JP3030078B2 - 耐肌荒れ性に優れた耐摩耗複合ロール及びその製造方法 - Google Patents

耐肌荒れ性に優れた耐摩耗複合ロール及びその製造方法

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JP3030078B2
JP3030078B2 JP2309493A JP30949390A JP3030078B2 JP 3030078 B2 JP3030078 B2 JP 3030078B2 JP 2309493 A JP2309493 A JP 2309493A JP 30949390 A JP30949390 A JP 30949390A JP 3030078 B2 JP3030078 B2 JP 3030078B2
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    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B27/00Rolls, roll alloys or roll fabrication; Lubricating, cooling or heating rolls while in use

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱間圧延用の耐肌荒れ性に優れた耐摩耗複合
ロール及びその製造方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
圧延用ロールとして遠心鋳造法により製造した鋳鉄製
の複合ロールが広く用いられている。これは、外層に耐
摩耗性の大きい炭化物を多く晶出させた鋳鉄系材質を用
い、内層に靭性のあるねずみ鋳鉄もしくはダクタイル鋳
鉄を配した構造のものであるが、この製造方法では外層
及び内層に適用できる材質の範囲が限られている。
W、V、Nb等の元素が形成する炭化物はビッカース硬
さHvが2000以上と硬く、これらの炭化物を外層材に含有
させれば、ロールの耐摩耗性の向上に有効であるが、前
記炭化物が晶出する外層と内層とを健全に溶着した複合
ロールを遠心鋳造法により製造するのは現実には不可能
である。
その理由は、これらの元素が形成する炭化物は溶湯と
の比重が異なるため、鋳造中にいわゆる遠心分離の作用
により偏析を起こし易いことである。またこれらの元素
には酸化傾向の強いものがあり、内層との溶着が困難で
ある。更に、遠心鋳造法では、内層材に黒鉛の晶出した
ねずみ鋳鉄もしくはダクタイル鋳鉄を用いて靭性を得て
いるが、外層材が前記のような白銑化傾向の強い元素を
多量に含んでいると、外層成分が内層に若干溶け込むた
め内層の黒鉛化が悪くなり、脆くなる。特に内層との境
界付近には炭化物が集中して形成されるため脆くなり、
境界部を起点にした外層の剥離などが起こりやすい。
また、内層のねずみ鋳鉄またはダクタイル鋳鉄の引張
り強さは55kg/mm2程度が限界であり、伸びは1%未満で
ある。これ以上の値を得ようとすると内層に鋼系の材質
を用いる必要があるが、これも遠心鋳造法では困難であ
る。その理由は、内層のほうが外層より高融点となるた
め、内層を鋳込んだ時に外層が溶けて混合状態となった
境界部分が内層より低融点となるため最終凝固層とな
り、この境界部に鋳造欠陥が発生し易くなるためであ
る。
また一度に多量の圧延を行うことによって圧延の合理
化を図るとともに、圧延材の寸法精度を向上するため
に、圧延用ロールの耐摩耗性を大幅に向上することが必
要になってきた。また、それと同時に、圧延材の寸法精
度向上のためにロールの圧延によるたわみと逆方向にロ
ールの軸部に曲げを加えることや、より少ないスタンド
数で圧延を完了するために一つの圧延スタンドで大きな
圧下力をかけることなどから、ロールの軸部にかかる曲
げ応力は大きくなり、ロール軸部の強さの向上も必要に
なってきている。しかし外層材と軸材を焼嵌めもしくは
組立てた構造のロールでは、外層と軸が圧延中にすべっ
たり、外層が割れ易かったりする問題点があるため、外
層と軸は金属的に完全に接合する必要がある。
これらの要求を同時に満足するためには、外層がW、
V、Nb等の元素の炭化物を多量に晶出する成分の材質か
らなり、軸が強靭な鋼からなり、かつ外層と軸が金属的
に完全に接合されていることが必要であるが、上記の理
由から遠心鋳造法などの鋳造法では製造不可能である。
また固体どうしでの拡散接合の手法は圧延用ロールのよ
うに比較的大きなものでは製造設備が極端に高価とな
り、現実的でない。
以上の状況において、あらかじめ形成した鋳鋼又は鍛
鋼からなる鋼製軸材の周囲に外層材の溶湯を溶着凝固さ
せることにより、複合ロールを製造するいわゆる鋳造肉
盛方法が注目され、これを用いて製造した種々の外層材
及び軸材の組合せによる複合ロールが提案された。
例えば、特開昭60−180608号は外層と芯材が冶金的に
接合された複合ロールであって、外層が重量%でC:2.0
〜3.5%、Si:0.5〜1.5%、Mn:0.4〜1.5%、Cr:8〜25
%、Mo:0.5〜3.0%、V:10%以下、および1.5%以下のNi
から成る高クロム鋳鉄から構成され、芯材が55kg/mm2
上の引張り強さ、1.0%以上の伸びを有する鋳鋼又は鍛
鋼から構成されると共に、該外層は予め用意された芯材
の外周に外層成分の溶湯を注湯して冶金的に接合する方
法によって形成され、外層と芯材の境界部の接合強度が
少なくとも外層材および芯材の弱い方の強度以上あり、
該外層の硬度がショアー硬度70以上で、表面下100mmま
での硬度低下がショアー硬度3以下であることを特徴と
する耐焼付性、耐肌荒性に優れた熱間圧延用複合ロール
を開示している。
また特開昭60−180609号は外層部が高クロム鋳鉄、芯
材が鋳鋼、鍛鋼からなり表面硬度がショアー硬度90以上
ある複合ロールであって、かつ該外層は予め用意された
芯材の外周に外層成分の溶湯を注湯して冶金的に接合す
る方法によって形成され、該外層の高クロム鋳鉄組成
が、重量%でC2.5〜3.5%、Si0.5〜1.5%、Mn0.4〜1.5
%、Ni0.5〜3.0%、Cr8〜25%、Mo1.0〜5.0%、残部実
質的にFeより成り、該芯材の強度および伸びがそれぞれ
55kg/mm2以上、1.0%以上であり、外層と芯材の境界部
の接合強度が少なくとも外層材および芯材の弱い方の強
度以上であることを特徴とする冷間圧延用高クロム鋳鉄
ロールを開示している。
しかしながらこれらの圧延用複合ロールにおいては外
層が高クロム鋳鉄で形成されているので、良好な耐摩耗
性を有するものの、近年益々高くなってきた要求レベル
を満たすには必ずしも十分でない。
また特公昭51−24969号は炭素を0.2〜0.6重量%含
み、さらに2重量%以下のニッケル、2〜6重量%のク
ロム、1〜6重量%のモリブデン、1〜6重量%のタン
グステンおよび10重量%以下のコバルトから選ばれた元
素の少なくとも1つを含む鉄系マトリックス中に,5〜12
重量%のバナジウム、3〜10重量%のニオブおよび、そ
れらと結合するのに要する量の炭素とが結合してできた
炭化物が晶出していることを特徴とする超耐摩耗性鋼を
開示している。この超耐摩耗性鋼は圧延ロール等に使用
できると述べられているが、複合ロールとする旨の開示
はない。
以上に鑑み、本出願人は、先に重量比で1.5〜3.5%の
C、0.3〜3.0%のSi、0.3〜1.5%のMn、2〜7%のCr、
9%以下のMo、20%以下のW、3〜15%のV及び残部実
質的にFeからなる鉄基合金からなる外層と、前記外層に
金属的に接合した鋼製軸とからなる耐摩耗複合ロールで
あって、前記外層の表面硬さがショアー硬さ70以上、前
記軸の引張強さ及び伸びがそれぞれ55kg/mm2以上及び1.
0%以上であり、前記外層と前記軸との境界部の接合強
さが前記外層及び前記軸の弱いほうの強さ以上であるこ
とを特徴とする耐摩耗複合ロールを提案した(PCT/JP88
/00304)。
この耐摩耗複合ロールは、いわゆる連続鋳造肉盛法に
より製造されるもので、良好な耐摩耗性を有するととも
に、軸材は良好な機械的強度を有する。しかしながら、
特に熱間圧延において、かみ止め、絞り込み、ダブリ込
みと呼ばれる異常圧延が生じたときに、ロール表面にク
ラックが入るおそれがあることがわかった。なお、かみ
止めとはオーバーロードの場合にロールが停止する事故
であり、絞り込みとは圧延される鉄板の最先端部あるい
は最後尾が長手方向にまるまってロール間に入るときに
生じる事故であり、ダブリ込みとは鉄板の最後尾が横手
方向にまるまってロール間に入る事故である。いずれの
場合も、ロールにクラックが入ると、ロール表面を研削
して、クラック部分を除去しなければならない。このた
め、ロール寿命を長くするために、耐クラック性の向上
が強く望まれるようになってきた。
また、外層材において炭化物が偏析しやすいための硬
度が不均一になり、そのためロール表面の耐肌荒れ性が
低下することがわかった。
従って、本発明の目的は優れた耐摩耗性を有するとと
もに耐クラック性及び耐肌荒れ性に優れた外層材と、強
靭な鋼系の軸材とからなり、外層と軸が金属的に接合さ
れた熱間圧延用の複合ロール、及びそれを製造する方法
を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の耐肌荒れ性に優れた耐摩耗性複合ロールは、
重量比で1.0〜3.5%のC、3.0%以下のSi、1.5%以下の
Mn、7.0%以下のCr、3.0〜15.0%のV、10%以下のMo、
20%以下のW、及び残部実質的にFe及び不可避的不純物
からなり、N含有量が800ppm以下の鉄基合金からなる外
層と、前記外層に金属的に接合した鋳鋼又は鍛鋼製の軸
とからなる耐肌荒れ性に優れた耐摩耗複合ロールであっ
て、前記外層が連続鋳かけ肉盛法により前記軸に接合さ
れていることを特徴とする。
また前記耐肌荒れ性に優れた耐摩耗性複合ロールを製
造する本発明の方法は、誘導加熱コイルで包囲された耐
火枠とその枠の下に同軸的に設置された冷却型とからな
る組合せモールドの内側に設けられた空間に、前記鋼製
軸材を同軸的に遊嵌させ、前記軸と前記モールドとの間
に形成された空隙に前記鉄基合金の溶湯を注入し、溶湯
表面をフラックスでシールするとともに溶湯を初晶晶出
温度乃至それより100℃まで高い温度範囲内に加熱攪拌
しながら保持し、前記軸を前記モールドと同軸的に下方
へ移動させて、前記溶湯を前記冷却型に接触させて凝固
させるとともに前記軸と溶着させることにより、前記軸
の周囲に連続的に前記外層を形成することを特徴とす
る。
〔実施例及び作用〕
本発明の耐肌荒れ性に優れた耐摩耗性複合ロールは、
鉄基合金からなる外層と外層に金属的に接合した鋼製軸
とからなる。また上記鉄基合金は、重量比で1.0〜3.5%
のC、3.0%以下のSi、1.5%以下のMn、7.0%以下のC
r、3.0〜15.0%のV、10%以下のMo、20%以下のW、及
び残部実質的にFe及び不可避的不純物からなり、かつN
含有量が800ppm以下である。
Cは耐摩耗性向上のための炭化物の形成に必要である
が、その量が多くなるにつれて耐クラック性が低下す
る。従って、1.0〜3.5%の範囲内であることが必要であ
る。その量が1.0%未満の場合、晶出炭化物量が少なす
ぎ、耐摩耗性の点で十分でない。一方Cが3.5%を超え
ると、耐摩耗性は良好であるが、耐クラック性が低下す
る傾向を示す。
Siは脱酸剤として必要な元素であり、またM6C炭化物
中に固溶してW、Mo等の高価な元素を置換し,節減する
のに有効である。しかし、3.0%を超えると脆化が生じ
やすくなるので、3.0重量%以下とする。なお、その量
が0.3%未満の場合、脱酸効果が不足して、鋳鉄材にお
いて鋳造欠陥を生じやすいので、好ましくない。好まし
いSi量は0.3〜1%である。
Mnは脱酸作用とともに不純物であるSをMnSとして固
定する作用がある。しかし1.5%を超えると残留オース
テナイトが生じやすくなり、安定して十分な硬さを維持
できない。なお、その量が0.3%未満では脱酸性に乏し
く、好ましくない。
Crは7%を超えるとクロム系炭化物が過多となるため
不都合である。すなわちCr系炭化物例えばM23C6はMC、M
2Cと比較して硬さが低く、耐摩耗性を低下させる。好ま
しいCrの添加量は2〜7%である。
Vは耐摩耗性の向上に効果のあるMC系炭化物を形成す
るための必須元素である。従って3.0%未満では十分な
効果がなく、また15.0%より多いと、溶湯の酸化が激し
くなり、粘性の増加によって健全な鋳造品が得られ難く
なる。好ましいV量は5〜15%である。
Moは焼入れ性と高温硬さを得るために必要であるが、
10%を超えるとCとVとMoのバランスにおいてM6Cおよ
びM2C系炭化物が増加し、靭性および耐肌荒性の点で好
ましくないので、Mo含有量の上限は10%である。好まし
いMoの添加量は1〜7%である。
Wは高温硬さの維持の点で必要であるが、20%を超え
るとM6C系炭化物が増加して靭性及び耐肌荒性の点で好
ましくないので、上限を20%とする。好ましいW量は2
〜15%である。
N量は耐肌荒性の改善のために、低減する必要があ
る。前述したように、MC系炭化物であるVCが均一に分布
していれば耐摩耗性が向上する。特にNを800ppm以下に
すると、炭化物に対する核生成効果が抑制されるために
球状の初晶VCが低減し、それに代わって細長く微細な共
晶VCが増加し、VCが細かくかつ均一に分散する。それに
よって耐肌荒性が改善され、圧延肌が良好となる。好ま
しいN量は300ppm以下である。
N含有量の低減化は、鋳鉄材やスチールスクラップ等
のN量の少ない原材料を用いることによって行うことが
できる。また、溶解炉内をAr等の不活性ガス雰囲気にし
て原材料の溶解を行うことも、有効である。これら両手
段を併用してもよいことはもちろんである。
本発明の外層材用鉄基合金は上記元素の他にNi、Co、
Nbを単独で又は複合して含有することができる。
Niは焼入れ性を向上する作用を有する。従って5%以
下の量添加することができる。しかしそれより多いと残
留オーステナイトの増加を招き、割れや圧延中の肌荒れ
等の問題が生ずるので最大5%まで含有することができ
る。好ましくは2%以下である。
Coは焼戻し軟化抵抗と二次硬化の点で有用な元素であ
るが、15%を超えると靭性が悪くなる。
NbはVと同様にMC系炭化物を形成し耐摩耗性向上の作
用を有するが、5%を超えると酸化が激しくなり大気中
での溶解が困難となる。
その他に耐摩耗性向上を目的としてMC系炭化物を形成
するTa、Zr、Hf、Tiの1種又は2種以上を適宜添加する
ことができる。
さらにLa、Ce、Ndの希土類元素を1種又は2種以上適
宜添加することもできる。これらの希土類元素はNbとと
もに添加してNb一希土類炭化物を形成し、微細均一に分
散させる。
またBを極微量添加することにより、焼入れ性を高め
ることができる。しかし、過剰に添加すると靭性が低下
するため500ppm以下に抑える必要がある。
上記元素以外、鉄基合金は不純物を除いて実質的に鉄
からなる。不純物として主なものはP及びSであるが、
Pは脆化防止のため0.1%以下であり、Sは同様に0.06
%以下であるのがよい。
本発明の複合ロールの軸は鋼製であり、鋳鋼又は鍛鋼
のいずれでもよい。その引張強さは55kg/mm2以上、伸び
は1.0%以上である必要がある。これは圧延ロールとし
て用いた場合に、大きな圧下力がかかるとともに、圧延
中のたわみを補正するために軸の両端部にかける曲げ力
に対して耐えられる必要があるためである。また軸は上
記鉄基合金からなる外層と強固に接合している必要があ
る。このためには両者の境界部の接合強さは外層と軸の
うちの弱い方の機械的強度と同等以上でなければならな
い。
このように鋼製軸の外周に大きな接合強度で外層を形
成するには、下記の方法を行う。
製造方法は基本的にはPCT/JP88/00304公報に示される
ような、鋼の周囲に高周波コイルを用いて連続的に外層
を形成する方法である。
第1図は本発明の方法を実施するのに使用し得る装置
の一例を示す。本装置はテーパ部および平行部の周壁を
有するロート状の耐火枠1と、その下に同軸的に設置さ
れた冷却型4とからなる組合わせモールド10を有する。
耐火枠1には、この外周を包囲するように環状の誘導
加熱用コイル2が配置されており、またその下部に同軸
的に耐火枠1の下部と同径の内孔を有する環状の緩衝型
3が設けられている。またその下方の冷却型4は緩衝型
3とほぼ同じ内径を有し、かつ同軸的である。冷却型4
の入口14から冷却水が連続的に型内に導入され、出口1
4′から排出される。
以上の構成の組合せモールド10の内側にロールの軸5
をセットする。軸5の下端又は必要に応じて下端から適
宜はなれた位置に注入外層の外径とほぼ同径の外径を有
する閉止部材(図示せず)を固定し、さらにその下部は
軸5の昇降機構(図示せず)に取付ける。軸5と耐火枠
1との間の空間に溶湯7を注入し、溶湯表面は溶融フラ
ックス6で空気に触れないようにシールする。そして溶
湯7が凝固しないように加熱コイル2で加熱攪拌する。
溶湯7は図中の矢印Aで示す方向に流動し攪拌運動を起
こす。つぎに軸5に固定された閉止部材を軸材とともに
逐次降下させる。軸材及び閉止部材の降下と連動して溶
湯7も降下し、緩衝型3および冷却鋳型4面で溶湯7の
凝固が始まる。この凝固のとき軸と外層は完全は金属的
に接合される。湯だまりの溶湯の表面も軸材及び閉止部
材の降下に併せて低下してくるが、新しい溶湯を適宜注
入して液面をある水準に保持する。そして、降下と注入
を順次くり返して溶湯を下方から逐次凝固させて外層8
の形成を行う。
このようにして得られた複合ロールは、さらに焼入
れ、焼戻し等の熱処理を施すことにより所望の外層硬さ
を得る。
得られた複合ロールの外層の表面硬さはショアー硬さ
70以上、軸の引張強さ55kg/mm2以上、伸びは1.0%以上
であり、外層と軸とは金属的に接合しているために、そ
の境界部の接合強さは外層と軸の弱い方の強度以上であ
る。
本発明を更に以下の実施例により詳細に説明する。
実施例1 第1表に示す組成の外層用溶湯を直径80mm、高さ80mm
のCO2砂型に注入して圧延摩耗試験用の小型ロール素材
を鋳造した。この素材に1000〜1100℃からの焼入れ及び
500〜550℃での焼戻しの熱処理を施した後、外径60mm、
内径35mm、長さ40mmのスリーブ状の試験用ロールを作製
した。
各試験用ロールの外層表面の硬さをショアー硬さ計に
より測定した結果を第2表に示す。次にこの試験用ロー
ルの圧延摩耗試験を行った。圧延摩耗試験機は第2図に
示す通り、圧延機21と、圧延機21に組み込まれた上ロー
ル22及び下ロール23と、圧延材Sを予熱する加熱炉24
と、圧延材Sを冷却する冷却水槽25と、圧延中に一定の
テンションを与える巻取機26と、テンションを調節する
テンションコントローラ27とからなる。試験条件は以下
の通りであった。
圧 延 材:SUS 304、厚さ1mm、幅15mm 圧延距離 :800m 圧延温度 :900℃ 圧 下 率:25% 圧延速度 :150m/分 ロール冷却:水冷 試験用ロールの表面に生じた摩耗の深さを触針式表面
荒さ計(SURFCOM)を用いて測定した。各ロールについ
て摩耗深さを圧延幅において平均して平均摩耗深さを求
めた結果を第2表に示す。
比較例1、2 従来の材質として高クロム鋳鉄(比較例1)及びPCT/
JP88/00304に記載のロール外層材(比較例2)について
実施例1と同様にして試験用ロールを作製した。但し熱
処理はこれらの材質に適応した熱処理を施した。実施例
1と同様にして摩耗試験を行い、摩耗深さの実測値を第
2表に示す。また硬さの測定結果も第2表に示す。
実施例2 第3表及び第4表に示す直径及び材質の軸、及び組成
の外層用溶湯を用い、第1図に示す装置を用いて複合ロ
ールを製造した。軸の予熱温度及び外層用溶湯の温度は
それぞれ第4表に示す通りである。なお溶湯表面は溶融
状態のフラックスにより空気に触れないようにシールし
た。このようにして得られた複合ロールの寸法は第3表
に示す通りである。各複合ロールには1000〜1100℃から
の焼入れ及び500〜550℃での焼戻しの熱処理を施した。
複合ロールには上記熱処理により割れ等が認められ
ず、健全であった。外層表面の硬さをショアー硬さ計に
より測定した結果を第4表に示す。
サンプルNo.1の複合ロールの胴部表面を研磨及び腐食
して金属組織を調査の結果、微細な二次炭化物が分布し
た焼戻しマルテンサイト基地と共晶セル状のMC炭化物と
基地組織部の間に分布するM6C、M7C3炭化物とが認めら
れた。
実施例3 サンプルNo.1〜3の外層材に対して、耐ヒートクラッ
ク性試験を行った。耐ヒートクラック試験は、30mmφ×
35mmlの円柱状のテストピースを外層材により形成し、
その一端面を700℃のソルトバス及び20℃の水に交互に
浸漬し、5回繰り返した後の表面に生じたクラックの深
さを測定することにより、行った。その結果、本発明の
外層材サンプルNo.1、2、3のヒートクラック深さはそ
れぞれ2.4mm、2.6mm、2.7mmであったが、比較例1及び
2のヒートクラック深さはそれぞれ3.8mm、及び3.2mmで
あった。これから、本発明の外層材を有する複合ロール
は耐ヒートクラック性に優れていることがわかる。
〔発明の効果〕
以上詳述した通り、本発明の複合ロールは、良好な機
械的強度とともに優れた耐摩耗性及び耐ヒートクラック
性を有するので、熱間圧延用のロールとして広く使用す
ることができる。また、Nを微量添加することによって
炭化物が微細均一に分散し、耐肌荒性が改善されてい
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施するのに用いる装置の概略断面図
であり、 第2図はロール外層の摩耗試験に用いる圧延摩耗試験機
を示す概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22C 38/44 C22C 38/44 (56)参考文献 特開 平4−182012(JP,A) 特開 平4−182013(JP,A) 特開 平4−80548(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 27/00 B21B 27/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比で1.0〜3.5%のC、3.0%以下のS
    i、1.5%以下のMn、7.0%以下のCr、3.0〜15.0%のV、
    10%以下のMo、20%以下のW、及び残部実質的にFe及び
    不可避的不純物からなり、N含有量が800ppm以下の鉄基
    合金からなる外層と、前記外層に金属的に接合した鋳鋼
    又は鍛鋼製の軸とからなる耐肌荒れ性に優れた耐摩耗複
    合ロールであって、前記外層が連続鋳かけ肉盛法により
    前記軸に接合されていることを特徴とする耐摩耗複合ロ
    ール。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の耐摩耗複合ロールにおい
    て、前記鉄基合金がさらに重量比で5%以下のNiを含有
    することを特徴とする耐摩耗複合ロール。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の耐摩耗複合ロール
    において、前記鉄基合金がさらに重量比で15%以下のCo
    を含有することを特徴とする耐摩耗複合ロール。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の耐摩耗
    複合ロールにおいて、前記鉄基合金がさらに重量比で5
    %以下のNbを含有することを特徴とする耐摩耗複合ロー
    ル。
  5. 【請求項5】重量比で1.0〜3.5%のC、3.0%以下のS
    i、1.5%以下のMn、7.0%以下のCr、3.0〜15.0%のV、
    10%以下のMo、20%以下のW、及び残部実質的にFe及び
    不可避的不純物からなり、N含有量が800ppm以下の鉄基
    合金からなる外層と、前記外層に金属的に接合した鋳鋼
    又は鍛鋼製の軸とからなる耐肌荒れ性に優れた耐摩耗複
    合ロールを製造する方法において、誘導加熱コイルで包
    囲された耐火枠とその枠の下に同軸的に設置された冷却
    型とからなる組合わせモールドの内側に設けられた空間
    に、前記軸を同軸的に遊嵌させ、前記軸と前記モールド
    との間に形成された空隙に前記鉄基合金の溶湯を注入
    し、溶湯表面のフラックスでシールするとともに溶湯を
    初晶晶出温度乃至それより100℃まで高い温度範囲内に
    加熱攪拌しながら保持し、前記軸を前記モールドと同軸
    的に下方へ移動させて、前記溶湯を前記冷却型に接触さ
    せて凝固させるとともに前記軸と溶着させることによ
    り、前記軸の周囲に連続的に前記外層を形成することを
    特徴とする方法。
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