JPH069358A - 日焼け止め剤 - Google Patents

日焼け止め剤

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JPH069358A
JPH069358A JP5030925A JP3092593A JPH069358A JP H069358 A JPH069358 A JP H069358A JP 5030925 A JP5030925 A JP 5030925A JP 3092593 A JP3092593 A JP 3092593A JP H069358 A JPH069358 A JP H069358A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式: [Mm n (OH)2(m+n)y+x- y/x ・zH2 O [式中、Mは2価の金属またはリチウムであり、Nは3
価の金属であり、XはOH基を介して結合した金属原子
の層の間の層間物質として存在する紫外線吸収剤陰イオ
ンを示す。]を有する層状複水酸化物を含んでなる、ヒ
トの皮膚に塗布するための日焼け止め組成物。 【効果】 紫外線からの皮膚の保護に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、日焼け止め剤、即ち、
290〜400nmの範囲の波長の紫外線を吸収可能な
化合物に関する。本発明はさらに、日焼け止め剤を配合
したヒトの皮膚に適用するための日焼け止め組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般的に言えば、高層大気を通り抜けて
地表に達する有害な紫外(UV)線、特に日光から生じ
た紫外線は次のように分類され得る: i.真皮の真上で吸収され、紅斑及び皮膚の色素沈着の
原因となる、皮膚に対して強力な生理病理学的活性を有
する富エネルギーUV−B線(波長290〜320n
m);並びに ii.そのエネルギーは非常に低く、引き起こす光生物
学的作用は自然では非常に長期に及び、例えば皮膚の老
化を促す、皮膚の深層(真皮まで及びそれ以上)にまで
透過するUV−A線(波長320〜400nm)。
【0003】日焼け止め組成物はUV−A及びUV−B
線の両方に対する保護を提供することが望ましいが、U
V−A照射に起因する長期光生物学的作用を防止するた
めにUV−A線に対する保護が特に望ましい。
【0004】天然鉱物性ヒドロタルサイトは、層状(l
ayerd)複水酸化物として時折公知の種類の物質の
一例であって、一般式:
【0005】
【化3】
【0006】を有する。
【0007】上記式中、Nは1つ又はそれ以上の3価の
金属イオンである。Mは1つ又はそれ以上の2価の金属
イオンであるかあるいは1価のリチウムである。
【0008】Mが2価の場合にはy=nであり、Mが1
価の場合にはy=n−mである。Xは陰イオンの1つ又
は混合物である。
【0009】これらの物質中で、金属イオンは、金属イ
オンがOH基を介して一緒に結合している層中に存在す
る。陰イオンXは金属イオンの層の間の中間層に位置す
る。x- は陰イオン上の電荷であり、y+ は混合金属ヒ
ドロキシ陽イオン上の電荷である。
【0010】層状複水酸化物は、Meyn et a
l.,Inorganic Chemistry,29
5201(1990)及びMiyata,Clays
and Clay Minerals,31,305
(1983)を含めた多数の文献に記載されている。こ
れらの文献を参照すると、陰イオンXが他の陰イオンと
交換され得ることがこれらの複水酸化物の特性であるこ
とが判る。天然ヒドロタルサイトそれ自体においては、
中間層陰イオンは炭酸塩である。今までに合成された多
数の複水酸化物においては、中間層陰イオンは無機であ
るが、種々の脂肪族及び芳香族カルボキシレートを含め
た有機陰イオンの混入についてもいくつかの開示があ
る。Meyn等(上記参照)は、金属が亜鉛/アルミニ
ウム、亜鉛/クロム又はリチウム/アルミニウムである
場合、中間層陰イオンとしてナフタレン−1−スルホネ
ート、サリチレート及びいくつかの他の有機物質を混入
することを開示している。Chibwa,ケンブリッジ
大学のPhD論文(1989)は、中間層陰イオンとし
てクロロシンナメートの混入を開示している。
【0011】層状複水酸化物の種々の応用が、特に化学
触媒としての使用を含めて、科学文献に示されている。
【0012】広義には、本発明は、日焼け止め剤として
使用される、中間層陰イオンの少なくともいくつかが2
90〜400nmの範囲の紫外線を吸収する層状複水酸
化物を提供する。
【0013】第一の態様において、本発明は、式:
【0014】
【化4】
【0015】(式中、Nは3価の金属イオンの1つ又は
混合物であり、Mは2価の金属イオンの1つ又は混合物
であるかあるいはリチウムであって、Mが2価の場合に
はy=nであり、Mがリチウムの場合にはy=(n−
m)であり、Xはその少なくともいくつかが290〜4
00nmの範囲の波長の少なくとも一部で紫外線吸収を
示す中間層陰イオンを表す)の層状複水酸化物を配合し
た化粧品的に許容可能なビヒクルを含むヒトの皮膚に適
用するための日焼け止め組成物を提供する。
【0016】第二の態様において、本発明は、日焼け止
め剤としての上記した層状複水酸化物の使用を提供す
る。
【0017】第三の態様は、本発明は、陰イオンXの大
部分がクロロシンナメート、サリチレート又はナフタレ
ン−1−スルホネートである公知の物質を除く、上記し
た層状複水酸化物を提供する。
【0018】本発明のある好ましい形態は、層状複水酸
化物に混入したときにその混入前に当該陰イオンが示す
UV−A吸収に比して高いUV−A吸収を示す中間層陰
イオンを含む層状複水酸化物に関する。
【0019】本発明において、3価金属は、アルミニウ
ム、クロム、鉄、ニッケル、マンガン及びスカンジウム
のうちの1つ又はそれ以上である。
【0020】2価金属は、マグネシウム、亜鉛、カルシ
ウム、コバルト、ニッケル、銅、マンガン及び鉄のうち
の1つ又はそれ以上である。
【0021】考えられ得るイオンのリストから判るよう
に、遷移金属のニッケル、マンガン及び鉄は2価又は3
価の状態をとり得る。これらの金属の少なくともいくつ
かは同一物質中に2価イオンと3価イオンとを提供する
ことができる。
【0022】層状複水酸化物において、1価又は2価イ
オン対3価イオンの比率は、m/n比で示される。本発
明で用いる層状複水酸化物の金属イオンMが2価の場合
には、m/n比は好ましくは1〜5の範囲である。1価
イオンMの場合には、m/nは好ましくは0.33〜
0.5の範囲である。
【0023】zの値は、一般的にはmとnの和の0〜1
0倍、さらに好ましくは0〜2倍の範囲である。これは
次のように表され得る:
【0024】
【数1】
【0025】さらに好ましくは
【0026】
【数2】
【0027】概して、紫外線吸収性陰イオンは290〜
400nmの所定の範囲の少なくとも一部でかなり強力
な吸収を示すのが望ましい。これは、酸形態又は単純ア
ルカリ金属もしくはアンモニウム塩の陰イオンが、29
0〜400nmの所定の波長範囲の少なくとも一部で少
なくとも2×103 、好ましくは3×103 、さらに好
ましくは少なくとも5×103 、もっと好ましくは8×
103 のモル吸光係数の吸収を示すという要件として明
記される。
【0028】このような陰イオンを層状複水酸化物中に
中間層陰イオンとして混入した場合、その紫外線吸収は
概してほとんど変わらずに保持されるということが判明
した。
【0029】しかし、本発明のある好ましい態様におい
て、使用する陰イオンは、層状複水酸化物に混入した場
合にその混入前に当該陰イオンが示したUV−A吸収に
比して高いUV−A吸収を示す陰イオンである。したが
って、本発明の好ましい態様においては、UV−A防止
の増強は、複水酸化物中に特定の陰イオン(さらに詳し
く後述する)を混入することにより得られる。
【0030】有効な紫外線吸収は、その最大値が所定の
範囲外である吸収帯により提供される。例えば、p−メ
トキシシンナメートイオンは285nmで吸収最大を示
すが、その吸収帯は290nm〜少なくとも約320n
mまでの範囲に亘って強力な吸収を提供するのに十分な
広さである。
【0031】260〜360nmの範囲で最大値を有す
る吸収帯により290〜400nmの範囲の吸収が提供
される場合もしばしばある。
【0032】好ましい陰イオンは、400〜700nm
の可視帯、特に450nm以上、、とりわけ450又は
500〜650nmの部分で強い吸収を示さない。この
ような範囲における吸収の吸光係数は、好ましくは当該
範囲を通じて5×102 以下である。
【0033】ある物質のモル吸光係数は通常溶液中で測
定され、次式:
【0034】
【数3】
【0035】[式中、Iは試料を透過した放射線の強度
であり、I0 は同一溶媒で構成されるが被験の物質を含
有しない参考サンプルを透過した放射線の強度であり、
cはモル濃度(mol/リットル)であり、そしてlは
溶液中の路長(cm)である]で示される。
【0036】紫外線を吸収する中間層陰イオンXの割合
はかなり少なくてもよく、例えば存在する全中間層陰イ
オンの5モル%であり得るが、存在する中間層陰イオン
の大部分のように多くてもよく、100%までというこ
とさえある。
【0037】紫外線を吸収する中間層陰イオンは、下記
のもののうちの1つ又はそれ以上である: パラアミノベンズイミダゾール−5−スルホネート 3−イミダゾール−4−イルアクリレート サリチレート p−メトキシシンナメート 2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニル
アクリレート 3,3,5−トリメチルシクロヘキシル−2−アセトア
ミドベンゾエート シンナメート p−アミノベンゾエート 3,4−ジメトキシフェニルグリオキシレート α−(2−オキソボルン−3−イリデン)−p−キシレ
ン−2−スルホネート α−(2−オキソボルン−3−イリデン)トルエン−4
−スルホネート α−シアノ−4−メトキシシンナメート 2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホネート。
【0038】これらの陰イオンは、遊離状態で290〜
400nmの範囲の波長で吸収を示すことが公知であ
る。それらはすべて、日焼け止め剤として用いるのに許
容可能な物質とみなされる。
【0039】上記したように、これらの陰イオンを層状
複水酸化物中に中間層陰イオンとして混入すると、紫外
線を吸収するその能力は保持されることが判明した。ほ
とんどの場合、上記の陰イオンを層状複水酸化物中に混
入した場合、紫外線吸収スペクトルの変化は無視できる
程度である。
【0040】本発明の目的に適した別の群の有機物質
は、分子中にフェノール性陽子又は他の弱酸性陽子を混
入することにより弱酸官能価を含有するものである。こ
の陽子を除去すると層状複水酸化物中に混入可能な陰イ
オンを生成し得るということも判明した。このような化
合物に由来する陰イオンは親化合物とは明らかに異なる
吸収スペクトルを有するが、これらの陰イオンは層状複
水酸化物中に混入すると、290〜400nm(UV−
A領域)の光の有意な吸収を示す。事実、本発明の好ま
しい態様においては、層状複水酸化物の非存在下で親化
合物の使用により得られるものより高いUV−A防止が
得られるように層状複水酸化物中に混入した場合に、こ
れらの陰イオンが上記したスペクトルを示すという効果
が認められている。
【0041】このようなフェノール系化合物の重要な群
としては、ヒドロキシル化ベンゾフェノン誘導体が挙げ
られる。弱酸性エノール形態で存在し得るある種のジケ
トン化合物を配合してもよい。本発明の好ましい態様に
用いられる陰イオンが得られる化合物として、CTFA
名と化学名で示す物質を非限定的に例示する: CTFA名 化学名 ベンゾフェノン−1 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン ベンゾフェノン−2 2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン ベンゾフェノン−3 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン ベンゾフェノン−4 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−ス ルホン酸 ベンゾフェノン−5 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−ス ルホン酸;一ナトリウム塩 ベンゾフェノン−6 2,2′−シ゛ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベン ゾフェノン ベンゾフェノン−7 5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン ベンゾフェノン−8 2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン ベンゾフェノン−9 2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾ フェノン−3,3′−ジスルホン酸;二ナトリウム塩 ベンゾフェノン−10 2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4′−メチルベンゾフ ェノン ベンゾフェノン−12 2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン ホモサレート ホモメンチルサリチレート オクチルサリチレート 2−エチルヘキシルサリチレート いくつかの商品名及び供給元を以下に示す: CTFA名 商品名 供給元 ベンゾフェノン−1 UVINUL 400 BASF Chemical Co. ベンゾフェノン−2 UVINUL D-50 BASF Chemical Co. ベンゾフェノン−3 UVINUL M-40 BASF Chemical Co. ベンゾフェノン−4 UVINUL MS-40 BASF Chemical Co. ベンゾフェノン−5 Quest ベンゾフェノン−6 UVINUL D-49 BASF Chemical Co. ベンゾフェノン−7 Quest ベンゾフェノン−8 SPECTRA-SORB UV-24 American Cyanamide ベンゾフェノン−10 UVISTAT 2211 Ward Blenkinsop ベンゾフェノン−12 CYASORB UV531 American Cyanamide ホモサレート KEMESTER HMS Hunko Chemical オクチルサリチレート SUNARONE WMO Felton Worldwide。
【0042】中間層陰イオンを提供し得る別の化合物と
しては、Givaudan Corp.からPARSO
L 1789として販売されているブチルメトキシジベ
ンゾイルメタンが挙げられる。
【0043】置換1,3−ジケトン(系統名 1−(4
−メトキシ−5−ベンゾフラニル)−3−フェニル−
1,3−プロパンジオン)であるPongomolから
得られる陰イオン種も本発明のこの形態に含まれる。そ
れは、250〜500nmの範囲内で紫外線吸収帯、並
びに5,000〜70,000の吸光係数を有する。ジ
ケトンは、米国特許第5,152,983号に詳細に記
載されており、その記載内容は参照により本明細書中に
含めるものとする。
【0044】これらの物質のうち、ベンゾフェノン−4
及びベンゾフェノン−9はスルホン酸基により付与され
る強酸官能価とフェノール性陽子により付与される弱酸
官能価とを有する。これらの物質(及びベンゾフェノン
−4の一ナトリウム塩であるベンゾフェノン−5)に関
しては、その物質の多形態の陰イオンが生成され、層状
複水酸化物中に混入され得る。したがって、例えばベン
ゾフェノン−4を用いると、一及び二陰イオンの両方が
層状複水酸化物中に混入される。層状複水酸化物中に混
入されるこの物質の一陰イオン及び二陰イオン形態、並
びにその任意の組み合わせは日焼け止め剤として有用で
あって、本発明の範囲内であると考えられる。
【0045】層状複水酸化物は、水及びその他の溶媒に
不溶である。しかしながら、それらは水を含めた溶媒中
に分散液として懸濁し得る。したがって本発明の日焼け
止め組成物は、ビヒクル中に分散された、紫外線吸収性
中間層陰イオンを有する層状複水酸化物を含む。好まし
くはビヒクルは水性であって、この中に層状複水酸化物
を懸濁する。使用に関しては、本組成物を皮膚に擦り込
んで、次に、ビヒクル中に含有される任意の揮発性有機
化合物と一緒に水を蒸発させる。これにより、皮膚上に
沈着物として層状複水酸化物が残留する。物質の層構造
は、皮膚上に連続層として物質を沈着させるのを助け
る。
【0046】水性ビヒクルは、その乳濁液中に懸濁され
る層状複水酸化物を含む水中油型乳濁液である。多数の
層状複水酸化物はこのような乳濁液の水性相に懸濁され
るが、いくつかのものは疎水性であって、油相に懸濁す
る。
【0047】層状複水酸化物は不溶性物質であり、且つ
分子サイズが慣用の日焼け止め剤である有機化合物のサ
イズに比して大きい高分子である。
【0048】これらの特性は有利である。その大きな分
子サイズ及び/又はその不溶性により、層状複水酸化物
は一旦皮膚に沈着されると、皮膚に浸透する傾向も皮膚
表面上を移動する傾向も示さない。(皮膚を通って体内
に浸透したり、眼のような敏感な領域に移動すること
は、水溶性日焼け止め剤を用いたときに起り得る危険で
ある。)本発明の物質は不溶性であるため使用者が水泳
中も溶け出さないことも利点の1つである。
【0049】紫外線吸収性有機中間層陰イオンは水性溶
液中で塩化物イオンとイオン交換する傾向がないことが
判明し、これはこれらの陰イオンが海水と接触した際に
イオン交換により浸出しないことを示している。
【0050】本発明の層状複水酸化物を含有する日焼け
止め組成物は、層状複水酸化物を水性ビヒクル(その最
も簡単なものは水である)に添加し、次いで混合して懸
濁液を生成することにより調製し得る。層状複水酸化物
は自己増粘性及び自己懸濁性を有しており、水に分散さ
れた層状複水酸化物が粘度を高め、自動的に懸濁液中の
固体の保持を助長する。
【0051】本発明の日焼け止め組成物は、0.05〜
50重量%、さらに好ましくは0.1〜30重量%、も
っと好ましくは2〜20重量%の層状複水酸化物を含有
する。もちろん、含有量は達成される紫外線吸収の量に
影響を及ぼす。したがって、紫外線照射を高度に防止す
るための日焼け止め組成物に対しては、上限に近い量を
用いる。
【0052】その他の物質を本発明の日焼け止め組成物
中に含有してもよい。別の日焼け止め剤を混入すること
も本発明の範囲内である。考えられるものとしては、非
イオン性有機日焼け止め剤、微細二酸化チタンのような
無機日焼け止め剤、及び有機ポリマーの粒子が挙げられ
る。
【0053】日焼け止め組成物中に含有し得るその他の
物質としては、皮膚緩和油、湿潤剤及び平滑性を増強す
るための液体、特にシリコーン油が挙げられる。任意に
存在させる微量成分としては、香料及び防腐剤が挙げら
れる。
【0054】紫外線吸収性中間層陰イオンを混入した層
状複水酸化物の調製は、一般に2段階で実施する:第一
段階はいくつかのその他の陰イオンを有する層状複水酸
化物の調製であり、第二段階は少なくともいくつかの陰
イオンを紫外線吸収性陰イオンに置換するためのイオン
交換である。
【0055】層状複水酸化物の調製に関しては文献に多
数の方法が開示されている。好ましくは高温で、ある金
属の酸化物の懸濁液を別の金属の可溶性塩、特に硝酸
塩、塩化物又は硫酸塩で処理し、その後固体を濾別する
とよいことが判明した。
【0056】層状複水酸化物は、存在する元素に関する
化学分析により及びX線回析によって確認し得る。
【0057】紫外線吸収性中間層陰イオンを導入するた
めのイオン交換は、導入したい陰イオンの水性溶液中に
層状複水酸化物を懸濁することにより実施し得る。その
工程は、反応速度を増大するために高温で実施する。次
に層状複水酸化物を濾別する。それは、層状複水酸化物
の水性懸濁液に関して実施した化学分析及び紫外線分光
分析法によって特徴付けられる。
【0058】異なる陰イオンは、層状複水酸化物の中間
層部位に対して異なる親和性を有する。有機陰イオンは
硫酸塩、塩化物及び硝酸塩陰イオンと置換し得、よって
それらをイオン交換により層状複水酸化物中に混入させ
得ることが判明した。これに対して、炭酸塩イオンは有
機陰イオン及び上記の無機陰イオンと置換する。したが
って、中間層陰イオンとして炭酸塩を有する層状複水酸
化物は、イオン交換による本発明の日焼け止め剤の調製
のための出発物質として選択すべきでない。
【0059】しかしながら、炭酸塩形態の層状複水酸化
物は、望ましい紫外線吸収種が塩としてよりむしろその
酸(水素イオン)形態で用いられる場合に、出発物質と
して用い得る。この場合、炭酸塩陰イオンは、イオン交
換によるよりむしろ分解反応により置換される。
【0060】
【実施例】実施例1: ヒドロキシ硝酸アルミニウムマグネシウムの調製 1リットル容量のねじ蓋付ポリプロピレンびんに加えた
250mlの蒸留水に46.8gの酸化マグネシウムを
懸濁させた。145.1gの水和硝酸アルミニウム(A
l(NO3 3 ・9H2 O)を500mlの蒸留水に溶
解させ、その結果できた溶液を、撹拌しながら上記の酸
化マグネシウム懸濁液に加えた。びんの蓋をして2分間
激しく振盪した後、90℃に加熱したサーモスタット付
きオーブンに5日間保持した。この後、固形物を濾別
し、水で入念に洗浄した後凍結乾燥した。この乾燥物
を、飽和塩化ナトリウム溶液を入れたデシケーター中に
保持することにより最終的に水蒸気で平衡化した。
【0061】この物質の化学組成を分析により決定し
た。結果は次のとおりである: Mg/Alのモル比 =2.0、 %MgO+Al2 3 =49.8、 %H2 O(脱ヒドロキシル化により生じる)=16.7、 %NO3 =23.2。
【0062】これはMg4 Al2 (OH)12(NO3
2 の無水物の一般式と一致する。
【0063】水和物のX線回折パターンは、 i)存在する唯一の結晶物はハイドロタルク石に類似し
た層状複水酸化物(layered double h
ydroxide)であり、1.48A及び1.51A
(以下Aは「オングストローム」を示す)に、特徴的な
線間隔(linespacings)が存在すること、 ii)この層間硝酸塩含有物質に特徴的である8.8A
に主要な回折線(major line)があることを
示した。
【0064】この物質を2×10-2g/kg濃度で水に
懸濁させた懸濁液のuvスペクトルを250nmから5
00nmの範囲(当然多少は可視範囲に及ぶ)に亙って
測定した結果、吸収帯を示さなかった。
【0065】実施例2: イオン交換によるケイ皮酸陰イオンのヒドロキシ硝酸ア
ルミニウムマグネシウム中への導入 13.47gのケイ皮酸を150mlの水に溶解/懸濁
させた。5.1gの水酸化カリウムを50mlの水に溶
解させた後、これを上記の懸濁液に加え清澄溶液を得
た。この溶液を、250ml容量のポリプロピレン製ね
じ蓋付びんに入れた、実施例1で調製した如き硝酸塩型
の層状複水酸化物25gに加えた。びんに蓋をし、2分
間振盪した後、90℃で2時間加熱した。固形物を濾別
し、温水で洗浄した後凍結乾燥した。この生成物を、飽
和塩化ナトリウム溶液を入れたデシケーター中に保持す
ることにより最終的に水蒸気で平衡化した。
【0066】得られた物質の化学組成を分析により決定
した。結果は次のとおりである: %MgO+Al2 3 =40.4、 %C =23.0。
【0067】これはMg4 Al2 (OH)12(cin)
1.4 (NO3 0.6 (ここでcin=ケイ皮酸イオン
(cinnamate)である)の無水物の一般式と一
致する。
【0068】X線回折パターンは、 i)存在する唯一の結晶物は層状複水酸化物であるこ
と、 ii)出発物質には存在しなかった16.9Aに主要な
回折線があることを示した。
【0069】この物質を1.6×10-2g/kg濃度で
水に懸濁させた懸濁液のuvスペクトルを250nmか
ら500nmの範囲に亙って測定した結果、268nm
に中心を持つ単一のピークを示した。又、ケイ皮酸ナト
リウム及びケイ皮酸の溶液もこの波長に接近した単一の
ピークを示した。
【0070】実施例3:ケイ皮酸及び水酸化カリウムの
量を2倍にし(ケイ皮酸26.94g、水酸化カリウム
10.2g)、反応時間を18時間に増やしたことを除
いては、実施例2と同様の手法を繰り返した。
【0071】この物質の化学組成を分析により決定し
た。結果は次のとおりである: %MgO+Al2 3 =36.29、 %C =27.34。
【0072】これはMg4 Al2 (OH)12(cin)
1.84(NO3 0.16(ここでcin=ケイ皮酸イオンで
ある)の無水物の一般式と一致する。
【0073】この実施例は、斯く、増加量のケイ皮酸イ
オンをイオン交換によって導入できることを示してい
る。
【0074】実施例4: イオン交換によるp−メトキシケイ皮酸イオンのヒドロ
キシ硝酸アルミニウムマグネシウム中への導入 ケイ皮酸を32.36gのp−メトキシケイ皮酸に置き
換えたことを除いては実施例3と同様の手法を繰り返し
た。
【0075】得られた物質の化学組成を分析により決定
した。結果は次のとおりである: %MgO+Al2 3 =33.51、 %C =29.05。
【0076】これはMg4 Al2 (OH)12(mci
n)1.90(NO3 0.10(ここでmcin=p−メトキ
シケイ皮酸イオン(p−methoxy cinnam
ate)である)の無水物の一般式と一致する。
【0077】X線回折パターンは、 i)存在する唯一の結晶物は層状複水酸化物であるこ
と、 ii)出発物質には存在しなかった18.2Aに主要な
回折線があることを示した。
【0078】この物質を2.5×10-2g/kg濃度で
水に懸濁させた懸濁液のuvスペクトルを250nmか
ら500nmの範囲に亙って測定した結果、285nm
に中心を持つ幅広のピークを示した。
【0079】実施例5: イオン交換による2−フェニルベンズイミダゾール−5
−スルホン酸イオンのヒドロキシ硝酸アルミニウムマグ
ネシウム中への導入 ケイ皮酸を24.9gの2−フェニルベンズイミダゾー
ル−5−スルホン酸に置き換え、水酸化カリウムを3.
6gの水酸化ナトリウムに置き換えたことを除いては実
施例2と同様の手法を繰り返した。
【0080】得られた物質の化学組成を分析により決定
した。結果は次のとおりである: %MgO+Al2 3 =35.47、 %C =23.98。
【0081】これはMg4 Al2 (OH)12(pbs)
1.14(NO3 0.86(ここでpbs=2−フェニルベン
ズイミダゾール−5−スルホン酸イオン(2−phen
ylbenzimidazole−5−sulphon
ate)である)の無水物の一般式と一致する。
【0082】X線回折パターンは、 i)存在する唯一の結晶物は層状複水酸化物であるこ
と、 ii)出発物質には存在しなかった22Aに主要な回折
線があることを示した。
【0083】この物質を2.5×10-2g/kg濃度で
水に懸濁させた懸濁液のuvスペクトルを250nmか
ら500nmの範囲に亙って測定した結果、304nm
に最大吸収を持つ幅広のピークを示した。又、2−フェ
ニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム及
び2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸溶
液も同様のピークを示した。
【0084】実施例6:反応時間を2時間から18時間
に増やしたことを除いては、実施例5と同様の手法を繰
り返した。
【0085】得られた物質の化学組成を分析により決定
した。結果は次のとおりである: %MgO+Al2 3 =27.92、 %C =28.08。
【0086】これはMg4 Al2 (OH)12(pbs)
1.70(NO3 0.30(ここでpbs=2−フェニルベン
ズイミダゾール−5−スルホン酸イオンである)の無水
物の一般式と一致する。
【0087】実施例7:2−フェニルベンズイミダゾー
ル−5−スルホン酸及び水酸化ナトリウムの量を2倍に
したことを除いては、実施例6と同様の手法を繰り返し
た。
【0088】得られた物質の化学組成を分析により決定
した。結果は次のとおりである: %MgO+Al2 3 =27.63、 %C =29.21。
【0089】これはMg4 Al2 (OH)12(pbs)
1.78(NO3 0.22(ここでpbs=2−フェニルベン
ズイミダゾール−5−スルホン酸イオンである)の無水
物の一般式と一致する。
【0090】実施例8: イオン交換によるベンゾフェノン−4のヒドロキシ硝酸
アルミニウムマグネシウム中への導入 7.41gの2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン−5−スルホン酸(ベンゾフェノン−4)を150
mlの水に溶解させた。1.35gの水酸化カリウムを
50mlの水に溶解させ、これらの2種類の溶液を混合
した。この溶液を、250ml容量のネジ蓋付きポリプ
ロピレンびんに入れた、実施例1で得たヒドロキシ硝酸
アルミニウムマグネシウム6.25gに加えた。びんに
蓋をして2分間振盪した後、90℃で2時間加熱した。
固形物を濾別し、新しく調製した上記と同じ2−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸及
び水酸化カリウム溶液と接触させた。この混合液を90
℃で18時間加熱した。しかる後、固形物を濾別し、温
水で洗浄し、凍結乾燥した。この物質を、飽和塩化ナト
リウム溶液を入れたデシケーター中に保持することによ
り最終的に水蒸気で平衡化した。
【0091】得られた物質の化学組成を分析により決定
した。結果は、次のとおりであった: %MgO+Al2 3 =34.57、 %C =25.42。
【0092】赤外線分光は、この物質中に残存硝酸塩が
存在しないことを示した。これはMg4 Al2 (OH)
12(Benz)1.16(ここでBenzは2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸の陰イ
オン、即ちベンゾフェノン−4の陰イオンである)の無
水物の一般式と一致する。
【0093】ベンゾフェノン−4陰イオンは、一部は一
価のイオン種として、また一部は二価のイオン種として
構造式中に存在すると考えられる。
【0094】X線回折パターンは、 i)存在する唯一の結晶物は層状複水酸化物であるこ
と、 ii)出発物質には存在しなかった20A及び13.4
Aに主要な回折線があることを示した。(20A線は主
に一価のイオン種を含む層に相当し、13.4A線は二
価のイオン種を含む層に相当する)。
【0095】この物質を5×10-2g/kg濃度で水に
懸濁させた懸濁液の、250nmから500nmの範囲
に亙って測定したuvスペクトルは、約250、28
5、320及び365nmに中心をもつピークを有する
幅広い吸収帯を有する。
【0096】実施例9: イオン交換によるベンゾフェノン−4のヒドロキシ硝酸
アルミニウムマグネシウム中への導入 28gのベンゾフェノン−4及び7.2gの水酸化ナト
リウムを200mlの蒸留水に溶解させ、鮮黄色の溶液
を得た。この溶液を、250ml容量のネジ蓋付きポリ
プロピレンびんに入れた、実施例1で調製した如き硝酸
塩型の層状複水酸化物25gに加えた。びんに蓋をして
2分間振盪した後、90℃で2時間加熱した。固形物を
濾別し、温水で洗浄した後、凍結乾燥した。この生成物
を、飽和塩化ナトリウム溶液を入れたデシケーター中に
24時間保持することにより最終的に水蒸気で平衡化し
た。
【0097】得られた物質の化学組成を分析により決定
した。結果は、次のとおりであった: %MgO+Al2 3 =40.47、 %C =20.90、 %N =0.82。
【0098】これはMg4 Al2 (OH)12(Ben
z)0.81(NO3 )0.38(ここでBenzはベンゾフェ
ノン−4の陰イオンである)の無水物の一般式と一致す
る。
【0099】X線回折パターンは、 i)存在する唯一の結晶物は層状複水酸化物であるこ
と、 ii)出発物質には存在しなかった13.3Aに主要な
回折線があることを示した。(これは二価の陰イオンの
ベンゾフェノン−4を主として含む層に相当する)。
【0100】この物質を4×10-2g/kg濃度で水に
懸濁させた懸濁液の、250nmから500nmの範囲
に亙って測定したuvスペクトルは、約250、285
及び365nmに中心をもつピークを有する幅広い吸収
帯を有する。
【0101】実施例10: イオン交換によるベンゾフェノン−4のヒドロキシ塩化
アルミニウムマグネシウム中への導入 ヒドロキシ塩化アルミニウムマグネシウム(掘削泥水添
加物XUS50165.04L)の試料をDow Ch
emical Companyから入手した。この物質
は、欧州特許出願公開第207810号及び対応の米国
特許第4664843号、第4790954号及び第5
094778号に記載される種類のものである。この物
質のX線回折分析は、主要な結晶相が7.8Aの基礎間
隔を有する層状複水酸化物であることを示した。
【0102】4.95gのベンゾフェノン−4及び1.
29gの水酸化ナトリウムを40mlの蒸留水に溶解さ
せ、鮮黄色の溶液を得た。この溶液を、250ml容量
のネジ蓋付きポリプロピレンびんに入れた、上記のDO
W社の原料10gに加えた。びんにをして2分間振盪し
た後、90℃で2時間加熱した。固形物を濾別し、温水
で洗浄した後、凍結乾燥した。この生成物を、飽和塩化
ナトリウム溶液を入れたデシケーター中に24時間保持
することにより最終的に水蒸気で平衡化した。
【0103】得られた物質の化学組成を化学分析により
決定した。結果は、次のとおりであった: %MgO+Al2 3 =46.63、 %C =18.01。
【0104】これはMg4 Al4 (OH)16(Ben
z)0.8 (Cl,OH)0.4 の無水物の一般式と一致す
る。
【0105】X線回折パターンは、 i)存在する主要な結晶相は層状複水酸化物であるこ
と、 ii)出発物質には存在しなかった13.8Aに主要な
回折線があることを示した。
【0106】実施例11: イオン交換によるベンゾフェノン−3のヒドロキシ硝酸
アルミニウムマグネシウム中への導入 4.5gのNaOH及び17.1gのベンゾフェノン−
3を350mlの脱イオン水に溶解させた。しかる後、
この溶液を、実質的に実施例1で述べた如く調製したヒ
ドロキシ硝酸アルミニウムマグネシウム14.1gを有
するびんに加えた。この混合液を振盪し、室温で18時
間静置した。得られた黄色固形物を中位の多孔度のフリ
ット漏斗中、80℃で1500mlのエタノール続いて
1000mlの水で洗浄した。得られた固形物を濾過及
び凍結乾燥し、自由流動性の乾燥黄色粉末固形物を得
た。
【0107】この物質の化学組成を化学分析により決定
した。結果は次の通りである: %MgO+Al2 3 =54.5、 %C =5.25。
【0108】これはMg4 Al2 (OH)12(Bz3)
0.15(NO3 0.49(OH)1.36(ここでBz3はベン
ゾフェノン−3から誘導される陰イオンである)の無水
物の一般式と一致する。
【0109】X線回折データは、 i)存在する唯一の結晶物質は層状複水酸化物であるこ
と、 ii)出発物質には存在しなかった11.8Aに主要な
回折線があることを示した。
【0110】実施例12: イオン交換によるベンゾフェノン−3のヒドロキシ硝酸
アルミニウムマグネシウム中への導入 8.6gのベンゾフェノン−3を50mlのエタノール
に溶解させ、これを、50mlの蒸留水に溶解した1.
5gの水酸化ナトリウムに加え、黄色溶液を得た。この
溶液を、250ml容量のネジ蓋付きポリプロピレンび
んに入れた、実施例1と同様に調製した硝酸塩型の層状
複水酸化物10gに加えた。びんに蓋をして2分間振盪
し、90℃で20分間加熱した後、室温で穏やかに3時
間撹拌した。固形物を濾別した後、エタノール次に熱水
で繰り返し洗浄した。固形生成物を凍結乾燥し、水蒸気
で平衡化した。
【0111】得られた物質の化学組成を化学分析により
決定した。結果は、次のとおりであった: %MgO+Al2 3 =47.47、 %C =12.45、 %N =1.35。
【0112】これはMg4 Al2 (OH)12(Bz3)
0.41(NO3 0.53(OH)1.06(ここでBz3はベン
ゾフェノン−3から誘導される陰イオンである)の無水
物の一般式と一致する。
【0113】X線回折パターンは、 i)存在する唯一の結晶物質は層状複水酸化物であるこ
と、 ii)出発物質には存在しなかった、ベンゾフェノン−
3交換物質の特徴である11.5Aに主要な回折線があ
ることを示した。
【0114】実施例13: イオン交換によるベンゾフェノン−8のヒドロキシ硝酸
アルミニウムマグネシウム中への導入 9.2gのベンゾフェノン−8を50mlのエタノール
に溶解させ、これを、50mlの蒸留水に溶解した1.
5gの水酸化ナトリウムに加え、濃オレンジ色の溶液を
得た。この溶液を、250ml容量のネジ蓋付きポリプ
ロピレンびんに入れた、実施例1と同様に調製した硝酸
塩型の層状複水酸化物10gに加えた。びんに蓋をして
2分間振盪し、90℃で1時間加熱した後、室温で穏や
かに2時間撹拌した。固形物を濾別した後、エタノール
次に熱水で繰り返し洗浄した。固形生成物を凍結乾燥
し、水蒸気で平衡化した。
【0115】得られた物質の化学組成を化学分析により
決定した。結果は、次のとおりであった: %MgO+Al2 3 =48.67、 %C =9.42、 %N =1.64。
【0116】これはMg4 Al2 (OH)12(Bz8)
0.3 (NO3 )0.63(OH)1.07(ここでBz8はベン
ゾフェノン−8から誘導される陰イオンである)の無水
物の一般式と一致する。
【0117】X線回折パターンは、 i)存在する唯一の結晶物質は層状複水酸化物であるこ
と、 ii)出発物質には存在しなかった、ベンゾフェノン−
8交換物質の特徴である17.0Aに主要な回折線があ
ることを示した。
【0118】実施例14: イオン交換によるブチルメトキシジベンゾイルメタン
(Parsol 1789)のヒドロキシ硝酸アルミニ
ウムマグネシウム中への導入 11.62gのParsol 1789を1:1(重量
による)の蒸留水−エタノール混合液100mlに懸濁
させ、これを、50mlの蒸留水に溶解した1.5gの
水酸化ナトリウムに加え、鮮黄色溶液/懸濁液を得た。
これを、250ml容量のネジ蓋付きポリプロピレンび
んに入れた、実施例1で得た硝酸塩型の層状複水酸化物
10gに加えた。びんに蓋をして2分間振盪し、90℃
で6時間加熱した。固形物を濾別した後、アセトン次に
熱水で繰り返し洗浄した。固形生成物を凍結乾燥し、水
蒸気で平衡化した。
【0119】得られた物質の化学組成を化学分析により
決定した。結果は、 %MgO+Al2 3 =37.58、 %C =27.68、 %N =0.72。
【0120】これはMg4 Al2 (OH)12(Par)
0.81(NO3 0.36(OH)0.83(ここでParはPa
rsol 1789の陰イオンである)の無水物の一般
式と一致する。
【0121】X線回折パターンは、 i)存在する唯一の結晶物質は層状複水酸化物であるこ
と、 ii)出発物質には存在しなかった、Parsol 1
789交換物質の特徴である14.9A及び11.4A
に主要な回折線があることを示した。
【0122】実施例15: ヒドロキシ硝酸アルミニウム亜鉛の調製 酸化マグネシウムを94.5gの酸化亜鉛に完全に置き
換えたことを除いては実施例1に記載の方法によって、
ヒドロキシ硝酸アルミニウム亜鉛を調製した。
【0123】この物質の化学組成を分析により決定し
た。結果は次のとおりである: Zn/Alのモル比 =2.0、 %ZnO+Al2 3 =61.5、 %H2 O(脱ヒドロキシル化により生じる)=12.9、 %NO3 =17.8。
【0124】これはZn4 Al2 (OH)12(NO3
2 の無水物の一般式と一致する。
【0125】水和物のX線回折パターンは、 i)存在する唯一の結晶物はハイドロタルク石に類似し
た層状複水酸化物であり、1.51A及び1.53A
に、特徴的な線間隔が存在すること、 ii)この層間硝酸塩含有物質の特徴である8.8Aに
主要な回折線があることを示した。
【0126】実施例16イオン交換による2−フェニ
ルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンのZn/
Al層状複水酸化物中への導入 2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホネート1
9.65gを水150mlに溶解/懸濁した。水酸化ナ
トリウム2.87gを水50mlに溶解した後、該懸濁
物に添加して透明な溶液を得た。次いで、この溶液を、
250ml容のポリプロピレン製ねじ蓋付びん中の、実
施例15で得た硝酸塩型の層状複水酸化物25gに添加
した。そのびんに蓋をし、2分間攪拌した後、90℃で
18時間加熱した。固体を濾別し、温水で洗浄後、凍結
乾燥した。この物質を、飽和塩化ナトリウム溶液が入っ
たデシケータ中で保管することにより最終的に水蒸気で
平衡化した。
【0127】その物質の化学組成物は、熱および元素分
析により決定した。結果は次の通りである: %ZnO+Al2 3 =37.27、 %C =26.30。
【0128】これは、Zn4 Al2 (OH)12(pb
s)1.94(NO3 0.06の無水物の理想的な式と一致
し、X線回折パターンから、 i)存在する唯一の結晶性物質は、層状複水酸化物であ
ること、 ii)主要な回折線が22Aにあり、これは出発物質では
存在しないことがわかった。
【0129】実施例17イオン交換によるベンゾフェ
ノン−4のヒドロキシ硝酸アルミニウム亜鉛中への導入 水酸化ナトリウム5.6gを室温で脱イオン水225m
lに溶解した。これに、21.5gのベンゾフェノン−
4を添加した。その混合物を攪拌してベンゾフェノン−
4を完全に溶解した。次いで、得られた溶液を、実施例
15の記載に従って調製したヒドロキシ硝酸アルミニウ
ム亜鉛25gを含むびんに移した。この混合物を浸盪
し、95℃のオーブン中に18時間置いた。固体を濾過
し、80℃の水1500mlで洗浄し、再び濾過し、最
後に凍結乾燥した。自由流動性の黄色粉末が得られた。
【0130】この物質の化学組成物は、分析により決定
した。結果は次の通りである: %ZnO+Al2 3 =49.0、 %C =18.0。
【0131】これは、Zn4 Al2 (OH)12(Ben
z)0.94(NO3 0.05の無水物の式[式中、Benz
はベンゾフェノン−4から誘導されるアニオンであ
る。]と一致した。この場合、ベンゾフェノン−4は、
構造中に主にジアニオン形で存在すると考えられる。こ
のことは、X線回折データにより支持される。
【0132】X線回折データからは、 i)存在する唯一の結晶性物質は、層状複水酸化物であ
ること、 ii)主要な回折線が13.5Aにあり、これは出発物質
では存在しない(13.5Aの線は、主として2価のイ
オン種を含む層に対応する。)ことがわかった。
【0133】そのような2価のイオン種は、組成物によ
るUV−A保護を高めたい場合に好ましい。
【0134】実施例18ヒドロキシ硝酸アルミニウム
カルシウムの調製 溶液1:水酸化ナトリウム25gおよび硝酸ナトリウム
36.4gを水175mlに溶解した。
【0135】溶液2:硝酸カルシウム四水和物68.1
gおよび硝酸アルミニウム無水和物46.8gを水32
5mlに溶解した。
【0136】溶液1を1l容のポリプロピレン製びんに
入れた。次いで、溶液2を約1時間かけてそのびんにゆ
っくり加えた。溶液2の添加中、そのびんの中身を激し
く攪拌した。びんに蓋をし、90℃のオーブンに7日間
入れておいた。固体を濾別し、水洗、凍結乾燥し、最後
に実施例1の記載に従って水蒸気で平衡化した。
【0137】X線回折から、その物質は、8.5Aの基
礎間隔を有する層状複水酸化物を少量の未同定物質とと
もに含むことがわかった。
【0138】実施例19イオン交換による2−フェニ
ルベンズイミダゾール−5−スルホン酸イオンのCa/
Al層状複水酸化物中への導入 2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホネート1
3.8gを水150mlに溶解/懸濁した。水酸化ナト
リウム2.0gを水50mlに溶解した後、該懸濁物に
添加して透明な溶液を得た。次いで、この溶液を、25
0ml容のポリプロピレン製ねじ蓋付びん中の、実施例
18で得た硝酸塩型層状複水酸化物15gに添加した。
そのびんに蓋をし、2分間攪拌した後、90℃で18時
間加熱した。固体を濾別し、温水で洗浄後、凍結乾燥し
た。その物質を、飽和塩化ナトリウム溶液が入ったデシ
ケータ中で保管することにより最終的に水蒸気で平衡化
した。
【0139】生成物のX線回折パターンは、出発物質の
特徴である8.5Aの回折線を示さなかった。その代わ
りに、22Aに主要な回折線が存在し、これは、出発物
質では存在しなかった。
【0140】その物質の化学組成物は、熱および元素分
析により決定した。結果は次の通りである: %CaO+Al2 3 =43.12%、 %C =23.40%。
【0141】これは、41重量%の2−フェニルベンズ
イミダゾール−5−スルホネートを含む物質と一致す
る。
【0142】実施例20ハイドロタルク石による陰イ
オン性日焼け止め保持に対する塩(塩化ナトリウム)の
効果 実施例2で調整した物質1gを、塩化ナトリウム0.2
g(この塩化物イオンは、ケイ皮酸イオンの化学量論的
置換に必要な量より多い)を含む水50mlに分散させ
た。その懸濁物を室温で2時間攪拌し、固体を濾別し
た。次いで、濾液の紫外線分光分析を行ってケイ皮酸イ
オンの存在を調べた。測定量は、層状複水酸化物からほ
んの3%のケイ皮酸イオンが除去されたことと一致し
た。
【0143】実施例21日焼け止め組成物の製造 下記成分を混合して75℃に加熱することにより油相を
調製した: 鉱油(Sirius M85) 10.0%、 Nafol 16/18 2.0%、 モノステアリン酸グリセロール 0.5%、 ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 0.5%。
【0144】量は、最終物質の重量%で示す。Nafo
l 16/18はパルミチルアルコールおよびステアリ
ルアルコールの混合物である。
【0145】水相は、下記成分から調製した: 脱イオン水 74.7%、 グリセロール 2.0%、 キサンタンゴム 0.3%。
【0146】この水相は、グリセロールを水に添加した
後、高せん断ミキサー(Silversonミキサー)を有するR
hodopol中で混合することにより調製した。
【0147】次いで、両方の相を75℃に加熱し、高せ
ん断ミキサー中で混合した後、層状複水酸化物10%を
添加した。
【0148】次いで、そのエマルジョンを冷却した。
【0149】層状複水酸化物は上記実施例6で調製した
ものであるが、上記実施例2〜10、16、17または
19のいずれかで調製した層状複水酸化物を使用するこ
とも可能である。
【0150】また、複水酸化物と種々の層間陰イオン
(例えば、等量の実施例4および7の物質または等量の
実施例7および8の物質)との混合物を使用することも
できる。
【0151】所望により、着色顔料を水相に少量添加し
て、水をその分だけ少なくすることもできる。
【0152】実施例22(比較例)および実施例23
ベンゾフェノン−4(遊離のものおよびヒドロキシ硝酸
アルミニウム亜鉛に取り込まれたものの両方)を含む日
焼け止め組成物の製造および特性 下記表Iの組成を有する日焼け止め製品を製造した。こ
れらの日焼け止め製品の製造方法は次の通りである。ブ
チレングリコール、ジメチコーンコポリオール、EDT
A、水、グリセリン、Germabenおよび紫外線吸収剤を、
高せん断ホモジナイザーを使用して室温で10分間混合
し、混合物Aを得た。実施例22の日焼け止め活性物質
は、ベンゾフェノン−4自体であった。実施例23の日
焼け止め活性物質は、実施例17で調製した、ヒドロキ
シ硝酸アルミニウム亜鉛中にベンゾフェノン−4がイオ
ン交換されたものであった。別々の容器中で、オクチル
ドデシルネオペンタノエート、プロピレングリコールイ
ソセト−3 アセテート、セチルジメチコーンおよびオ
クチルメトキシシンナメートを一緒に溶解し、上述の混
合物Aに添加した。次いで、この混合物のpHを、トリ
エタノールアミンまたは塩酸水を必要に応じて使用する
ことにより7.6〜7.9に調整した。エマルジョンが
得られ、これを使用して下記に述べる in vitro SPF
試験を行った。
【0153】日焼け止め剤において紫外線から守るため
の組成物の効能を評価するために、充分確立された in
vitro Sun Protection Factor (SPF)法を使用し
た。その方法は、Diffeyらの文献(Diffet, BL, and Rob
son, J, “A New Substrate toMeasure Sunscreen Prot
ection Fsctors throughout the Ultra-violet Spectru
m”, J. Soc. Cosmet. Chem., 40, 127-133, (1989))
に記載されている。この方法は、本質的に、標準量の日
焼け止め組成物(2mg/cm2 )を、表面粗さがヒト
の皮膚に近い特定のテープ(Transpore ,3M社製)に
塗布することから成る。次いで、日焼け止めエマルジョ
ンフィルムの拡散透過率スペクトルを、特別に改造した
分光光度計で290〜400nmにわたって測定した。
通常の(紅斑)SPFは、Diffeyらによる上記文献に記
載された方法でスペクトルデータから計算される。UV
−A保護因子は、320〜400nmの波長における、
日焼け止めフィルムの平均透過率の逆数として計算され
る。
【0154】実施例22および実施例23の日焼け止め
組成物に対するこれらの測定結果(各組成物に対して3
〜5回反復して行った測定の平均)を下記表IIに示す。
【0155】層状複水酸化物中にイオン交換されたベン
ゾフェノン−4を含む実施例23の日焼け止め物質が、
広範囲の波長にわたって、ベンゾフェノン−4が層状複
水酸化物中にイオン交換されていない比較例22の日焼
け止め物質よりもかなり良好に紫外線から守ることがで
きることがわかる。
【0156】
【表1】
【0157】
【表2】
フロントページの続き (72)発明者 チヤールズ・クレイグ・ナン アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07070、バージエン、ラザーフオード、オ リエント・ウエイ・185 (72)発明者 ジエフリー・ジヨン・パスターナツク アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07928、モリス、チヤタム、ヒツコリー・ プレイス・25、アパートメント・イー・24 (72)発明者 イアン・リチヤード・スコツト アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07401、アレンデイル、アルカデイア・ロ ード・69

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 (式中、Nは3価の金属イオンの1つ又は混合物であ
    り、Mは2価の金属イオンの1つ又は混合物であるかあ
    るいはリチウムであって、Mが2価の場合にはy=nで
    あり、Mがリチウムの場合にはy=(n−m)であり、
    Xはその少なくともいくつかが290〜400nmの範
    囲の波長の少なくとも一部で紫外線吸収を示す中間層陰
    イオンを表す)の層状複水酸化物を混入する化粧品的に
    許容可能なビヒクルを含むヒトの皮膚に適用するための
    日焼け止め組成物。
  2. 【請求項2】 3価金属がアルミニウム、クロム、鉄、
    ニッケル、マンガン及びスカンジウムのうちの1つ又は
    それ以上である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 3価金属がアルミニウムである請求項1
    記載の組成物。
  4. 【請求項4】 金属Mがマグネシウム、亜鉛、カルシウ
    ム、コバルト、ニッケル、銅、マンガン及び鉄のうちの
    1つ又はそれ以上である請求項1、2又は3記載の組成
    物。
  5. 【請求項5】 金属Mがマグネシウム、亜鉛又はカルシ
    ウムのうちの1つ又はそれ以上である請求項1、2又は
    3記載の組成物。
  6. 【請求項6】 金属Mがリチウムである請求項1、2又
    は3記載の組成物。
  7. 【請求項7】 中間層陰イオンXの少なくとも5モル%
    が、 パラアミノベンズイミダゾール−5−スルホネート 3−イミダゾール−4−イルアクリレート サリチレート p−メトキシシンナメート 2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニル
    アクリレート 3,3,5−トリメチルシクロヘキシル−2−アセトア
    ミドベンゾエート シンナメート p−アミノベンゾエート 3,4−ジメトキシフェニルグリオキシレート α−(2−オキソボルン−3−イリデン)−p−キシレ
    ン−2−スルホネート α−(2−オキソボルン−3−イリデン)トルエン−4
    −スルホネート α−シアノ−4−メトキシシンナメート 2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホネート の1つ又はそれ以上の陰イオンである請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 中間層陰イオンXの少なくとも5モル%
    が200〜400nmの範囲の波長の少なくとも一部で
    紫外線吸収を示すフェノール系化合物の陰イオンである
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 中間層陰イオンXの少なくとも5モル%
    がヒドロキシル化ベンゾフェノン部分を含む化合物の陰
    イオンである請求項8記載の組成物。
  10. 【請求項10】 中間層陰イオンXの少なくとも5モル
    %が、 ベンゾフェノン−1 ベンゾフェノン−2 ベンゾフェノン−3 ベンゾフェノン−4 ベンゾフェノン−5 ベンゾフェノン−6 ベンゾフェノン−7 ベンゾフェノン−8 ベンゾフェノン−9 ベンゾフェノン−10 ベンゾフェノン−12 の1つ又はそれ以上の陰イオンである請求項8記載の組
    成物。
  11. 【請求項11】 中間層陰イオンXの少なくとも5モル
    %がベンゾフェノン−4(2−ヒドロキシ−4−メトキ
    シ−ベンゾフェノン−5−スルホネート)の陰イオンで
    ある請求項8記載の組成物。
  12. 【請求項12】 中間層陰イオンXの少なくとも5モル
    %が、 ブチルメトキシジベンゾイルメタン 1−(4−メトキシ−5−ベンゾフラニル)−3−フェ
    ニル−1,3−プロパンジオン ホモメンチルサリチレート又は 2−エチルヘキシルサリチレート の陰イオンである請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    組成物。
  13. 【請求項13】 中間層陰イオンXの少なくとも大部分
    が請求項7、10、11及び12に記載の化合物のいず
    れかの陰イオンである請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の組成物。
  14. 【請求項14】 式: 【化2】 (式中、Nは3価の金属イオンの1つ又は混合物であ
    り、Mは2価の金属イオンの1つ又は混合物であるかあ
    るいはリチウムであって、Mが2価の場合にはy=nで
    あり、Mがリチウムの場合にはy=(n−m)であり、
    Xはその少なくともいくつかが290〜400nmの範
    囲の波長の少なくとも一部分で少なくとも2×103
    モル吸光係数の紫外線吸収を示す中間層陰イオンを表す
    が、金属M、Nが亜鉛とアルミニウム、亜鉛とクロム又
    はリチウムとアルミニウムである場合には、上記紫外線
    吸収性陰イオンXの少なくともいくつかはクロロシンナ
    メート、サリチレート又はナフタレン−1−スルホネー
    ト以外である)の層状複水酸化物。
  15. 【請求項15】 陰イオンXの大部分が少なくとも5×
    103 のモル吸光係数を示す請求項14記載の化合物。
  16. 【請求項16】 中間層陰イオンXの少なくとも5モル
    %が、 パラアミノベンズイミダゾール−5−スルホネート 3−イミダゾール−4−イルアクリレート p−メトキシシンナメート 2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニル
    アクリレート 3,3,5−トリメチルシクロヘキシル−2−アセトア
    ミドベンゾエート シンナメート p−アミノベンゾエート 3,4−ジメトキシフェニルグリオキシレート α−(2−オキソボルン−3−イリデン)−p−キシレ
    ン−2−スルホネート α−(2−オキソボルン−3−イリデン)トルエン−4
    −スルホネート α−シアノ−4−メトキシシンナメート 2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホネート の1つ又はそれ以上の陰イオンである請求項14記載の
    化合物。
  17. 【請求項17】 中間層陰イオンXの少なくとも5モル
    %が、 ベンゾフェノン−1 ベンゾフェノン−2 ベンゾフェノン−3 ベンゾフェノン−4 ベンゾフェノン−5 ベンゾフェノン−6 ベンゾフェノン−7 ベンゾフェノン−8 ベンゾフェノン−9 ベンゾフェノン−10 ベンゾフェノン−12 の1つ又はそれ以上の陰イオンである請求項14記載の
    化合物。
  18. 【請求項18】 中間層陰イオンXの少なくとも5モル
    %がベンゾフェノン−4(2−ヒドロキシ−4−メトキ
    シ−ベンゾフェノン−5−スルホネート)の陰イオンで
    ある請求項14記載の化合物。
  19. 【請求項19】 中間層陰イオンXの少なくとも5モル
    %が、 ブチルメトキシジベンゾイルメタン 1−(4−メトキシ−5−ベンゾフラニル)−3−フェ
    ニル−1,3−プロパンジオン ホモメンチルサリチレート又は 2−エチルヘキシルサリチレート の陰イオンである請求項14記載の化合物。
  20. 【請求項20】 中間層陰イオンXの少なくとも大部分
    が請求項16〜19に記載の化合物のいずれかの陰イオ
    ンである請求項14記載の化合物。
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