JPH0691734A - 透明性に優れたフッ化ビニリデン系樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

透明性に優れたフッ化ビニリデン系樹脂フィルムの製造方法

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JPH0691734A
JPH0691734A JP4265488A JP26548892A JPH0691734A JP H0691734 A JPH0691734 A JP H0691734A JP 4265488 A JP4265488 A JP 4265488A JP 26548892 A JP26548892 A JP 26548892A JP H0691734 A JPH0691734 A JP H0691734A
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JP
Japan
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film
transparency
resin film
vinylidene fluoride
die
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Pending
Application number
JP4265488A
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English (en)
Inventor
Yoshiteru Shimakura
義輝 嶋倉
Atsushi Sugitani
厚志 杉谷
Toshishige Arai
利重 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 押出ダイ2を通してフッ化ビニリデン系樹脂
を溶融押出し、押し出された溶融樹脂フィルム3を冷却
キャスティングロール4上を通過させることによりフッ
化ビニリデン系樹脂フィルムを製造する方法において、
前記押出ダイ2におけるダイリップクリアランスを 0.1
〜0.5 mmとし、且つ、ダイリップと冷却キャスティング
ロール4との間の距離を20mm以下に設定することを特徴
とする。 【効果】 透明性が均一で、且つ、透明性に優れたフッ
化ビニリデン系樹脂フィルムを、高い生産性で製造する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、押出成形により、透明
性に優れたフッ化ビニリデン系樹脂フィルムを製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透明性を有するフッ化ビニリデン系樹脂
フィルムの製造方法として、フッ化ビニリデン系樹脂を
押出機中で混練し、押し出された樹脂フィルムを鏡面状
の冷却キャスティングロールに密着させて60℃以下の温
度に急冷する方法、あるいは、フッ化ビニリデン系樹脂
を押出機中で混練し、押し出された樹脂フィルムを薄い
空気層を介して、表面温度60℃以下にした冷却キャステ
ィングロール上を通過させる方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記の鏡
面状冷却キャスティングロールに密着させる方法におい
ては、フィルムの引取速度が2m/分以下の場合には、
押し出されたフィルムが冷却キャスティングロールに完
全に密着して、透明性に優れたフィルムが得られるので
あるが、2m/分を超えると、フィルムとロールとの密
着が不均一となり、密着した部分とそうでない部分とで
透明性が不均一となり、また平滑なフィルムが得られな
いという問題がある。そしてこの問題を解決するため
に、ロール温度を80〜120 ℃の範囲にすると、押し出さ
れた溶融樹脂フィルムをロールに均一に密着させること
はできるが、該フィルムの冷却が急冷とならず徐冷とな
るために、透明性が不十分なフィルムしか得られない。
【0004】また、薄い空気層を介して表面温度60℃以
下にしたロール上を通過させる方法においては、樹脂フ
ィルムの巾方向の厚薄精度が高い時は良いが、厚薄精度
が低下すると、樹脂フィルムとロールとの間に形成され
る薄膜の空気層の厚みが不均一になるため、部分的に樹
脂フィルムとロールが密着する現象が見られる。従っ
て、ロールに密着した部分とそうでない他の部分とでフ
ィルムの透明性が不均一となり、さらには平滑なフィル
ムが得られないなどの問題があった。
【0005】従って本発明の目的は、押出成形により、
透明性に優れたフッ化ビニリデン系樹脂フィルムを、高
い生産性で且つ安定に製造する方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、押出ダ
イを通してフッ化ビニリデン系樹脂を溶融押出し、押し
出された溶融樹脂フィルムを冷却キャスティングロール
上を通過させることによりフッ化ビニリデン系樹脂フィ
ルムを製造する方法において、前記押出ダイにおけるダ
イリップクリアランスを 0.1〜0.5 mmとし、且つ、ダイ
リップと冷却キャスティングロールとの間の距離を20mm
以下にすることを特徴とする透明性に優れたフッ化ビニ
リデン系樹脂フィルムの製造方法が提供される。
【0007】即ち、本発明においては、ダイリップのク
リアランス及びダイリップと冷却キャスティングロール
との間の距離を一定の範囲に設定することが極めて重要
であり、これによって透明性に優れたフッ化ビニリデン
系樹脂フィルムを、高い生産性で且つ安定に製造するこ
とが可能となる。即ち、ダイリップのクリアランスを0.
5mm以下とすることにより、ダイリップを通過する樹脂
線速が大となり、ダイリップから冷却ロールに接触する
までの空中徐冷時間が短くなり、この結果として樹脂の
結晶化が抑制されて透明性が向上する。従って、このク
リアランスを、0.5mmよりも大きくすると透明性が失わ
れる。(尚、ダイリップクリアランスが0.5mm以下のダ
イは、その精度を高くするために極めて高度の加工技術
を要するために一般的には使用されていない。)また本
発明において、ダイリップクリアランスが 0.1mmより小
さいと樹脂の偏流が生じやすくなり、この結果、厚み、
透明性等にムラを生じ易くなる。更にダイリップと冷却
キャスティングロールとの間の距離が20mmを超えると、
樹脂フィルムのネックインが大きくなることに加えて、
樹脂フィルムの透明性も低下する。これはフッ化ビニリ
デン系樹脂の結晶化速度が速いことによると考えられ
る。
【0008】以下、本発明の製造方法を、添付図面に示
す具体例に基づいて説明する。本発明の製造方法の一例
を簡単に示す図1において、本発明方法においては、押
出機1でフッ化ビニリデン系樹脂の加熱混練が行われ、
Tダイ2を通って押し出された溶融樹脂フィルム3は、
Tダイ2に近接させた冷却キャスティングロール4によ
って冷却され、巻取ロール5によって巻き取られる。
【0009】本発明において使用するフッ化ビニリデン
系樹脂としては、フッ化ビニリデン単独重合体に限ら
ず、その透明性を損なわない範囲において、ヘキサフル
オロプロピレン、テトラフルオロエチレン、メチルメタ
クリレート、ブチルアクリレート等の他のモノマーとの
共重合体も使用することができる。
【0010】押出機1を用いてのフッ化ビニリデン系樹
脂の押出成形による溶融樹脂フィルム3の形成は、それ
自体公知の条件で行われる。例えば、押出機1のシリン
ダー中での加熱混練は 170〜230 ℃で行われ、Tダイ2
中の樹脂温度は 200〜260 ℃の範囲に通常設定される。
またTダイ2におけるダイリップのクリアランスは、前
述した通り、 0.1〜0.5 mmの範囲に設定される。
【0011】また、溶融樹脂フィルム3の厚みは50μm
以下、特に30μm 以下の範囲に調整することが望まし
い。厚みが50μm を超えると、溶融樹脂フィルム3を急
冷することが困難となり、最終的に得られるフィルムの
透明性が不十分となる場合がある。この溶融樹脂フィル
ム3の厚みの調整は、押出速度と引取速度の変更による
ドラフト率の調整によって容易に行うことができる。
【0012】本発明において、冷却キャスティングロー
ル4の温度は10〜140 ℃、特に20〜130 ℃の範囲に調整
されていることが望ましい。この温度が 140℃を超える
とフッ化ビニリデン系溶融樹脂の結晶化が急激に起こる
ため、得られるフィルムの透明性が損なわれる。また、
この温度が10℃よりも低くなると、急冷の程度が大きく
なり過ぎて、熱収縮が大となり、ロール上のフィルムに
シワが発生する場合がある。またダイリップと冷却キャ
スティングロールとの間の距離は20mm以下、特に5〜15
mmの範囲に設定される。
【0013】本発明においては、必要によりエアーノズ
ル6が設けられ、溶融樹脂フィルム3の背面からエアー
が吹きつけられ、冷却効果を増大させることができる。
この冷却効果を最大とするためには、エアーの吹き付け
位置をフィルムの冷却がはじまる付近とすることが好適
であり、例えばエアーノズル6をキャスティングロール
4に近づけ、該ロール4とエアーノズル6との間隔を30
mm以下、特に20mm以下に設定する。またエアー圧力は特
に大きくする必要はなく、あまりエアー圧力を大きくす
るとフィルムに揺れを生じたりする場合がある。このた
めに、一般的にエアーノズル6から吐出するエアー量
は、フィルム巾1m当り 0.1〜10m3 /分、特に 0.6〜
2.4 m3 /分の範囲とすることが望ましい。 0.1m3
分よりも小さいときにはエアーノズルの効果が有効に発
現せず、また10m3 /分よりも大きいときには風速が大
きすぎるために均一な風圧を得ることが困難になり、フ
ィルムに揺れを生じたりする傾向となる。更に、エアー
ノズル6の開口部スリット間隙は 0.5〜10mm、特に 1.0
〜2.0 mmの範囲が好ましく、またこのエアーノズル6は
樹脂フィルム3の巾と同等か、それよりやや広巾のもの
が好ましい。
【0014】
【実施例】実施例1 40φの押出機において、シリンダー温度を 170〜220
℃、ダイス温度を 230℃に設定し、 キャスティングロール温度 100℃、 フィルム引取速度 10m/分、 ダイリップクリアランス 0.3mm、 ダイリップとキャスティングロール間距離 10mm の条件で、フッ化ビニリデン樹脂(Solvay社製、Solef
1010)をTダイより押し出し、押し出された樹脂フィル
ム(650mm巾) の冷却を行い、9μm の厚みのフィルムを
製造した。得られたフィルムの透明性(JIS-K-6714によ
る)をヘイズメーター(日本電色製)で測定した結果を
表1に示す。
【0015】実施例2 ダイリップとキャスティングロール間距離を20mmとした
以外は、実施例1と同様にして9μm の厚みのフィルム
を製造した。得られたフィルムの透明性測定の結果を表
1に示す。
【0016】実施例3 ダイリップクリアランスを 0.5mmとした以外は、実施例
1と同様にして9μmの厚みのフィルムを製造した。得
られたフィルムの透明性測定の結果を表1に示す。
【0017】実施例4 ダイリップクリアランスを 0.5mm、ダイリップとキャス
ティングロール間距離を20mmとした以外は、実施例1と
同様にして9μm の厚みのフィルムを製造した。得られ
たフィルムの透明性測定の結果を表1に示す。
【0018】実施例5 エアーノズルを使用した以外は、実施例4と同様にして
9μm の厚みのフィルムを製造した。尚、エアーノズル
のスリット間隔は 1.0mm、吐出量は 0.8m3 /分とし
た。得られたフィルムの透明性測定の結果を表1に示
す。
【0019】比較例1 ダイリップクリアランスを 0.8mmとし、エアーノズルを
使用した以外は、実施例1と同様にして9μm の厚みの
フィルムを製造した。尚、エアーノズルのスリット間隔
は 1.0mm、吐出量は 0.8m3 /分とした。得られたフィ
ルムの透明性測定の結果を表1に示す。
【0020】比較例2 ダイリップとキャスティングロール間距離を20mmとした
以外は、比較例1と同様にして9μm の厚みのフィルム
を製造した。得られたフィルムの透明性測定の結果を表
1に示す。
【0021】比較例3 ダイリップとキャスティングロール間距離を50mmとした
以外は、比較例1と同様にして9μm の厚みのフィルム
を製造した。得られたフィルムの透明性測定の結果を表
1に示す。
【0022】比較例4 ダイリップクリアランスを0.05mmとした以外は、比較例
1と同様にして9μmの厚みのフィルムを製造した。し
かし、ダイリップから押し出される溶融樹脂に偏流が発
生し、フィルム成形は不能であった。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、透明性が均一で、且
つ、透明性に優れたフッ化ビニリデン系樹脂フィルム
を、高い生産性で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を説明するための説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 利重 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山2668−22 信 越化学工業株式会社高分子機能性材料研究 所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出ダイを通してフッ化ビニリデン系樹
    脂を溶融押出し、押し出された溶融樹脂フィルムを冷却
    キャスティングロール上を通過させることによりフッ化
    ビニリデン系樹脂フィルムを製造する方法において、 前記押出ダイにおけるダイリップクリアランスを 0.1〜
    0.5 mmとし、且つ、ダイリップと冷却キャスティングロ
    ールとの間の距離を20mm以下にすることを特徴とする透
    明性に優れたフッ化ビニリデン系樹脂フィルムの製造方
    法。
JP4265488A 1992-09-08 1992-09-08 透明性に優れたフッ化ビニリデン系樹脂フィルムの製造方法 Pending JPH0691734A (ja)

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