JPH0695896B2 - 調味食品製造方法 - Google Patents

調味食品製造方法

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JPH0695896B2
JPH0695896B2 JP32352590A JP32352590A JPH0695896B2 JP H0695896 B2 JPH0695896 B2 JP H0695896B2 JP 32352590 A JP32352590 A JP 32352590A JP 32352590 A JP32352590 A JP 32352590A JP H0695896 B2 JPH0695896 B2 JP H0695896B2
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久寿郎 菊池
宏 中澤
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は食材料(食用材料およびまたは食品を含む)を
単時間で効率的に調味する歩留まりの高い調味食品製造
方法に関するもので、特に長時間の炭酸ガス封入置換を
省略して実質無菌の製品とすることが可能な新規の調味
方法に関する。また本発明は、製品調味濃度のバラツキ
の少ない、高濃度、難調味食品製造方法にも関するもの
である。
従来技術 従来の調味では投入した固形材料と調味液の調味処理系
からは物質の系外排出は行なわれず、所定の出来上がり
製品の調味濃度は未調味の固形材料と投入した調味液の
濃度と調味液量によって定まってしまうことになる。出
来上がり製品は調味された固形成分と固形成分の2割程
度の調味液とが混合されたものが一般的であるが、この
場合は出来上がり製品の濃度に比して投入する調味液は
高濃度にならざるを得ず、高濃度の調味液は高浸透圧で
あって短時間での調味では含水固形材料を脱水し易く固
形材料の製品収得率が低下する。固形材料の脱水を防止
するためには調味液濃度を下げて大量の調味液を投入す
ることになり例えば梅とか大蒜のような非圧搾固形材料
の場合は固形材料と調味液(出来上がり製品濃度の2倍
の調味液濃度)の量を1対1程度にするのが一般的であ
り必然的に大量の調味液を使用せざるを得ず、理論上必
要な調味液の約2倍の調味液コストと廃棄調味液の廃棄
処理コストを負担しているのが実態である。また高濃度
の調味食品においては製品の所定の調味濃度よりも低い
濃度で調味を行ないその時点での調味液を廃棄して、引
き続き製品所定濃度への調味を行なう2段階の調味を行
なう場合もあるが、この場合にはさらに大量の調味液を
必要とする。
本発明者等も実開2-107977〜9号として既に減圧加熱に
よる調味食品濃縮について提案したところであるが、出
願時の認識では、減菌化のために炭酸ガス封入が最適で
必須であるとされ、回転攪はんによる調味速度向上効果
が認められていたものの、排気凝縮による脱水処理と沸
騰点以上での調味による大幅な調味速度の向上まではま
ったく考えおよばなかった。また非加熱での減圧回転攪
はんを主としたものであった。
発明が解決しようとする問題点 本発明は従来法のこれらの欠点を除去し、超短時間内の
効率的な調味が可能な、高歩留まりの調味食品製造方法
を提供するためのものである。
本発明はまた20数時間以上もの処理が必要な炭酸ガス置
換攪はん工程を省略し、なお一層の減菌化、実質無菌の
状態を達成できる方法を提供するためのものである。
本発明はさらにまた実質的に廃液処理の不要な濃厚調味
食品または、難調味食品の製造方法を提供するためのも
のである。
問題点を解決するための手段 すなわち、本発明は製品よりも低濃度の調味液を食材料
と共存させ、閉鎖減圧系の材料処理域での食材料内部の
調味液濃度と食材料外部の調味液濃度との濃度差を可及
的に少なくし、該処理域の給熱部もしくはその近傍に堆
積している食材料をゆるやかに転動させて食材料の高温
化を防止しながら、系内を液沸騰点以上に維持して水分
の気化離脱を積極的に行ない離脱水分を系外に除去する
ことにより、調味液を食材料に所定の調味液濃度まで浸
透させることを特徴とする調味食品の製造方法に関する
ものであり、また該前段浸透後に所定製品の調味濃度よ
りも低濃度の調味液を材料処理域内に1回以上補給し、
高濃度浸透を行なうことを特徴とする難調味食品または
濃厚調味食品製造方法に関するものである。
本発明の方法においては (1)減圧装置で、減圧することにより固形材料中へ調
味液の浸透を阻害する気泡を除去して調味液の浸透を容
易にするとともに、固形材料の細胞組織をミクロに破壊
するので比較的高分子の調味液溶質の固形材料への浸透
を容易にする。
(2)例えば円筒状金属製密閉容器を加熱・回転させて
攪はん板により、緩やかに攪はんすることで、入熱効率
を上げ、円筒状金属製密閉容器内の温度分布を一様にし
固形材料の局部的な高温化を防止することにより、調味
温度を製品の品質に許される限界内に制御した温度まで
(漬物の場合生の食感を維持できる70度C程度まで)上
昇して調味することにより、調味液の分子運動を大きく
して調味液と固形材料との成分交流(調味液の固形材料
への浸透)速度を向上させることができ、(1)の効果
と相まって従来の調味時間に比して驚異的な調味時間に
まで短縮(漬物の場合1/48〜1/80)することができる。
(3)例えば円筒状密閉金属性容器の強制冷却機構によ
り、比較的高温で調味完了後の製品を一般好気性菌の最
適増殖温度帯を短時間に低酵素分圧下で冷却通過させて
減菌効果を維持でき、また可搬密閉容器を使用すること
により、調味工程のみならず輸送器としても使用でき、
包装工程までを落下菌等に汚染させずに作業でき、調味
工程の比較的高温処理中や輸送器として使用する場合に
も減圧状態で酸素分圧を下げることができて製品の酸化
を防止し製品品質を維持できるために、減圧機構と加熱
機構により、70度C程度の調味温度を低酸素分圧下で一
定時間保持することによって通常の好気性菌や酵母菌に
対して実質無菌といえるレベル(1Gr中102個のオーダ
ー)までの減菌効果を得ることができる。
(4)廃棄冷却凝縮機構により、調味液の沸騰点以上で
調味することと相まって効果的な水分のコントロールが
可能である。
本発明において使用される食材料は、主に生鮮野菜、塩
蔵野菜、惣菜用材料、例えば、煮物、蒸し物等がある
が、前処理法との関連において、このほか惣菜例えば揚
げ物、焼き物、あえ物等を使用することもある。食材料
としては、醤油、食酢、ソース、サラダ油等の低粘液状
になりうる常温で高粘油脂も含み、塩、砂糖その他可溶
性化学調味料や甘味料または比較的少量添加される香辛
料その他極力安全、無がいな食品添加材等を包含するも
のである。調味液は、従来採用されていたものよりも低
濃度調味液を使用することが本発明の必須要件である。
難調味食品、高濃度調味食品の食材料としての原料梅や
大蒜は20%(重量%以下全て特にことわらない限り全て
重量%にて表す)以上の食塩濃度で処理されている場合
が多いが、この原料の脱塩を水洗にとどめて含塩分を調
味系の塩分として活用することが本発明では可能であ
り、より調味液の塩分濃度を低濃度とすることができ効
率的な調味が可能となる。
本発明における調味は、固・液共存状態で行なわれるの
でできれば低濃度、低粘度の調味液と、例えば、野菜等
の固形食材料との共存状態が、閉鎖減圧処理系内におい
て少なくとも調味の終点まで維持されている固・液混合
系の調味処理が望ましいが、調味後液状の調味液が残っ
ていない状態にまで脱水してもよい。
本発明では、調味工程中に調味系外への水分排出と調味
液の追加投入が可能であるため調味工程中を通じて固形
材料の濃度と調味液の濃度とを(調味液濃度>固形材料
の調味濃度)可及的濃度差の小さな状態に維持できて、
所定製品固形材料の濃度までの調味において固形材料か
らの脱水を最小限にして短時間調味で収得率が高くかつ
必要最小限の調味液での生産と排水コストを必要としな
い調味が可能である。固形材料の脱塩処理を水洗等の必
要最小限にとどめてその塩分を調味処理系の塩分として
活用する場合には、固形材料からの脱水を防止し易く、
より効果的な調味が可能である。本発明による脱水量
は、基本的には、調味の終点管理に利用できるもので、
調味の正確かつ容易な終点管理を達成する。調味濃度の
バラツキなく、一定品質の製品を提供できる実用効果は
極めて大きい。
材料内の調味液濃度と固形材料外の調味液濃度との濃度
差を可及的に少なくした場合の固形食用材料の調味速度
を予め把握しておくことにより、低濃度調味液の濃度を
系内水分の系外除去速度との関係で決定し、例えば投入
食材料からの離脱水分量を、排気冷却凝集機構の出口側
に設けてある脱水量系をもって調味液の供給量およびま
たは供給時点の判断基準とする調味液操作により1回以
上の供給または連続供給を行ない調味処理系に必要適正
量を供給するようにすることができる。このように本発
明では排気冷却凝集機構の排出側の脱水量を管理指標と
して、推測値としてではなく、あくまでも実測値として
調味完了時点を極めて簡単かつ確実に認識できるため、
製品濃度のバラツキなく安定した品質の調味食品を製造
することができる。
熱・冷却媒体、例えば加熱水蒸気や冷却水を円筒状密閉
容器外周の面状循環路に流すようにすれば、高伝熱効率
で極めて優れた最適の装置となる。また加熱水蒸気や冷
却水の流量・圧力のコントロールにより、スピーディー
に器内内壁全面の均一加熱・冷却が可能のため排気冷却
凝縮機構により系外への効率的な水分除去とより小型の
減圧ポンプで経済的に圧力制御を行なうように留意する
必要がある。器内調味液貯留量や器内圧力に対応して器
壁外周の熱・冷却媒体循環通路への熱冷却媒体の温度、
圧力、流量等を適正に供給し、さらに排気冷却凝縮機構
の排出側で脱水量を知り、この脱水量との見合いで追加
供給すべき調味量の関係を把握しておけば、調味液供給
の自動制御は容易であり、供給熱、冷却媒体温度、圧
力、流量、密閉容器回転数等の比較的単純な制御因子の
制御により起動から停止まで、半自動あるいは完全自動
運転が可能である。
本発明は減圧下給熱により、70度C程度の調味温度を低
酸素分圧下で一定時間保持すれば、通常の好気性菌や酵
母菌に対して実質無菌といえるレベルまで(1gr中102
のオーダー)の減菌効果を得ることができる。調味後に
同じ閉鎖減圧系内の減圧下低酸素分圧下で調味食品の強
制冷却を行えば、通常の好気性菌等の最適増殖温度帯を
細菌増殖の機会を与えることなく急速に通過させること
ができる。このため炭酸ガス封入置換攪はん(20数時間
以上必要)に比して1時間以内で減菌効果を得るという
著しい効果が得られる。また、本発明は減圧下低酸素分
圧下でのでの調味であり調味食品の酸化が防止できて高
品質化が可能である。さらに本発明においては、調味後
の、実質無菌の食材料は、そのまま、抗菌管理およびま
たは低酸素分圧下あるいは窒素などの不活性雰囲気に維
持されている包装系に移送することができ、そこで抗菌
包装(必要に応じて冷凍処理を行うこともある)すれ
ば、後殺菌工程無しの合成保存量等無添加食品が実現可
能である。本発明では給熱部およびその近傍で食材料の
局部高温化を防止するために、減圧閉鎖系内での食材料
の組織破壊無しに食材料の転動を行う必要があるが、例
えば調味処理域として円筒状密閉容器を採用すれば、円
筒状内壁に攪はん板を取り付けて円筒状密閉容器を緩や
かに回転することで(毎分5回転以内通常は2回転程度
にするとよい)食材料の緩やかな壁面近傍での隆起と崩
落により実現できる、回転は連続定速回転あるいは所定
角度範囲内で、間欠的な正転逆転等が選択できる。
本発明においては固・液共存下での非破壊的攪はんのた
め混練、粉砕等を行う例えば真空ニーダーの様な装置や
遠心式薄膜真空加熱濃縮装置も不適当である。
実施例 以下に本発明の実施例を示すが、これらの実施例は単に
本発明の理解を助けるためのものであり、本発明がこれ
らの実施例によって何等限定されるものでないことは当
然理解されなければならない。
実施例1(柴漬け) 原料として塩蔵野菜 胡瓜 8.0Kg 茄子 1.6Kg しょうが 0.5Kg 合計 10.1Kg を使用した。
脱塩後の原料合計は13.1kgであった。
また調味液として 糖用屈折計示度 20.3度 pH 4.1 酸度 0.5% 食塩濃度 9.2% のもの4.4Kgを使用した。
原料の生菌数は一般生菌1.3×104個/Gr かび・酵母菌2.4×103個/Gr であった。
塩蔵野菜を脱塩した13.1Kgの脱塩原料を従来法柴漬けの
圧搾工程を省略して前項の調味液4.4Kgとともに閉鎖減
圧系材料処理ゾーンに投入し、1分間に2回転程度の緩
やかな回転を行い原料を緩やかに攪はんしながら、1.5K
g/cm2の加熱蒸気を閉鎖減圧系材料処理ゾーンの給熱部
に供給し、昇温加熱工程で60度Cに達温後、60度Cを基
準に加熱蒸気の供給をオンオフ制御しながら(+−5度
C)、昇温加熱工程と同じに緩やかな攪はんを行い、閉
鎖減圧系の材料処理ゾーンを減圧(−700mmHg)し系内
水分を系外に除去しながら調味を37分間行い、系外へ7.
6lの水分を除去して調味終了した。調味終了後、給熱を
中止し、常温まで強制冷却(冷却時間11分間)、冷却の
途中40度Cにてアルコール100Grで溶解したフレーバー1
0Grと酢酸10Grを投入し、この投入後減圧排気は中止し
た。
調味結果は以下の通りであった。
・(食感) 歯ごたえ等従来製法と差無し ・(調味出来上がり) 糖用屈折計示度 12.1度 pH 4.2 酸度 0.77% 食塩濃度 5.5% ・(仕上がり製品生菌数) 一般生菌数<300個/Gr かび・酵母菌<10個/Gr ・(調味時間) 54分間 ・(仕上がり収得率) 仕上がり固形物収得量9.1Kg 対塩蔵原料収得量 90% 比較例としての柴漬け従来法による結果は以下の通りで
あった。
●原料 ・塩蔵原料 胡瓜 16.0Kg 茄子 3.0Kg しょうが 1.0Kg 塩蔵原料合計 20.0Kg ・脱塩後原料 脱塩後原料合計 25.8Kg ・調味液 12.2Kg 糖用屈折計示度 20.3度 pH 4.1 酸度 0.5% 食塩濃度 9.2% ・原料生菌数 一般生菌数 2.1×105個/Gr かび・酵母菌 1.3×105個/Gr ●実施調味作業 ・(圧搾) 脱塩後原料を8.6Kgに圧搾(塩蔵原料比43%) ・(調味) 圧搾原料8.6Kgと調味液10.3Kgを混合6日間静置調味 ●調味結果 ・(仕上がり製品生菌数) 一般生菌数 2.1×105個/Gr かび・酵母菌 2.2×105個/Gr ・(仕上がり収得率) 仕上がり固形物収得量 16.5Kg 対塩蔵原料収得率83% 仕上がり調味液量 2.4Kg 実施例2(福神漬け) 原料として塩蔵野菜 大根 9.5Kg 茄子 0.6Kg しその葉、蓮根 少々 しょうが 0.2Kg 合計 10.0Kg を使用した。
脱塩後の原料合計は14.2Kgであった。
また調味液として 糖用屈折計示度 41.8度 pH 4.7 酸度 0.76% 食塩濃度 7.6% のものを10.0Kg使用した。
原料の生菌数は一般生菌5.3×105個/Gr かび・酵母菌5.7×105個/Gr であった。
塩蔵野菜を脱塩した14.2Kgの脱塩原料を従来法福神漬け
の圧搾工程を省略して前項の調味液3.0Kgとともに閉鎖
減圧系材料処理ゾーンに投入し、1分間に2回転程度の
緩やかな回転を行い原料を緩やかに攪はんしながら、1.
5〜1.1Kg/cm2の加熱蒸気を閉鎖減圧系材料処理ゾーンの
給熱部に供給し、昇温加熱工程で60度Cに達温後、60度
Cを基準に加熱蒸気の供給をオンオフしながら(+−5
度C)、昇温加熱工程と同じに緩やかな攪はんを行い、
閉鎖減圧系の材料処理ゾーンを減圧(−740mmHg)し系
内水分を系外に除去しながら調味を60分間行い、系外へ
10.2lの水分を除去して調味終了、この間60度C達温後1
3分後に調味液1に水1を加えた希釈調味液を投入
および60度C達温後26分後に調味液1に水2lを加えて
希釈調味液を追加投入した。調味完了後、給熱を中止
し、常温まで強制冷却(冷却時間14分間)、冷却の途中
40度Cにてアルコール100Grで溶解したフレーバー10Gr
と酢酸15Grを投入し、この投入後減圧排気は中止した。
調味結果は以下の通りであった。
・(食感) 歯ごたえ等従来製法と差無し ・(調味出来上がり) 糖用屈折計示度 24.0度 pH 4.5 酸素 0.46% 食塩濃度 5.8% ・(仕上がり製品生菌数) 一般生菌数 <300個/Gr かび・酵母菌 <10個/Gr ・(調味時間) 79分間 ・(仕上がり収得率) 仕上がり固形物収得量10.0Kg 対塩蔵原料収得量 100% 実施例3(大蒜調味漬け) 原料として塩蔵野菜(大蒜)10.0Kgを使用した。脱塩後
の原料合計は9.3Kgであった。
また調味液として 糖用屈折計示度 26.0度 pH 4.6 酸度 2.3% 食塩濃度 4.3% のものを2.5Kg使用した。
原料の生菌数は 一般生菌1.3×107個/Gr かび・酵母菌<10個/Gr であった。
塩蔵野菜を脱塩した9.3Kgの塩蔵原料を前項の調味液2.5
Kgに水6.8lを加えて希釈した調味液とともに閉鎖減圧系
材料処理ゾーンに投入し1分間に2回転程度の緩やかな
回転を行い原料を緩やかに攪はんしながら、1.5〜2.0Kg
/cm2の加熱蒸気を閉鎖減圧系材料処理ゾーンの給熱部に
供給し、昇温加熱工程で70度Cに達温後、65度Cを基準
に加熱蒸気の供給をオンオフ制御しながら(+−5度
C)、昇温加熱工程と同じに緩やかな攪はんを行い、閉
鎖減圧系の材料処理ゾーンで減圧を行わず16分間減菌を
行い引き続き60度C(+−5度C)で減圧(−700mmH
g)を開始し系内水分を系外に除去しながら調味を58分
間行い、系外へ8.6lの水分を除去して調味終了した。調
味完了後、給熱を中止し、常温まで強制冷却(冷却時間
14分間)した。
調味結果は以下の通りであった。
・(調味出来上がり) 糖用屈折計示度23.8度 pH 4.5 酸度 1.0% 食塩濃度 6.6% ・(仕上がり製品生菌数) 一般生菌数<300個/Gr かび・酵母菌<10個/Gr ・(調味時間) 96分間 ・(仕上がり収得率) 仕上がり固形物収得量 8.4Kg 対塩蔵原料収得量 84% 実施例4(ざーさい) 原料として塩蔵野菜(ざーさい)10.0Kgを使用した。脱
塩後の原料合計は14.0Kgであった。
また調味液として 糖用屈折計示度 23.3度 pH 4.9 酸度 0.48% 食塩濃度 5.0% のものを4.2Kg使用した。
原料の生菌数は 一般生菌 2.8×104個/Gr かび・酵母菌 1.2×102個/Gr であった。
塩蔵野菜を脱塩した14.0Kgの脱塩原料を前項の調味液4.
2Kgを水2.1で希釈した稀薄調味液6.3Kgとともに閉鎖
減圧系材料処理ゾーンに投入し、1分間に2回転程度の
緩やかな回転を行い容器内の原料を緩やかに攪はんしな
がら、1.5〜2.0Kg/cm2の加熱蒸気を閉鎖減圧系材料処理
ゾーンの給熱部に供給し、昇温加熱工程で80度Cに達温
後、80度Cを基準に加熱蒸気の供給をオンオフ制御しな
がら(+−5度C)、昇温加熱工程と同じに緩やかな攪
はんを行い、閉鎖減圧系の材料処理ゾーンを減圧(−70
0mmHg)し系内水分を系外に除去しながら調味を5分間
行いその後60度Cに低下(低下に要する時間6分間)さ
せ減菌に寄与させ、引き続き60度Cで29分維持し、系外
へ11.0lの水分を除去して調味終了した。調味完了後、
給熱を中止し、常温まで強制冷却(冷却時間20分間)、
冷却の途中53度Cにてとうがらしとラー油を投入し5分
間保持、この投入後減圧排気は中止した。
調味結果は以下の通りであった。
・(調味出来上がり) 糖用屈折計示度 25.3度 pH 5.0 酸度 0.66% 食塩濃度 5.4% ・(仕上がり製品生菌数) 一般生菌数<300個/Gr かび・酵母菌2×10個/Gr ・(調味時間) 71分間 ・(仕上がり収得率) 仕上がり固形物収得量 9.3Kg 対塩蔵原料収得量 93% 発明の効果 本発明によれば刻み漬の場合圧搾工程と包装後の殺菌工
程を省略できるばかりでなく、また減圧真空系でも食材
料への伝熱効率の極めて優れた同一密閉容器内で固・液
共存状態で一貫処理を行うので作業効率は大幅に向上し
従来48時間から10日も必要としていた漬物製造時間をそ
の1/48〜1/80という短時間に製造可能である。また調味
処理は、低酸素状態での低温加熱により通常の好気生菌
と酵母菌の減菌が可能であり、調味後も細菌増殖に最適
な温度帯を強制的に急冷して細菌増殖の機会を与えるこ
とがないので調理した食材料は、炭酸ガス封入置換攪は
ん工程を省略しているにもかかわらず、実質無菌であ
り、極めて長期の保存性に富み、また酸化防止効果もあ
るため高品質である。
本発明によれば、緩やかな攪はんによりマクロな組織破
壊や食材料の崩れが殆ど無いことと減圧加熱による組織
のミクロな破壊により、保水性がよく、調味液の液垂れ
や他の食品への汁の付着、色移りもなく業務盛りつけ時
の美観向上に有効で大量配膳への対応が可能であるほ
か、手で摘んでもべたつかず取扱いが便利で食べ方の利
用範囲も拡大した新規食材料が得られるため、トレー詰
め、カップ詰めに最適なスナック食品の製造が可能であ
る。
また、本発明によれば減圧あるいは真空下での加熱・攪
はん・排気凝縮脱水・調味・急冷処理後(炭酸ガス封入
置換攪はんなし)の、処理食材料における一般性菌数
は、実質無菌に近く減菌できており、しかも作業場・作
業者・原料・包装等による持ち込み菌、付着菌や落下菌
による汚染なしに衛生的に包装するシステムへの可能性
を提供するため、長期保存可能な調味食品が製造でき、
また合成保存料等、本質的に不要な食品添加物等を添加
しなくてもすむため加工食品の製造には最適な製造方法
を提供することができる。
従来の漬物製造において長時間の調味時間を必要とする
ため菌の増殖防止のため低温調味が行われており、その
ための冷蔵庫設備が必要であったが、本発明では冷蔵庫
設備投資は縮小できることと相まって調味必要時間が超
短時間にできるため生産性がよく、少量多品種の生産シ
ステムを構築する経済的な手段を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊池 久寿郎 新潟県三条市大字北入蔵字家の腰62―14番 地 (72)発明者 中澤 宏 東京都江戸川区小松川3丁目5番地 東邦 テクノ株式会社内 (72)発明者 藤島 嶺樹 新潟県西蒲原郡吉田町大字下中野1447番地 4 株式会社エム・ワイ・エンジニアリン グ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製品よりも低濃度の調味液を食材料と共存
    させ、閉鎖減圧系材料処理域での食材料内部の調味液濃
    度と食材料外部の調味液濃度との濃度差を可及的に少な
    くし、該材料域の給熱部もしくはその近傍に堆積してい
    る食材料をゆるやかに転動させながら系内を液沸点以上
    に維持して系内水分の気化離脱を積極的に行ない離脱水
    分を系外に除去することにより、調味液を所定の調味液
    濃度まで食材料に順次浸透させることを特徴とする調味
    食品の製造方法。
  2. 【請求項2】食材料が塩蔵原料野菜を脱塩し、水によっ
    て膨潤状態とされた漬物材料である請求項(1)の調味
    食品製造方法。
  3. 【請求項3】食材料に調味液を浸透させた後に減圧下低
    酸素濃度の調味食品の強制冷却を行なう請求項(1)お
    よび(2)の調味食品製造方法。
  4. 【請求項4】食材料の調味液浸透と減圧下低酸素濃度の
    調味食品強制冷却とを単一系で行なう請求項(3)の調
    味食品製造方法。
  5. 【請求項5】食材料に対して可及的低濃度の調味液と共
    存させ、閉鎖減圧系材料処理域での食材料内部の調味液
    濃度と食材料外部の調味液濃度との濃度差を可及的に少
    なくし、該処理域の給熱部もしくは、その近傍に堆積し
    ている食材料をゆるやかに転動させながら、液沸騰点以
    上に維持して、系内水分の気化離脱を積極的に行ない、
    食材料に調味液を順次浸透させた後、さらに製品の所定
    調味濃度よりも低濃度の調味液を材料処理域内に補給す
    ることを特徴とする多段階調味食品製造方法。
JP32352590A 1990-11-27 1990-11-27 調味食品製造方法 Expired - Lifetime JPH0695896B2 (ja)

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KR100808459B1 (ko) * 2006-04-18 2008-03-03 한성만 천연추출물을 이용한 어류와 육류 가공방법 및 그 가공장치

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