JPH0692684B2 - 床構造材 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、建物の床を形成する際に用いる床構造材に
関するものである。

〔従来の技術〕

床構造材に配設されるラチス材は打設するコンクリート
から露出しないようにするため、ラチス材を支持材にて
吊り下げ状態にして下面から一定間隔をおいて取付けら
れていた。この例として、例えば実開昭61−65111号公
報に示されるように、ラチス材の上弦材を、デッキプレ
ートに固定した複数本の山形状支持材の頂部の内側に溶
接にて固着して組立てていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、ラチス材と支持材の組立時において、両
者は引っ掛かるところがなく自由に移動できるため、そ
の位置決めが困難であり、作業能率が低下するという問
題があった。また、ラチス材は前記したように支持材の
頂部の内側から溶接にて垂下状態に取付けられているだ
けなので、この溶接部にラチス材の重量がかかることに
なり、強度面に問題がある。さらに、施工時において、
このラチス材を連結する場合、つなぎ材を介して２本の
上弦材の端部を連結するが、上弦材を支持材の頂部の内
側に取付けているため、つなぎ材は支持材を介して上弦
材に取付けなければならなかつた。このため、つなぎ材
と上弦材とが密着せず、施工後の強度が不安定であっ
た。また、つなぎ材の取付時においてつなぎ材を仮置き
するものがなかったので、その取付作業が困難であっ
た。

したがって、この発明の目的は、ラチス材と支持材の位
置決めが容易で、かつ支持強度が高く、つなぎ材の取付
が容易な床構造材を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

この発明の床構造材は、上弦材と下弦材とを屈曲筋で連
結して構成した複数本のラチス材と、平坦頂部を有する
山形部と平坦すそ部とを交互に形成した複数本の支持材
と、デッキプレートと、複数個のＬ形支持板とを備え、
ラチス材の上弦材と屈曲筋との接合入隅部に支持材の平
坦頂部を直交状態に位置決めして固着し、支持材のすそ
部をデッキプレートに固着し、Ｌ形支持板の横片下面を
デッキプレートの下面と略同一レベルとしかつ横片先端
を外向きとした状態で、Ｌ形支持板の縦片を下弦材の端
部に取付けたものである。

〔作用〕

この発明の構成によれば、支持材の平坦頂部をラチス材
の接合入隅部に当接させることにより、支持材とラチス
材の位置決めが容易に行える。また、ラチス材の上弦材
は、支持材の平坦頂部の上に載置した状態で取付けられ
るため、支持強度が高く安定性に優れている。さらに、
ラチス材の上弦材を支持材の外側に位置するように設置
したことにより、上弦材につなぎ材を取付ける場合に
も、支持材を介することなく直接取付けることができ
る。また、上弦材に取付けるつなぎ材は支持材の平坦頂
部に仮置きでき、下弦材に取付けるつなぎ材はＬ形支持
板に仮置きして取付けることができる。また、Ｌ形支持
板を設けたことによりコンクリート型枠や鉄骨梁に安定
した状態で取付けることができる。

〔実施例〕

この発明の一実施例を第１図および第２図に示す。

この床構成材は、ラチス材１、支持材５、デッキプレー
ト８、Ｌ形支持板17とから形成されている。

ラチス材１は、鉄筋からなる上弦材２、下弦材３、屈曲
筋４で構成されたものであり、上下弦材2,3の間に屈曲
筋４が溶接により固着されている。また、両端部には補
強材18が溶接され、上下弦材2,3を連結している。この
場合、屈曲筋４も補強材18に溶接してもよい。

支持材５は平坦頂部25を有する複数の山形部６…と、こ
の山形部６…を連結する平坦すそ部７…とから構成され
る。

デッキプレート８は、鋼板をプレス加工することによ
り、支持材５の山形部６とすそ部７に対応するように凹
部と凸部が並列して形成されている。

この凹凸部方向のデッキプレート８の長さはラチス材１
の長さよりも少し短く形成する。

Ｌ形支持板17は、横片19と縦片20とからなる。横片19に
は釘を挿通できる長孔21が設けられるとともに、縦片20
の上端部には下弦材３の端部が嵌まる半円形状の受け部
22が形成してある。

この実施例による床構造材の組立手順を説明する。ま
ず、ラチス材１の上弦材２と屈曲筋４との接合入隅部に
支持材５の平坦頂部25を直交状態に位置決めして溶接に
て固着する。このとき、上弦材２が支持材５の平坦頂部
25に載置した状態で支持され、ラチス材１は垂下状態と
なる。また、ラチス材１と支持材５は複数本あり、上弦
材２と屈曲筋４との接合入隅部にて交差するように配設
される。つぎに、支持材５のすそ部７をデッキプレート
８の凸部に溶接にて固着する。また、Ｌ形支持板17はラ
チス材１に取付けられる。すなわち、横片19先端を外向
きとした状態で、縦片20に形成した受け部22を下弦材３
の端部に下方から当て溶接に取付けられる。このとき、
横片19下面がデッキプレート８の下面と略同一レベルと
なるように設定しておく。

第３図は、この床構造材を建築現場で使用した例を示し
たものである。梁14の両側にこの床構造材が設置されて
いる。つまり、梁14のコンクリート型枠15に、Ｌ形支持
板17の横片19を載置した状態を長孔21に釘を打って固着
し、この床構造材を設置する。また、ラチス材1,1を連
結するためにつなぎ材16a,16bが設けられている。この
つなぎ材16a,16bは、第２図に想像線で示すように、上
弦材２と下弦材３に密着した状態で固着させることがで
きるので施工後の強度が安定する。また、上側のつなぎ
材16aは支持材５の平坦頂部25に仮置きでき、下側のつ
なぎ材16bはＬ形支持板17に仮置きしておくことができ
るので、その取付作業が容易となる。

この実施例では、Ｌ形支持板17に長孔21を設けたことに
より、ラチス材１の寸法誤差を吸収する。なお、梁14が
鉄骨の場合は、Ｌ形支持板17を溶接にて固着すればよ
い。

〔発明の効果〕

この発明によれば、ラチス材の上弦材と屈曲筋との接合
入隅部に支持材の平坦頂部が当接して、両者の位置決め
が行われるものであるため、その作業は極めて容易であ
り、生産能率の向上を図ることができる。また、このと
き、ラチス材の上弦材が支持材の平坦頂部上に載置した
状態で支持されるため、ラチス材の重量は主として支持
材にかかる。このため、従来のようにラチス材を溶接だ
けで支持しているものに比べてラチス材の支持強度が高
く、安定性に優れている。また、これに伴い、上弦材が
支持材の山形部の外部に位置するように取付けられるた
め、この上弦材につなぎ材を取付ける場合において、上
弦材をつなぎ材と密着させることができる。このため、
施工後の強度が安定する。また、上弦材に取付けるつな
ぎ材は支持材の平坦頂部に仮置きでき、下弦材に取付け
るつなぎ材はＬ形支持板に仮置きしたおくことができる
ので、その取付作業がしやすくなる。またＬ形支持板を
設けたことにより、コンクリート型枠や鉄骨梁に安定し
た状態で取付けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の一部省略正面図、第２図
はその側面図、第３図は床構造材の一使用例を示す正面
図である。 １…ラチス材、２…上弦材、３…下弦材、４…屈曲筋、
５…支持材、６…山形部、７…すそ部、８…デッキプレ
ート、17…Ｌ形支持板、19…横片、20…縦片、25…平坦
頂部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上弦材と下弦材とを屈曲筋で連結して構成
   した複数本のラチス材と、平坦頂部を有する山形部と平
   坦すそ部とを交互に形成した複数本の支持材と、デッキ
   プレートと、複数個のＬ形支持板とを備え、前記ラチス
   材の上弦材と屈曲筋との接合入隅部に前記支持材の平坦
   頂部を直交状態に位置決めして固着し、前記支持材のす
   そ部を前記デッキプレートに固着し、前記Ｌ形支持板の
   横片下面を前記デッキプレートの下面と略同一レベルと
   しかつ横片先端を外向きとした状態で、前記Ｌ形支持板
   の縦片を前記下弦材の端部に取付けたことを特徴とする
   床構造材。