JPH0688935A - 視線検出機能付光学装置 - Google Patents

視線検出機能付光学装置

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JPH0688935A
JPH0688935A JP4262749A JP26274992A JPH0688935A JP H0688935 A JPH0688935 A JP H0688935A JP 4262749 A JP4262749 A JP 4262749A JP 26274992 A JP26274992 A JP 26274992A JP H0688935 A JPH0688935 A JP H0688935A
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line
sight
photographer
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calibration
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Tatsuyuki Tokunaga
辰幸 徳永
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 初めてカメラを使う場合、視線補正を行う為
の比較的面倒な操作を行うことなく撮影を可能とし、徐
々に視線検出機能を活用した撮影へと慣れ親しむことの
できる装置とする。 【構成】 電源投入時における初期状態では、視線禁止
撮影モードを設定する撮影モード設定手段100を設
け、電源が投入された初期状態には、自動的に視線禁止
撮影モードを設定するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファインダ視野内を覗
く使用者の眼球の光軸の回転角を検出し、該回転角から
使用者の視線を検出する視線検出手段を備えた視線検出
機能付光学装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、観察者が観察面上のどの位置
を観察しているかを検出する、いわゆる視線(視軸)を
検出する装置(例えばアイカメラ)は種々提案されてい
る。
【0003】例えば特願平1−274736号公報にお
いては、光源からの平行光束を観察者の眼球の前眼部へ
投射し、角膜からの反射光による角膜反射像と瞳孔の結
像位置を利用して視軸を求めている。
【0004】また、本願出願人は、特願平3−1149
2号において、撮影者の視線の個人差による補正をする
ための補正データ採集(以下、キャリブレーションと記
す)機能を用いて各種の撮影を行うようにした視線検出
機能を備えた光学装置を提案している。
【0005】図23は視線検出方法の原理説明図、図2
4(A),(B)は図23のイメージセンサ14面上に
投影される眼球像と、イメージセンサ14からの出力強
度の説明図である。
【0006】次に、これら図23,図24を用いて視線
検出方法について説明する。
【0007】各赤外発光ダイオード13a,13bは受
光レンズ12の光軸アに対してX方向に略対称に配置さ
れ、各々観察者(撮影者)の眼球を発散照明している。
【0008】赤外発光ダイオード13bより投射された
赤外光は眼球15の角膜16を照明する。この時角膜1
6の表面で反射した赤外光の一部による角膜反射像dは
受光レンズ12により集光され、イメージセンサ14上
の位置d´に再結像する。
【0009】同様に、赤外発光ダイオード13aより投
射された赤外光は眼球15の角膜16を照明する。この
時、角膜16の表面で反射した赤外光の一部による角膜
反射像eは受光レンズ12により集光され、イメージセ
ンサ14上の位置e´に再結像する。
【0010】また、虹彩17の端部a,bからの光束は
受光レンズ12を介してイメージセンサ14上の位置
a′、b′に該端部a,bの像を結像する。受光レンズ
12の光軸アに対する眼球15の光軸イの回転角θが小
さい場合、虹彩17の端部a,bのX座標をxa,xb
とすると、瞳孔19の中心位置cの座標xcは、 xc≒(xa+xb)/2 と表される。
【0011】また、角膜反射像d及びeの中点のX座標
と角膜16の曲率中心oのX座標xoとは一致するた
め、角膜反射像d,eの発生位置のX座標をxd,x
e、角膜16の曲率中心oと瞳孔19の中心cまでの標
準的な距離をLocとし、距離Locに対する個人差を考慮
する係数をA1とすると、眼球15の光軸イの回転角θ
は、 (A1*Loc)*sinθ≒xc−(xd+xe)/2 ………(1) の関係式を略満足する。このため、視線演算処理装置に
おいて、図24(B)の如くイメージセンサ14上の一
部に投影された各特徴点(角膜反射像d,e及び虹彩1
7の端部a,b)の位置を検出することにより、眼球1
5の光軸イの回転角θを求めることができる。この時上
記(1)式は、 β(A1*Loc)*sinθ≒(xa´+xb´)/2 −(xd´+xe´)/2 ………(2) と書き換えられる。但し、βは受光レンズ12に対する
眼球15の位置により決まる倍率で、実質的には角膜反
射像の間隔|xd′−xe′|の関数として求められ
る。眼球15の光軸イの回転角θは θ≒ARCSIN{(xc′−xf′)/β/(A1*Loc)}…(3) と書き換えられる。但し xc′≒(xa′+xb′)/2 xf′≒(xd′+xe′)/2 である。
【0012】ところで、撮影者の眼球15の光軸イと視
軸とは一致しないため、光軸イの水平方向の回転角θが
算出されると、光軸イと視軸との角度補正δをすること
により撮影者の水平方向の視線θHは求められる。眼球
15の光軸イと視軸との補正角度δに対する個人差を考
慮する係数をB1とすると、撮影者の水平方向の視線θ
Hは θH=θ±(B1*δ) ………………(4) と求められる。ここで符号±は、撮影者に関して右への
回転角を正とすると、観察装置を覗く撮影者の目が左目
の場合は+、右目の場合は−の符号が選択される。
【0013】また同図においては、撮影者の眼球がZ−
X平面(例えば水平面)内で回転する例を示している
が、撮影者の眼球がX−Y平面(例えば垂直面)内で回
転する場合においても同様に検出可能である。但し、撮
影者の視線の垂直方向の成分は眼球15の光軸イの垂直
方向の成分θ′と一致するため垂直方向の視線θVは θV=θ′ となる。更に、視線デ−タθH、θVより撮影者が見て
いるファインダ視野内のピント板上の位置(xn,y
n)は xn≒m*θH ≒m*[ARCSIN{(xc′−xf′)/β/(A1*Loc)} ±(B*α)] ………………(5) yn≒m*θV と求められる。但し、mはカメラのファインダ光学系で
決まる定数である。
【0014】ここで、撮影者の眼球15の個人差を補正
する係数A1,B1の値は撮影者にカメラのファインダ
内の所定の位置に配設された視標を固視してもらい、該
視標の位置と上記(5)式に従い算出された固視点の位
置とを一致させることにより求められる。
【0015】通常、撮影者の視線及び注視点を求める演
算は、前記各式に基づき視線演算処理装置のマイクロコ
ンピュータのソフトで実行している。
【0016】また、視線の個人差を補正する係数は、通
常撮影者の眼球の水平方向の回転に対応するものである
ため、カメラのファインダ内の配設される二つの視標は
撮影者に対して水平方向に成るように設定されている。
【0017】視線の個人差を補正する係数が求まり、上
記(5)式を用いてカメラのファインダを覗く撮影者の
視線のピント板上の位置を算出し、その視線情報を撮影
レンズの焦点調節あるいは露出制御等に利用している。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、高精
度に検出するには視線検出を行う時に個人差を補正する
ことが不可欠である。よって、視線の個人差による誤差
を補正する為の補正データを採集する、つまりキャリブ
レーション動作は、既に本願出願人により提案されてい
る。
【0019】しかしながら、このキャリブレーション動
作及びその操作部材がある為に、カメラの操作が難しく
なったり、余分なエネルギーを使ったりと諸々の課題を
有していた。以下、この点について述べる。
【0020】1)この視線検出機能を有した光学装置
(カメラ)を、撮影者が初めて使う場合、いきなりキャ
リブレーションを行わなければ精度良く検出できないた
め、撮影者は難しいカメラという印象を受ける。又、キ
ャリブレーションをしなくてもよい事にすると、視線検
出の個人差を補正することができないため、視線検出の
ミスが多くなってしまい、撮影者に使いづらいといった
印象を与えてしまう。
【0021】2)キャリブレーションを行う以前に視線
検出を動作させたとき、全く視線検出を受け付けない
と、カメラが壊れているのではないかという印象をユー
ザーに与えてしまう。
【0022】ここで、キャリブレーションのやり方は、
本願出願人より既に提案されているが、これを簡単に説
明すると、撮影者はファインダを覗きながら該ファイン
ダ内の左右に設けられた視標を注視しながらレリーズ釦
を軽く押す。これにより、その時のイメージセンサに投
影される眼球像から演算により係数(個人差補正デー
タ)A1,B1が求められる構成となっている。
【0023】3)上記のやり方では、視標を注視してレ
リーズ釦を押すようにしているが、この動作は以外と複
雑で、撮影者は注視する前からレリーズ釦を押したりし
て、正しい眼球像がとれなくなり、視線検出が著しく低
下することがある。
【0024】4)また、キャリブレーションはレリーズ
釦を軽く押して行っているが、レリーズ釦を強く押して
しまうと露光動作に移行してしまい、撮影者が意図しな
い写真を撮ることになってしまう。
【0025】5)キャリブレーションのモードに入った
ら、カメラ内のマイコンやCCDなどの電気回路はいっ
せいに動いており、電池の消耗は激しい。よって、キャ
リブレーション動作に入って撮影者がキャリブレーショ
ンの動作を正しく行わなかったり、途中で止めたりし、
電池の消耗が激しいまま長時間たってしまうと、電池は
より早く消耗してしまう。
【0026】また、カメラの撮影時は、多彩な撮影モー
ドを連続で設定するために、スイッチなどの操作を読み
取り、マイコンで処理するための電気回路をタイマを設
けて所定の時間だけ動作させている。そこで、キャリブ
レーション動作の時、スイッチも何も操作されなくなっ
たら、このタイマを利用して所定の時間で電気回路の電
源を切るという方法が考えられる。しかし、この方法で
は、通常の撮影時でのタイマ時間ではキャリブレーショ
ン動作で少し不慣れでまごついていると、電気回路の操
作が切れてしまい、もう一度最初からキャリブレーショ
ン動作をやらなければならず、非常に使いづらいものと
なってしまう。
【0027】6)個人差補正データを入力した後に、そ
のデータではあまり視線検出の精度が出ず、デフォルト
データの方がむしろ良い場合がまれにある。もしくは、
カメラを他人に貸して撮ってもらう場合、キャリブレー
ションを一々やってもらうのは面倒である。こういうと
きは、デフォルトデータで視線検出したいが、複数の個
人差補正データが全てそれぞれデータを入力した後は、
デフォルトデータが失われていて、それができない。
【0028】以上の様に、この視線検出機能を有するカ
メラでは、キャリブレーション動作が必要なために該キ
ャリブレーションをする以前が非常に使いづらいといっ
た問題点がある。
【0029】更に、上記の様なキャリブレーション動作
は、通常撮影の動作と違い、慣れないために誤った操作
を行ってしまい、その結果、視線入力の個人差データが
不正確となり、視線検出の精度が悪くなったり、また、
非常にキャリブレーションがやりづらいといった印象を
与えてしまうといった問題点があった。
【0030】(発明の目的)本発明の第1の目的は、初
めてカメラを使う場合、視線補正を行う為の比較的面倒
な操作を行うことなく撮影を可能とし、徐々に視線検出
機能を活用した撮影へと慣れ親しませることのできる視
線検出機能付光学装置を提供することである。
【0031】本発明の第2の目的は、視線補正を行う為
の比較的面倒な操作を行わなくても、ある程度正確な視
線検出機能を活用した撮影を行うことのできる視線検出
機能付光学装置を提供することである。
【0032】本発明の第3の目的は、視線補正を行う為
の操作になれていなくとも、その操作を正確に行うこと
のできる視線検出機能付光学装置を提供することであ
る。
【0033】本発明の第4の目的は、視線補正動作中に
誤って露光動作が実行され、失敗写真と撮ってしまうと
いったことを防止することのできる視線検出機能付光学
装置を提供することである。
【0034】本発明の第5の目的は、視線補正動作にお
いて、不用意に電池の消耗を招くことを防止することの
できる視線検出機能付光学装置を提供することである。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明は、初期状態時に
は、視線禁止撮影モードを設定する撮影モード設定手段
を設け、電源が投入された初期状態には、自動的に視線
禁止撮影モードを設定するようにしている。
【0036】また、本発明は、一般的な個人差補正デー
タを記憶した第2の記憶手段と、視線撮影モードでの初
期状態時には、視線検出手段からの視線情報と前記第2
の記憶手段にて記憶された補正データに基づいて撮影機
能を制御し、以後は、視線検出手段からの視線情報と視
線補正手段にて算出された補正データを記憶した第1の
記憶手段にて記憶された補正データに基づいて撮影機能
を制御する制御手段とを設け、また、一般的な個人差補
正データを記憶した第2の記憶手段と、個人差補正デー
タを一般的な値に戻す為のリセット手段と、視線撮影モ
ードにおいて前記リセット手段が操作された場合には、
視線検出手段からの視線情報と前記第2の記憶手段にて
記憶された補正データに基づいて撮影機能を制御し、前
記リセット手段が操作されなかった場合には、視線検出
手段からの視線情報と第1の記憶手段にて記憶された補
正データに基づいて撮影機能を制御する制御手段とを設
け、視線補正動作を行う以前やリセット手段の操作がな
された場合には、個人差補正データは一般的な値(デフ
ォルトデータ)を用いるようにしている。
【0037】また、本発明は、視線補正手段による視線
補正動作を開始させる為の操作部材の操作が行われてか
ら所定時間経過後に、視線補正動作を開始する視線補正
手段を設け、操作部材の操作から所定時間をおいて個人
差補正データを算出する視線補正動作を行うようにして
いる。
【0038】また、本発明は、視線補正手段による視線
補正動作を開始させる為の操作部材の操作がなされ、視
線補正手段による視線補正動作中は、レリーズ操作がな
されたとしても露光動作への移行を禁止する露光禁止手
段を設け、視線補正動作中は露光動作への移行を禁止す
るようにしている。
【0039】また、本発明は、視線補正手段による視線
補正動作開始によりタイマをスタートさせ、該タイマが
所定時間に達する間に操作部材の操作がなされない場合
には、電源を切る電源制御手段を設け、所定時間、視線
補正動作に際して用いられる操作部材が何ら操作されな
かった場合には、自動的に電源を切るようにしている。
【0040】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。
【0041】図1は本発明を一眼レフカメラに適用した
ときの一実施例を示す要部概略図であり、図2(A),
(B)は同じくその上面と後面の概略図、図3は図1の
ファインダ視野内の説明図である。
【0042】これらの図において、1は撮影レンズで、
便宜上2枚のレンズで示したが、実際はさらに多数のレ
ンズから構成されている。2は主ミラーで、ファインダ
系による被写体像の観察状態と被写体像の撮影状態に応
じて撮影光路へ斜設され或は退去される。3はサブミラ
ーで、主ミラー2を透過した光束をカメラボディの下方
の後述する焦点検出装置6へ向けて反射する。
【0043】4はシャッタ、5は感光部材で、銀塩フィ
ルム或はCCDやMOS型等の固体撮像素子、或はビデ
ィコン等の撮像管である。
【0044】6は焦点検出装置であり、結像面近傍に配
置されたフィールドレンズ6a,反射ミラー6b及び6
c,二次結像レンズ6d,絞り6e、複数のCCDから
成るラインセンサ6f等から構成されている。
【0045】本実施例における焦点検出装置6は、周知
の位相差方式にて焦点検出を行うものであり、図3に示
すように、観察画面内(ファインダ視野内)の複数の領
域(5箇所)を測距点として、該測距点が焦点検出可能
となるように構成されている。
【0046】7は撮影レンズ1の予定結像面に配置され
たピント板、8はファインダ光路変更用のペンタプリズ
ム、9,10は各々観察画面内の被写体輝度を測定する
ための結像レンズと測光センサである。結像レンズ9は
ペンタプリズム8内の反射光路を介してピント板7と測
光センサ10を共役に関係付けている。
【0047】次に、ペンタプリズム8の射出後方には光
分割器11aを備えた接眼レンズ11が配置され、撮影
者の眼15によるピント板7の観察に使用される。光分
割器11aは、例えば可視光を透過し赤外光を反射する
ダイクロイックミラーより成っている。
【0048】12は受光レンズ、14はCCD等の光電
変換素子列を二次元的に配したイメージセンサで、受光
レンズ12に関して所定の位置にある撮影者の眼球15
の瞳孔近傍と共役になるように配置されている。13a
〜13fは各々照明光源であるところの赤外発光ダイオ
ードで、図2(B)に示すように接眼レンズ11の回り
に配置されている。
【0049】21は明るい被写体の中でも視認できる高
輝度のスーパーインポーズ用LEDで、ここから発光さ
れた光は投光用プリズム22を介し、主ミラー2で反射
されてピント板7の表示部に設けた微小プリズムアレイ
7aで垂直方向に曲げられ、ペンタプリズム8,接眼レ
ンズ11を通って撮影者の眼15に達する。
【0050】そこで、ピント板7の焦点検出領域に対応
する複数の位置(測距点)にこの微小プリズムアレイ7
aを枠状に形成し、これを各々に対応した5つのスーパ
ーインポーズ用LED21(各々をLED−L1,LE
D−L2,LED−C,LED−R1,LED−R2と
する)によって照明する。
【0051】これによって図3に示したファインダ視野
から分かるように、各々の測距点マーク200,20
1,202,203,204がファインダ視野内で光
り、焦点検出領域(測距点)を表示させることができる
ものである(以下、これをスーパーインポーズ表示とい
う)。
【0052】ここで、左右端の測距点マーク200,2
04の内部には、ドットマーク205,206が刻印さ
れており、これは後述するように眼球の個人差による視
線の検出誤差を補正するための視線補正データを採集す
る、つまりキャリブレーションの際の視標を成すもので
ある。
【0053】23はファインダ視野領域を形成する視野
マスク、24はファインダ視野外に撮影情報を表示する
ためのファインダ内LCDで、照明用LED(F−LE
D)25によって照明される。
【0054】ファインダ内LCD24を透過した光は三
角プリズム26によってファインダ視野内に導かれ、図
3の207で示したようにファインダ視野外に表示さ
れ、撮影者は撮影情報を知ることができる。27はカメ
ラの姿勢を検知する為の公知の水銀スイッチである。
【0055】31は撮影レンズ1内に設けた絞り、32
は後述する絞り駆動回路111を含む絞り駆動装置、3
3はレンズ駆動用モータ、34は駆動ギヤ等から成るレ
ンズ駆動部材である。35はフォトカプラで、前記レン
ズ駆動部材34に連動するパルス板36の回転を検知し
てレンズ焦点調節回路110に伝えている。焦点調節回
路110は、この情報とカメラ側からのレンズ駆動量の
情報に基づいて前記レンズ駆動用モータ33を所定量駆
動させ、撮影レンズ1を合焦位置に移動させるようにな
っている。37は公知のカメラとレンズとのインターフ
ェイスとなるマウント接点である。
【0056】図2において、41はレリーズ釦、42は
外部モニタ表示装置としてのモニタ用LCDで、予め決
められたパターンを表示する固定セグメント表示部42
aと、可変数値表示用の7セグメント表示部42bとか
ら成っている。43は測光値を保持するAEロック釦、
44はモードダイヤルで、撮影モード等の選択を行うた
めのものである。55は指標、60はキャリブレーショ
ンをリセットする為のCALリセット釦である。他の操
作部材については本発明とは直接関係ないので、その説
明は省略する。
【0057】図4(A),(B)は前記モードダイヤル
44の構成を示す図であり、カメラ本体に刻印された指
標55に表示を合わせることによって、その表示内容で
撮影モードが設定される。
【0058】図4(A)において、44aはカメラを不
作動とするロックポジション、44bはカメラが予め設
定した撮影プログラムによって制御される自動撮影モー
ドのポジション、44cは撮影者が撮影内容を設定でき
るマニュアル撮影モードで、プログラムAE,シャッタ
優先AE,絞り優先AE,被写体深度優先AE,マニュ
アル露出の各撮影モードをもっている。44dは後述す
る視線のキャリブレーションを行うキャリブレーション
モードとなる「CAL」ポジションである。
【0059】図4(B)はモードダイヤル44の内部構
造を示したもので、46はフレキシブルプリント基板で
あり、モードダイヤルスイッチとしてのスイッチパター
ン(M1,M2,M3,M4)とGNDパターンが図示
されているように配置されており、モードダイヤル44
の回動に連動しているスイッチ接片47の4本の接片
(47a,47b,47c,47d)を摺動させること
によって、4ビットでモードダイヤル44で示した12
のポジションを設定可能としている。
【0060】再び図2に戻って、45は電子ダイヤル
で、回転してクリックパルスを発生させることによって
モードダイヤル44で選択されたモードの中でさらに選
択し得る設定値を選択するためのものである。例えば、
モードダイヤル44にてシャッタ優先の撮影モードを選
択すると、ファインダ内LCD24及びモニタ用LCD
42には、現在設定されているシャッタ速度が表示され
る。撮影者が電子ダイヤル45を回転させるとその回転
方向にしたがって現在設定されているシャッタ速度から
順次シャッタ速度が変化していくように構成されてい
る。
【0061】図5(A),(B)は上記電子ダイヤル4
5の内部構造を示した詳細図である。
【0062】同図では、電子ダイヤル45と共に回転す
るクリック板48が配置され、これにはプリント板49
が固定されている。プリント基板49にはスイッチパタ
ーン49a(SWDIAL−1),49b(SWDIA
L−2)とGNDパターン49cが図示されているよう
に配置され、3個の摺動接片50a,50b,50cを
持つスイッチ接片50が固定部材51に固定されてい
る。
【0063】クリック板48の外周部に形成されている
凹部48aに嵌り込むクリックボール52が配置され、
このボールを付勢しているコイルバネ53が固定部材5
1に保持されている。
【0064】又、通常位置(クリックボール52が凹部
48aに嵌り込んでいる状態)においては、摺動接片5
0a,50bはスイッチパターン49a,49bのどち
らにも接触していない。
【0065】このように形成されている電子ダイヤル4
5において、撮影者がダイヤルを図5において時計方向
に回転させると、まず摺動接点50aがスイッチパター
ン49aに接触し、その後で摺動接点50bがスイッチ
パターン49aに接触するようにして、このタイミング
で設定値をカウントアップさせる。反時計方向の回転の
場合は摺動接点とスイッチパターンとの関係はこれと丁
度反対となり、同様のタイミングで今度は設定値をカウ
ントダウンさせる。
【0066】図5(B)はこの様子を示したタイミング
チャートで、電子ダイヤル45を回転させたときにスイ
ッチパターン49aと49bに発生するパルス信号とそ
のタイミングを示している。上段は反時計方向に1クリ
ック回転させた場合を、下段は時計方向に回転させた場
合を示したもので、このようにしてカウントアップダウ
ンのタイミングと回転方向を検出している。
【0067】図6は上記構成の一眼レフカメラに内蔵さ
れた電気回路図の説明図であり、図1と同じ部分は同一
符号を付してある。
【0068】カメラ本体に内蔵されたマイクロコンピュ
ータの中央処理装置(CPU)100には、視線検出回
路101,測光回路102,自動焦点検出回路103,
信号入力回路104,LCD駆動回路105,LED駆
動回路106,IRED駆動回路107,シャッタ制御
回路108,モータ制御回路109,発音体112が接
続されている。また、撮影レンズ1内に配置された焦点
調節回路110,絞り駆動回路111とは、マウント接
点(レンズインターフェース)37を介して信号の伝達
がなされる。
【0069】CPU100に付随したEEPROM10
0aは記憶手段としての視線の個人差を補正する視線補
正データの記憶機能を有している。モードダイヤル44
の「CAL」ポジションを指標55に合せると、視線の
個人差の補正を行うためのキャリブレーションモードが
選択可能となり、各キャリブレーションデータに対応し
たキャリブレーションナンバーの選択及びキャリブレー
ション動作のOFF、且つ視線検出の禁止モードの設定
が電子ダイヤル45にて可能となっている。
【0070】キャリブレーションデータは複数設定可能
で、カメラを使用する人物で区別したり、同一の使用者
であっても観察の状態が異なる場合、例えば眼鏡を使用
する場合とそうでない場合、あるいは視度補正レンズを
使用する場合とそうでない場合とで区別して設定するの
に有効である。
【0071】又、この時選択されたキャリブレーション
ナンバーあるいは設定された視線禁止モードの状態も後
述するようにキャリブレーションデータナンバー(1,
2,3,……あるいは0)としてEEPROM100a
に記憶される。
【0072】前記視線検出回路101は、イメージセン
サ14(CCD−EYE)からの眼球像の信号をA/D
変換し、この像情報をCPU100に送信する。CPU
100は後述するように視線検出に必要な眼球像の各特
徴点を所定のアルゴリズムにしたがって抽出し、さらに
各特徴点の位置から撮影者の視線を算出する。
【0073】前記測光回路102は、測光センサ10か
らの信号を増幅後、対数圧縮,A/D変換し、各センサ
の輝度情報としてCPU100に送信する。測光センサ
10は、図3に示した、ファインダ視野内の左側測距点
200,201を含む左領域210を測光するSPC−
Lと、測距点202を含む中央領域211を測光するC
SPC−Cと、右側の測距点203,204を含む右側
領域212を測光するSPC−Rと、これらの周辺領域
213を測光するSPC−Aの、4つの領域を測光する
フォトダイオードから構成されている。
【0074】ラインセンサ6fは、前述の図3に示すよ
うに、画面内の5つの測距点200〜204に対応した
5組のラインセンサCCD−L2,CCD−L1,CC
D−C,CCD−R1,CCD−R2から構成される公
知のCCDラインセンサである。
【0075】前記自動焦点検出回路103は、上記のラ
インセンサ6fから得た電圧をA/D変換し、CPU1
00に送る。
【0076】SW−1はレリーズ釦41の第1ストロー
クでONし、測光,AF,視線検出動作等を開始させる
為のスイッチ、SW−2はレリーズ釦の第2ストローク
でONするレリーズスイッチ、SW−ANGは図1に示
した水銀スイッチ27によって検知されるところの姿勢
検知スイッチ、SW−AELはAEロック釦43を押す
ことによってONするAEロックスイッチ、SW−DI
AL1とSW−DIAL2は、既に説明した電子ダイヤ
ル45内に設けられたダイヤルスイッチで、信号入力回
路104のアップダウンカウンタに入力され、電子ダイ
ヤル45の回転クリック量をカウントする。SW−M1
〜M4も既に説明したモードダイヤル44内に設けたダ
イヤルスイッチである。SW−CRSTはCALリセッ
ト釦60を押すことによってONするスイッチである。
【0077】これらスイッチの状態信号が信号入力回路
104に入力され、データバスによってCPU100に
送信される。
【0078】前記LCD駆動回路105は、液晶表示素
子LCDを表示駆動させるための公知の構成よりなるも
ので、CPU100からの信号にしたがい、絞り値,シ
ャッタ秒時,設定した撮影モード等の表示をモニタ用L
CD42とファインダ内LCD24の両方に同時に表示
させることができる。
【0079】前記LED駆動回路106は、照明用LE
D(F−LED)25とスーパーインポーズ用LED2
1を点灯,点滅制御する。
【0080】前記IRED駆動回路107は、赤外発光
ダイオード(IRED1〜6)13a〜13fを状況に
応じて選択的に点灯させる。
【0081】前記シャッタ制御回路108は、通電する
と先幕を走行させるマグネットMG−1と、後幕を走行
させるマグネットMG−2を制御し、感光部材に所定光
量を露光させる。
【0082】前記モータ制御回路109は、フィルムの
巻き上げ、巻き戻しを行うモータM1と主ミラー2及び
シャッタ4のチャージを行うモータM2を制御するため
のものである。
【0083】上記シャッタ制御回路108とモータ制御
回路109によって一連のカメラのレリーズシーケンス
が動作する。
【0084】上記信号入力回路104は、CPU100
を初めとする電気回路の電源の制御の役割も持つ。即
ち、該信号入力回路104は、LCD駆動回路105と
共に常に電源の供給を受けているが、消費電流は微少で
ある。この時、CPU100を初めとする消費電流の多
い他の回路は電源の供給を受けていない。そして、撮影
者がカメラのモードダイヤル44又はレリーズ釦などの
操作部材を操作し、複数のスイッチのうち一つでも状態
が変化すると、該信号入力回路104はCNT信号によ
り、DC−DCコンバータ120を起動させる。該DC
−DCコンバータ120は起動すると、CPU100や
その他の電気回路に電源を供給する。信号入力回路10
4は、この時同時に、RESET信号により、CPU1
00を動作せしめる。CPU100は後述する所定の動
作を行った後、信号入力回路104に対して電源OFF
の命令を下し、信号入力回路104はCNT信号でDC
−DCコンバータ120を休止状態にし、RESET信
号でCPU100にリセットをかけ、電気回路全体の低
消費電力モードにならしめる。
【0085】また、信号入力回路104は既存のRSフ
リップフロップなどの回路で、電池を入れた時に「1」
になり、CPU100が一度スイッチなどの信号を読み
に行くと「0」になる出力回路を内蔵しており、CPU
100はこの出力回路を読み取ることで、電池を入れた
ばかりか否かの判断が可能となっている。
【0086】図7(A),(B)は、図2,図3に示し
たモニタ用LCD42とファインダ内LCD24の全表
示セグメントの内容を示したものである。
【0087】図7(A)において、固定セグメント表示
部42aには、公知の撮影モード表示以外に、視線検出
を行ってカメラのAF動作や撮影モードの選択などの撮
影動作を視線情報を用いて制御していることを示す視線
入力モード表示61を設けている。可変数値表示用の7
セグメント表示部42bは、シャッタ秒時を表示する4
桁の7セグメント部62,絞り値を表示する2桁7セグ
メント部63と小数点64,フィルム枚数を表示する限
定数値表示セグメント部65と1桁の7セグメント部6
6で構成されている。その他の説明は省略する。
【0088】図7(B)において、71は手ブレ警告マ
ーク、72はAEロックマーク、73,74,75は前
記のシャッタ秒時表示と絞り値表示と同一の表示用セグ
メント部、76は露出補正設定マーク、77はストロボ
充電完了マーク、78は視線入力状態であることを示す
視線入力マーク、79は撮影レンズ1の合焦状態を示す
合焦マークである。
【0089】次に、視線検出機能を有したカメラのキャ
リブレーションモードでない一般の撮影状態での動作に
ついて、図10,図11を用いて、図8及び図9のフロ
ーチャートにしたがって説明する(本実施例では、モー
ドダイヤル44によりシャッタ優先AEに設定されてい
る場合を想定している)。
【0090】先ず、モードダイヤル44が回転されるこ
とにより、信号入力回路104はDC−DCコンバータ
120を起動させ、CPU100のリセットを解除す
る。これにより、CPU100は、先ず信号入力回路1
04から各スイッチの状態を読み取り、CPU100内
のRAMにデータを格納する(ステップ98)。また、
後述するレリーズ割込みを禁止して、視線検出、焦点検
出、測光が終るまではレリーズ動作に移行しないように
している。前記格納したデータの中で、電源投入直後か
否かのデータ判別を行い(ステップ96)、もし電池投
入直後であればEEPROM100a内の個人差補正デ
ータ“1”〜“5”のどれかを使う意味のキャリブレー
ションナンバーのデータを“0”に書き換え(ステップ
97)、キャリブレーションナンバー“0”は視線禁止
モード(視線撮影禁止モード)の意味合いを持つステッ
プ98へ進む。また、電池投入力後でなければそのまま
ステップ98へ進み、レリーズ釦41が押し込まれてス
イッチSW1がONされているかどうかを判別する。ス
イッチSW1がONされていなければ、電源OFFの処
理(ステップ115)を来ない、低消費電力モードに移
行して、次にスイッチが変化するのを待つ。
【0091】レリーズ釦41が押し込まれスイッチSW
1がONされたことを信号入力回路104が検知する
と、CPU100は測光タイマを設定する(ステップ9
9)。これは、撮影者がカメラを操作する時に途中まで
設定したのにスイッチ変化が無くなって電源OFFした
りすると、最初から設定をやり直さなければならないの
で、ある程度の時間(例えば6秒)は電源をONさせて
おく(CPU100を動作状態にする)ためである。そ
して、CPU100は信号入力回路104より各種スイ
ッチの状態の読み出しを行い、前回と状態が変化してい
ないかを確認する(ステップ100)。ここで状態が変
化していれば(例えばシャッタ優先AEが絞り優先AE
に変わっている、電子ダイヤルがカウントアップされて
いるなど)、そのモードをRAMに記憶し、その後設定
(シャッタ速度、絞り値など)に関連させられる。ま
た、LCD駆動回路105による表示もこの時行う。
【0092】次に、スイッチSW1がONかを判別し
(ステップ101)、OFFであれば、測光タイマが終
了しているかどうかを判別し(ステップ114)、もう
既にタイマが終了していれば電源OFFの処理を行う
(ステップ115)。また、タイマが終了していないと
きは、ステップ114→100→101のループが形成
され、スイッチの変化を監視しながらスイッチSW1が
ONされるか、タイマが終了するかを待つ。
【0093】スイッチSW1がONになると、レンズイ
ンターフェース37よりレンズが装着されているか否か
を判別し(ステップ102)、装着されていなければ視
線検出、焦点検出などの動作(ステップ103〜11
0)は行わず、ステップ111へ進む。また、レンズが
装着されていれば、CPU100はEEPROM100
aのキャリブレーションナンバーデータを読み取り(ス
テップ103)、“0”であれば視線検出を行わないモ
ードなので、視線検出は実行せずに、すなわち視線情報
を用いずに測距点自動選択サブルーチンによって特定の
測距点を選択する(ステップ116)。この測距点にお
いて自動焦点検出回路103は焦点検出動作を行う(ス
テップ107)。
【0094】なお、測距点自動選択のアルゴリズムとし
ては幾つかの方法が考えられるが、本発明とは直接関係
ないので、ここではその説明は省略する。
【0095】キャリブレーションナンバーのデータが
“0”でなく、“1”〜“5”のデータであるとき、C
PU100はEEPROM100aよりキャリブレーシ
ョンデータに対応する、個人差補正データを読み込み、
視線検出回路101はそのキャリブレーションデータに
したがって視線検出を実行する(ステップ104)。
【0096】この時、キャリブレーションデータに対応
するナンバーにおいて、キャリブレーションが一度も実
行されていないときは、EEPROM100aには予め
万人の目の平均的な値(デフォルトデータ)が入ってお
り、キャリブレーションをして個人差補正データを活用
した時よりも検出精度は落ちるけれども、かなり高い確
率で視線の検出が行えるようになっている。
【0097】この実施例においてはモードダイヤル44
はシャッタ優先AEの位置にある場合を想定しているの
で、視線検出サブルーチン(ステップ104)によって
撮影者の視線位置を算出する。そして、視線検出回路1
01において検出された視線はピント板7上の注視点座
標に変換される。CPU100は該注視点座標に近接し
た測距点を選択し、LED駆動回路106に信号を送信
してスーパーインポーズ用LED21を用いて前記測距
点マークを点滅表示させる(ステップ105)。また、
CPU100はLCD駆動回路105を駆動し、ファイ
ンダ内LCD24の視線入力マーク78を点灯させるた
め、ファインダ画面外207で撮影者はカメラが視線検
出を行っている状態であることを確認することができる
(図10(A)参照)。又、7セグメント部73には設
定されたシャッタ秒時が表示される(実施例として1/
250秒のシャッタ優先AEの場合を示している)。
【0098】図10(A),(C)では一例として測距
点マーク201が選択された状態を示すものである。
又、この時CPU100は、視線検出回路101で検出
された注視点座標の信頼性が低い場合、その信頼性の度
合いに応じて選択される測距点の数を変えて表示するよ
うに信号を送信している。
【0099】図10(B)では、図10(A)の状態よ
りも注視点の信頼性が低く、測距点マーク201と20
2が選択されている状態を示している。
【0100】撮影者が視線によって選択された測距点の
表示を見て、その測距点が正しくないと認識してレリー
ズ釦41から手を離しスイッチSW1をOFFすると
(ステップ106)、前述のステップ114→100→
101のループが形成され、タイマが終了するか(ステ
ップ114)、又は、スイッチSW1がONされるまで
待機する(ステップ101)。
【0101】このように視線情報によって測距点が選択
されたことをファインダ視野内の測距点マークを点滅表
示させて撮影者に知らせるようになっているので、撮影
者は意志通りに選択されたかどうかを確認することがで
きる。
【0102】また、撮影者が視線によって選択された測
距点の表示を見て、引き続きスイッチSW1をONし続
けたならば(ステップ106)、自動焦点検出回路10
3は検出された視線情報を用いて1つ以上の測距点の焦
点検出を実行する(ステップ107)。
【0103】次に、選択された測距点が測距不能である
かを判定し(ステップ108)、不能であればCPU1
00はLCD駆動回路105に信号を送ってファインダ
内LCD24の合焦マーク79を図10(C)に示す様
に点滅させ、測距がNG(不能)であることを撮影者に
警告し(ステップ118)、スイッチSW1がOFFさ
れるまでこの動作を続ける(ステップ119)。
【0104】又、測距が可能であり、所定のアルゴリズ
ムで選択された測距点の焦点調節状態が合焦でなければ
(ステップ109)、CPU100はレンズ焦点調節回
路110に信号を送って所定量撮影レンズ1を駆動させ
る(ステップ117)。レンズ駆動後、自動焦点検出回
路103は再度焦点検出を行い(ステップ107)、撮
影レンズ1が合焦しているか否かの判定を行う(ステッ
プ109)。
【0105】所定の測距点において撮影レンズ1が合焦
していたならば、図11(A)に示す様に、CPU10
0はLCD駆動回路105に信号を送ってファインダ内
LCD24の合焦マーク79を点灯させるとともに、L
ED駆動回路106にも信号を送って合焦している測距
点201に合焦表示させる(ステップ110)。
【0106】この時、前記視線によって選択された測距
点の点滅表示は消灯するが、合焦表示される測距点と前
記視線によって選択された測距点とは一致する場合が多
いので、合焦したことを撮影者に認識させるために合焦
測距点は点灯状態に設定される。合焦した測距点がファ
インダ内に表示されたのを撮影者が見て、その測距点が
正しくないと認識してレリーズ釦41から手を離しスイ
ッチSW1をOFFすると(ステップ111)、引き続
きカメラはスイッチSW1がONされるまで待機する
(ステップ102)。
【0107】また、撮影者が合焦表示された測距点を見
て、引き続きスイッチSW1をONし続けたならば(ス
テップ111)、CPU100は測光回路102に信号
を送信して測光を行わせる(ステップ112)。この
時、合焦した測距点を含む測光領域210〜213に重
み付けを行った露出値が演算される。
【0108】本実施例の場合、測距点201を含む測光
領域210に重み付けされた公知の測光演算を行い、こ
の演算結果として7セグメント部74と小数点75を用
いて絞り値(F5.6 )を表示する(図11(A)参
照)。
【0109】ここで、レリーズ釦41が押し込まれてス
イッチSW1がONのままであれば、測光動作を行い
(ステップ112)、測光タイマが終了するまでステッ
プ100〜112の動作を繰り返し、スイッチSW2が
ONされてレリーズ割り込みが発生するのを待つ(ステ
ップ120)。
【0110】スイッチSW2がONし割り込みが発生す
ると(ステップ120)、CPU100はシャッタ制御
回路108,モータ制御回路109,絞り駆動回路11
1にそれぞれ信号を送信する。
【0111】つまり、まず、モータM2に通電し、主ミ
ラー2をアップさせ、絞り31を絞り込んだ後、マグネ
ットMG1に通電してシャッタ4の先幕を解放する。絞
り31の絞り値及びシャッタ4のシャッタ速度は、前記
測光回路102にて検知された露出値とフィルム5の感
度から決定される。所定のシャッタ速度(1/250
秒)経過後にマグネットMG2に通電し、シャッタ4の
後幕を閉じる。フィルム5への露光が終了すると、次に
モータM2に再度通電し、フィルムの駒送りを行い、一
連のシャッタレリーズシーケンスの動作が終了する(図
9のステップ151)。
【0112】レリーズ動作後、スイッチSW1がまだO
Nのままならば(ステップ152)、測光タイマを再設
定し(ステップ153)、ステップ100〜112の動
作を繰り返しながらタイマが終了するまでレリーズ割り
込みを待つ。スイッチSW1がOFFになっていると
(ステップ152)、測光タイマはOFFしてしまい
(ステップ154)、ステップ114を介して電源OF
Fの処理を行う(ステップ115)。
【0113】次に、上記ステップ104において行われ
る「視線検出」サブルーチンについて、図12,13を
用いて説明する。
【0114】前述のように視線検出回路101はCPU
100より信号を受け取ると視線検出を実行する(ステ
ップ104)。視線検出回路101は、撮影モードの中
での視線検出かあるいは視線のキャリブレーションモー
ドの中での視線検出かの判定を行う(ステップ20
1)。同時に、視線検出回路101はカメラが後述する
どのキャリブレーションデータナンバーに設定されてい
るかを認識する。
【0115】視線検出回路101は、撮影モードでの視
線検出の場合はまず最初にカメラがどのような姿勢にな
っているかを信号入力回路104を介して検知する(ス
テップ202)。信号入力回路104は水銀スイッチ2
7(SW−ANG)の出力信号を処理してカメラが横位
置であるか縦位置であるか、又縦位置である場合は例え
ばレリーズ釦41が天方向にあるか地(面)方向にある
かを判断する。続いてCPU100を介して測光回路1
02から撮影領域の明るさの情報を入手する(ステップ
203)。
【0116】次に、先に検知されたカメラの姿勢情報と
キャリブレーションデータに含まれる撮影者の眼鏡情報
より赤外発光ダイオード(以下IREDと記す)13a
〜13fの選択を行う(ステップ204)。すなわち、
カメラが横位置に構えられ、撮影者が眼鏡をかけていな
かったならば、図2(B)に示すファインダ光軸よりの
IRED13a、13bを選択する。
【0117】また、カメラが横位置で、撮影者が眼鏡を
かけていれば、ファインダ光軸から離れた13c,13
dのIREDを選択する。この時、撮影者の眼鏡で反射
した照明光の一部は、眼球像が投影されるイメージセン
サ14上の所定の領域以外に達するため、眼球像の解折
に支障は生じない。
【0118】更に、カメラが縦位置で構えられていたな
らば、撮影者の眼球を下方から照明するようなIRED
の組み合わせ、すなわち13a,13eもしくは13
b,13fのどちらかの組み合わせを選択することにな
る。
【0119】次に、イメージセンサ14(以下CCD−
EYEと記す)の蓄積時間及びIREDの照明パワーが
前記測光情報及び撮影者の眼鏡情報等に基づいて設定さ
れる(ステップ205)。該CCD−EYEの蓄積時間
及びIREDの照明パワーは前回の視線検出時に得られ
た眼球像のコントラスト等から判断された値を基にして
設定を行っても構わない。
【0120】CCD−EYEの蓄積時間及びIREDの
照明パワーが設定されると、CPU100はIRED駆
動回路107を介してIREDを所定のパワーで点灯さ
せるとともに、視線検出回路101はCCD−EYEの
蓄積を開始する(ステップ206)。
【0121】また、先に設定されたCCD−EYEの蓄
積時間にしたがってCCD−EYEは蓄積を終了し、そ
れとともにIREDは消灯される。そして、視線のキャ
リブレーションモードでなければ(ステップ207)、
CCD−EYEの読み出し領域が設定される(ステップ
208)。
【0122】カメラ本体の電源がONされた後の1番最
初の視線検出以外はCCD−EYEの読み出し領域は前
回の視線検出時のCCD−EYEの読み出し領域を基準
にして設定されるが、カメラの姿勢が変化したとき、あ
るいは眼鏡の有無が変化した場合等はCCD−EYEの
読み出し領域は全領域に設定される。
【0123】CCD−EYEの読み出し領域が設定され
ると、CCD−EYEの読み出しが実行される(ステッ
プ209)。この時、読み出し領域以外の領域は空読み
が行われ、実際上読み飛ばされていく。CCD−EYE
より読み出された像出力は視線検出回路101でA/D
変換された後にCPU100にメモリされ、該CPU1
00において眼球像の各特徴点の抽出のための演算が行
われる(ステップ210)。
【0124】即ち、CPU100において、眼球15の
照明に使用された一組のIREDの虚像であるプルキン
エ像の位置(xd′,yd′)、(xe′,ye′)が
検出される。プルキンエ像は光強度の強い輝度として現
れるため、光強度に対する所定のしきい値を設け、該し
きい値を越える光強度のものをプルキンエ像とすること
により検出可能である。
【0125】また、瞳孔19の中心位置(xc′,y
c′)は、瞳孔19と虹彩17の境界点を複数検出し、
各境界点を基に円の最小二乗近似を行うことにより算出
される。この時、瞳孔径rpも算出される。又、二つの
プルキンエ像の位置よりその間隔が算出される。
【0126】CPU100は眼球像の解折を行うととも
に、眼球像のコントラストを検出して、そのコントラス
トの程度からCCD−EYEの蓄積時間の再設定を行
う。
【0127】また、プルキンエ像の位置及び瞳孔19の
位置よりCCD−EYEの読み出し領域を設定する。こ
の時、CCD−EYEの読み出し領域は、検出された瞳
孔19を含み該瞳孔19の位置が所定量変化しても瞳孔
全体が検出可能な範囲に設定される。そしてその大きさ
は虹彩の大きさより小さいのはいうまでもない。
【0128】CCD−EYEの読み出し領域は長方形に
設定され、該長方形の対角の2点の座標がCCD−EY
Eの読み出し領域として視線検出回路101に記憶され
る。さらに眼球像のコントラストあるいは瞳孔19の大
きさ等から、算出されたプルキンエ像及び瞳孔中心の位
置の信頼性が判定される。
【0129】眼球像の解析が終了すると、キャリブレー
ションデータの確認手段を兼ねた視線検出回路101
は、算出されたプルキンエ像の間隔と点灯されたIRE
Dの組み合わせよりキャリブレーションデータの中の眼
鏡情報は正しいか否かの判定を行う(ステップ21
1)。これは、その時々において眼鏡を使用しなかった
りする撮影者に対処するためのものである。
【0130】即ち、キャリブレーションデータの中の撮
影者の眼鏡情報が例えば眼鏡を使用するように設定され
ていて、図2(B)に示したIREDの内13c、13
dが点灯された場合、プルキンエ像の間隔が所定の大き
さより大きければ撮影者は眼鏡装着者と認識され、眼鏡
情報が正しいと判定される。
【0131】逆に、プルキンエ像の間隔が所定の大きさ
より小さければ撮影者は裸眼あるいはコンタクトレンズ
装着者と認識され、眼鏡情報が誤っていると判定され
る。眼鏡情報が誤っていると判定されると(ステップ2
11)、視線検出回路101は眼鏡情報の変更を行って
(ステップ217)、再度IREDの選択を行い(ステ
ップ204)、視線検出を実行する。但し、眼鏡情報の
変更を行う際、CPU100のEEPROM100aに
記憶された眼鏡情報は変更されない。
【0132】また、眼鏡情報が正しいと判定されると
(ステップ211)、プルキンエ像の間隔よりカメラの
接眼レンズ11と撮影者の眼球15との距離が算出さ
れ、さらには該接眼レンズ11と撮影者の眼球15との
距離からCCD−EYEに投影された眼球像の結像倍率
βが算出される(ステップ212)。以上の計算値より
眼球15の光軸の回転角θは前述の(3)式を修正して θx≒ARCSIN{(xc′−(xp′+δx)/β/LOC}…(6) θy≒ARCSIN{(yc′−(yp′+δy)/β/LOC}…(7) と表される(ステップ213)。但し xp′≒(xd′+xe′)/2 yp′≒(yd′+ye′)/2 δx、δyは二つのプルキンエ像の中心位置を補正する
補正項である。
【0133】撮影者の眼球15の回転角θx、θyが求
まると、ピント板7上での視線の位置(x,y)は、前
述の(5)式を修正して x=m〔{θx−(cx*rp+dx)}/(ax*rp+bx)〕 ………………(8) y=m{θy−(cy*rp+dy)}/by) ………………(9) と求まる(ステップ214)。但し、ax,bx,by
は視線の個人差を補正するためのパラメータで、axは
キャリブレーションデータである。
【0134】また、水平方向(x方向)の眼球15の光
軸イと視軸との補正量に相当するbxは bx=kx*(rp−rx)+b0x ………………(10) と表され、撮影者の瞳孔径rpの関数である。ここで、
rxは定数で、b0xはキャリブレーションデータであ
る。
【0135】又、上記(10)式において瞳孔径rpに
かかる比例係数kxは明るさによってとる値が異なり、 rp≧rx の時 kx=0 rp<rx の時 kx={1−k0*k1*(θx+bx′) /|k0|}*k0 …………(11) と設定される。
【0136】即ち、比例係数kxは瞳孔径rpが所定の
明るさrx以上であれば「0」の値をとり、逆に瞳孔径
rpが所定の明るさrxよりも小さいならば、kxは眼
球15の光軸イの回転角θxの関数となる。
【0137】また、bx′は撮影者がファインダの略中
央を見ているときの視軸の補正量に相当するもので、 bx′=k0*(rp−rx)+b0x と表される。k0はキャリブレーションデータで、撮影
者がファインダの略中央を見ているときの明るさrpの
変化に対する視軸の補正量bxの変化の割合を表すもの
である。又、k1は所定の定数である。
【0138】また、垂直方向(y方向)の補正量に相当
するbyは by=ky*rp+b0y ………………(12) と表され、撮影者の瞳孔径rpの関数である。ここで、
ky,b0yはキャリブレーションデータである。上述
の視線のキャリブレーションデータを求める方法は後述
する。
【0139】また、視線のキャリブレーションデータの
信頼性に応じて、上記(8)〜(12)式を用いて算出
された視線の座標の信頼性が変更される。ピント板7上
の視線の座標が求まると視線検出を1度行ったことを示
すフラグ(n=1)をたて(ステップ215)、メイン
のルーチンに復帰する(ステップ218)。
【0140】また、図12,図13に示した視線検出の
フローチャートは、視線のキャリブレーションモードに
おいても有効である。すなわち、ステップ201におい
て、キャリブレーションモードの中での視線検出である
と判定すると、次に今回の視線検出がキャリブレーショ
ンモードの中での最初の視線検出であるか否かの判定を
行う(ステップ216)。
【0141】今回の視線検出がキャリブレーションモー
ドの中での最初の視線検出であると判定されると、CC
D−EYEの蓄積時間およびIREDの照明パワーを設
定するために周囲の明るさの測定が行われる(ステップ
203)。これ以降の動作は前述の通りである。
【0142】また、今回の視線検出がキャリブレーショ
ンモードの中で2回目以上の視線検出であると判定され
ると(ステップ216)、CCD−EYEの蓄積時間お
よびIREDの照明パワーは前回の値が採用され、直ち
にIREDの点灯とCCD−EYEの蓄積が開始される
(ステップ206)。
【0143】又、視線のキャリブレーションモードで、
かつ、視線検出回数が2回目以上の場合は(ステップ2
07)、CCD−EYEの読み出し領域は前回と同じ領
域が用いられる為、CCD−EYEの蓄積終了とともに
直ちにCCD−EYEの読み出しが実行される(ステッ
プ209)。これ以降の動作は前述の通りである。
【0144】尚、図12,図13に示した視線検出のフ
ローチャートにおいて、メインのルーチンに復帰する際
の変数は、通常の視線検出の場合視線のピント板上の座
標(x,y)であるが、視線のキャリブレーションモー
ドの中での視線検出の場合は、撮影者の眼球光軸の回転
角(θx,θy)である。また、他の変数である検出結
果の信頼性、CCD−EYE蓄積時間、CCD−EYE
読み出し領域等は共通である。
【0145】また、本実施例において、CCD−EYE
蓄積時間およびIREDの照明パワーを設定するため
に、カメラの測光センサ10にて検出された測光情報を
利用しているが、接眼レンズ11近傍に撮影者の前顔部
の明るさを検出する手段を新たに設けて、その値を利用
するのも有効である。
【0146】次に、キャリブレーションモード時の動作
について、図16乃至図21に示す視線のキャリブレー
ション時のファインダ内LCD24とモニタ用LCD4
2の表示状態を参照しながら、図14,図15を用いて
説明する。
【0147】キャリブレーションは撮影者が二つの視標
(図3のドットマーク205,206)、を注視したと
きの視線を検出することにより、瞳孔径rpに対応した
視線のキャリブレーションデータが算出される。
【0148】撮影者がモードダイヤル44を回転させて
「CAL」ポジション44dを指標55に合せると、C
PU100は、電源がONされリセットが解除される
と、信号入力回路104から各スイチの状態を読み取
る。ここでレリーズ割り込みは禁止され、以降キャリブ
レーションモードの時は、決してレリーズ動作にいかな
い(ステップ301)。次に、電池投入後かどうかを判
別し(ステップ302)、そうであればキャリブレーシ
ョンナンバーを“0”に書き換える(ステップ30
3)。
【0149】次に、信号入力回路104はCPU100
を介してLCD駆動回路105に信号を送信し、モニタ
用LCD42は後述する視線のキャリブレーションモー
ドのいずれかに入ったことを示す表示を行う(ステップ
304)。
【0150】ここで、図22はCPU100のEEPR
OM100aに記憶されるキャリブレーションデータの
種類とその初期値を示したものである。実際にCPU1
00のEEPROM100aに記憶されるのは図22の
太線にて囲った部分のデータで、現在設定されているキ
ャリブレーションデータナンバーと該ナンバーにて管理
されている複数のキャリブレーションデータである。こ
こでキャリブレーションデータナンバー“0”は視線検
出を禁止するためのモードである。
【0151】また、キャリブレーションデータナンバー
“1”〜“5”に対応したEEPROM100aのアド
レス上にはそれぞれに上述の視線のキャリブレーション
データが記憶されるようになっている(実際例において
は説明のためにデータを5つ記憶できるようにしている
が、勿論EEPROM100aの容量によっていかよう
にも設定できる)。
【0152】キャリブレーションデータの初期値は、標
準の眼球パラメータで視線が算出されるような値に設定
されている。さらに、撮影者が眼鏡を使用するか否か、
そしてキャリブレーションデータの信頼性の程度を表す
フラグも有している。眼鏡の有無を表すフラグの初期値
は、眼鏡を使用しているように「1」に設定され、ま
た、キャリブレーションデータの信頼性のフラグの初期
値は、信頼性が無いように「0」に設定されている。
【0153】また、モニタ用LCD42には図16
(A)に示すように現在設定されているキャリブレーシ
ョンモードを設定する。キャリブレーションモードはキ
ャリブレーション動作を行う“ON”モードとキャリブ
レーション動作を行わない“OFF”モードとがある。
【0154】まず、“ON”モードにおいては、キャリ
ブレーションデータナンバー“1”〜“5”と対応する
ようにキャリブレーションナンバー“CAL1”〜“C
AL5”が用意されており、シャッタ秒時を表示する7
セグメント部62と絞り値を表示する7セグメント部6
3を用いて表示され、そのほかの固定セグメント表示部
42aはすべて消灯している(実施例としてデータナン
バー“1”の状態を示し、この表示部のみを拡大して示
している)。
【0155】この時、設定されたキャリブレーションナ
ンバーのキャリブレーションデータが初期値の場合は、
モニタ用LCD42に表示されたキャリブレーションナ
ンバーが点滅し(図16(B)参照)、一方、設定され
たキャリブレーションナンバーに既に後述するキャリブ
レーションが行われ、キャリブレーションデータナンバ
ーに対応したEEPRPM100aのアドレス上に初期
値と異なるキャリブレーションデータナンバーが入って
いれば、モータ用LCD42に表示されたキャリブレー
ションナンバーがフル点灯するようになっている(図1
6(A)参照)。
【0156】その結果、撮影者は現在設定されている各
々キャリブレーションナンバーに既にキャリブレーショ
ンデータが入っているかどうかを認識できるようになっ
ている。またキャリブレーションデータナンバーの初期
値は“0”に設定されており、視線のキャリブレーショ
ンが実行されなければ視線による情報入力はなされない
ようになっている。
【0157】次に、“OFF”モードにおいては、7セ
グメント部63は“OFF”と表示されるようになって
おり(図16(C)参照)、常時キャリブレーションデ
ータナンバー“0”が選択され視線禁止モードに設定さ
れている。これは、例えば次のような撮影状況において
効果的に用いることができる。
【0158】1)太陽光のような強烈な光が眼球を照明
している場合や快晴の雪山や砂浜のように極端に明るい
シーンを覗いている場合など、視線検出が不能となる状
況 2)測距点以外の画面の周辺に主被写体がある場合や構
図設定のために背景をしばらくの間観察するような場合
など、撮影者の意志に反した制御や制御不能となる状況 3)記念撮影などで急に他の人に写真を撮ってもらうよ
うな時など、キャリブレーションデータが異なる為に視
線検出位置を誤ってしまい、誤動作する状況 などであり、この場合、視線検出を禁止し、視線情報を
用いずに撮影機能を制御する撮影モードを選択すること
が望ましい。
【0159】図14に戻り、続いてCPU100はキャ
リブレーションナンバーを判別する(ステップ30
5)。ここで、撮影者が電子ダイヤル45を回転させる
と、前述のようにパルス信号によってその回転を検知し
た信号入力回路104はCPU100を介してLCD駆
動回路105に信号を送信する。その結果、電子ダイヤ
ル45の回転に同期してモニタ用LCD42に表示され
たキャリブレーションナンバーが変化する。この様子を
図17に示す。
【0160】先ず、電子ダイヤル45を時計方向に回転
させると「CAL−1」→「CAL−2」→「CAL−
3」→「CAL−4」→「CAL−5」と変化し、後述
のキャリブレーション操作で撮影者は希望する5つのキ
ャリブレーションナンバーのいずれかにキャリブレーシ
ョンデータを記憶させることができる。
【0161】そして、図17に示した状態は「CAL−
1,CAL−2,CAL−3」には既にキャリブレーシ
ョンデータが入っており、「CAL−4,CAL−5」
には入っておらず初期値のままであることを表してい
る。
【0162】次に、さらに時計方向に1クリック回転さ
せると“OFF”表示となり、視線禁止モードとなる。
さらに1クリック回転させると「CAL−1」に戻り、
以上のようにサイクリックにキャリブレーションナンバ
ーを表示する。反時計方向に回転させた場合は図17の
方向と正反対に表示する。
【0163】このようにしてモニタ用LCD42に表示
されるキャリブレーションナンバーを見ながら撮影者が
所望のキャリブレーションナンバーを選択したら、前述
したように視線検出回路101はこれに対応するキャリ
ブレーションデータナンバーの確認を信号入力回路10
4を介して行う(ステップ305)。確認されたキャリ
ブレーションデータナンバーはCPU100のEEPR
OM100aに記憶される。このキャリブレーションデ
ータナンバーは通常撮影時に、どのキャリブレーション
データの個人差補正データを使用するかを決めるデータ
となる。
【0164】但し、確認されたキャリブレーションデー
タナンバーが変更されていなければEEPROM100
aへのキャリブレーションデータナンバーの記憶は実行
されない。ここで、キャリブレーションデータナンバー
が“0”であれば、キャリブレーションは行われないの
でステップ341へと進み、電源OFFの処理を行う。
【0165】キャリブレーションナンバーが“1”から
“5”のいずれかに設定してあれば、キャリブレーショ
ン動作を行う。この時、撮影者がキャリブレーションの
途中でカメラを放置しておいて、電源がONのままとな
って、電池の消耗が早くなるのを防ぐために、キャリブ
レーションタイマの設定を行う(ステップ306)。こ
のタイマは、通常撮影時の測光タイマよりも長く設定し
てある。これはキャリブレーション動作が撮影者にとっ
て慣れていないために、まごまごしているうちにタイマ
が終了するのを防ぐためである。
【0166】キャリブレーションデータナンバーが
“0”以外の値に設定されていれば(ステップ30
6)、引き続きCPU100は信号入力回路104を介
してカメラの姿勢を検知する(ステップ307)。信号
入力回路104は水銀スイッチ27の出力信号を処理し
てカメラが横位置であるか縦位置であるか、また縦位置
である場合は例えばレリーズ釦41が天方向にあるか地
(面)方向にあるかを判断する。
【0167】カメラは一般に横位置での使用が多いた
め、視線のキャリブレーションを行うためのハード構成
もカメラを横位置に構えたときにキャリブレーション可
能なように設定されている。そのため、視線検出回路1
01はカメラの姿勢が横位置でないことをCPU100
より通信されると、先ずカメラの姿勢が縦位置であるこ
とから視線のキャリブレーションができないことを撮影
者に警告するために、図20(A)に示すようにカメラ
のファインダ内に設けられたファインダ内LCD24に
「CAL」表示を点滅させる。この時、不図示の発音体
によって警告音を発しても構わない。そして、キャリブ
レーションタイマが終了していれば(ステップ30
8)、電源OFFの処理を行う(ステップ341)。
【0168】一方、カメラの姿勢が横位置であることが
検知されると(ステップ307)、視線検出回路101
は視線検出回数nを「0」に設定する(ステップ30
9)。この時、ファインダ内LCD24においては「C
AL」表示が点滅していたらその点滅を注視する。
【0169】撮影者が視線のキャリブレーションを行う
準備が整う以前にカメラ側でキャリブレーションを開始
するのを防ぐために、視線検出回路101はスイッチS
W1の状態の確認を行い、スイッチSW1がレリーズ釦
41によって押されていてON状態であれば、スイッチ
SW1がOFF状態になるまで待機する(ステップ31
0)。
【0170】視線検出回路101は信号入力回路104
を介してスイッチSW1がOFF状態であることを確認
すると(ステップ310)、LED駆動回路106に信
号を送信して視線のキャリブレーション用の視標を点滅
させる(ステップ311)。視線のキャリブレーション
用の視標は以下に述べるキャリブレーション動作をスー
パーインポーズ表示に導かれて、撮影者がスムーズに行
えるように測距点マークを一部兼用しており、まず最初
は右端の測距点マーク204とドットマーク206が点
滅する(図18(A)参照)。
【0171】そして、視線のキャリブレーションの開始
のトリガ信号であるスイッチSW1のON信号が入って
いなければカメラは待機する(ステップ312)。
【0172】この時、撮影者がAEロック釦43とCA
Lリセット釦60を同時に押すと(ステップ313)、
キャリブレーションデータをリセットするという操作と
なる。これは、あるキャリブレーションナンバーにおい
てキャリブレーションを行い、個人差補正データをEE
PROM100aに格納したとき、元々あったデフォル
トのデータは別のアドレスに格納してあるため、このリ
セット動作で再び個人差補正データがデフォルトに戻る
ようにしたものである(ステップ314)。
【0173】つまり、カメラを人にちょっと貸して撮っ
てもらう時など、キャリブレーションをわざわざやって
もらうのが大変なので、デフォルトで視線入力してもら
った方が都合が良いであろう。そういう時のためにある
機能である。
【0174】そして、キャリブレーションタイマが終了
していれば(ステップ315)、電源OFFの処理(ス
テップ341)を行い、まだタイマが終了していないと
きは、スイッチSW1がONされるのをステップ312
→313→314→315のループの中で待つ。
【0175】また、点滅を開始した視標を撮影者が注視
しレリーズ釦41を押してスイッチSW1をONしたら
(ステップ312)、視線検出回路101はLED駆動
回路106を介して視標1をフル点灯(図18(B)参
照)させる(ステップ316)。そして、キャリブレー
ションタイマを再設定し(ステップ317)、この時点
から一定時間、カメラが放置された場合に、省エネの為
に電源をOFFすることとする。そして、200msこ
こでウエイトを置いて(ステップ318)、視線検出が
実行される(ステップ319)。視線検出動作は図12
のフローチャートで説明した通りである。なお、前記ス
テップ317において200msのウエイトを置いたの
は、撮影者がキャリブレーションを行うのに慣れなくて
も、視標を注視する直前にレリーズ釦41を押してスイ
ッチSW1をONすると、注視する前の視標情報を取り
込んでしまい、正確な個人差補正データを算出できない
ことが考えられるからである。
【0176】ここで、図20(A)におけるこの右端の
測距点マーク204及び左端の測距点マーク200には
前述した様にドットマーク205,206が刻まれてお
り、これら2点の位置でキャリブレーションを行うこと
を示しており、どちらもスーパーインポーズ用LEDに
照明されて点灯、点滅、非点灯の表示をすることができ
るようになっている。また測距点マークは焦点検出の領
域を示すものであるから、その領域に相当するエリアの
表示が必要である。
【0177】しかし、精度良くキャリブレーションを行
うためには撮影者にできるだけ1点を注視してもらうこ
とが必要であり、このドットマーク205、206は容
易に1点を注視できるように測距点マークよりも小さく
設けたものである。視線検出回路101は視線検出のサ
ブルーチンからの変数である眼球の回転角θx,θy、
瞳孔径rp及び各データの信頼性を記憶する(ステップ
320)。
【0178】さらに、視線検出回数nをカウントアップ
する(ステップ321)。撮影者の視線は多少ばらつき
があるため正確な視線のキャリブレーションデータを得
るためには1点の視標に対して複数回の視線検出を実行
してその平均値を利用するのが有効である。本実施例に
おいては、1点の視標に対する視線検出回数は5回と設
定されている。視線検出回数nが10回でなければ(ス
テップ322)、視線検出が続行される(ステップ31
6)。
【0179】視線検出回数nが10回であれば、視標1
(測距点マーク204、ドットマーク206)に対する
視線検出を終了する。視標1に対する視線検出が終了し
たことを撮影者に認識させるために、視線検出回路10
1はCPU100を介して不図示の発音体を用いて電子
音を数回鳴らさせる。同時に、視線検出回路101はL
ED駆動回路106を介して視標1を消灯(ステップ3
23)させる(図18(B)参照)。
【0180】引き続き、視線検出回路101は信号入力
回路104を介してスイッチSW1がOFF状態になっ
ているかどうかの確認を行う(ステップ324)。スイ
ッチSW1がON状態であればOFF状態になるまで待
機し、スイッチSW1がOFF状態であれば、左端の視
標2(測距点マーク200、ドットマーク205)が点
滅を開始(ステップ325)する(図19(A)参
照)。
【0181】視線検出回路101は再度信号入力回路1
04を介してスイッチSW1がON状態になっているか
どうかの確認を行う(ステップ326)。スイッチSW
1がOFF状態で、且つ、キャリブレーションタイマが
終了していれば(ステップ327)、電源OFFの処理
を行う(ステップ341)。またタイマが継続中であれ
ばスイッチSW1がONされるまで待機し、スイッチS
W1がONされたら、視標1の時と同様に、先ずLED
駆動回路106で視標2をフル点灯(図19(B)参
照)させ(ステップ328)、キャリブレーションタイ
マを再設定し(ステップ329)、200msのウエイ
トを置く(ステップ330)。そして、視線検出を実行
する(ステップ331)。
【0182】視線検出回路101は視線検出のサブルー
チンからの変数である眼球の回転角θx,θy、瞳孔径
rp及び各データの信頼性を記憶する(ステップ33
2)。さらに視線検出回数nをカウントアップする(ス
テップ333)。さらに視線検出回数nが20回でなけ
れば(ステップ334)、視線検出が続行される(ステ
ップ331)。視線検出回数nが20回であれば視標2
に対する視線検出を終了する。視標2に対する視線検出
が終了したことを撮影者に認識させるために視線検出回
路101はCPU100を介して不図示の発音体を用い
て電子音を数回鳴らさせる。同時に視線検出回路101
はLED駆動回路106を介して視標2を消灯(ステッ
プ335)させる。
【0183】そして、視線検出回数が20回となったと
ころで、視線検出回路101に記憶された眼球の回転角
θx、θy、瞳孔径rpより視線のキャリブレーション
データが算出される(ステップ336)視線のキャリブ
レーションデータの算出方法は以下の通りである。
【0184】ピント板7上の視標1、視標2の座標をそ
れぞれ(x1,0)、(x2,0)、視線検出回路10
1に記憶された各視標を注視したときの眼球の回転角
(θx,θy)の平均値(θx1,θy1)、(θx
2,θy2)、瞳孔径の平均値をr1,r2とする。但
し、(θx1,θy1)は撮影者が視標1を注視したと
きに検出された眼球の回転角の平均値、(θx2,θy
2)は撮影者が視標2を注視したときに検出された眼球
の回転角の平均値を表している。
【0185】水平方向(x方向)の視線のキャリブレー
ションデータ(ax,bx,cx,dx)は ・ax=0 ・bx=m(θx1−θx2)/(x1−x2) ・cx=0 ・dx=(θx1+θx2)/2 と算出される。
【0186】又、垂直方向(x方向)の視線のキャリブ
レーションデータ(by,cy,dy)は ・by=bx ・cy=0 ・dy=θy=(θy1+θy2)/2 と算出される。
【0187】また、キャリブレーションデータの信頼性
の判定手段を兼ねた視線検出回路101は、算出された
視線のキャリブレーションデータが適正か否かの判定を
行う(ステップ337)。判定は視線検出サブルーチン
から変数である眼球の回転角及び瞳孔径の信頼性と算出
された視線のキャリブレーションデータ自身を用いて行
われる。
【0188】即ち、「視線検出」サブルーチンにて検出
された眼球の回転角及び瞳孔径の信頼性がない場合は、
算出された視線のキャリブレーションデータも信頼性が
ないと判定する。又、視線検出サブルーチンにて検出さ
れた眼球の回転角及び瞳孔径の信頼性がある場合、算出
された視線のキャリブレーションデータが一般的な個人
差の範囲に入っていれば適正と判定し、一方、算出され
た視線のキャリブレーションデータが一般的な個人差の
範囲から大きく逸脱していれば、算出された視線のキャ
リブレーションデータは不適性と判定する。
【0189】また、視線検出回路101は算出された視
線のキャリブレーションデータが適正か否かの判定を行
うだけでなく、算出された視線のキャリブレーションデ
ータがどの程度信頼性があるかも判定する。信頼性の度
合いは視線検出サブルーチンにて検出された眼球の回転
角及び瞳孔径の信頼性等に依存しているのは言うまでも
ない。視線のキャリブレーションデータの信頼性はその
程度に応じて2ビットに数値化されて後述するようにC
PU100のEEPROM100aに記憶される。
【0190】算出された視線のキャリブレーションデー
タが不適正と判定されると(ステップ337)、視線検
出回路101はCPU100を介して不図示の発音体を
用いて検出時とは異なる電子音を所定時間鳴らし、視線
のキャリブレーションが失敗したことを警告する。同時
に、LCD駆動回路105に信号を送信しファインダ内
LCD24及びモニタ用LCD42に「CAL」表示を
点滅させて警告する(ステップ344)(図20
(A),図21(A)参照)。
【0191】そして、電源OFFの処理を行う(ステッ
プ341)。
【0192】また、算出された視線のキャリブレーショ
ンデータが適正であれば(ステップ337)、視線検出
回路101はLCD駆動回路105、LED駆動回路1
06を介して視線のキャリブレーションの終了表示を行
う(ステップ338)。
【0193】LED駆動回路106はスーパーインポー
ズ用LED21に通電し、視標1,視標2を数回点滅さ
せるとともに、LCD駆動回路105はLCD24,4
2に信号を送信して「EndーキャリブレーションN
o」の表示を所定時間実行するようになっている(図2
0(B),図21(B)参照)。
【0194】視線検出回路101は視線検出回数nを
「1」に設定し(ステップ339)、さらに算出された
視線のキャリブレーションデータ、撮影者の眼鏡情報及
び算出された視線のキャリブレーションデータの信頼性
を現在設定されているキャリブレーションデータナンバ
ーに相当するEEPROM100aのアドレス上に記憶
する(ステップ340)。この時、記憶を行おうとする
EEPROM100aのアドレス上に既に視線のキャリ
ブレーションデータが記憶されている場合はキャリブレ
ーションデータの更新を行う。
【0195】また、デフォルトデータが記憶されている
場合は、そのデフォルトデータは別のアドレスに記憶し
ておき、前述した様にキャリブレーションのリセット作
業により、再度デフォルトデータを呼び出せるようにな
っている。
【0196】キャリブレーションデータを記憶すると、
電源OFFの処理を行う(ステップ341)。
【0197】このように、キャリブレーションモードの
ときは、レリーズ割込みが禁止のままなので、レリーズ
は決して行われない。
【0198】以上の実施例によれば、以下のような効果
を有している。
【0199】1)初めてカメラを使う場合(電池投入直
後)は、視線禁止モードに設定するようにしている為、
キャリブレーションなどの難しい操作は必要でなく、視
線検出機能は抜きではあるが、カメラに慣れ親しむこと
ができ、徐々に視線検出機能の操作に慣れていくことの
できる使い易いカメラを実現できる。
【0200】2)視線検出を動作させたときに、キャリ
ブレーションというやや面倒な操作をしなくても、予め
万人の眼の平均値として予め記憶されているデフォルト
データ用いるようにしている為、ある程度視線検出が正
確に出来るため、すぐに視線検出に慣れることができ、
次のキャリブレーションをやるのもスムーズになり、使
い易いカメラを実現できる。
【0201】3)キャリブレーション時には、スイッチ
SW1のON後一定時間(実施例では200ms)を置
いてイメージセンサに投影される眼球像を取り込み、演
算により個人差補正データを求める構成にしている為、
キャリブレーションに不慣れなための失敗がなくなり、
常に該キャリブレーションを正確にできるようになり、
視線検出の精度の上がったカメラを実現できる。
【0202】4)キャリブレーション時にはレリーズ動
作への移行は決して行われないようにしている為、誤っ
て露光動作に入り、失敗写真を撮ってしまったり、不愉
快な印象を与えることも無くなり、使い易いカメラを実
現できる。
【0203】5)キャリブレーション時には、キャリブ
レーションタイマが作動する構成としている為、間違っ
て電池の消耗が早くなることがなくなり、消費電力の少
ない使い易いカメラとすることができる。
【0204】6)キャリブレーションデータのリセット
機能により、デフォルトデータで視線検出ができるの
で、他人にちょっとカメラを貸して撮ってもらう時など
に有効な使い易いカメラとすることができる。
【0205】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
初期状態時には、視線禁止撮影モードを設定する撮影モ
ード設定手段を設け、電源が投入された初期状態には、
自動的に視線禁止撮影モードを設定するようにしてい
る。
【0206】よって、初めてカメラを使う場合、視線補
正を行う為の比較的面倒な操作を行うことなく撮影を可
能とし、徐々に視線検出機能を活用した撮影へと慣れ親
しませることができる。
【0207】また、本発明によれば、一般的な個人差補
正データを記憶した第2の記憶手段と、視線撮影モード
での初期状態時には、視線検出手段からの視線情報と前
記第2の記憶手段にて記憶された補正データに基づいて
撮影機能を制御し、以後は、視線検出手段からの視線情
報と視線補正手段にて算出された補正データを記憶した
第1の記憶手段にて記憶された補正データに基づいて撮
影機能を制御する制御手段とを設け、また、一般的な個
人差補正データを記憶した第2の記憶手段と、個人差補
正データを一般的な値に戻す為のリセット手段と、視線
撮影モードにおいて前記リセット手段が操作された場合
には、視線検出手段からの視線情報と前記第2の記憶手
段にて記憶された補正データに基づいて撮影機能を制御
し、前記リセット手段が操作されなかった場合には、視
線検出手段からの視線情報と第1の記憶手段にて記憶さ
れた補正データに基づいて撮影機能を制御する制御手段
とを設け、視線補正動作を行う以前やリセット手段の操
作がなされた場合には、個人差補正データは一般的な値
(デフォルトデータ)を用いるようにしている。
【0208】よって、視線補正を行う為の比較的面倒な
操作を行わなくても、ある程度正確な視線検出機能を活
用した撮影を行うことが可能となる。
【0209】また、本発明は、視線補正手段による視線
補正動作を開始させる為の操作部材の操作が行われてか
ら所定時間経過後に、視線補正動作を開始する視線補正
手段を設け、操作部材の操作から所定時間をおいて個人
差補正データを算出する視線補正動作を行うようにして
いる。
【0210】よって、視線補正を行う為の操作になれて
いなくとも、その操作を正確に行うことが可能となる。
【0211】また、本発明は、視線補正手段による視線
補正動作を開始させる為の操作部材の操作がなされ、視
線補正手段による視線補正動作中は、レリーズ操作がな
されたとしても露光動作への移行を禁止する露光禁止手
段を設け、視線補正動作中は露光動作への移行を禁止す
るようにしている。
【0212】よって、視線補正動作中に誤って露光動作
が実行され、失敗写真と撮ってしまうといったことを防
止することが可能となる。
【0213】また、本発明は、視線補正手段による視線
補正動作開始によりスタートし、視線補正動作に際して
用いられる操作部材の操作が所定時間操作されない場合
には、電源を切る電源制御手段を設け、所定時間、視線
補正動作に際して用いられる操作部材が何ら操作されな
かった場合には、自動的に電源を切るようにしている。
【0214】よって、視線補正動作において、不用意に
電池の消耗を招くことを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を一眼レフカメラに適用した一実施例の
要部構成図である。
【図2】図1の一眼レフカメラの上面及び背面を示した
図である。
【図3】図1のファインダ視野内について説明するため
の図である。
【図4】図2のモードダイヤルについて説明するための
図である。
【図5】図2の電子ダイヤルについて説明するための図
である。
【図6】図1の一眼レフカメラの要部構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】本実施例におけるモニタ用LCD及びファイン
ダ内LCDの全点灯状態を示す図である。
【図8】図1の一眼レフカメラの一連の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図9】図8の動作中においてレリーズ割込みがなされ
た時の動作を示すフローチャートである。
【図10】図8の動作説明を助けるためのファインダ内
LCDでの表示を示す図である。
【図11】同じく図8の動作説明を助けるためのファイ
ンダ内LCDでの表示を示す図である。
【図12】図8の「視線検出」の動作の一部を示すフロ
ーチャートである。
【図13】図12の動作の続きを示すフローチャートで
ある。
【図14】図1の一眼レフカメラのキャリブレーション
モード時の動作の一部を示すフローチャートである。
【図15】図14の動作の続きを示すフローチャートで
ある。
【図16】本実施例におけるキャリブレーションナンバ
ー設定時のモニタ用LCDでの表示を示す図である。
【図17】同じく本実施例におけるキャリブレーション
ナンバー設定時のモニタ用LCDでの表示を示す図であ
る。
【図18】図14及び図15の動作説明を助けるための
ファインダ内LCDでの表示を示す図である。
【図19】同じく図14及び図15の動作説明を助ける
ためのファインダ内LCDでの表示を示す図である。
【図20】同じく図14及び図15の動作説明を助ける
ためのファインダ内LCDでの表示を示す図である。
【図21】同じく図14及び図15の動作説明を助ける
ためのファインダ内LCDでの表示を示す図である。
【図22】本実施例におけるキャリブレーションの種類
と初期値について説明するための図である。
【図23】一般的な視線検出方法について説明するため
の図である。
【図24】同じく一般的な視線検出方法について説明す
るための図である。
【符号の説明】
6f,14 イメージセンサ 13 IRED(赤外発光ダイオード) 15 眼球 24 ファインダ内LCD 42 モニタ用LCD 44 モードダイヤル 45 電子ダイヤル 61 視線入力モード表示 78 視線入力マーク 100 CPU 101 視線検出回路 103 焦点検出装置 105 LCD駆動回路 200〜204 測距点マーク 205,206 ドットマーク
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03B 13/02 7139−2K 7316−2K G03B 3/00 A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファインダ視野内を覗く撮影者の眼球の
    光軸の回転角を検出し、該回転角から撮影者の視線を検
    出する視線検出手段と、眼球の個人差による前記視線検
    出手段で得られる視線の検出誤差を補正する為のデータ
    を算出する視線補正手段と、該視線補正手段にて算出さ
    れた補正データを記憶する記憶手段と、撮影時におい
    て、前記視線検出手段からの視線情報と前記記憶手段に
    て記憶された補正データに基づいて撮影機能を制御する
    視線撮影モードと前記視線情報及び補正データを用いず
    に撮影機能を制御する視線禁止撮影モードの何れかを設
    定する撮影モード設定手段とを備えた視線検出機能付光
    学装置において、前記撮影モード設定手段は、初期状態
    時には、視線禁止撮影モードを設定する手段であること
    を特徴とする視線検出機能付光学装置。
  2. 【請求項2】 ファインダ視野内を覗く撮影者の眼球の
    光軸の回転角を検出し、該回転角から撮影者の視線を検
    出する視線検出手段と、眼球の個人差による前記視線検
    出手段で得られる視線の検出誤差を補正する為のデータ
    を算出する視線補正手段と、該視線補正手段にて算出さ
    れた補正データを記憶する第1の記憶手段とを備えた視
    線検出機能付光学装置において、一般的な個人差補正デ
    ータを記憶した第2の記憶手段と、視線撮影モードでの
    初期状態時には、前記視線検出手段からの視線情報と前
    記第2の記憶手段にて記憶された補正データに基づいて
    撮影機能を制御し、以後は、前記視線検出手段からの視
    線情報と前記第1の記憶手段にて記憶された補正データ
    に基づいて撮影機能を制御する制御手段とを設けたこと
    を特徴とする視線検出機能付光学装置。
  3. 【請求項3】 ファインダ視野内を覗く撮影者の眼球の
    光軸の回転角を検出し、該回転角から撮影者の視線を検
    出する視線検出手段と、眼球の個人差による前記視線検
    出手段で得られる視線の検出誤差を補正する為のデータ
    を算出する視線補正手段と、該視線補正手段にて算出さ
    れた補正データを記憶する第1の記憶手段とを備えた視
    線検出機能付光学装置において、一般的な個人差補正デ
    ータを記憶した第2の記憶手段と、個人差補正データを
    一般的な値に戻す為のリセット手段と、視線撮影モード
    において前記リセット手段が操作された場合には、前記
    視線検出手段からの視線情報と前記第2の記憶手段にて
    記憶された補正データに基づいて撮影機能を制御し、前
    記リセット手段が操作されなかった場合には、前記視線
    検出手段からの視線情報と前記第1の記憶手段にて記憶
    された補正データに基づいて撮影機能を制御する制御手
    段とを設けたことを特徴とする視線検出機能付光学装
    置。
  4. 【請求項4】 ファインダ視野内を覗く撮影者の眼球の
    光軸の回転角を検出し、該回転角から撮影者の視線を検
    出する視線検出手段と、眼球の個人差による前記視線検
    出手段で得られる視線の検出誤差を補正する為のデータ
    を算出する視線補正手段と、該視線補正手段による視線
    補正動作を開始させる為の操作部材とを備えた視線検出
    機能付光学装置において、前記視線補正手段は、前記操
    作部材の操作が行われてから所定時間経過後にその動作
    を開始する手段であることを特徴とする視線検出機能付
    光学装置。
  5. 【請求項5】 ファインダ視野内を覗く撮影者の眼球の
    光軸の回転角を検出し、該回転角から撮影者の視線を検
    出する視線検出手段と、眼球の個人差による前記視線検
    出手段で得られる視線の検出誤差を補正する為のデータ
    を算出する視線補正手段と、該視線補正手段による視線
    補正動作を開始させる為の操作部材とを備えた視線検出
    機能付光学装置において、前記操作部材の操作がなさ
    れ、前記視線補正手段による視線補正動作中は、レリー
    ズ操作がなされたとしても露光動作への移行を禁止する
    露光禁止手段を設けたことを特徴とする視線検出機能付
    光学装置。
  6. 【請求項6】 ファインダ視野内を覗く撮影者の眼球の
    光軸の回転角を検出し、該回転角から撮影者の視線を検
    出する視線検出手段と、眼球の個人差による前記視線検
    出手段で得られる視線の検出誤差を補正する為のデータ
    を算出する視線補正手段と、該視線補正手段による視線
    補正動作に際して用いられる操作部材とを備えた視線検
    出機能付光学装置において、前記視線補正手段による視
    線補正動作開始によりタイマをスタートさせ、該タイマ
    が所定時間に達する間に前記操作部材の操作がなされな
    い場合には、電源を切る電源制御手段を設けたことを特
    徴とする視線検出機能付光学装置。
  7. 【請求項7】 電源制御手段による所定時間は、通常撮
    影時において、撮影動作を進行させるための操作部材の
    操作がなされなかった際に電源を切る基準となる時間よ
    りも長いことを特徴とする請求項6記載の視線検出機能
    付光学装置。
JP4262749A 1992-09-07 1992-09-07 視線検出機能付光学装置 Pending JPH0688935A (ja)

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GB9318252A GB2273991B (en) 1992-09-07 1993-09-03 Optical equipment with device for detecting direction of visual axis
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