JPH0692007B2 - 熱間圧延用作業ロール及びその圧延方法 - Google Patents

熱間圧延用作業ロール及びその圧延方法

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JPH0692007B2
JPH0692007B2 JP63173523A JP17352388A JPH0692007B2 JP H0692007 B2 JPH0692007 B2 JP H0692007B2 JP 63173523 A JP63173523 A JP 63173523A JP 17352388 A JP17352388 A JP 17352388A JP H0692007 B2 JPH0692007 B2 JP H0692007B2
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mold
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shaft material
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訓由 渕上
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孝彦 甲賀
泰行 西山
隆郎 倉橋
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Hitachi Metals Ltd
Nippon Steel Corp
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Hitachi Metals Ltd
Nippon Steel Corp
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    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B27/00Rolls, roll alloys or roll fabrication; Lubricating, cooling or heating rolls while in use

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐摩耗性、耐肌荒性に富み、且つ胴部に水平方
向の曲げを加える圧延に使用しても耐用性を有する熱間
圧延用作業ロール及びその圧延方法に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
従来から一般に、熱間圧延用の作業ロールとしては遠心
鋳造法により製造した鋳鉄製の複合ロールが広く用いら
れている。このロールは外層に耐摩耗性の大きい炭化物
を多く晶出させた合金鋳鉄系材質を用い、軸材に靭性の
あるねずみ鋳鉄もしくはダクタイル鋳鉄を配した複合ロ
ールである。
近年の熱間圧延法においては、省エネルギー、生産性向
上、鋼材品質の向上等の立場から、低温高圧下圧延や高
形状制御圧延等の施策がなされつつある。この一つの手
法として、例えば実開昭62−131705号公報に記載された
圧延機を用いる方法がある。この圧延機のロール構成は
第4図に示すように、上作業ロール1、下作業ロール
2、上及び下の補強ロール3が配置されている。そし
て、上下作業ロールのいずれか一方、同図では上作業ロ
ールを小径に形成して圧延材進行方向(矢印A)にオフ
セットするとともに、上作業ロール1と接する中間ロー
ル4、支えロール5、水平曲げ装置6を設け、水平曲げ
装置6の操作により支えロール5を中間ロール4を介し
て上作業ロールを押しつけて上作業ロール1に水平曲げ
を与え、この水平曲げによって圧延材の幅方向のクラウ
ンを調整するようになっている。上作業ロール1の状態
は平面図で示すと圧延材進行方向Aに対して第2図のよ
うな曲率半径Rの曲がりが加えられた状態になってい
る。このような状態で使用される上作業ロール1に対し
ては、ロール直径が小さく設計されているため、従来ロ
ールよりも優れた耐摩耗性や耐肌荒性と、胴部に水平方
向の曲げが加わっているため胴中央部及びネック部にお
ける強靭な軸材とが一般的に要求される。更に、近年は
需要家における圧延材の品質要求水準がますます高度化
し、ロール表面性状に起因する圧延材表面の微少な表面
疵も大きな問題となる。このためロールにはより一層の
耐肌荒性の向上が要求される。
これらの要求に対して、前記従来の遠心鋳造法により製
造した鋳鉄製の作業ロールは外層材質及び軸材材質の適
用に制限があり、耐摩耗性、耐肌荒れ性、強靭性の点で
使用に耐えない状況にある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的と
するところは上述の通り耐摩耗性と耐肌荒性に優れ、し
かも軸材が強靭で胴部に水平方向の曲げが加えられても
十分に耐用できる作業ロール及びその作業ロールを用い
た圧延方法を提供するためになされたものである。
V等の合金元素が形成する炭化物は硬さが大であり、外
層材としてこれらの炭化物を含有する鉄基合金はロール
の耐摩耗性の向上に有効であるが、炭化物を含有する外
層と軸材とを溶着した作業ロールを遠心鋳造法により製
造するのは現実には不可能である。その理由は、これら
の元素が形成する炭化物は溶湯との比重が異なるため、
鋳造中にいわゆる遠心分離の作用により偏析を起こし易
いことである。また、Vの場合は酸化傾向が強く、多量
になると大気中での溶解鋳造、軸材との溶着等が困難と
なってくる。
また、軸材をねずみ鋳鉄又はダクタイル鋳鉄とした場合
その引張り強さは55kg/mm2程度が限界である。これ以上
の値を得ようとすると軸材に鋼系の材質を用いる必要が
あるが、これも遠心鋳造法では困難である。その理由
は、軸材のほうが外層よりも高融点となるため、軸材を
鋳込んだ時に外層が溶けて混合状態となった境界部分が
最終凝固部となり、この境界部に鋳造欠陥が発生し易い
ためである。
従って、上記のような元素の炭化物を外層に含有すると
ともに外層と軸材が健全に溶着し、軸材の引張り強さが
55kg/mm2以上の作業ロールを遠心鋳造法により製造する
のは不可能であった。
以上の状況において、あらかじめ形成した鉄鋼又は鍛鋼
からなる軸材の周囲に外層材の溶湯を凝固させることに
より複合ロールを製造するいわゆる連続肉盛方法が注目
され、特開昭60−180608号公報、特開昭60−180660号公
報、特開昭62−127108号公報等に各種外層材を用いた複
合ロールが開示されている。これらのロールは軸材を強
靭化する点に関しては本発明の目的を満たすが、外層材
質が高クロム鋳鉄、アダマイト材質、合金鋳鉄等である
ので、同公報における従来ロールに比べて良好な特性を
有するものの、本要求レベルの耐摩耗性、耐肌荒性を満
たすには必ずしも十分ではない。また、本用途のロール
のように水平方向に曲げながら使用するという圧延条件
に対する考慮は開示されていない。更に、上記公報と同
様にして軸材を強靭化した複合ロールとして特開昭60−
221104号公報には胴部に圧縮残留応力を付与した複合ロ
ールが開示されている。しかし、同公報においては具体
的に水平方向に曲げが加わって用いられることに関して
は開示されていない。また、高クロム鋳鉄やアダマイト
材質について記載されており、上記同様対摩耗性の点で
十分とは言えない。更に、耐摩耗性を十分に考慮した材
質として、特開昭58−87249号公報には、特定範囲のC
r、Mo、W、V等の合金元素を含有するC2.4〜3.5%の鉄
基合金が開示されている。しかし、熱間圧延用ロールに
適用することは記載されているが強靭な軸材を配した複
合ロールにする旨の開示はない。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者は上記従来技術の問題点を解決するため実験追
究を行って以下の知見を得た。
基本的には、中間ロール及び支えロールを介して水平曲
げ装置により胴部に曲げを加えながら用いる熱間圧延用
の作業ロールにおいて、硬さがHS70以上で化学成分が重
量比でC1.5〜3.5%、Si0.3〜3.0%、Mn0.3〜1.5%、Cr2
〜7%、Mo9%以下、W20%以下、V3〜15%、残部実質的
にFeからなるMC系の炭化物を含有する鉄基合金の外層を
軸材に接合し、胴部に曲率半径550m以下の曲げを加えて
用いる熱間圧延用作業ロールを要旨とするものである。
ここにおいて、外層は耐摩耗性と耐肌荒性を確保するた
めMC系炭化物を含有させるとともにHS70以上の硬さを保
持させる必要がある。
なお、良好な耐肌性を得るためには炭化物の大きさは小
さいほうが好ましい。また、鉄基合金の化学成分の特定
は次の理由による。
Cは耐摩耗性向上のための炭化物の形成に必要である。
その量が1.5%未満の場合、晶出炭化物量が少なく、耐
摩耗性の点で十分でない。またVとのバランスにおい
て、下限値未満では炭化物が粒界に網目状に析出して靭
性及び耐肌荒性においても本発明の目的を達成できな
い。一方、Cが3.5%を越えるとVとのバランスがくず
れVCが均一に分布した組織形態がくずれ、耐肌荒性及び
強靭性の点で劣るようになる。
Siは脱酸剤として必要な元素であり、またM6C炭化物中
に固溶してW、Mo等の高価な元素を置換し、節減するの
に有効である。その量が0.3%未満の場合脱酸効果がな
く、鋳造欠陥を生じやすい。また3.0%を越えると脆化
が生じやすくなる。
Mnは脱酸作用とともに不純物であるSをMnSとして固定
する作用がある。その量が0.3%未満では脱酸性に乏し
い。しかし、1.5%を越えると残留オーステナイトが生
じやすくなり、安定して十分な硬さを維持できない。
Crは2%未満では焼入れ性に劣り、7%を越えるとCr系
炭化物が過多となるため不都合である。即ち、Cr系炭化
物例えばM23C6はMC、M4C3、M6C、M2Cと比較して硬さが
低く、耐摩耗性を低下させる。
Mo及びWはそれぞれCと結合してM2C或いはM6C系炭化物
を生成させ、かつ基地中にも固溶して基地を強化するの
で耐摩耗性や高温硬さを高めるとともに、焼戻軟化抵抗
性向上に寄与する。しかし、過剰になるとCとVとのバ
ランスにおいてM6C系炭化物が増加し、靭性及び耐肌荒
性の点で好ましくない。Mo及びWの上限はそれぞれ9%
及び20%である。
Vは耐摩耗性の向上に効果のあるMC系炭化物を形成する
ための必須元素である。従って、3%未満では十分な効
果がなく、15%より多いと上記C範囲とのバランスでMC
系炭化物が均一に分布しにくくなる。
本発明の外層に用いる鉄基合金は上記元素の他にNi、C
o、Nbを単独で又は複合して含有することができる。Ni
は焼入れ性を向上する作用を有する。従って、5%以下
の量添加することができる。それより多いと残留オース
テナイトの増加を招き、割れや圧延中の肌荒等の問題が
生ずるので最大5%まで含有する。Coは焼戻し軟化抵抗
と二次硬化の点で有用な元素であるが、5%を越えると
焼入れ性が悪くなる。NbはVと同様にMC系炭化物を形成
し耐摩耗性向上の作用を有するが、5%を越えると酸化
が激しくなり大気中での溶解が困難となる。これらNi、
Co、Nbはそれぞれ単独で添加することができるが、2つ
以上組合せて添加することもできる。
上記元素以外、鉄基合金は不純物を除いて実質的にFeか
らなる。不純物として主なものはP及びSであるが、P
は脆化防止のため0.1%以下であり、Sは同様に0.08%
以下であるのがよい。
通常の四重式熱間圧延機におけるオフセット量は10mm程
度が一般的である。本発明対象の圧延機においては、オ
フセット量を10〜50mmとし、ロールに加えられる曲げ量
が第2図にて示す両ネック部の支点7を基準にした全体
的な曲率半径Rで示すと550m以下とするのが好ましい。
550mを越えるとロールの曲がりが少なくなって圧延材の
幅方向のクラウン調整効果が得られなくなる。
次に、本発明においては引張強さが55kg/mm2以上の鋳鋼
又は鍛鋼からなる軸材を用い、胴部外層の軸方向に20kg
/mm2以上の圧縮残留応力を付与することを要旨とす。即
ち、本発明ロールは曲率半径550m以下の水平方向の曲げ
を加えて使用される。このときネック部に発生する曲げ
応力は20kg/mm2程度であるので、軸材としては少なくと
も55kg/mm2以上の引張強さが必要である。また、ロール
の胴部表面の軸方向には20kg/mm2以上の引張・圧縮の繰
り返し応力が作用する。ロール表面には使用中にヒート
クラック等の微細なクラックが発生するが、このような
状態のときに引張応力が作用するとクラックは更に進展
して、ロール表面におけるクラック部の欠損事故或は胴
部折損事故となる危険がある。従って、この引張応力を
打消すためにロール胴部の外層には少なくとも20kg/mm2
以上の圧縮残留応力を付与しておく必要がある。
次に、本発明における外層と内層とを接合させる方法と
しては、基本的には特公昭44−4903号公報ほかに開示さ
れている高周波加熱を利用した連続肉盛方法、基本的に
は特開昭47−2851号公報ほかに開示されている粉末冶金
法を利用して熱間等方圧加圧により外層を形成する方
法、特開昭57−2862号公報に開示されているエレクトロ
スラグ溶解を利用した肉盛方法等がある。
このうち、本発明においては次の要旨の連続肉盛法によ
り実施例ロールを製造した。すなわち、誘導加熱コイル
で包囲された耐火枠とその枠の下に同軸的に設置された
冷却型とからなる組合わせモールドの内側に設けられた
空間に鋳造又は鍛鋼からなる軸材を同軸的に遊嵌させ、
軸材とモールドとの間に形成された空隙に鉄基合金の溶
湯を注入するとともに溶湯表面をフラックスでシール
し、軸材をモールドに対して同軸的に下方へ移動させて
溶湯を冷却型に接触させて凝固させることにより形成し
た外層を軸材に溶着させるのである。
第3図は本発明の方法を実施するのに使用し得る装置の
一例を示す。本装置はテーパー部及び並行部の周壁を有
するロート状の耐火枠8と、その下に同軸的に設置され
た冷却型9とからなる組合せモールド10を有する。耐火
枠8には、この外周を包囲するように環状の誘導加熱用
コイル11が配置されており、またその下部に同軸的に耐
火枠8の下部と同径の内径を有する環状の暖衝型12が設
けられている。またその下方の冷却型9は暖衝型12とほ
ぼ同じ内径を有し、かつ同軸的である。冷却型9の入口
13から冷却水が型内に導入され、出口14から排出され
る。
以上の構成の組合せモールド10の内側にロールの軸材15
をセットする。軸材15の下端又は必要に応じて下端から
適宜はなれた位置に注入外層の外径とほぼ同じ外径を有
する閉止部材(図示せず)を固定し、さらにその下部は
軸材15の昇降機構(図示せず)を取付ける。軸材15と耐
火枠8との間の空隙に外層材の溶湯16を注入し、溶湯表
面はフラックス17で空気に触れないようにシールする。
そして溶湯16が凝固しないように加熱コイル11で加熱撹
拌する。溶湯16は図中の矢印Bで示す方向に流動し撹拌
運動を起こす。次に軸材15に固定された閉止部材を軸材
とともに逐次降下させる。軸材及び閉止部材の降下と連
動して溶湯16も降下し、暖衝型12及び冷却型9の部分で
溶湯16の凝固が始まる。この凝固のとき軸材15と外層18
とは完全に金属的に接合される。湯だまりの溶湯の表面
も軸材及び閉止部材の降下に併せて低下してくるが、新
しい溶湯を適宜注入して溶湯面をある水準に保持する。
そして、降下と注入を順次くり返して溶湯を下方から逐
次凝固させて外層18の形成を行う。
このようにして得られた作業ロールは、更に焼入れ、焼
戻し等の熱処理を施すことにより、HS70以上の外層硬さ
と軸方向に20kg/mm2以上の圧縮残留応力とを得る。
更に本発明においては、上記作業ロールを用いて得られ
る圧延方法として、中間ロール及び支えロールを介して
水平曲げ装置により作業ロールの胴部に曲げ加えながら
熱間圧延する方法において、硬さがHS70以上のMC系の炭
化物を含有する鉄基合金の外層を引張強さが55kg/mm2
上の鋳鋼又は鍛鋼からなる軸材に接合し、胴部外層の軸
方向に20kg/mm2以上の圧縮残留応力を付与した作業ロー
ルを用い、作業ロールの胴部に曲率半径550m以下の曲げ
を加えながら圧延する方法をも要旨とする。
〔作 用〕
上記の構成による作業ロールは水平方向に曲げが加わっ
た圧延に使用されても耐摩耗性、耐肌荒性、強靭性の点
で十分耐用できるものとなる。特に、連続肉盛法により
外層と軸材を接合したロールであるため、溶湯は高周波
コイルによって加熱撹拌され、溶湯から晶出する炭化物
は浮揚、沈殿、偏析することなく凝固するので外層中に
均等に分散したものとなる。また、外層には圧縮残留応
力が付与されており、クラック進展に起因するロール事
故が防止される。そして、これらにより圧延材のクラウ
ン調整が健全に行えるとともに圧延材の表面性状に関す
る品質が向上する。
〔実施例〕
実施例1 胴径335mm、胴長1442mmのロールを直径260mm、長さ3800
mmの軸材を用いて第3図にて示す装置にて製作した。こ
のときの外層材質の化学成分を第1表に示す。これらの
ロールはさらに1000〜1100℃からの焼入れ及び500〜550
℃での焼戻しの熱処理を施した。比較のため従来の高合
金鋳鉄材質(No.4)及び高クロム鋳鉄材質(No.5)につ
いても同一寸法のロールを製造した。但し、高合金鋳鉄
材質については従来の遠心鋳造法によって製作し、オフ
セット量を少なくするとともに曲げを加えないで試験使
用することを前提として、軸材はダクタイル鋳鉄とし
た。高クロム鋳鉄材質については本発明ロールと同様に
第3図に示す装置を用いて製作した。これらの材質につ
いても化学成分を第1表に示す。熱処理はこれらの材質
に適応した熱処理を施した。なお、高合金鋳造材質(N
o.4)のロールを除いて軸材はいずれもSCM440の圧延に
より鍛造された棒鋼を使用し、軸端余長部から採取した
試片による引張強さは73〜78kg/mm2であった。
得られた各ロールの外層表面硬さHSを第1表に併せて示
す。また、外層表面の軸方向圧縮残留応力は胴端余長部
の端面から250mm位置にて、表面開放法により測定し
た。この値も第1表に示す。これらのロールについて顕
微鏡組織調査をしたが、その例として本発明ロールNo.2
を第1図に、比較例ロールNo.4を第5図に示す。また、
ロール胴端部と中央部、ならびに余長部で調査したロー
ル表層部と内部とでは炭化物の偏析等の組織むらは認め
られなかった。更に、外層と軸材との接合部も健全であ
った。
これらの結果から明らかなように、本発明のロールはい
ずれも健全であるとともに要求特性を満たすものであ
る。炭化物も第1図から明らかなように粒状のMC系炭化
物とやや大きいM6C+M7 C3+M3C系炭化物とで構成されている。一方、第5図の
従来の高合金鋳鉄系材質はM3C系主体の大きな炭化物で
構成されている。
実施例2 実施例1にて得られたロールを用い、圧延量として圧延
長さが30〜60kmの普通鋼圧延において圧延試験をした。
No.4の高合金鋳鉄系材質のロールには曲げを加えなかっ
たが、SCM440を軸材とする他のロールにはいずれも曲率
半径R=550〜100mを曲げを加えながら圧延した。
各ロールの圧延量、摩耗量、圧延後のロール表面粗度等
を第2表に示す。なお、表面粗度は触針式表面あらさ計
にて測定したものであって、その測定プロフィール例を
第6図に示す。同図(a)は本発明ロールNo.2(b)は
従来の高合金鋳鉄ロールNo.4である。
これらの圧延において、本発明ロールは胴部のクラック
発生事故や折損事故、ネック部の折損事故の発生はなか
った。さらに継続して圧延量累計4200km(4×106回の
ロール回転)以上使用したが、 何ら問題もなく順調に使用された。
耐摩耗性に関しても第2表にて示すように、本発明ロー
ルの耐摩耗性は従来ロールの4〜5倍であり格段に優れ
ていることが明らかとなった。また、耐肌荒性に関して
も本発明ロールは炭化物が小さいので、きわめて滑らか
なロール肌を呈し、耐摩耗性と同様に優れていることが
明らかとなった。
〔発明の効果〕
本発明は次の効果を有する。これらにより、本発明は熱
間圧延における生産性ならびに効率性向上に貢献すると
ころ多大なものがある。
(1)外層材に本発明特定の鉄基合金を用いることによ
り従来材質に比べて格段に優れた耐摩耗性、耐肌荒性を
有する水平方向に曲げを加えながら使用される作業ロー
ルを実現させた。
(2)高強度の鋼系の軸材を用いるとともに外層には圧
縮残留応力を付与した耐摩耗材を配したので耐摩耗性、
耐肌荒性のほかに耐事故性、強靭性の点で従来存在し得
なかった水平方向に曲げを加えながら使用される作業ロ
ールを実現させた。
(3)連続肉盛法を用いることにより外層と軸材とが健
全に接合され、かつ外層材における炭化物等の偏析のな
い作業ロールを提供した。
(4)上記作業ロールを用いることにより水平方向に曲
げを加えながら効率良く熱間圧延する方法を実現させ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例ロールの金属組織を示す顕微鏡写
真、第2図は本発明ロールが使用される状態を説明する
ための概略平面図、第3図は本発明を実施するための連
続肉盛装置例の概略図、第4図は本発明ロールが使用さ
れる状態を説明するための概略側面図、第5図は従来例
ロールの金属組織を示す顕微鏡写真、第6図は本発明実
施例ロール及び従来例ロールの圧延使用後の表面肌プロ
フィールを示す図である。 1:作業ロール、4:中間ロール、5:支えロール、6:水平曲
げ装置、8:耐火枠、9:冷却型、10:組合せモード、11:誘
導加熱コイル、15:軸材、16:外層材溶湯、17:フラック
ス、18:外層、R:胴部曲率半径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渕上 訓由 福岡県北九州市若松区北浜1丁目9番1号 日立金属株式会社若松工場内 (72)発明者 村上 文雄 福岡県北九州市若松区北浜1丁目9番1号 日立金属株式会社若松工場内 (72)発明者 甲賀 孝彦 北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式 會社室蘭製鐵所内 (72)発明者 西山 泰行 北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式 會社室蘭製鐵所内 (72)発明者 倉橋 隆郎 北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式 會社室蘭製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭62−127108(JP,A) 特開 昭61−177355(JP,A) 特開 昭59−202104(JP,A) 特開 昭61−284527(JP,A) 特開 昭54−86422(JP,A) 特開 昭62−144807(JP,A) 特開 昭60−221104(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中間ロール及び支えロールを介して水平曲
    げ装置により胴部に曲げを加えながら用いる熱間圧延用
    の作業ロールにおいて、硬さがHS70以上で化学成分が重
    量比でC1.5〜3.5%、Si0.3〜3.0%、Mn0.3〜1.5%、Cr2
    〜7%、Mo9%以下、W20%以下、V3〜15%、残部実質的
    にFeからなるMC系の炭化物を含有する鉄基合金の外層と
    軸材とからなり、前記外層は誘導加熱コイルで包囲され
    た耐火枠とその枠の下に同軸的に設置された冷却型とか
    らなる組み合わせモールドの内側空間に鋳鋼又は鍛鋼か
    らなる軸材を同軸的に遊嵌させ、軸材をモールドとの間
    に形成された空隙に鉄基合金の溶湯を注入するとともに
    溶湯表面をフラックスでシールし、軸材をモールドに対
    して同軸的に下方へ移動させて溶湯を冷却型に接触させ
    て凝固させることにより、前記軸材に接合されており、
    胴部に曲率半径550m以下の曲げを加えて用いることを特
    徴とする熱間圧延用作業ロール。
  2. 【請求項2】引っ張り強さが55kg/mm2以上の鋳鋼又は鍛
    鋼からなる軸材を用い、胴部の軸方向に20kg/mm2以上の
    圧縮残留応力を付与したことを特徴とする請求項1記載
    の熱間圧延用作業ロール。
  3. 【請求項3】中間ロール及び支えロールを介して水平曲
    げ装置により作業ロールの胴部に曲げを加えながら熱間
    圧延する方法において、前記作業ロールが硬さがHS70以
    上で化学成分が重量比でC1.5〜3.5%、Si0.3〜3.0%、M
    n0.3〜1.5%、Cr2〜7%、Mo9%以下、W20%以下、V3〜
    15%、残部実質的にFeからなるMC系の炭化物を含有する
    鉄基合金の外層と引っ張り強さが55kg/mm2以上の鋳鋼又
    は鍛鋼からなる軸材とからなるとともに、誘導加熱コイ
    ルで包囲された耐火枠とその枠の下に同軸的に設置され
    た冷却型とからなる組み合わせモールドの内側空間に鋳
    鋼又は鍛鋼からなる軸材を同軸的に遊嵌させ、軸材をモ
    ールドとの間に形成された空隙に鉄基合金の溶湯を注入
    するとともに溶湯表面をフラックスでシールし、軸材を
    モールドに対して同軸的に下方へ移動させて溶湯を冷却
    型に接触させて凝固させることにより、前記軸材に接合
    されており、前記作業ロールの外層の軸方向に20kg/mm2
    以上の圧縮残留応力を付与し、かつ作業ロールの胴部に
    曲率550m以下の曲げを加えながら圧延することを特徴と
    する圧延方法。
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