JPH069522B2 - 化粧用コンパクト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は化粧用コンパクトに係る。

「従来の技術と発明が解決しようとする課題」 従来、固形状化粧品を用いるコンパクトでは、化粧品は
予かじめ丸盆状の金属製容器、所謂ドラムに充填固化し
ておき、これを合成樹脂材製の容器本体側の化粧品凹部
に交換可能に嵌合格納して構成し、該ドラムの交換によ
り化粧品の消耗或いは異種、異色の化粧品との交換に簡
単に対処できるようにしている。この構造によれば使用
上便利であるが、ドラムが必要であり、また化粧品を交
換しても容器本体の見た目は変らないので新鮮な感じが
涌かず、化粧用品として不足感があるのはいなめない。

本発明は、容器本体上面に、ドラム部内に化粧品を充填
しかつ該ドラム部上端に容器本体上面を閉塞する外向き
フランジ状壁を付設した金属製の中皿を着脱自在に装着
させることで、従来におけるドラムが省略でき、しかも
化粧品交換の度に異なる容器の感じが出せる化粧用コン
パクトを提供することを目的とする。

「課題を解決するための手段」 底壁周縁から周壁を起立した容器体と該容器体上面を閉
塞する蓋とを各後部で枢着させると共に、それ等容器体
と蓋の各前部に、相互に係合して蓋の閉塞状態を保持す
る第１、第２係合突起を付設した化粧用コンパクトにお
いて、上記容器体１上面に、ドラム部10内に化粧品を充
填しかつ該ドラム部上端に容器体１上面を閉塞する外向
きフランジ状壁を付設した金属製の中皿４を着脱自在に
装着させた。

「実施例」 以下添付図面を参照して本発明実施例を説明する。第１
図及び第２図ａ，ｂにおいて、１は偏平な角形の容器
体、２は該容器体後部にヒンジ３で開閉自在に係止され
た蓋、４が前記容器体１の上面部に、該上面を塞ぐよう
に設けられたドラム兼用の中皿であり、容器体１と蓋２
は合成樹脂材製であるが、中皿４は金属板で成形形成さ
れる。

容器体１は、左右両側壁１ａ，１ａの中間部を上面から
中途まで切欠いて凹部を形成し、また前部壁１ｂの中央
部に止め金の施錠・解錠機構５を設けている。この機構
５は、前部壁１ｂの上面から前面に抜けるカギ形の連通
孔を穿設し、前面孔部に押込み可能に固定部に弾性支持
された解錠用操作レバー６を配設し、該操作レバーと一
体の止め金用の一方の第１係合突起７を上面孔に臨ませ
たもので、第１係合突起７が蓋２側の後述第２係合突起
と係合して施錠状態のとき、操作レバー６を押込み、こ
の押込みで第１係合突起７を同体に奥方向へ移動させて
第１，第２両係合突起の係合を解き止め金解錠を行うも
のである。しかしながら、この止め金部は必ずしもこの
操作レバー方式によらずともよい。

蓋２は、前部裏面中央部に前記第１係合突起７と係合す
る止め金の他方の第２係合突起を持つ係合板８を垂設
し、また裏面中央部には鏡９を貼着している。

中皿４は、ドラム部10上端に容器体１の上面を閉塞する
外向きフランジ状壁を付設すると共に、該外向きフラン
ジ周縁から垂下した短周壁の左右両部に支持部12、12を
付設し、上記短周壁外面を容器体１の上部内面へ、かつ
支持部12，12を左右両側壁１ａ，１ａの凹部内へ、それ
ぞれ着脱自在に嵌合させ、また、上記支持部12，12の外
面に滑り止め用の溝部13を形成している。

この中皿４は前記のように金属材であり、金属蒸着等の
手段で鍍金加工が容易なので、表面に美麗な装飾を施し
ておく。この場合、その装飾は化粧品毎に異なる色彩、
模様のものにしておく。

上記構造の如く、中皿４を金属材としてこれをドラム兼
用とし、これに化粧品11を充填したから、従来における
ドラムが省略でき、従って部品数が低減し構造が簡単に
なる。また中皿４に、化粧品毎に異なる色彩、模様等の
装飾を施しておくことにより、中皿４を替えるとその色
彩、模様が変化するので、異なった新規な容器の感じを
出すことができる。

第３図以降の各図は夫々他の実施例を示したものであ
る。第３図のものは、容器体１の後部上面及び前部上面
中央部に板状の段部14，15を形成し、また中皿４の外向
きフランジ状壁の前部中央を切欠き、該切欠き16を前記
段部15に嵌めると共に周縁を容器体１上面に載置させて
取付けている。尚、17は、中皿交換時、ピン等で中皿４
を底から押上げて取出すための小孔である。

第４図のものは、容器体１の前後壁１ｂ，１ｂの内面中
途に横方向の係合条18，18を突設すると共に、側壁１
ａ，１ａの一方、例えば右方側壁を取除き、一方中皿４
の外方向きフランジ状壁周縁から垂設した短周壁の外面
前後両部に、係合条18，18に係合して案内される係合溝
19，19を凹形し、且つ引出し側の外向きフランジ状壁部
分に指掛け孔20を穿設し、横方向へスライドさせて中皿
４を容器体１に組込むようにしたものである。

第５図のものは、容器体１内に円筒状の保持部材21を接
着等の手段で固定し、この保持部材21に中皿４をそのド
ラム部10を介して嵌合保持させるようにしたもので、こ
の保持部材21の周壁22の上半部を櫛歯状の凹凸した形状
とし、従って突出片23に弾性を付与してドラム部10が圧
着でき、中皿４を安定的に保持できるようにしている。
尚、この第５図方式で、容器体１等も含めてコンパクト
全体を金属材で形成する場合は、周壁22に囲まれた底部
を打抜いてこの部は開口とする。

第６図のものは、容器体１を深目に形成して中皿４下方
にパフ等の化粧具24をも収納できるようにし、また中皿
４の後端部に断面Ｃ形の半筒状係止片25を設け、この係
止片25をヒンジ３の係止軸３ａに取外し自在に係止した
もので、係止片25を支点として、中皿４を起倒させるこ
とにより簡単にパフ24が取出せる。

第７図のものは、第６図方式のものにおいて、止め金を
操作レバー６による解錠方式に代えて通常の第１，第２
係合突起26，27による方式としたものである。尚、中皿
４は、外向きフランジ状壁の前部中央を前方へ延出させ
て支持部28とし、これを容器体１前部中央の切欠き部上
面に支承させている。

第８図のものは、第７図止め金方式のものにおいて、容
器体１の後部壁中央部を中途まで切欠き、この切欠き部
29を左右両端に穴30，30を穿設し、一方中皿４の後端中
央部に前記切欠き部29に入り込む丸棒状係止部材31を設
け、該係止部材の左方両端面の突子32，32を前記穴30，
30に係合して、中皿４後端部を容器体１後端部に枢支さ
せ、起倒自在且つ取外し自在に設けたものである。

「発明の効果」 以上記載したように、本発明では、中央部にドラム部10
を形成した着脱自在の中皿４を金属材で形成し、そのド
ラム部10に化粧品11を充填するようにしたので、従来に
おけるドラムが省略できて構造が簡単化し、また、この
中皿４は真空蒸着等の手段で容易に鍍金加工が可能なの
で、中皿４上面を化粧品毎に異なる色彩、模様等の装飾
を施しておくことにより、化粧品交換の都度中皿４の色
彩、模様等が変わって新規な異なる容器の感じが得ら
れ、皿に、中皿４を金属材で形成したから、色彩、模様
等を異にする複数種類の中皿を容易かつ廉価に作製する
ことができる。即ち、合成樹脂材により色彩が異なる複
数種類の中皿４を同一の金型で成形すると、合成樹脂材
に混入させる着色料の違いによって成形時の冷却収縮率
が変化し、同一寸法の製品を得られないので、色彩別に
それぞれ金型を作製せねばならず、コスト高となった
が、本発明は中皿４を金属材で形成したしたから、プレ
ス加工等により均一精度の中皿を容易に作製することが
できる共に、色彩、模様等を真空蒸着等の方法で容易に
施すことができ、よって、製品精度の均一化を図りつ
つ、色彩、模様等を異にする高級感のある製品を容易か
つ廉価に作製することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明化粧用コンパクトの一実施例の開蓋状態
での斜視図、第２図ａは同実施例の中皿の斜視図、同図
ｂはａ図のＡ−Ａ線断面図、第３図から第８図は各々異
なる実施例を示す分解斜視図である。 １…容器体、２…蓋 ４…中皿

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】底壁周縁から周壁を起立した容器体と該容
   器体上面を閉塞する蓋とを各後部で枢着させると共に、
   それ等容器体と蓋の各前部に、相互に係合して蓋の閉塞
   状態を保持する第１、第２係合突起を付設した化粧用コ
   ンパクトにおいて、上記容器体１上面に、ドラム部10内
   に化粧品を充填しかつ該ドラム部上端に容器体１上面を
   閉塞する外向きフランジ状壁を付設した金属製の中皿４
   を着脱自在に装着させたことを特徴とする化粧用コンパ
   クト。