JP3129751B2 - ブナシメジ子実体熱水抽出物 - Google Patents
ブナシメジ子実体熱水抽出物Info
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Description
シメジ子実体熱水抽出物およびその精製物に関するもの
である。
制ガン作用があることは既に知られており、特にエノキ
タケ子実体に含まれる多糖体や糖蛋白質が各種の免疫賦
活作用や発ガンの抑制作用を有することが知られている
〔例えば、日本農村医学会誌、第31巻、第4号、65
0頁(1982年)〕。しかしながら、ブナシメジ子実
体に制ガン作用を有する物質が含まれていることは知ら
れていない。
ジの抽出物について種々検討した結果、ブナシメジ子実
体に水を加え、加熱抽出して得られた熱水抽出物、さら
に同抽出物を分画、精製して得られた多糖体に制ガン作
用成分が含まれていることを見い出し本発明を完成し
た。従って本発明は、医薬として有用な制ガン作用を有
するブナシメジ子実体の熱水抽出物および同分画多糖体
を提供することを目的とする。
なる。 1.下記の物理学的特性をもち、制ガン作用を有するブ
ナシメジ子実体熱水抽出物。 (イ) 色と形態:黄褐色の粉末 (ロ) 化学成分 蛋白質含量:3〜20%;糖含量:20〜50% (ハ) 溶解性:水に可溶 2.上記のブナシメジ子実体熱水抽出物の精製物であっ
て下記の物理化学的特をもつ多糖体。 (イ) 色と形態:白色の粉末 (ロ) 化学成分 糖含量:80〜100%;主にグルコース (ハ) 13C NMRスペクトル:図1に示すとおりであ
る。 (ニ) 溶解性:水に可溶
で抽出することによって得られる。ブナシメジは、広葉
樹の枯れ木または立ち木に発生する木材腐朽菌で、近年
広く食用に供され、その生産量が増加しているきのこで
ある。本発明においては、このブナシメジの子実体を生
のまま用いる。ブナシメジ子実体に精製水を加え、撹拌
しながら数時間加熱して抽出処理し、抽出混合物を濾過
し、濾液から水を留去し、所望の熱水抽出物を得る。抽
出処理時間は通常4〜5時間程度である。さらに抽出物
を水に溶解し、エチルアルコールのような低級アルコー
ルまたはアセトンを加え沈殿させ、沈殿物を中和しダイ
アフロー膜で分子量30,000以上の分画物を得る。
この分画物に精製水を加え抽出し濾過後、濾液をイオン
交換樹脂処理し、吸着した画分は数%の水酸化ナトリウ
ム水溶液のようなアルカリ金属水酸化物水溶液で溶出
し、中和後エチルアルコールのような低級アルコールま
たはアセトンを添加し、高速遠心分離により、上清に多
糖体画分を得る。本発明のブナシメジ子実体熱水抽出物
および同分画多糖体の急性毒性は次のとおりである。 (1) 熱水抽出物 ICR雌マウス(5週令、平均体重25g)10匹に、
1,000mg/kg腹腔内投与したが死亡例は見られなっ
た。 (2) 熱水抽出物の精製多糖体 ICR雌マウス(5週令、平均体重26g)10匹に、
10mg/kg腹腔内投与したが死亡例は見られなった。
び同分画多糖体は各種の悪性腫瘍の治療に有用であり、
経口投与または非経口投与(注射)に適した有機または
無機の固体または液体の通常の製剤補助剤と混合して医
薬製剤の形態にすることができる。投与量は、使用目
的、投与形態、患者の年令、体重、症状等により異なる
が、一般に成人男子に対して1日約1〜2gを投与する
のが望ましい。次に実施例および試験例を示して本発明
をさらに具体的に説明する。
実体10kgを細切し、精製水40リットルを加え、4時
間加熱(90〜100℃)抽出し、60メッシュふるい
で濾過後、更に残渣に精製水20リットルを加え、1時
間加熱抽出し、同様に濾過し濾液を合わせ、減圧下で糖
度17まで濃縮後、凍結乾燥し、熱水抽出物146gを
得た。その性状は黄褐色の粉末であった。
ールを等容量加え沈殿させ、沈殿物に1%の水酸化ナト
リウムを加え溶解し遠心分離後、酢酸で中和しダイアフ
ロー膜(PM−30)を用い限外濾過により分子量3
0,000以上の分画物(YH)を得た。収量はブナシ
メジ8kgに対し21gであった。次にYHに精製水を加
え溶解し濾過後、濾液をDEAE−Sephadex(ホウ酸
型)を用いイオン交換樹脂処理し、吸着した画分は1%
の水酸化ナトリウムで溶出し、酢酸で中和後、3倍容量
のエチルアルコールを加え、遠心分離により上清の多糖
体画分(Y−7、収量:YHより4.4%)と沈殿物
(Y−4、収量:同0.7%)の2画分を得た。一方吸
着しない画分については、等容量のエチルアルコールを
加え、遠心分離により上清(Y−5、収量:同87%)
と沈殿物(Y−2、収量:同6.0%)の2画分を得
た。以上分画操作は表1に示すとおりである。この多糖
体の性状は白色の粉末であった。
後、実施例1で得られたブナシメジ熱水抽出物を連続1
0日間腹腔内投与または経口投与し、それぞれ腫瘍移植
後5週間目に腫瘍重量を測定し、活性検定を行った。そ
の結果、Sarcoma 180に対する抗腫瘍活性は、腹腔内
投与の場合、表2に示すように、30mgおよび100mg
/kg投与群で100%、同様に経口投与でも表3に示す
とおり、それぞれ高い腫瘍増殖阻止率を認めた。
に移植後、同抽出物を10日間腹腔内投与し、その延命
効果を調べたところ、表4に示すように対照群に比べ2
00mg/kg投与群で延命率28%とかなりの延命効果を
示すことがわかった。
0日間または20日間同抽出物を腹腔内投与した。一方
同ガン移植後の10日目に足を切断、21日目に肺を摘
出し、ガンの転移数を調べた。結果を表5に示したが、
同抽出物を20日間30mg/kg投与した群で、転移阻止
率が46%と、明らかに転移を抑制する作用が確認でき
た。
2で得られたブナシメジ熱水抽出分画物を連続10日間
腹腔内投与し、腫瘍移植後5週間目に腫瘍重量を測定
し、活性検定を行った。その結果、表6に示すように多
糖体画分Y−7は、1、3、10mg/kg投与群でいずれ
も高い腫瘍増殖阻止率を認めた。なお、Y−4画分の
1、3mg/kg、Y−2画分の10mg/kg投与群でもそれ
ぞれ高い阻止率を示した。
シメジ熱水抽出物およびその精製物はザルコーマ180
移植ガンおよびルイス肺ガンに対して強い抑制活性を示
し、毒性は非常に低いので制ガン剤として有用である。
スペクトルを示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記の物理化学的特性をもち、制ガン作
用を有するブナシメジ子実体熱水抽出物。 (イ)色と形態:黄褐色の粉末 (ロ)化学成分 蛋白質含量:3〜20%;糖含量:20〜50% (ハ)溶解性:水に可溶 - 【請求項2】 請求項1のブナシメジ熱水抽出物の精製
物であって下記の物理化学的特性をもつ多糖体。 (イ) 色と形態:白色の粉末 (ロ) 化学成分 糖含量:80〜100%;主にグルコース (ハ) 13C NMRスペクトル:図1に示すとおりであ
る。 (ニ) 溶解性:水に可溶
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---|---|---|---|
JP03065716A JP3129751B2 (ja) | 1991-01-11 | 1991-01-11 | ブナシメジ子実体熱水抽出物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP03065716A JP3129751B2 (ja) | 1991-01-11 | 1991-01-11 | ブナシメジ子実体熱水抽出物 |
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JP03065716A Expired - Lifetime JP3129751B2 (ja) | 1991-01-11 | 1991-01-11 | ブナシメジ子実体熱水抽出物 |
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Families Citing this family (5)
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JP2009510104A (ja) * | 2005-10-01 | 2009-03-12 | イーエルシー マネージメント エルエルシー | シロタモギタケ(Hypsizygusulmarius)抽出物を含んでなる組成物 |
-
1991
- 1991-01-11 JP JP03065716A patent/JP3129751B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
"Antitumor Componets Extracted from the Cultured Mycelia of Lyophyllum decastes" |
Arch.Pharm.Res.,VOL.6,NO.2,P141−142,1983,Byoung Kak Kim et al「Studies on Constituents of Korean Basidiomycetes(L)」 |
Kor.J.Pharmacogn,vol.15,no.2,p61−73,1984,Hye Ryoung Kim et al「STUDIES ON CONSTITUENTS OF THE HIGHER FUNGI OF KOREA(XLVI)」 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05306233A (ja) | 1993-11-19 |
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