JP2579575B2 - 遠心鋳造製ロールとその製造方法 - Google Patents

遠心鋳造製ロールとその製造方法

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JP2579575B2
JP2579575B2 JP4142063A JP14206392A JP2579575B2 JP 2579575 B2 JP2579575 B2 JP 2579575B2 JP 4142063 A JP4142063 A JP 4142063A JP 14206392 A JP14206392 A JP 14206392A JP 2579575 B2 JP2579575 B2 JP 2579575B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性、耐クラック
性、及び強靱性を兼備し、圧延用ロール等として用いて
好適な遠心鋳造製ロールとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐摩耗性が要求される熱間圧延用
ロールは、外層と内層からなる複合ロールとされ、外層
材をセメンタイト系の炭化物が晶出した高Cr鋳鉄、又
はNiグレン鋳鉄、内層材を靱性の良いねずみ鋳鉄、又
はダクタイル鋳鉄として、遠心力鋳造法によって製造さ
れている。
【0003】然るに、圧延条件の苛酷化及び圧延におけ
る生産性向上の要求等から、より一層の耐摩耗性と耐ク
ラック性を備えた圧延用ロールの提供が要求されてい
る。
【0004】このような状況から、例えば特開昭60-124
407 号、特開昭61-177355 号には、従来の遠心力鋳造ロ
ールの外層材として高V鋳鉄を用いることが提案されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、遠心力鋳
造ロールの外層材として高V鋳鉄を用いる圧延用ロール
では、比重の小さいV炭化物が遠心分離により偏析し、
ロール外層内の特性が肉厚方向で不均一になる。この傾
向は大型ロールで外層肉厚が大なるほど著しく、実用ロ
ールとしての使用に耐えることができないという問題点
がある。
【0006】尚、特開昭58-87249号、特開平1-96355 号
公報には、高速度鋼なみに高合金化した鋳鋼、鋳鉄を適
用したロール材が提案されている。然しながら、特開昭
58-87249号公報には焼嵌め又は組立ロールを対象とした
ものであり、圧延中に生ずる外層と軸材間の滑りが問題
となる。また、特開平1-96355 号公報は特殊な鋳かけ肉
盛法等、遠心力鋳造法以外の特殊な製造手法しか適用で
きず、生産性、経済性の面で問題がある。
【0007】即ち、圧延用ロールの製造に際し、ロール
外層にVを多量に含有させることにより、耐摩耗性を著
しく向上させることは可能であるが、複合ロール製造時
に生産性、経済性が最も優れているとして一般に実施さ
れている遠心力鋳造法を採用した場合には、遠心分離に
よる炭化物の偏析を生じ所定の特性を均一に得られない
という問題点がある。
【0008】本発明は、外層を形成する合金成分を適正
化し、炭化物組成を限定することにより、遠心力作用下
でも偏析等の生じない耐摩耗性と耐クラック性の均一な
外層材を使用するとともに、軸芯材に鋳鉄系材料で最も
強靱なダクタイル鋳鉄を使用し、外層材と軸芯材との間
に中間層を設けて、それらを完全に冶金学的に結合させ
て一体とした遠心鋳造製ロールを提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、外層材と、該外層材と黒鉛鋼の中間層材を介して溶
着一体化したダクタイル鋳鉄の軸芯材とからなる遠心鋳
造製ロールであって、該外層材が、 C:1.0〜3.5%,Si:2.0%以下,Mn:
2.0%以下, Cr:3.0〜12.0%,Mo:2.0〜8.0%
V:3.0〜10.0%, Nb:0.6〜7.0% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなるととも
に、下記(1)式と(2)式を満足し、 V+1.8Nb≦7.5C−6.0% …(1) 0.2≦ Nb/V ≦0.8 …(2) 該軸芯材が、 C:2.8〜3.8%,Si:2.0〜3.0%,M
n:0.3〜1.0%, P:0.10%以下,S:0.04%以下,Ni:0.
3〜2.0%, Cr:1.5%以下,Mo:0.03〜1.0% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、該中
間層材が、 C:1.0〜2.0%,Si:1.6〜2.4%,M
n:0.2〜1.0%, P:0.05%以下,S:0.03%以下,Ni:0.
1〜0.7%, Cr:1〜10%,Mo:0.1〜0.8% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、 中間
層への外層混入比が5〜60%の範囲に規制されるとと
もに、軸芯への中間層混入比が5〜50%の範囲に規制
されてなるようにしたものである。
【0010】請求項2に記載の本発明は、外層材と、該
外層材と黒鉛鋼の中間層材を介して溶着一体化したダク
タイル鋳鉄の軸芯材とからなる遠心鋳造製ロールであっ
て、該外層材が、 C:1.0〜3.5%,Si:2.0%以下,Mn:
2.0%以下, Cr:3.0〜12.0%,Mo:2.0〜8.0%
V:3.0〜10.0%, Nb:0.6〜7.0% 更にN1:8.0%以下,Co:10.0%以下のうち
から選ばれた1種以上を含有し、残部Fe及び不可避的
不純物よりなるとともに、 下記(1)式と(2)式を
満足し、 V+1.8Nb≦7.5C−6.0% …(1) 0.2≦ Nb/V ≦0.8 …(2) 該軸芯材が、 C:2.8〜3.8%,Si:2.0〜3.0%,M
n:0.3〜1.0%, P:0.10%以下,S:0.04%以下,Ni:0.
3〜2.0%, Cr:1.5%以下,Mo:0.03〜1.0% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、該中
間層材が、 C:1.0〜2.0%,Si:1.6〜2.4%,M
n:0.2〜1.0%, P:0.05%以下,S:0.03%以下,Ni:0.
1〜0.7%, Cr:1〜10%,Mo:0.1〜0.8% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、 中間
層への外層混入比が5〜60%の範囲に規制されるとと
もに、軸芯への中間層混入比が5〜50%の範囲に規制
されてなるようにしたものである。
【0011】請求項3に記載の本発明は、外層材と、該
外層材と黒鉛鋼の中間層材を介して溶着一体化したダク
タイル鋳鉄の軸芯材とからなる遠心鋳造製ロールであっ
て、該外層材が、 C:1.0〜3.5%,Si:2.0%以下,Mn:
2.0%以下, Cr:3.0〜12.0%,Mo:2.0〜8.0%
V:3.0〜10.0%, Nb:0.6〜7.0% 更に N1:8.0%以下,Co:10.0%以下,Cu:
2.0%以下, Ti:2.0%以下,Zr:2.0%以下 B:0.1%以下のうちから選ばれた1種又は2種以上
を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなるととも
に、下記(1)式と(2)式を満足し、 V+1.8Nb≦7.5C−6.0% …(1) 0.2≦ Nb/V ≦0.8 …(2) 該軸芯材が、 C:2.8〜3.8%,Si:2.0〜3.0%,M
n:0.3〜1.0%, P:0.10%以下,S:0.04%以下,Ni:0.
3〜2.0%, Cr:1.5%以下,Mo:0.03〜1.0% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、該中
間層材が、 C:1.0〜2.0%,Si:1.6〜2.4%,M
n:0.2〜1.0%, P:0.05%以下,S:0.03%以下,Ni:0.
1〜0.7%, Cr:1〜10%,Mo:0.1〜0.8% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、 中間
層への外層混入比が5〜60%の範囲に規制されるとと
もに、軸芯への中 間層混入比が5〜50%の範囲に規制
されてなるようにしたものである。
【0012】
【0013】
【0014】
【作用】
(A) 外層材における合金元素の限定理由
【0015】C:1.0 〜3.5 % Cはロール外層材の耐摩耗性を向上する硬い炭化物を形
成するための必須元素で1.0 %以上必要であるが、3.5
%を越えると耐クラック性が著しく低下するため上限を
3.5 %とする。
【0016】Si:2.0 %以下 Siは脱酸剤及び鋳造性の確保に必要な元素で添加する
が、2.0 %を越えると耐クラック性を低下するため上限
を2.0 %とする。
【0017】Mn:2.0 %以下 Mnも上記Siと同様必要であるが、2.0 %を越えると
耐クラック性が低下するため好ましくなく上限を2.0 %
とする。
【0018】Cr:3.0〜12.0% Crは炭化物を形成し、耐摩耗性を向上するための必須
元素で3.0%以上必要であるが、12.0%を越える
と本発明が対象とするV,Nbを添加した場合には耐摩
耗性が劣化するため上限を12.0%とする。
【0019】Mo:2.0〜8.0% MoはCrと同様に炭化物を形成して耐摩耗性の向上に
有効であるとともに、基地の焼入性、焼もどし軟化抵抗
を向上し、基地組織の強化に有効で2.0%以上必要で
あるが、8.0%を越えると耐クラック性が低下するた
め、上限を8.0%をする。
【0020】Ni:8.0 %以下、Co:10.0%以下 Niは焼入れ性を向上し、基地組織を強化するために添
加するが、8.0 %を越えると残留γの存在等不安定な組
織を形成するため好ましくなく、上限を 8.0%とする。
【0021】Coは高温における組織を安定化させるた
めに添加するが、10.0%を越えるとその耐熱性向上効果
が飽和するため経済性の点から上限を10.0%とする。
【0022】Cu:2.0%以下 Cuは 基地組織を強化し、高温硬さを向上するため添加
するが、Cuは2.0%を越えるとロールの表面性状を
劣化するとともに耐摩耗性、耐クラック性を低下するた
め上限を2.0%とする。
【0023】Ti: 2.0%以下、Zr:2.0 %以下、
B:0.1 %以下 Ti、Zr、Bはともに粗大な共晶炭化物の形成を抑制
し、耐摩耗性、耐クラック性を向上するため添加する
が、TiとZrは 2.0%を越えるとV,Nb複合炭化物
の形状を劣化し逆に耐摩耗性を低下するため上限を 2.0
%とし、Bは0.1%を越えると粒界に偏析して耐クラッ
ク性を低下するので上限を 0.1%とする。
【0024】V:3.0 〜10.0%、Nb:0.6 〜7.0 % V、Nbは本発明における最も重要な必須元素であり、
これらの複合添加と含有量制限条件が本発明の最大の特
徴である。
【0025】Vは耐摩耗性の向上に最も有効な硬いMC
又はM43 炭化物を形成するための必須元素で、その
効果を発揮するためには3.0 %以上必要であるが、10.0
%を越えると耐クラック性の低下、製造上の問題を生じ
るため上限を10.0%とする。
【0026】NbもVと同様耐摩耗性に有効な硬いMC
型炭化物を形成するが、単独添加では粗大な塊状炭化物
となりその効果が得られないだけでなく耐クラック性が
問題となる。
【0027】尚、本発明の外層材にあっては、上述のN
i、Co、Cu、Ti、Zr、W、Bを必ずしも含有す
ることを要しない。
【0028】更に、本発明の外層材において、VとNb
を複合添加した場合の母材硬さに及ぼすC量との関係、
及び遠心力鋳造したリング材の炭化物分布に起因する外
層、中間層間の熱間摩耗比、熱衝撃試験におけるクラッ
クの最大深さとNb,Vの含有量比Nb/Vとの関係を
調べた結果をそれぞれ図1〜図4及び図5〜図8に示
す。
【0029】図1〜図4から耐摩耗熱間圧延用ロールと
して必要な硬さHs 75以上を得るためには V+1.8 Nb≦7.5 C−6.0 (%) を満足する必要があることが明らかとなった。
【0030】尚、図1の実験は、Si:0.5 %,Mn:
0.5 %, Cr:6.8 %,Mo:3.2% を含有し、C,
V,Nbを変化させた溶湯を鋳造した25mmY/ブロック
について1000℃焼ならし処理、550 ℃焼もどし処理を施
した試料を用い、図2の実験はSi:0.5 %、Mn:0.
5 %、Ni: 2.7%,Cr:7.2 %,Mo:3.5 %を含
有し、C,V,Nbを変化させた溶湯を鋳造した25mmY
−ブロックについて1000℃焼ならし処理、 550℃焼もど
し処理を施した試料を用い、図3の実験は、Si:0.4
%,Mn:0.4 %,Ni: 1.5%,Cr:5.7 %,M
o:2.8 %、 Co: 3.2%を含有し、C,V,Nbを変化させた溶湯
を鋳造した25mmY−ブロックについて1050℃焼ならし処
理、550 ℃焼もどし処理を施した試料を用い、図4の実
験は、Si:0.3 %,Mn:0.4 %,Cr:6.0 %,M
o:3.2 %,Co: 4.1%を含有し、C,V,Nbを変
化させた溶湯を鋳造した25mmY−ブロックについて1050
℃焼入れ処理、550 ℃焼もどし処理を施した試料を用い
た。
【0031】また、図5〜図8から遠心力鋳造法で製造
した場合にも均一な外層材を得ることができ、且つ耐ク
ラック性を損なわないためには 0.2 ≦ Nb/V ≦ 0.8 を満足する必要があることが明らかとなった。
【0032】尚、図5〜図8において、「摩耗比(中間
層/外層)」は、リング材の中間層側から採取した試験
片の摩耗量(Iw)と外層側から採取した試験片の摩耗
量(Ow)との比(Iw/Ow)であり、「熱衝撃クラ
ック最大深さ」は、熱衝撃試験で発生したクラックの最
大深さである。
【0033】また、図5の実験は、C:2.5 %,Si:
0.5 %,Mn:0.5 %,Cr:6.5%,Mo:3.5 %,
V: 5.4%,Nb:0 〜8.0 %を含有する溶湯を遠心力
鋳造(140 G)して得た肉厚100mm のリングサンプルに
ついて1000℃焼ならし処理、550 ℃焼もどし処理を施し
た試料を用い、図6の実験は、C:2.7 %,Si:0.6
%,Mn:0.5 %,Ni:3.2 %,Cr:7.4 %,M
o:3.7 %,V: 5.8%,Nb:0 〜7.5 %を含有する
溶湯を遠心力鋳造(140 G)して得た肉厚100mmのリン
グサンプルについて1000℃焼ならし処理、550 ℃焼もど
し処理を施した試料を用い、図7の実験は、C:2.3
%,Si:0.4 %,Mn:0.5 %,Ni:0.5 %,C
r:5.5 %,Mo:3.2 %,V: 5.4%,Co: 5.2
%,Nb:0 〜7.2 %を含有する溶湯を遠心力鋳造(14
0 G)して得た肉厚100mm のリングサンプルについて10
50℃焼ならし処理、550 ℃焼もどし処理を施した試料を
用い、図8の実験は、C:2.2 %,Si:0.3 %,M
n:0.4 %,Cr:6.0 %,Mo:3.2 %,V: 5.1
%,Co: 4.1%,Nb:0 〜6.0 %を含有する溶湯を
遠心力鋳造(140 G)して得た肉厚100mm のリングサン
プルについて1050℃焼入れ処理、550 ℃焼もどし処理を
施した試料を用いた。
【0034】そして、摩耗試験は、φ190 ×15の相手材
とφ50×10の試験材の2円盤のすべり摩耗方式で相手材
を800 ℃に加熱し、荷重100kgfで圧接した状態で試験材
を800rpmで回転させ、すべり率3.9 %として120 分後の
摩耗減量を測定して行なった。
【0035】また、熱衝撃試験は、1200rpm で回転して
いるローラーに55×40×15の板状試験片を圧接する方式
で、荷重150kgf、接触時間15sの条件で行ない、試験片
に発生したクラック長さを測定した。
【0036】更に、本発明の外層材に施す熱処理条件と
しては、1000〜1150℃でオーステナイト化した後、冷却
後の組織がベイナイトになるように制御冷却する。従っ
て、対象とするロール材の組成、形状、サイズにより冷
却条件は異なるものとなる。上述の図1〜図4、図5〜
図8の実験では、被熱処理材のサイズが小さいので、焼
きならし(オーステナイト化後空冷)、焼入れ(オース
テナイト化後急冷)の両処理とも可能となっている。
尚、焼もどしは 500〜 600℃の範囲で最適条件を選んで
実施する。
【0037】(B) 軸芯材、中間層材における合金元素の
限定理由 本発明の複合ロール(3層ロール)においては、外層と
中間層及び軸芯材を冶金的に結合させるために、外層内
面側と中間層を混合させることと、中間層内面側と軸芯
材を混合させることが不可欠である。
【0038】然しながら、軸芯材と中間層の優れた強靱
性を損なうまで過度に外層を混入させてはならない。
【0039】本発明は、外層材の軸芯材への混入を抑制
するために中間層を設けているが、それでも外層材は中
間層を介して軸芯材へ混入する。
【0040】即ち、中間層への外層混入比(中間層中に
混入した外層材重量が全中間層溶湯重量に対してなす重
量%)を 5〜60%とするのが最適であると見出した。
【0041】5%未満では、外層と中間層の境界に未溶
着あるいは介在物等の鋳造欠陥が発生し易くなり、境界
部の健全性を確保できない。また、60%を越えると、外
層成分のうち、中間層である黒鉛鋼の特性を劣化させる
Crが多量に混入し、中間層の著しい白銑化を招き、中
間層の強靱性が損なわれる。
【0042】軸芯材への中間層混入比(軸芯材中に混入
した中間層材重量が全軸芯材溶湯重量に対してなす重量
%)を 5〜50%とするのが最適であると見出した。
【0043】5 %未満では、中間層と軸芯材の境界に未
溶着あるいは介在物等の鋳造欠陥が発生し易くなり、境
界部の健全性を確保できない。また、50%を越えると、
外層成分のうち、軸芯材であるダクタイル鋳鉄の特性を
劣化させるCrが中間層を介して多量に混入し、軸芯材
の著しい白銑化を招き、ダクタイル鋳鉄としての機能が
失われる。
【0044】従って、中間層への外層混入比及び軸芯材
への中間層混入比を、前記の範囲で規制し、これによる
成分上昇を考慮して凝固後の中間層組成及び軸芯材組成
が、下記範囲を満足するように溶湯成分の化学組成を選
択する必要がある。
【0045】(B-1) 軸芯材 軸芯材は、中間層を設けることにより、外層のCrの混
入を中間層のない場合に比して非常に低下せしめ得る
が、このCrの混入を完全には防止できない。従って、
このCr%の上昇分である約 0.5〜 1.0%を考慮して、
軸芯材の化学成分及びその成分割合を選択する必要があ
る。
【0046】C:2.8 〜3.8 % Cは、 2.8%未満では黒鉛の量が少なくなり、ダクタイ
ル鋳鉄としての材質特性を充分に発揮できない。一方、
3.8%を越えて含有させると脆弱となるため、2.8〜 3.
8%の範囲に規定する。
【0047】Si:2.0 〜3.0 % Siは、 2.0%未満では黒鉛の両が少なくなりセメンタ
イトが多く析出するために、硬くて脆くなる。一方、
3.0%を越えると、黒鉛量が多くなり過ぎて強度の劣化
をきたすので、 2.0〜3.0 %の範囲に規定する。
【0048】Mn:0.3 〜1.0 % Mnは、Sの害を抑えるのに有効であるが、 0.3%未満
ではその効果が充分ではなく、また、 1.0%を越えると
材質を劣化させるので、 0.3〜 1.0%の範囲に規定す
る。
【0049】P:0.10%以下 Pは、溶湯の流動性を増加させるが、材質を脆弱にする
ため、0.1 %以下とする。
【0050】S:0.04%以下 Sは、黒鉛の球状化を阻害するため低く抑える必要があ
り、0.04%以下とする。
【0051】Ni:0.3 〜2.0 % Niは、黒鉛化を促進させるが、 0.3%未満ではその効
果が不充分であり、2.0%を越えて含有させても顕著な
効果がない。よって 0.3〜 2.0%の範囲に規定する。
【0052】Cr:1.5 %以下 Crは、中間層が設けられていても、Crのある程度の
軸芯材への混入は避けられず低い程望ましいが、Siと
のバランスからその含有量は 1.5%未満とするのが良
く、 1.5%を越えて含有させるとセメンタイト量が多く
なり、材質強度が劣化する。よってCr含有量は 1.5%
以下とする。
【0053】Mo:0.03〜1.0% Moは、基地硬度を高める効果を有するが、0.03%
ではその効果が不充分であり、1.0%を越えると脆く
なり、また不経済でもあるので、0.03〜1.0%と
する。
【0054】(B-2) 中間層 中間層は、外層のCrが軸芯材にまで拡散し、軸芯材が
Crにより強靱性が劣化するのを防止するのがその機能
である。
【0055】C:1.0 〜2.0 % Cは黒鉛鋼材質の場合、基地中に溶け込んで強度を確保
するとともに、一部グラファイトとなって、収縮巣やガ
ス欠陥の発生を抑止する作用がある。C含有量が1.0 %
未満ではその効果が不充分であり、一方、2.0 %を越え
ると、Cは炭化物生成元素でもあるために炭化物が多く
なり強靱性が劣化する。よって、Cは1.0 〜2.0 %と規
定する。
【0056】Si:1.6 〜2.4 % Siはグラファイトを晶出させる効果があるが、1.6 %
未満ではその効果が期待できず、2.4 %を越えると、フ
ェライト中に溶け込んだSiが材質強度を劣化するの
で、1.6 〜2.4 %の範囲とする。
【0057】Mn:0.2 %〜1.0 % Mnは材質強度を向上させる効果があるが、多過ぎた場
合の粒界への偏析が靱性を劣化させることを考慮して、
0.2 %〜1.0 %の範囲とする。
【0058】P:0.05%以下 Pは溶湯の流動性を増加させるが、材質を脆弱にするた
め低いほど良く、好ましくは0.05%以下とする。
【0059】S:0.03%以下 SはPと同様に材質を脆弱にするため、その含有量は低
いほど良く、0.03%以下とする。
【0060】Ni:0.1 〜0.7 % Niは強度及び靱性の確保に有効であるが、0.1 %未満
では効果が薄く、0.7%を越えるとコストアップになる
ため、必要かつ十分な0.7 %以下とした。
【0061】Cr:1 〜10% Crは中間層を設ける意義からは低い方が望ましく、そ
のため、鋳込み前の溶湯でのCr含有量は1.0 %未満と
し、外層から再溶解拡散されて入ってくるCr%との合
計で、結果的に1 〜10%となるものである。
【0062】Mo:0.1 〜0.8 % MoはNiと同様に強靱性確保の点で重要な元素である
が、0.1 %未満ではその効果がなく、反面0.8 %を越え
ても、添加量の割には効果が得られないので、経済性を
考慮して0.1 〜 0.8%とする。
【0063】また、脱酸剤としてAl、Ti、Zr等を
0.1 %以下使用することもできる。
【0064】凝固後の中間層組成及び軸芯材組成が前記
範囲を満足することにより、中間層及び内層材の機能が
得られるが、本発明の場合、外層から混入するV及びN
bの含有により、中間層としての一般の黒鉛鋼に比べ、
機械的性質が更に向上するという利点がある。
【0065】これは、結晶粒微細化作用を有し、かつ焼
入性向上元素であるV及びNbが適量含有するため、高
温熱処理によって極めて微細なベイナイト基地組織が得
られるためである。本発明ロールの場合、この効果によ
り、従来より更に高負荷圧延にも使用可能となる。
【0066】
【実施例】本発明に係る遠心鋳造製ロールは、前記詳述
した構成を有しているものであり、このロールの製造方
法について図9に示す例によって説明する。
【0067】先ず、遠心力鋳造機の上で回転し、内面に
耐火材を被覆した金属製鋳型の中に、外層1を形成すべ
き溶湯を鋳込んだ後、その外層1の内面に中間層2を鋳
込む。この両者、即ち、外層1、及び中間層2が完全に
凝固後鋳型を垂直に立てて、上部から軸芯材3を鋳込
み、この外層1、中間層2、及び軸芯材3を完全に冶金
学的に結合させて一体のロールとする。尚、外層1と中
間層2の両者が完全に凝固し終らなくても、内面の一部
が未凝固の状態でそれらを水平又は傾斜した適当な方法
により軸芯材3を鋳込んでもよい。
【0068】(実験例1)(表1〜表3参照) 製品胴径φ820mm 、胴長2000mm、全長4800mmのロールを
製造した。
【0069】(1) 外層として肉厚100mm の溶湯を遠心力
鋳造機上で回転する金型に1500℃の鋳込温度で鋳込ん
だ。
【0070】(2) 外層を鋳込み始めてから20分後に中間
層溶湯として肉厚40mmを回転鋳型中に1470℃で鋳込ん
だ。
【0071】(3) 外層を鋳込み始めてから40分後に外層
及び中間層は完全に凝固する。 (4) その後、鋳型を真直に立て上部から軸芯材としての
ダクタイル鋳鉄を1410℃で鋳込み、鋳型を完全に満た
し、押湯し、保温材でカバーする。
【0072】(5) 完全に冷却後ロールを鋳型から取出
し、熱処理及び機械加工を行なって、最終製品のロール
とした。
【0073】ロール胴部の超音波探傷と切断調査の結
果、外層の厚さは中間層の鋳込みにより87mmとなってお
り、中間層の厚さは、25〜30mmでCr含有量は、 1.0〜
5.0%であった。そして、外層、中間層、及び軸芯材は
互いに完全に結合しており組織的な連続性が認められ
た。
【0074】外層、中間層及び軸芯材の溶湯段階での化
学組成は表1の通りである。
【0075】
【表1】
【0076】尚、上記表1の組成で鋳込まれたロールの
外層、中間層、及び軸芯部の凝固後の化学組成は表2の
如くである。
【0077】
【表2】
【0078】また、本発明ロールの中間層の機械的性質
を同一サイズの従来ロールのそれと比較して示せば表3
の如くである。
【0079】
【表3】
【0080】表1、表2の組成からなる本発明ロールに
あっては、外層を形成する合金成分を適正化し、炭化物
組成を限定することにより、遠心力作用下でも偏析等の
生じない耐摩耗性と耐クラック性の均一な外層材を使用
するとともに、軸芯材に鋳鉄系材料で最も強靱なダクタ
イル鋳鉄を使用し、外層材と軸芯材との間に中間層を設
けて、それらを完全に冶金学的に結合させて一体とした
遠心鋳造製ロールとすることができる。
【0081】(実験例2)(表4〜表6参照) 製品胴径φ680mm 、胴長1500mm、全長3400mmのロールを
製造した。
【0082】(1) 外層として肉厚80mmの溶湯を遠心力鋳
造機上で回転する金型に1500℃の鋳込温度で鋳込んだ。
【0083】(2) 外層を鋳込み始めてから14分後に中間
層溶湯として肉厚40mmを回転鋳型中に1470℃で鋳込ん
だ。
【0084】(3) 外層を鋳込み始めてから34分後に外層
及び中間層は完全に凝固する。 (4) その後、鋳型を垂直に立て上部から軸芯材としての
ダクタイル鋳鉄を1410℃で鋳込み、鋳型を完全に満た
し、押湯し、保温材でカバーする。
【0085】(5) 完全に冷却後ロールを鋳型から取出
し、熱処理及び機械加工を行なって、最終製品のロール
とした。
【0086】ロール胴部の超音波探傷と切断調査の結
果、外層の厚さは中間層の鋳込みにより66mmとなってお
り、中間層の厚さは28〜32mmで、Cr含有量は、 1.0〜
5.0%であった。そして、外層、中間層及び軸芯材は互
いに完全に結合しており組織的な連続性が認められた。
【0087】外層、中間層及び軸芯材の溶湯段階での化
学組成は表4の通りである。
【0088】
【表4】
【0089】尚、上記表4の組成で鋳込まれたロールの
外層、中間層、及び軸芯部の凝固後の化学組成は表5の
如くである。
【0090】
【表5】
【0091】また、本発明ロールの中間層の機械的性質
を同一サイズの従来ロールのそれと比較して示せば、表
6の如くである。
【0092】
【表6】
【0093】表4、表5の組成からなる本発明ロールに
あっても、外層を形成する合金成分を適正化し、炭化物
組成を限定することにより、遠心力作用下でも偏析等の
生じない耐摩耗性と耐クラック性の均一な外層材を使用
するとともに、軸芯材に鋳鉄系材料で最も強靱なダクタ
イル鋳鉄を使用し、外層材と軸芯材との間に中間層を設
けて、それらを完全に冶金学的に結合させて一体とした
遠心鋳造製ロールとすることができる。
【0094】(実験例3)(表7〜表9参照) 製品胴径φ820mm 、胴長2000mm、全長4800mmのロールを
製造した。
【0095】(1) 外層として肉厚100mm の溶湯を遠心力
鋳造機上で回転する金型に1500℃の鋳込温度で鋳込ん
だ。
【0096】(2) 外層を鋳込み始めてから20分後に中間
層溶湯として肉厚40mmを回転鋳型中に1470℃で鋳込ん
だ。
【0097】(3) 外層を鋳込み始めてから40分後に外層
及び中間層は完全に凝固する。 (4) その後、鋳型を真直に立て上部から軸芯材としての
ダクタイル鋳鉄を1410℃で鋳込み、鋳型を完全に満た
し、押湯し、保温材でカバーする。
【0098】(5) 完全に冷却後ロールを鋳型から取出
し、熱処理及び機械加工を行なって、最終製品のロール
とした。
【0099】ロール胴部の超音波探傷と切断調査の結
果、外層の厚さは中間層の鋳込みにより88mmとなってお
り、中間層の厚さは、25〜30mmでCr含有量は、 1.0〜
5.0%であった。そして、外層、中間層、及び軸芯材は
互いに完全に結合しており組織的な連続性が認められ
た。
【0100】外層、中間層及び軸芯材の溶湯段階での化
学組成は表7の通りである。
【0101】
【表7】
【0102】尚、上記表7の組成で鋳込まれたロールの
外層、中間層、及び軸芯部の凝固後の化学組成は表8の
如くである。
【0103】
【表8】
【0104】また、本発明ロールの中間層の機械的性質
を同一サイズの従来ロールのそれと比較して示せば表9
の如くである。
【0105】
【表9】
【0106】表7、表8の組成からなる本発明ロールに
あっても、外層を形成する合金成分を適正化し、炭化物
組成を限定することにより、遠心力作用下でも偏析等の
生じない耐摩耗性と耐クラック性の均一な外層材を使用
するとともに、軸芯材に鋳鉄系材料で最も強靱なダクタ
イル鋳鉄を使用し、外層材と軸芯材との間に中間層を設
けて、それらを完全に冶金学的に結合させて一体とした
遠心鋳造製ロールとすることができる。
【0107】(実験例4)(表10〜表12参照) 製品胴径φ820mm 、胴長2000mm、全長4800mmのロールを
製造した。
【0108】(1) 外層として肉厚100mm の溶湯を遠心力
鋳造機上で回転する金型に1510℃の鋳込温度で鋳込ん
だ。
【0109】(2) 外層を鋳込み始めてから20分後に中間
層溶湯として肉厚40mmを回転鋳型中に1470℃で鋳込ん
だ。
【0110】(3) 外層を鋳込み始めてから40分後に外層
及び中間層は完全に凝固する。 (4) その後、鋳型を垂直に立て上部から軸芯材としての
ダクタイル鋳鉄を1410℃で鋳込み、鋳型を完全に満た
し、押湯し、保温材でカバーする。
【0111】(5) 完全に冷却後ロールを鋳型から取出
し、熱処理及び機械加工を行なって、最終製品のロール
とした。
【0112】ロール胴部の超音波探傷と切断調査の結
果、外層の厚さは中間層の鋳込みにより88mmとなってお
り、中間層の厚さは25〜30mmでCr含有量は、 1.0〜
5.0%であった。そして、外層、中間層及び軸芯材は互
いに完全に結合しており組織的な連続性が認められた。
【0113】外層、中間層及び軸芯材の溶湯段階での化
学組成は表10の通りである。
【0114】
【表10】
【0115】尚、上記表10の組成で鋳込まれたロール
の外層、中間層、及び軸芯部の凝固後の化学組成は表1
1の如くである。
【0116】
【表11】
【0117】また、本発明ロールの中間層の機械的性質
を同一サイズの従来ロールのそれと比較して示せば、表
12の如くである。
【0118】
【表12】
【0119】表10、表11の組成からなる本発明ロー
ルにあっても、外層を形成する合金成分を適正化し、炭
化物組成を限定することにより、遠心力作用下でも偏析
等の生じない耐摩耗性と耐クラック性の均一な外層材を
使用するとともに、軸芯材に鋳鉄系材料で最も強靱なダ
クタイル鋳鉄を使用し、外層材と軸芯材との間に中間層
を設けて、それらを完全に冶金学的に結合させて一体と
した遠心鋳造製ロールとすることができる。
【0120】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、外層を形
成する合金成分を適正化し、炭化物組成を限定すること
により、遠心力作用下でも偏析等の生じない耐摩耗性と
耐クラック性の均一な外層材を使用するとともに、軸芯
材に鋳鉄系材料で最も強靱なダクタイル鋳鉄を使用し、
外層材と軸芯材との間に中間層を設けて、それらを完全
に冶金学的に結合させて一体とした遠心鋳造製ロールと
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はVとNbの複合添加量とC量とが母材硬
さに及ぼす影響を示す線図である。
【図2】図2はVとNbの複合添加量とC量とが母材硬
さに及ぼす影響を示す線図である。
【図3】図3はVとNbの複合添加量とC量とが母材硬
さに及ぼす影響を示す線図である。
【図4】図4はVとNbの複合添加量とC量とが母材硬
さに及ぼす影響を示す線図である。
【図5】図5は遠心力鋳造したリング材の炭化物分布に
起因する外層と中間層間の熱間摩耗比と、熱衝撃試験に
おけるクラック最大深さに及ぼすNbとVの含有量比N
b/Vの影響を示す線図である。
【図6】図6は遠心力鋳造したリング材の炭化物分布に
起因する外層と中間層間の熱間摩耗比と、熱衝撃試験に
おけるクラック最大深さに及ぼすNbとVの含有量比N
b/Vの影響を示す線図である。
【図7】図7は遠心力鋳造したリング材の炭化物分布に
起因する外層と中間層間の熱間摩耗比と、熱衝撃試験に
おけるクラック最大深さに及ぼすNbとVの含有量比N
b/Vの影響を示す線図である。
【図8】図8は遠心力鋳造したリング材の炭化物分布に
起因する外層と中間層間の熱間摩耗比と、熱衝撃試験に
おけるクラック最大深さに及ぼすNbとVの含有量比N
b/Vの影響を示す線図である。
【図9】図9は本発明ロールを示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 義弘 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭62−148005(JP,A) 特開 平2−285047(JP,A) 特開 平2−258949(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外層材と、該外層材と黒鉛鋼の中間層材
    を介して溶着一体化したダクタイル鋳鉄の軸芯材とから
    なる遠心鋳造製ロールであって、 該外層材が、 C:1.0〜3.5%,Si:2.0%以下,Mn:
    2.0%以下, Cr:3.0〜12.0%,Mo:2.0〜8.0%
    V:3.0〜10.0%, Nb:0.6〜7.0% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなるととも
    に、下記(1)と(2)式を満足し、 V+1.8Nb≦7.5C−6.0% …(1) 0.2≦ Nb/V ≦0.8 …(2) 該軸芯材が、 C:2.8〜3.8%,Si:2.0〜3.0%,M
    n:0.3〜1.0%, P:0.10%以下,S:0.04%以下,Ni:0.
    3〜2.0%, Cr:1.5%以下,Mo:0.03〜1.0% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、 該中間層材が、 C:1.0〜2.0%,Si:1.6〜2.4%,M
    n:0.2〜1.0%, P:0.05%以下,S:0.03%以下,Ni:0.
    1〜0.7%, Cr:1〜10%,Mo:0.1〜0.8% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、 中間層への外層混入が5〜60%の範囲に規制されると
    ともに、軸芯材への中間層混入比が5〜50%の範囲に
    規制されて なることを特徴とする遠心鋳造製ロール。
  2. 【請求項2】 外層材と、該外層材と黒鉛鋼の中間層材
    を介して溶着一体化したダクタイル鋳鉄の軸芯材とから
    なる遠心鋳造製ロールであって、 該外層材が、 C:1.0〜3.5%,Si:2.0%以下,Mn:
    2.0%以下, Cr:3.0〜12.0%,Mo:2.0〜8.0%
    V:3.0〜10.0%, Nb:0.6〜7.0% 更に Ni:8.0%以下,Co:10.0%以下のうちから
    選ばれた1種以上を含有し、残部Fe及び不可避的不純
    物よりなるとともに、下記(1)式と(2)式を満足
    し、 V+1.8Nb≦7.5C−6.0% …(1) 0.2≦ Nb/V ≦0.8 …(2) 該軸芯材が、 C:2.8〜3.8%,Si:2.0〜3.0%,M
    n:0.3〜1.0%, P:0.10%以下,S:0.04%以下,Ni:0.
    3〜2.0%, Cr:1.5%以下,Mo:0.03〜1.0% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、 該中間層材が、 C:1.0〜2.0%,Si:1.6〜2.4%,M
    n:0.2〜1.0%, P:0.05%以下,S:0.03%以下,N1:0.
    1〜0.7%, Cr:1〜10%,Mo:0.1〜0.8% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、 中間層への外層混入比が5〜60%の範囲に規制される
    とともに、軸芯への中間層混入比が5〜50%の範囲に
    規制されて なることを特徴とする遠心鋳造製ロール。
  3. 【請求項3】 外層材と、該外層材と黒鉛鋼の中間層材
    を介して溶着一体化したダクタイル鋳鉄の軸芯材とから
    なる遠心鋳造製ロールであって、 該外層材が、 C:1.0〜3.5%,Si:2.0%以下,Mn:
    2.0%以下, Cr:3.0〜12.0%,Mo:2.0〜8.0%
    V:3.0〜10.0%, Nb:0.6〜7.0% 更に N1:8.0%以下,Co:10.0%以下,Cu:
    2.0%以下, Ti:2.0%以下,Zr:2.0%以下 B:0.1%以下のうちから選ばれた1種又は2種以上 を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなるととも
    に、下記(1)式と(2)式を満足し、 V+1.8Nb≦7.5C−6.0% …(1) 0.2≦ Nb/V ≦0.8 …(2) 該軸芯材が、 C:2.8〜3.8%,Si:2.0〜3.0%,M
    n:0.3〜1.0%, P:0.10%以下,S:0.04%以下,Ni:0.
    3〜2.0%, Cr:1.5%以下,Mo:0.03〜1.0% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、 該中間層材が、 C:1.0〜2.0%,Si:1.6〜2.4%,M
    n:0.2〜1.0%, P:0.05%以下,S:0.03%以下,Ni:0.
    1〜0.7%, Cr:1〜10%,Mo:0.1〜0.8% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、 中間層への外層混入比が5〜60%の範囲に規制される
    とともに、軸芯材への中間層混入比が5〜50%の範囲
    に規制されて なることを特徴とする遠心鋳造製ロール。
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