐり搬送帯(58)がイ草の株元部側をほぼ横水平
方向へ振り出す如く、実質上正しい水平設置状態に延在
されており、これに対して上段すぐり搬送帯(57)は両
図から明白なように、その水平状態の下段すぐり搬送帯
(58)と一定角度(β)に交叉する言わば横上りの傾斜
設置状態として、そのすぐり搬送作用終点(g)へ行く
に連れて徐々に高くなるように延在されている。
そして、その両すぐり搬送帯(57)(58)は何れも引起
し機構(B)の中段位置へ、その背後から引起し通路
(S)を横断する如くに臨んでいる。これによって、機
体(11)の前進に伴ない刈取られたイ草を自づと受け取
りつつ、その株元部側を最終的にほぼ結束床(19)の高
さまで振り上げ変向させる趣旨である。尚、そのすぐり
チエン(61)(62)にも適度なテンシヨン作用が与えら
れているが、その機構は図示省略してある。
又、第1、4図から示唆されるように、上下一対のすぐ
り搬送帯(57)(58)は側面から見た時、その下段すぐ
り搬送帯(58)のすぐり爪(64)が、前方を正しく直視
する指向状態にあり、他方上段すぐり搬送帯(57)のす
ぐり爪(63)は、斜め前上方を指向する状態にあって、
その指向線が互いに一定角度(γ)を保って交叉してい
ると共に、下段すぐり搬送帯(58)の作用始点(f)が
前方位置として、これよりも後方に上段すぐり搬送帯
(57)の作用始点(e)が位置するように関係設定され
ている。
もっとも、両図から明白なように両すぐり作用始点
(e)(f)が、何れも上記刈取り機構(D)の作用点
より後側位置に配設されていること勿論である。
しかも、第2、6図の平面図から明白なように、上段す
ぐり搬送帯(57)はその作用終点(g)へ行く程、徐々
に前方へ張り出す傾斜設置状態にあり、これに対して下
段すぐり搬送帯(58)は全体的な言わば横一線状態に延
在し、これによって両搬送帯(57)(58)が一定角度
(θ)をなして交叉していると共に、その作用終点
(g)(h)が上下位置関係を保ち乍らも、平面から見
て相互のほぼ同等位置に合致している。
すぐり選別機構(E)は上記のように構成されているた
め、刈取りイ草が挟持搬送帯(42)により穂先部側から
吊り上げられて、後方へ挟持搬送される作用中に、その
イ草の株元部側と中間部は第4〜6図のように、順次下
段すぐり搬送帯(58)のすぐり爪(64)と、上段すぐり
搬送帯(57)のすぐり爪(63)に自づと垂れ掛かり、そ
の挟持搬送方向と交叉する関係の横方向へ振り払い搬送
される過程において、その中間部から株元部側に向かっ
てすぐり爪(63)(64)により梳られることになり、又
そのすぐり搬送に伴なって、株元部側が下段すぐり搬送
帯(58)から上段すぐり搬送帯(57)へ、順次乗り換え
られる如く振り上げられ、イ草は引起し当初と挟持搬送
の起立姿勢から、最終的に横倒し姿勢へと変向されて、
全体的に弯曲することとなる。
即ち、刈取りイ草は挟持搬送帯(42)による穂先部側の
挟持位置を言わば可動支点として、その後方への搬送中
に株元部側がすぐり搬送帯(57)(58)により、あたか
も振り子のように扇の輪郭軌跡を描きつつ円弧運動し
て、裾広がり拡開するように振り上げられ、最終的に円
弧弯曲形態の横倒し姿勢として変向されるわけである。
その結果、短小な屑イ草はこの作用中にも投棄され、又
イ草の絡み付きなどもすぐり爪(63)(64)の通り抜け
によって、整然と分離し合うように矯正されることとな
る。
尚、(65)は上記結束床(19)の前面相当部に立設され
たすぐり選別機構(E)用カバー板であり、すぐり搬送
されるイ草の不慮な侵入などを予防する。同様な意味の
カバーにより、挟持搬送機構(C)や結束機構(G)な
ども被覆化粧されているが、これらは図示省略してあ
る。(66)はすぐり選別機構(E)と中間軸(14)との
伝動用ギヤボツクスであり、そのすぐりチエン(61)
(62)が左右一対づつのスプロケツト(図示省略)を介
して、やはりエンジン(12)により回走駆動されるよう
になっている。
すぐり選別を受けたイ草の株元部側は、機体(11)の前
部に位置する結束床(19)の残る他方側(右側)へ臨む
上段すぐり搬送帯(57)の作用終点(g)において、そ
のほぼ結束床(19)の高さまで振り上がり、全体として
ほぼ完全な横倒し姿勢に弯曲することとなる。そのイ草
は穂先部側において依然挟持中にあるため、上段すぐり
搬送帯(57)のすぐり爪(63)が回走して、株元部側を
搬送する勢力により、その株元部は上記すぐり作用終点
(g)に達するや、すぐり爪(63)からはずれて後方に
向かい振り廻される如く、結束床(19)上へ払い出され
ることになるわけである。
そして、その順次払い出されたイ草の株元部は、結束床
(19)上の集束搬送機構(F)に受け取られて、その横
倒し姿勢のもとで結束機構(G)に向かい正しく搬送さ
れることになる。(67)はその集束搬送機構(F)を形
作る集束搬送帯であって、第12、13図に抽出拡大する通
り、上記挟持搬送機構(C)の引込みベルト(48)と同
様なラグ(68)を一定間隔おきに備えた左右一対の無端
な弾性ベルトから成り、集束ガイド(69)やパツカー
(70)と相俟って、イ草の株元部を順次に後方へ搬送す
る。
従い、この集束搬送機構(F)の搬送帯(67)は、第
2、6図の平面図から明白なように、上記挟持搬送帯
(42)などと反対の他方側(右側)に位置しつつ、結束
床(19)上の横端部においてイ草の株元部を円滑に受け
入れ得るように、横軸廻りに回動する駆動支軸(71)を
備えている。その支軸(71)は中間軸(14)との伝動ケ
ース(72)などを介して、エンジン(12)により駆動さ
れ、集束搬送帯(67)が循環回走されることとなる。
又、その集束搬送帯(67)により結束機構(G)の存在
する後方へ搬送されるイ草の株元部は、その搬送過程に
おいて株元部揃え用刈刃(73)により、自づとカツトさ
れるようになっている。その株元部が整然と揃った状態
において、結束機構(G)へ送り込まれるのである。
尚、その揃え用刈刃(73)は上記した刈取り機構(D)
の刈刃(56)と同様なバリカン形態であるため、その詳
細を図示省略してあるが、第12、13図から示唆される如
く、集束搬送帯(67)と同様にイ草の株元部を受け入れ
得る起立の設置姿勢にあり、やはり横軸廻りに作動され
ること言うまでもない。
上記集束搬送帯(67)は穂先部側の挟持搬送帯(42)と
実質的に平行する如く、機体(11)の前後方向に沿って
延在されており、これによる後方への搬送中において
も、イ草の穂先部側は依然として挟持搬送帯(42)によ
る挟持搬送作用を受けているため、その株元部が結束機
構(G)へ最終的に受け入れられた状態では、イ草が言
わば横一線の整然と集束された横倒し姿勢に保たれるこ
ととなり、その搬送過程でもイ草が上記ラグ(68)によ
って自然分離状に整流され、その乱れが矯正されるので
ある。
上記説明から既に明白な通り、結束機構(G)は結束床
(19)上において、集束搬送帯(67)の直後位置に臨ん
でおり、上記穂先部側の挟持搬送機構(C)と左右の対
をなす如く、やはり機体(11)の他方側(右側)へ偏倚
した端部位置に設置されている。(74)はその結束機構
(G)を形作る結束機であり、イ草の一定量が受け入れ
られるや否や、該結束機(74)が感知ドアー(75)の作
用によって起動し、その横倒し姿勢のもとで結束された
イ草束(M)は、直ちに放出アーム(76)により第6図
に示唆する如く、その横倒し姿勢のままで結束床(19)
に後続する積載台(20)へ、言わば直通状に蹴り出し移
行されるのである。尚、(77)は結束機(74)のニード
ルを示しているが、その結束紐は図示省略してある。
その場合、イ草は上記すぐり選別機構(E)による振り
払い変向作用を爾前に受けているため、その結束床(1
9)上での横倒し姿勢において、集束搬送帯(67)によ
り集束され、又結束機(74)により結束されることにな
るが、そのイ草の横倒し姿勢としては第1図の側面図や
第5図の正面図から示唆されるように、水平面との厳密
な平行状態のみを意味せず、穂先部側の挟持位置が株元
部よりも若干高くなる傾き状態(吊り下げの垂直面と交
叉する角度が、45度を越えてほぼ90度に達するまでの角
度姿勢)も含む。
更に、上記結束作用の完了と挟持搬送帯(42)による挟
持作用の解除とは、時間的なタイミングとしてほぼ同時
に実行されるように関係設定されており、そのイ草の一
定量が結束完了するや否や、そのイ草束(M)は直ちに
且つ確実に積載台(20)へ蹴り出されるようになってい
る。
つまり、これを換言すれば、穂先部側を挟持搬送する挟
持搬送帯(42)の作用速度よりも、株元部側を振り払い
変向させるすぐり搬送帯(57)(58)の作用速度の方
が、かなり高速に回走駆動されるように定められている
わけであり、従ってそのすぐり搬送帯(57)(58)の言
わば横送り勢力によっても、屑イ草は機体(11)の他方
側(右側)に向かって、放出投棄されることになり、そ
の選別効果を昂め得ると共に、その高速度な結束床(1
9)上に向かう株元部の払い出し作用により、上記株元
部揃え用刈刃(73)で以って、その株元部を自づと効果
的に揃え切ることもできることになる。
又、上記すぐり搬送帯(57)(58)がすばやく高速に回
走作用されるに比して、挟持搬送帯(42)は言わば低速
でゆっくり回走作用されるようになっているため、これ
による穂先部側の挟持搬送中に株元部の刈取り作用と、
同じく中間部のすぐり搬送帯(57)(58)による振り払
いによる変向作用とを順序良く行なうにつき、そも時間
的なタイミングを合わせることが設計上著しく容易とな
り、その諸作用を確実に安定良く営なませることもでき
るのである。
〈発明の効果〉 以上のように、本発明では機体(11)の左右何れか一方
側へ偏倚した位置に、後上がりの傾斜状態として立設さ
れたイ草の引起し機構(B)と、 同じく機体(11)の他方側へ偏倚した位置に設けられた
イ草の株元部側受け取り用集束搬送機構(F)と、 上記引起し機構(B)の上段位置へ、背後から臨むよう
に支架されたイ草の穂先部側挟持搬送機構(C)と、 同じく引起し機構(B)の下段位置へ、背後から臨むよ
うに設置されたイ草の株元刈取り機構(D)と、 更に、引起し機構(B)の中段位置へ、やはり背後から
臨むように横架されたイ草のすぐり選別機構(E)とを
備え、 上記挟持搬送機構(C)を、一定角度(α)の後上がり
傾斜状態として一定な作用長さ(L)分だけ延在する左
右一対の無端な挟持搬送帯(42)から形作り、その両挟
持搬送帯(42)の背中合わせ面をイ草の弾圧挟持路
(P)として、その弾圧挟持路(P)にイ草を屈曲付勢
状態に吊り下げるべき凹凸段差(H)を与える一方、 上記すぐり選別機構(E)を、イ草に挟持力を付加する
ことなく順次自然分離状に整流するすぐり爪(64)が張
り出された無端なすぐり搬送帯(58)から形作って、そ
の作用始点(f)が上記引起し機構(B)の背後へ臨む
関係状態のもとに、上記挟持搬送機構(C)と交叉する
機体(11)の左右横方向に沿い配置させると共に、 上記挟持搬送機構(C)の作用始点(a)よりも後側
へ、刈取り機構(D)の作用点とすぐり選別機構(E)
の作用始点(f)とを順次に位置させて、 機体(11)の前進に伴ない、引起し機構(B)により引
起したイ草の穂先部側を、挟持搬送機構(C)の弾圧挟
持路(P)に受け入れ挟持させ、その穂先部側を機体
(11)の後方へゆっくり搬送する際中に、その株元部を
刈取り機構(D)によりカツトして、そのカツトしたイ
草の中間部をすぐり選別機構(E)のすぐり搬送帯(5
8)へ自づと垂らし掛けると共に、 その垂らし掛けた状態において、同じくすぐり搬送帯
(58)のすぐり爪(64)により、イ草の株元部側を横方
向へすばやく振り払い搬送して、イ草の全体を横倒し姿
勢に変向させるべく、その穂先部側の挟持位置を可動支
点とする裾広がり状に振り上げた後、その株元部側を上
記集束搬送機構(F)により受け取って、上記イ草の全
体を円弧弯曲形態に保つようになっているため、冒頭に
述べた問題点を完全に解決できる効果がある。
即ち、刈取りイ草の穂先部側を機体(11)の後方に向か
う挟持搬送中に、その株元部側を機体(11)の横方向へ
搬送することによって、イ草を全体的に吊り下げの起立
姿勢から横倒し姿勢への円弧弯曲形態として変向させる
に当り、本発明の場合穂先部側の挟持搬送機構(C)に
おける左右一対の無端な挟持搬送帯(42)を背中合わせ
として、その背中合わせ面によりイ草の弾圧挟持路
(P)を形成すると共に、殊更その弾圧挟持路(P)に
イ草を屈曲状態として付勢すべき一定の凹凸段差(H)
が与えられているため、上記挟持搬送帯(42)自身の弾
性素材やそのテンシヨン作用度に採択上の困難さが伴な
わず、その弾圧力はこれをイ草に傷付けない程度とし
て、当初からの一定に維持しつつも、上記弾圧挟持路
(P)から正規な長さのイ草が抜け落ちたり、或いは位
置ズレすることなどを確実に防止することができる。
更に言えば、上記弾圧挟持路(P)には一定の凹凸段差
(H)が付与されているので、刈取られた1株分づつの
所謂団子状態として、その穂先部側が挟持搬送帯(42)
により局部集中的に挟持されるも、その弾圧挟持路
(P)の拡開変形することが極力抑制されるのであり、
従い挟持搬送帯(42)自身の素材を硬くしたり、或いは
そのテンシヨン作用を強くしなくとも、上記団子状態の
隣り合う相互間に介在する少量の正規なイ草が抜け落ち
たり、位置ズレなどを起すおそれは一切ない。
その穂先部側の挟持搬送中において、株元部側に突如と
して横方向への振り払い変向作用力が付加されても、そ
の正規なイ草の抜け落ちることがなく、常時確固に挟持
されることとなるため、刈刃(56)によりカツトされた
株元部もその爾後的に不揃いとなり難く、引き続く結束
作用も効率良く正確に行なえるのである。
他方、上記挟持搬送帯(42)により穂先部側を機体(1
1)の後方へ吊り上げ搬送中、その刈取りイ草の株元部
側を横送りして、イ草の全体を横倒し姿勢に変向させる
すぐり選別機構(E)は、そのイ草の茎稈に挟持力を付
加せず、これを順次単に引掛けて裾広がり状に分離する
すぐり爪(63)(64)付きの無端なすぐり搬送帯(57)
(58)から形作られているため、これによるイ草の姿勢
変換作用上、決して無理な力が加わらず、その結果イ草
に傷付きを与えず、又扇の輪郭軌跡を描きつつ変向する
円弧運動上、その穂先部側が機体(11)の後方へ刻々と
移動することにより、その株元部の円弧運動半径が変化
しても、その変化に対して一切の支障なく自由に追従し
て、極めて円滑に横倒し姿勢へ変向させ得るのである。
その変向過程でも、イ草の穂先部側は依然として上記の
通り、挟持搬送帯(42)の弾圧挟持路(P)によって、
確固に安定良く挟持されているため、正規な長さのイ草
が抜け落ちることもなく、又その一定な凹凸段差(H)
の付与により、挟持搬送帯(42)のそれ自体を弾力性に
富む素材から作成することができることになるため、上
記イ草の変向する運動作用としても、これを全体的に無
理なく円滑に営なませることができるのである。
上記挟持搬送機構(C)は引起し機構(B)の上段位置
へ背後から臨むように、且つ一定角度(α)の後上がり
傾斜状態に支架されており、同じく引起し機構(B)の
下段位置には刈取り機構(D)が、やはり背後から臨む
ように設置されていると共に、更に引起し機構(B)の
中段位置には、その背後から臨む上記すぐり選別機構
(E)が上記挟持搬送機構(C)と交叉する機体(11)
の左右方向に沿って横架されている。
そして、その挟持搬送機構(C)の挟持搬送作用始点
(a)と、すぐり選別機構(E)のすぐり搬送作用始点
(e)(f)並びに刈取り機構(D)のカツト作用点
は、何れも引起し機構(B)の背後へ正しく臨む言わば
上中下の段階状態にあり、その穂先部側の挟持搬送作用
始点(a)よりも後側位置に、刈刃(56)のカツト作用
点とすぐり搬送作用始点(e)(f)とが順次に配設さ
れているため、穂先部側の挟持搬送中に株元部がカツト
されたイ草は、そのカツトされるや否や自づとすぐり搬
送帯(57)(58)へ確実に垂れ掛かることとなり、その
まますぐり爪(63)(64)により横方向へ振り払われる
如く搬送される結果、イ草の全体として穂先部側の挟持
位置を可動支点としつつ、その株元部側から言わば足払
いされる如くに裾広がり拡開し乍ら、自づと円弧弯曲形
態に横倒し変向されることになるのである。
その結果、機体(11)の前進に伴なって、イ草の引起し
から横倒しまでの諸作用を、その茎稈に傷付きを与えた
り、正規な長さのイ草が抜け落ちるおそれもなく、全体
として無理なく円滑に複合処理できる効果がある。
特に、穂先部側の挟持搬送機構(C)は一定角度(α)
の後上がり傾斜設置状態として、その弾圧挟持路(P)
の一定作用長さ(L)分に亘り延在されているため、こ
れに一定の凹凸段差(H)が付与されていることとも相
俟って、一旦カツトされた株元部の再カツトされるおそ
れもなく、後上方への退避状態に吊り上げ搬送されるこ
ととなる。
又、イ草の穂先部側はその挟持搬送帯(42)によって、
ゆっくりと機体(11)の後方へ吊り上げ搬送され、その
際中に刈取られたイ草の株元部側が、すぐり搬送帯(5
7)(58)によって横方向へすばやく高速に振り払い搬
送されて、裾広がり拡開状態に分離するようになってい
るため、その横倒し姿勢へ変向作用する初期段階におい
て、短小な屑イ草を効率良くすぐり出し投棄できると共
に、各機構の作用始点(a)(d)(e)(f)を上記
のような関係配置として、互いに位置合わせすること
や、その時間的なタイミングを合わせることが、連動作
業機構としての設計上著しく容易となる効果もある。
この点、穂先部側の挟持搬送作用長さがいたづらに長
く、その作用速度が高速であると仮定すると、その作用
中に上記株元部の刈取りやすぐり搬送の諸作用を行なわ
せるべく、その時間的なタイミングを合わせることは困
難であり、このことは例えば2条刈り用として、一度に
多量のイ草を収穫処理するような場合、一層顕著に起る
こととなるため、その意味からも本発明の上記構成によ
れば、実用的な価値が非常に大きいと言える。
又、特許請求の範囲・第2項に記載の構成を採用するな
らば、その弾圧挟持路(P)の弯曲付勢作用に従順する
入隅側(機体の内側)へ向かって、イ草の株元部側を一
層無理なく円滑に振り上げ変向させることができる。
蓋し、その所謂曲げ癖が付与された凹曲面側に向かっ
て、イ草を曲げ上げ変向させる方が、その逆な凸曲面側
(出隅側)へのそれよりも、容易・円滑に作用し得るこ
とは明白だからである。しかも、その曲げ上げ変向作用
に対して、内側から中間Vプーリー(47)により効果的
に受け持ち対抗できることになるからである。
尚、特許請求の範囲中には図面との対照を容易化するた
めの便宜上、符号を記入しているが、これによって記入
部分の個数や構造が図示のものに限定されるものではな
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明におけるイ草収穫機の全体概略側面図、
第2、3図は第1図の平面図と正面(前面)図、第4〜
6図は第1〜3図に対応する配置形態で示す作用説明
図、第7〜11図は穂先部側の挟持搬送機構を抽出したも
のであり、第7図はその平面図、第8図は第7図のVIII
−VIII線に沿う拡大断面図、第9図は第8図の一部拡大
断面図、第10図は同じく挟持搬送機構の側面図、第11図
は第10図の背面(後面)図、第12図は集束搬送機構と結
束機構を抽出した拡大側面図、第13図は第12図の平面図
である。 (A)……分草機構 (B)……引起し機構 (C)……挟持搬送機構 (D)……刈取り機構 (E)……すぐり選別機構 (F)……集束搬送機構 (G)……結束機構 (H)……凹凸段差 (L)……挟持搬送作用長さ (M)……イ草束 (P)……弾圧挟持路 (S)……引起し通路 (11)……機体 (12)……エンジン (19)……結束床 (20)……積載台 (42)……挟持搬送帯 (56)……刈刃 (57)(58)……すぐり搬送帯 (63)(64)……すぐり爪 (α)……挟持搬送帯の傾斜設置角度 (a)……挟持搬送帯の作用始点 (b)……挟持搬送帯の作用終点 (d)……引込みベルトの作用始点 (e)(f)……すぐり搬送帯の作用始点 (g)(h)……すぐり搬送帯の作用終点

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機体(11)の左右何れか一方側へ偏倚した
    位置に、後上がりの傾斜状態として立設されたイ草の引
    起し機構(B)と、 同じく機体(11)の他方側へ偏倚した位置に設けられた
    イ草の株元部側受け取り用集束搬送機構(F)と、 上記引起し機構(B)の上段位置へ、背後から臨むよう
    に支架されたイ草の穂先部側挟持搬送機構(C)と、 同じく引起し機構(B)の下段位置へ、背後から臨むよ
    うに設置されたイ草の株元刈取り機構(D)と、 更に、引起し機構(B)の中段位置へ、やはり背後から
    臨むように横架されたイ草のすぐり選別機構(E)とを
    備え、 上記挟持搬送機構(C)を、一定角度(α)の後上がり
    傾斜状態として一定な作用長さ(L)分だけ延在する左
    右一対の無端な挟持搬送帯(42)から形作り、その両挟
    持搬送帯(42)の背中合わせ面をイ草の弾圧挟持路
    (P)として、その弾圧挟持路(P)にイ草を屈曲付勢
    状態に吊り下げるべき凹凸段差(H)を与える一方、 上記すぐり選別機構(E)を、イ草に挟持力を付加する
    ことなく順次自然分離状に整流するすぐり爪(64)が張
    り出された無端なすぐり搬送帯(58)から形作って、そ
    の作用始点(f)が上記引起し機構(B)の背後へ臨む
    関係状態のもとに、上記挟持搬送機構(C)と交叉する
    機体(11)の左右横方向に沿い配置させると共に、 上記挟持搬送機構(C)の作用始点(a)よりも後側
    へ、刈取り機構(D)の作用点とすぐり選別機構(E)
    の作用始点(f)とを順次に位置させて、 機体(11)の前進に伴ない、引起し機構(B)により引
    起したイ草の穂先部側を、挟持搬送機構(C)の弾圧挟
    持路(P)に受け入れ挟持させ、その穂先部側を機体
    (11)の後方へゆっくり搬送する際中に、その株元部を
    刈取り機構(D)によりカツトして、そのカツトしたイ
    草の中間部をすぐり選別機構(E)のすぐり搬送帯(5
    8)へ自づと垂らし掛けると共に、 その垂らし掛けた状態において、同じくすぐり搬送帯
    (58)のすぐり爪(64)により、イ草の株元部側を横方
    向へすばやく振り払い搬送して、イ草の全体を横倒し姿
    勢に変向させるべく、その穂先部側の挟持位置を可動支
    点とする裾広がり状に振り上げた後、その株元部側を上
    記集束搬送機構(F)により受け取って、上記イ草の全
    体を円弧弯曲形態に保つことを特徴とするイ草自載式収
    穫機におけるイ草の姿勢変換方法。
  2. 【請求項2】挟持搬送機構(C)を形作る両挟持搬送帯
    (42)の弾圧挟持路(P)を、その一定な作用長さ
    (L)分に亘る全体として上方から見た時、その中間部
    が機体(11)の内側から外側に向かって張り出す円弧形
    態に弯曲させて、 その弾圧挟持路(P)から吊り下がるイ草の株元部側
    を、上記円弧形態の弯曲付勢作用に従順する入隅側へ向
    かって、その無理なく横倒し姿勢に変向させるべく、す
    ぐり搬送帯(58)のすぐり爪(64)により振り払い搬送
    することを特徴とする特許請求の範囲・第1項記載のイ
    草自載式収穫機におけるイ草の姿勢変換方法。
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