JPH0695483B2 - 抵抗組成物 - Google Patents

抵抗組成物

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JPH0695483B2
JPH0695483B2 JP60224131A JP22413185A JPH0695483B2 JP H0695483 B2 JPH0695483 B2 JP H0695483B2 JP 60224131 A JP60224131 A JP 60224131A JP 22413185 A JP22413185 A JP 22413185A JP H0695483 B2 JPH0695483 B2 JP H0695483B2
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glass frit
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静晴 渡辺
広次 谷
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、酸化鉄−酸化ルテニウム−酸化鉛を主たる
電導成分とする抵抗組成物に関するものである。
(従来技術) 金属酸化物を導電成分とする抵抗組成物、たとえば抵抗
ペーストとしては、たとえばRuO2あるいはBi2Ru2O7など
の酸化ルテニウム系やAg−Pdを主成分としたものがある
ことは知られている。
たとえば、これらの抵抗ペーストをアルミナなどの絶縁
基板の上にスクリーン印刷により塗布し、空気中で焼き
付けることにより、半固定抵抗器の抵抗体として用いら
れていた。
しかしながら、この抵抗体上にスライダを摺動させる
と、前記した抵抗ペーストにより得られた抵抗体では、
100回転程度で抵抗値が初期値に比べて30〜50%の変化
を示すものであり、安定性に欠けるものであった。
また、高価なRuO2またはAg−Pdを主成分とするものであ
るため、得られる抵抗体の価格を引き上げる要因となっ
ていた。
このような問題を解決するため、この出願にかかる発明
者等は未だ公知になっていないが、酸化鉄−酸化ルテニ
ウム−酸化鉛を導電成分とする抵抗ペーストを見い出
し、実用可能なものにすることができた。
この抵抗ペーストによれば、抵抗値の変化、特に半固定
抵抗器の抵抗体とした場合には、スライダの回転寿命特
性が大幅に向上し、スライダを100回程度回転させて
も、初期値に比べてわずか数%以内の抵抗値変化しか示
さないものに改善された。
(発明が解決しようとする問題点) ところが、改善された導電成分からなる抵抗ペースト
は、より一層そのコストダウン、特に高抵抗領域(100K
Ω/口以上)のコストダウンをはるか必要性があり、ま
た、高抵抗領域まで、抵抗温度特性(T.C.R.)および回
転寿命特性の優れた抵抗体とする必要性があった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、抵抗組成物、た
とえば抵抗ペーストのコストダウンをはかり、高抵抗領
域まで任意の抵抗値のものを得ることができ、抵抗温度
特性および回転寿命特性の優れた抵抗体を提供すること
である。
(問題点を解決するための手段) すなわち、この発明の要旨とするところは、金属酸化物
粉末、ガラスフリット、および有機質ビヒクルよりなる
抵抗組成物であって、 前記金属酸化物粉末は、酸化鉄と、酸化ルテニウムと、
酸化鉛、および酸化タンタルまたは酸化ジルコニウムの
うち一方から選択される添加物とからなることを特徴と
するものである。
金属酸化物粉末の存在量は次の範囲に選択される。
つまり、各金属酸化物のうち、酸化鉄、酸化ルテニウム
および酸化鉛を、第1の構成成分とし、 それぞれFe3O4,RuO2,Pb3O4に換算したとき、 Fe3O4:RuO2:Pb3O4=1:0.6〜3:0.2〜1のモル比に選択
される。
そして、酸化タンタルまたは酸化ジルコニウムを第2の
構成成分とし、この酸化タンタルをTa2O5に換算したと
き、第1の構成成分の総量1モルに対し、0.15モル以下
の範囲で選択されるか、または酸化ジルコニウムをZrO2
に換算したとき、第1の構成成分の総量1モルに対し、
0.25モル以下の範囲で選択される。
上記した各第1の構成成分および第2の構成成分につい
て、その存在量を規定したのは次の理由による。
つまり、第1の構成成分についてはFe3O4量を基準とし
ており、このFe3O4に対し、RuO2の成分モル比率を0.6〜
3としたのは、0.6未満では抵抗が大きくなりすぎ、面
積抵抗率が10MΩ/口を越えるからであり、一方3を越
えると電気的特性には問題がないものの、RuO2量が多く
なり経済的なメリットがなくなり、コストダウンに結び
つかないからである。
また、Pb3O4について、その成分モル比率を0.2〜1とし
たのは、0.2未満では電気的特性には問題がないもの
の、Pb3O4量が少なくなる分RuO2量を増やさなければな
らず、その結果コストアップとなり、一方1を越えると
抵抗値が大きくなりすぎ、面積抵抗率が10MΩ/口を越
えるからである。
次に、第2の構成成分について述べると、Ta2O5量を第
1の構成成分の総量1モルに対して、0.15モル以下とし
たのは0.15モルを越えると抵抗温度特性の劣化が著し
く、使用が不可能となるからである。
また、もう一方の第2の構成成分であるZrO2量を第1の
構成成分の総量1モルに対して0.25モル以下としたの
は、0.25モルを越えると抵抗温度特性の劣化を引き起こ
すからである。
また、金属酸化物粉末に対するガラスフリットの混合割
合は、金属酸化物粉末30〜70重量%に対し、ガラスフリ
ットは70〜30重量%の割合で配合される。ガラスフリッ
ト量がこの範囲に限定されるのは、金属酸化物粉末が70
重量%を越え、ガラスフリット量が30重量%未満では耐
湿特性が劣化し、一方金属酸化物粉末が30重量%未満
で、ガラスフリット量が70重量%を越えると、たとえば
可変抵抗器の抵抗体として用いた場合に、回転寿命特性
が劣化するからである。
ガラスフリットとしては、たとえば、ホウケイ酸鉛系の
ものがある。
これらの金属酸化物粉末とガラスフリットからなる固形
成分に対しては、それらをペースト状とするために、有
機質ビヒクルが加えられる。上記した固形成分に対する
有機質ビヒクル量は、25〜35重量%の範囲で選択され
る。この範囲に限定したのは、印刷特性を考慮したこと
による。つまり、25重量%未満では固形成分が多くな
り、印刷性のよいペーストが得られないからであり、一
方、35重量%を越えると印刷パターンの滲みが発生し、
一定面積のパターンが形成されず、抵抗値にばらつきが
生じるからである。有機質ビヒクルとしては、たとえ
ば、エチルセルロースに溶剤であるα−テレピネオール
を加えたものが用いられる。
抵抗ペーストを調製するには、金属酸化物粉末の原料で
あるFe3O4,RuO2,Pb3O4を所定比率で秤量し、各原料を
ポットミルに水とともに入れ、所定時間混合する。その
のち水を蒸発させ、600〜900℃で熱処理して金属酸化物
粉末を得る。この金属酸化物粉末にガラスフリットを所
定比率で加え、さらに添加物としてTa2O5またはZrO2
らびに有機質ビヒクルを加えて混合することにより抵抗
ペーストが得られる。この他、Ta2O5またはZrO2をFe
3O4,RuO2,Pb3O4とともに秤量混合してもよい。
この抵抗ペーストは、たとえばアルミナの絶縁基板の上
にスクリーン印刷により塗布され、空気中、たとえば70
0〜900℃の温度で焼き付けられ、抵抗体として構成され
ることになる。
(実施例) 以下、この発明は実施例に基づいて詳細に説明する。
実施例I 金属酸化物粉のうち第1の構成成分であるFe3O4,RuO2
およびPb3O4を第1表に示すモル比率で調合し、ポット
ミル中で水とともに24時間湿式混合した。その後水を蒸
発させ、乾燥粉末をルツボに入れて700℃の温度で2時
間保持して導電性粉末を得た。この導電性粉末に第1表
に示す割合で第2の構成成分であるTa2O5を加え、さら
にホウケイ酸鉛系ガラスフリットを加えた。これらの形
成成分に対して、有機質ビヒクルを28重量%加えて混合
し、抵抗ペーストを調製した。
これらの抵抗ペーストを、アルミナ基板の表面に4mmの
間隔で予め形成した1対の銀焼き付け電極間にスクリー
ン印刷で塗布し、850℃,10分間の条件で焼き付けた。
得られた抵抗体の面積抵抗値、Cold T.C.R,Hot T.C.Rお
よび回転寿命特性を測定し、その結果を第1表に合わせ
て示した。
Cold T.C.R,Hot T.C.Rについては、次の試験法に基づい
て行なった。
Cold T.C.R(−55℃):MIL STD 202F 試験法304 Hot T.C.R(+150℃):MIL STD 202F 試験法304 また、回転寿命特性については、抵抗体の上にスライダ
を摺動し、初期抵抗値に対する100回転後の抵抗値の変
化を測定した値である。
第1表中の特性で、測定不能のものは、面積抵抗値が大
きいため、測定可能範囲を越えており、測定ができない
ものである。
第1表から、Ta2O5を加えても、回転寿命特性を劣下さ
せることなく、抵抗値を可変することができることが理
解できる。
なお、Ta2O5の添加量範囲は、第1表に示すように第1
の構成成分の組成によりやや異なるが、0.15モル以下で
効果があり、これらの範囲以上では、抵抗温度特性の劣
化が著しく、±500ppm/℃を越えるため使用が不可能で
ある。
実施例II この実施例においても実施例Iと同様、第1の構成成分
および第2の構成成分を第2表に示す割合で処理して、
導電性粉末を処理した。
この導電性粉末に対して、ホウケイ酸鉛ガラスフリット
を50重量%:50重量%の比率になるように加え、さらに
これら固形成分に対して有機質ワニスを28重量%加えて
混練し、抵抗ペーストを調製した。
この抵抗ペーストを、実施例Iと同様に処理し、アルミ
ナ基板の上に抵抗体として形成した。
そして、実施例Iと同様に特性を測定し、その結果を第
2表に合わせて示した。
第2表中の特性で、測定不能のものは、面積抵抗値が大
きいため、測定可能範囲を越えており、測定ができない
ものである。
第2表から、ZrO2を加えても、その添加により高抵抗値
が得られ、抵抗温度特性、回転寿命特性を劣化させない
ことがわかる。
(効果) 以上の説明から明らかなように、Fe3O4−RuO2−Pb3O4
導電成分とする抵抗組成物にTa2O5またはZrO2を加える
ことにより、抵抗温度特性、回転寿命特性を劣化させず
に、高抵抗の抵抗組成物を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属酸化物粉末、ガラスフリット、および
    有機質ビヒクルよりなる抵抗組成物であって、 前記金属酸化物粉末は、酸化鉄と、酸化ルテニウムと、
    酸化鉛、および酸化タンタルまたは酸化ジルコニウムの
    うち一方からなる添加物とからなり、 前記各金属酸化物のうち、酸化鉄、酸化ルテニウム、お
    よび酸化鉛を第1の構成成分とし、酸化タンタルまたは
    酸化ジルコニウムを第2の構成成分としたとき、 第1の構成成分につき、酸化鉄をFe3O4に換算し、酸化
    ルテニウムをRuO2に換算し、酸化鉛をPb3O4に換算した
    とき、各第1の構成成分は次のモル比からなり、 Fe3O4:RuO2:Pb3O4=1:0.6〜3:0.2〜1 前記第2の構成成分である酸化タンタルをTa2O5に換算
    したとき、前記第1の構成成分の総量1モルに対し0.15
    モル以下の割合で添加するか、または前記第2の構成成
    分である酸化ジルコニウムをZrO2に換算したとき、前記
    第1の構成成分を総量1モルに対し0.25モル以下の割合
    で含有されていることを特徴とする、抵抗組成物。
  2. 【請求項2】前記金属酸化物粉末とガラスフリットは、
    金属酸化物粉末が30〜70重量%、ガラスフリットが70〜
    30重量%の割合からなる、特許請求の範囲第1項記載の
    抵抗組成物。
  3. 【請求項3】前記金属酸化物粉末およびガラスフリット
    からなる固形成分に対して、有機質ビヒクルが25〜35重
    量%の割合からなる、特許請求の範囲第1項または第2
    項記載の抵抗組成物。
  4. 【請求項4】前記有機質ビヒクルは、有機質ワニスから
    なる、特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに
    記載の抵抗組成物。
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