JP2020186180A - 複合粉体およびこれを用いた化粧料 - Google Patents

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Kenji Kayahara
健二 茅原
俊祐 三刀
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俊祐 三刀
翔子 川崎
Shoko Kawasaki
翔子 川崎
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Abstract

【課題】紫外線の照射によって劣化しにくく、かつ、ブルーライト領域の光の遮蔽効果の高い複合粉体とそれを用いた化粧料を提供する。【解決手段】複合粉体は、第1の金属元素を含む無機粉体と、第2の金属元素を含み、無機粉体の表面の少なくとも一部を被覆する金属酸化物(ただし、アルカリ土類金属酸化物を除く。)又は金属水酸化物(ただし、アルカリ土類金属水酸化物を除く。)と、紫外線吸収効果を有する有機化合物とを含み、無機粉体と金属酸化物又は金属水酸化物と有機化合物とが複合化されている。【選択図】なし

Description

本発明は、一般的には複合粉体に関し、特定的には無機粉体と有機化合物が複合化された複合粉体に関する。また本発明は、上記複合粉体を含有する乳化物や、これらを配合した化粧料に関する。
従来、皮膚用化粧料、メイクアップ化粧料等の化粧料では、着色及び調色、滑性や光沢の付与等の目的で顔料が用いられるが、特に紫外線による紅斑や日焼けを防止する化粧料が多く開発され、サンスクリーン剤やファンデーション等の化粧料が汎用されている。
これらの化粧料に使用される粉体として、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等の金属酸化物は紫外線散乱効果を有している粉末もあり、日焼け防止用化粧料によく使用される。
一方、ブチルメトキシジベンンゾイルメタン等に代表される有機系化合物からなる紫外線吸収剤は、優れたUV−A遮蔽能を有してはいるが、化粧品で使用する媒体への溶解性が乏しく、高配合が難しく、配合しても再析出して結晶化するなどの問題がある。
そこで、例えば、特開2012−121810号公報(特許文献1)には、有機系紫外線吸収材が溶解しない媒体を使用しても、有機系紫外線吸収剤が溶解した場合と同等以上の遮蔽能を有する有機系化合物複合粉末を提供することを目的として、基材となる無機粉体表面に、特定の有機系紫外線吸収剤をコーティングした処理粉体を、化粧品媒体に均一に分散させた化粧品が記載されている。
特開2012−121810号公報
しかしながら、特許文献1の化粧品に用いられる複合粉末中の無機粉体は表面活性が高いため、紫外線照射により、有機系化合物の一部が変質し、有機系化合物による紫外線遮蔽効果が消失する可能性がある。
また、近年、ブルーライトと呼ばれる波長の短い可視光線(380〜450nm)が、肌に対しても悪影響を及ぼす可能性がある。特許文献1に記載の複合粉体では、ブルーライト領域の光の遮蔽については考えられていない。
そこで、本発明の目的は、紫外線の照射によって劣化しにくく、かつ、ブルーライト領域の光の遮蔽効果の高い複合粉体を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、紫外線遮蔽効果を有する酸化亜鉛や酸化チタンのような無機粉体と、紫外線吸収効果を有する有機系化合物とを単に混合するだけでは、無機粉体と有機系化合物の一方の機能しか発現しないこと、または、互いの機能が干渉し合って、単独配合の場合よりも遮蔽力が低下する可能性があること、無機粉体の表面活性によって有機系化合物が変質して無機粉体の機能しか発現しないことが生じる可能性があり、紫外線領域についても、ブルーライト領域についても、十分な遮蔽効果が得られないと考えた。
そして、無機粉体の表面活性を制御することによって、複合粉体全体としては紫外線およびブルーライトの遮蔽効果を高めることができ、かつ、紫外線の照射によって劣化しにくくなることを見出した。
以上の知見に基づいて、本発明に従った複合粉体は、第1の金属元素を含む無機粉体と、第2の金属元素を含み、無機粉体の表面の少なくとも一部を被覆する金属酸化物(ただし、アルカリ土類金属酸化物を除く。)又は金属水酸化物(ただし、アルカリ土類金属水酸化物を除く。)と、紫外線吸収効果を有する有機化合物とを含み、無機粉体と金属酸化物又は金属水酸化物と有機化合物とが複合化されている。
本発明に従えば、紫外線の照射によって劣化しにくく、かつ、ブルーライト領域の光の遮蔽効果の高い複合粉体を提供することができる。
化粧料1〜3の250〜700nmの波長の光の透過率を示す図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。
本発明に従った複合粉体は、第1の金属元素を含む無機粉体と、第2の金属元素を含み、無機粉体の表面の少なくとも一部を被覆する金属酸化物(ただし、アルカリ土類金属酸化物を除く。)又は金属水酸化物(ただし、アルカリ土類金属水酸化物を除く。)と、紫外線吸収効果を有する有機化合物とを含み、無機粉体と金属酸化物又は金属水酸化物と有機化合物とが複合化されている。
第1の金属元素を含む無機粉体は、紫外線遮蔽効果を有することが好ましい。無機粉体は、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウムであることが好ましく、酸化亜鉛であることがより好ましい。
第2の金属元素を含み、無機粉体の表面の少なくとも一部を被覆する金属酸化物(ただし、アルカリ土類金属酸化物を除く。)又は金属水酸化物(ただし、アルカリ土類金属水酸化物を除く。)は、例えば、第1の金属元素よりも表面活性が低い化合物を無機粉体の表面に被覆して表面活性を制御することが可能な化合物であることが好ましい。
金属酸化物又は金属水酸化物は、酸化鉄、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、含水シリカからなる群より選ばれた1種以上であることが好ましい。
紫外線吸収効果を有する有機化合物は、分子構造中にケトン基を少なくとも1つ含むことが好ましく、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタンであることがより好ましい。紫外線吸収効果を有する有機化合物としては、他に、例えば、メトキシ桂皮酸オクチル、オキシベンゾンスルホン酸ナトリウム、ベンゾフェノン誘導体も用いられ得る。
複合粉体は、無機粉体を55重量%以上〜95重量%未満、金属酸化物を0重量%より多く5.0重量%以下、有機化合物を5.0重量%以上40重量%以下含むことが好ましい。
複合粉体には、他の成分を含んでもよく、例えば、疎水化剤を含むことが好ましい。疎水化剤としては、例えば、アルキル基の炭素数が5以上の脂肪酸が好ましく、イソステアリン酸、ステアリン酸、酪酸、カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、リグノセリン酸等が好ましく、ステアリン酸がより好ましい。
複合粉体は、平均一次粒子径が100nm未満であることが好ましい。
複合粉体は、比表面積が10m/g以上であることが好ましい。
無機粉体と金属酸化物又は金属水酸化物と有機化合物との複合化は、例えば、湿式で混合および反応させて行われる。
本発明の複合粉体の用途は限定ではなく、例えば、化粧料や紫外線およびブルーライトを遮蔽するためのフィルムに用いることができる。
以下、本発明をさらに具体的に実施例で示すが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
(ステアリン酸、酸化鉄処理酸化亜鉛の製法)
10リットルのビーカーに水(イオン交換水)9500gとテイカ社製酸化亜鉛MZ−500(平均一次粒子径25nm:カタログ値、比表面積50m/g:代表値)1000gを入れ、撹拌しながら水酸化ナトリウム水溶液を加え、スラリーのpHを12に調整した。得られたスラリーにポリ硫酸第二鉄(日鉄鉱業社製ポリ硫酸第二鉄[Fe(OH)(SO3−n/2:ポリテツ)を63g(酸化亜鉛に対し、酸化鉄換算で重量比1%)加え、撹拌しながら希硫酸を添加しpHを7に調整した。スラリーを85℃まで加熱したのち、ステアリン酸ナトリウムを103g(酸化亜鉛に対し重量比で10%)加えた後、1時間撹拌を続けた。スラリーのpHを中和剤で7に調整した後、更に30分間撹拌を続けた。ろ紙をセットしたブフナーロートにスラリーを投入してろ過を行った後、残留物をイオン交換水にて洗浄し、乾燥機を用いて110℃で乾燥させた。乾燥物についてピンミルを用いて粉砕し、ステアリン酸、酸化鉄処理酸化亜鉛を得た。
(複合体の製法)
トルエン5100g、アボベンゾン(アシュランド・ジャパン社製エスカロール517(ESCALOL 517))450g、ステアリン酸、酸化鉄処理酸化亜鉛2550gを混合し、サンドグラインダーミル(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて解砕処理を行ったあと、減圧しながら加熱することでトルエンを留去した。得られた粉体を乾燥機に入れ、120℃で2時間乾燥し、ピンミルにて粉砕を行って、実施例1の複合粉体を得た。
得られた複合粉体について、平均一次粒子径並びに比表面積を測定した。
[平均一次粒子径の測定]
透過型電子顕微鏡(日本電子社製JEM−1230)にて複合粉体の観察像を取得した。取得した観察像について粒子解析ソフトウェア(Mountech社製Mac−View)で読み込み、粒子の形状・個数をカウントすることにより平均一次粒子径を測定した。
[比表面積の測定]
比表面積測定装置(マウンテック社製HM model 1210)を用い、窒素吸着法にて比表面積を測定した。
平均一次粒子径はカタログ値の一割増しの範囲内、比表面積は代表値の一割減の範囲内に収まっていた。この傾向は後述する実施例、比較例で得られた複合粉体についても同様であった。
実施例2
アボベンゾンを640gとする以外は実施例1と同様に操作を行い、本発明の複合粉体を得た。
実施例3
アボベンゾンを130gとする以外は実施例1と同様に操作を行い、本発明の複合粉体を得た。
実施例4
アボベンゾンを1700gとする以外は実施例1と同様に操作を行い、本発明の複合粉体を得た。
実施例5
ポリ硫酸第二鉄を8gとする以外は実施例1と同様に操作を行い、本発明の複合粉体を得た。
実施例6
ポリ硫酸第二鉄を393gとする以外は実施例1と同様に操作を行い、本発明の複合粉体を得た。
実施例7
ポリ硫酸第二鉄63gをポリ塩化アルミニウム(セントラル硝子社製[Al(OH)Cl6−n:ポリ塩化アルミニウム(PAC))66gとする以外は実施例1と同様に操作を行い、本発明の複合粉体を得た。
実施例8
アボベンゾンを130gとする以外は実施例7と同様に操作を行い、本発明の複合粉体を得た。
実施例9
アボベンゾンを1700gとする以外は実施例7と同様に操作を行い、本発明の複合粉体を得た。
実施例10
ポリ塩化アルミニウムを8gとする以外は実施例7と同様に操作を行い、本発明の複合粉体を得た。
実施例11
ポリ塩化アルミニウムを413gとする以外は実施例7と同様に操作を行い、本発明の複合粉体を得た。
実施例12
ステアリン酸、酸化鉄処理酸化亜鉛2550gを、酸化鉄処理酸化亜鉛〔ステアリン酸処理なし〕2550gとする以外は実施例1の(複合体の製法)記載の方法と同様に操作を行い、本発明の複合粉体を得た。
実施例13
被覆工程に鉄化合物を用いず、珪酸ソーダ(富士化学社製:珪酸ソーダ(3号))を出発原料とした含水シリカにて被覆した含水シリカ処理酸化亜鉛2550gを(複合体の製法)工程に適用する以外は、実施例1記載の方法と同様に操作を行い、本発明の複合粉体を得た。
実施例14
アボベンゾンを80gとする以外は実施例1と同様に操作を行い、複合粉体を得た。
実施例15
アボベンゾンを2550gとする以外は実施例1と同様に操作を行い、複合粉体を得た。
実施例16
ポリ硫酸第二鉄を473gとする以外は実施例1と同様に操作を行い、複合粉体を得た。
比較例1
ステアリン酸、酸化鉄処理酸化亜鉛の製法時に酸化鉄を加えない以外は実施例1と同様に操作を行い、複合粉体を得た。
比較例2
ポリ硫酸第二鉄63gを塩化カルシウム(トクヤマ社製:粒状塩化カルシウム)20gとする以外は実施例1と同様に操作を行い、複合粉体を得た。
比較例3
ポリ硫酸第二鉄63gを硫酸マグネシウム(赤穂化成社製:精製硫酸マグネシウム)44gとする以外は実施例1と同様に操作を行い、複合粉体を得た。
比較例4
ステアリン酸、酸化鉄処理酸化亜鉛の製造時に酸化鉄を加えず、アボベンゾンとの複合化を行わないこと以外は実施例1と同様に操作を行い、表面処理粉体を得た。
比較例5
実施例1で用いたアボベンゾンを単独で用いた。
[乳化物の調製]
実施例1〜16と比較例1〜3の複合粉体、比較例4,5の粉体を用いて乳化物を調製した。デカメチルシクロペンタンシロキサン(環状シロキサン)55gにラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(HLB7以下のポリエーテル変性シリコーン)5g、流動パラフィン5g、各実施例等に記載した粉体15gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して油相分散物を得た。得られた油相分散物に、予め20重量%となるようにデカメチルシクロペンタシロキサンへ溶解させた油性ゲル化剤(千葉製粉社製レオパールISK2)5gを加え、80℃に加熱して溶解させた。予めイオン交換水17g、ブチレングリコール(多価アルコール)3gを混合し、80℃に加熱した水相分散物を、上記油相分散物に3000rpmで撹拌しながら加え、さらに3000rpmで10分間分散して乳化物を得た。
得られた乳化物を室温になるまで放冷した後、以下の方法で乳化物の臨界波長、透過率、SPF、UVAPFを測定した。
[臨界波長の測定]
得られた乳化物を、Helioscreen社製HELIOPLATETM HD6に1.3mg/cm塗布した。30分間乾燥後、SPFアナライザーUV−2000S(三洋貿易社製)を用いて臨界波長を測定した。
[550nmの波長の光の透過率の測定]
得られた乳化物の透過率を測定した。乳化物をポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ社製OPP#40)上に、塗工機(井元製作所社製)およびバーコーター(三ツワフロンテック社製No.6)を用いて均一に塗布し、薄膜を作製した。評価は分光光度計U−4100(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて行った。
[SPFおよびUVAPFの測定]
得られた乳化物を、SPF測定法(ISO24443)に基づき、HELIOPLATETM HD6に1.3mg/cm塗布した。30分間乾燥後、上述のSPFアナライザーを用いてSPFとUVAPFの測定を行なった。
測定結果に基づいて、(a)臨界波長が380nm以上、(b)550nmの波長の光の透過率が80%以上、(c)紫外線照射後のSPFの維持率が80%以上、(d)UVAPFの維持率が80%以上の4つの条件のすべてを満たす場合は総合評価を「○」、3つを満たす場合は「△」、満たす条件が2つ以下の場合は「×」とした。結果を表1に示す。
Figure 2020186180
[化粧料]
表2の配合で乳化物化粧料(日焼け止め化粧料)を作製した。環状シロキサン14gにHLB7以下のポリエーテル変性シリコーン5g、流動パラフィン5g、実施例1もしくは比較例4の粉体20g、テイカ社製微粒子酸化チタン(MTX−05OTS)5gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して油相分散物を得た。得られた油相分散物に油性ゲル化剤5gを加え、80℃に加熱して油性ゲル化剤を溶解させた。得られた油相分散物に、イオン交換水32g、多価アルコール14gを予め混合し80℃に加熱した水相分散物を、3000rpmで撹拌しながら加え、さらに3000rpmで5分間分散して乳化物を得た。得られた乳化物を室温になるまで放冷した。
Figure 2020186180
化粧料1,2のSPFとUVAPFを測定した。結果を表3に示す。
Figure 2020186180
表3に示すように、本発明の複合粉体を用いた化粧料1は、化粧料2に比べて、SPFもUVAPFも高い値であった。本願発明の複合粉体は化粧料、特に、日焼け止め化粧料に用いられることで、日焼け止め化粧料のSPFとUVAPFを向上させることができる。
実施例1の複合粉体の代わりに比較例5の粉体を用いて同様に乳化物化粧料を作製し、化粧料3とした。化粧料1〜3について、250〜700nmの波長における透過率を測定した。結果を図1に示す。化粧料1は、ブルーライト領域の波長(380〜450nm)の光の透過率が化粧料2,3と比べて低く、本発明の複合粉体を化粧料に用いることで、ブルーライト領域の光の遮蔽に効果があることがわかった。
本発明を要約すると以下の通りである。
(1)本発明に従った複合粉体は、第1の金属元素を含む無機粉体と、第2の金属元素を含み、無機粉体の表面の少なくとも一部を被覆する金属酸化物(ただし、アルカリ土類金属酸化物を除く。)又は金属水酸化物(ただし、アルカリ土類金属水酸化物を除く。)と、紫外線吸収効果を有する有機化合物とを含み、無機粉体と金属酸化物又は金属水酸化物と有機化合物とが複合化されている。
(2)本発明に従った複合粉体においては、無機粉体は紫外線遮蔽効果を有することが好ましい。
(3)本発明に従った複合粉体においては、無機粉体は酸化亜鉛であることが好ましい。
(4)本発明に従った複合粉体においては、金属酸化物又は金属水酸化物は、酸化鉄、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、含水シリカからなる群より選ばれた1種以上であることが好ましい。
(5)本発明に従った複合粉体においては、有機化合物は、分子構造中にケトン基を少なくとも1つ含むことが好ましい。
(6)本発明に従った複合粉体においては、有機化合物は、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタンであることが好ましい。
(7)本発明に従った複合粉体は、平均一次粒子径が100nm未満であることが好ましい。
(8)本発明に従った複合粉体は、比表面積が10m/g以上であることが好ましい。
(9)本発明に従った複合粉体は、無機粉体を55重量%以上〜95重量%未満、金属酸化物を0重量%より多く5.0重量%以下、有機化合物を5.0重量%以上40重量%以下含むことが好ましい。
(10)本発明に従った複合粉体は、環状シロキサン55gと流動パラフィン5gとHLBが7以下のポリエーテル変性シリコーン5gとからなる油相に有機−無機複合粉体15gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して油相分散体を得、油相分散体に水17gと多価アルコール3gとからなる水相20gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して乳化物を得た場合、乳化物の臨界波長が380nm以上であることが好ましい。
(11)本発明に従った複合粉体は、環状シロキサン55gと流動パラフィン5gとHLBが7以下のポリエーテル変性シリコーン5gとからなる油相に有機−無機複合粉体15gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して油相分散体を得、油相分散体に水17gと多価アルコール3gとからなる水相20gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して乳化物を得た場合、乳化物の550nmの透過率が80%以上であることが好ましい。
(12)本発明に従った複合粉体は、環状シロキサン55gと流動パラフィン5gとHLBが7以下のポリエーテル変性シリコーン5gとからなる油相に有機−無機複合粉体15gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して油相分散体を得、油相分散体に水17gと多価アルコール3gとからなる水相20gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して乳化物を得た場合、乳化物に対し、太陽光と同等のスペクトルを有し、かつ、340nmの波長の光の照射量が63kJ/mとなるように光を照射した場合、照射前後における乳化物のSPFの維持率が80%以上であることが好ましい。
(13)本発明に従った複合粉体は、環状シロキサン55gと流動パラフィン5gとHLBが7以下のポリエーテル変性シリコーン5gとからなる油相に有機−無機複合粉体15gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して油相分散体を得、油相分散体に水17gと多価アルコール3gとからなる水相20gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して乳化物を得た場合、乳化物に対し、太陽光と同等のスペクトルを有し、かつ、340nmの波長の光の照射量が63kJ/mとなるように光を照射した場合、照射前後における乳化物のUVAPFの維持率が80%以上であることが好ましい。
(14)本発明に従った乳化物は、(1)〜(13)のいずれかの複合粉体を含む。
(15)本発明に従った乳化物においては、臨界波長が380nm以上であることが好ましい。
(16)本発明に従った乳化物においては、550nmの波長の光の透過率が80%以上であることが好ましい。
(17)本発明に従った乳化物は、乳化物に対し、太陽光と同等のスペクトルを有し、かつ、340nmの波長の光の照射量が63kJ/mとなるように光を照射した場合、照射前後におけるSPFの維持率が80%以上であることが好ましい。
(18)本発明に従った乳化物は、乳化物に対し、太陽光と同等のスペクトルを有し、かつ、340nmの波長の光の照射量が63kJ/mとなるように光を照射した場合、照射前後における乳化物のUVAPFの維持率が80%以上であることが好ましい。
(19)本発明に従った化粧料は、(1)〜(13)のいずれかの複合粉体または(14)〜(18)のいずれかの乳化物を含む。
以上に開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。

Claims (19)

  1. 第1の金属元素を含む無機粉体と、
    第2の金属元素を含み、前記無機粉体の表面の少なくとも一部を被覆する金属酸化物(ただし、アルカリ土類金属酸化物を除く。)又は金属水酸化物(ただし、アルカリ土類金属水酸化物を除く。)と、
    紫外線吸収効果を有する有機化合物とを含み、
    前記無機粉体と前記金属酸化物又は前記金属水酸化物と前記有機化合物とが複合化されている、複合粉体。
  2. 前記無機粉体は紫外線遮蔽効果を有する、請求項1に記載の複合粉体。
  3. 前記無機粉体は酸化亜鉛である、請求項1または請求項2に記載の複合粉体。
  4. 前記金属酸化物又は前記金属水酸化物は、酸化鉄、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、含水シリカからなる群より選ばれた1種以上である、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の複合粉体。
  5. 前記有機化合物は、分子構造中にケトン基を少なくとも1つ含む、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の複合粉体。
  6. 前記有機化合物は、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタンである、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の複合粉体。
  7. 平均一次粒子径が100nm未満である、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の複合粉体。
  8. 比表面積が10m/g以上である、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の複合粉体。
  9. 前記無機粉体を55重量%以上〜95重量%未満、前記金属酸化物を0重量%より多く5.0重量%以下、前記有機化合物を5.0重量%以上40重量%以下含む、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の複合粉体。
  10. 環状シロキサン55gと流動パラフィン5gとHLBが7以下のポリエーテル変性シリコーン5gとからなる油相に前記有機−無機複合粉体15gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して油相分散体を得、前記油相分散体に水17gと多価アルコール3gとからなる水相20gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して乳化物を得た場合、前記乳化物の臨界波長が380nm以上である、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の複合粉体。
  11. 環状シロキサン55gと流動パラフィン5gとHLBが7以下のポリエーテル変性シリコーン5gとからなる油相に前記有機−無機複合粉体15gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して油相分散体を得、前記油相分散体に水17gと多価アルコール3gとからなる水相20gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して乳化物を得た場合、前記乳化物の550nmの透過率が80%以上である、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の複合粉体。
  12. 環状シロキサン55gと流動パラフィン5gとHLBが7以下のポリエーテル変性シリコーン5gとからなる油相に前記有機−無機複合粉体15gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して油相分散体を得、前記油相分散体に水17gと多価アルコール3gとからなる水相20gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して乳化物を得た場合、前記乳化物に対し、太陽光と同等のスペクトルを有し、かつ、340nmの波長の光の照射量が63kJ/mとなるように光を照射した場合、照射前後における前記乳化物のSPFの維持率が80%以上である、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の複合粉体。
  13. 環状シロキサン55gと流動パラフィン5gとHLBが7以下のポリエーテル変性シリコーン5gとからなる油相に前記有機−無機複合粉体15gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して油相分散体を得、前記油相分散体に水17gと多価アルコール3gとからなる水相20gを加えて分散機で3000rpmにて10分間分散して乳化物を得た場合、前記乳化物に対し、太陽光と同等のスペクトルを有し、かつ、340nmの波長の光の照射量が63kJ/mとなるように光を照射した場合、照射前後における前記乳化物のUVAPFの維持率が80%以上である、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の複合粉体。
  14. 請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の複合粉体を含む、乳化物。
  15. 臨界波長が380nm以上である、請求項14に記載の乳化物。
  16. 550nmの波長の光の透過率が80%以上である、請求項14または請求項15に記載の乳化物。
  17. 前記乳化物に対し、太陽光と同等のスペクトルを有し、かつ、340nmの波長の光の照射量が63kJ/mとなるように光を照射した場合、照射前後におけるSPFの維持率が80%以上である、請求項14から請求項16までのいずれか1項に記載の乳化物。
  18. 前記乳化物に対し、太陽光と同等のスペクトルを有し、かつ、340nmの波長の光の照射量が63kJ/mとなるように光を照射した場合、照射前後における前記乳化物のUVAPFの維持率が80%以上である、請求項14から請求項17までのいずれか1項に記載の乳化物。
  19. 請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の複合粉体または請求項14から請求項18までのいずれか1項に記載の乳化物を含む化粧料。
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