JP2006165347A - 抵抗体ペースト及び抵抗体、電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 Pbフリーで、TCRやSTOLに優れ、抵抗値のばらつきが小さい抵抗体を実現する。
【解決手段】 実質的に鉛を含まない導電性材料とガラス組成物と添加物とを含み、これらが有機ビヒクル中に分散されてなる抵抗体ペーストである。添加物として、アルカリ土類金属元素Aとチタンとを含みチタンの一部が置換元素Mによって置換された複合酸化物を含有する。置換元素Mは、Zr、Hfのうちの少なくとも1種類である。したがって、この複合酸化物は、一般式A(Ti1−x)O(ただし、Aは少なくとも1種類のアルカリ土類金属元素、Mは置換元素であり、0<x<1である。)で表すことができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、抵抗体ペーストに関するものであり、さらには、かかる抵抗体ペーストを用いて形成される抵抗体及び電子部品に関する。
抵抗体ペーストは、一般に、抵抗値の調節及び結合性を与えるためのガラス組成物と、導電性材料と、有機ビヒクルとを主たる成分として構成されており、これを基板上に印刷した後、焼成することによって、厚さ5〜20μm程度の厚膜抵抗体を形成することができる。そして、この種の抵抗体ペースト(抵抗体)においては、通常、導電性材料として鉛ルテニウム酸化物等が用いられ、ガラス組成物として酸化鉛(PbO)系ガラス等が用いられている。
ところで、近年、環境問題が盛んに議論されてきており、例えば、はんだ材料等においては、鉛を除外することが求められている。抵抗体ペーストや抵抗体においても例外ではなく、したがって、環境に配慮した場合、前記のように導電性材料として鉛ルテニウム酸化物を使用することや、ガラス組成物としてPbO系ガラスを使用することは避けなければならない。
このような状況から、鉛フリーの抵抗体ペーストや抵抗体についての研究が各方面でなされている。例えば特許文献1には、抵抗体ペーストに、例えばCaTiOを0vol%超、13vol%以下、若しくはNiOを0vol%超、12vol%以下含有させることが好ましく、さらにはCuO、ZnO、MgO等の添加物を同時に添加させることが好ましい旨の記述があり、それにより、高い抵抗値を有しながら、抵抗値の温度特性(TCR)及び耐電圧特性(STOL)が小さい抵抗体を得ることに適した鉛フリーの抵抗体ペーストを提供することが可能である旨、記載されている。
特開2003−197405号公報
ところで、前記特許文献1記載の技術では、確かにTCRやSTOLの改善が見られ、実際、TCRが100ppm以下で、STOLがゼロに近いサンプルも開示されている。しかしながら、TCRとSTOLの両者について十分な特性が得られるのは、非常に限られた組成においてのみであり、大部分の組成では、STOLが小さいといっても1%以上の値である。
このように、TCRとSTOLの両者について、十分に良好な特性が得られる組成が限られると、例えば他の特性に関する自由度が制約され、抵抗体ペーストの設計上、支障をきたすおそれがある。したがって、より一層の改善が望まれるところである。
また、従来の抵抗体ペーストや抵抗体では、その信頼性という点で必ずしも十分とは言い難い。例えば、高温や高湿の環境に長時間放置すると、抵抗値が変動する等の問題があり、その改善が望まれる。
そこで本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、形成される抵抗体において抵抗値の温度特性(TCR)及び耐電圧特性(STOL)を組成によらず確実に小さい値とすることができ、しかも十分な信頼性を確保することが可能な抵抗体ペーストを提供することを目的とし、それにより、温度特性(TCR)及び耐電圧特性(STOL)が小さく、放置後の抵抗値変動が小さい抵抗体を提供すること、さらには抵抗特性に優れた電子部品を提供することを目的とする。
本発明者は、前述の目的を達成するために、長期に亘り鋭意研究を重ねてきた。その結果、温度特性(TCR)及び耐電圧特性(STOL)を小さな値とし、抵抗値変動を抑えるために、アルカリ土類金属元素とチタンとを含みチタンが一部置換された複合酸化物の添加が有効であるとの結論を得るに至った。
本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明の抵抗体ペーストは、実質的に鉛を含まない導電性材料とガラス組成物と添加物とを含み、これらが有機ビヒクル中に分散されてなる抵抗体ペーストであって、前記添加物として、アルカリ土類金属元素Aとチタンとを含みチタンの一部が置換元素Mによって置換された複合酸化物を含有することを特徴とする。
本発明においては、アルカリ土類金属元素Aとチタンを含み、チタンの一部が置換元素Mによって置換された特殊な複合酸化物を添加物として用いることが重要であり、前記複合酸化物を抵抗体ペーストに添加することで、形成される抵抗体のTCRは±100ppm以下と著しく平坦化される。また、STOLについては、広い組成範囲において、ほとんどゼロに近い(0.1%以下)の値が達成される。さらに、前記複合酸化物の添加は、信頼性を改善する上でも有効であり、長時間放置後にも抵抗値変動が抑えられる。
本発明によれば、高抵抗値を有する厚膜抵抗体の形成が可能であるとともに、得られる抵抗体において、抵抗値の温度特性(TCR)及び耐電圧特性(STOL)を組成によらず確実に小さい値とすることが可能である。さらに、本発明は、抵抗体変動を抑えることができ、信頼性を向上することができるという効果も有する。
以下、本発明を適用した抵抗体ペースト及び抵抗体、電子部品の実施形態について、詳細に説明する。
本発明の抵抗体ペーストは、実質的に鉛を含まない導電性材料とガラス組成物と添加物とを含み、これらの成分からなる抵抗体組成物が、有機ビヒクルと混合されてなるものである。
ここで、導電性材料は、絶縁体であるガラス組成物中に分散されることで、構造物である抵抗体に導電性を付与する役割を持つ。導電性材料としては、実質的に鉛を含まない導電性材料が用いられ、例えばRuを含む導電性材料が用いられる。Ruを含む導電性材料としては、RuOやRu複合酸化物等を挙げることができる。Ru複合酸化物としては、CaRuO、SrRuO、BaRuO、BiRuから選ばれる1種若しくは2種以上が好ましい。
ガラス組成物は、その組成は特に限定されないが、本発明では環境保全上、やはり鉛を実質的に含まない鉛フリーのガラス組成物を用いることが好ましい。なお、本発明において、「鉛を実質的に含まない」とは、不純物レベルを越える鉛を含まないことを意味し、不純物レベルの量(例えば、ガラス組成物中の含有量が0.05質量%以下程度)であれば含有されていてもよい趣旨である。鉛は、不可避不純物として極微量程度に含有されることがある。
ガラス組成物は、抵抗体とされたとき、抵抗体中で導電性材料及び添加物を基板と結着させる役割を持つ。ガラス組成物としては、原料である修飾酸化物成分、網目形成酸化物成分等を混合し、ガラス化したものを用いることができ、特に、主たる修飾酸化物成分として、アルカリ土類金属の酸化物、具体的にはCaO、SrO、BaOから選ばれる1種若しくは2種以上を用いた、いわゆるCaO系ガラスが好適である。
前記ガラス組成物におけるその他の成分であるが、網目形成酸化物成分としては、B及びSiOを挙げることができる。また、前記主たる修飾酸化物成分の他、その他の修飾酸化物成分として、任意の金属酸化物を用いることができる。具体的な金属酸化物としては、例えばZrO、Al、ZnO、CuO、NiO、CoO、MnO、Cr、V、MgO、LiO、NaO、KO、TiO、SnO、Y、Fe3、Ta、Nb等を挙げることができ、これらから選ばれる1種若しくは2種以上を用いればよい。中でも、ZrO、Ta、Nbは、高抵抗を有する抵抗体ペースト用のガラス組成物の成分として、好適な酸化物であり、これらを20モル%以下の範囲内で添加することが好ましい。
本発明の抵抗体ペーストは、前記導電性材料及びガラス組成物を抵抗体組成物における基本組成として含み、アルカリ土類金属元素とチタンとを含む複合酸化物、特にTiの一部を置換元素Mで置換した複合酸化物を添加物として含むことが大きな特徴点である。
前記複合酸化物は、一般式A(Ti1−x)O(ただし、Aは少なくとも1種類のアルカリ土類金属元素、Mは置換元素であり、0<x<1である。)で表される化合物であり、前記一般式において、アルカリ土類金属元素AはMg、Ca、Sr、Baから選ばれる1種類以上であり、置換元素MはZr、またはHfの少なくとも1種類である。かかる複合酸化物は、例えばアルカリ土類金属元素Aの酸化物(あるいは炭酸塩等)とチタンの酸化物、及び置換元素Mの酸化物を混合し、焼成することにより作製することができる。
前記複合酸化物においては、Ti比率が低い場合、抵抗体焼成中のガラス組成物との反応性が変化し、耐電圧性、信頼性悪化のおそれがある。具体的には、Tiと置換元素Mの元素比率Ti/Mが1.0以上であることが好ましく、したがって、前記一般式においては0<x≦0.5とすることが好ましい。
また、前述の複合酸化物においては、アルカリ土類金属元素Aとして、Mg、Ca、Sr、Baから選ばれる2種類以上を含むようにしてもよい。この場合には、前記複合酸化物は、一般式(A1−yA′)(Ti1−x)O(ただし、A,A′は異なるアルカリ土類金属元素を表し、Mは置換元素である。また、0<x<1、0<y<1である。)で表される。
前記のようにアルカリ土類金属元素を2種類以上含有しても、温度特性、対電圧性、信頼性の両立ができる。なお、前記一般式において、各アルカリ土類金属元素は、元素比でアルカリ土類金属元素全体の1%以上含まれることが好ましい。したがって、0<y≦0.01であることが好ましい。例えば2種類のアルカリ土類金属元素を含む場合、一方のアルカリ土類金属元素の比率が1%未満であると、2種類のアルカリ土類金属元素を含むことの効果が不足するおそれがある。また、2種類以上のアルカリ土類金属元素のうち、イオン半径が最も小さいアルカリ土類金属元素の比率をS、イオン半径が最も大きいアルカリ土類金属元素の比率をRとした時に、R≧Sであることが好ましい。これは、R<Sの場合、抵抗体焼成中のガラス組成物との反応性が変化し特性悪化のおそれがあるからである。
添加物としては、前記複合酸化物の他、金属材料を組み合わせて添加することも有効である。この場合、金属材料としては、任意の導電性金属の微粒子等が使用可能であるが、前記複合酸化物との組み合わせという観点からは、AgやPd等の単体金属の他、Ag−Pd等、AgやPdの合金等が好適である。
前述の各成分を含む抵抗体成分については、組成も最適化することが好ましい。具体的には、抵抗体組成物の組成は、
導電性材料:5〜55質量%
ガラス組成物:35〜65質量%
複合酸化物:0〜30質量%(ただし、0は含まず。)
金属材料:0〜20質量%
その他の添加物:1〜20質量%
であることが好ましい。
前記抵抗体組成物の組成は、抵抗値の他、TCRやSTOLの観点から決められ、前記範囲とすることで、それぞれの抵抗値において、TCRやSTOLを確実に小さな値とすることができる。
前述の抵抗体組成物は、有機ビヒクル中に分散することで抵抗体ペーストとされるが、抵抗体ペースト用の有機ビヒクルとしては、この種の抵抗体ペーストに用いられるものがいずれも使用可能であり、例えば、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、メタクリル樹脂、ブチルメタクリレート等のバインダ樹脂と、ターピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、アセテート、トルエン、各種アルコール、キシレン等の溶剤とを混合して用いることができる。このとき、各種の分散剤や活性剤、可塑剤等を用途等に応じて適宜併用することも可能である。
前記有機ビヒクルの配合比率であるが、抵抗体組成物の質量(W1)と、有機ビヒクルの質量(W2)の比率(W2/W1)が、0.25〜4(W2:W1=1:0.25〜1:4)であることが好ましい。より好ましくは、前記比率(W2/W1)が0.5〜2である。前記比率を外れると、抵抗体を例えば基板上に形成するのに適した粘度の抵抗体ペーストを得ることができなくなるおそれがある。
本発明の抵抗体ペーストでは、前記複合酸化物の添加により、他の添加物を用いなくてもTCRやSTOLを十分に改善することができるが、必要に応じて、その他の添加物が含まれていてもよい。その他の添加物としては、任意の金属酸化物を挙げることができるが、特に、CuOを併用することで、STOLをより一層改善することが可能である。CuOについても、抵抗値に応じて最適範囲が異なり、10kΩ/□〜10MΩ/□の抵抗体を作製するための抵抗体ペースト用抵抗体組成物においては、0〜8質量%とすることが好ましく、1kΩ/□〜500kΩ/□の抵抗体を作製するための抵抗体ペースト用抵抗体組成物においては、0〜10質量%とすることが好ましい。
抵抗体を形成するには、前述の成分を含む抵抗体ペーストを例えば基板上にスクリーン印刷等の手法で印刷(塗布)し、850℃程度の温度で焼成すればよい。基板としては、Al基板やBaTiO基板の誘電体基板や、低温焼成セラミック基板、AlN基板等を用いることができる。基板形態としては、単層基板、複合基板、多層基板のいずれであってもよい。多層基板の場合、抵抗体は、表面に形成してもよいし、内部に形成してもよい。形成された抵抗体においては、厚膜抵抗体ペーストに含まれる抵抗体組成物の組成が、ほぼそのまま維持される。
抵抗体の形成に際しては、通常、基板に電極となる導電パターンを形成するが、この導電パターンは、例えば、AgやPt,Pd等を含むAg系の良導電材料を含む導電ペーストを印刷することにより形成することができる。また、形成した抵抗体の表面に、ガラス膜等の保護膜(オーバーグレーズ)を形成してもよい。
本発明の抵抗体を適用可能な電子部品としては特に限定されないが、例えば単層または多層の回路基板、チップ抵抗器等の抵抗器、アイソレータ素子、C−R複合素子、モジュール素子の他、積層チップコンデンサ等のコンデンサやインダクタ等が挙げられ、コンデンサやインダクタ等の電極部分にも適用することができる。
以下、本発明の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。
<ガラス組成物の作製>
、SiO、CaCO、SrCO、BaCO、ZrO、Ta等を所定量秤量し、ボールミルにて混合して乾燥した。得られた粉末を5℃/minの速度で1300℃まで昇温しその温度を1時間保持した後に水中投下することによって急冷し、ガラス化した。得られたガラス化物をボールミルで粉砕し、ガラス粉末を得た。各成分の比率を変えて4種類のガラス組成物を作製した。得られたガラス粉末(ガラス組成物)の組成を表1に示す。
Figure 2006165347
<有機ビヒクルの作製>
バインダとしてエチルセルロース、有機溶剤としてターピネオールを用い、有機溶剤を加熱撹拌しながらバインダを溶かして、有機ビヒクルを作製した。
<抵抗体ペーストの作製>
導電性材料(導電性材料1及び導電性材料2)、ガラス組成物粉末、添加物(添加物1及び添加物2)及び有機ビヒクルを各組成となるように秤量し、3本ロールミルで混練し、抵抗体ペーストを得た。なお、導電性材料、ガラス組成物粉末及び添加物の合計質量と有機ビヒクルの質量の比は、得られた抵抗体ペーストがスクリーン印刷に適した粘度となるように、質量比で1:0.25〜1:4の範囲で調合し、抵抗体ペーストを作製した。
<抵抗体の作製>
純度96%のアルミナ基板上に、Ag−Pt導体ペーストを所定形状にスクリーン印刷して乾燥させた。Ag−Pt導体ペーストにおけるAgの割合は95質量%、Ptの割合は5質量%とした。このアルミナ基板をベルト炉に入れ、投入から排出まで1時間のパターンで焼き付けを行った。この時の焼き付け温度は850℃、その温度での保持時間は10分間とした。
このようにして導体が形成されたアルミナ基板上に、先に作製した抵抗体ペーストをスクリーン印刷法にて所定の形状(1mm×1mmの方形状)のパターンで塗布し、乾燥した。その後、導体焼き付けと同じ条件で抵抗体ペーストを焼き付け、抵抗体を得た。
<抵抗体の特性評価>
(1)抵抗値
Agilent Technologies 社製の製品番号 34401Aにより測定。試料数24個の平均値を求めた。
(2)TCR
室温25℃を基準として、−55℃及び125℃へ温度を変えた時の抵抗値変化率を求めた。試料数10個の平均値である。−55℃、25℃、125℃の抵抗値をR-55、R25、R125(Ω/□)とおくと、TCR(ppm/℃)=[(R-55-R25)/R25/80]×1000000、あるいは、TCR(ppm/℃)=[(R125-R25)/R25/100]×1000000である。数値の大きい方をTCR値とした。
(3)STOL(短時間過負荷)
厚膜抵抗体に試験電圧を5秒間印加し、その前後における抵抗値の変化率を求めた。試料数10個の平均値である。試験電圧=2.5×定格電圧であり、定格電圧=√(R/4)、Rは抵抗値(Ω/□)である。計算した試験電圧が400Vを越える抵抗値を持つ抵抗体については、試験電圧を400Vにて行った。
(4)恒温恒湿負荷試験
抵抗体の信頼性試験の一つであり、抵抗体に15Vの電圧を印可しながら85℃、85%−RHの雰囲気に放置し、1000時間後の抵抗値変動を評価した。試験前後の抵抗値変動をΔR(%)とすると、ΔR≦±1.0%が特性の基準となる。
<試料1〜試料4>
Tiの一部が置換元素Mで置換されていない複合酸化物を添加物1として用いた例であり、比較例に相当するものである。用いた複合酸化物は、BaTiO、SrTiO、CaTiO、MgTiOの4種類である。
<試料4〜試料16>
Tiの一部をZr、またはHfで置換した複合酸化物を添加物1として用いた例であり、いずれも実施例に相当するものである。
<試料17〜試料22>
導電性材料1の種類を変えた例である。Tiの一部を置換元素で置換していない複合酸化物を添加した場合と、Tiの一部を置換元素(Zr、Hf)で置換した複合酸化物を添加した場合のそれぞれにおいて、導電性材料1の相違による特性の相違を調べた。
<試料23〜試料28>
使用したガラス組成物の種類を変えた例である。Tiの一部を置換元素で置換していない複合酸化物を添加した場合と、Tiの一部を置換元素(Zr、Hf)で置換した複合酸化物を添加した場合のそれぞれにおいて、表1に示すガラス組成物2〜3を用い、ガラス組成物の相違による特性の相違を調べた。
<試料29,30>
導電性材料2(=Ag)の添加の有無や、添加物2(=CuO)の添加の有無による特性の相違を調べた。
<試料31〜試料32>
これら試料は、Tiの一部を置換元素(Zr、Hf)で置換するとともに、2種類以上(3種類)のアルカリ土類金属元素を含む複合酸化物を添加物1として用いた例である。
これら各試料における抵抗体組成物の組成、及び特性(抵抗値、TCR、STOL、恒温恒湿負荷試験)評価結果を表2に示す。なお、表2において、*印を付与した試料は、比較例に相当するものである。
Figure 2006165347
この表から明らかなように、アルカリ土類金属元素とチタンとの複合酸化物を添加物として添加した場合、TCR±100ppm以下、STOL0.1%以下が実現されている。ただし、Tiの一部が置換元素(Zr、Hf)によって置換されていない複合酸化物を添加物1として添加した場合には、恒温恒湿負荷試験において、抵抗値変動が大きいことがわかる。これに対して、Tiの一部が置換元素(Zr、Hf)によって置換された複合酸化物の場合、恒温恒湿負荷試験においていずれも抵抗値変動ΔRが±1.0%以下であり、基準を満たしている。なお、前記傾向は、導電性材料1の種類やガラス組成物の種類、導電性材料2や添加物2の添加の有無によっても変わらない。

Claims (17)

  1. 実質的に鉛を含まない導電性材料とガラス組成物と添加物とを含み、これらが有機ビヒクル中に分散されてなる抵抗体ペーストであって、
    前記添加物として、アルカリ土類金属元素Aとチタンとを含みチタンの一部が置換元素Mによって置換された複合酸化物を含有することを特徴とする抵抗体ペースト。
  2. 前記置換元素MがZr、Hfのうちの少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1記載の抵抗体ペースト。
  3. 前記複合酸化物が、一般式A(Ti1−x)O(ただし、Aは少なくとも1種類のアルカリ土類金属元素、Mは置換元素であり、0<x<1である。)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の抵抗体ペースト。
  4. 前記一般式において、0<x≦0.5であることを特徴とする請求項3記載の抵抗体ペースト。
  5. 前記一般式において、アルカリ土類金属元素Aは、Mg、Ca、Sr、Baから選ばれる2種類以上であることを特徴とする請求項3または4記載の抵抗体ペースト。
  6. 前記2種類以上のアルカリ土類金属元素の内の1種として、Baを含むことを特徴とする請求項5記載の抵抗体ペースト。
  7. 前記2種類以上のアルカリ土類金属元素のうち、イオン半径が最も小さいアルカリ土類金属元素の比率をS、イオン半径が最も大きいアルカリ土類金属元素の比率をRとした時に、R≧Sであることを特徴とする請求項5記載の抵抗体ペースト。
  8. 前記複合酸化物の含有量が、導電性材料、ガラス組成物、及び添加物の合計を100質量%としたときに、0〜30質量%(ただし、ゼロは含まず。)であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の抵抗体ペースト。
  9. 金属材料を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の抵抗体ペースト。
  10. 前記金属材料が、Ag、Pd、またはこれらの合金であることを特徴とする請求項9記載の抵抗体ペースト。
  11. 添加物としてCuOを10質量%以下の割合で含有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載の抵抗体ペースト。
  12. 前記ガラス組成物が、CaO、SrO、BaOから選ばれる1種以上を主成分とするガラス組成物であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の抵抗体ペースト。
  13. 前記ガラス組成物が、添加物としてB及びSiOを含み、さらにZrO、Ta、Nb、NiO、ZnO、MnO、Mnから選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項12記載の抵抗体ペースト。
  14. 前記導電性材料としてRu複合酸化物を含むことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項記載の抵抗体ペースト。
  15. 前記Ru複合酸化物は、CaRuO、SrRuO、BaRuO、BiRuから選ばれる1種若しくは2種以上であることを特徴とする請求項14記載の抵抗体ペースト。
  16. 請求項1から15のいずれか1項記載の抵抗体ペーストを用いて形成されたことを特徴とする抵抗体。
  17. 請求項16記載の抵抗体を有することを特徴とする電子部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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