JP2587299B2 - 乗用型イ草収穫機 - Google Patents

乗用型イ草収穫機

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JP2587299B2 JP30128089A JP30128089A JP2587299B2 JP 2587299 B2 JP2587299 B2 JP 2587299B2 JP 30128089 A JP30128089 A JP 30128089A JP 30128089 A JP30128089 A JP 30128089A JP 2587299 B2 JP2587299 B2 JP 2587299B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は乗用型イ草収穫機の改良に関する。
<従来の技術とその問題点> 機体の左右何れか一方側へ偏倚した横端部に、イ草の
分草機構と引起し機構並びに刈取り機構を集中的に配列
設置し、その機体の前進に連れて分草・引起し作用した
イ草の株元部を、1株分づつ刈取る乗用型のイ草収穫機
は公知であり、その分草機構についても実開昭49−4902
6号、特開昭56−26113号並びに同49−18610号が各種典
型例として、既に提案されている。
ところが、これらの公知技術では何れも振動分草杆
が、回転クランク機構からの変換動力を受けて、あたか
も1本又は数本の傘骨を押し開く如き、左右横方向への
直線的な往復作用を行なうようになっており、それ自身
直截的に公転作用するように構成されてはいない。つま
り、上記振動分草杆の作用はその下端部を支点として、
ただ単に直線状の往復運動軌跡を描くに過ぎない平面的
なものであり、これには言わば立体的な振り廻し公転力
が与えられていない。
そのため、イ草が高密度に激しく絡み合った圃場にお
いて作業したり、或いは2条刈り用などとして、一度に
多量のイ草群を分草させたり、その作業速度を高速化す
る時には、上記振動分草杆に交絡分離抵抗が働いて、そ
の往復運動の振幅が著しく小さくなる。しかも、その振
動分草杆は直截的に動かされておらず、回転クランク機
構と作用的に連結されて、これから一旦変換された動力
により、上記往復直線運動を行なうようになっているの
で、その駆動力の伝達上もロスを生じやすい。その結
果、分草能力が容易に低下してしまい、分草不能の事態
を惹き起すのである。
又、本発明は特願昭61−121435号(特開昭61−265015
号参照)を親とする分割出願に係る処、その親発明のよ
うに圃場から刈取ったイ草の穂先部側を機体の後方へ吊
り上げ搬送する過程において、その株元部側を機体の左
右方向へ横送りすることにより、その株元部側を機体の
上面へ持ち上げ変向させ、その上面においてイ草を横倒
し姿勢のもとで結束作用しようとする場合には、そのイ
草を姿勢変向させると共に結束するための有効作用空間
を、機体の上面に確保する必要がある。
この点、上記特開昭56−26113号に開示された乗用型
イ草収穫機のように、仮令刈取りイ草の穂先部側を挟持
搬送するとしても、その作用長さが機体を横断する屈曲
経路として非常に長く、しかもそのイ草を起立姿勢のも
とで結束作用する形態では、その収穫機の全体として著
しく大型化するばかりでなく、搭載エンジンからの駆動
力を穂先部側の挟持搬送機構や分草・引起し機構へ分配
させるに当っても、その伝動系統が複雑に錯綜し、小型
コンパクトに合理化することができない。その挟持搬送
機構を1個のカバー材によって被覆すると、運転席から
結束作用を目視することも困難になるため、その被覆に
よる安全と化粧の効果上も劣る。
<問題点を解決するための手段> 本発明はこのような問題点の改良を企図しており、そ
のために機体の左右何れか一方側へ偏倚した端部位置
に、イ草の分草機構と引起し機構並びに刈取り機構を集
中的に配列設置し、その諸機構を悉く機体の搭載エンジ
ンによって駆動するように定めた乗用型イ草収穫機にお
いて、 上記引起し機構の引起しチエンケースと引起しガイド
杆とを、その平行し合う左右相互間にイ草の引起し通路
を区画するように、且つ急な一定角度の後上がり傾斜状
態として立設し、 その引起し機構の上段位置には、その引起し通路へ背
後から臨むイ草の穂先部側挟持搬送機構を、その一定の
作用長さが機体の前後方向に沿ってのみ延在する状態に
支架させて、引起されたイ草の穂先部側をその挟持搬送
機構により、自づと受け入れ挟持しつつ機体の後方へ搬
送し得るように定める一方、 同じく引起し機構の下段位置には、その引起し通路の
背後に横断するバリカン型の刈取り機構を設置して、上
記挟持中にあるイ草の株元部を自づと刈取れるように定
め、 上記分草機構の固定分草杆を、上記引起しガイド杆の
下端部よりも前方へ一定距離だけ水平に派出させて、そ
の派出前端部に枢着した振動分草杆を、上記引起し機構
よりも緩やかな一定角度の後上がり傾斜状態に起立させ
ると共に、 上記引起し機構の背後に臨む伝動軸を、その引起し機
構よりも側面視の急な一定角度のもとに機体から起立さ
せ、その伝動軸へ偏心軸を介して、上記振動分草杆の上
端部を伝動連結することにより、その振動分草杆に上記
枢着部を支点として、上方から偏心軸の首振り偏心角度
に基く公転作用を与えるように定め、 併せて上記伝動軸により、引起し機構と刈取り機構並
びに挟持搬送機構へ、その悉く上方からエンジンの駆動
力を分配付与し得るように構成したことを特徴とするも
のである。
<実施例> 以下、図示の実施例に基いて本発明の具体的構成を詳
述すると、第1〜3図は乗用型イ草収穫機の全体を表わ
しており、(11)はその収穫機における機体の総称であ
って、その前部位置のほぼ中央個所にはエンジン(12)
が固定状態に搭載されている。(13)は同じく後部位置
のほぼ中央個所に固定設置されたトランスミツシヨンで
あり、中間軸(14)と伝動ベルトなどを介してエンジン
(12)に連結されている。
(15)はそのエンジン(12)によって回走駆動される
左右一対の走行用クローラー、(16)は油圧シリンダー
であって、これにより後述するイ草の分草機構(A)や
引起し機構(B)、挟持搬送機構(C)、刈取り機構
(D)、すぐり選別機構(E)、集束搬送機構(F)並
びに結束機構(G)から成る一連の作業機構を走行上、
その前端部側から機体(11)に対する作業フレーム(1
7)の枢支横軸(18)を回動中心として、昇降作動させ
得るようになっている。その作業フレーム(17)は上記
作業機構の支持材として機能する意味で、機体(11)の
一部をなす。
エンジン(12)の上方位置は全体的に結束床(19)と
して遮蔽されていると共に、そのエンジン(12)の後部
に位置する中間軸(14)やトランスミツシヨン(13)な
どの上方が、結束床(19)との連続的なイ草束(M)の
積載台(20)として、好ましくは第1図から示唆される
ような側面視の凹溝形態に形作られている。
つまり、機体(11)における前部位置の上面が、圃場
から一定高さのイ草結束床(19)として機能するように
定められており、そのほぼ中央一部がエンジン(12)の
遮蔽用カバーを兼ねていると共に、同じく機体(11)に
おける後部位置の上面が、結束床(19)よりも低いイ草
束積載台(20)として形成されているわけである。尚、
結束床(19)はイ草の結束場所を意味するものであり、
従ってその全体的に均一なフラツト面に限らず、起伏面
から成る形態をも含み、このことは積載台(20)につい
ても同様である。
(21)は結束床(19)と積載台(20)との境界段部で
あって、後下がりの傾斜面を呈しており、作業中にはこ
の段部(21)を介して、結束床(19)と積載台(20)が
相互の連続面を形作ることにより、結束床(19)にて結
束されたイ草束(M)を、その自重落下的に積載台(2
0)上へ蹴り出せるようになっている。(22)はイ草束
(M)の株元部側に対面する積載台(20)の起立側壁面
であり、これには例えば第1図の鎖線で示す如き別な開
閉ドアー若しくは延長閉塞板(23)を付設するか、又は
その起立側壁面(22)自身を背高く延長させることによ
って、イ草束(M)の積載量を増加できるように定める
ことが望ましい。
他方、積載台(20)におけるイ草束(M)の穂先部側
に臨む側壁面は、これも若干背高く起立延長させるか、
又はその開放させた側壁面に穂先部側の支持枕となるバ
ー材を架設することにより、イ草束(M)を下方から安
定良く支持して、その穂先部側からの垂れ下がりを防ぐ
ことが良い。もっとも、その左右両側壁面の何れか一方
又は双方を開放状態に放任して、イ草束(M)の長さ変
化に対応させるようにしてもさしつかえない。更に、積
載台(20)の底壁面(24)は、これをイ草束(M)の株
元部側において低くなる横下がり傾斜面として、これに
より積み降し作業の容易化や、積載状態の水平安定化な
どを図ることが有利である。
(25)は機体(11)から後方へ一体的に派出された運
転台であって、言うまでもなく操縦ボツクス(26)やシ
ート(27)を備えており、日除け用の屋根が付属的に立
設されることもある。つまり、運転台(25)の直前位置
がイ草束(M)の積載台(20)として配設されているわ
けであり、従ってオペレーターが運転台(25)に乗って
収穫機を操縦し乍ら、イ草束(M)の積載量などを支障
なく直視することができ、又積載状態を手直しすること
もできる。
又、(28)は機体(11)の前端部付近に位置しつつ、
上記中間軸(14)とほぼ平行な左右横方向に亘る延在状
態として、作業フレーム(17)上に支持された作業動力
分配軸であり、その左右何れか一方側へ偏倚した端部位
置において、中間軸(14)とベルトなどを介して伝動連
結され、以ってエンジン(12)から次に詳述する各種作
業機構(A)(B)(C)(D)(E)(F)(G)
へ、その駆動力を分配している。つまり、一連の作業機
構(A)〜(G)が機体(11)上に搭載された単一のエ
ンジン(12)によって、悉く駆動されるようになってい
るわけである。
その一連の作業機構(A)〜(G)は、本発明の場合
第1〜3図から明白なように、機体(11)の前部をなす
作業フレーム(17)上へ集中的に配列設置されており、
これによってイ草に対する一連の作業工程を著しく短縮
化し、高能率に処理できるようにすると共に、その作業
機自身を全体的に小型コンパクト化しつつも、機体(1
1)の後部位置に配設した上記積載台(20)を極力に広
く確保して、そのイ草束(M)の積載量を著しく増加で
きるようになっているのである。
上記一連の作業機構(A)〜(G)をその工程順序に
従って詳述すると、先づイ草を分草作用する分草機構
(A)は、収穫機を上方から見た状態において、機体
(11)の前部に位置する上記結束床(19)の左右何れか
一方側(図では収穫機の前進方向に向かって左側位置)
へ偏倚した端部に配設されている。(29)はその分草機
構(A)を形作る固定分草杆であって、機体(11)の前
方の水平状に長く派出しており、第4図からも明白なよ
うに、これとの結合下部前端位置を枢支点(O)とし乍
ら、偏心軸(30)によってあたかも中張りの縄跳び振幅
運動に似た回動(公転運動)作用を営なむ可撓な振動分
草杆(31)が、第1図の側面図から示唆される通り、水
平面と交叉する一定角度(λ)の後上り傾斜状態に立設
されている。
つまり、振動分草杆(31)は可撓性の材質から作成さ
れており、その可撓性による全体的な円弧弯曲形態とし
て、その下部前端が固定分草杆(29)の派出前端部に枢
着されている一方、同じく上部後端が偏心軸(30)の首
振り下端部(32)に伝動連結されている。そして、その
首振り下端部(32)は第1、4図のように、偏心軸(3
0)自身の回転中心線(Y−Y)と一定角度(π)だけ
交叉する如く、部分的に変向していると共に、その偏心
軸(30)の上端部が機体(11)の前部位置から起立する
伝動軸(33)と伝動連結されているため、エンジン(1
2)の動力がその伝動軸(33)を介して、上方から偏心
軸(30)に導入されるや、振動分草杆(31)はその下部
前端を枢支点(O)としつつ、上記一定の首振り角度
(π)に依拠する公転運動作用を行なうこととなる。
(34)は上記偏心軸(30)の軸受筒、(35)は同じく
偏心軸(30)と伝動軸(33)との連結部に介在する伝動
ギヤボツクス、(36)は固定分草杆(29)の前端部に付
属一体化された分草矢(デバイダー)を各々示してい
る。その場合、上記伝動軸(33)は第1図のように機体
(11)の横方向から見て、引起し機構(B)よりも急な
一定角度(μ)のもとに、その機体(11)の前部位置か
ら立設されていると共に、第3図の正面図から示唆され
る如く、引起し機構(B)の背後に臨みつつ、上記偏心
軸(30)との同一軸線上に関係位置している。
分草機構(A)は上記のように構成されているため、
収穫機の前進に連れて、圃場に密生繁茂しているイ草の
茎稈群へ一早く分け入ることができ、その茎稈群の絡み
付きをも上記公転運動作用により、確実に解きほぐすこ
とができる。しかも、その振動分草杆(31)は可撓性の
材質から成るため、イ草の茎稈に傷付きなどを与えるお
それがなく、又その円弧弯曲度を適当に調整することも
できる。
分草されたイ草は、その直後引起し機構(B)によっ
て、正しい起立姿勢に引起される。つまり、引起し機構
(B)は分草機構(A)の直後位置に臨んでおり、従っ
て第2、3図から明白なように、これも機体(11)の前
部に位置しつつ、その一方側(同じく左側)へ偏倚した
横端部に配設されていることになる。(37)はその引起
し機構(B)を形作る引起しチエンケース、(38)は同
じく橇、(39)はそのチエンケース(37)に付属された
引起しガイド杆であり、何れも上記振動分草杆(31)の
設置角度(λ)よりも急な一定角度(κ)の後上り傾斜
状態に立設されている。
そして、上記した伝動軸(33)の設置角度(μ)が第
1図の側面図から明白なように、この引起し機構(B)
の設置角度(κ)よりも更に大きな急角度に定められて
おり、そのため機体(11)の横方向から見た時、その機
体(11)の前部をなす作業フレーム(17)と引起し機構
(B)並びに伝動軸(33)との相互間には、その作業フ
レーム(17)と言わば底辺とする三角形の枠組みが生成
される結果となっている。しかも、その枠組みが機体
(11)の上記一方側(左側)へ偏倚した位置にあるこ
と、言うまでもない。
(S)はそのチエンケース(37)とガイド杆(39)と
の正しく向かい合う左右相互間に開口区成された引起し
通路であり、この通路(S)を無端な引起しチエン(4
0)が、循環回走するようになっている。このチエン(4
0)には多数の引起し爪(41)が一定間隔おきに、且つ
起伏自在に枢着されており、その爪(41)が引起し通路
(S)を上昇する往動時においてのみ、該通路(S)内
への横断状態に起立して、イ草を梳りつつ引起すことに
なり、逆に下降する復動時には、チエンケース(37)内
への埋没状態に伏倒する。
(42)はその伏倒状態にある引起し爪(41)を清掃す
るクリーナーであり、チエンケース(37)の上端部近傍
に付属設置されている。(43)は同じくケース(37)の
上端部に架設された伝動ギヤボツクスであって、上記伝
動軸(33)の上端部に対応設置された伝動ギヤボツクス
(44)と作用的に連結されており、そのためエンジン
(12)の動力は伝動軸(33)を介して、引起し機構
(B)へその上方から導入され、その引起しチエン(4
0)が循環回走されることとなっている。
その場合、第1図の側面図から明白なように、上記振
動分草杆(31)と引起し通路(S)は、その中途高さ位
置においてX字型に交叉する関係の設置状態にある。つ
まり、引起し機構(B)の上記固定分草杆(29)は第1
図のように、引起しガイド杆(39)の下部前端位置より
も一定距離(X)だけ前方へ水平に派出されているわけ
であり、その派出前端部に上記振動分草杆(31)の下端
部が上記の通りに枢着されている。従って、分草後のイ
草はそのまま円滑に、且つその所要数が引起し爪(41)
により、順次に正しく引起されることになる。尚、引起
しチエン(40)を掛架する上下一対のスプロケツトは図
示省略してある。
起立姿勢に引起されたイ草は、引続き第5図に示すよ
うに、その穂先部側が挟持搬送機構(C)によって挟持
されたままで、機体(11)の後方に向かい吊り上げ搬送
されるようになっている。つまり、その挟持搬送機構
(C)は引起し機構(B)の直後位置に臨むよう架設さ
れており、やはり機体(11)の一方側(左側)へ偏倚し
た横端部位置にある。
(45)はその挟持搬送機構(C)を形作る挟持搬送帯
の総称であり、これは第2、7図の平面図から明白なよ
うに、上記引起し通路(S)へ後方から正しく臨みつ
つ、機体(11)の実質上前後方向に沿ってのみ延在して
いる。(L)はその延在する挟持搬送帯(45)の一定作
用長さを示している。しかも、その挟持搬送帯(45)は
第1、5図の側面図から示唆されるように、引起された
イ草の穂先部側と対応する一定高さ位置において、水平
面と一定角度(α)に交叉する後上りの傾斜設置状態に
支架されている。(a)(b)はその挟持搬送帯(45)
の作用始点と作用終点の各位置を示している。
この挟持搬送帯(45)を第8〜12図に抽出して一層具
体的に言えば、これは左右何れか一方側(左側)の無端
な複列型Vベルト組(46)と、残る他方側(右側)の無
端な複列型Vベルト組(47)との一対から成ると共に、
その両Vベルト組(46)(47)が少なくとも前後一対づ
つの複列型Vプーリー(48)(49)に、各々循環回走で
きるように張架されている。そして、その他方側(右
側)のVベルト組(47)は所要数の複列型中間Vプーリ
ー(50)によって、上方から見た場合に好ましくは機体
(11)の内側から外側への凸曲面状に張り出し付勢され
ており、これに一方側(左側)のVベルト組(46)が弾
圧的に密着されているので、イ草の穂先部側はその相互
間に挟持されたままで、その所謂垂れ下がり起立姿勢の
もとに後方へ吊り上げ搬送されることとなる。
その場合に、好ましくは第9、10図の符号(H)で示
す如く、両複列型Vベルト組(46)(47)の相互挟持面
には一定の段差が与えられており、この段差(H)によ
ってイ草の茎稈を意図的に屈曲させ乍ら搬送するように
なっている。挟持されるイ草の量に多生の変化がある時
に、団子状の多量なイ草により両Vベルト組(46)(4
7)の相互間隙が拡大し、以って少量なイ草が脱落した
り、或いは位置ズレしてしまうこと等を防ぐ趣旨であ
る。
この点、図示の実施例では上記段差(H)を与えるに
つき、複列型中間Vプーリー(50)におけるベルト組掛
架面の隣り合う相互間に、その直径寸法の大小変化を加
工付与しているが、上記趣旨を達成できるならば、例え
ばベルト自身の断面形状を互いに咬み合う屈曲形態に定
めて、その咬み合いによる段差(H)を付与することも
可能である。
(51)はラグ(52)付きの無端な引込みベルトであっ
て、ゴムなどの弾性材から成り、第8、11図から明白な
ように、上記挟持搬送帯(45)のほぼ前半部に相応する
作用長さを有するものとして、該搬送帯(45)の直下位
置にほぼ平行するよう延在されており、しかも上記他方
側(右側)の複列型Vベルト組(47)と一体的に同一方
向へ循環回走するように、共通のプーリー支軸(53)に
よって結合されている。
つまり、挟持搬送帯(45)が引込みベルト(51)付き
の所謂ユニツト体として、全体的な挟持搬送機構(C)
を形作っているわけであり、これもエンジン(12)によ
って回走駆動される。(54)はその搬送帯(45)のプー
リー駆動支軸、(55)は同じく支持フレームであり、こ
れに内蔵されたテンシヨンバネ(56)によって、左右一
対の上記複列型Vベルト組(46)(47)に対し、その長
手の前後方向に沿って働くテンシヨン作用が各々付与さ
れている。(57)は伝動ギヤボツクス、(58)はそのギ
ヤボツクス(57)と上記伝動軸(33)における上端部の
ギヤボツクス(44)とを作用的に連結する伝動軸であ
り、これを介してエンジン(12)の動力が、挟持搬送機
構(C)のプーリー駆動支軸(54)へ上方から導入さ
れ、その挟持搬送帯(45)や引込みベルト(51)が循環
回走されることになっている。
上記挟持搬送機構(C)の引込みベルト(51)は起立
姿勢のイ草を、その引起し通路(S)から挟持搬送帯
(45)へ確実に受け渡しガイド作用するものであり、従
いその引込み作用始点(d)が挟持搬送帯(45)の搬送
作用始点(a)よりも、若干前方位置にある。そして、
イ草の穂先部側が上記挟持搬送帯(45)により挟持され
ると同時か、又はその直後に刈取り機構(D)の刈刃
(59)によって、そのイ草の株元部側が安定良くカツト
されるように関係設定されている。従って、刈取り機構
(D)も上方から見た時、機体(11)の一方側(左側)
へ偏倚した端部位置に存在していることになる。上記後
方への吊り上げ搬送中に、短小な屑イ草が自動選別的に
落下投棄されるのである。
刈取り機構(D)の刈刃(56)は、引起し通路(S)
の下段位置に臨み乍ら、その通路(S)の背後を横断す
る如き左右横方向へ往復運動されるバリカン形態から成
り、これには第1図のように上方から上記伝動軸(33)
を介して、エンジン(12)の動力が導入され、その往復
直線運動されるようになっている。
上記挟持搬送機構(C)をなす挟持搬送帯(45)の下
方位置には、平面から見た状態において、その挟持搬送
方向(機体のほぼ前後方向)とほぼ直角に交叉する左側
又は右側(図の場合)の横方向に沿って延在するすぐり
選別機構(E)が配設されており、これによって穂先部
側の挟持搬送中に、その刈取り後のイ草を中間部から株
元部側に向かって梳る如くすぐり作用すると共に、その
株元部をほぼ結束床(19)の高さまで持ち上げ変向させ
て、その過程で短小な屑イ草を再度選んですぐり落すよ
うになっている。
即ち、刈取りイ草のすぐり選別機構(E)は第1〜3
図から明白なように、その全体として機体(11)におけ
る結束床(19)の前面相当部(一定高さの前側)へ臨む
位置にあり、且つ上記挟持搬送方向と交叉する左右横方
向への延在状態として設置されている。
そして、これを一層具体的に説明すると、そのすぐり
選別機構(E)はイ草の中間部を引掛けつつ横斜め上方
に持ち上げる上段すぐり搬送帯(60)と、同じく株元部
側を引掛けてほぼ横水平方向へ持ち出す下段すぐり搬送
帯(61)との一対から成り、その両者の何れも第1、5
図の側面図から示唆されるように、そのすぐり搬送作用
始点(e)(f)が上記挟持搬送帯(45)から垂れ下が
る起立姿勢のイ草へ臨む位置にあり、そのイ草の後方に
向かう挟持搬送作用に際会して、その中間部や株元部側
がやがて自動的に上下一対のすぐり搬送帯(60)(61)
へ引掛かるようになっている。
その上下一対のすぐり搬送帯(60)(61)は、何れも
すぐりチエンケース(62)(63)と、その内部を循環回
走する無端なすぐりチエン(64)(65)との組立体であ
り、そのチエン(64)(65)には一定間隔おきに多数の
すぐり爪(66)(67)が、上記引起し爪(41)と同じよ
うに起伏自在として枢着されている。つまり、そのすぐ
り爪(66)(67)が第6、7図の矢印で示すように、イ
草のすぐり搬送作用終点(g)(h)に向かって往動す
る時、初めてチエンケース(62)(63)から各々突出す
るように起立して、イ草を引掛け得るようになってお
り、逆方向へ復動する時にはチエンケース(62)(63)
内へ埋没伏倒するのである。
その場合、特に第3、6図示の前方から見た状態で
は、下段すぐり搬送帯(61)がイ草の株元部側をほぼ横
水平方向へ持ち出す如く、実質上正しい水平設置状態に
延在されており、これに対して上段すぐり搬送帯(60)
は両図から明白なように、その水平状態の下段すぐり搬
送帯(61)と一定角度(β)に交叉する言わば横上りの
傾斜設置状態として、そのすぐり搬送作用終点(g)へ
行くに連れて徐々に高くなるように延在されている。こ
れによって、イ草の株元部側を最終的にほぼ結束床(1
9)の高さまで持ち上げ変向させる趣旨である。従い、
この趣旨を達成できる限りでは、図示実施例の下段すぐ
り搬送帯(61)を省略してもさしつかえない。尚、その
すぐりチエン(64)(65)にもテンシヨン作用が与えら
れているが、その機構は図示省略してある。
又、第1、5図から示唆されるように、上下一対のす
ぐり搬送帯(60)(61)は側面から見た時、その下段す
ぐり搬送帯(61)のすぐり爪(67)が、前方を正しく直
視する指向状態にあり、他方上段すぐり搬送帯(60)の
すぐり爪(66)は斜め前上方を指向する状態にあって、
その指向線が互いに一定角度(γ)を保って交叉してい
ると共に、下段すぐり搬送帯(61)の作用始点(f)が
前方位置として、これよりも後方に上段すぐり搬送帯
(60)の作用始点(e)が位置するように関係設定され
ている。
しかも、第2、7図の平面図から明白なように、上段
すぐり搬送帯(60)はその作用終点(g)へ行く程、徐
々に前方へ張り出す傾斜設置状態にあり、これに対して
下段すぐり搬送帯(61)は全体的な言わば横一線状態に
延在し、これによって両搬送帯(60)(61)が一定角度
(θ)をなして交叉していると共に、その作用終点
(g)(h)が上下位置関係を保ち乍らも、平面から見
て相互のほぼ同等位置に合致している。
すぐり選別機構(E)は上記のように構成されている
ため、イ草が挟持搬送帯(45)により穂先部側から吊り
上げられて、後方へ挟持搬送される作用中に、そのイ草
の株元部側と中間部は第5〜7図のように、順次下段す
ぐり搬送帯(61)のすぐり爪(67)と、上段すぐり搬送
帯(60)のすぐり爪(66)に自づと引掛かり、その挟持
搬送方向と交叉する関係の横方向へ持ち出し搬送される
過程において、その中間部から株元部側に向かってすぐ
り爪(66)(67)により梳られることになり、又そのす
ぐり搬送に伴なって、株元部側が下段すぐり搬送帯(6
1)から上段すぐり搬送帯(60)へ、順次乗り換えられ
る如くほぼ結束床(19)の高さまで持ち上げられ、イ草
は引起し当初と挟持搬送の起立姿勢から、最終的に伏倒
姿勢へと変向されることとなる。
即ち、イ草は挟持搬送帯(45)による穂先部側の挟持
位置を言わば可動支点として、その後方への搬送中に株
元部側がすぐり搬送帯(60)(61)により、あたかも振
り子のように扇の輪郭軌跡を描きつつ円弧運動して、ほ
ぼ結束床(19)の高さまで持ち上げられ、最終的な伏倒
姿勢に変向されるわけである。その結果、短小な屑イ草
はこの作用中にも投棄され、又イ草の絡み付きなどもす
ぐり爪(66)(67)の通り抜けによって、整然と分別し
合うように矯正される。
尚、(68)は上記結束床(19)の前面相当部に立設さ
れたすぐり選別機構(E)用カバー板であり、すぐり搬
送されるイ草の不慮な侵入などを予防する。同様な意味
のカバーにより、挟持搬送機構(C)や結束機構(G)
なども被覆化粧されているが、これらは図示省略してあ
る。(69)はすぐり選別機構(E)と中間軸(14)との
伝動ギヤボツクスであり、そのすぐりチエン(64)(6
5)が左右一対づつのスプロケツト(図示省略)を介し
て、やはりエンジン(12)により回走駆動されるように
なっている。
すぐり選別を受けたイ草の株元部側は、機体(11)の
前部に位置する結束床(19)の残る他方側(右側)へ臨
む上段すぐり搬送帯(60)の作用終点(g)において、
その結束床(19)上に向かい言わば蹴り出されることに
なる。そのイ草は穂先部側において依然挟持中にあるた
め、上段すぐり搬送帯(60)のすぐり爪(66)が回走し
て、株元部側を搬送する勢力により、その株元部は上記
すぐり作用終点(g)に達するや、すぐり爪(66)から
はずれて後方に向かい振り廻される如く、結束床(19)
上へ蹴り出されることになるわけである。
そして、その順次蹴り出されたイ草の株元部は、結束
床(19)上の集束搬送機構(F)に受け継がれて、結束
機構(G)に向かい正しく搬送されることになる。(7
0)はその集束搬送機構(F)を形作る集束搬送帯であ
って、第13、14図に抽出拡大する通り、上記挟持搬送機
構(C)の引込みベルト(51)と同様なラグ(71)を一
定間隔おきに備えられた左右一対と無端な弾性ベルトか
ら成り、集束ガイド(72)やパツカー(73)と相俟っ
て、イ草の株元部を順次に後方へ搬送する。
従い、この集束搬送機構(F)の搬送帯(70)は第
2、7図の平面図から明白なように、上記挟持搬送帯
(45)などと反対の他方側(右側)に位置しつつ、結束
床(19)上の横端部においてイ草の株元部を円滑に受け
入れ得るよう、横軸廻りに回動する駆動支軸(74)を備
えている。その支軸(74)は中間軸(14)との伝動ケー
ス(75)などを介して、エンジン(12)により駆動さ
れ、集束搬送帯(70)が循環回走されることとなる。
又、その集束搬送帯(70)により結束機構(G)の存
在する後方へ搬送されるイ草の株元部は、その搬送過程
において株元部揃え用刈刃(76)により、自づとカツト
されるようになっている。その株元部が整然と揃った状
態において、結束機構(G)へ送り込まれるのである。
尚、その揃え用刈刃(76)は上記した刈取り機構(D)
の刈刃(59)と同様なバリカン形態であるため、その詳
細を図示省略してあるが、第13、14図から示唆される如
く、集束搬送帯(70)と同様にイ草の株元部を受け入れ
得る起立の設置姿勢にあり、やはり横軸廻りに作動され
ること言うまでもない。
上記集束搬送帯(70)は穂先部側の挟持搬送帯(45)
と実質的に平行する如く、機体(11)の前後方向に沿っ
て延在されており、これによる後方への搬送中において
も、イ草の穂先部側は依然として挟持搬送帯(45)によ
る挟持搬送作用を受けているため、その株元部が結束機
構(G)へ最終的に受け入れられた状態では、イ草が言
わば横一線の整然とした集束伏倒姿勢に保たれることと
なり、その搬送過程でもイ草の乱れが矯正されるのであ
る。
上記説明から既に明白な通り、結束機構(G)は結束
床(19)上において、集束搬送帯(70)の直後位置に臨
んでおり、上記穂先部側の挟持搬送機構(C)と左右の
対をなす如く、やはり機体(11)の他方側(右側)へ偏
倚した端部位置に設置されている。(77)はその結束機
構(G)を形作る結束機であり、イ草の一定量が受け入
れられるや否や、該結束機(77)が感知ドアー(78)の
作用によって起動し、その伏倒姿勢のもとで結束された
イ草束(M)は、直ちに放出アーム(79)により第7図
に示唆する如く、その伏倒姿勢のままで結束床(19)に
後続する積載台(20)へ、言わば直通状に蹴り出し移行
されるのである。尚、(80)は結束機(77)のニードル
を示しているが、その結束紐は図示省略してある。
その場合、イ草は上記すぐり選別機構(E)による変
向作用を爾前に受けているため、その結束床(19)上で
の伏倒姿勢において、集束搬送帯(70)により集束さ
れ、又結束機(77)により結束されることになるが、そ
のイ草の伏倒姿勢としては第1図の側面図や第6図の正
面図から示唆されるように、水平面との厳密な平行状態
のみを意味せず、穂先部側の挟持位置が株元部よりも若
干高くなる傾き状態(吊り下げの垂直面と交叉する角度
が、45度を越えてほぼ90度に達するまでの角度姿勢)も
含む。
更に、上記結束作用の完了と挟持搬送帯(45)による
挟持作用の解除とは、時間的なタンミングとしてほぼ同
時に実行されるように関係設定されており、そのイ草の
一定量が結束完了するや否や、そのイ草束(M)は直ち
に且つ確実に積載台(20)へ蹴り出されるようになって
いる。
つまり、これを換言すれば、穂先部側を挟持搬送する
挟持搬送帯(45)の作用速度よりも、株元部側を変向さ
せるすぐり搬送帯(60)(61)の作用速度の方が、かな
り高速に回走駆動されるように定められているわけであ
り、従ってそのすぐり搬送帯(60)(61)の言わば横送
り勢力によっても、屑イ草は機体(11)の他方側(右
側)に向かって、放出投棄されることになり、その選別
効果を昂め得ると共に、その高速度な結束床(19)上に
向かう株元部の蹴り出し作用により、上記株元部揃え用
刈刃(76)で以って、その株元を自づと効果的に揃え切
ることもできることになる。
<発明の効果> 以上のように、本発明では機体(11)の左右何れか一
方側へ偏倚した端部位置に、イ草の分草機構(A)と引
起し機構(B)並びに刈取り機構(D)を集中的に配列
設置し、その諸機構(A)(B)(D)を悉く機体(1
1)の搭載エンジン(12)によって駆動するように定め
た乗用型イ草収穫機において、 上記引起し機構(B)の引起しチエンケース(37)と
引起しガイド杆(39)とを、その平行し合う左右相互間
にイ草の引起し通路(S)を区画するように、且つ急な
一定角度(κ)の後上がり傾斜状態として立設し、 その引起し機構(B)の上段位置には、その引起し通
路(S)へ背後から臨むイ草の穂先部側挟持搬送機構
(C)を、その一定の作用長さ(L)が機体(11)の前
後方向に沿ってのみ延在する状態に支架させて、引起さ
れたイ草の穂先部側をその挟持搬送機構(C)により、
自づと受け入れ挟持しつつ機体(11)の後方へ搬送し得
るように定める一方、 同じく引起し機構(B)の下段位置には、その引起し
通路(S)の背後に横断するバリカン型の刈取り機構
(D)を設置して、上記挟持中にあるイ草の株元部を自
づと刈取れるように定め、 上記分草機構(A)の固定分草杆(29)を、上記引起
しガイド杆(39)の下端部よりも前方へ一定距離(X)
だけ水平に派出させて、その派出前端部に枢着した振動
分草杆(31)を、上記引起し機構(B)よりも緩やかな
一定角度(λ)の後上がり傾斜状態に起立させると共
に、 上記引起し機構(B)の背後に臨む伝動軸(33)を、
その引起し機構(B)よりも側面視の急な一定角度
(μ)のもとに機体(11)から起立させ、その伝動軸
(33)へ偏心軸(30)を介して、上記振動分草杆(31)
の上端部を伝動連結することにより、その振動分草杆
(31)に上記枢着部を支点(O)として、上方から偏心
軸(30)の首振り偏心角度(π)に基く公転作用を与え
るように定め、 併せて上記伝動軸(33)により、引起し機構(B)と
刈取り機構(D)並びに挟持搬送機構(C)へ、その悉
く上方からエンジン(12)の駆動力を分配付与し得るよ
うに構成してあるため、冒頭に述べた従来技術の問題点
を完全に改良できる効果がある。
即ち、本発明の場合一定角度(λ)の後上がり傾斜状
態に起立する振動分草杆(31)の上部後端が、一定の首
振り偏心角度(π)を備えた偏心軸(30)の首振り下端
部(32)に伝動連結されているため、その偏心軸(30)
が回転駆動された時には、振動分草杆(31)が固定分草
杆(29)との枢着部(下部前端)を支点(O)として、
上記首振り偏心角度(π)に依拠する公転運動を行なう
こととなり、その結果高密度に激しく絡み合ったイ草群
に対しても、その解き離す分草作用力を立体的に強く付
与することができ、分草能力や延いては作業速度の低下
を惹き起すおそれがない。
又、振動分草杆(31)は偏心軸(30)と伝動連結され
ており、その偏心軸(30)の回転駆動力が振動分草杆
(31)の公転作用力として、言わば直截的に伝達される
ようになっているため、その意味からも上記効果の達成
上著しく有益であり、しかもその必要構成として頗る簡
素に合理化できるのである。この点、特に特許請求の範
囲・第2項に記載の構成を採用するならば、その振動分
草杆(31)の円弧弯曲度を適用に選定しつつ、容易に組
み立てることができるほか、これによるイ草の傷付きな
ども、一層効果的に防止することができる。
更に、振動分草杆(31)は一定角度(λ)の後上がり
傾斜状態に設置されている処、その角度(λ)よりも急
な一定角度(κ)の後上がり傾斜状態として、引起し機
構(B)が立設されていると共に、その引起しガイド杆
(39)の下端部よりも前方に一定距離(X)だけ水平に
派出する固定分草杆(29)の前端部に、上記振動分草杆
(31)の下端部が枢着されているため、機体(11)の横
方向から見た時、その振動分草杆(31)の公転作用エリ
ヤ内へ、引起し機構(B)が言わばオーバーラツプする
如く介入位置することとなり、その結果イ草群へ一早く
分け入る分草機構(A)により分草したイ草を、その大
きな急角度に起立する引起し機構(B)によって、即刻
連続的に引起し垂立させることができ、その引起し通路
(S)の背後に臨む挟持搬送機構(C)へ、その引起し
たイ草の穂先部側を円滑に導入させ得るのである。
その場合、穂先部側の挟持搬送機構(C)は一定の作
用長さ(L)を有するものとして、特に機体(11)の前
後方向に沿ってのみ延在する状態に架設されているた
め、上記分草・引起されたイ草の穂先部側を収穫機の前
進に連れて、自づと直進的に無理なく挟持搬送機構
(C)内へ受け入れ誘導することができ、その円滑さと
確実さに著しく優れる。
又、上記振動分草杆(31)の偏心軸(30)へ、その上
方からエンジン(12)の動力を伝える伝動軸(33)は、
これを機体(11)の横方向から見た時、上記引起し機構
(B)よりも更に急な一定角度(μ)として、機体(1
1)の前部位置から起立されているため、その伝動軸(3
3)を言わば枠組み支柱として活用しつつ、分草機構
(A)と引起し機構(B)を効果的に支えることができ
る。
しかも、その起立する伝動軸(33)によって、分草機
構(A)への駆動力のみならず、引起し機構(B)と刈
取り機構(D)並びに挟持搬送機構(C)へ、その悉く
上方からエンジン(12)の駆動力を分配付与し得るよう
になっているため、これらの全体機構が機体(11)の左
右何れか一方側へ偏倚した端部位置に、集中的に配列設
置されていることとも相俟って、その分配上の伝動系統
を著しく簡素に合理化できると共に、その全体機構を側
面視の三角形な1個の共通するカバー材(N)によっ
て、端整に且つ安全に被覆化粧することもできるのであ
る。
又、その被覆化粧したとしても、上記諸機構(A)
(B)(C)(D)は悉く機体(11)の一方側へ偏倚し
た端部位置にあり、これらに対しては上記伝動軸(33)
によって、特に上方からエンジン(12)の駆動力が導入
分配されるようになっているため、機体(11)の上面中
央部にはイ草の姿勢変向や結束を行なえる有効作用空間
が、充分広く確保されることとなる。従い、収穫機の小
型コンパクト化にとっても、著しく有益であると言え
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明におけるイ草収穫機の全体概略側面図、
第2、3図は第1図の平面図と正面(前面)図、第4図
は分草機構を抽出して示す一部切欠きの拡大側断面図、
第5〜7図は第1〜3図に対応する配置形態で示す作用
説明図、第8〜12図は穂先部側の挟持搬送機構を抽出し
たものであり、第8図はその平面図、第9図は第8図の
9−9線に沿う拡大断面図、第10図は第9図の一部拡大
断面図、第11図は同じく挟持搬送機構の側面図、第12図
は第11図の背面(後面)図、第13図は集束搬送機構と結
束機構を抽出した拡大側面図、第14図は第13図の平面図
である。 (A)……分草機構 (B)……引起し機構 (C)……挟持搬送機構 (D)……刈取り機構 (E)……すぐり選別機構 (F)……集束搬送機構 (G)……結束機構 (L)……挟持搬送作用長さ (M)……イ草束 (O)……枢支点 (S)……引起し通路 (X)……一定距離 (Y−Y)……回転中心線 (11)……機体 (12)……エンジン (29)……固定分草杆 (30)……偏心軸 (31)……振動分草杆 (32)……首振り下端部 (33)……伝動軸 (37)……引起しチエンケース (39)……引起しガイド杆 (41)……引起し爪 (45)……挟持搬送帯 (59)……刈刃 (κ)(λ)(μ)……一定角度 (π)……首振り偏心角度

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機体(11)の左右何れか一方側へ偏倚した
    端部位置に、イ草の分草機構(A)と引起し機構(B)
    並びに刈取り機構(D)を集中的に配列設置し、その諸
    機構(A)(B)(D)を悉く機体(11)の搭載エンジ
    ン(12)によって駆動するように定めた乗用型イ草収穫
    機において、 上記引起し機構(B)の引起しチエンケース(37)と引
    起しガイド杆(39)とを、その平行し合う左右相互間に
    イ草の引起し通路(S)を区画するように、且つ急な一
    定角度(κ)の後上がり傾斜状態として立設し、 その引起し機構(B)の上段位置には、その引起し通路
    (S)へ背後から臨むイ草の穂先部側挟持搬送機構
    (C)を、その一定の作用長さ(L)が機体(11)の前
    後方向に沿ってのみ延在する状態に支架させて、引起さ
    れたイ草の穂先部側をその挟持搬送機構(C)により、
    自づと受け入れ挟持しつつ機体(11)の後方へ搬送し得
    るように定める一方、 同じく引起し機構(B)の下段位置には、その引起し通
    路(S)の背後に横断するバリカン型の刈取り機構
    (D)を設置して、上記挟持中にあるイ草の株元部を自
    づと刈取れるように定め、 上記分草機構(A)の固定分草杆(29)を、上記引起し
    ガイド杆(39)の下端部よりも前方へ一定距離(X)だ
    け水平に派出させて、その派出前端部に枢着した振動分
    草杆(31)を、上記引起し機構(B)よりも緩やかな一
    定角度(λ)の後上がり傾斜状態に起立させると共に、 上記引起し機構(B)の背後に臨む伝動軸(33)を、そ
    の引起し機構(B)よりも側面視の急な一定角度(μ)
    のもとに機体(11)から起立させ、その伝動軸(33)へ
    偏心軸(30)を介して、上記振動分草杆(31)の上端部
    を伝動連結することにより、その振動分草杆(31)に上
    記枢着部を支点(O)として、上方から偏心軸(30)の
    首振り偏心角度(π)に基く公転作用を与えるように定
    め、 併せて上記伝動軸(33)により、引起し機構(B)と刈
    取り機構(D)並びに挟持搬送機構(C)へ、その悉く
    上方からエンジン(12)の駆動力を分配付与し得るよう
    に構成したことを特徴とする乗用型イ草収穫機。
  2. 【請求項2】分草機構(A)の振動分草杆(31)を可撓
    性の材料から作成すると共に、その可撓性による全体的
    な円弧弯曲状態として、その下端部を固定分草杆(29)
    の前端部へ枢着する一方、同じく上端部を偏心軸(30)
    の首振り下端部(32)へ伝動連結したことを特徴とする
    特許請求の範囲・第1項記載の乗用型イ草収穫機。
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