JPH0466619A

JPH0466619A - 複合ハイスロールの熱処理法

Info

Publication number: JPH0466619A
Application number: JP17895990A
Authority: JP
Inventors: Yoshihiro Nakagawa; 中川　義弘; Takashi Hashimoto; 隆橋本; Akitoshi Okabayashi; 昭利岡林; Takeru Morikawa; 長森川; Hiroaki Katayama; 片山　博彰
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1990-07-05
Filing date: 1990-07-05
Publication date: 1992-03-03

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は圧延使用層たる外層がハイス系ロール材によっ
て形成された複合ハイスロールの熱処理法に関する。

（従来の技術） ■；３〜１０−ｔ％、Ｗ：２〜１０−ｔ％を含有したハ
イス系ロール材は、高温において優れた耐摩耗性を有し
、複合ロールの外層材として使用されている。複合ロー
ルの軸芯部としては、鋳鋼（Ｃ：　０．０１〜Ｌ２ｗｔ
％）、黒鉛鋼（Ｃ：　１．２〜２．０ｗｔ％）、球状黒
鉛鋳鉄（Ｃ：２．５〜４．０ｗｔ％）やＳＣＭ材等の鍛
鋼が使用され、両者は溶着や熱間等方圧加圧による拡散
接合、また連続鋳掛肉盛法等の方法により接合一体化さ
れている。

外層がハイス系ロール材によって形成された複合ハイス
ロールは、複合ロールとして製作後、外層の高硬度特性
を発現させるため、ロールを８５０〜１０００″Ｃで２
〜１０Ｈｒ、炉中で保持してオーステナイト化温度にし
た後、噴霧水冷によって急冷して焼入れし、その後５０
０〜６５０℃で２〜１０Ｈｒ保持する焼戻しが数回行わ
れている。

（発明が解決しようとする課題）しかしながら、オーステナイト化温度が１０００’Ｃ以
下と低いため、炭化物を基地中に十分固溶させることが
できず、以後の熱処理によっても十分な硬度が得られて
いないという問題がある。この場合、オーステナイト化
温度を高くすればよい訳であるが、炉中加熱のため昇温
に時間がかかり、外層表面に厚い酸化膜ができ、外層の
歩留りが低下する。また、軸芯材として鋳鉄系のものを
用いると内部の偏析部が溶融することがあり、鋼糸のも
のでも結晶粒の粗大化が生じ、靭性が劣化するという問
題がある。尚、真空炉中で加熱すれば、外層の酸化の問
題は生じないが、ロールのような胴径５００〜８５０φ
鴫、胴長１５００〜３０００ｍｍに及ぶ大形のものでは
工業的には適用困難である。

本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、外層が酸化
消耗し難く、また軸芯部が脆化しない複合ハイスロール
の熱処理法を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）上記目的を達成するためになされた本発明の熱処理法は
、ハイス系ロール材によって形成された外層に強靭材で
形成された軸芯部が接合された複合ロールをオーステナ
イト化温度に加熱し、焼入れした後、５００〜６５０℃
で焼戻しする複合ハイスロールの熱処理法において、前
記外層の表面を急加熱し、外層と軸芯部との境界を１１
００℃以下として焼入れを行うことを発明の構成とする
ものである。

（作　用）外層表面を２、加熱するため、表面温度を短時間で容易
に高温に上昇させることができ、外層表面の酸化を防止
することができる。

また、外層と軸芯部との境界の温度を１１００℃以下の
温度とするため、軸芯部の部分溶融や結晶粒の粗大化を
有効に防止することができる。また、軸芯部の中心に向
うほど低温となるため、オーステナイト化温度に加熱後
、外層の熱を内部へ逃がすことができ、焼入れの際、外
層深部の冷却速度を太き（することができる。

尚、オーステナイト化温度に加熱する際、外層は厚さ方
向に沿って不均一な温度分布となり、以後の熱処理によ
っても均一な材質特性は得られないが、圧延ロールとし
ての使用には支障がない。

（実施例）本発明に係る複合ロールの外層に使用されるハイス系ロ
ール材としては、下記組成（ｗｔ％）のものがよい。

Ｃ：１．５〜２，５％、Ｓｉ：０．２〜１．０％Ｍｎ：
１．５％以下、　Ｐ：Ｑ、１％以下ｓ：ｏｙｔ％以下、
　Ｎｉ：３．０％以下Ｃｒ：３〜８％　　　ＭＯ：１〜
１０％■：３〜１０％　　　Ｗ：２〜１０％Ｃｏ　：　１０％以下　　　残部実質的にＦｅまた、外
層表面の急加熱に際しては、予めロール全体を１０００
℃以下の温度に均熱しておくのがよく、表面加熱温度は
１１２０〜１３５０℃にするのがよい。

１１２０℃未満では炭化物の固溶が十分でなく、１３５
゜℃を越えると、オーステナイト結晶粒が成長して、焼
入れ後の組織が粗くなり、粘さが低下すると共に、短時
間で加熱するとしても脱炭や酸化が増大するからである
。

外層表面の急加熱手段としては、高周波コイルを外層の
回りに配設したり、噴射孔を外層表面に指向して多数の
ガスバーナーを適宜間隔でロール軸方向に沿って配設す
ればよい。表面加熱に際しては、ロールを回転しながら
加熱するのがよい。

以下、具体的実施例を掲げる。

（１）　　遠心力鋳造により外層を形成後、その内部に
球状黒鉛鋳鉄を静置鋳造して、胴部寸法がφ７２０Ｉｌ
ｌ　Ｘ　１８００１　ｍ、外層厚さ３５鵬の複合ロール
を製作した。該複合ロールの外層および軸芯部の組成を
第１表に示す。

第１表（２）該複合ロールを８００℃に均一に予熱した後、第
１図のように、水平に対向し、かつロール軸方向に沿っ
て列設されたガスバーナー３，３の間に配設して、回転
させながら外層ｌの表面を急加熱した。ガスバーナー３
のロール軸方向のピッチは２５０ＩＩＩｌとした。外層
表面温度が１２５０℃になったところで、加熱を止めた
。加熱に要した時間は３０分であった。このとき軸芯部
２の中心は８２０℃であった。ロールの径方向の温度分
布を第２図に示す。

（３）加熱停止後、速やかに噴霧水冷を行い、ロール表
面温度を３０分間で５５０℃に冷却し、その後、６００
℃Ｘ１０Ｈｒの焼戻しを３回行った。

（４）熱処理後、外層表面の酸化層の厚さを測定したと
ころ平均０．５　ｍｍであった。また、機械加工後、外
層の表面硬度を測定したところ、Ｈｓ８２〜８６であっ
た。また、軸芯部より試験片を採取し、引張試験を行っ
たところ、引張強さ４８ｋｇ／ｍｍ”、伸び０．６８％
であり、強度の劣化は認められなかった。

（５）一方、比較のため、（１）と略同組成、同寸法の
複合ロールを製作し、８００℃で均熱後、１００℃／Ｈ
ｒの昇温速度で１１５０℃まで上げ、３Ｈｒ保持して外
層をオーステナイト化温度にした後、（３）と同条件で
焼入れ、焼戻し熱処理を行った。外層表面の酸化層の厚
さは４．０ｍで実施例の約８倍であった。また、軸芯部
の引張強さは３５ｋｇ／ｍ２で実施例に対して約３０％
の劣化が認められた（発明の効果）以上説明した通り、本発明の複合ハイスロールの熱処理
法は、外層の表面を急、加熱し、外層と軸芯部との境界
を１１００℃以下として焼入れを行うので、外層表面が
短時間で高温となる一方、軸芯部は低温の状態を維持す
ることができ、外層表面の酸化と、軸芯部の強度低下を
同時に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は複合ロールの外層表面の急加熱状態を示す断面
図、第２図は同状態における複合ロールの温度分布図を
示す。１・・・外層、２・・・軸芯部。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）ハイス系ロール材によって形成された外層に強靭
材で形成された軸芯部が接合された複合ロールをオース
テナイト化温度に加熱し、焼入れした後、５００〜６５
０℃で焼戻しする複合ハイスロールの熱処理法において
、前記外層の表面を急加熱し、外層と軸芯部との境界を１
１００℃以下として焼入れを行うことを特徴とする複合
ハイスロールの熱処理法。