JPH0693383A - 耐高温腐食性及び耐高温酸化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋳鋼 - Google Patents

耐高温腐食性及び耐高温酸化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋳鋼

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JPH0693383A
JPH0693383A JP22744991A JP22744991A JPH0693383A JP H0693383 A JPH0693383 A JP H0693383A JP 22744991 A JP22744991 A JP 22744991A JP 22744991 A JP22744991 A JP 22744991A JP H0693383 A JPH0693383 A JP H0693383A
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JP
Japan
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high temperature
resistance
corrosion resistance
oxidation resistance
stainless steel
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Application number
JP22744991A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Matsukura
清 松倉
Tadashi Yamazaki
正 山崎
Shunichi Ichiyanagi
俊一 一柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TAIHEIYO TOKUSHU CHUZO KK
Chichibu Cement Co Ltd
Original Assignee
TAIHEIYO TOKUSHU CHUZO KK
Chichibu Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は高温腐食環境下で使用される、優れ
た耐高温腐食性及び耐高温酸化性を有するオーステナイ
ト系ステンレス鋳鋼に関するものである。 【構成】 重量%でC:0.2%以下、Si:0.1〜
2.0%、Mn:0.1〜2.0%、Ni:25〜40
%、Cr:26〜35%、Al:3.0〜6.0%、C
u:0.5〜3.0%、Ce:0.05〜1.0%を含
み、さらに必要に応じてCo:1〜10%を含み、残部
がFe及び不可避的不純物の成分組成からなる耐高温腐
食性及び耐高温酸化性に優れたオーステナイト系ステン
レス鋳鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温腐食環境下で使用さ
れる、優れた耐高温腐食性及び耐高温酸化性を有するオ
ーステナイト系ステンレス鋳鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来セメント製造設備の高温部に用いら
れる材料では、その雰囲気が超高温(1300℃)であ
る場合にセメントクリンカーなどと接触すると、燃料に
含まれる腐食生成物との反応などによって溶損や酸化、
変形、割れ現象を伴うので、この材料に要求される諸性
質として、 1)使用温度域で耐酸化性および耐食性に優れているこ
と、 2)高温における耐摩耗性に優れていること、 3)高温における強度が高いこと、 4)使用時に生ずる熱勾配による熱応力に十分耐え得る
こと、 5)使用中の高温保持による組織変化に伴って生ずる材
料脆化の少ないこと、 などが要求される。
【0003】このため一般にJIS規格SCH13、S
CH18などのオーステナイト系耐熱鋳鋼が用いられて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近のセメント製造技
術の進歩に伴い、燃料として石油と石炭、さらに天然ガ
スなどが使用されるところから燃焼雰囲気が700〜1
300℃に達し、かつ腐食性及び酸化性の極めて強いバ
ナジウム酸化物及び硫黄酸化物などが増加するなど使用
条件が益々苛酷になりつつある現状において、これらの
燃焼雰囲気で使用される前記のオーステナイト系耐熱鋳
鋼では耐食性及び耐酸化性の面から使用期間が急激に短
くなってきている。
【0005】本発明はこれらの材質上の欠点を改善する
ことを背景としてなされたもので、本発明の目的とする
ところは、高温強度が従来のオーステナイト系耐熱鋳鋼
と同等でかつ高温における耐食性及び耐酸化性をさらに
改善した鋳鋼を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、オーステ
ナイト系耐熱鋳鋼の耐高温腐食性及び耐高温酸化性を向
上させる手段について種々実験、検討を重ねた結果、A
l及びCuを、またさらにCoを添加することによって
高温強度を損なうことなく、耐酸化性を従来よりも大幅
に向上させ、特に広範囲の温度勾配のある環境下で十分
な耐高温腐食性及び耐高温酸化性を発揮することを見出
したものである。
【0007】本発明の要旨とするところは下記のとおり
である。 (1) 重量%でC:0.2%以下、Si:0.1〜
2.0%、Mn:0.1〜2.0%、Ni:25〜40
%、Cr:26〜35%、Al:3.0〜6.0%、C
u:0.5〜3.0%、Ce:0.05〜1.0%を含
み、残部がFe及び不可避的不純物の成分組成からなる
耐高温腐食性及び耐高温酸化性に優れたオーステナイト
系ステンレス鋳鋼。
【0008】(2) 重量%でC:0.2%以下、S
i:0.1〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、N
i:25〜40%、Cr:26〜35%、Al:3.0
〜6.0%、Cu:0.5〜3.0%、Ce:0.05
〜1.0%を含み、さらにCo:1〜10%を含み、残
部がFe及び不可避的不純物の成分組成からなる耐高温
腐食性及び耐高温酸化性に優れたオーステナイト系ステ
ンレス鋳鋼。
【0009】
【作用】本発明のステンレス鋳鋼材料において、基本的
には従来のオーステナイト系Ni−Crステンレス鋼に
Al及びCuを添加することによって高温強度を損なう
ことなく、これによって耐高温腐食性を飛躍的に向上さ
せている。次に本発明における各合金元素の添加理由及
び添加量限定理由について説明する。
【0010】C:Cはオーステナイト生成元素で高温強
度を高める等の利点があるが、本発明鋼にあっては高温
ではCrの炭化物として粒界に析出して粒界酸化を誘発
したり、高温長時間加熱でシグマ相化して材質の劣化を
惹起したり、靱性の劣化を招来したりするので、Cの上
限を0.20%とした。最も望ましい上限は0.05%
である。
【0011】Si、Mn:Si及びMnは共に一般のス
テンレス鋳鋼と同様、溶湯の脱酸及び大気中鋳造の際、
溶湯の酸化を防止する程度の0.1%以上の配合を必要
とするが、Siを多量に含有すると強靱性を害し、また
Mnを多量に含有すると耐酸化性を害するので上限をそ
れぞれ2.0%とした。 Ni:Niはオーステナイト基地を安定にして靱性を高
める他に、Crと共に高温加熱雰囲気中での耐高温腐食
性及び耐高温酸化性を向上させる作用があるが、その含
有量が25%未満では前記作用に所望の効果が得られ
ず、40%を超えて含有すると靱性に低下傾向が現われ
るようになり、高靱性を確保することが困難となる。
【0012】Cr:Crは耐高温腐食性の主元素として
本発明に不可欠のもので、1000〜1300℃の高温
環境下におけるセメントクリンカーなどの接触による耐
高温腐食性並びに耐高温酸化性に対し26%以上を必要
とするが、35%を超えると靱性が劣化し、鋳造性及び
溶接性が著しく悪くなる。 Al:Alは本発明で耐高温腐食性及び耐高温酸化性を
向上させる最も重要な元素で、高温酸化時に表面にCr
2 3 とともにAl2 3 からなる酸化被膜を形成して
所望の耐酸化性を確保するためには3.0%以上の添加
量が必要である。一方、6.0%を超えて含有するとN
i−Al金属間化合物の多量析出により耐熱衝撃性を著
しく低下させる。
【0013】Cu:Cuは本発明で高温における耐酸化
性及び靱性を向上させる最も重要な元素で、Ni−Al
金属間化合物の析出に伴う脆化に対し有効であり、その
含有量が0.5%未満では所望の効果が得られない。一
方、3.0%を超えて含有すると高靱性が確保できな
い。 Ce:Ceは酸化被膜の耐剥離性を改善する有効な元素
で、耐酸化性を著しく向上させるが、0.05%未満で
はその効果が乏しく、1.0%を超えると材質を脆くさ
せるので好ましくない。
【0014】Co:Coは基地に固溶してこれを強化し
て高温強度を向上させる元素であり、さらに高温におけ
る耐摩耗性を向上させる作用があるので、特にこれらの
特性が要求される場合に必要に応じて含有される。その
含有量は1%未満では所望の高温強度及び耐高温摩耗性
が確保できず、10%を超えて含有させても前記の作用
により一段の向上効果が現われず、むしろ前記の特性に
劣化傾向が現われるようになる。
【0015】なお、好ましくは常温及び高温における高
い強度を得るために、上記の合金元素の添加量の調整に
より本発明鋼の金属組織においてオーステナイト基地中
に3〜15%のフェライトを晶出せしめることが有効で
ある。
【0016】
【実施例】次に、本発明のステンレス鋳鋼を実施例によ
り比較例と対比しながら説明する。通常の高周波溶解炉
を用い、それぞれ表1に示されるとおりの成分組成を持
った溶湯を大気中で溶解し、ついでJIS規格A型ブロ
ックの砂型に鋳造することによって、本発明ステンレス
鋳鋼No.1〜No.9及び比較鋼No.10〜No.
16の各種試験片素材を製作し、これらの試験片素材か
ら採取した引張試験片、腐食試験片及び酸化試験片を用
いて、常温及び高温における短時間引張試験及び燃焼雰
囲気での耐高温腐食性、耐高温酸化性を評価する目的
で、セメントクリンカー中での高温腐食テスト及び大気
中での高温酸化テストを行った。
【0017】なお、引張試験では常温、700℃及び1
000℃における引張強さ及び伸びを測定した。セメン
トクリンカー中での高温腐食テストでは試験片をセメン
トクリンカー中に入れて1200℃に100時間保持し
た後、試験片を溶融苛性ソーダ浴に浸漬し、10%クエ
ン酸二アンモニウム水溶液中で煮沸後洗浄し、単位面積
当たりの重量減少量を測定した。また大気中での高温酸
化テストでは試験片を大気中で1200℃の温度の下に
100時間保持した後、同様の方法で脱スケールして単
位面積当たりの重量減少量を測定した。
【0018】これらの測定結果を表2及び表3にそれぞ
れ示す。表2は常温、700℃及び1000℃における
引張試験結果を示す。本発明鋼の常温及び高温における
引張強さ並びに伸びはオーステナイト系耐熱鋳鋼SCH
13、SCH18と同等であるかまたはそれより優れて
いる。表3は1200℃におけるセメントクリンカーに
対する耐食性及び1200℃における耐酸化性を示す。
本発明鋼はオーステナイト系耐熱鋳鋼SCH13、SC
H18よりセメントクリンカーに対する耐高温腐食性並
びに耐高温酸化性に優れていることがわかる。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【発明の効果】上述のように本発明のステンレス鋳鋼
は、高温下におけるセメントクリンカーに対する耐高温
腐食性及び耐高温酸化性に優れているので、石油、石
炭、天然ガス、さらに各種の排ガスなどを燃料として使
用するセメント製造や窯業の焼成炉で、特に燃焼雰囲気
に曝される部材に用いた場合に、特に優れた性能を発揮
するものである。
【0023】例えば、実際のセメントクリンカー冷却用
クーラー設備内に本発明鋼のグレートプレートを使用し
た時、オーステナイト系耐熱鋳鋼SCH13のグレート
プレートは高温腐食による減肉で2か月の使用で廃棄さ
れたのに対し、本発明鋼の場合6か月間使用され、3倍
の寿命向上を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 正 新潟県上越市港町2丁目25番1号 大平洋 特殊鋳造株式会社直江津製造所内 (72)発明者 一柳 俊一 埼玉県熊谷市大字三ケ尻5310番地 秩父セ メント株式会社熊谷工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でC:0.2%以下、Si:0.
    1〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、Ni:25〜
    40%、Cr:26〜35%、Al:3.0〜6.0
    %、Cu:0.5〜3.0%、Ce:0.05〜1.0
    %を含み、残部がFe及び不可避的不純物の成分組成か
    らなる耐高温腐食性及び耐高温酸化性に優れたオーステ
    ナイト系ステンレス鋳鋼。
  2. 【請求項2】 重量%でC:0.2%以下、Si:0.
    1〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、Ni:25〜
    40%、Cr:26〜35%、Al:3.0〜6.0
    %、Cu:0.5〜3.0%、Ce:0.05〜1.0
    %を含み、さらにCo:1〜10%を含み、残部がFe
    及び不可避的不純物の成分組成からなる耐高温腐食性及
    び耐高温酸化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋳
    鋼。
JP22744991A 1991-09-06 1991-09-06 耐高温腐食性及び耐高温酸化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋳鋼 Pending JPH0693383A (ja)

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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5046509A (ja) * 1973-08-22 1975-04-25
JPS5651551A (en) * 1979-09-29 1981-05-09 Daido Steel Co Ltd Corrosion resistant alloy
JPS61243157A (ja) * 1985-04-22 1986-10-29 Nippon Steel Corp 高Al耐熱合金鋼
JPS62164854A (ja) * 1986-01-17 1987-07-21 Hitachi Ltd 石炭ガス化用高耐食性高強度ステンレス鋼

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