JPH0692093A - 化粧板およびその製造方法 - Google Patents

化粧板およびその製造方法

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JPH0692093A
JPH0692093A JP23347992A JP23347992A JPH0692093A JP H0692093 A JPH0692093 A JP H0692093A JP 23347992 A JP23347992 A JP 23347992A JP 23347992 A JP23347992 A JP 23347992A JP H0692093 A JPH0692093 A JP H0692093A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的安価な表層材を用いながら、木の質感
と模様の面白さとを備えた化粧板を提供することを目的
としている。 【構成】 自然木からなる表層材3を基材2の上に貼り
つけた化粧板において、互いに密集した任意の数のエン
ボス7からなるエンボス群を表層材3の表面に形成し、
このエンボス群によって模様を表したことを特徴として
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主として家具の造作
材や住宅の内装材に用いられる化粧板およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、自然木からなる表層材を基材
の上に貼りつけたものとして、いわゆる普通合板と称さ
れるものと天然木化粧合板と称されるものとがある。
【0003】このうちの普通合板は、複数枚の薄い単板
を、繊維方向を互いにほぼ直交させて積層接着したもの
(以下、この構成からなるものを普通合板と定義す
る。)で、表層材層と、この表層材層を裏面側から支持
する基材層とからなっているとみることができる。
【0004】この表層材層には、自然木を薄く裁断した
単板が用いられている。この自然木は比較的安価なもの
とされているため、その表面には、道管や師管が不均一
に表れているものの、意匠的に見栄えがさほど良くな
く、面白味のある木目模様などの外観も表われていない
ことが多い。このため、化粧板として用いる場合には、
木目模様などが施されたシート材などを表層材層の表面
に貼りつけて、意匠的な外観を表すようにしている。こ
の種のものは、一般にラミネート化粧合板と称されてい
る。
【0005】一方、天然木化粧合板は、良質の厳選され
た自然木から板材を裁断し、この板材からスライサやロ
ータリーレースなどの木材加工機械によってごく薄いス
ライス状の表層材を切削し、この表層材を基材の上に貼
りつけたものである(以下、この構成からなるものを天
然木化粧合板と定義する)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの化
粧板には、木の質感と木目模様の面白さとが求められる
ものがある。
【0007】上記の天然木化粧合板は、この要求を満足
するものであるが、前述のように、表層材に良質の厳選
された自然木を用いるので高価なものとなっている。
【0008】一方、比較的安価にできる普通合板の場合
には、価値の低い自然木が用いられているため木目模様
の面白さがなく、前述のように、シート材を表層材層の
表面に貼ってラミネート化粧合板としている。
【0009】しかし、これでは、せっかくもっている木
の質感をも損なうものとなってしまっている。
【0010】この発明は、このような問題を背景として
なされたもので、比較的安価な表層材を用いながら、木
の質感と模様の面白さとを備えた化粧板を提供すること
を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の化粧板
は、上記の課題を解決するために、自然木からなる表層
材を基材の上に貼りつけた化粧板において、互いに密集
した任意の数のエンボスからなるエンボス群を前記表層
材の表面に形成し、このエンボス群によって模様を表し
たことを特徴としている。
【0012】
【作用】請求項1に記載の化粧板によれば、エンボス群
による模様によって表層材の表面の意匠的な外観を補う
ことができる。したがって、比較的安価な表層材を用い
ながら、木の質感と模様の面白さとを備えた化粧板を提
供することができる。
【0013】
【実施例】以下に、この発明の実施例について図面を参
照しながら説明する。
【0014】図1ないし図4は、この発明の第1実施例
を示すものである。
【0015】図2において、1は化粧板としての普通合
板である。この普通合板1は、基材層2と、この基材層
2の上に設けられた表層材層3とから構成されている。
【0016】基材層2は、2枚の薄い中単板4および裏
単板5から構成されている。また、表層材層3は、自然
木を所要の寸法で薄く裁断して得られた1枚の表単板か
ら構成されている。
【0017】これらの単板3、4、5は、繊維方向を互
いにほぼ直交させて積層接着したものである。
【0018】表単板(表層材層)3の原材としての自然
木は、比較的安価なものとされているため、その表面に
は、道管6が不均一に表れているものの、意匠的に見栄
えが良かったり、面白味のある木目模様などの外観は表
われていない。
【0019】表単板3の表面には、互いに密集した任意
の数のエンボス7からなるエンボス群が曲線状としての
波状に配列されて、いわゆる板目模様を表わしている。
【0020】このエンボス7は、後述するように成形ロ
ールを用いて形成されるものであるが、各エンボス7の
長手方向は、互いに表単板3の繊維方向とほぼ一致する
ように設定されている。なお、各エンボス7の長手方向
と表単板3の繊維方向とのなす角度は約5゜程度以内で
あれば、自然に類似した木目模様が効果的に表される。
【0021】このエンボスは、図3にて7a、7bで示
すように、断面形状が底面部Bを有する矩形形状とさ
れ、またその平面形状は、図4に示すような雲型のもの
をはじめとして楕円形状や紡錘形状のものなどがある。
また、図3に示すように、エンボス7aの底面部Bは表
単板3内にとどまっており、一方、エンボス7bの底面
部Bは、表単板3と接着剤層8とを貫いて基材層2の中
単板4にまで達している。このようなエンボス7a、7
bを上方から外観すると、その内部には図4に示すよう
に、表単板3の道管6が見える場合と、中単板4の道管
9が見える場合とがある。道管6と道管9とは互いにほ
ぼ直交するような位置関係にあり、エンボス7a、7b
が互いに目立つようになっている。
【0022】なお、原板におけるエンボス7の寸法は、
深さが約0.1〜0.2mm、幅が約0.3〜1.8mm、長さが約
1.3〜8.0mm程度のものとされている。
【0023】このようなエンボス7を普通合板1の表面
に形成するとき、図5に示すように、エンボス7の形成
位置に表単板3の道管6などの細胞部が存在しているか
否かによって、エンボス7の形成後の形状が異なってく
る。
【0024】つまり、成形ロールのエンボス型10が道
管6にぶつかるようにして形成されたエンボス7は、道
管6が木部よりも硬いために、エンボス7の縁に欠け1
1が生じ、エンボス7の断面形状に変化をもたせること
になり、単に断面矩形形状ではないエンボスを得ること
ができる可能性が高い。
【0025】このようにしてエンボス7が形成された普
通合板1の表面は、それらのエンボス群による模様によ
って表単板3の表面の意匠的な外観が補われたものとな
り、表単板3のもつ木の質感が損なわれることなく、意
匠的に良好な外観を備えたものとなっている。
【0026】さらに、図1に示すように、表単板3には
染料12により着色としての染色が施されている。この
染料12は、図3に斜線で示すように、エンボス7a、
7bの内周壁部および底部Bを染色する。このとき、表
単板3と中単板4の繊維方向(細胞配列)がどちらも同
じ水平方向に沿っていることから、底部Bよりも内周壁
部により多く染料12が浸透して強い染色を果たし、エ
ンボス内において色調の変化がでるようになる。
【0027】さらに、染色された表単板3の表面には、
図1に示すように、有色透明なウレタン塗料による樹脂
塗装13が施され、表面の保護とつや出しが図られてい
る。
【0028】これにより、エンボス7内に埃などが入り
込まず、掃除が容易に行えるという配慮がなされてい
る。
【0029】また、図6に示すように、エンボス14を
先がくさび状になっているパンチなどを用いてその断面
形状をV字状とすることにより、エンボス14の内周壁
部の面積を大きくさせるとともに底部を小さくして染料
12の浸透を強める一方、内周壁部からの反射光を乱反
射させて、エンボス14の見た目に変化がでるようにし
てもよい。
【0030】図7は、この発明の第2実施例を示すもの
である。
【0031】図7において、15は天然木化粧合板で、
自然木から裁断した板材をごく薄く削いで得られた表層
材としてのスライス単板16を、基材17の上に貼りつ
けたものである。スライス単板16の表面には、板目模
様などの意匠的な外観と木の質感とが表われるように、
前記自然木として比較的高価なものが用いられている。
この天然木化粧合板15の表面にも、上記の方法でエン
ボス18を形成することができる。この場合、スライス
単板16の裏面側に基材17が位置しているので、表層
材16が引きちぎられてしまうようなことはない。
【0032】次に、上記の構成からなる化粧板の製造方
法について図1、図2および図8を用いて説明する。
【0033】まず、所要の寸法に裁断された普通合板1
の表面を紙やすりで研磨する。研磨されたこの表面に凸
状のエンボス型にてエンボス7を形成する。このエンボ
ス型は、成形ロール(図示省略)の表面にエッチングに
よって、所望の寸法と配列で形成されているものであ
る。
【0034】エンボス7は、この成形ロールと搬送台
(図示省略)との間に普通合板1を置き、成形ロールを
普通合板1に押しつけながら成形ロールを回転させて形
成されるものである。
【0035】前記のように、エンボス形成前に普通合板
1の表面を研磨することで、エンボス7内へ研磨くずが
たまって目ずまりすることを防止している。
【0036】そして、エンボス7が形成された表面に着
色としての染色をする。このとき、染色、乾燥、研磨、
染色を複数回繰り返して、厚塗りすることで染色の度合
を高めるようにしてもよい。
【0037】所定の染色後、所定時間の乾燥を行い、さ
らに有色透明なウレタン塗料で塗装を行う。
【0038】そして、所定時間の乾燥を経て仕上がる。
このとき、塗装、乾燥、研磨を複数回繰り返して、厚塗
りすることで塗料層の厚みを増すとともに表面を鏡面仕
上とすることができる。
【0039】なお、着色に際しては、色料として顔料を
用いるようにしてもよい。
【0040】また、上述したように、エンボス群の配置
は板目模様風のものの他、図9に示すように、エンボス
21を柾目模様風に配置したもの(A)、エンボス22
を唐草模様風に配置したもの(B)、エンボス23を市
松模様風に配置したもの(C)をはじめとして、各種の
意匠的なものが考えられる。
【0041】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明によれ
ば、エンボス群による模様によって表層材の表面の意匠
的な外観を補うことができる。したがって、比較的安価
な表層材を用いながら、木の質感と模様の面白さとを備
えた化粧板を提供することができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の化粧板(普通合板)の模式的な断
面図である。
【図2】同斜視図である。
【図3】エンボスの形状を示す断面図である。
【図4】同平面図である。
【図5】エンボス形成時の状態を示す図である。
【図6】エンボスの変形例を示す断面図である。
【図7】第2実施例の化粧板(天然木化粧合板)の模式
的な断面図である。
【図8】この発明の化粧板の製造方法を説明する工程図
である。
【図9】エンボスの配置の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 普通合板(化粧板) 2 基材層 4 中単板 5 裏単板 3 表単板(表層材層) 15 天然木化粧合板(化粧板) 17 基材 16 スライス単板(表層材) 7、18 エンボス

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自然木からなる表層材を基材の上に貼り
    つけた化粧板において、 互いに密集した任意の数のエンボスからなるエンボス群
    を前記表層材の表面に形成し、このエンボス群によって
    模様を表したことを特徴とする化粧板。
  2. 【請求項2】 前記化粧板は、普通合板であることを特
    徴とする請求項1に記載の化粧板。
  3. 【請求項3】 前記化粧板は、天然木化粧合板であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の化粧板。
  4. 【請求項4】 前記模様は、前記各エンボスの長手方向
    を互いにほぼ一致させて曲線状に配列した前記エンボス
    群によって表したことを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載の化粧板。
  5. 【請求項5】 前記エンボスが形成された前記表層材を
    着色したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    に記載の化粧板。
  6. 【請求項6】 前記エンボスが形成された前記表層材を
    透明塗料で塗装したことを特徴とする請求項1ないし5
    のいずれかに記載の化粧板。
  7. 【請求項7】 化粧板の化粧面側に設けられた表層材の
    表面を研磨し、研磨された前記表面に型を用いてエンボ
    スを形成し、このエンボスが形成された前記表面を着色
    し、この着色の上からさらに透明塗料で塗装することを
    特徴とする化粧板の製造方法。
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