JP2000212054A - 複合化粉末を含む組成物 - Google Patents

複合化粉末を含む組成物

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JP2000212054A
JP2000212054A JP11009018A JP901899A JP2000212054A JP 2000212054 A JP2000212054 A JP 2000212054A JP 11009018 A JP11009018 A JP 11009018A JP 901899 A JP901899 A JP 901899A JP 2000212054 A JP2000212054 A JP 2000212054A
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Tatsuhiko Ihara
辰彦 井原
Satoshi Watanabe
智 渡辺
Seishiro Ito
征司郎 伊藤
Mitsuo Kiura
光夫 木卜
Masayoshi Wada
正良 和田
Hiroshi Fukui
寛 福井
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Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】医薬品,医薬部外品,化粧品等の外用組成物の
分野において特に有用な、光毒性を抑制する能力を有
し、優れた紫外線遮蔽効果を有し、優れた透明性を
有する複合化粉末を見出して、この複合化粉末の特徴を
最大限に発揮し得る手段を提供すること。 【解決手段】二酸化チタン粉末等の光触媒活性粉末に酸
化セリウム〔CeO2- X (0≦x<2)〕を、特に二酸
化ケイ素と組み合わせて被覆した粉末を配合する組成物
を、特に化粧料等の外用組成物を提供することにより、
上記の課題を解決し得ることを見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に外用組成物と
して有用な組成物に関する技術分野の発明である。より
具体的には、本発明は酸化セリウムで被覆した粉末を含
むことにより、光触媒活性粉末の紫外線曝露により生じ
る光毒性が抑制され、かつ、優れた紫外線防御効果を有
し、さらに高い透明性を有する組成物に関する発明であ
る。
【0002】
【従来の技術】核粉体に、様々な他の物質が被覆される
ことにより複合化された、「複合化粉末」は、その核粉
末の性質を超えた、様々な優れた特徴を有するために、
化粧料に代表される外用組成物等の各種の組成物中に配
合されている。例えば、特定の複合化粉末を、光の強度
変化に応じて、それが配合されている化粧料等を着色す
る「ホトクロミック性顔料」として用いられたり(WO
89/12084号公報)、二酸化チタン被覆雲母の表
面を黒色ないし暗色の低次酸化チタン層で被覆すること
で鮮やかな干渉色及び外観色を有する真珠光沢顔料(特
公平5−8168号公報)として用いられている。
【0003】しかしながら、複合化粉末が有する可能性
が、現状において、100%発揮されているわけではな
い。そこで、さらに優れた特性を有する複合化粉末を見
出し、これを産業界で活用することが期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明において解決し
ようとする課題は、以下の特徴(〜)を有する複合
化粉末を見出して、この複合化粉末の特徴を最大限に発
揮し得る手段を提供することにある。
【0005】光毒性を抑制する能力を有すること:医
薬品,医薬部外品又は化粧品の分野において、粉末成分
は盛んに配合されており、その中でも二酸化チタンや酸
化亜鉛等の特定の金属酸化物の粉末は、化粧品顔料や紫
外線遮断剤として汎用されている。これらの特定の金属
酸化物の粉末における紫外線遮断作用は、これらの金属
酸化物の粉末が紫外線に曝露された場合に、その紫外線
を散乱させることと、その紫外線のエネルギーが、この
金属酸化物に吸収されることに基づく作用である。そし
て、金属酸化物が、紫外線のエネルギーを吸収して励起
状態になる際には、同時に大量の自由電子と正孔が発生
することが知られている。
【0006】この特定の金属酸化物の粉末の性質は、最
近は、いわゆる光触媒として多種多様な分野において注
目されている(かかる点から、本明細書においては、こ
の特定の金属酸化物を「光触媒活性粉末」という)もの
ではあるが、こと化粧料等の外用組成物の配合成分とし
ては深刻な問題をはらんでいる。すなわち、化粧料等の
外用組成物の配合成分として、皮膚上に塗布される二酸
化チタン粉末等の光触媒活性粉末は、太陽光中の紫外線
を吸収して、肌に対する太陽光中の紫外線の直接的な影
響を除去することができる反面、大量に発生する自由電
子や正孔に由来する活性酸素・フリーラジカルによる様
々な皮膚に対する悪影響、すなわち光毒性が懸念される
(近年、活性酸素・フリーラジカルによる様々な疾患が
注目されており、老化にも活性酸素が関与している種々
の証拠も報告されてきている)。
【0007】そこで、二酸化チタン粉末等の光触媒活性
粉末における主に活性酸素・フリーラジカルにより惹起
される光毒性に対する防御方法を確立することが求めら
れている。現在まで、これらの光触媒活性粉末の表面改
質や表面処理、さらにはラジカルトラップ剤の配合等が
提案されているが、完全ではなく、医薬品,医薬部外
品,化粧品等の分野において、光毒性の防御手段は未だ
確立されていない。
【0008】優れた紫外線遮蔽効果を有すること:上
記のような、光毒性を抑制する能力と共に、本来、多く
の粉末に対して求められるべき、紫外線遮蔽力がさらに
向上した複合化粉末を提供することが求められている。
【0009】優れた透明性を有し得ること:粉末をメ
ーキャップ化粧料の配合成分として配合する場合に、一
般的には、例えば、仕上がりが不自然に白っぽくなるこ
とがない、より自然な仕上がりのメーキャップ化粧料を
提供し得る、透明性に優れた粉末が求められている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題の
解決に向けて鋭意検討を行った。その結果、驚くべきこ
とに、二酸化チタン粉末等の光触媒活性粉末に酸化セリ
ウム〔CeO2-X (0≦x<2)〕を、特に二酸化ケイ
素と組み合わせて被覆した粉末を配合する組成物を提供
することにより、上記の課題(〜)を解決し得るこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0011】すなわち本発明は、第1に、酸化セリウム
〔CeO2-X (0≦x<2):以下、特に断わらない限
り、酸化セリウムという〕を被覆した粉末を含む組成物
を提供し;
【0012】第2に、酸化セリウムを被覆した粉末が、
酸化セリウムと共に、二酸化ケイ素も被覆されている粉
末である、前記第1の組成物を提供し;第3に、被覆さ
れている粉末が光触媒活性粉末であり、かつ、組成物が
光毒性抑制組成物である、前記第1又は第2の組成物を
提供し;第4に、光触媒活性粉末が、二酸化チタン粉末
及び/又は酸化亜鉛粉末である、前記第3記載の組成物
を提供し;
【0013】第5に、組成物が外用組成物である、前記
第1〜第4のいずれかの組成物を提供し;第6に、酸化
セリウム〔CeO2-X (0≦x<2)〕におけるxの値
の範囲が、0<x<2である、前記第1〜第5のいずれ
かの組成物を提供し;第7に、酸化セリウム〔CeO
2-X (x<2)〕におけるxの値が、0.5である、前
記第1〜第5のいずれかの組成物を提供する。
【0014】本発明において「被覆」とは、何らかの形
で光触媒活性粉末に酸化セリウムが付加することを意味
するもので、その付加状態を問うものではなく、例えば
光触媒活性粉末周囲に酸化セリウムが存在する状態も、
光触媒活性粉末に酸化セリウムが入り込んでいる状態
も、この「被覆」の概念に包含される。
【0015】また、本発明において「光毒性」とは、上
述したようにその粉末成分が紫外線に曝露されることに
よって発生する自由電子と正孔に基づき生じる活性酸素
・フリーラジカル等による毒性のことを意味するもので
ある。
【0016】また、「活性酸素・フリーラジカル」とし
ては、例えばヒドロキシラジカル(HO・),スーパー
オキシドラジカル(O- 2),一重項酸素(12 ),過
酸化水素(H22),脂質ヒドロペルオキシド(LOO
H),アルコキシラジカル(LO・),ペルオキシラジ
カル(LOO・),ヒドロペルオキシラジカル(HOO
・)等を挙げることができる〔本明細書全体を通じて,
これらを「活性酸素・フリーラジカル」として記載して
いる〕。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 A.本発明に係わる組成物(以下、本発明組成物とい
う)は、酸化セリウムを被覆した粉末を含む組成物であ
る。この酸化セリウムを被覆した粉末は、核となるべき
微粒子(以下、核粒子という)と酸化セリウムとを、焼
成工程等を通じて複合化することによって、調製するこ
とができる。
【0018】さらに具体的には、例えば核粒子と酸化セ
リウムの粉末とを、ボールミル等により複合化する乾式
条件や、所定のpHを維持しながら、核粒子とセリウム
塩〔4価の酸化セリウムを被覆する場合に通常用いられ
る4価のセリウム塩としては、例えば硝酸第二アンモニ
ウムセリウム(IV)等が例示され、3価の酸化セリウムを
被覆する場合に通常用いられる3価のセリウム塩として
は、例えば硝酸セリウム(III) 六水和物等が例示され
る〕の水溶液を用いる湿式条件によって接触させて、核
粒子の表面に酸化セリウムを沈着させ、その後、必要に
応じて、これを脱水,洗浄,乾燥し、さらに場合によっ
て、焼成することにより、所望する酸化セリウムを被覆
した粉末を調製することができる。
【0019】このように、湿式条件においては、3価の
酸化セリウム〔CeO2-X (0≦x<2):x=0.
5〕と4価の酸化セリウム〔CeO2-X (0≦x<
2):x=0〕とは、核粒子に接触させるセリウム塩を
選択することにより、自在に選択することができる。
【0020】また、乾式条件においては、ボールミル等
で、核粒子に対してメカノケミカル的に複合化する酸化
セリウムの種類を、3価の酸化セリウムか4価の酸化セ
リウムかにすることにより、選択することができる。3
価の酸化セリウムを被覆した粉末は、4価の酸化セリウ
ムを、公知の方法(例えば、特許第2635073号)
で被覆した粉末に比べて、着色を伴わず透明性が高い。
【0021】さらに、3価又は4価の酸化セリウム以外
の、不定比酸化セリウムは、一般に、空気接触するだけ
で、即酸化してしまうほど不安定であるが、例えば、酸
化アルミニウム(Al2 3 )と複合化することによ
り、安定な不定比酸化セリウムを被覆した粉体を得るこ
とができる。
【0022】かかる不定比酸化セリウムの複合化は、例
えば、加熱した蒸留水にアルミニウムイソプロポキシド
を加え、加水分解を行い、数時間攪拌後、強酸を滴下し
て(pHは2〜3程度)、溶液を透明なクリアーゾルを
調製し、
【0023】このクリアーゾルに、所定量の硝酸セリウ
ムが溶解し、60℃程度に加熱したエチレングリコール
溶液を添加し、その後、室温で1日程度攪拌して、乾燥
し、これを空気中で500℃程度で数時間焼成すること
等により得ることができる(N.Kadota et al., 「触
媒」,vol.39 No.4,316-321(1997)) 。
【0024】また、不定比酸化セリウムの結晶は、4価
の酸化セリウムに、レーザー照射を行うことにより得る
ことも可能であり(F.Vasiliu et al.,Journal of mater
ialsscience 29,2093-2101(1994))、これを用いて乾式
法により、所望する不定比酸化セリウムを被覆した粉体
を得ることができる。
【0025】なお、被覆した酸化セリウムの価数の同定
は、概ね以下のようにして行うことができる。 生成物の色による確認:上記のように、4価の酸化セ
リウムは黄色く着色するが、3価の酸化セリウムは着色
を伴わない。この現象を利用して、被覆された酸化セリ
ウムが3価であるか、4価であるかを確認することがで
きる。
【0026】X線回析法(XRD)による確認:4価
又は3価の酸化セリウムでは、X線回析装置で明確なピ
ークが現れるのに対し、不定比酸化セリウムでは明確な
ピークが現れない。この現象を利用して、被覆された酸
化セリウムが4価又は3価であるか、不定比であるかを
確認することができる。
【0027】X線吸収広域微細構造(EXAFS)に
よる確認:EXAFSを測定すると、4価又は3価の酸
化セリウムでは、Ce−Oの原子間距離の規則性が認め
られるのに対し、不定比酸化セリウムでは明確な規則性
が認められない。この現象を利用して、被覆された酸化
セリウムが4価又は3価であるか、不定比であるかを確
認することができる。
【0028】酸化セリウムを被覆する対象となる核粒子
としては、その表面に酸化セリウムが安定な状態で被覆
され得る物質であれば、特に限定されず、例えば、酸化
鉄,酸化亜鉛,酸化ジルコニウム,酸化アルミニウム,
酸化チタン,酸化マグネシウム,二酸化ケイ素,二酸化
ケイ素・アルミナ複合化粉体,二酸化ケイ素・マグネシ
ウム複合化粉体,タルク,各種雲母,カオリン系粘土,
炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,チタン酸バリウム
等のチタン酸塩,リン酸カルシウム等を使用することが
可能であり、本発明組成物の用途によっては、紺青,マ
ンガンバイオレット等の無機系顔料も、核粒子として用
いることも可能である。
【0029】なお、これらの核粒子の粒子径は、特に限
定されず、通常化粧料等の外用組成物に、通常用いられ
ている粉体の粒子径の全ての粒子径の粉末を、核粒子と
して用いることができる。
【0030】より具体的には、その径が数10μm の粒
子から、100nm以下の超微粒子に至るまで、核粒子と
して用いることができる。酸化セリウムを被覆した粉末
における、核粒子の割合は、特に限定されるべきもので
はないが、酸化セリウムを被覆した粉末全体に対して9
5.0〜99.9重量%が好適である(逆に酸化セリウ
ムは、同0.1〜5.0重量%が好適である)。
【0031】本発明においては、このようにして製造し
得る酸化セリウムを被覆した粉末に、例えば分散性や疎
水性を向上させる目的から表面処理した粉末も、本発明
組成物に配合する「酸化セリウムを被覆した光触媒活性
粉末」とすることができる。
【0032】例えば、粉体表面に油脂を吸着させたり,
水酸基等の官能基により媒介されるエステル化反応やエ
ーテル化反応により粉体を親油性とする油脂処理法;脂
肪酸の亜鉛塩やマグネシウム塩等を用いる金属石鹸処理
法;ジメチルポリシロキサンやメチル水素ポリシロキサ
ン等を用いるシリコーン処理法;パーフルオロアルキル
基を有するフッ素化合物で処理する方法等の粉体表面処
理法等を施した、酸化セリウムを被覆した粉末を、本発
明組成物に配合することができる。
【0033】これらの表面処理は、必要に応じて適宜選
択されるべきものであり、特に制限されるものではない
が、本発明組成物においては、酸化セリウムと共に、二
酸化ケイ素を被覆した(上記の粉体表面処理を含む)も
のを用いることが、その具体的な用途において有益であ
る(詳しくは後述する)。
【0034】酸化セリウムと二酸化ケイ素を被覆した粉
体の製造方法としては、通常公知の方法を用いることが
できる。具体的には、例えば、核粒子をテトラオルソシ
リケート等のシリコンアルコキシドと接触させ、密閉し
たデシケーター中において、加水分解反応を進行させて
核粒子に二酸化ケイ素を被覆した後、さらに前述の方法
により酸化セリウムを被覆すること等で、酸化セリウム
と二酸化ケイ素を共に被覆した、「酸化セリウム・二酸
化ケイ素被覆粉末」を得ることができる。
【0035】本発明組成物における、上記の酸化セリウ
ム、あるいは酸化セリウム及び二酸化ケイ素を被覆した
粉末(以下、これらの粉末を、特に断わらない限り、酸
化セリウム被覆粉末という)の配合量は、本発明組成物
の具体的な用途等によって、適宜選択することができ
る。
【0036】本発明組成物は、後述するように、酸化セ
リウム被覆粉末を含むことにより、光触媒活性粉末の紫
外線曝露により生じる光毒性が抑制され、かつ、優れた
紫外線防御効果を有し、さらに、被覆される酸化セリウ
ムの態様によっては、高い透明性を有する組成物であ
る。
【0037】B.上記のように、本発明組成物は、特に
光触媒活性粉末の紫外線曝露により生じる光毒性を抑制
するための「光毒性抑制組成物」としての態様をとり得
る。この本発明に係わる光毒性抑制組成物(以下、本発
明光毒性抑制組成物という)は、核粒子を光触媒活性粉
末として、酸化セリウムを被覆した粉末を含む組成物で
ある。
【0038】本発明光毒性抑制組成物において含まれ
る、酸化セリウムを被覆する光触媒活性粉末は、太陽光
の曝露により(より正確には、太陽光中の紫外線によ
り)、励起状態となり、自由電子や正孔を発生し、これ
らによる酸化反応や還元反応により活性酸素・フリーラ
ジカルを発生する「光触媒活性」が認められる性質を有
する粉末であれば特に限定されるものではない。より具
体的には、その禁制帯のエネルギー幅であるバンドギャ
ップが2.3〜3.5eVの金属酸化物において、概ね
この光触媒活性が認められ、より具体的には、二酸化チ
タン粉末や低次酸化チタン粉末、酸化亜鉛粉末、そして
これらの混合物等を、上記の光触媒活性粉末として挙げ
ることができる。
【0039】これらの中でも、特に、二酸化チタン粉末
は今日代表的な光触媒活性粉末として着目されている半
面、その光毒性が問題となっており、酸化セリウムを被
覆することによる効果が如実に示される光触媒活性粉末
である。この二酸化チタンの結晶型は、アナターゼ型,
ルチル型,アモファルス型のいずれでも許容され、粒子
の形状も、不定形,粒状,球状のいずれの形状でも許容
される。
【0040】これらの態様のうち、特にその結晶型がア
ナターゼ型の光触媒活性粉末の光触媒活性が高いことが
知られており、かかる結晶型の光触媒活性粉末に対し
て、本発明を特に効果的に適用することができる。この
ように、本発明光毒性抑制組成物には、上述の本発明組
成物に配合される酸化セリウム被覆粉末のうち、その核
粒子が光触媒活性粉末である酸化セリウム被覆粉末が配
合される。
【0041】この態様の酸化セリウム被覆粉末の製造に
関する他の点は、上述した酸化セリウム被覆粉末一般に
ついての記載に従う。なお、核粒子において、酸化セリ
ウムと共に二酸化ケイ素を被覆することにより、より優
れた光毒性抑制活性を有する酸化セリウム被覆粉末とす
ることができる。
【0042】本発明光毒性抑制組成物における、上記の
核粒子として光触媒活性粉末として用いた、酸化セリウ
ム被覆粉末の配合量は、本発明光毒性抑制組成物の具体
的な用途、剤形、形態等によって、適宜選択するべきも
のであり、特に限定されるべきものではない。
【0043】本発明光毒性抑制組成物には、上記の必須
成分である、酸化セリウム被覆粉末の他、その目的に応
じて光毒性の主な原因となる活性酸素・フリーラジカル
を除去することが可能な成分を配合することができる。
【0044】例えば、ヒスチジン,トリプトファン,メ
チオニン,アラニン,システイン,メチオニンエステル
等のアミノ酸及びそのエステル類;ブチルヒドロキシア
ニソール(BHA),フェノキシエタノール;α−トコ
フェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロー
ル,δ−トコフェロール,酢酸トコフェロール等のトコ
フェロール類;没食子酸エステル類;ローズマリー,オ
ウゴン,ルチン,カテキン,ケルセチン,タンニン類,
フラボノイド,プロアントシアニジン等の植物抽出物;
α−グルコシルルチン,ケルセチン脂肪酸エステル等お
よびそれらの誘導体;ヒポタウリン,チオタウリン,ビ
リルビン,尿酸,エルゴステロール等の生体成分等を例
示することができるが、これらの成分に限定されるもの
ではない。
【0045】さらに本発明光毒性抑制組成物中に紫外線
吸収剤を配合して、これに太陽光中の紫外線を吸収させ
て、粉末の励起自体を抑制することもできる。紫外線吸
収剤としては、通常化粧料等の外用組成物に配合される
ものを配合することができる。
【0046】具体的には、例えばパラアミノ安息香酸等
のパラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸
メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸
オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチ
ル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮
酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラ
メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、ジパラメトキ
シケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、
〔4−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル−3−
メチルブチル〕−3,4,5−トリメトキシケイ皮酸エ
ステル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロ
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等のベン
ゾフェノン系紫外線吸収剤;ウロカニン酸、ウロカニン
酸エチル、2−フェニル−5−メチルベンゾオキサゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4'−メトキ
シジベンゾイルメタン等を本発明光毒性抑制組成物中に
配合することができる。
【0047】なお、ここで選択する上記成分(活性酸素
・フリーラジカル除去成分及び/又は紫外線吸収剤)
は、1種を本発明光毒性抑制組成物に配合することも可
能であるが、必要に応じて2種以上を組み合わせて配合
することも可能である。
【0048】このようにして構成される本発明光毒性抑
制組成物は、太陽光線に二酸化チタン等の光触媒活性粉
末が曝露されることにより惹起される光毒性を抑制し
て、皮膚老化や皮膚症状の悪化等を未然に防止すること
ができる。本発明光毒性抑制組成物は、後述のように、
主に外用組成物として用いることで、その特性を十分に
発揮することが可能である。
【0049】C.本発明組成物は、主に医薬品,医薬部
外品及び化粧品(これらを、外用組成物とする)の分野
において用いることにより、本発明組成物中の、酸化セ
リウムを被覆した光触媒活性粉末の特性を生かし、上述
のように、その粉末における太陽光により惹起される光
毒性が抑制され、皮膚に対する安全性が格段に向上した
外用組成物(以下、本発明外用組成物という)が提供さ
れる。
【0050】また、酸化セリウム被覆粉末は、それ自体
が優れた紫外線吸収効果を有しており、酸化セリウム被
覆粉末を外用組成物中に配合することにより、光毒性が
抑制されるだけでなく、一層優れた紫外線遮蔽効果を有
する本発明外用組成物を提供することができる。
【0051】かかる酸化セリウム被覆粉末の紫外線吸収
効果は、酸化セリウムが4価の場合よりも、3価の場合
の方が優れる傾向が強い。よって、酸化セリウム被覆粉
末を本発明外用組成物中に、その紫外線遮蔽効果を発揮
させるために配合する場合には、3価の酸化セリウムを
被覆した粉末を選択することが好ましい。
【0052】また、酸化セリウムと共に、二酸化ケイ素
を被覆することにより、一層、酸化セリウム被覆粉末の
紫外線遮蔽力を向上させることができる。さらに、上述
したように、3価の酸化セリウムを被覆することによ
り、より透明性に優れた酸化セリウム被覆粉末が提供さ
れ得る。よって、外用組成物に透明感を出したい場合に
は、3価の酸化セリウムを被覆した酸化セリウム被覆粉
末を、本発明外用組成物中に配合することが好ましい。
【0053】本発明外用組成物における、酸化セリウム
被覆粉末の配合量は、外用組成物の具体的剤形,態様,
目的等に応じて適宜選択されるべきものであり、特に限
定されるものではない。本発明外用組成物には、その具
体的目的に応じて本発明における所期の効果を損なわな
い限り、上記必須成分以外に他の諸成分を配合すること
ができる。
【0054】例えば、保湿剤,ビタミン類,ホルモン
類,アミノ酸類,抗炎症剤,美白剤,収斂剤,清涼剤,
各種動植物由来抽出物,油脂,ロウ類,低級アルコー
ル,ステロール類,エステル油,炭化水素油,シリコー
ン類,界面活性剤,水溶性高分子,抗菌剤,抗酸化剤,
中和剤,pH調整剤,金属封鎖剤,香料,色素等を適宜
選択して本発明外用組成物中に配合することができる。
なおこれらの成分は例示であり、これらの成分に本発明
外用組成物に配合可能な成分が限定されるものではな
い。
【0055】これらの成分は所望する形態に応じた処方
に従い、適宜組み合わせて本発明外用組成物に配合する
ことができる。本発明外用組成物は、医薬品,医薬部外
品(軟膏剤,歯磨剤等)及び化粧品〔洗顔料、乳液、ク
リーム、ジェル、エッセンス(美容液)、パック・マス
ク等の基礎化粧品;ファンデーション、口紅等のメーキ
ャップ化粧品;口腔化粧品,芳香化粧品,毛髪化粧品,
ボディ化粧品等〕の形態に広く適用可能である。そし
て、これらの形態に、本発明外用組成物の採り得る形態
が限定されるものではない。
【0056】また、剤形も水溶液系、可溶化系、乳化
系、粉末系、油液系、ゲル系、軟膏系、エアゾール系、
水−油2層系、水−油−粉末3層系等、幅広い剤形を採
り得る。本発明外用組成物の具体的処方については、後
述する実施例において記載する。
【0057】
【実施例】次に、実施例等を挙げ、本発明を更に具体的
に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例等
により限定的に解釈されるべきものではない。まず、本
発明において用いる、酸化セリウム被覆粉末の製造例を
記載し、この粉末の本発明における具体的評価を試験例
として記載する。
【0058】〔製造例〕酸化セリウム被覆粉末の製造 1.4価の酸化セリウムを被覆した二酸化チタン粉末の
製造 本実施例において用いる、4価の酸化セリウムを被覆し
た二酸化チタン粉末は、通常公知の方法に従い、以下の
ようにして製造した。
【0059】すなわち、0.1g の硝酸第二アンモニウ
ムセリウム(IV)を、60mLの蒸留水に溶解させ、これに
0.5mLの1mol/L アンモニウム水を添加して、ゾルを
生成させた後、所定量の市販の二酸化チタンp−25
(アナターゼ型及びルチル型混合二酸化チタン超微粒
子:日本アエロジル製)を添加して、72時間攪拌した
後、限外濾過を行い、110℃で乾燥させることによ
り、4価の酸化セリウムを被覆した二酸化チタンを調製
した。
【0060】2.3価の酸化セリウムを被覆した二酸化
チタン粉末の製造 本実施例において用いる、3価の酸化セリウムを被覆し
た二酸化チタン粉末は、通常公知の方法に従い、以下の
ようにして製造した。すなわち、0.1g の硝酸セリウ
ム(III) 六水和物を、60mLの蒸留水に溶解させ、これ
に0.5mLの1mol/L アンモニウム水を添加して、ゾル
を生成させた後、所定量の市販の二酸化チタンp−25
(アナターゼ型及びルチル型混合二酸化チタン超微粒
子:日本アエロジル製)を添加して、72時間攪拌した
後、限外濾過を行い、110℃で乾燥させることによ
り、3価の酸化セリウムを被覆した二酸化チタンを調製
した。
【0061】また、各試験系において、核粒子として用
いた二酸化チタンの種類,被覆した酸化セリウムと二酸
化ケイ素の量は、下記第1表及び第2表に示した(第1
表:4価の酸化セリウム,第2表:3価の酸化セリウ
ム)。
【0062】3.4価の酸化セリウム及び二酸化ケイ素
を被覆した二酸化チタン粉末の製造 まず、二酸化ケイ素の被覆は、60℃で24時間以上、
減圧乾燥を行った二酸化チタンを3g 計量し、テトラエ
チルオルソシリケート(以下、TEOSと表記する)と
共にデシケーターに入れ、系内を排気後、密閉し、デシ
ケーター中をTEOS雰囲気にすることにより行った。
次に、4価の酸化セリウムの被覆は、硝酸第二セリウム
アンモニウム(Ce(NO3)6(NH4)2)0.1g を、蒸留水6
0mLに溶かし、1Nアンモニア水0.5mLを加え、ゾル
を生成させた後、所定量の上記の二酸化ケイ素を被覆し
た二酸化チタンを加えて72時間攪拌後、限外濾過を行
い、110℃で乾燥することによって行った。このよう
にして、4価の酸化セリウム及び二酸化ケイ素を被覆し
た二酸化チタン粉末を製造した。
【0063】4.3価の酸化セリウム及び二酸化ケイ素
を被覆した二酸化チタン粉末の製造 まず、二酸化ケイ素の被覆は、60℃で24時間以上、
減圧乾燥を行った二酸化チタンを3g 計量し、TEOS
と共にデシケーターに入れ、系内を排気後、密閉し、デ
シケーター中をTEOS雰囲気にすることにより行っ
た。次に、3価の酸化セリウムの被覆は、0.1g の硝
酸セリウム(III) 六水和物を、60mLの蒸留水に溶解さ
せ、これに0.5mLの1mol/L アンモニウム水を添加し
て、ゾルを生成させた後、所定の上記の二酸化ケイ素を
被覆した二酸化チタンを添加して、72時間攪拌した
後、限外濾過を行い、110℃で乾燥させた。このよう
にして、3価の酸化セリウム及び二酸化ケイ素を被覆し
た二酸化チタン粉末を被覆した二酸化チタンを製造し
た。
【0064】なお、上記の各製造例において、被覆され
ている酸化セリウムが、所望する4価又は3価の酸化セ
リウムであるか否かの簡便な確認は、生成した酸化セリ
ウム被覆粉末の色彩(前述したように、4価:黄色に着
色,3価:無着色)を目視で判別することにより行っ
た。
【0065】〔試験例1〕 光触媒活性試験 (1)テトラリンテスト評価方法 光触媒活性の指標として、テトラリン(テトラヒドロナ
フタレン)の光酸化の試験を行った。テトラリンは、紫
外線照射や加熱により自動酸化し、酸素を消費して、過
酸化物を生成する。二酸化チタン等の光触媒活性を有す
る物質の共存下で紫外線が照射されると、テトラリンの
自動酸化が促進され、二酸化チタンの光触媒活性が高い
ほど、酸素の消費速度は速くなる。本試験においては、
光触媒活性の指標の一つとして、テトラリンの光酸化試
験を行った。
【0066】すなわち、平底の耐熱ガラス容器に、テト
ラリン10mL及び測定試料0.2gを懸濁し、37℃で
攪拌しながら、100W高圧水銀ランプ(SHL−10
0UVQ−2 東芝製)を用いて、照度2000lux で
照射を行った。試験は、閉鎖系で行い、平底ガラス容器
を圧力測定装置に接続し、上記の光照射中に、テトラリ
ンが消費する酸素の分圧変化を測定した。光触媒活性の
評価は、初期酸素消費速度を特定することにより行った
(光触媒活性が高いほど、初期酸素消費速度が大きくな
る)。
【0067】(2)2−プロパノールテスト評価方法 すでに述べたように、本発明において抑制する対象であ
る「光毒性」が生じることとと裏腹に認められる現象と
して、いわゆる「光触媒作用」が知られている。この光
触媒作用は、環境殺菌等の非常に幅広い分野に応用可能
であるが、その反面これが強ければ強いほど、「光毒
性」が強くなる傾向にある。本試験においては、光触媒
活性の指標として、2−プロパノールの光酸化試験を行
った。
【0068】すなわち、2−プロパノールに光触媒活性
粉末を懸濁させて、光を照射すると、これにより生成し
た活性性素・フリーラジカルにり、2−プロパノールの
分解が進行することを利用して、光触媒活性試験を行っ
た。具体的には、石英セル中で、2−プロパノールの希
薄水溶液25.0mLに測定試料50.0mgを懸濁させ、
100W水銀ランプ(外径11φ×有効長150mm,英
光社製)で継続的に光照射した(この光照射により、試
料の温度が上昇するのを防ぐために、ファンで風冷を行
った)。そして、この光照射開始後、一定時間毎に測定
試料を採取し、ガスクロマトグラフィーにより、2−プ
ロパノールの減少率及びアセトンの生成率(2−プロパ
ノールの分解によりアセトンが生成する)を測定するこ
とにより、光触媒活性試験を行った。最終的な光触媒活
性の評価は、上記の光照射2時間後の2−プロパノール
の減少率で評価した(光触媒活性が高い程、2−プロパ
ノールの減少率は大きい)。
【0069】試験結果 第1表に、4価の酸化セリウムを被覆した二酸化チタン
粉末についての上記の光触媒活性試験の結果を示す。
【0070】
【表1】
【0071】第1表により、テトラリンテストにおいて
も、2−プロパノールテストにおいても、4価の酸化セ
リウムを被覆した粉末は、明らかに光毒性を抑制してい
ることが明らかになった。また、二酸化ケイ素を組み合
わせて被覆することにより、相乗的に光毒性を抑制する
ことが明らかになった。
【0072】さらに、4価の酸化セリウムの被覆量が多
くなるに伴い、光触媒活性は抑制される傾向にあること
が明らかになった。また、4価の酸化セリウムのみ、又
は二酸化ケイ素のみを、同量の二酸化チタン粉末に被覆
した場合、酸化セリウムを被覆した方が、光触媒活性の
抑制効果が高かった。このことから、4価の酸化セリウ
ムと二酸化ケイ素を組み合わせて被覆した場合には、4
価の酸化セリウムの量が二酸化ケイ素よりも多い方が、
光触媒活性の抑制効果に優れることが推察される。
【0073】第2表に、3価の酸化セリウムを被覆した
二酸化チタン粉末についての上記の光触媒活性試験の結
果を示す。
【0074】
【表2】
【0075】第2表により、テトラリンテストにおいて
も、2−プロパノールテストにおいても、3価の酸化セ
リウムを被覆した粉末は、明らかに光毒性を抑制するこ
とが明らかになった。
【0076】また、二酸化ケイ素を組み合わせて被覆す
ることにより、相乗的に光毒性を抑制することが明らか
になった。さらに、3価の酸化セリウムの被覆量が多く
なるに伴い、光触媒活性は抑制される傾向にあることが
明らかになった。
【0077】また、3価の酸化セリウムのみ、又は二酸
化ケイ素のみを、同量の二酸化チタン粉末に被覆した場
合、酸化セリウムを被覆した方が、光触媒活性の抑制効
果が高かった。このことから、3価の酸化セリウムと二
酸化ケイ素を組み合わせて被覆した場合には、3価の酸
化セリウムの量が二酸化ケイ素よりも多い方が、光触媒
活性の抑制効果に優れることが推察される。なお、同じ
被覆率においては、4価の酸化セリウムを被覆する方
が、3価の酸化セリウムを被覆するよりも光触媒活性が
高い傾向にあることが判明した。
【0078】〔試験例2〕 紫外線防御効果試験 ヒマシ油1.5g 中に、測定試料1.0g を、3本ロー
ラーを用いて分散させ、さらにヒマシ油で測定試料を
5.0重量%に希釈し、10μm のアプリケーターを用
いて、石英板に塗膜を作成し、紫外・可視分光光度測定
機U−3410(日立製作所製)を用いて、各波長にお
ける吸光度を測定し、試料の紫外線吸収効果を検討し
た。
【0079】結果を、第1図に示す(3価ないし4価の
酸化セリウムを被覆した二酸化チタンに関する結果:◆
p−25,■サンプル5,▲サンプル9,×サンプル1
2、横軸は波長を、縦軸は吸光度を示す)。なお、各サ
ンプル番号は、上記の試験例1におけるサンプル番号に
対応する。
【0080】この結果から、4価の酸化セリウムを被覆
した二酸化チタン及び3価の酸化セリウムを被覆した二
酸化チタン共に、優れた紫外線吸収作用が認められる
が、特に3価の酸化セリウムを被覆した二酸化チタン、
また、二酸化ケイ素を組み合わせて被覆することによ
り、紫外線吸収能が一層向上することが明らかになっ
た。
【0081】以下に、本発明組成物が外用組成物として
の態様をとる場合の具体的な処方例を示す。
【0082】 〔処方例1〕 O/W型クリームタイプサンスクリーン 配合成分 配合量(重量%) (水相部) 精製水 54.95 1,3−ブチレングリコール 7.0 4価の酸化セリウム1.57%被覆二酸化チタン 5.0 エデト酸二ナトリウム 0.05 トリエタノールアミン99% 1.0 (油相部) オキシベンゾン 2.0 パラメトキシケイ皮酸オクチル 5.0 スクワラン 10.0 ワセリン 5.0 ステアリルアルコール 3.0 ステアリン酸 3.0 グリセリルモノステアレート 3.0 ポリアクリル酸エチル 1.0 酸化防止剤 適 量 防腐剤 適 量 香料 適 量
【0083】<製法>油相部と水相部をそれぞれ70℃
に加熱して溶解させた。水相部は、4価の酸化セリウム
1.57%被覆二酸化チタンの分散を十分に行い、これ
に油相部を加え、ホモジナイザーを用いて乳化した。か
かる乳化物を熱交換機を用いて冷却し、O/W型クリー
ムタイプサンスクリーンを得た。
【0084】 〔処方例2〕 W/O型クリームタイプサンスクリーン 配合成分 配合量(重量%) (水相部) 精製水 38.5 1,3−ブチレングリコール 5.0 (油相部) パラメトキシケイ皮酸オクチル 5.0 オキシベンゾン 3.0 4-tert-ブチル-4'-メトキシジ ベンゾイルメタン 1.0 疎水化処理3価酸化セリウム1.57%被覆 5.0 二酸化チタン 疎水化処理酸化亜鉛 3.0 スクワラン 35.0 ジイソステアリン酸グリセリン 3.0 有機変性モンモリロナイト 1.5 防腐剤 適 量 香料 適 量
【0085】<製法>油相部と水相部をそれぞれ70℃
に加熱して溶解させた。油相部は、 疎水化処理3価酸
化セリウム1.57%被覆二酸化チタン及び疎水化処理
酸化亜鉛の分散を十分に行い、ホモジナイザー処理を行
いながら水相部を添加して、W/O型クリームタイプサ
ンスクリーンを得た。
【0086】
【発明の効果】本発明により、医薬品,医薬部外品,化
粧品等の外用組成物の分野において特に有用な、酸化セ
リウムで被覆した粉末を含むことにより、光触媒活性粉
末の紫外線曝露により生じる光毒性が抑制され、かつ、
優れた紫外線防御効果を有し、さらに高い透明性を有す
る組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】3価ないし4価の酸化セリウムを被覆した二酸
化チタンに対する紫外線防御効果試験の結果を示す図面
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 正良 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第1リサーチセンター内 (72)発明者 福井 寛 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第1リサーチセンター内 Fターム(参考) 4C083 AB171 AB172 AB211 AB212 AB241 AB242 AB442 AC012 AC022 AC072 AC122 AC212 AC242 AC342 AC422 AC532 AC542 BB25 CC02 CC05 CC19 DD32 DD33 EE17 EE50 FF05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化セリウム〔CeO2-X (0≦x<
    2)〕を被覆した粉末を含む組成物。
  2. 【請求項2】酸化セリウム〔CeO2-X (0≦x<
    2)〕を被覆した粉末が、酸化セリウム〔CeO
    2-X (0≦x<2)〕と共に、二酸化ケイ素も被覆され
    ている粉末である、請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】被覆される粉末が光触媒活性を有する粉末
    であり、かつ、組成物が光毒性抑制組成物である、請求
    項1又は2のいずれかの請求項記載の組成物。
  4. 【請求項4】光触媒活性を有する粉末が、二酸化チタン
    粉末及び/又は酸化亜鉛粉末である、請求項3記載の組
    成物。
  5. 【請求項5】組成物が外用組成物である、請求項1乃至
    4のいずれかの請求項記載の組成物。
  6. 【請求項6】酸化セリウム〔CeO2-X (0≦x<
    2)〕におけるxの値の範囲が、0<x<2である、請
    求項1乃至5のいずれかの請求項記載の組成物。
  7. 【請求項7】酸化セリウム〔CeO2-X (0≦x<
    2)〕におけるxの値が、0.5である、請求項1乃至
    5のいずれかの請求項記載の組成物。
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