JPH069423A - 抗腫瘍活性物質 - Google Patents

抗腫瘍活性物質

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JPH069423A
JPH069423A JP4160924A JP16092492A JPH069423A JP H069423 A JPH069423 A JP H069423A JP 4160924 A JP4160924 A JP 4160924A JP 16092492 A JP16092492 A JP 16092492A JP H069423 A JPH069423 A JP H069423A
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JP
Japan
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antitumor
residue
active substance
hot water
heated
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JP4160924A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Fujimiya
芳章 藤宮
Yasuhiro Otomo
泰裕 大友
Takuzaburou Ebina
卓三郎 海老名
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Forestry Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Forestry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗腫瘍活性物質、その製造法及びそれを有効
成分として含有する抗腫瘍剤が提供される。 【構成】 ハラタケ属に属するカワリハラタケの子実体
を加熱した85%エタノールで処理して不溶成分を除去
し、得られる残渣を熱水で抽出して可溶成分を除去し
て、再び残渣を集め、この残渣を加熱した1%蓚酸アン
モニウムで抽出し、得られる抽出物は強力な抗腫瘍活性
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗腫瘍活性物質、その
製造法及びそれを含有する抗腫瘍剤に関する。更に詳細
には、ハラタケ属に属するカワリハラタケの子実体から
得られる物質であって、該子実体を熱水で抽出して可溶
成分を除去して残渣を集め、この残渣を加熱した1%蓚
酸アンモニウムで抽出して得ることのできる抗腫瘍活性
物質、その製造法及びそれを含有する抗腫瘍剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ハラタケ属に属するカワリハラタケ(Ag
aricus blazei Murill )は別名ヒメマツタケとも呼ば
れ、主にブラジル東南部サンパウロのピエダーテの出地
に自生し、昔から住民が食用にしていたキノコの一種で
ある。近年、日本においてもカワリハラタケは栽培され
るようになり、糖尿病や高血圧の治療に利用されてき
た。
【0003】カワリハラタケから抗腫瘍活性を有する物
質を探索する研究も多く行われており、例えばカワリハ
ラタケの子実体あるいは菌子体を水性溶媒で抽出するこ
とにより抗腫瘍作用を有する多糖体が得られることが報
告されている(特開昭55−74797号公報、特開昭
64−67194号公報、特開昭64−67195号公
報、特開昭55−108292号公報など)。また、ヒ
メマツタケの子実体から抗腫瘍作用を有する核酸成分が
得られることも報告されている(特開昭64−6612
7号公報)。これらの抗腫瘍活性を有する物質は、いず
れも水性溶媒あるいは熱水に可溶な成分から採取された
ものである。
【0004】他方、特開平2−78630号公報には、
カワリハラタケ子実体の熱水抽出残渣から抗腫瘍活性を
有する蛋白多糖体が単離されたことが報告されている。
即ち、カワリハラタケ子実体を熱水抽出処理して水溶性
成分を除去し、得られる残渣を加熱した1%蓚酸アンモ
ニウム水溶液で更に抽出処理して得られる残渣から抗腫
瘍活性を有する蛋白多糖体が得られたことが報告されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した物質は、いず
れも、水性溶媒あるいは熱水に可溶な成分から得られる
ものであるか、あるいは熱水抽出残渣から得られるもの
であって加熱した1%蓚酸アンモニウム水溶液には不溶
な成分由来のものである。また、これらの物質は、固型
癌の治療用に用いるための薬物としては、いずれもその
抗腫瘍活性が十分に強いとは言い難いものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カワリハ
ラタケの子実体を加熱した85%エタノールで処理して
不溶残渣を集め、これを熱水で抽出して可溶成分を除去
して再び残渣を集め、この残渣を更に加熱した1%蓚酸
アンモニウムで抽出して得られる抽出物について抗腫瘍
活性を調べた所、固型癌に対して極めて著しい抗腫瘍活
性を示すことを見出し、本発明を完成させた。
【0007】従って、本発明は、ハラタケ属に属するカ
ワリハラタケの子実体を加熱した85%エタノールで処
理して不溶残渣を集め、これを熱水で抽出して可溶成分
を除去して再び残渣を集め、この残渣を更に加熱した1
%蓚酸アンモニウム水溶液で抽出して得ることのできる
抗腫瘍作用を有する抗腫瘍活性物質;上記の抗腫瘍活性
物質の製造法であって、 a) ハラタケ属に属するカワリハラタケの子実体を加熱
した85%エタノールで処理して、該エタノールに可溶
な成分を除去して残渣を集め; b) 該残渣を熱水で処理して、熱水に可溶な成分を除去
して残渣を集め; 次いで、c)該残渣を加熱した1%蓚酸アンモニウム水溶
液で処理して、該水溶液に可溶な成分を回収する; ことからなる上記製造法;及び、上記の抗腫瘍活性物質
を有効成分として含有する抗腫瘍剤である。
【0008】ハラタケ属に属するカワリハラタケは、既
に広く知られているが、工業技術院微生物工業研究所に
受託番号、微工研菌寄第4731号として寄託されてい
る。カワリハラタケの子実体から本発明の抗腫瘍活性物
質を得るには以下の方法が採用される。子実体は生の子
実体あるいは乾燥した子実体のいずれでもよく、通常、
生の子実体の場合には千切りにしたものが、乾燥品の場
合にはよく粉砕したものが用いられる。先ず、子実体を
加熱した例えば85%エタノールで処理して可溶な成分
を除去して残渣を集める。この場合の温度は通常80℃
程度であり、その処理時間は処理量などにもよるが通常
2時間程度である。尚、このような処理により低分子有
機化合物成分が除去される。
【0009】次いで、得られた残渣を熱水で処理して熱
水に可溶な成分を除去して、再び残渣を集める。これに
より、熱水可溶性中性及び酸性多糖類が除去される。こ
こで用いる熱水の温度は通常80〜100℃である。処
理時間は通常4〜10時間である。次いで、集めた残渣
を加熱した1%蓚酸アンモニウム水溶液で抽出し、1%
蓚酸アンモニウム水溶液に可溶な成分を回収する。1%
蓚酸アンモニウム水溶液は通常煮沸した状態にて抽出処
理を行う。かくして回収された可溶成分を集めて濃縮
し、濃縮後蓚酸アンモニウムを透析脱塩して透析内液を
凍結乾燥することによって本発明の抗腫瘍活性物質が得
られる。この抗腫瘍活性物質は、更に必要に応じて通常
の精製工程に付してもよい。
【0010】かくして得られる本発明の抗腫瘍活性物質
は、糖蛋白質と考えられ、以下に示す物理化学的性質を
有している。 (1) 色と性状 凍結乾燥品は、軽い多孔質の無味無臭の褐色粉末であ
る。 (2) 溶解性 水及びアルカリに可溶である(上記した如く、本発明の
抗腫瘍活性物質は熱水に不要な成分から得られるもので
あるが、1%蓚酸アンモニウム水溶液で抽出することに
よって水溶性を有するものに変化すると考えられる)。
有機溶媒(エタノール、酢酸エチル、クロロホルム等)
には不溶である。 (3) 溶液のpH 1%の水溶液のpHは約7.0である。 (4) 定色反応 フェノール硫酸反応で陽性を示す。本発明の抗腫瘍活性
物質は、例えば悪性黒色腫由来のMethA〔Biothera
py,3(2),557(1989);Biotherapy,4(4)915(1990); 癌と化
学療法,18(11)1812(1991)〕に対して強力な抗腫瘍作用
を示す。MethAは一般の固型癌の中でもっとも化学
療法剤に抵抗性を有することが知られたものであり、従
って本発明の物質は他の固型癌に対しても十分に有効な
ものと期待できる。
【0011】本発明の抗腫瘍活性物質は、治療に適用す
る場合には、経口投与あるいは注射による投与が採用さ
れる。経口投与の場合の剤型としては、錠剤、カプセル
剤、顆粒剤などが挙げられ、これらは通常の方法により
調製することができる。注射剤も通常用いられる注射用
ビヒクルに抗腫瘍活性物質を溶解もしくは分散させる通
常の方法によって調製することができる。本発明の抗腫
瘍活性物質の投与量は、腫瘍の種類、投与ルートなどに
よって変動するが、通常10〜1000mg/体重kg
である。
【0012】
【発明の効果】ハラタケ属に属するカワリハラタケの子
実体から、加熱した水に不溶であり且つ加熱した1%蓚
酸アンモニウム水溶液に可溶である抗腫瘍活性物質が得
られる。この物質は悪性黒色腫由来のMethAに対し
て著しい抗腫瘍作用を示し、抗腫瘍剤として有望な物質
である。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 実施例1抗腫瘍活性物質の抽出 カワリハラタケの子実体の乾燥品300gを細かく破砕
し、85%エタノール(2000ml)で80℃、2時
間で可溶な成分を除去し残渣200gを集めた。その残
渣を100℃の熱水で4時間加熱し可溶成分(フラクシ
ョンNo. 1:特開昭55−74797号公報に記載の蛋
白多糖体に相当する)を除去し、再び残渣120gを集
めた。この残渣を1%蓚酸アンモニウム水溶液2000
ml中で煮沸しこの蓚酸アンモニウムの可溶成分を集め
濃縮し、濃縮後蓚酸アンモニウムを透析脱塩して透析内
液を凍結乾燥した。この最終乾燥重量は3.2gであり
これを以後の本発明の抗腫瘍活性物質の実験に用いた。
尚、この蓚酸アンモニウムに不溶である残渣を5%Na
OH水溶液で80℃で抽出し抽出物(フラクションNo.
2:特開平2−78630号公報に記載の蛋白多糖体に
相当する)も同時に得た。
【0014】実施例2抗腫瘍活性の測定 MethA(悪性黒色腫由来)をマウス(1群4−5
匹、Balb/C、4週令)の右(1x106 )および
左下腹部(2x105 )の皮内に同時に接種し、その接
種後3日目、4日目、5日目に、実施例1で得られた本
発明の抗腫瘍活性物質、フラクションNo. 1及びNo. 2
を、それぞれ乾燥重量5mg/マウスの割合で同じ場所
の右下腹部(左下腹部には抽出物は注射しない)に、生
理食塩水に溶解させて注射した。また対照として別のマ
ウスに生理食塩水を右下腹部皮下に同じように注射し
た。腫瘍接種後21日まで右下腹部及び左下腹部の腫瘍
の大きさ(直径)および重量を一定の時期に測定し、実
施例1で得られた抽出物の効果を見た。表1には腫瘍接
種後21日目の実験結果を示す。これによれば、腫瘍の
重量は右側腫瘍に本発明の抗腫瘍活性物質を接種すれば
完全に消失するため重量0となっている。また左側腫瘍
の場合もサイズおよび重量も減少する。
【0015】
【表1】
【0016】図1には横軸に腫瘍測定観察日(日)、縦
軸には腫瘍直径(mm)を示し、(右)は右下腹部の腫
瘍サイズ、(左)は左下腹部に接種した結果を示す。
(右)ではコントロール(対照)は経時的に直径が大き
くなっていくが、本発明の抗腫瘍活性物質投与で9日目
でサイズが減少しはじめ14日目で完全に消失する。一
方(左)では左側の抽出物を接種していない側であるが
それも12日目頃からサイズが減少しはじめた。このこ
とより、本発明の抗腫瘍活性物質は、腫瘍細胞に対して
強力な直接的な抗腫瘍活性を有し、更には間接的な効果
として、宿主の免疫系を活性化して腫瘍細胞を縮少化さ
せる作用も有する。
【0017】実施例3錠剤の製造 実施例1で得られる本発明の抗腫瘍活性物質100g、
マンニトール100g及びブドウ糖100gを混合し、
通常の成形機にて錠剤化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抗腫瘍活性物質の抗腫瘍作用を示すグ
ラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハラタケ属に属するカワリハラタケの子
    実体を加熱した85%エタノールで処理して不溶残渣を
    集め、これを熱水で抽出して可溶成分を除去して再び残
    渣を集め、この残渣を更に加熱した1%蓚酸アンモニウ
    ム水溶液で抽出して得ることのできる抗腫瘍作用を有す
    る抗腫瘍活性物質。
  2. 【請求項2】 請求項1の抗腫瘍活性物質の製造法であ
    って、 a) ハラタケ属に属するカワリハラタケの子実体を加熱
    した85%エタノールで処理して、該エタノールに可溶
    な成分を除去して残渣を集め; b) 該残渣を熱水で処理して、熱水に可溶な成分を除去
    して残渣を集め; 次いで、c)該残渣を加熱した1%蓚酸アンモニウム水溶
    液で処理して、該水溶液に可溶な成分を回収する; ことからなる上記製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1の抗腫瘍活性物質を有効成分と
    して含有する抗腫瘍剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998027992A1 (fr) * 1996-12-20 1998-07-02 Sumitomo Forestry Co., Ltd. Substances actives antitumorales
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