JPH08186004A - 抵抗材料、それを用いた抵抗ペースト及び抵抗体 - Google Patents

抵抗材料、それを用いた抵抗ペースト及び抵抗体

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JPH08186004A
JPH08186004A JP6339879A JP33987994A JPH08186004A JP H08186004 A JPH08186004 A JP H08186004A JP 6339879 A JP6339879 A JP 6339879A JP 33987994 A JP33987994 A JP 33987994A JP H08186004 A JPH08186004 A JP H08186004A
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resistance
resistor
glass frit
mol
paste
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JP6339879A
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Keisuke Nagata
啓祐 永田
Koji Tani
広次 谷
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01CRESISTORS
    • H01C7/00Non-adjustable resistors formed as one or more layers or coatings; Non-adjustable resistors made from powdered conducting material or powdered semi-conducting material with or without insulating material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01CRESISTORS
    • H01C17/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing resistors
    • H01C17/06Apparatus or processes specially adapted for manufacturing resistors adapted for coating resistive material on a base
    • H01C17/065Apparatus or processes specially adapted for manufacturing resistors adapted for coating resistive material on a base by thick film techniques, e.g. serigraphy
    • H01C17/06506Precursor compositions therefor, e.g. pastes, inks, glass frits
    • H01C17/06513Precursor compositions therefor, e.g. pastes, inks, glass frits characterised by the resistive component
    • H01C17/06533Precursor compositions therefor, e.g. pastes, inks, glass frits characterised by the resistive component composed of oxides

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気中、中性又は還元性雰囲気中で焼き付け
ることが可能で、広い抵抗値範囲で任意の抵抗値を有す
る抵抗体を確実に形成することができる抵抗ペースト、
該抵抗ペーストを構成する抵抗材料、及び本願発明の抵
抗ペーストを用いて形成される実現可能な抵抗値の範囲
が広く抵抗値の再現性に優れた抵抗体を提供する。 【構成】 一般式:LaxSr1-xCoO3(x=0.4
0〜0.60)で表される組成を有する抵抗材料95〜
60重量%とガラスフリット5〜40重量%を含有する
固形成分に有機ビヒクルを添加、混練してなる抵抗ペー
ストを塗布し、焼き付けることにより抵抗体を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、抵抗材料、及び酸化
性、中性あるいは還元性雰囲気中で焼付けを行うことが
可能な抵抗ペースト、及び該抵抗ペーストを用いて形成
される抵抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミナやジルコニアなどからなるセラ
ミック基板には、通常、種々の電子部品を搭載すること
ができるように、電極や抵抗などの回路パターンが形成
されている。そして、電極(電極パターン)は、通常、
銀、銀−パラジウム合金などを導電成分とする貴金属電
極ペーストをスクリーン印刷し、空気中で焼き付けるこ
とにより形成されている。また、このようにして形成さ
れた電極パターン間を連結するための抵抗(抵抗パター
ン)は、やはり貴金属であるルテニウムの酸化物系抵抗
材料を含有する抵抗ペーストを所定の位置に印刷し、空
気中で焼き付ける方法により形成されることが多くなっ
ている。
【0003】一方、上記貴金属ペーストは高価であるば
かりでなく、耐マイグレーション性などに問題があるた
め、貴金属ペーストに代えて銅、ニッケル、アルミニウ
ムなどの卑金属を導電成分とする卑金属ペーストを基板
上にスクリーン印刷し、これを中性あるいは還元性雰囲
気中で焼き付けることにより安価で良好な電極パターン
を形成する方向への移行も認められるようになってい
る。
【0004】この場合には、卑金属ペーストを焼き付け
た後の複数の卑金属電極間を連結するために基板上に配
設される抵抗体(抵抗パターン)を形成するための抵抗
ペーストもまた、中性あるいは還元性雰囲気中で焼き付
けることができるものであることが望ましい。そこで、
中性あるいは還元性雰囲気中で焼き付けて抵抗体(抵抗
パターン)を形成することが可能な種々の抵抗ペースト
が提案されるに至っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の抵抗
ペーストのうち、空気雰囲気中で焼付け可能なものとし
ては、高価な貴金属酸化物を用いたルテニウム酸化物系
やビスマスとルテニウムの複合酸化物系(パイロクロア
系)が主に用いられており、まれに、低抵抗領域の抵抗
体を形成する場合に銀−パラジウム系のメタルグレーズ
系抵抗ペーストが用いられる場合がある。
【0006】一方、中性あるいは還元性雰囲気中で焼付
け可能な抵抗ペーストとしては、LaB6系や、SnO2
系、ケイ化物系、SrRuO3系、NbxLa1-x6-4x
系などの種々の抵抗ペーストなどが提案され、実用され
ている。
【0007】しかし、上述従来の抵抗ペーストは、それ
ぞれ焼付け雰囲気が異なっており、空気中、還元雰囲気
中いずれの雰囲気中でも焼付け可能なものは少ないのが
実情である。また、従来の厚膜抵抗ペーストにおいて
は、貴金属酸化物を用いているため高価である。さら
に、抵抗値の調節(変化)を、抵抗材料とガラスフリッ
トの混合比を変えることにより行っているが、抵抗材料
の種類によっては混合比の変化による抵抗値の変化が急
激で、所望の抵抗値を得ることが困難であるとともに再
現性がきわめて悪いという問題点がある。
【0008】本願発明は、空気、中性、還元性のいずれ
の雰囲気中においても焼付け可能で、広い抵抗値範囲で
任意の抵抗値を有する抵抗体を確実に形成することがで
きる抵抗ペースト、該抵抗ペーストを構成する抵抗材
料、及び本願発明の抵抗ペーストを用いて形成される実
現可能な抵抗値の範囲が広く抵抗値の再現性に優れた抵
抗体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明の抵抗材料は、一般式: LaxSr1-xCoO3(x=0.40〜0.60) で表される組成を有することを特徴としている。
【0010】また、La原料物質、Sr原料物質、及び
Co原料物質を所定の割合で混合した混合原料を、80
0〜1150℃の温度条件で焼成することにより合成し
たものであることを特徴としている。
【0011】また、本願発明の抵抗ペーストは、上記本
願発明の抵抗材料95〜60重量%とガラスフリット5
〜40重量%を含有する固形成分に有機ビヒクルを添加
して混練したものであることを特徴としている。
【0012】さらに、前記ガラスフリットが、(a)B2
315〜25モル%、SiO240〜50モル%、Pb
O15〜25モル%、ZnO7〜13モル%を含有する
ホウケイ酸鉛亜鉛系ガラスフリット、または、(b)B2
33〜10モル%、SiO235〜45モル%、CaO
25〜35モル%、BaO15〜20モル%を含有する
ホウケイ酸カルシウムバリウム系ガラスフリットである
ことを特徴としている。
【0013】また、本願発明の抵抗体は、上記本願発明
の抵抗ペーストを塗布し、空気雰囲気中又は窒素などの
中性あるいは還元性雰囲気中で焼付けすることにより形
成されたものであることを特徴としている。
【0014】なお、本願発明の抵抗材料において、xの
値を0.40〜0.60の範囲としたのは、xの値が
0.40未満、あるいは0.60を越えた場合、抵抗材
料の比抵抗が著しく増加し(10-1Ω・cm以上)、導電
性を失うため、本願発明の目的とする導電材料としての
利用が不可能になることによる。
【0015】また、本願発明の抵抗ペーストにおいて、
固形成分中の抵抗材料を95〜60重量%の範囲とし、
ガラスフリットを5〜40重量%の範囲としたのは、ガ
ラスフリット量が5重量%未満になると基板との密着性
が低下して抵抗体のはがれが生じ、40重量%を越える
と比抵抗が急上昇して好ましくないことなどの理由によ
る。
【0016】なお、本願発明の抵抗ペーストに用いられ
る抵抗材料の粒径は、0.1〜5μmの範囲にあること
が好ましく、0.5〜3μmの範囲にあることがより好
ましい。
【0017】また、本願発明の抵抗ペーストに用いられ
るガラスフリットの粒子系は、1〜10μmの範囲にあ
ることが好ましく、5μm以下であることがより好まし
い。
【0018】また、本願発明の抵抗ペーストにおいて
は、有機ビヒクルを抵抗材料とガラスフリットの混合物
(固形成分)に添加、混練することによって、必要な印
刷特性が付与される。この有機ビヒクルとしては、例え
ば、厚膜材料ペーストにおいて使用されているエチルセ
ルロース系樹脂やアクリル系樹脂などをα−テルピネオ
ールのようなテルペン系溶剤や、ケロシン、ブチルカル
ビトール、カルビトールアセテートなどの高沸点溶剤に
溶解させたものなど、種々のものを用いることが可能で
あり、また、必要であればチキソ性を付与するための添
加剤を加えることも可能である。
【0019】
【実施例】以下、本願発明の実施例を示してその特徴と
するところをさらに詳しく説明する。
【0020】[抵抗材料の合成]まず、抵抗材料の原料
物質として、粉末状のLa2O、SrCO3、Co34
所定の割合で秤取し、混合した後るつぼに入れ、空気中
において所定の温度条件で合成熱処理した。なお、原料
物質は、上記の物質に限られるものではなく、酸化物の
代りに炭酸塩を用い、あるいは炭酸塩の代りに他の酸化
物を用いることも可能である。また、場合によっては、
さらに他の物質(化合物)を用いることも可能である。
【0021】なお、この実施例では、本願発明の抵抗材
料を表す一般式:LaxSr1-xCoO3中のxの値が、
0.30、0.40、0.50、0.60、0.70に
なるような割合で各原料を秤取した。
【0022】また、合成熱処理は、未合成、及び空気雰
囲気中で650℃、750℃、800℃、850℃、9
50℃、1050℃、1150℃、1180℃に5時間
保持することにより行った。このときの昇温速度は5℃
/minとした。なお、比較例の合成熱処理は950℃に
て行った。
【0023】それから、得られた合成物を、部分安定化
ジルコニアポット、及び粉砕メディアを用いて純水媒体
中、振動ミルで平均粒径が2μm前後になるまで粉砕し
た後、乾燥させて実施例及び比較例の抵抗材料とした。
【0024】得られた各抵抗材料について、以下の方法
により、相対的な圧粉体比抵抗を測定した。
【0025】まず、測定する各抵抗材料を乾燥後、約5
0mgずつ秤量して金型に投入し、荷重(50kgf/c
m2)をかけて10秒間放置した後取出すことにより、外
径約0.4cmのペレットに成形した。それから、成形体
の形状(外径、及び高さ)をマイクロメータにて測定し
た後、成形体両面に熱硬化性の銀電極を塗布、焼付けし
て成形品圧粉体状態での抵抗値を測定した。なお、比抵
抗を測定するにあたっては、比抵抗既知物質であるRu
2及びCaRuO3の粉体をモニターとして、その圧粉
体比抵抗を同時測定し、各抵抗材料(試料)の圧粉状態
での相対的な比抵抗値を計算により推定した。その結果
を表1に示す。なお、表1において、試料番号(1)は合
成熱処理を行っていない未合成の抵抗材料(試料)を示
している。
【0026】
【表1】
【0027】表1において、試料番号に*印を付したも
のは、本願発明の範囲外の比較例である。
【0028】また、表1の「実測比抵抗値」は、圧粉体
状態での実測比抵抗値ρであり、この実測比抵抗値ρ
は、次の式(1)から求められる値である。 ρ=(R×A)/L (1) 但し、R:実測抵抗値(Ω) A:断面積(cm2) L:長さ(cm)
【0029】また、表1の「換算比抵抗値」は、基準粉
体(RuO2)の文献値(3.50×10-5Ω・cm)と
実測比抵抗値(0.349Ω・cm)との比率が、各抵抗
材料についても同様に当てはまると仮定して、それぞれ
の実測比抵抗値より算出した値である。
【0030】換算比抵抗値の妥当性については、CaR
uO3の文献値が3.7×10-3Ω・cmであり、表1に
記載の実測比抵抗値から換算した値と十分に一致してい
ることから、この測定方法が各抵抗材料の比抵抗を測定
するのに妥当な方法であることがわかる。
【0031】なお、合成温度と比抵抗の関係を図1に示
す。表1及び図1より、LaxSr1-xCoO3系複合酸
化物では、合成温度を800℃〜1150℃の範囲で変
化させることにより10-4Ω・cmレベル(一部10-3Ω
・cmレベル)で比抵抗を制御できることがわかる。
【0032】なお、表1及び図1より、合成温度が80
0℃より低い場合及び1150℃より高い場合には、比
抵抗が著しく増加し、実用上不適当であることがわか
る。
【0033】また、表1及び図1には示していないが、
LaとSrのモル比xが0.40〜0.60の範囲にお
いては、上記のx=0.50の場合と同様に、800℃
〜1150℃で合成熱処理を行うことにより、良好な比
抵抗(導電性)を有する抵抗材料が得られることを確認
している。
【0034】なお、LaとSrのモル比xが0.40〜
0.60の範囲を外れると、例えば、モル比x=0.3
0(試料番号(10))あるいはx=0.70(試料番号(1
1))においては換算比抵抗値が10-1Ω・cmレベルとな
るなど、比抵抗が著しく増加して導電性を失い、抵抗材
料として使用することができなくなるため好ましくな
い。
【0035】[ガラスフリットの作成]次に、この抵抗
材料とは別に、以下の方法により、ホウケイ酸鉛亜鉛系
ガラスフリット(以下「ガラスフリットA」ともいう)
と、ホウケイ酸カルシウムバリウム系ガラスフリット
(以下「ガラスフリットB」ともいう)を作成した。
【0036】まず、ガラスフリットAの原料として、B
23、SiO2、PbO、ZnOを用い、これらを2
1.5:46.2:21.5:11.8のモル比で混合
した後、1200〜1350℃で溶融させることによ
り、B23−SiO2−PbO−ZnO系の溶融ガラス
を得た。そして、この溶融ガラスを純水中に投入して急
冷した後、振動ミルで平均粒径が5μm以下になるまで
粉砕してガラスフリット(ガラスフリットA)を得た。
なお、ガラスフリットAの原料としては、上記のような
酸化物以外に炭酸塩などを用いることも可能である。
【0037】また、ガラスフリットBの原料として、B
23、SiO2、BaO、CaOを用い、これらを8.
6:41.0:18.0:32.4のモル比で混合した
後、1200〜1350℃で溶融させることにより、B
23−SiO2−BaO−CaO系の溶融ガラスを得
た。そして、この溶融ガラスを純水中に投入して急冷し
た後、振動ミルで平均粒径が5μm以下になるまで粉砕
してガラスフリット(ガラスフリットB)を得た。ガラ
スフリットBの原料としては、上記のような酸化物以外
にも炭酸塩などを用いることが可能である。
【0038】[抵抗ペーストの作成]1050℃で合成
した抵抗材料とガラスフリットAを表2に示すような種
々の割合で混合するとともに、950℃で合成した抵抗
材料とガラスフリットBを表3に示すような種々の割合
で混合した。
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】なお、表2及び表3において、試料番号に
*印を付したものは、LaとSrのモル比xが本願発明
の範囲外であるか、抵抗材料とガラスフリットの割合が
本願発明の範囲外のもの(比較例)である。
【0042】それから、抵抗材料とガラスフリットの混
合物(固形成分)に、アクリル樹脂をα−テルピネオー
ルに溶解してなる有機ビヒクルを添加して、3本ロール
などの混合機を用いて混練することにより抵抗ペースト
を得た。
【0043】なお、このときの、固形成分(抵抗材料と
ガラスフリットの混合物)と有機ビヒクルの配合割合
は、重量比で約70:30とした。
【0044】[抵抗体の形成]まず、アルミナからなる
絶縁基板(アルミナ基板)上に銀−パラジウムペース
ト、あるいは銅ペーストをスクリーン印刷し、空気雰囲
気中、あるいは窒素雰囲気中で焼き付けて電極(電極パ
ターン)を形成した。
【0045】次いで、アルミナ基板上に形成した電極間
に、上記のようにして得た抵抗ペーストを、両端側の電
極の一部を含んで長さ1.5mm、幅1.5mm、乾燥膜厚
20μmのパターンが形成されるようにスクリーン印刷
した後、レベリングを行い、150℃で10分間乾燥し
た。その後、電極に銀−パラジウム系を用いたアルミナ
基板を、空気雰囲気としたトンネル炉にて、ピーク温度
850℃で10分間保持して焼付けを行うことにより抵
抗体を形成し、また、電極に銅系を用いたアルミナ基板
は、窒素雰囲気としたトンネル炉にて、ピーク温度90
0℃で10分間保持して焼付けを行うことにより抵抗体
を形成し、これを試料とした。
【0046】[特性評価]上記のようにして、得られた
各試料について、面積抵抗値を測定した。表2にはガラ
スフリットAを用いた抵抗ペーストについての測定結果
を示し、表3にはガラスフリットBを用いた抵抗ペース
トの測定結果を併せて示す。なお、面積抵抗値は、25
℃の温度条件で、デジタルボルトメータを用いて測定し
た。
【0047】表2及び表3に示すように、上記の各抵抗
材料を使用してなる抵抗ペーストを用いて形成した抵抗
体においては、抵抗ペースト中に含有されるガラスフリ
ットの種類により抵抗値にある程度の差異は認められ
る。また、LaとSrのモル比xついてみると、本願発
明の範囲内であるモル比x=0.40〜0.60の領域
においては、空気中(電極の種類は銀−パラジウム電
極)、窒素中(電極の種類は銅電極)のいずれの雰囲気
においても実用可能な範囲の面積抵抗値が得られてい
る。一方、LaとSrのモル比xが0.40未満、ある
いは0.60を越える領域においては、比抵抗が急激に
上昇して1GΩ以上となり、実用上使用することができ
なくなる(試料番号1,11,12,22(以上表
2)、及び試料番号23,33,34,44(以上表
3))。
【0048】また、抵抗材料とガラスフリットの混合比
についてみると、本願発明の範囲内の、抵抗材料の含有
量95〜60重量%(ガラスフリットの含有量5〜40
重量%)の領域においては、空気中(電極の種類は銀−
パラジウム電極)、窒素中(電極の種類は銅電極)のい
ずれの雰囲気においても実用可能な範囲の抵抗値が得ら
れている。一方、抵抗材料とガラスフリットの混合比が
上記本願発明の範囲をはずれると、抵抗膜にはがれが生
じたり(試料番号4,15(以上表2)、及び試料番号
26,37(以上表3))、比抵抗が急激に上昇して1
GΩ以上となったりして実用上使用することができなく
なる(試料番号8,19(以上表2)、及び試料番号3
0,41(以上表3))。
【0049】なお、上記実施例では、ガラスフリットと
して、B23、SiO2、PbO、ZnOを21.5:
46.2:21.5:11.8のモル比で含有するホウ
ケイ酸鉛亜鉛系ガラスフリット、及びB23、Si
2、BaO、CaOを8.6:41.0:18.0:
32.4のモル比で含有するホウケイ酸カルシウムバリ
ウム系ガラスフリットを用いた場合について説明した
が、ガラスフリットの成分や組成比はこれに限定される
ものではなく、他の成分からなるガラスフリットや組成
比の異なるガラスフリットを用いることも可能である。
【0050】また、上記実施例では、アルミナ基板上に
抵抗体を形成する場合を例にとって説明したが、抵抗体
を形成する対象である基板はアルミナ基板に限定される
ものではなく、他の種々の材料からなる基板や基体上に
抵抗体を形成する場合にも本願発明を適用することが可
能である。
【0051】本願発明は、さらにその他の点においても
上記実施例に限定されるものではなく、抵抗材料とガラ
スフリットを配合してなる固形成分への有機ビヒクルの
添加割合、焼付け時の温度条件や雰囲気条件などに関
し、発明の要旨の範囲内において、種々の応用、変形を
加えることが可能である。
【0052】
【発明の効果】上述のように、本願発明の抵抗ペースト
は、一般式:LaxSr1-xCoO3(x=0.40〜
0.60)で表される組成を有する本願発明の抵抗材料
95〜60重量%とガラスフリット5〜40重量%を含
有する固形成分に有機ビヒクルを添加して混練すること
により形成されており、空気、中性、還元性のいずれの
雰囲気中においても焼付けが可能であるとともに、この
本願発明の抵抗ペーストを塗布、焼付けすることによ
り、従来の抵抗体と比べて、安価であり、しかも抵抗値
の増加傾向が穏やかで抵抗値の再現性に優れた抵抗体を
確実に形成することができる。
【0053】すなわち、LaxSr1-xCoO3(x=
0.40〜0.60)中のxの値を適宜選択するととも
に、合成温度を800〜1150℃の範囲で変化させる
ことにより材料比抵抗を10-4Ω・cmのオーダーで変化
させることが可能な抵抗材料を得ることが可能になり、
また、抵抗材料とガラスフリットとの配合比率を適宜選
択してなる本願発明の抵抗ペーストを用いることによ
り、広い抵抗値範囲で任意の抵抗値を有する抵抗体を確
実に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例及び比較例における合成温度
と比抵抗の関係を示す線図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: LaxSr1-xCoO3(x=0.40〜0.60モル) で表される組成を有することを特徴とする抵抗材料。
  2. 【請求項2】 La原料物質、Sr原料物質、及びCo
    原料物質を所定の割合で混合した混合原料を、800〜
    1150℃の温度条件で焼成することにより合成したも
    のであることを特徴とする請求項1記載の抵抗材料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の抵抗材料95〜6
    0重量%とガラスフリット5〜40重量%を含有する固
    形成分に有機ビヒクルを添加して混練したものであるこ
    とを特徴とする抵抗ペースト。
  4. 【請求項4】 前記ガラスフリットが、(a)B2315
    〜25モル%、SiO240〜50モル%、PbO15
    〜25モル%、ZnO7〜13モル%を含有するホウケ
    イ酸鉛亜鉛系ガラスフリット、または、(b)B233〜
    10モル%、SiO235〜45モル%、CaO25〜
    35モル%、BaO15〜20モル%を含有するホウケ
    イ酸カルシウムバリウム系ガラスフリットであることを
    特徴とする請求項3記載の抵抗ペースト。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の抵抗ペーストを
    塗布し、空気雰囲気中又は窒素などの中性あるいは還元
    性雰囲気中で焼付けすることにより形成されたことを特
    徴とする抵抗体。
JP6339879A 1994-12-30 1994-12-30 抵抗材料、それを用いた抵抗ペースト及び抵抗体 Pending JPH08186004A (ja)

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