JPH0690562B2 - カラ−複写機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はカラー複写機、特にフルカラー複写機に関す
る。

従来技術 上記のフルカラー複写機として、複数のドラム状感光体
に異なる色、例えばイエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、
シアン（Ｃ）の各色の顕像を形成し、これらの顕像を１
枚の転写材、例えば転写紙に順々に重ねて転写し、もつ
てフルカラー像を得るようにした装置が知られている。

この従来のフルカラー複写機においては、感光体がドラ
ム状に形成されているが故に、次のような種々の欠点が
あつた。フラツシユ露光等の全面露光ができないので
複写処理速度が遅い。感光体回りのスペースが限られ
るので現像装置その他感光体の回りに配設すべき装置の
ためのスペースが充分にとれず、そのためこれらの装置
の外形形状をスペースに合わせて別々に作る必要があつ
た。転写紙の最大サイズを複写できるようにするため
大径の転写ドラムを使用せざるを得ず、その結果、小サ
イズの複写物をとる時の複写速度を早めることができな
かつた。転写紙を転写ドラムにクランプして巻き付け
なければならないので、厚紙あるいは小サイズの複写物
を得るのに不適当であつた。

目 的 本発明はフルカラー複写機における上記の種々の欠点を
解消することを目的とする。

構 成 上記の目的は、複数色の顕像を１枚の転写材上に重ねて
転写することによってカラー複写像を得るカラー複写機
において、複数色の顕像を担持するためのベルト状感光
体と、複数色の顕像をベルト状感光体の異なった位置に
順々に形成する顕像形成手段と、各色顕像形成手段毎の
後の位置でベルト状感光体に接して該感光体と同一線速
で移動しながらベルト状感光体の異なる位置に形成され
た顕像を同一転写材上に重ね合せるように転写材を搬送
する転写材搬送手段と、ベルト状感光体と転写材搬送手
段との上記の各接触位置で各顕像を転写材上に転写する
ための転写手段とを有することによつて達成される。

以下、実施例に基づいて本発明を説明する。

第１図は一実施例の側面図である。

図において、複写される画像を有している原稿１はコン
タクトガラス２の上に画像面を下向きにして載置されて
いる。コンタクトガラス２の下方にはフラツシユ露光ラ
ンプ3,3が配設されており、これらのランプによつて原
稿１の全体が瞬時に照明される。そして、この時の反射
光はレンズ４及びフイルター５を介して感光体６に照射
される。

感光体６は、例えば継目を有する有機感光体（いわゆる
OPC）で出来ている。又、この感光体６は、複数（図で
は10個）のローラ7a〜7j間に掛け渡されていて、特にそ
の感光体のうち7bから7eに至る部分及び7eから7hに至る
部分には、図示のように凹部が形成されている。これら
のローラ7a〜7jのうちいずれかは駆動ローラとなつてい
て、この駆動ローラによつて感光体６が矢印Ａ方向に周
回動する。

周回動する感光体６は、まず帯電チヤージヤ８によつて
その表面全体が一様に帯電する。その後、フラツシユ露
光ランプ3,3が１枚の原稿について一定の周期で最低３
回発光する。この時、フイルタ５は１回づつ色が替えら
れる。例えば、１回目が赤色、２回目が緑色、そして３
回目が青色の如く変わる。従つて、上記の如く帯電し、
そして周回動する感光体６上には、第２図に示すよう
に、原稿１の画像のうち赤フイルタによつて分解された
光像に対応する潜像（赤フイルタ像）Ｒ、緑フイルタに
よつて分解された光像に対応する潜像（緑フイルタ像）
Ｇ、そして青フイルタによつて分解された光像に対応す
る潜像（青フイルタ像）Ｂが一定間隔ｂを置いて順々に
形成される。尚、第２図中のｌはランプ３による照明領
域、すなわち画面サイズである。これらl,bの長さは、
感光体６の走行系と同期して働くパルスエンコーダ（図
示せず）等の指令に基づいて決定される。

感光体６の左側には、青色と補色関係にある黄色現像剤
を収容したイエロー現像装置9yが配置されている。又、
ローラ7b〜7eによつて形成される凹部に緑色と補色関係
にあるマゼンタ現像剤を収容したマゼンタ現像装置9m
が、そしてローラ7e〜7hによつて形成される凹部に赤色
と補色関係にあるシアン現像剤を収容したシアン色現像
装置9cが配設されている。

感光体６上の各色静電潜像R,G,Bは、これらの各現像装
置9y,9m,9cによつて現像されて顕像となるのであるが、
通常は感光体６と各現像装置9y,9m,9cとは接触が絶たれ
ているか、あるいは接触していても現像は行なわれない
ようにバイアス電圧が印加されており、現像作業は次の
ようなタイミングで行なわれる。すなわち、１番目の露
光によつて感光体６上に形成されたＲ像は、イエロー現
像装置9y及びマゼンタ現像装置9mでは現像されず、シア
ン現像装置9cに至つて初めて現像される。この像をＣ像
という。又、２番目の露光によるＧ像はイエロー現像装
置9cをやり過ごしてマゼンタ現像装置9mによつて現像さ
れる。この像をＭ像という。そして、３番目の露光によ
るＢ像はイエロー現像装置9yによつて直ちに現像され
て、Ｙ像となる。

一方、カラー複写像が転写されるべき転写紙10は、給紙
トレイ11から１枚づつ送り出され、更に転写材搬送手段
としての転写ベルト12によつて図の右方へ運ばれる。こ
の時、転写紙10はローラ7b,7e及び7hのところで感光体
６に順々に接触又は近接し、その都度転写手段としての
転写チヤージヤ13a,13b,13cの作用の下に顕像が重ねて
転写される。この場合、最も左側の現像装置であるイエ
ロー現像装置9yでＹ像が、真中の現像装置であるマゼン
タ現像装置9mでＭ像が、そして最も右側の現像装置であ
るシアン色現像装置9cでＣ像が作られるから、左から右
へ運ばれる転写紙10上には、Ｙ像、Ｍ像、そしてＣ像の
順に顕像が重ねられることになる。その後、転写ベルト
12の右端で曲率分離によつて転写紙が該ベルト12から分
離され、更に定着装置13を経てトレイ14内へ排出され
る。この時、Y,M,C各像の合成によりフルカラー複写像
が得られる。

Y,M,C各像の転写位置、すなわち転写チヤージヤ13a,13
b,13cが置かれている位置と感光体６の各転写位置間の
ループ長さの関係について説明する。

第３図において、Ｙ像の転写が行なわれる第１転写点を
Ｘ、Ｍ像の転写が行なわれる第２転写点をＹ、そしてＣ
像の転写が行なわれる第３転写点をＺとする。今、▲
▼＝▲▼＝ａであり、Ｙ像の先端と転写紙10の先
端がＸ点において一致している場合を考える。転写紙先
端が距離ａのＹ点に至つた時、Ｍ像の先端がこれと一致
しなければならないから、図より明らかなように、 はｂ＋ｌ＋ａ（b,lは第２図のものと同一長さ）でなけ
ればならない。又、Ｙ像の先端と転写紙10の先端とが一
致している時に、Ｃ像の先端とＹ点との距離がｘである
とすれば、次の転写点Ｚまでの は、2a＋ｘとなるが、ｘはｌ＋ｂ−ａであるから、 はやはりｂ＋ｌ＋ａとなる。従つて、感光体６の は とすれば良い。

尚、この実施例において、転写ベルト12として厚さ75μ
程度のポリエステル材を、現像装置9y,9m,9cとして非磁
性トナーによる１成分乾式現像を、転写ベルト12の除電
器15として交流ダブルコロナチヤージヤを、クエンチン
グ光源16として赤色発光ダイオードを、そしてクリーニ
ング装置17としてゴムブレードを用いたものを使うこと
ができる。

転写ベルト12の継目は画像に余り悪影響を与えないの
で、該ベルト12の長さは特に一定長さに限定されない。
これに対し、感光体ベルト６に関しては、画像を作像す
べき領域が継目から外れている必要がある。つまり、感
光体ベルト６の全長は最大画面サイズ作像時における必
要長さの整数倍であることが必要である。又、継目を避
けて画像を形成するために、第２図の符号18のようにタ
イミングマークを付けておくと良い。

以上のように、本実施例では、現像装置9y,9m,9cその他
の各処理ステーシヨンに必要な長さ及び形状を、ベルト
状感光体６の配回しによつて形成している。このように
して、ベルト状感光体の使用を可能とした。

又、転写紙10は転写ベルト12によつてほぼ一直線に搬送
されるので厚紙あるいは小サイズ原稿の複写を楽に行な
うことができる。

第４図は変形例の要部を示している。この例では、感光
体６が掛け渡されているローラのうち7c,7d,7f,7gの４
つが実線位置と破線位置との間で移動でき、又このよう
に各ローラが移動した時にも感光体６の張力が維持され
るようにテンシヨンローラ19が実線と破線との間を移動
する。

ローラ7c,7d,7f,7gを破線位置へ移動すれば、感光体凹
部の が短かくなる。これにより、小さいサイズの原稿又は変
倍複写時、第５図に示すように画面サイズｌ′をｌ（第
２図）よりも小さくすることができる。その結果、第２
図の通常原稿を複写する場合に比べて処理速度を上げる
ことができる。

尚、第１図の実施例では、帯電チヤージヤ８、フラツシ
ユ露光ランプ３を含む露光系、現像装置9y,9m,9cによつ
て顕像形成手段が構成されている。しかしながら、これ
以外に他の任意の構成とすることができる。例えば、全
面フラツシユ露光方式の代わりに、第６図に示すように
いわゆるスリツト露光装置20を用いることもできる。図
において、第１図と同一符号は同一部材を示している。
このスリツト露光装置20は、コンタクトガラス２の下を
移動するランプ21と、同様に移動するミラー22,23,24
と、レンズ25と、他のミラー26とを有しており、原稿１
からの光像を感光体６上へスリツト露光する。

効果 以上のように本発明によれば次の効果が得られる。ベ
ルト状感光体を使うのでフラツシユ露光が可能である。
ベルト状感光体の配回し如何で機械的構成の同一な現
像装置を使うことができる。現像装置その他の処理ス
テーシヨンに適合するように自由に感光体の角度、スペ
ース等を設定することができる。これにより設計の自由
度が増す。感光体ループ長の変更により小サイズ原稿
を高速複写できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例の側断面図、第２図はベルト状感光体
に形成される像の様子を示す図、第３図は転写位置間隔
と感光体ループ長さとの関係を示す図、第４図は変形例
を示す図、第５図はその変形例による画像形成状態を示
す図、第６図は他の実施例の側断面図である。 10……転写材、６……ベルト状感光体 8,3,9y,9m,9c……顕像形成手段 12……転写材搬送手段

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数色の顕像を１枚の転写材上に重ねて転
   写することによってカラー複写像を得るカラー複写機に
   おいて、複数色の顕像を担持するためのベルト状感光体
   と、複数色の顕像をベルト状感光体の異なった位置に順
   々に形成する顕像形成手段と、各色顕像形成手段毎の後
   の位置でベルト状感光体に接して該感光体と同一線速で
   移動しながらベルト状感光体の異なる位置に形成された
   顕像を同一転写材上に重ね合せるように転写材を搬送す
   る転写材搬送手段と、ベルト状感光体と転写材搬送手段
   との上記の各接触位置で各顕像を転写材上に転写するた
   めの転写手段とを有することを特徴とするカラー複写
   機。
2. 【請求項２】顕像形成手段が全面フラッシュ露光ランプ
   を含むことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の
   カラー複写機。
3. 【請求項３】ベルト状感光体の転写位置間のループ長が
   原稿サイズに応じて変更できることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項に記載のカラー複写機。