JP2017031081A - 油中水型皮膚外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外線吸収剤と美白化合物とを含有し、且つ、美白化合物の光安定性に優れた油中水型皮膚外用剤の提供。
【解決手段】酸化チタン及び紫外線吸収剤の複合粉体と、美白化合物と、を含有する油中水型皮膚外用剤。該紫外線吸収剤としては、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンであることが好ましく、該美白化合物としては、アルブチン、アスコルビン酸若しくはアスコルビン酸誘導体又はそれらの塩、及びトラネキサム酸若しくはトラネキサム酸誘導体又はそれらの塩から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、該皮膚外用剤には、複合粉体を除く油相の全質量に対してシリコーン油が50質量%以上含まれることが好ましく、該皮膚外用剤には、親水性増粘剤であるヒアルロン酸又はその塩、キサンタンガム、及びアルカリゲネス産生多糖体から選ばれる少なくとも1種が更に含まれることが好ましい油中水型皮膚外用剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、油中水型皮膚外用剤に関する。
皮膚のしみ、そばかす等の色素沈着は、紫外線等の影響により過剰に生成されたメラニンが皮膚内に沈着することが原因となっている。
従来、このような皮膚の色素沈着を改善し、又は色素沈着を抑制するため、美白化合物を配合した化粧料等の皮膚外用剤が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、ポリアルキレングリコール−ジイソシアネート共重合体と、アルブチン等の美白化合物と、抗炎症剤と、を含有する油中水型乳化組成物が開示されている。
また、特許文献2には、アスコルビン酸誘導体等の美白化合物と、特定のポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン又はポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンと、紫外線吸収剤と、を含有する油中水型乳化組成物が開示されている。
特開2012−144444号公報 特開2014−111584号公報
ところで、美白化合物は紫外領域の光に対する安定性に劣るものが多く、美白効果を長期に亘って発現するためには、光安定性の向上が重要である。特に、近年では各種照明用途にLED(Light Emitting Diode)が使用されることが増えているため、美白化合物を含有する皮膚外用剤にとって、LED光に対する安定性も重要な性能となる。
しかし、特許文献1の油中水型乳化組成物は、紫外線遮蔽能を有さず、美白化合物の安定性に劣ることがある。
一方、特許文献2の油中水型乳化組成物は、紫外線吸収剤を含有するものの、本発明者らが確認したところ、美白化合物を含有する油中水型皮膚外用剤に紫外線吸収剤を単に配合しただけでは、美白化合物の光安定性が充分ではないことが判明した。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、紫外線吸収剤と美白化合物とを含有し、且つ、美白化合物の光安定性に優れた油中水型皮膚外用剤を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> 酸化チタン及び紫外線吸収剤の複合粉体と、美白化合物と、を含有する油中水型皮膚外用剤。
<2> 紫外線吸収剤が、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンを含む<1>に記載の油中水型皮膚外用剤。
<3> 美白化合物が、アルブチン、アスコルビン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、及びトラネキサム酸若しくはその誘導体又はそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む<1>又は<2>に記載の油中水型皮膚外用剤。
<4> 複合粉体を除く油相の全質量に対してシリコーン油を50質量%以上含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載の油中水型皮膚外用剤。
<5> 複合粉体が油相に含まれる<1>〜<4>のいずれか1つに記載の油中水型皮膚外用剤。
<6> 親水性増粘剤を更に含有する<1>〜<5>のいずれか1つに記載の油中水型皮膚外用剤。
<7> 親水性増粘剤が、ヒアルロン酸又はその塩、キサンタンガム、及びアルカリゲネス産生多糖体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む<6>に記載の油中水型皮膚外用剤。
本発明によれば、酸化チタン及び紫外線吸収剤の複合粉体と美白化合物とを含有し、且つ、美白化合物の光安定性に優れた油中水型皮膚外用剤を提供することができる。
以下、本発明を適用した油中水型皮膚外用剤の実施形態の一例について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書において油中水型皮膚外用剤中の各成分の量は、各成分に該当する物質が油中水型皮膚外用剤中に複数種存在する場合には、特に断らない限り、油中水型皮膚外用剤中に存在する複数種の物質の合計量を意味する。
本明細書において「油相」とは、油中水型皮膚外用剤の連続相を意味し、連続相の液状媒体と、その液状媒体に分散又は溶解している成分とを含む。
本明細書において「水相」とは、油中水型皮膚外用剤の分散相を意味し、分散相の液状媒体と、その液状媒体に分散又は溶解している成分とを含む。
<油中水型皮膚外用剤>
本実施形態の油中水型皮膚外用剤は、酸化チタン及び紫外線吸収剤の複合粉体と、美白化合物と、を含有する。
本実施形態の油中水型皮膚外用剤は、酸化チタン及び紫外線吸収剤の複合粉体を含有することにより、例えば、酸化チタンと紫外線吸収剤とを別々に含有する場合と比較して、美白化合物の光安定性、特に、波長320nm〜450nmの光に対する安定性を顕著に向上させることができる。その結果、本実施形態の油中水型皮膚外用剤は、美白化合物の効果を長期に亘って発現することが可能となる。また、本実施形態の油中水型皮膚外用剤は、酸化チタン及び紫外線吸収剤の複合粉体を含有するため、皮膚に有害な紫外線を遮蔽することができる。
以下、本実施形態の油中水型皮膚外用剤が含有し得る成分について、詳細に説明する。
[酸化チタン及び紫外線吸収剤の複合粉体]
本実施形態の油中水型皮膚外用剤は、酸化チタン及び紫外線吸収剤の複合粉体(以下、単に「複合粉体」ともいう。)を含有する。油中水型皮膚外用剤は、複合粉体を1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
複合粉体を構成する酸化チタンは、特に制限されず、アナタース型、ルチル型、ブルカイト型等のいずれの結晶型の酸化チタンであってもよい。酸化チタンの結晶型は、紫外線遮蔽能を向上させる観点から、ルチル型であることが好ましい。
酸化チタンは、水酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム等の無機物で表面処理されたものであってもよく、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸で表面処理されたものであってもよく、無機物及び脂肪酸の両方で表面処理されたものであってもよい。水酸化アルミニウム等の無機物で酸化チタンを表面処理することにより、酸化チタンを不活性化することができる。また、ステアリン酸等の脂肪酸で酸化チタンを表面処理することにより、酸化チタンの表面を疎水化することができる。
酸化チタンの平均一次粒子径は、紫外線遮蔽能及び油中水型皮膚外用剤の透明性の観点から、例えば、1nm〜90nmであることが好ましく、5nm〜50nmであることがより好ましい。酸化チタンの平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡で1000個以上撮影し、撮影された個々の粒子について画像解析式粒度分布測定装置を用いて画像処理を行い、円相当径を測定した値とする。酸化チタンとして市販品を用いる場合には、カタログ等に記載された平均一次粒子径をそのまま適用することができる。
紫外線吸収剤としては、酸化チタンとの複合化の容易さの観点から、有機紫外線吸収剤が好ましい。有機紫外線吸収剤の中でも、美白化合物の光安定性の向上効果の観点から、UVA領域付近(波長320nm〜450nm)及びUVB(波長280nm〜320nm)の少なくとも一方に吸収能を有する有機紫外線吸収剤が好ましく、少なくともUVA領域付近に吸収能を有する有機紫外線吸収剤がより好ましい。
紫外線吸収剤の具体例としては、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ)−1,3,5−トリアジン、サリチル酸エチルヘキシル、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、サリチル酸ホモメンチル、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤の中でも、酸化チタンとの複合化の容易さ及びコストの観点から、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、及び2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、美白化合物の光安定性の向上効果の観点から、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンがより好ましい。
複合粉体は、酸化チタンの表面に、紫外線吸収剤を含む表面処理層を有するものが好ましい。表面処理層は、酸化チタンの表面全体に存在することが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、表面処理層が存在しない部分があってもよい。酸化チタンの表面(酸化チタンが無機物及び脂肪酸の少なくとも一方で表面処理されている場合には、表面に配置されている無機物又は脂肪酸)と紫外線吸収剤との結合様式は、酸化チタンと紫外線吸収剤とが一体的に挙動するものであれば特に制限されず、共有結合等の化学結合であってもよく、吸着等の非化学結合であってもよい。
なお、酸化チタンの表面に紫外線吸収剤が存在することは、複合粉体の反射スペクトルを測定することにより確認することができる。
複合粉体における酸化チタンと紫外線吸収剤との比率は特に制限されない。複合粉体としての紫外線遮蔽能の観点から、例えば、酸化チタン1質量部に対して、紫外線吸収剤0.03質量部〜1質量部とすることができる。
複合粉体の平均粒子経は、1μm未満であることが好ましい。複合粉体の平均粒子経が1μm未満であれば、複合粉体自体による油中水型皮膚外用剤の着色が抑えられ、いわゆる白浮きが生じ難くなる。複合粉体の平均粒子経は、紫外線遮蔽能及び使用感の観点から、1nm〜500nmであることがより好ましく、3nm〜100nmであることが更に好ましい。
複合粉体の平均粒子径は、酸化チタンの平均一次粒子径と同様の方法により測定することができる。
複合粉体としては、例えば、国際公開第2010/098249号に開示された複合粉体を使用することができる。複合粉体は、市販品としても入手可能である。複合粉体の市販品としては、テイカ(株)のHXMT−100ZA等が挙げられる。HXMT−100ZAは、水酸化アルミニウム及びステアリン酸で表面処理された酸化チタンの表面に、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンを含む表面処理層が形成されたものである。
油中水型皮膚外用剤中における複合粉体の含有率は、油中水型皮膚外用剤の全質量に対して、例えば、0.1質量%〜50質量%であることが好ましく、0.5質量%〜25質量%であることがより好ましく、1質量%〜15質量%であることが更に好ましい。複合粉体の含有率が0.1質量%以上であれば、紫外線遮蔽能及び美白化合物の光安定性が向上する傾向にあり、複合粉体の含有率が50質量%以下であれば、油中水型皮膚外用剤中における複合粉体の分散安定性が向上する傾向にある。
油中水型皮膚外用剤中における複合粉体の含有率は、美白化合物の光安定性の向上効果の観点から、質量基準で、美白化合物の含有量の0.5倍〜10倍であることが好ましく、1倍〜5倍であることがより好ましい。
複合粉体は、油中水型皮膚外用剤の油相及び水相のいずれに含まれていてもよい。油中水型皮膚外用剤の耐水性、使用感(なめらかさ、さっぱり感)、及び美白化合物の光安定性の向上効果の観点から、複合粉体は、油中水型皮膚外用剤の油相に含まれていることが好ましい。
例えば、複合粉体を油中水型皮膚外用剤の油相に配合する際には、ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン油等を用いてスラリーを調製し、スラリーの形態で他の成分と配合してもよい。
スラリーにおける複合粉体の含有率は特に制限されない。一般に、スラリーにおける複合粉体の含有率は、スラリーの全質量の10質量%〜80質量%とすることが好ましく、20質量%〜60質量%とすることがより好ましい。スラリーにおける複合粉体の含有率が上記の範囲であれば、油中水型皮膚外用剤に複合粉体を安定に配合できる傾向にある。
[美白化合物]
本実施形態の油中水型皮膚外用剤は、美白化合物を含有する。油中水型皮膚外用剤は、美白化合物を1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
本明細書における「美白化合物」とは、肌を白くする効果を有する化合物のみならず、肌の黒化を抑制する効果を有する化合物も含む概念である。例えば、しみ、そばかす等の色素沈着を改善する効果を有する化合物のみならず、色素沈着を抑制する効果を有する化合物も、「美白化合物」に含まれる。
美白化合物としては、以下の(i)〜(iv)の機構により美白効果を発現する化合物がそれぞれ知られている。
(i)メラノサイト活性化因子がメラノサイトに作用するのを阻害する。
(ii)メラノサイト内のチロシナーゼタンパク質の活性を阻害する。
(iii)チロシナーゼタンパク質の分解を促進する。
(iv)チロシンからメラニンへの合成の際の酸化を抑制する。
上記(i)の機構により美白効果を発現する美白化合物としては、t−AMCHA(tert−4−アミノメチル−シクロヘキサンカルボン酸)又はその塩、トラネキサム酸若しくはトラネキサム酸誘導体又はそれらの塩、カモミラET(カミツレエキス)等が挙げられる。上記(ii)の機構により美白効果を発現する美白化合物としては、アルブチン、エラグ酸又はその塩、ルシノール(4−n−ブチルレゾルシノール)、アスコルビン酸若しくはアスコルビン酸誘導体又はそれらの塩等が挙げられる。上記(iii)の機構により美白効果を発現する美白化合物としては、リノール酸等が挙げられる。上記(iv)の機構により美白効果を発現する美白化合物としては、アスコルビン酸若しくはアスコルビン酸誘導体又はそれらの塩等が挙げられる。
油中水型皮膚外用剤は、美白化合物として、アルブチン、アスコルビン酸若しくはアスコルビン酸誘導体又はそれらの塩、及びトラネキサム酸若しくはトラネキサム酸誘導体又はそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩などが挙げられる。
アスコルビン酸誘導体又はその塩としては、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩(APM)、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩(APS)、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、アスコルビン酸2−グルコシド(AA2G)、アスコルビン酸エチル(VC−Et)等が挙げられる。
トラネキサム酸誘導体又はその塩としては、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ミリスチルエステル、トラネキサム酸セチルエステル、トラネキサム酸ステアリルエステル等が挙げられる。
複合粉体による光安定性の向上効果の観点から、油中水型皮膚外用剤は、アルブチン、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩(APM)、アスコルビン酸2−グルコシド(AA2G)、及びトラネキサム酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、アルブチン、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩(APM)、及びアスコルビン酸2−グルコシド(AA2G)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが更に好ましく、アルブチン及びアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩(APM)から選ばれる少なくとも1種を含むことが特に好ましい。
油中水型皮膚外用剤中における美白化合物の含有率は、油中水型皮膚外用剤の全質量に対して、例えば、0.5質量%〜7質量%であることが好ましく、1質量%〜5質量%であることがより好ましく、2質量%〜3質量%であることが更に好ましい。
[ポリエーテル変性シリコーン]
本実施形態の油中水型皮膚外用剤は、ポリエーテル変性シリコーンを含有していてもよい。油中水型皮膚外用剤がポリエーテル変性シリコーンを含有することにより、油中水型皮膚外用剤の乳化安定性が向上する傾向にある。油中水型皮膚外用剤は、ポリエーテル変性シリコーンを1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
ポリエーテル変性シリコーンは、主鎖であるシリコーン鎖と、変性により導入されたポリエーテル鎖とを有するポリマーである。シリコーン鎖は、直鎖状のシリコーン鎖であってもよく、分岐鎖状のシリコーン鎖であってもよい。ポリエーテル鎖としては、ポリエチレングリコール(PEG)鎖、ポリプロピレングリコール(PPG)鎖等が挙げられる。ポリエーテル変性シリコーンは、変性により導入された炭素数8〜22のアルキル鎖を更に有していてもよい。
ポリエーテル変性シリコーンのHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)値は、油中水型皮膚外用剤の乳化安定性の観点から、1〜10であることが好ましく、2〜8であることがより好ましい。本明細書において、ポリエーテル変性シリコーンのHLB値は、分子量及びエチレンオキサイド基の個数から求めた値である。市販品を用いる場合には、カタログ等に記載されたHLB値をそのまま適用することができる。
ポリエーテル変性シリコーンとしては、PEG−11メチルエーテルジメチコン、PEG/PPG−20/22ブチルエーテルジメチコン、PEG/PPG−19/19ジメチコン、PEG−9ジメチコン、PEG−9メチルエーテルジメチコン、PEG−10ジメチコン、PEG−21メチルエーテルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンは、市販品としても入手可能である。市販品としては、例えば、KF−6011、KF−6011P、KF−6012、KF−6013、KF−6015、KF−6016、KF−6017、KF−6017P、KF−6043、KF−6028、KF−6028P、KF−6038(以上、信越化学工業(株))等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンとしては、油中水型皮膚外用剤の乳化安定性の観点から、分岐鎖状のシリコーン鎖を有するポリエーテル変性シリコーンが好ましい。中でも、ポリエーテル変性シリコーンとしては、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン及びラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
油中水型皮膚外用剤がポリエーテル変性シリコーンを含有する場合、ポリエーテル変性シリコーンの含有率は、油中水型皮膚外用剤の全質量に対して、例えば、0.01質量%〜10質量%であることが好ましく、0.1質量%〜8質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜6質量%であることが更に好ましい。ポリエーテル変性シリコーンの含有率が0.01質量%以上であれば、油中水型皮膚外用剤の乳化安定性が向上する傾向にあり、ポリエーテル変性シリコーンの含有率が10質量%以下であれば、油中水型皮膚外用剤の塗布後におけるベタツキが減少する傾向にある。
[脂肪酸]
本実施形態の油中水型皮膚外用剤は、脂肪酸を含有していてもよい。油中水型皮膚外用剤が脂肪酸を含有することにより、粘度安定性及び使用感が向上する傾向にある。油中水型皮膚外用剤は、脂肪酸を1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
脂肪酸としては、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸のいずれであってもよく、また、直鎖状及び分岐鎖状のいずれであってもよい。脂肪酸の総炭素数としては、特に制限されないが、粘度安定性及び使用感の観点から、総炭素数8〜20であることが好ましく、総炭素数10〜18であることがより好ましい。脂肪酸の中でも、粘度安定性及び使用感の観点から、直鎖状の不飽和脂肪酸、分岐鎖状の飽和脂肪酸、又は分岐鎖状の不飽和脂肪酸が好ましい。
脂肪酸の具体例としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、アラキドン酸、ウンデシレン酸等が挙げられる。これらの中でも、粘度安定性及び使用感の観点から、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、及びイソステアリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、オレイン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、及びパルミチン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
油中水型皮膚外用剤が脂肪酸を含有する場合、脂肪酸の含有率は、油中水型皮膚外用剤の全質量に対して、例えば、0.01質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜10質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜5質量%であることが更に好ましい。脂肪酸の含有率が0.01質量%以上であれば、油中水型皮膚外用剤の粘度安定性及び使用感が向上する傾向にあり、脂肪酸の含有率が20質量%以下であれば、複合粉体の分散性が向上する傾向にある。
[親油性増粘剤]
本実施形態の油中水型皮膚外用剤は、親油性増粘剤を含有していてもよい。親油性増粘剤とは、油相に分散又は溶解して粘性を付与することができる成分を指す。油中水型皮膚外用剤が親油性増粘剤を含有することにより、油相に含有される成分の分散安定性が向上する傾向にある。油中水型皮膚外用剤は、親油性増粘剤を1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
親油性増粘剤の形態は、特に制限されず、粒子状、ペースト状、スラリー状、ガム状、液状、結晶状等のいずれであってもよい。油中水型皮膚外用剤の経時安定性の観点から、親油性増粘剤の形態は、粒子状、ペースト状、又はスラリー状であることが好ましく、粒子状であることがより好ましい。「粒子状」とは、球状、板状、不定形等のいずれの形状であるかを問わない。粒子状の親油性増粘剤の最大径は、100μm以下であることが好ましい。
親油性増粘剤が粒子状である場合には、親油性増粘剤の体積平均粒子径は、0.005μm〜30μmであることが好ましく、0.01μm〜30μmであることがより好ましく、0.1μm〜30μmであることが更に好ましい。親油性増粘剤の体積平均粒子径が0.005μm以上であれば、使用時の肌のきしみ感が抑えられ、使用感が向上する傾向にある。また、親油性増粘剤の体積平均粒子径が30μm以下であれば、親油性増粘剤の単位重さ当たりの表面積が小さくなり過ぎず、肌への付着性が損なわれない傾向がある。
親油性増粘剤の体積平均粒子径は、市販の種々の粒度分布計等で計測可能である。親油性増粘剤の体積平均粒子径の計測は、粒子径範囲及び測定の容易さから、動的光散乱法を適用することが好ましい。
本明細書では、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))を用いて体積平均粒子径を測定する。具体的には、濃度が1質量%になるように親油性増粘剤をジメチコンで希釈し、石英セルを用いて測定を行う。親油性増粘剤の体積平均粒子径は、試料屈折率として1.600、分散媒の屈折率として1.000、及び分散媒の粘度としてジメチコンの粘度を設定したときの値として求める。
親油性増粘剤としては、架橋型シリコーン粉体、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粉体、有機変性粘土鉱物、シリカ粉体、多孔質シリカ粉体、とうもろこしでんぷん、デキストリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
架橋型シリコーン粉体としては、シリコーンゲル粉体、シリコーンゴム粉体、シリコーンレジン粉体、シリコーンエラストマー等が挙げられる。架橋型シリコーン粉体の中でも、油中水型皮膚外用剤の分散安定性の観点から、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/ビス−イソブチルPPG−20)クロスポリマー、ジメチコンクロスポリマー、(ジメチコン(PEG−10))クロスポリマー、(PEG−10/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG−10ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン(PEG−10/15))クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー、(ポリグリセリル−3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー、(ポリグリセリル−3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジメチコン/ビスイソブチルPPG−20)クロスポリマー、(ジメチコン/ビニルトリメチルシロキシケイ酸)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、及び(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
シリコーンゲル粉体の市販品としては、KSG−15、KSG−16、KSG−1610、KSG−18A、KSP−100、KSP−101、KSP−102、KSP−105、KSP−300、KSP−441、KSP−411、KSG−41、KSG−42、KSG−43、KSG−44、KSG−210、KSG−240、KSG−310、KSG−320、KSG−330、KSG−340、KSG−710、KSG−320Z、KSG−350Z(以上、信越化学工業(株))等が挙げられる。
シリコーンゴム粉体の市販品としては、トレフィル(登録商標) E−506C、E−508、9701Cosmetic Powder、9702Powder、9027/9040/9041/9045/9046/9041/9546 Silicone Elastomer Blend、EP−9215、EP−9216 TI、EP−9289 LL、EP−9293 AL、EL−8040 ID Silicone Organic Blend(以上、東レ・ダウコーニング(株))、Wacker−Belsil(登録商標) RG 100(旭化成ワッカーシリコーン(株))、NIKKOL(登録商標) SILBLEND−91(日光ケミカルズ(株))等が挙げられる。
PMMA粉体としては、PMMAの粉体の他に、メタクリル酸メチルクロスポリマー、(メタクリル酸メチル/ジメタクリル酸グリコール)クロスポリマー、(メタクリル酸メチル/アクリロニトリル)コポリマー、(ポリメタクリル酸メチル/ジメチルポリシロキサングラフトアクリル樹脂)コポリマー、(アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸メチル)コポリマー等の粉体も包含される。
PMMA粉体の市販品としては、テクポリマー(登録商標)(積水化成品工業(株))、マツモトマイクロスフェアー(松本油脂製薬(株))等が挙げられる。
有機変性粘土鉱物としては、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等が挙げられる。
シリカ粉体としては、シリカ、シリル化シリカ、ジメチルシリル化シリカ、ジメチコンケイ酸シリカ粉体等が挙げられる。
多孔質シリカ粉体としては、多孔質のシリカ、シリル化シリカ、ジメチルシリル化シリカ、ジメチコンケイ酸シリカ等が挙げられ、粘度安定化の観点から、多孔質のシリカが好ましい。
多孔質シリカ粉体の市販品としては、サンスフェア(登録商標) H−31、H−32、H−33、H−51、H−52、H−53、H−121、H−122、H−201(以上、旭硝子(株))、VM−2270 Aerogel Fine Particle(東レ・ダウコーニング(株))、HDK(登録商標) H2000、H15、H18、H20、H30(以上、旭化成ワッカーシリコーン(株))、サイロピュア(登録商標)(富士シリシア化学(株))、トクシール((株)トクヤマ製)、マイクロビーズシリカゲル(富士シリシア化学(株))等が挙げられる。
とうもろこしでんぷんの市販品としては、DRY FLO PURE(アクゾノーベル(株))等が挙げられる。
デキストリン脂肪酸エステルとしては、パルミチン酸デキストリン、パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、パルミチン酸/ステアリン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、イソパルミチン酸デキストリン、イソステアリン酸デキストリン等が挙げられる。
また、親油性増粘剤としては、スチレン/ステアリルメタクリレート/ジビニルベンゼン等からなる多孔質ポリマー、水添(スチレン/イソプレン)コポリマー、(ブチレン/エチレン/スチレン)コポリマー、(スチレン/アクリルアミド)コポリマー、(エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、粘土鉱物、ベントナイト、合成金雲母、ポリアミド樹脂、薄片状酸化チタン等を使用することもできる。
これらの親油性増粘剤の中でも、油中水型皮膚外用剤の使用感(なめらかさ)の観点から、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン(PEG−10/15))クロスポリマー、メタクリル酸メチルクロスポリマー、及び(メタクリル酸メチル/ジメタクリル酸グリコール)クロスポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
油中水型皮膚外用剤が親油性増粘剤を含有する場合、親油性増粘剤の含有率は、油中水型皮膚外用剤の全質量に対して、例えば、0.005質量%〜30質量%であることが好ましく、0.01質量%〜20質量%であることがより好ましく、0.05質量%〜15質量%であることが更に好ましい。親油性増粘剤の含有率が0.005質量%以上であれば、油相における分散安定性が向上する傾向にあり、親油性増粘剤の含有率が30質量%以下であれば、油中水型皮膚外用剤の使用感(なめらかさ)が向上する傾向にある。
[親水性増粘剤]
本実施形態の油中水型皮膚外用剤は、親水性増粘剤を含有していてもよい。親水性増粘剤とは、水相に分散又は溶解して粘性を付与することができる成分を指す。油中水型皮膚外用剤が親水性増粘剤を含有することにより、使用時の水分が蒸発する際における美白化合物の析出が抑えられ、ざらつきなく、なめらかな感触が得られる傾向にある。また、油中水型皮膚外用剤が親水性増粘剤を含有することにより、美白化合物の光安定性が向上する傾向にある。油中水型皮膚外用剤は、親水性増粘剤を1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
親水性増粘剤としては、特に制限されないが、多糖類が好ましい。多糖類の具体例としては、ヒアルロン酸又はその塩、キサンタンガム、アルカリゲネス産生多糖体(アルカシーラン)、アラビアガム、トラガカントガム、カラヤガム、タマリンドガム、グアーガム、カラギーナン、ヒドロキシプロピルグアーガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、ネイティブジェランガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。ヒアルロン酸の塩としては、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、なめらかな使用感及び美白化合物の光安定性の向上効果の観点から、ヒアルロン酸又はその塩、キサンタンガム、及びアルカリゲネス産生多糖体(アルカシーラン)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
油中水型皮膚外用剤が親水性増粘剤を含有する場合、親水性増粘剤の含有率は、油中水型皮膚外用剤の全質量に対して、例えば、0.01質量%〜2質量%であることが好ましく、0.01質量%〜0.5質量%であることがより好ましく、0.03質量%〜0.1質量%であることが更に好ましい。親水性増粘剤の含有率が0.01質量%以上であれば、なめらかな使用感が得られ、また、美白化合物の光安定性が向上する傾向にあり、親水性増粘剤の含有率が2質量%以下であれば、油中水型皮膚外用剤の塗布後におけるベタツキが低減される傾向にある。
[界面活性剤]
本実施形態の油中水型皮膚外用剤は、界面活性剤を含有していてもよい。油中水型皮膚外用剤が界面活性剤を含有することにより、油中水型皮膚外用剤の粘度安定性が向上する傾向にある。油中水型皮膚外用剤は、界面活性剤を1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤及びイオン性界面活性剤のいずれであってもよい。イオン性界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、モノアルキルリン酸塩、レシチン等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
油中水型皮膚外用剤が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有率は、油中水型皮膚外用剤の全質量に対して、例えば、0.01質量%〜30質量%であることが好ましく、0.05質量%〜20質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜10質量%であることが更に好ましい。界面活性剤の含有率が0.01質量%以上であれば、油中水型皮膚外用剤の粘度安定性が向上する傾向にあり、界面活性剤の含有率が30質量%以下であれば、使用感が向上する傾向にある。
[油剤]
本実施形態の油中水型皮膚外用剤は、油剤を含有する。油剤は、油中水型皮膚外用剤の油相を形成する組成物において、溶媒又は分散媒となる成分である。油剤としては、室温(25℃)で液状であれば特に制限されない。油剤としては、シリコーン油、エステル油、炭化水素油等が挙げられる。油中水型皮膚外用剤は、油剤を1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン(シクロペンタシロキサン)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン等の環状ポリシロキサン、カプリリルメチコンなどが挙げられる。
シリコーン油の市販品としては、KF−96L−0.65cs、KF−96L−1cs、KF−96L−1.5cs、KF−96L−2cs、KF−96L−5cs、KF−96A−6cs、KF−96−10cs、KF−96−20cs、KF−995(以上、信越化学工業(株))、SH200 C Fluid 1CS、SH200 Fluid 1.5CS、SH200 C 2CS、SH200 C Fluid 5CS、SH200 C Fluid 6CS、SH200 C Fluid 10CS、SH200 C Fluid 20CS、2−1184 Fluid、SH245 Fluid、DC246 Fluid、DC345 Fluid、SS−3408(以上、東レ・ダウコーニング(株))、TSF404、TSF405、TSF4045(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社)等が挙げられる。
エステル油としては、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、エチルヘキサン酸セチル、ホホバ油、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、トリイソステアリン、ジイソステアリン酸グリセリル、トリエチルヘキサノイン、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、パルミチン酸イソプロピル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール、イソノナン酸イソトリデシル等が挙げられる。
炭化水素油は、直鎖状及び分岐鎖状のいずれであってもよい。炭化水素油としては、イソデカン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭素数8〜16のイソアルカン(イソパラフィン)等が挙げられる。
油中水型皮膚外用剤中における油剤の含有率は、油中水型皮膚外用剤の全質量に対して、例えば、5質量%〜80質量%であることが好ましく、10質量%〜80質量%であることがより好ましく、15質量%〜80質量%であることが更に好ましく、30質量%〜80質量%であることが特に好ましく、40質量%〜80質量%であることが最も好ましい。
特に、油中水型皮膚外用剤は、複合粉体を除く油相の全質量に対してシリコーン油を50質量%以上含むことが好ましい。油中水型皮膚外用剤の複合粉体を除いた油相におけるシリコーン油の含有率が50質量%以上であれば、油中水型皮膚外用剤の耐水性及び使用感(さっぱり感)が向上する傾向にある。
[水]
本実施形態の油中水型皮膚外用剤は、水を含有する。水は、油中水型皮膚外用剤の水相を構成する組成物において、溶媒又は分散媒となる成分である。水としては、皮膚外用剤に適用し得る水であれば特に制限されない。
[多価アルコール]
本実施形態の油中水型皮膚外用剤は、多価アルコールを含有していてもよい。油中水型皮膚外用剤が多価アルコールを含有することにより、油中水型皮膚外用剤の使用感(保湿性)が向上する傾向にある。油中水型皮膚外用剤は、多価アルコールを1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
多価アルコールとしては、グリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、グルコース、ガラクトース、スクロース、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、トレハロース等が挙げられる。
[他の成分]
本実施形態の油中水型皮膚外用剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、他の成分を含有していてもよい。
他の成分としては、酸化チタンと複合化されていない紫外線吸収剤、水溶性有機溶剤(エタノール等)、防腐剤(フェノキシエタノール、メチルパラベン等)、pH調整剤、エモリエント剤、保湿剤、酸化防止剤、着色剤、香料などが挙げられる。
<油中水型皮膚外用剤の用途>
本実施形態の油中水型皮膚外用剤は、化粧料、経皮医薬部外品等の用途に適用することができる。化粧料としては、スキンケア化粧料、日焼け止め化粧料、化粧下地等のメイクアップ化粧料などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
<油中水型皮膚外用剤の製造方法>
本実施形態の油中水型皮膚外用剤の製造方法は、特に制限されず、公知の油中水型皮膚外用剤の製造方法に従って製造することができる。
例えば、複合粉体を油相に配合する場合には、複合粉体と他の油相成分とを含有する油相組成物を調製し、得られた油相組成物と水相組成物とを混合して、油中水型皮膚外用剤を製造することができる。
また、複合粉体を水相に配合する場合には、複合粉体と他の水相成分とを含有する水相組成物を調製し、得られた水相組成物と油相組成物とを混合して、油中水型皮膚外用剤を製造することができる。
油相組成物と水相組成物とを混合して油中水型乳化物としての油中水型皮膚外用剤を得る際の乳化方法としては、特に制限はなく、常法に従って行うことができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
シクロペンタシロキサン、複合粉体(HXMT−100ZA、テイカ(株))、及びジメチコン10CSを室温にてディスパーで充分に撹拌混合した。その後、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(KF−6028、信越化学工業(株))、オレイン酸(ルナックO−V、花王(株))、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー(KSG−16、体積平均粒子径5μm、信越化学工業(株))、及び(ジメチコン/(PEG−10/15)クロスポリマー(KSG−210、信越化学工業(株))を更に添加し、撹拌混合して均一化し、油相組成物を得た。
次いで、エタノール、1,3−ブチレングリコール、アルブチン、ヒアルロン酸ナトリウムの1質量%水溶液、及び水(配合量の一部)を室温にて撹拌混合して均一化し、水相組成物を得た。
次いで、油相組成物をホモミキサーで撹拌しながら、水相組成物を少量ずつ添加して乳化した。その後、フェノキシエタノールを添加し、残りの水を添加して均一化することにより、実施例1の油中水型皮膚外用剤を得た。
実施例1の油中水型皮膚外用剤の組成を表1に示す。表1中の成分の欄における「%」は「質量%」を示し、「−」はその成分を含有しないことを示す。
[実施例2〜4]
アルブチンを添加する代わりに、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩(APM)、アスコルビン酸2−グルコシド(AA2G)、又はトラネキサム酸を添加した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜4の油中水型皮膚外用剤を得た。実施例2〜4の油中水型皮膚外用剤の組成を表1に示す。
[実施例5]
ヒアルロン酸ナトリウムの1質量%水溶液を添加する代わりに、キサンタンガムの1質量%水溶液を添加した以外は実施例1と同様にして、実施例5の油中水型皮膚外用剤を得た。実施例5の油中水型皮膚外用剤の組成を表1に示す。
[実施例6〜9]
ヒアルロン酸ナトリウムの1質量%水溶液を添加しなかった以外は実施例1〜4と同様にして、実施例6〜9の油中水型皮膚外用剤を得た。実施例6〜9の油中水型皮膚外用剤の組成を表1に示す。
[実施例10]
シクロペンタシロキサンを添加する代わりに、シクロペンタシロキサン及びイソノナン酸イソトリデシルを添加した以外は実施例1と同様にして、実施例10の油中水型皮膚外用剤を得た。実施例10の油中水型皮膚外用剤の組成を表1に示す。
[比較例1]
アルブチンを添加しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1の油中水型皮膚外用剤を得た。比較例1の油中水型皮膚外用剤の組成を表1に示す。
[比較例2]
複合粉体を添加する代わりに、表面処理酸化チタン(MT−10EX、テイカ(株))及び4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンを添加した以外は実施例1と同様にして、比較例1の油中水型皮膚外用剤を得た。比較例1の油中水型皮膚外用剤の組成を表1に示す。なお、比較例2では、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンが溶解せずに析出したため、濾過後に使用した。
[比較例3]
シクロペンタシロキサンを添加する代わりに、シクロペンタシロキサン及びイソノナン酸イソトリデシルを添加した以外は比較例2と同様にして、比較例3の油中水型皮膚外用剤を得た。比較例3の油中水型皮膚外用剤の組成を表1に示す。
[評価]
実施例1〜10及び比較例1〜3の油中水型皮膚外用剤について、以下の各評価を行った。結果を表1に示す。表1中、評価の欄における「−」は、その評価を行っていないことを示す。
(紫外線遮蔽能の評価)
ISO24443:2012に準じて、実施例1の油中水型皮膚外用剤をPMMA基板(HELIOPLATE HD6、HelioScreen社)上に2mg/cmの塗布量で塗布し、紫外線遮蔽能評価用サンプルを作製した。この紫外線遮蔽能評価用サンプルを用いて、SPF(Sun Protection Factor)アナライザー(UV−2000S、Labsphere社)により、UVAPF(UVA Protection Factor)値を測定した。その結果、実施例1の油中水型皮膚外用剤のUVAPF値は18.0であった。
同様に、実施例2〜10及び比較例1〜3の油中水型皮膚外用剤を用いてUVAPF値を測定した。
実施例1の油中水型皮膚外用剤のUVAPF値を100としたときの相対値を表1に示す。相対値が75以上であれば、実用上許容される。
(耐水性の評価)
上記の紫外線遮蔽能評価用サンプルを流水(1L/秒)に10分間浸した後、乾燥させ、上記と同様にUVAPF値を測定した。そして、流水処理前のサンプルのUVAPF値を100として、流水処理後のサンプルのUVAPF値の相対値を算出した。結果を表1に示す。相対値が70以上であれば、実用上許容される。
(なめらかさの評価)
10名の専門パネラーに実施例1〜10及び比較例1〜3の油中水型皮膚外用剤を指で顔に塗布してもらい、塗布時のなめらかさを、以下の5段階の評価基準で評価してもらった。そして、10名の専門パネラーによる評価値の平均値を1.0から5.0までの0.5刻みの値に丸め、なめらかさの評価結果とした。結果を表1に示す。商品性に鑑み、3.0以上を許容内とした。
なお、「なめらかさ」とは、油中水型皮膚外用剤が指への抵抗感なく肌の上で広がる感触を意味する。
−評価基準−
5:なめらかさが非常に優れる
4:なめらかさが優れる
3:なめらかさがある
2:なめらかさが劣る
1:なめらかさが非常に劣る
(さっぱり感の評価)
10名の専門パネラーに実施例1〜10及び比較例1〜3の油中水型皮膚外用剤を顔に塗布してもらい、塗布後のさっぱり感を、以下の5段階の評価基準で評価してもらった。そして、10名の専門パネラーによる評価値の平均値を1.0から5.0までの0.5刻みの値に丸め、さっぱり感の評価結果とした。結果を表1に示す。商品性に鑑み、3.0以上を許容内とした。
なお、「さっぱり感」とは、油中水型皮膚外用剤の塗布後の肌に触れた際のべたつきのない感触を意味する。
−評価基準−
5:さっぱり感が非常に優れる
4:さっぱり感が優れる
3:さっぱり感がある
2:さっぱり感が劣る
1:さっぱり感が非常に劣る
(美白化合物の光安定性の評価)
実施例1〜10及び比較例1〜3の油中水型皮膚外用剤中における美白化合物の量をHPLC(High Performance Liquid Chromatography)により定量した。
次いで、実施例1〜10及び比較例1〜3の油中水型皮膚外用剤を、厚さ1mmのシリコンスペーサーを介した2枚のガラス板の間に挟み込み、光安定性評価用サンプルを作製した。光安定性評価用サンプルから15cmの高さに什器用LED照明(1000lm)を設置し、光安定性評価用サンプルにLED光(4000lx相当)を28日間照射した。その後、油中水型皮膚外用剤中における美白化合物の量をHPLCにより定量した。
そして、LED光の照射前における美白物の量を100として、照射後における美白物の量の相対値を算出した。結果を表1に示す。相対値が75以上であれば、実用上許容される。
(美白効果の評価)
実施例1〜10及び比較例1〜3の油中水型皮膚外用剤を調製する際の水相組成物を水で100倍に希釈し、評価試料を調製した。
B16メラノーマ細胞を、10体積%ウシ胎児血清含有MEM培地(Minimum Essential Medium)(GIBCO社)を用いて、12ウェル培養プレートに2.5×10個/ウェルとなるように播種し、24時間前培養を行った。
前培養後、評価試料を添加した試験培地に交換し、72時間培養を行った。試験培地としては、上記の前培養用の培地に、テオフィリンを0.25mmol/L、ジメチルスルホキシド(DMSO)を1体積%、評価試料を0.1mmol/Lとなるように添加したものを使用した。
培養終了後、B16メラノーマ細胞をリン酸緩衝生理食塩水で洗浄した後、10体積のDMSOを含有する1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加し、50℃で30分間超音波処理することにより、溶解液を得た。その後、溶解液の吸光度を波長400nmにて測定し、B16メラノーマ細胞中のメラニン量を算出した。
評価試料を添加しない場合を対照としてメラニン産生抑制率(%)を算出し、以下の評価基準で評価した。結果を表1に示す。なお、油中水型皮膚外用剤を調製する際の水相組成物が美白効果を示す場合には、油中水型皮膚外用剤も美白効果を示す。
−評価基準−
A:メラニン産生抑制率が30%以上
B:メラニン産生抑制率が30%未満
表1から分かるように、酸化チタン及び4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンの複合粉体と、美白化合物と、を含有する実施例1〜10の油中水型皮膚外用剤は、美白効果(メラニン産生抑制効果)を示し、且つ、美白化合物の光安定性が顕著に優れていた。このため、実施例1〜10の油中水型皮膚外用剤は、美白化合物の効果を長期に亘って発現することが可能である。
また、実施例1〜10の油中水型皮膚外用剤は、紫外線遮蔽能、耐水性、及び使用感がいずれも良好であった。
実施例1〜5と実施例6〜9とを対比すると、油中水型皮膚外用剤が親水性増粘剤を含有することで、油中水型皮膚外用剤の使用感(なめらかさ)及び美白化合物の光安定性が向上することが分かる。
また、実施例1〜5と実施例10とを対比すると、油中水型皮膚外用剤が、複合粉体を除いた油相中にシリコーン油を50質量%以上含有することで、油中水型皮膚外用剤の耐水性及び使用感(さっぱり感)が向上することが分かる。
一方、美白化合物を含有し、且つ、表面処理酸化チタンと4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンとを別々に含有する比較例3の油中水型皮膚外用剤は、美白効果(メラニン産生抑制効果)を示したものの、実施例1〜10の油中水型皮膚外用剤と比較して、美白化合物の光安定性が顕著に劣っていた。
また、比較例3の油中水型皮膚外用剤は、紫外線遮蔽能、耐水性、及び使用感が、実施例1〜10の油中水型皮膚外用剤よりも劣っていた。
なお、酸化チタン及び4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンの複合粉体を含有するが、美白化合物を含有しない比較例1の油中水型皮膚外用剤は、紫外線遮蔽能に優れていたものの、美白効果(メラニン産生抑制効果)は示さなかった。
また、美白化合物を含有し、且つ、表面処理酸化チタンと4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンとを別々に含有するが、エステル油を含有しない比較例2の油中水型皮膚外用剤は、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンが溶解せず、油中水型皮膚外用剤の紫外線遮蔽能及び美白化合物の光安定性が顕著に劣っていた。
[実施例11]
シクロペンタシロキサン及びジメチコン10CSを室温にてディスパーで充分に撹拌混合した。その後、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(KF−6028、信越化学工業(株))、オレイン酸(ルナックO−V、花王(株))、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー(KSG−16、体積平均粒子径5μm、信越化学工業(株))、及び(ジメチコン/(PEG−10/15)クロスポリマー(KSG−210、信越化学工業(株))を更に添加し、撹拌混合して均一化し、油相組成物を得た。
次いで、エタノール、1,3−ブチレングリコール、複合粉体(HXMT−100ZA、テイカ(株))、アルブチン、及び水(配合量の一部)を室温にて撹拌混合して均一化し、水相組成物を得た。
次いで、油相組成物をホモミキサーで撹拌しながら、水相組成物を少量ずつ添加して乳化した。その後、フェノキシエタノールを添加し、残りの水を添加して均一化することにより、実施例11の油中水型皮膚外用剤を得た。
実施例11の油中水型皮膚外用剤の組成を表2に示す。表2中、成分の欄における「−」は、その成分を含有しないことを示す。
[実施例12]
シクロペンタシロキサンを添加する代わりに、シクロペンタシロキサン及びイソノナン酸イソトリデシルを添加した以外は実施例11と同様にして、実施例12の油中水型皮膚外用剤を得た。実施例12の油中水型皮膚外用剤の組成を表2に示す。
[評価]
実施例11及び実施例12の油中水型皮膚外用剤について、上記と同様に、紫外線遮蔽能、耐水性、なめらかさ、さっぱり感、及び美白化合物の光安定性の各評価を行った。結果を表2に示す。
表2から分かるように、酸化チタン及び4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンの複合粉体と、美白化合物と、を含有する実施例11及び実施例12の油中水型皮膚外用剤は、美白化合物の光安定性が良好であった。
また、実施例1〜10の油中水型皮膚外用剤は、紫外線遮蔽能、耐水性、及び使用感がいずれも良好であった。
なお、表1の実施例6と表2の実施例11とを対比すると、複合粉体は、水相よりも油相に配合するのが好ましいことが分かる。

Claims (7)

  1. 酸化チタン及び紫外線吸収剤の複合粉体と、美白化合物と、を含有する油中水型皮膚外用剤。
  2. 紫外線吸収剤が、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンを含む請求項1に記載の油中水型皮膚外用剤。
  3. 美白化合物が、アルブチン、アスコルビン酸若しくはアスコルビン酸誘導体又はそれらの塩、及びトラネキサム酸若しくはトラネキサム酸誘導体又はそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は請求項2に記載の油中水型皮膚外用剤。
  4. 複合粉体を除く油相の全質量に対してシリコーン油を50質量%以上含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の油中水型皮膚外用剤。
  5. 複合粉体が油相に含まれる請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の油中水型皮膚外用剤。
  6. 親水性増粘剤を更に含有する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の油中水型皮膚外用剤。
  7. 親水性増粘剤が、ヒアルロン酸又はその塩、キサンタンガム、及びアルカリゲネス産生多糖体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項6に記載の油中水型皮膚外用剤。
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