JPH069461A - 水素化ビスフェノ−ル類の製造方法 - Google Patents
水素化ビスフェノ−ル類の製造方法Info
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- JPH069461A JPH069461A JP4188944A JP18894492A JPH069461A JP H069461 A JPH069461 A JP H069461A JP 4188944 A JP4188944 A JP 4188944A JP 18894492 A JP18894492 A JP 18894492A JP H069461 A JPH069461 A JP H069461A
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- bisphenol
- catalyst
- reaction
- ruthenium
- bisphenols
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】ビスフェノ−ル類を水素化して核水素化された
水素化ビスフェノ−ル類を製造する方法において、反応
速度を向上させ、製造効率を高める。 【構成】ビスフェノ−ルA等のビスフェノ−ル類を接触
水素化するに当たり、ルテニウム触媒を使用し、且つ炭
素数4以上の2級アルコ−ル溶媒、例えば2−オクタノ
−ル溶媒中で水素化を行って、水素ビスフェノ−ル類を
製造する。 【効果】本発明の製造方法によれば、従来法よりも短時
間で水素化ビスフェノ−ル類を製造することができ、製
造効率が著しく向上する。その際、反応条件の穏和さ、
および製品の収率は従来法と同等かまたはより優れてい
る。また、派生的な効果として、穏和な条件下で短時間
に反応が終了するため、繰り返し使用による触媒の劣化
が少ないという利点もある。
水素化ビスフェノ−ル類を製造する方法において、反応
速度を向上させ、製造効率を高める。 【構成】ビスフェノ−ルA等のビスフェノ−ル類を接触
水素化するに当たり、ルテニウム触媒を使用し、且つ炭
素数4以上の2級アルコ−ル溶媒、例えば2−オクタノ
−ル溶媒中で水素化を行って、水素ビスフェノ−ル類を
製造する。 【効果】本発明の製造方法によれば、従来法よりも短時
間で水素化ビスフェノ−ル類を製造することができ、製
造効率が著しく向上する。その際、反応条件の穏和さ、
および製品の収率は従来法と同等かまたはより優れてい
る。また、派生的な効果として、穏和な条件下で短時間
に反応が終了するため、繰り返し使用による触媒の劣化
が少ないという利点もある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイソプロピリデンジフェ
ノール等のビスフェノ−ル類を接触水素化して水素化ビ
スフェノ−ル類を製造する方法に関する。
ノール等のビスフェノ−ル類を接触水素化して水素化ビ
スフェノ−ル類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素化ビスフェノ−ル類は脂環式二価ア
ルコ−ルに分類することができ、一般に対応するビスフ
ェノ−ル類を接触水素化して製造される。水素化ビスフ
ェノ−ル類はポリマ−原料として有用であり、例えば、
ビスフェノ−ルA、すなわち4,4'-イソプロピリデン
ジフェノール(以下、BPAと略)を接触水素化して製
造される2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシ
ル)プロパン(以下、HBPAと略)は、ポリマー原料
として有用であり、例えば、これをフタル酸、マレイン
酸等の二塩基酸と重縮合させて得られるポリエステル樹
脂は耐熱および耐湿性を有し、またエピクロルヒドリン
と反応させて得られるエポキシ樹脂は耐候性および電気
的特性に優れ、且つ低粘度であるため操作性が良いとい
う特長を有する。
ルコ−ルに分類することができ、一般に対応するビスフ
ェノ−ル類を接触水素化して製造される。水素化ビスフ
ェノ−ル類はポリマ−原料として有用であり、例えば、
ビスフェノ−ルA、すなわち4,4'-イソプロピリデン
ジフェノール(以下、BPAと略)を接触水素化して製
造される2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシ
ル)プロパン(以下、HBPAと略)は、ポリマー原料
として有用であり、例えば、これをフタル酸、マレイン
酸等の二塩基酸と重縮合させて得られるポリエステル樹
脂は耐熱および耐湿性を有し、またエピクロルヒドリン
と反応させて得られるエポキシ樹脂は耐候性および電気
的特性に優れ、且つ低粘度であるため操作性が良いとい
う特長を有する。
【0003】また、ビスフェノ−ルF、ビスフェノ−ル
C(2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル−フェ
ニル)プロパン)、ビスフェノ−ルE(1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン)、ビスフェノ−ル
Z(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン)、ビスフェノ−ルAP(1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1−フェニルエタン)、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エ−テルや9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−フルオレン等のビスフェノ−ル類を水素化
して得られる水素化ビスフェノ−ル類も同様な用途に使
用しうる。
C(2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル−フェ
ニル)プロパン)、ビスフェノ−ルE(1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン)、ビスフェノ−ル
Z(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン)、ビスフェノ−ルAP(1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1−フェニルエタン)、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エ−テルや9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−フルオレン等のビスフェノ−ル類を水素化
して得られる水素化ビスフェノ−ル類も同様な用途に使
用しうる。
【0004】BPAを接触水素化してHBPAを製造す
る方法に関しては,例えば以下のものが知られている。
特公昭42−1423公報には、BPAに対して6重量
%のラネーニッケルを触媒とし、1-ブタノールを溶媒と
して200℃、80kg/cm2 の条件でBPAを4時
間水素添加する方法が開示されている。特開昭53−1
19854公報には、BPAに対して5重量%のクロム
含有ラネーニッケルを触媒とし、2-メチル-1- プロパノ
ールを溶媒として、160℃、120kg/cm2 の条
件で2時間水素添加する方法が、また特開昭53−11
9855公報には、ルテニウム触媒を用い、2-メチル-1
- プロパノールまたは2-プロパノールを溶媒として、1
55℃、120kg/cm2 の条件で1.5時間水素添
加する方法が開示されている。しかし、これらは溶媒と
して2級アルコールを使用することによって反応速度が
向上することを教示するものではない。
る方法に関しては,例えば以下のものが知られている。
特公昭42−1423公報には、BPAに対して6重量
%のラネーニッケルを触媒とし、1-ブタノールを溶媒と
して200℃、80kg/cm2 の条件でBPAを4時
間水素添加する方法が開示されている。特開昭53−1
19854公報には、BPAに対して5重量%のクロム
含有ラネーニッケルを触媒とし、2-メチル-1- プロパノ
ールを溶媒として、160℃、120kg/cm2 の条
件で2時間水素添加する方法が、また特開昭53−11
9855公報には、ルテニウム触媒を用い、2-メチル-1
- プロパノールまたは2-プロパノールを溶媒として、1
55℃、120kg/cm2 の条件で1.5時間水素添
加する方法が開示されている。しかし、これらは溶媒と
して2級アルコールを使用することによって反応速度が
向上することを教示するものではない。
【0005】特公昭43−26859公報には、BPA
に対して10重量%のラネーニッケルを触媒とし、これ
にBPAに対して10重量%のシクロヘキサノールを融
剤として加え、145℃、180kg/cm2 の条件で
200分間水素添加する方法が開示されている。HBP
Aの収率は、蒸留後の回収率で94重量%である。ここ
でシクロヘキサノール以外の脂肪族アルコールを添加し
た場合には反応速度が低下する旨が記載されているが,
本発明の条件では脂肪族アルコールを用いるにもかかわ
らず十分満足できる速度で反応が進行する。
に対して10重量%のラネーニッケルを触媒とし、これ
にBPAに対して10重量%のシクロヘキサノールを融
剤として加え、145℃、180kg/cm2 の条件で
200分間水素添加する方法が開示されている。HBP
Aの収率は、蒸留後の回収率で94重量%である。ここ
でシクロヘキサノール以外の脂肪族アルコールを添加し
た場合には反応速度が低下する旨が記載されているが,
本発明の条件では脂肪族アルコールを用いるにもかかわ
らず十分満足できる速度で反応が進行する。
【0006】特開昭45−35300公報には、ロジウ
ム含有触媒を用い、特定の12種類のアルコール中から
選ばれた1種または2種以上の混合物もしくはそれらの
含水物を溶媒として、例えば溶媒として2-プロパノール
を用いた場合、75℃、50kg/cm2 の条件で80
分間水素添加する方法が開示されている。この時のHB
PAの収率は92%である。ここで、ロジウム触媒の代
わりにルテニウム触媒を使用した場合には殆ど活性を示
さない旨が記載されているが、これは本発明者らが行っ
た実験結果と相反する。また、ロジウムは非常に高価な
金属であり、これをより安価なルテニウムに換えること
ができればコスト上有利なことは述べるまでもない。
ム含有触媒を用い、特定の12種類のアルコール中から
選ばれた1種または2種以上の混合物もしくはそれらの
含水物を溶媒として、例えば溶媒として2-プロパノール
を用いた場合、75℃、50kg/cm2 の条件で80
分間水素添加する方法が開示されている。この時のHB
PAの収率は92%である。ここで、ロジウム触媒の代
わりにルテニウム触媒を使用した場合には殆ど活性を示
さない旨が記載されているが、これは本発明者らが行っ
た実験結果と相反する。また、ロジウムは非常に高価な
金属であり、これをより安価なルテニウムに換えること
ができればコスト上有利なことは述べるまでもない。
【0007】反応時間を短縮するという例では他に特開
昭61−260034公報があり、触媒としてラネーニ
ッケルを原料BPAに対して約4重量%用い、少量のア
ルカリ土類金属水酸化物を添加して、190℃、60k
g/cm2 の条件で7時間水素添加する方法が開示され
ているが、時間的にまだ短縮、改良の余地がある。ま
た、ここでは触媒の再使用については言及されていない
が、ラネーニッケルを使用するかぎり反応を連続的に行
うことは困難であり、これは大量製造を行う場合にはコ
スト上不利である。加えて、本発明者らの実験結果によ
れば、触媒にラネーニッケルを用いると、ルテニウム触
媒と同じ条件下で反応させた場合においても、原料であ
るBPAおよび反応中間体である部分水素化物が消失し
ないうちから、HBPAの水酸基が水素原子に置換され
たもの等の分解物が生成し始め、そのため反応終了時の
生成物中に占める分解物の割合が比較的大きくなる。こ
のことは明らかに反応収率上および精製効率上不利であ
る。
昭61−260034公報があり、触媒としてラネーニ
ッケルを原料BPAに対して約4重量%用い、少量のア
ルカリ土類金属水酸化物を添加して、190℃、60k
g/cm2 の条件で7時間水素添加する方法が開示され
ているが、時間的にまだ短縮、改良の余地がある。ま
た、ここでは触媒の再使用については言及されていない
が、ラネーニッケルを使用するかぎり反応を連続的に行
うことは困難であり、これは大量製造を行う場合にはコ
スト上不利である。加えて、本発明者らの実験結果によ
れば、触媒にラネーニッケルを用いると、ルテニウム触
媒と同じ条件下で反応させた場合においても、原料であ
るBPAおよび反応中間体である部分水素化物が消失し
ないうちから、HBPAの水酸基が水素原子に置換され
たもの等の分解物が生成し始め、そのため反応終了時の
生成物中に占める分解物の割合が比較的大きくなる。こ
のことは明らかに反応収率上および精製効率上不利であ
る。
【0008】ビスフェノ−ルFの水素化についても、特
開昭61−260034号公報、特公昭50−1063
6号公報等に、ラネ−ニッケルを触媒として水素化する
方法が開示されているが、前述のとおりラネ−ニッケル
を触媒とする方法は、反応を連続的に行うことは困難で
あり、大量製造を行う上では不利である。
開昭61−260034号公報、特公昭50−1063
6号公報等に、ラネ−ニッケルを触媒として水素化する
方法が開示されているが、前述のとおりラネ−ニッケル
を触媒とする方法は、反応を連続的に行うことは困難で
あり、大量製造を行う上では不利である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように従来技術で
は、比較的低圧、且つ低温で、選択率良く、しかも工業
的に満足し得る程度の短時間のうちに反応を行わせると
いう全ての要求を満たすことは困難であった。本発明は
これらを解決する新規なビスフェノ−ル類の水素化方法
を提供することを目的とする。
は、比較的低圧、且つ低温で、選択率良く、しかも工業
的に満足し得る程度の短時間のうちに反応を行わせると
いう全ての要求を満たすことは困難であった。本発明は
これらを解決する新規なビスフェノ−ル類の水素化方法
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、触媒、溶
媒、その他反応条件について鋭意検討した結果、ルテニ
ウム触媒および炭素数4以上の2級アルコール溶媒の存
在下にビスフェノ−ル類を接触水素化することにより、
前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させ
るに到った。すなわち、本発明はルテニウム触媒および
炭素数4以上の2級アルコール溶媒の存在下、ビスフェ
ノ−ル類を接触水素化して水素化ビスフェノ−ル類を製
造する方法である。
媒、その他反応条件について鋭意検討した結果、ルテニ
ウム触媒および炭素数4以上の2級アルコール溶媒の存
在下にビスフェノ−ル類を接触水素化することにより、
前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させ
るに到った。すなわち、本発明はルテニウム触媒および
炭素数4以上の2級アルコール溶媒の存在下、ビスフェ
ノ−ル類を接触水素化して水素化ビスフェノ−ル類を製
造する方法である。
【0011】本発明で用いるルテニウム触媒は公知のも
のでよいが、工業的には担体に担持させたものが分離が
容易であるという点で有利である。その際、担体には、
一般に触媒担体として使用される耐火性無機酸化物を用
いることができるが、特にアルミナ、シリカ、チタニア
を用いることが好ましい。また、活性炭を担体として用
いてもよい。ルテニウム触媒の使用量は、原料のビスフ
ェノ−ル類に対して金属ルテニウムとして約0.01〜
0.2重量%の範囲内が好ましい。触媒の形状は特に規
定されない。
のでよいが、工業的には担体に担持させたものが分離が
容易であるという点で有利である。その際、担体には、
一般に触媒担体として使用される耐火性無機酸化物を用
いることができるが、特にアルミナ、シリカ、チタニア
を用いることが好ましい。また、活性炭を担体として用
いてもよい。ルテニウム触媒の使用量は、原料のビスフ
ェノ−ル類に対して金属ルテニウムとして約0.01〜
0.2重量%の範囲内が好ましい。触媒の形状は特に規
定されない。
【0012】本発明では反応溶媒として炭素数4以上の
2級アルコールが用いられ、例えば2-ブタノール、2-ペ
ンタノール、3-ペンタノール、3-メチル-2- ブタノー
ル、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、4-メチル-2- ペ
ンタノール、シクロヘキサノール、2-ヘプタノ−ル、3-
ヘプタノール、4-ヘプタノ−ル、2,4-ジメチル-3- ペン
タノ−ル、4-メチルシクロヘキサノール、2-オクタノー
ル、3-オクタノール、4-オクタノール、6-メチル-2- ヘ
プタノール、4-エチルシクロヘキサノール、2-ノナノー
ル、2,6-ジメチル-4- ヘプタノール、2-デカノール等が
挙げられる。この溶媒の量は、反応後も含めて溶液の流
動性を考慮しつつ、最も製造効率のよい値を選定すべき
である。この値は溶媒の種類によって異なるが、原料の
ビスフェノ−ル類濃度が20〜70重量%たなる範囲が
好ましい。
2級アルコールが用いられ、例えば2-ブタノール、2-ペ
ンタノール、3-ペンタノール、3-メチル-2- ブタノー
ル、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、4-メチル-2- ペ
ンタノール、シクロヘキサノール、2-ヘプタノ−ル、3-
ヘプタノール、4-ヘプタノ−ル、2,4-ジメチル-3- ペン
タノ−ル、4-メチルシクロヘキサノール、2-オクタノー
ル、3-オクタノール、4-オクタノール、6-メチル-2- ヘ
プタノール、4-エチルシクロヘキサノール、2-ノナノー
ル、2,6-ジメチル-4- ヘプタノール、2-デカノール等が
挙げられる。この溶媒の量は、反応後も含めて溶液の流
動性を考慮しつつ、最も製造効率のよい値を選定すべき
である。この値は溶媒の種類によって異なるが、原料の
ビスフェノ−ル類濃度が20〜70重量%たなる範囲が
好ましい。
【0013】2級アルコールの代わりに1級アルコール
を用いた場合、反応速度が遅くなる。これは特に、炭素
数4以下のものについて顕著である。更に、2級アルコ
ールの場合でも炭素数が3である2-プロパノールを用い
た場合には、水素化反応は問題なく進行するものの、生
成物がHBPAのようなものである場合、その沸点がH
BPAの凝固点よりかなり低いために、溶媒を除去する
段階で生成物が固化するという操作上の問題が生じるな
どする。
を用いた場合、反応速度が遅くなる。これは特に、炭素
数4以下のものについて顕著である。更に、2級アルコ
ールの場合でも炭素数が3である2-プロパノールを用い
た場合には、水素化反応は問題なく進行するものの、生
成物がHBPAのようなものである場合、その沸点がH
BPAの凝固点よりかなり低いために、溶媒を除去する
段階で生成物が固化するという操作上の問題が生じるな
どする。
【0014】接触水素化の反応温度は50〜250℃、
好ましくは100〜200℃程度の範囲内で行うことが
よく、反応圧は大気圧以上であればいかなる圧力下にお
いても反応は進行するが、好ましくは約5〜150kg
/cm2 の範囲内で行うことがよい。反応時間は条件に
よって変動するため、特に規定されないが、約3時間程
度で十分である。反応の形態は回分式の他、固定床、移
動床を用いた連続式であってもよく、特に規定されな
い。
好ましくは100〜200℃程度の範囲内で行うことが
よく、反応圧は大気圧以上であればいかなる圧力下にお
いても反応は進行するが、好ましくは約5〜150kg
/cm2 の範囲内で行うことがよい。反応時間は条件に
よって変動するため、特に規定されないが、約3時間程
度で十分である。反応の形態は回分式の他、固定床、移
動床を用いた連続式であってもよく、特に規定されな
い。
【0015】本発明で原料として使用するビスフェノ−
ル類は、HO−Ar−X−Ar−OH(但し、Arは置
換基を有してもよいフェニレン基、Xは2価の基を示
す)で表されるものであるが、好ましくはXがアルキリ
デン基であるビスフェノ−ル類である。好適には、ビス
フェノ−ルA、ビスフェノ−ルFまたはこれらの異性体
が挙げられる。生成する水素化ビスフェノ−ル類は、シ
ス−シス、シス−トランス、トランス−トランス各異性
体が存在するが、これは温度および/または圧力条件を
変えることによって、ある程度達成できる。
ル類は、HO−Ar−X−Ar−OH(但し、Arは置
換基を有してもよいフェニレン基、Xは2価の基を示
す)で表されるものであるが、好ましくはXがアルキリ
デン基であるビスフェノ−ル類である。好適には、ビス
フェノ−ルA、ビスフェノ−ルFまたはこれらの異性体
が挙げられる。生成する水素化ビスフェノ−ル類は、シ
ス−シス、シス−トランス、トランス−トランス各異性
体が存在するが、これは温度および/または圧力条件を
変えることによって、ある程度達成できる。
【0016】
実施例1 電磁攪拌式200mlオートクレーブに、BPA20
g、2-オクタノール80g、2重量%ルテニウム担持ア
ルミナ触媒1.0gを仕込み、反応温度180℃、反応
圧40kg/cm2 で反応させたところ、約90分で水
素吸収が終了した。引き続き同条件下で30分間攪拌し
た後、反応を停止し、冷却した。HBPAの収率は9
4.5%であった。(測定はガスクロマトグラフィによ
る。以下同じ。)
g、2-オクタノール80g、2重量%ルテニウム担持ア
ルミナ触媒1.0gを仕込み、反応温度180℃、反応
圧40kg/cm2 で反応させたところ、約90分で水
素吸収が終了した。引き続き同条件下で30分間攪拌し
た後、反応を停止し、冷却した。HBPAの収率は9
4.5%であった。(測定はガスクロマトグラフィによ
る。以下同じ。)
【0017】実施例 2〜4 実施例1において、2-オクタノールをそれぞれ、2-ブタ
ノール、2-ヘキサノール、3-オクタノールに変えた他
は、同様な実験を行った。結果を表1に示す。
ノール、2-ヘキサノール、3-オクタノールに変えた他
は、同様な実験を行った。結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】実施例5 固定床流通式水素化反応装置の反応管に、直径約1mm
の2重量%ルテニウム担持アルミナ球約50mlを詰
め、温度140℃、水素圧力50kg/cm2 、LHS
V=1.0h-1の条件で、20重量%BPA/2-オクタ
ノール溶液を供給したところ、HBPAの収率は94.
8%であった。同条件で600時間運転を続けたが、活
性の低下は見られなかった。
の2重量%ルテニウム担持アルミナ球約50mlを詰
め、温度140℃、水素圧力50kg/cm2 、LHS
V=1.0h-1の条件で、20重量%BPA/2-オクタ
ノール溶液を供給したところ、HBPAの収率は94.
8%であった。同条件で600時間運転を続けたが、活
性の低下は見られなかった。
【0020】比較例1〜4 実施例1において、2-オクタノールをそれぞれ、1-ブタ
ノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2- プロ
パノール、1-オクタノールに変えた他は、同様な実験を
行った。結果を表2に示す。
ノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2- プロ
パノール、1-オクタノールに変えた他は、同様な実験を
行った。結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、従来法より
も短時間で水素化ビスフェノ−ル類を製造することがで
き、製造効率が著しく向上する。その際、反応条件の穏
和さ、および製品の収率は従来法と同等かまたはより優
れている。派生的な効果として、穏和な条件下で短時間
に反応が終了するため、繰り返し使用による触媒の劣化
が少なく、コスト上有利であるということが挙げられ
る。
も短時間で水素化ビスフェノ−ル類を製造することがで
き、製造効率が著しく向上する。その際、反応条件の穏
和さ、および製品の収率は従来法と同等かまたはより優
れている。派生的な効果として、穏和な条件下で短時間
に反応が終了するため、繰り返し使用による触媒の劣化
が少なく、コスト上有利であるということが挙げられ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】ルテニウム触媒および炭素数4以上の2級
アルコール溶媒の存在下、ビスフェノール類を接触水素
化することを特徴とする水素化ビスフェノ−ル類の製造
方法。 - 【請求項2】ビスフェノ−ル類がイソプロピリデンジフ
ェノールである請求項1記載の水素化ビスフェノ−ル類
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4188944A JPH069461A (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | 水素化ビスフェノ−ル類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4188944A JPH069461A (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | 水素化ビスフェノ−ル類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH069461A true JPH069461A (ja) | 1994-01-18 |
Family
ID=16232650
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4188944A Withdrawn JPH069461A (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | 水素化ビスフェノ−ル類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH069461A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100718768B1 (ko) * | 2001-03-20 | 2007-05-16 | 에스케이 주식회사 | 수소화 비스페놀-에이의 제조방법 |
CN106083529A (zh) * | 2016-06-03 | 2016-11-09 | 江苏清泉化学股份有限公司 | 一种氢化双酚a的制备方法及双酚a加氢用催化剂 |
US11834395B2 (en) * | 2021-09-15 | 2023-12-05 | Korea Kumho Petrochemical Co., Ltd. | Method for preparing hydrogenated bisphenol A |
-
1992
- 1992-06-24 JP JP4188944A patent/JPH069461A/ja not_active Withdrawn
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---|---|---|---|---|
KR100718768B1 (ko) * | 2001-03-20 | 2007-05-16 | 에스케이 주식회사 | 수소화 비스페놀-에이의 제조방법 |
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