JPS61177355A - 圧延用複合ロ−ルの外層材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は複合ロール、特に好適には条鋼仕上スタンドに
供されるものの外層材として用いられる耐ヒートクラッ
ク性、耐摩耗性に優れた新しい高合金ロール材に関する
。

（従来の技術と問題点） 従来条鋼仕上げ圧延に用いるロールには、圧延使用層に
当る外層と強靭材で形成された軸芯部とが溶着一体化さ
れた複合ロールが使用されている。

その外層材として一般的にはＨｓ　７５〜８５程度のグ
レン又はチルド材が用いられている。しかしてこの種ロ
ールにおいても、折損トラブル等を防止し使用寿命を延
長する目的から、その外層材として上記従来材に代わる
さらにヒートクラック性、耐摩耗性等に優れる材料の出
現が要望されていた。

そこで本発明者等は先に特願昭５８−４８１１号におい
て、これらの特性の優れた複合ロールの外層材を提案し
た。すなわち、このロール材は重量％で、Ｃ：　　１．
０〜２．０％　　Ｃｒ：２〜５％Ｓｔ　：　　０．２〜
２．０％　　Ｍｏ：　　３〜ｌＯ％Ｍｎ：　　１．５％
以下　　　ｖ：　２．０％以下Ｎｉ：３．０％以下 残部実質的にＦｅからなるロール材である。

しかしながら、使用寿命を延長する目的で、前記外層材
に代る更に耐ヒートクランク性、耐摩耗性等に優れたロ
ール材の出現が要望されている。

本発明は叙上の要望に鑑みなされたものであって、複合
ロールの外層材として耐クラツク性、耐摩耗性に優れ、
耐肌荒れ性にも優れる新しい高合金ロール材を提供する
ことを目的とする。

（問題点を解決するための手￥Ｂｔ） 上記目的を達成するために、本発明においては、複合ロ
ールの外層材を下記の成分で形成した。すなわち、重量
％で、 Ｃ：２．０〜２．９％（２，０％を除く。）Ｓｔ　：　
　０．２〜２．０％　　　Ｃｒ：　　２〜１０％Ｍｎ：
　　１．５％以下　　　　Ｍｏ：　　３〜１５％Ｎｉ：
３．０％以下　　　　■；　１〜５％残部Ｆｅおよび不
純物からなる。

（実施例） 本発明の外層材の成分限定理由について述べる。

以下、単位は重量％である。

Ｃ：２．Ｏ〜２．９％（２，０％を除く。）Ｃは硬い複
炭化物を形成し、ロール材としての硬度、耐摩耗性など
を向上する。しかしてＣが２．９％を超えると塊状セメ
ンタイトが増加し靭性を欠き、また脆弱な塊状セメンタ
イトの存在は肌荒れの要因となって好ましくなく、一方
２．０％以下では晶出セメンタイト量が不足して所期の
硬度等が得られない。

Ｓｉ：０．２〜２．０％ Ｓｉは鋳造合金としての湯流れ性を確保するため必要な
元素で、同時に使用原材料からも０．２％程度は不可避
に含有される。しかし乍ら、２．０％を超えると靭性の
低下を招くため好ましくない。

Ｍｎ：　　１．５％以下 Ｍｎについても使用原材料から不可避に含有されるが、
１．５％を超えるとやはり靭性の低下をきたし好ましく
ない。

Ｎｔ：３，０％以下 Ｎｉは組織を緻密にし焼入組織の改善に有効な成分であ
る。但し、Ｎｉが多すぎると残留オーステナイトが残存
するため上限を３．０％とした。

Ｃｒ：２〜１０％ Ｃｒは炭化物生成元素であり、本ロール材の場合、硬い
塊状セメンタイトを生成して耐摩耗性の面で必要な元素
である。

Ｃｒ量が２％未満では塊状セメタイトが少なく耐摩耗性
を確保できない。一方、１０％を越えると塊状セメンタ
イトが多くなりすぎ、靭性が低下し問題となる。

Ｍｏ：３〜１５％ Ｍｏは本発明に係るロール材の主要成分の一つであって
、高硬度の炭化物を形成して耐摩耗性を良好にし、かつ
歪取り熱処理に於ける軟化抵抗を与える元素である。Ｍ
ｏ含有量の上限を１５％としたのは、これを越えて添加
すると共晶炭化物が増大するためである。また下限を３
％としたのは、これ未満では所期の飛躍的な耐摩耗性の
向上を図るために必要な硬度が得られないからである。

■；　１〜５％ ■は硬い塊状セメンタイトを形成し非常に優れた耐摩耗
性を与える。１％未満では、この効果がほとんどなく、
一方、鋳造材においてはネット状塊状セメンタイトが増
加するため５％以下とした。

本発明の外層材は以上の合金成分のほか、残部Ｆｅと不
純物で形成される。

本発明の外層材を用いた複合ロールの軸芯材としては、
従来と同様にダクタイル鋳鉄、普通鋳鉄、黒鉛鋼等の強
靭材が使用用途に応じて適宜選択される。尚、本発明の
外層材は、叙上の中実状の複合ロールの外層として使用
されるほか、外層と内層とが溶着一体化された円筒状の
複合スリーブロールの外層としても適用できることは勿
論である。

次に前記複合ロールの製造方法について言及する。

一般に、複合ロールの製造方法としては、遠心力鋳造法
を利用するのが簡便であるが、この場合も常法の如く鋳
造することができる。すなわち、第１図、第２図に示す
様に、まず所定の鋳型に上記外層材溶湯を鋳込んで外Ｎ
Ａを遠心力鋳造し、しかる後この鋳型を垂直もしくは傾
斜状に起立して、外層Ａを有する鋳型内に強靭性に富む
適宜の軸芯材溶湯を鋳込み、外層Ａと軸芯部Ｂとを溶着
一体化せしめた複合ロールを鋳造するのである。

かくして軸芯部は耐折損性に優れる材料で形成され、一
方外層は耐クラツク性、耐摩耗性等に優れる一体複合ロ
ールが得られる。

なお第１図において、１遠心力鋳造用金型、２はその両
端内面の砂型、３は回転ローラー、４は駆動モーター、
５はホッパー、６は取鍋を示し、また第２図において、
７は定盤、８はせき林を示している。

次に本発明の具体的実施例を従来例、比較例と共に掲げ
て説明する。

（１）第１表に掲げた外層材溶湯を用いて、第１図の如
く遠心力鋳造（外層内ｒ￥ａｏｌ＊）した後、第２図の
如く遠心力鋳造用金型を起立させ、軸芯材としての溶湯
を鋳込み外径３５０　ｍの複合ロールを製造した。尚、
第１表中隘にＯを付したものが本発明ロール材であり、
階８は従来材（チルド材”）　、ｌ１ｈ９は従来材（グ
レン材）　、Ｎａ１Ｏは比較材（特願昭５８−４８１１
号相当材）である。

（２）複合ロールを鋳造後、各ロールに歪取り熱処理を
行った。

・熱処理条件 １１ｈ　１〜？　−−−−−−５２０℃Ｘ　２０　Ｈｒ
Ｎａ　８　、　９・−−−−−−−４２０℃Ｘ　２０　
Ｈｒｌｍ　１０　−−−−−−−５２０℃Ｘ　２０　Ｈ
ｒ（３）　　熱処理後のロール外層から抗折試験片を採
取した。抗折試験片はφ１０Ｘ８（ｈｉであり、ロール
軸方向に沿って採取した。この試験片によって塊状セメ
ンタイト量、硬度測定および抗折試験を行った。硬度及
び塊状セメンタイト量を第１表に示すと共に、抗折試験
結果の一部を第２表に示す。

第２表 （４）第１表及び第２表から、本発明のロール材は従来
材である１１ｋｋ８．　９と比べて硬度が極めて高く、
耐摩耗性に優れる。また、比較材階１０と比べて硬度が
上回るほか塊状セメンタイト量が極めて多く耐摩耗性に
極めて優れることが判る。

また本発明のロール材では、表２に見る如く、極めて強
靭性に優れるものでもあり、条鋼仕上げロール材として
耐ヒートクラック性にも優れることが判る。

（発明の効果） 以上説明した通り、本発明のロール材は、複合ロールの
外層材として耐摩耗性に極めて優れかつ耐ヒートクラッ
ク性に優れるものである。而して、本発明外層材を冷間
圧延用仕上ロール、特に条鋼仕上（丸、平、アングル、
Ｄバー等）に使用した場合、従来のチルド材、グレン材
よりも耐クラツク性に優れ、耐摩耗性については５〜６
倍の使用実績が得られる。また、特願昭５８−４８１１
号相当材に対して１．５〜２倍程度、耐摩耗性が向上す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は複合ロールの製造工程を示す断面図で
ある。 特　許　出　願　人　　久保田鉄工株式会社＠１＠ 賜２因

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、耐ヒートクラック性および耐摩耗性に優れたロール
   材であって、重量％で、 Ｃ：２．０〜２．９％（２．０％を除く。）Ｓｉ：０．
   ２〜２．０％ Ｍｎ：１．５％以下 Ｎｉ：３．０％以下 Ｃｒ：２〜１０％ Ｍｏ：３〜１５％ Ｖ：１〜５％ 残部Ｆｅおよび不純物からなることを特徴とする圧延用
   複合ロールの外層材。