JPH0692676B2 - 壁と床の合体構造および壁と床の構築方法 - Google Patents

壁と床の合体構造および壁と床の構築方法

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JPH0692676B2
JPH0692676B2 JP63070137A JP7013788A JPH0692676B2 JP H0692676 B2 JPH0692676 B2 JP H0692676B2 JP 63070137 A JP63070137 A JP 63070137A JP 7013788 A JP7013788 A JP 7013788A JP H0692676 B2 JPH0692676 B2 JP H0692676B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、原子炉建屋の壁や床等に用いて好適な壁と床
の合体構造および壁と床の構築方法に関するものであ
る。
「従来の技術」 従来、原子炉建屋の壁と床を鉄筋コンクリート構造とす
ることがなされており、この種の壁と床を構築するに
は、現場において堰板を支保工で支持して型枠を組み上
げるとともに、鉄筋を組み立て、その後に型枠内にコン
クリートの打設を行い、コンクリート養生後に型枠を撤
去するといった工法を行うことが一般的である。
「発明が解決しようとする課題」 ところが原子炉建屋において従来構造の壁と床を構築す
るために行う前述の工法においては、多量の鉄筋を現場
で逐一組み立てる必要がある上に、堰板と支保工を用い
て型枠を組み上げ、更に、養生後に型枠を撤去する必要
があるために、作業量が極めて多い複雑な工事を現場に
おいて行わなくてはならない問題があった。また、原子
炉建屋の構築工事において、鉄筋コンクリート構造の壁
を構築する場合に、建屋の壁を介して行う各種配管工事
や器具の取付工事等の設備工事と、建屋の壁工事とが干
渉する部分では、コンクリートの養生が終了するまで型
枠を壁の周囲に設けておく関係から、設備工事関係の作
業者が手持ち状態を余儀なくされる問題があった。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたもので、従来必要
としていた型枠および鉄筋の組み立て作業を省略でき、
工期の大幅な短縮化並びに施工の省力化をなしえるとと
もに、壁と床の構築作業を並行して実施できる壁と床の
合体構造および壁と床の構築方法を提供することを目的
とする。
「課題を解決するための手段」 本発明は、前記の課題を解決するために、床部鋼板とこ
の床部鋼板の上面に相互に間隔をあけて一体に立設され
た複数のウェブとこのウェブの上部に形成された上部フ
ランジ板とからなり床部鋼板の上方に前記床部鋼板とウ
ェブと上部フランジ板とによって区画される凹部を形成
してなる床部型枠と、相互の間に間隔をあけた対向状態
で前記床部鋼板に一体に立設された一対の壁部鋼板から
なる壁部型枠とによって、型枠ユニットを構成し、前記
型枠ユニットが1つ以上用いて型枠を構成し、この型枠
の床部型枠の凹部と壁部型枠の間隔にそれぞれコンクリ
ートが打設してなるものである。
また、一対の壁部鋼板の相対向する内面のそれぞれに複
数のスタッドボルを立設し、各スタッドボルトを壁部鋼
板間に打設されたコンクリートと一体化させてなる構成
としても良い。
更に、壁部鋼板の外面に支持金具を固定し、前記支持金
具により壁部鋼板の側方にライニングプレートが支持し
てなる構成としても良い。
本発明の他の1つは、前記課題を解決するために、床部
鋼板とこの床部鋼板の上面に相互に間隔をあけて一体に
立設された複数のウェブとこのウェブの上部に形成され
た上部フランジ板とからなり床部鋼板の上方に前記床部
鋼板とウェブと上部フランジ板とによって区画される凹
部を形成してなる床部型枠と、相互の間に間隔をあけた
対向状態で前記床部鋼板に一体に立設された一対の壁部
鋼板からなる壁部型枠とによって構成された型枠ユニッ
トを用いて壁と床を構築する方法であって、前記型枠ユ
ニットを1つ以上、床部鋼板を水平に壁部鋼板を垂直に
向けて建築現場に設置して型枠を形成し、この型枠の床
部鋼板の凹部と、壁部鋼板の間隔とにそれぞれコンクリ
ートを打設するものである。
「作用」 工場生産可能な型枠ユニットを用いてコンクリート打設
時の型枠を構成でき、型枠組み立て工事の簡略化をなす
とともに、引張り力を負担して鉄筋の代わりとなる壁部
鋼板を備えているため、鉄筋組み立て作業を省略でき
る。また、型枠ユニットの外方で設備工事を並行して実
施でき、所定箇所に設ける型枠ユニットに集中配管する
ならば、壁と床と配管工事を並行して進行できる。
「実施例」 第1図ないし第3図と第5図は本発明の一実施例を示
し、第4図は本発明の一実施例を燃料プールの壁と床に
採用して構築された原子炉建屋1を示している。
第4図に示す原子炉建屋1は、原子炉本体を格納した圧
力容器3を中心部に備え、この圧力容器3を囲むシェル
壁4と、シェル壁4の外側に構築された内部ボックス壁
2と、その外側に構築された外部ボックス壁5と、内部
ボックス壁2と外部ボックス壁5に接続して設けられた
各階の床と天井等を主体として構成された建屋である。
前記原子炉建屋1の最上階には、圧力容器3の上部を囲
む燃料プール6が設けられ、この燃料プール6を区画す
る壁7と床8に本実施例の構造が採用されている。
前記燃料プール6の床8は、第1図に示すように、床部
鋼板10と、この床部鋼板10の上面に一体化された複数の
梁材11と、床部鋼板10の上にコンクリートを打設して形
成されたコンクリート遮蔽部12とからなっている。
前記床部鋼板10の上面には、上部フランジ板11aとウェ
ブ11bとからなる横断面T字状の梁材11が、多数、相互
の間に所定の間隔をあけて相互に平行に、かつ、ウェブ
11bの下端部を床部鋼板10に接合して一体化され、床部
鋼板10の上方には、床部鋼板10と梁材11…に区画されて
凹部13…が形成されている。また、梁材11…の間には、
板状の受け材14…が相互の間に所定の間隔をあけ、隣接
する梁材11,11の上部フランジ板11aに接合して設けられ
ている。そして、前記凹部13…にはコンクリートが打設
されてコンクリート遮蔽部12が形成されている。
一方、前記燃料プール6の壁7は、第1図ないし第3図
に示すように、前記床部鋼板10の端部に相互に所定間隔
離間し、各々床部鋼板10と梁材11に一体に立設された壁
部鋼板15,15と、これら壁部鋼板15,15の間にコンクリー
トを打設して形成されたコンクリート壁部16とを主体と
して構成されている。また、前記壁部鋼板15,15は、第
2図と第3図に詳細に示すように、互いの相対向する内
面を接合した連結部材17…で平行に連結され、壁部鋼板
15,15の相対向する内面には多数のスタッドボルト18が
固定されるとともに、壁部鋼板15,15の間の間隙には、
壁部鋼板15に平行に、補強用、および、ひび割れ防止用
の補強筋19が連結部材17に支持されて設けられ、各連結
部材17とスタッドボルト18と補強筋19はコンクリート壁
部16内に埋め込まれている。
前記の如く構成された壁7と床8で区画された燃料プー
ル6においては、第5図に示すように支持金具20によっ
てライニングプレート21が支持され、また図面には省略
されているが受け材14にプール内ラック用アンカーボル
トが固定され、前記ライニングプレート21の内側に水が
満たされている。この燃料プール6においては、壁部鋼
板15がライニングプレート21の下地材となり、壁部鋼板
15はライナー下地材と構造材とを兼用するために、ライ
ナー下地材を別途に設ける必要がなくなるような構造と
なっている。
次に前記構成の床7と壁8を構築する方法について説明
する。
前記構成の壁7と床8を構築するには、工場で生産さ
れ、壁7および床8を複数に分割した大きさの壁部型枠
kと床部型枠uからなる型枠ユニットYを複数用意す
る。
前記壁部型枠kは、第1図に示すように、所定の高さと
幅を有する壁部鋼板15,15を連結部材17で連結し、前述
のスタッドボルト18を備えて構成されたものであり、床
部型枠uは、第1図に示すように、所定の長さと幅を有
する床部鋼板10に梁材11…を接合して構成されたもので
ある。また、型枠ユニットYは、前記壁部型枠kの壁部
鋼板15,15の下部を床部型枠uの床部鋼板10と梁材11に
接合して構成される。
前述のように壁7と床8を複数に分割した大きさの型枠
ユニットYは、その大きさに合わせて海上輸送、また
は、陸上輸送等の輸送手段を適宜選択して現場に搬入さ
れる。
前記構成の複数の型枠ユニットYを現場に搬入したなら
ば、相互の壁部鋼板15どうしと床部鋼板10どうしを各々
接合して壁7と床8用の型枠を構成する。
このように工場生産されて現場に設置された出来合いの
型枠ユニットYに型枠の役目をさせることによって、従
来、現場に構築する必要のあった支保工や堰板からなる
型枠の構築作業を省略して無支保工化することができ
る。従って現場での作業量を削減でき、工期の短縮化が
可能になる。また、型枠ユニットYは工場生産するため
に品質管理も容易であり、品質を安定化することができ
る。なお、型枠ユニットYの据え付けにあたっては、原
子炉建屋1を構築する際に、通常使用されるクレーンを
用いれば良く、この使用によってクレーンの利用効率も
向上する。
次に、床部型枠uの凹部13にコンクリートの打設を行っ
てコンクリート遮蔽部12を形成するとともに、壁部型枠
kの壁部鋼板15,15間の間隙にコンクリートを打設して
コンクリート壁部16を形成することにより壁7と床8と
を構築する。なお、ここで形成されるコンクリート壁部
16は、構造強度を発揮するよりは、むしろ放射線の遮蔽
を主目的とするものである。
前述の如く構築された壁7にあっては、スタッドボルト
18…と連結部材17…とがコンクリート壁部16と壁部鋼板
15,15との接合強度を向上させ、更にスタッドボルト18
…が壁部鋼板15,15の座屈を防止するとともに、壁部鋼
板15,15が壁7に作用する引張り力を負担する。なお、
壁7にあっては、前記引張り力を壁部鋼板15,15が負担
する構成であるために、従来構造において引張り力を負
担していた鉄筋を省略でき、従来行っていた鉄筋工事を
省略できる効果がある。また、壁部鋼板15が型枠の一部
を構成するために、その外方において壁工事と平行して
設備工事も実施できるようになり、設備工事の作業者の
手待ち状態をなくすることができる。
また、壁7や床8を介してなされる各種配管を所定箇所
に設置される型枠ユニットYに集中配管する構成にする
ならば、配管類や支持金具類を一体化した型枠ユニット
Yを用いることもでき、構築後の作業を壁7や床8の施
工と同時に進行させることができるために、施工性の向
上を図ることができる。
なお、本発明の構造を一般構築物の床と壁に適用するこ
とができるのは勿論である。
「発明の効果」 以上説明したように本発明は、床部型枠と壁部型枠とか
ら型枠ユニットを構成し、前記型枠ユニットにコンクリ
ートを打設してコンクリートと床部型枠、並びに、コン
クリートと壁部型枠を一体化てなるものであり、工場で
製造した出来合いの型枠ユニットを現場に搬入して型枠
を組み立てることができるために、従来、現場で行って
いた堰板と支保工からなる型枠の組み立て作業も撤去作
業を省略でき、工期の短縮、並びに、施工の省力化をな
しうる効果がある。また、前記型枠ユニットは工場生産
可能であり、品質管理も容易になるために、品質を向上
することができる。また、壁部鋼板の内面に立設した複
数のスタッドボルトを壁部鋼板間に打設したコンクリー
トと一体化してなる構成にするならば、壁体に作用する
引張り力は従来構造の鉄筋に代わって壁部鋼板が負担す
るために、本発明構造を採用することによって、鉄筋の
組み立て作業を省略でき、現場での作業量を大幅に削減
できる効果がある。
即ち、床部鋼板と壁部鋼板とを具備し、壁部鋼板の内面
にスタッドボルトを立設してなる型枠ユニットとして工
場生産のものを使用できるので、この型枠ユニットを現
場に搬入して設置し、コンクリートの打設を行うこと
で、従来作業では必要であった現場での鉄筋の組立作業
を省略できる。更に、前述の如く現場での壁部構築の際
の鉄筋組立作業が不要になるので、壁部鋼板の外方にお
いて壁部構築工事と並行して設備工事も実施できるよう
になり、設備工事作業者の手待ち状態を解消できる。
また、壁部鋼板に固定した支持金具でライニングプレー
トを支持する構造とするならば、壁部鋼板がライニング
プレートの下地材を兼ねることができる。
一方、床部型枠と壁部型枠とからなる型枠ユニットを用
い、床部鋼板を水平に壁部鋼板を垂直に向けて建築現場
に設置して型枠を形成し、この型枠の床部鋼板の凹部と
壁部鋼板の間隔にそれぞれコンクリートを打設して壁と
床を構築するならば、工業等で製造した出来合いの型枠
ユニットを現場に搬入して設置する作業を行うことで、
従来現場で行っていた堰板と支保工からなる型枠の組立
作業と撤去作業を省略でき、工期の短縮、並びに、施工
の省力化をなし得る効果がある。また、型枠ユニットは
工場生産可能であり、品質管理も容易になるために、現
場で堰板と支保工を用いて逐次構築する従来の型枠に比
べて品質を向上させることができ、これにより安定した
品質の壁部と床を構築できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示す斜視図、第2図は壁
の断面斜視図、第3図は壁部型枠を示す断面図、第4図
は前記実施例の構造を燃料プールの壁と床に適用して構
築された原子炉建屋の構成図、第5図は壁部鋼板に固定
されたライニングプレートを示す断面図である。 1……原子炉建屋、6……燃料プール、 7……壁、8……床、 10……床部鋼板、11……梁材、 12……コンクリート遮蔽部、 13……凹部、14……受け材、 15……壁部鋼板、 16……コンクリート壁部、 17……連結部材、18……スタッドボルト、 19……補強筋。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 勇 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 大沢 一彦 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水建 設株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】床部鋼板とこの床部鋼板の上面に相互に間
    隔をあけて一体に立設された複数のウェブとこのウェブ
    の上部に形成された上部フランジ板とからなり床部鋼板
    の上方に前記床部鋼板とウェブと上部フランジ板とによ
    って区画される凹部を形成してなる床部型枠と、相互の
    間に間隔をあけた対向状態で前記床部鋼板に一体に立設
    された一対の壁部鋼板からなる壁部型枠とによって、型
    枠ユニットが構成され、前記型枠ユニットが1つ以上用
    いられて型枠が構成され、この型枠の床部型枠の凹部と
    壁部型枠の間隔にそれぞれコンクリートが打設されてな
    ることを特徴とする壁と床の合体構造。
  2. 【請求項2】一対の壁部鋼板の相対向する内面のそれぞ
    れに複数のスタッドボルトが立設され、各スタッドボル
    トが壁部鋼板間に打設されたコンクリートと一体化され
    てなることを特徴とする請求項1記載の壁と床の合体構
    造。
  3. 【請求項3】壁部鋼板の外面に支持金具が固定され、前
    記支持金具により壁部鋼板の側方にライニングプレート
    が支持されてなることを特徴とする請求項1または2記
    載の壁と床の合体構造。
  4. 【請求項4】床部鋼板とこの床部鋼板の上面に相互に間
    隔をあけて一体に立設された複数のウェブとこのウェブ
    の上部に形成された上部フランジ板とからなり床部鋼板
    の上方に前記床部鋼板とウェブと上部フランジ板とによ
    って区画される凹部を形成してなる床部型枠と、相互の
    間に間隔をあけた対向状態で前記床部鋼板に一体に立設
    された一対の壁部鋼板からなる壁部型枠とによって構成
    された型枠ユニットを用いて壁と床を構築する方法であ
    って、前記型枠ユニットを1つ以上、床部鋼板を水平に
    壁部鋼板を垂直に向けて建築現場に設置して型枠を形成
    し、この型枠の床部鋼板の凹部と壁部鋼板の間隔にそれ
    ぞれコンクリートを打設することを特徴とする壁と床の
    構築方法。
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