JP2004008323A - 視線機能付光学装置 - Google Patents

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田村 浩二
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Abstract

【課題】厳密な視線精度を求めるか否かを選択可能とし、厳密な視線精度を求めない場合は見易い(大きな)視標でキャリブレーションを行える視線検出装置の提供を目的とする。
【解決手段】キャリブレーション時の視標及びピント合焦表示に用いられ、ファインダ内に複数の視標が表示可能な表示手段を具備し、前記表示手段は、複数の焦点検出点200〜280に個々に対応して2配列される複数の視標800〜880からなる第一の視標と、複数の焦点検出点200〜280の少なくとも二つ以上含む領域に対応し2配列される複数の視標890〜898からなる第二の視標を有し、前記第一の視標で視線入力の制御を行う第一の制御手段と前記第二の視標で視線入力の制御を行う第二の制御手段とで構成する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファインダー視野内を覗く使用者の眼球の光軸の回転角を検出し、該回転角から使用者の視線を検出する視線検出手段を備えた視線検出機能付光学装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、観察者が観察面上のどの位置を観察しているかを検出する、所謂視線(視軸)を検出する装置は種々提案されている。
【0003】
この装置を使用するにあたり、高精度な視線精度の実現を行うために、観察者の眼球の個人差による視線の検出誤差を補正する視線補正が不可欠である。そのために観察者の眼球の個人差を補正するための補正データの採集し補正係数を求める、所謂キャリブレーション(以下CALと称す)を高精度に行う必要がある。前記補正係数は観察者に位置の異なる二つの視標を見てもらい、その時に算出される観察者の眼球の回転角から前記係数を求めることにより可能である。また、前記補正係数は通常観察者の眼球の水平方向の回転に対応するものであるため、カメラのファインダー内に配設される二つの視標は観察者に対して水平方向になるように設定されている。
【0004】
前記補正係数が求まることにより、カメラのファインダーを覗く観察者の視線のピント板上の位置が算出され、その視線情報をレンズの焦点調節、あるいは露出制御等に利用することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、焦点検出点の多分割化が進んでおり、それに伴い視線精度の向上が求められている。そのためにはCAL用の視標を極力点に近づけ撮影者に該視標を固視してもらい撮影者の正確な眼球の位置情報を得る必要があるが、一点を固視するというのは特に厳密な視線精度を求めていない(この辺に合ってくれれば良い)撮影者に対しては苦痛を与えてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は以上の問題に鑑みてなされたものであり、高精度な視線検出を求める撮影者に対しては高精度に、また厳密な視線精度を要さない撮影者に対しては見易い(大きな)視標で視線のCALを行え、CAL時に苦痛を与えないようにした視線検出装置を有した光学装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、複数の焦点検出点の焦点検出を行う焦点検出手段と、ファインダー視野内を覗く撮影者の眼球の光軸の回転各を検出し、該回転各から撮影者の視線を検出する視線検出手段と、複数の補正データを採取し眼球の個人差を補正するための視線補正手段と、前記視線補正手段にて算出された補正データを記憶する記憶手段と、視線モードが選択された撮影時には、前記視線検出手段からの視線情報と前記記憶手段にて記憶された補正データに基づいて前記焦点検出手段を制御する制御手段と、前記視線補正手段による補正データ採取時及び前記制御手段によって得られる焦点検出結果(合焦)表示に用いられ、ファインダー内に複数の視標が表示可能な表示手段とを備えた視線機能付光学装置において、前記表示手段による視標は、第一の視標と、該視標とは異なる大きさの第二の視標を有し、前記制御手段は、前記第一の視標で行われた視線補正手段で制御する第一の制御手段と、前記第二の視標で行われた視線補正手段で制御する第二の制御手段とを設けた構成としている。
【0008】
また、前記目的を達成するために、請求項2記載の本発明は、前記第一の指標及び第二の指標を選択するための選択手段を有し、該選択を前記視線補正手段による補正データ採取時に行う構成としている。
【0009】
また、前記目的を達成するために、請求項3記載の本発明は、前記第一の視標は、前記複数の焦点検出点に個々に対応して配列される複数の視標からなり、前記第二の指標は複数の視標からなる構成としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図1〜図12に従って説明する。
【0011】
図1は本発明にかかる一眼レフカメラの概略図である。
【0012】
1は撮影レンズで、本実施形態では便宜上1a、1bの2枚レンズで示したが実際はさらに多数のレンズから構成されていることは周知の通りである。2は主ミラーで、観察状態の時は撮影光路に斜設され撮影状態時は退去される。3はサブミラーで、主ミラー2を透過した光束をカメラボディの下方へ向けて反射する。4はシャッター、5は撮影画像を記録するための感光部材で、銀塩フィルム或いはCCDやMOS型等の固体撮像素子あるいはビディコン等の撮像管である。6は結像面近傍に配置されたフィールドレンズ6a,反射ミラー6b及び6c,2次結像レンズ6e,絞り6d,複数のCCDからなるラインセンサー6f等から構成されている周知の位相差方式の焦点検出装置で、後述するファインダー視野内の81点の視標に対応する被写界の複数領域を焦点検出可能なように構成されている。7は撮影レンズ1の予定結像面に配置されたピント板。8はピント板7に隣接して配置され、前記複数のラインセンサー6fに対応する視標をピント板7に結像された被写体像に重ねて表示(以下これをスーパーインポーズ表示と呼ぶ)する多数のセグメントを形成した電解効果型のツイステッドネマティックモード(Twisted Nematic Mode)を利用したTN液晶表示器からなるスーパーインポーズ用LCDである。9はコンデンサレンズで、撮影レンズからの光束を有効に接眼レンズ13に導くためのものである。10はファインダー視野領域を形成する視野マスク。11はファインダー光路変更用のペンタダハプリズムである。ペンタダハプリズム11の射出面後方には、例えば可視光を透過し赤外光を反射するダイクロイックミラーからなる光分割器12、接眼レンズ13が配置され、ピント板7に結像された被写体像の光束が撮影者の眼球14に達し観察される。15、16は観察画面内の被写体輝度を測定するための結像レンズと測光センサーで、結像レンズ15はペンタダハプリズム11内の反射光路を介してピント板7と測光センサー16を共役な結像関係に位置付けている。17a〜17fは従来より一眼レフカメラ等に用いられている光源の角膜反射による反射像と瞳孔の関係から視線方向を検出するための撮影者の眼球14を照明するための光源で、赤外発光ダイオードからなり接眼レンズ13の回りに配置されている。照明された眼球像(角膜反射による虚像)は接眼レンズ13を透過し光分割器12で反射され、受光レンズ18によってCCD等の光電素子列を2次元的に配したイメージセンサー19上に結像される。受光レンズ18は撮影者の眼球14の瞳孔とイメージセンサー19を共役な結像関係に位置付けている。イメージセンサー19上に結像された眼球像と光源17a〜17fの角膜反射による虚像の位置関係から所定のアルゴリズムで視線方向を検出する。20はファインダー視野外に撮影情報を表示するためのファインダー内LCDで、照明用LED(F−LED)21によって照明され、LCD20を透過した光が三角プリズム22によってファインダー内に導かれ、ファインダー視野外に表示され、撮影者は撮影情報を知ることができる。23は撮影レンズ1内に設けた練り、24は絞り制御回路110を含む絞り駆動装置、25はレンズ駆動用モーター、26は駆動ギヤ等からなるレンズ駆動部材、27はフォトカプラーでレンズ駆動部材26に連動するパルス板28の回転を検知してレンズ焦点調節回路109に伝えている。焦点調節回路109は、この情報とカメラ側からのレンズ駆動量の情報に基づいてレンズ駆動用モーター25を所定量駆動させ、撮影レンズ1aを合焦位置に移動させるようになっている。29は公知のカメラとレンズとのインターフェイスとなるマウント接点である。
【0013】
図2は前記構成の一眼レフカメラに内蔵された電気的構成を示すブロック図であり、図1と同一のものは同一番号をつけている。カメラ本体に内蔵されたマイクロコンピュータの中央処理装置(以下CPUと呼ぶ)100には視線検出回路101、測光回路102、自動焦点検出回路103、信号入力回路104、LCD駆動回路105、IRED駆動回路106、シャッター制御回路107、モーター制御回路108が接続されている。また撮影レンズ内に配置された焦点調節回路109、絞り制御回路110とは図1で示したマウント接点29を介して信号の伝達がなされる。CPU100に付随したEEPROM100aは記憶手段としての視線の個人差を補正する視線補正データの記憶機能を有している。後述のモードダイヤルSW−MにてCALモードを選択すると、視線の個人差の補正を行うためのCALモードが選択可能となり、各CALデータに対応したCALナンバーの選択及びCAL動作のOFF、且つ視線検出の禁止モードの設定が可能となっている。CALデータは複数設定可能で、カメラを使用する人物で区別したり、同一の使用者であっても観察の状態が異なる場合、例えば眼鏡を使用する場合とそうでない場合、或いは視度補正レンズを使用する場合とそうでない場合とで区別して設定するのに有効である。又、この時選択されたCALナンバー或いは設定された視線禁止モードの状態も後述するようにCALデータナンバー(1、2、3、…或いは0)としてEEPROM100aに記憶される。
【0014】
視線検出回路101は、イメージセンサー19(CCD−EYE)からの眼球像の出力をA/D変換しこの像情報をCPU100に送信する。CPU100は視線検出に必要な眼球像の各特徴点を所定のアルゴリズムに従って抽出し、更に各特徴点の位置から撮影者の視線を算出する。測光回路102は測光センサー16からの被写界の明るさに対応した輝度信号出力を増幅後、対数圧縮、A/D変換し、各センサーの被写界輝度情報としてCPU100に送られる。測光センサー16は多分割されたファインダー視野(不示図)の各領域に対応したSPC−A〜SPC−Oの15のフォトダイオードから構成されている。ラインセンサー6fは前述のように画面内の81点の視標に対応した81組のラインセンサーCCD−200〜CCD−280から構成される公知のCCDラインセンサーである。自動焦点検出回路103はこれらラインセンサー6fから得た電圧をA/D変換し、CPU100に送る。信号入力回路104には不示図のレリーズ釦の第一ストロークでONし、カメラの測光、測距、視線検出動作等を開始するためのスイッチであるSW1、レリーズ釦の第ニストロークでONし、レリーズ動作を開始するためのスイッチであるSW2、カメラの撮影モードや後述する視線のCALモードを選択するための不示図のモードダイヤル内に設けられたSW−M、選択されたモードの中でさらに選択し得る設定値を選択するための不示図の電子ダイヤル内設けたダイヤルスイッチであるSW−DIAL1、SW−DIAL2、視線検出か否かを選択するための不示図の視線ダイヤル内に設けられたSW−S、公知の水銀スイッチによりカメラの姿勢を検知するためのSW−ANG、後述するCAL時の視標の大きさを選択するためのSW−CALの各スイッチが接続され、前記各スイッチの信号が信号入力回路104に入力されデーターバスによってCPU100に送信される。尚、SW−DIAL1及びSW−DIAL2の信号は信号入力回路104内のアップダウンカウンターに入力され、電子ダイヤルの回転クリック量をカウントした後CPU100に送信される。105はスーパーインポーズ用LCD8、ファインダー内LCD20を表示駆動させるための公知のLCD駆動回路で、CPU100からの信号に従い各LCDの表示内容を制御する。IRED駆動回路106は赤外発光ダイオード(IRED17a〜17f)を状況に応じて選択的に点灯させる。LED駆動回路111は、照明用LED21(F−LED)を点灯制御する。シャッター制御回路107は通電すると先幕を走行させるマグネットMG−1と後幕を走行させるマグネットMG−2を制御し、感光部材に所定光量を露光させる。モーター制御回路108はフィルムの巻き上げ巻戻しを行うモーターMlと主ミラー2及びシャッター4のチャージを行うモーターM2を制御するためのものである。これらシャッター制御回路107、モーター制御回路108によって一連のカメラのレリーズシーケンスが動作する。発音体112は、後述するCALの補正データ採取終了の表示及び補正データの採取失敗時の警告表示としてそれぞれ用いられる。
【0015】
図3はファインダー視野内を示した図で、スーパーインポーズ用LCD及びファインダー内LCDが全点灯した状態を示す。
【0016】
図3(A)において、10は視野マスク、200〜280は前記ラインセンサー6fによる81点の焦点検出点を示し、800〜880は前記スーパーインポーズ用LCD8によりスーパーインポーズ表示された視標で、前記200〜280の焦点検出点に個々に対応した状態を示す。20a〜20hは前記ファインダー内LCD20による表示内容で、20aは視線入力状態であることを示す視線入力マークセグメント、20bはマニュアル露出状態であることを示すマニュアル露出表示セグメント、20cはAEロックマークセグメント、20dはストロボ充完マークセグメント、20eはシャッター秒時表示用セグメント、20fは絞り値表示用セグメント、20gは露出補正設定マークセグメント、20hは撮影レンズ1の合焦状態を示す合焦マークセグメントである。
【0017】
図3(B)は、図3(A)において視標が81点の焦点検出点に個々に対応しているのに対し、視標が複数の焦点検出点(エリア)に対応している状態を示す。図中890〜898は前記スーパーインポーズ用LCD8によりスーパーインポーズ表示された視標で、視標890は焦点検出領域200・201・202・209・210・211・218。・219・220に対応しており、以下同様に各視標は9つの焦点検出点にそれぞれ対応している。尚、他の表示は同図(A)と同一のため説明は割愛する。
【0018】
上記(A)及び(B)の視標は撮影者によって選択可能となっており、これについては後述詳細に説明する。
【0019】
図4は視線検出方法の原理説明図であり、前述の図1の視線検出を行うための光学系の要約図に相当する。
【0020】
図4において17a,17bは観察者に対して不感の赤外光を放射する発光ダイオード等の光源であり、各光源は受光レンズ18の光軸に対してx方向に略対称に配置され観察者の眼球14を発散照明している。眼球14で反射した照明光の一部は受光レンズ18によってイメージセンサー19に集光する。
【0021】
図5(A)はイメージセンサー19に投影される眼球像の概略図、同図(B)はCCD19の出力強度図である。
【0022】
図6は視線検出の概略フローを表したものである。
【0023】
以下各図4〜図6を用いて視線の検出手段を説明する。
【0024】
図6において、#300で視線検出が開始すると、#301において、光源17a,17bは観察者の眼球14に向けて赤外光を放射し、これによって照明された観察者の眼球像(角膜反射による虚像)は受光レンズを通してイメージセンサー19上に結像し、イメージセンサー19の蓄積動作により光電変換がなされ、眼球像は電気信号として処理が可能となる。#302では、#301において得られた眼球像の情報から光源17a,17bの角膜反射像の座標と瞳孔14cの中心座標を求める。光源17bより放射された赤外光は観察者の眼球14の角膜14aを照明し、このとき角膜14aの表面で反射した赤外光の一部により形成される角膜反射像d(虚像)は受光レンズ18により集光されイメージセンサー19上の座標Xdに結像する。同様に光源17aより放射された赤外光は眼球14の角膜14aを照明し、このとき角膜14aの表面で反射した赤外光の一部により形成された角膜反射像eは受光レンズ18により集光されイメージセンサー19上の座標Xeに結像する。また虹彩14bの端部a,bからの光束は受光レンズ18を介してイメージセンサー19上の座標Xa,Xbに該端部a,bの像を結像する。受光レンズ18の光軸に対する眼球14の光軸の回転角θが小さい場合、瞳孔14cの中心位置cの座標Xcは、Xc≒(Xa+Xb)/2と表わされる。さらに、#303では眼球像の結像倍率βを算出する。βは受光レンズ18に対する眼球14の位置により決まる倍率で、実質的には角膜反射像の間隔|Xd−Xe|の関数として求めることができる。また#304では角膜反射像Pd及びPeの中点のX座標と角膜14aの曲率中心0のX座標X0とはほぼ一致するため、角膜14aの曲率中心Oと瞳孔14cの中心Cまでの標準的な距離をOCとすると眼球14の光軸のz−x平面内の回転角θXは、
β*OC*SINθx≒{(Xd+Xe)/2}−Xc
の関係式を略満足することから求めることができる。また図4、図5においては、観察者の眼球がz−x平面(例えば水平面)内で回転する場合の回転角θXを算出する例を示しているが、観察者の眼球がy−z平面(例えば垂直面)内で回転する場合の回転角θyの算出方法も同様である。観察者の眼球14の光軸の回転角θx,θyが算出されると、#305において、例えば一眼レフカメラにおいては観察者が見ているピント板7上での瞳孔14cの中心cの位置(X,Y)は
X=m*(Ax*θX+Bx)
Y=m*(Ay*θy+By)
と求められる。ただし、mはカメラのファインダー光学系で決まる定数で回転角をピント板7上での瞳孔14cの中心cの座標に変換する変換係数である。また、Ax,Bx,Ay,Byは観察者の視線の個人差を補正する視線補正係数で、観察者に位置の異なる二つの視標を見てもらい各視標注視時に算出された複数の眼球の回転角から前記係数を求めることが可能である。ピント板7上での瞳孔14cの中心cの座標を算出したら#306でメインルーチンに戻る。
【0025】
次に、視線検出機能を有したカメラの動作について、図7のフローチャートにしたがって説明する。
【0026】
モードダイヤルSW−Mを回転させてカメラを不作動状態から所定の撮影モードに設定すると(本実施形態ではシャッター優先AEに設定された場合をもとに説明する)、カメラの電源がONされ(#400)、CPU100のEEPROM100aに記憶された視線のCALデータ以外の視線検出に使われる変数がリセットされる(#401)。そして、カメラはSW1がONされるまで待機する(#402)。SW1がONされたことを信号入力回路104が検知すると、CPU100は視線検出を行う際にどのCALデータを使用するかを視線検出回路101を介して確認する(#403)。
【0027】
この時、確認されたCALデータナンバーのCALデータが初期値のままで変更されなかったり、あるいは、視線禁止モードに設定されていたら、視線検出は実行せずに、すなわち視線情報を用いずに焦点検出点自動選択サブルーチン(#416)によって特定の焦点検出点を選択する。この焦点検出点において自動焦点検出回路103は焦点検出動作を行う(#407)。
【0028】
このように視線情報を用いずに焦点検出点選択を行う視線禁止モードと視線情報を用いて焦点検出点選択を行う視線モードの両方を備え、視線禁止モードに設定するかどうかで撮影者が任意にこれらを選択することが可能となっている。
【0029】
尚、焦点検出点自動選択のアルゴリズムとしては幾つかの方法が考えられるが、多点AFでは公知となっている中央測距領域に重み付けを置いた近点優先アルゴリズムが有効である。
【0030】
又、前記CALデータナンバーに対応した視線のCALデータが所定の値に設定されていてそのデータが撮影者より入力されたものであることが確認されると、視線検出回路101はそのCALデータにしたがって視線検出を実行する(#404)。
【0031】
本実施形態においてはモードダイヤルSW−Mはシャッター優先AEを選択している状態を想定しているので、前述の視線検出サブルーチン(#404)によって撮影者の視線位置を算出する。そして、視線検出回路101において検出された視線はピント板7上の注視点座標に変換される。
【0032】
CPU100は該注視点座標に近接した焦点検出点を選択し、LCD駆動回路105に信号を送信してスーパーインポーズ用LCD8を用いて前記視標を点滅表示させる(#405)。また、同時にファインダー内LCD20の視線入力マーク20aを点灯し、これによって撮影者はカメラが視線検出を行っている状態であることを確認することができる。
【0033】
撮影者が視線によって選択された焦点検出点に対応する視標を見て、その視標が正しくないと認識してSW1をOFFすると(#406)、カメラはSW1がONされるまで待機する(#402)。
【0034】
このように視線情報によって焦点検出点が選択されたことをファインダー視野内の視標を点滅表示させて撮影者に知らせるようになっているので、撮影者は意志どうりに選択されたかどうかを確認することができる。また、撮影者が視線によって選択された焦点検出点に対応する視標を見て、引き続きSW1をONし続けたならば(#406)、自動焦点検出回路103は検出された視線情報を用いて1つ以上の焦点検出点の焦点検出を実行する(#407)。
【0035】
次に、選択された焦点検出点が測距不能であるかを判定し(#408)、不能であればCPU100はLCD駆動回路105に信号を送ってファインダー内LCD20の合焦マーク20hを点滅表示させ、測距がNG(不能)であることを撮影者に警告し(#418)、SW1がOFFされるまでこの動作を続ける。又、測距が可能であり、所定のアルゴリズムで選択された焦点検出点の焦点調節状態が合焦でなければ(#409)、CPU100はレンズ焦点調節回路110に信号を送って所定量撮影レンズ1を駆動させる(#417)。
【0036】
レンズ駆動後、自動焦点検出回路103は再度焦点検出を行い(#407)、撮影レンズ1が合焦しているか否かの判定を行う(#409)。
【0037】
所定の焦点検出点において撮影レンズ1が合焦していたならば、CPU100はLCD駆動回路105に信号を送ってファインダー内LCD20の合焦マーク20hを点灯させるとともに、スーパーインポーズ用LCD8を用いて前記視標を点灯表示させ、撮影者に合焦であることを知らしめる(#410)。
【0038】
合焦した焦点検出点がファインダー内に表示されたのを撮影者が見て、その焦点検出点が正しくないと認識してSW1をOFFすると(#411)、引き続きカメラはSW1がONされるまで待機する(#402)。また、撮影者が合焦表示された視標を見て、引き続きSW1をヤONし続けたならば(#411)、CPU100は測光回路102に信号を送信して測光を行わせる(#412)。
【0039】
この時、本実施形態の場合は合焦した焦点検出点を含む測光領域(不示図)に重み付けされた公知の測光演算を行い、露出値が演算される。この演算結果としてファインダー内LCD20の20f部に絞り値を表示する。更に、SW2がONされているかどうかの判定を行い(#413)、SW2がOFF状態であれば再びSW1の状態の確認を行う(#411)。
【0040】
この結果、SW2がONされたならばCPU100はシャッター制御回路108,モーター制御回路109,絞り駆動回路111にそれぞれ信号を送信する。
【0041】
つまり、まず、モーターM2に通電し、主ミラー2をアップさせ、絞り23を絞り込んだ後、マグネットMGlに通電してシャッター4の先幕を解放する。絞り23の絞り値及びシャッター4のシャッター速度は、前記測光回路102にて検知された露出値とフィルム5の感度から決定される。所定のシャッター速度経過後にマグネットMG2に通電し、シャッター4の後幕を閉じる。フィルム5への露光が終了すると、次にモーターM2に再度通電し、フィルムの駒送りを行い、一連のシャッタレリーズシーケンスの動作が終了する(#414)。
【0042】
その後、カメラは再びSW1がONされるまで待機する(#4P2)。又、カメラのシャッタレリーズ動作(#414)以外の一連の動作中にモードダイヤルSW−Mによってモード変更され、視線CALモードに設定されたことを信号入力回路104が検知すると、CPU100はカメラの動作を一時停止し、視線検出回路101に送信して視線のCAL(#415)が可能な状態に設定する。視線のCAL方法については後述する。
【0043】
次に、図7の#415において行われるCALサブルーチンについて、図9〜図14を参照しながら、図8のフローチャートにしたがって説明する。
【0044】
撮影者がモードダイヤルSW−Mにて「CAL」ポジションを選択すると、視線のCALモードに設定され、信号入力回路104はCPU100を介してLCD駆動回路105に信号を送信し、ファインダー内LCD20に後述する視線のCALモードのいずれかに入ったことを示す表示を行う。また、CPU100はEEPROM100aに記憶されたCALデータ以外の変数をリセットする(#501)。
【0045】
図9はCPU100のEEPROM100aに記憶されるCALデータの種類とその初期値を示したものである。実際にCPU100のEEPROM100aに記憶されるのは図9の太線にて囲った部分のデータで、現在設定されているCALデータナンバーと該ナンバーにて管理されている複数のCALデータである。ここでCALデータナンバー“0”は視線検出を禁止するためのモードである。また、CALデータナンバー“1”〜“5”に対応したEEPROM100aのアドレス上にはそれぞれに上述の視線のCALデータが記憶されるようになっている(本実際例においては説明のためにデータを5つ記憶できるようにしているが、勿論EEPROM100aの容量によっていかようにも設定できる)。
【0046】
CALデータの初期値は、標準の眼球パラメータで視線が算出されるような値に設定されている。さらに、撮影者が眼鐘を使用するか否か、そしてCALデータの信頼性の程度を表すフラグも有している。眼鏡の有無を表すフラグの初期値は、眼鏡を使用しているように「1」に設定され、また、CALデータの信頼性のフラグの初期値は、信頼性が無いように「0」に設定されている。
【0047】
また、ファインダー内LCD20のシャッター秒時表示部20e及び絞り表示部20fを用いて図10(A)に示すように現在設定されているCALモードを設定する。CALモードはCAL動作を行う“ON”モードとCAL動作を行わない“OFF”モードとがある。まず、“ON”モードにおいては、CALデータナンバー“1”〜“5”と対応するようにCALナンバー“CAL1”〜“CAL5”が用意されており、ファインダー内LCD20のシャッター秒時表示部20e及び絞り表示部20fを用いて表示され、そのほかの固定セグメント表示部20はすべて消灯している(実施形態としてデータナンバー“1”の状態を示し、この表示部のみを拡大して示している)。
【0048】
この時、設定されたCALナンバーのCALデータが初期値の場合は、ファインダー内LCD20に表示されたCALナンバーが図10(B)の如く点滅し、一方、設定されたCALナンバーに既に後述するCALが行われ、CALデータナンバーに対応したEEPRPM100aのアドレス上に初期値と異なるCALデータナンバーが入っていれば、図10(A)の如くファインダー内LCD20に表示されたCALナンバーがフル点灯するようになっている。その結果、撮影者は現在設定されている各々CALナンバーに既にCALデータが入っているかどうかを認識できるようになっている。またCALデータナンバーの初期値は“0”に設定されており、視線のCALが実行されなければ視線による情報入力はなされないようになっている。
【0049】
次に、“OFF”モードにおいては、図10(C)の如くファインダー内LCD20に“OFF”と表示されるようになっており、常時CALデータナンバー“0”が選択され視線禁止モードに設定されている。
【0050】
図8に戻り、続いてCPU100に設定されたタイマがスタートし、視線のCALを開始する(#502)。タイマスタート後、所定の時間中にカメラに対して何の操作もなされなかったならば、視線検出回路101はそのとき設定されていたCALデータナンバーを“0”に再設定し、視線禁止モードに変更する。またファインダー内に視線のCAL用の視標等が点灯していれば消灯する。
【0051】
撮影者が電子ダイヤルSW−DIAL1またはSW−DIAL2を回転させると、前述のように/てルス信号によってその回転を検知した信号入力回路104はCPU100を介してLCD駆動回路105に信号を送信する。その結果、電子ダイヤルSW−DIALl及び2の回転に同期してファインダー内LCD20に表示されたCALナンバーが変化する。この様子を図11に示す。
【0052】
先ず、電子ダイヤルSW−DIALl及び2を時計方向に回転させると「CAL−1」→「CAL−2」→「CAL−3」→「CAL−4」→「CAL−5」と変化し、後述のCAL操作で撮影者は希望する5つのCALナンバーのいずれかにCALデータを記憶させることができる。そして、図11に示した状態は「CAL−1,CAL−2,CAL−3」には既にCALデータが入っており、「CAL−4,CAL−5」には入っておらず初期値のままであることを表している。
【0053】
次に、さらに時計方向に1クリック回転させると“OFF”表示となり、視線禁止モードとなる。さらに1クリック回転させると「CAL−1」に戻り、以上のようにサイクリックにCALナンバーを表示する。反時計方向に回転させた場合は図11の方向と正反対に表示する。
【0054】
このようにしてファインダー内LCD20に表示されるCALナンバーを見ながら撮影者が所望のCALナンバーを選択したら、視線検出回路101はこれに対応するCALナンバーの確認を信号入力回路104を介して行う(#503)。確認されたCALデータナンバーはCPU100のEEPROM100aに記憶される。但し、確認されたCALデータナンバーが変更されていなければEEPROM100aへのCALデータナンバーの記憶は実行されない。
【0055】
続いて、視線検出回路101は信号入力回路104を介して撮影モードの確認を行う(#504)。撮影者がモードダイヤルSW−Mを回転させて視線のCALモード以外の撮影モードに切り換えていることが確認されたら(#504)、ファインダー内に視線のCAL用の視標が点滅していればそれを消灯させて(#505)、メインのルーチンであるカメラの撮影動作に復帰する(#540)。そして、CALナンバー「CAL−1〜CAL−5」が表示されている状態でモードダイヤルSW−Mを他の撮影モード(例えばシャッター優先AE)に切り換えれば、そのCALナンバーのデータを用いて視線検出を行い、前述の視線情報を用いた撮影動作が行えるようになっている。
【0056】
ここで、再度モードダイヤルSW−Mを回転させて「CAL」ポジションを選択すると、前述の視線検出に用いるCALナンバーが表示され、CAL動作がスタートするが、撮影者が所定時間内に何もカメラを操作しなかったり、同一のCALデータが採集された場合はEEPRPM100aのCALデータの変更はなされない。
【0057】
視線のCALモードに設定されたままであることが確認されると(#504)、設定されたCALナンバーの確認を再度行う(#506)。この時、CALデータナンバーが“0”を選択され、視線禁止モードに設定されていれば、再度CALデータナンバーをCPU100のEEPROM100aに記憶する(#503)。CALモードにおいて視線禁止が選択されたならば、カメラはモードダイヤルSW−Mにてモードが視線のCALモード以外の撮影モードに変更されるまで待機する。つまり、“OFF”が表示されている状態でモードダイヤルSW−Mを切り換えれば、視線検出を行わないで、撮影動作を行うようになっている。
【0058】
CALデータナンバーが“0”以外の値に設定されていれば(#506)、引き続きCPU100は信号入力回路104を介してカメラの姿勢を検知する(#507)。
【0059】
信号入力回路104はSW−ANGの出力信号を処理してカメラが横位置であるか縦位置であるか、また縦位置である場合は例えばカメラのグリップが天方向にあるか地(面)方向にあるかを判断する。
【0060】
カメラは一般に横位置での使用が多いため、視線のCALを行うためのハード構成もカメラを横位置に構えたときにCAL可能なように設定されている。そのため、視線検出回路101はカメラの姿勢が横位置でないことをCPU100より通信されると、視線のCALを実行しない(#508)。また、視線検出回路101はカメラの姿勢が縦位置であることから視線のCALができないことを撮影者に警告するために、カメラのファインダー内LCD20に「CAL」表示を点滅させる。
【0061】
一方、カメラの姿勢が横位置であることが検知されると(#508)、視線検出回路101は視線検出回数nを「0」に設定する(#509)。視線検出回路101は信号入力回路104を介してSW1がOFF状態になっているかどうかの確認を行う(#510)。SW1がON状態であれば先の#503へ戻り、CALデータナンバーの確認からの動作を開始する。SW1がOFF状態であれば、次にSW−CALがONされているか否かを確認する(#511)。
【0062】
ここでは、後述のCAL入力時の視標の大きさを選択するもので、図3(A)または(B)に示すいづれかの視標を選択する。SW−CALがOFF状態であれば図3(A)に示す視標が選択され、SW−CALがON状態(#512)であれば図3(B)に示す視標が選択される。
【0063】
SW−CALの信号が信号入力回路に入力されることにより、CPU100及びLCD駆動回路105を介しスーパーインポーズ用LCD8により表示形態が変更される。また、ここで選択された視標は前述の視線検出時の視線分解能に反映される。
【0064】
図3(A)の視標が選択された時は、81点の焦点検出領域200〜280に個々に対応した81分割された分解能で視線制御され、また図3(B)の視標が選択された時は、81点の焦点検出点200〜280を9つのエリアに分割し、それぞれのエリアに対応した9分割された分解能で視線制御される。
【0065】
図12で更に詳しく説明する。
【0066】
図12(A)は前記SW−CALで81分割された視線分解能を選択した状態のもので、200〜280の個々の焦点検出点に視線が対応しているため、ピンポイントでの焦点検出が可能となる。図の如く被写体の目を注視することにより視標830に対応する焦点検出点230が視線検出され、該焦点検出点230により被写体の目にピントが合焦し、撮影者の意図したピント位置での写真撮影が可能となる。
【0067】
図12(B)は前記SW−CALで9分割された視線分解能を選択した状態のもので、一つの視標が9つの焦点検出点に対応しており、この9つの焦点検出点内での自動選択が行われる。尚、焦点検出点自動選択のアルゴリズムとしては幾つかの方法が考えられるが、多点AFでは公知となっている中央測距領域に重み付けを置いた近点優先アルゴリズムが有効である。
【0068】
図12(A)はピンポイントで被写体を注視するのに対し、図12(B)では被写体の顔近辺を注視することにより視標894に対応する焦点検出点が検出され、該焦点検出点点230・231・232・239・240・241・248・249・250のいずれかの焦点検出点で合焦となる。つまり、特にピントにこだわらず、大体この辺にピントが合えばよいといった時にはピンポイントで被写体を注視せずにすむため、気軽に写真撮影が可能となる。
【0069】
尚、以下の説明はCAL入力時の視標は図3(A)の視標を視標A、図3(B)の視標を視標Bとして説明する。
【0070】
視標の選択が終了後、測光回路102の出力値の読み取りを行う(#513)。
【0071】
視線検出回路101はCPU100を介してLED駆動回路111に測光値から設定した輝度変調された信号を送信して視標A選択時は図13(A)の如く視標844が、視標B選択時は図14(A)の如く視標895が点滅を開始(#514)する。つまり、ファインダー内の明るさに応じて視標844或いは視標895の点滅時の明るさを変え、更に詳述すると、ファインダー内の明るさが明るくなれば視標844或いは視標895の明るさを明るくし、常に見易い表示としている。
【0072】
視線検出回路101は再度信号入力回路104を介してSW1がON状態になっているかどうかの確認を行う(#515)。SW1がOFF状態であればONされるまで待機し、SW1がONされたなら、上記#513、#514と同様に、測光回路102によって得られる測光値から設定した輝度変調された信号で視標A選択時は図13(B)の如く視標844が、視標B選択時は図14(B)の如く視標895を点滅状態から点灯状態にし(#516、#517)、図6にて説明した視線検出を実行する(#518)。
【0073】
視線検出回路101は視線検出のサブルーチンからの変数である眼球の回転角X,θy、瞳孔径rp及び各データの信頼性を記憶する(#519)。
【0074】
さらに、視線検出回数nをカウントアップする(#520)。撮影者の視線は多少ばらつきがあるため正確な視線のCALデータを得るためには1点の視標に対して複数回の視線検出を実行してその平均値を利用するのが有効である。本実施形態においては、1点の視標に対する視線検出回数は5回と設定されている。視線検出回数nが5回でなければ(#521)、視線検出が続行される(#518)。
【0075】
視線検出回数nが5回であれば、視標844或いは視標895に対する視線検出を終了する(#521)。視標844或いは視標895に対する視線検出が終了したことを撮影者に認識させるために、視線検出回路101はCPU100を介して発音体112を用いて電子音を数回鳴らさせると同時に、視標844或いは視標895を消灯(#522)させる。
【0076】
引き続き、視線検出回路101は信号入力回路104を介してSW1がOFF状態になっているかどうかの確認を行う(#523)。SW1がON状態であればOFF状態になるまで待機し、SW1がOFF状態であれば、測光回路102の出力値の読み取りを行う(#524)。視線検出回路101はCPU100及びLCD駆動回路105を介しスーパーインポーズ用LCD8に測光値から設定した輝度変調された信号を送信して視標A選択時は図13(C)の如く視標836が、視標B選択時は図14(C)の如く視標893が点滅を開始(#525)する。
【0077】
視線検出回路101は再度信号入力回路104を介してSW1がON状態になっているかどうかの確認を行う(#526)。SW1がOFF状態であればONされるまで待機し、SW1がONされたなら、上記#524、#525と同様に、測光回路102によって得られた測光値から設定した輝度変調された信号で視標A選択時は図13(D)の如く視標836が、視標B選択時は図14(D)の如く視標893を点灯させ(#527、#528)、視線検出を実行する(#529)。
【0078】
視線検出回路101は視線検出のサブルーチンからの変数である眼球の回転角θX,θy、瞳孔径rp及び各データの信頼性を記憶する(#530)。さらに視線検出回数nをカウントアップする(#531)。さらに視線検出回数nが10回でなければ(#532)、視線検出が続行される(#529)。視線検出回数nが10回であれば視標836或いは視標893に対する視線検出を終了する(#532)。
【0079】
視標836或いは視標893に対する視線検出が終了したことを撮影者に認識させるために視線検出回路101はCPU100を介して発音体112を用いて電子音を数回鳴らさせると同時に視標836或いは視標893を消灯(#533)させる。
【0080】
そして、視線検出回路101に記憶された眼球の回転角θx、θy、瞳孔径rpより視線のCALデータが算出される(#534)視線のCALデータの算出方法は以下の通りである。
【0081】
ピント板7上の視標844、視標836或いは視標895、視標893の座標をそれぞれ(x1,0)、(x2,0)、視線検出回路101に記憶された各視標を注視したときの眼球の回転角(θx,θy)の平均値(θx1,θyl)、(θx2,θy2)、瞳孔径の平均値をr1,r2とする。但し、(θx1,θyl)は撮影者が視標844或いは視標895を注視したときに検出された眼球の回転角の平均値、(θx2,θy2)は撮影者が視標836或いは視標893を注視したときに検出された眼球の回転角の平均値を表している。
【0082】
同様にr1は撮影者が視標844或いは視標895を注視したときに検出された瞳孔径の平均値、r2は撮影者が視標836或いは視標893を注視したときに検出された瞳孔径の平均値である。
【0083】
水平方向(X方向)の視線のキャリブレーションデータは
・ax=0
・bx=m(θx1−θx2)/(x1−x2)
・cx=0
・dx=(θx1+θx2)/2
と算出される。
【0084】
又、垂直方向(X方向)の視線のキャリブレーションデータは
・by=bx
・cy=0
・dy=θy=(θyl+θy2)/2
と算出される。視線のCAL算出後、あるいは視線検出の終了後にタイマがリセットされる(#535)。
【0085】
また、CALデータの信頼性の判定手段を兼ねた視線検出回路101は、算出された視線のCALデータが適正か否かの判定を行う(#536)。判定は視線検出サブルーチンから変数である眼球の回転角及び瞳孔径の信頼性と算出された視線のCALデータ自身を用いて行われる。
【0086】
即ち、「視線検出」サブルーチンにて検出された眼球の回転角及び瞳孔径の信頼性がない場合は、算出された視線のCALデータも信頼性がないと判定する。又、視線検出サブルーチンにて検出された眼球の回転角及び瞳孔径の信頼性がある場合、算出された視線のCALデータが一般的な個人差の範囲に入っていれば適正と判定し、一方、算出された視線のCALデータが一般的な個人差の範囲から大きく逸脱していれば、算出された視線のCALデータは不適性と判定する。
【0087】
また、視線検出回路101は算出された視線のCALデータが適正か否かの判定を行うだけでなく、算出された視線のCALデータがどの程度信頼性があるかも判定する。信頼性の度合いは視線検出サブルーチンにて検出された眼球の回転角及び瞳孔径の信頼性等に依存しているのは言うまでもない。視線のCALデータの信頼性はその程度に応じて2ビットに数値化されて後述するようにCPU100のEEPROM100aに記憶される。
【0088】
算出された視線のCALデータが不適正と判定されると(#536)、LCD駆動回路105はスーパーインポーズ用LCD8への通電を止めて視標844,836或いは視標895,893を消灯する。さらに、視線検出回路101はCPU100を介して発音体112を用いて電子音を所定時間鳴らし(つまり#522や#533とは異なった周期にて発音体112を鳴らす)、視線のCALが失敗したことを警告する。同時に、LCD駆動回路105に信号を送信し図15(A)の如くファインダー内LCD20に「CAL」表示を点滅させて警告する(#543)。発音体112による警告音とLCD20による警告表示を所定時間行った後、CALルーチンの初期ステップ(#501)に移行し、再度視線のCALを実行できる状態に設定される。
【0089】
また、算出された視線のCALデータが適正であれば(#536)、視線検出回路101はLCD駆動回路105を介して視線のCALの終了表示を行う(#537)。
【0090】
LCD駆動回路105はスーパーインポーズ用LCD8に通電し、視標844,836或いは視標895,視標893を数回点滅させるとともに、図15(B)の如くLCD20に信号を送信して「End−CALNo」の表示を所定時間実行するようになっている。
【0091】
視線検出回路101は視線検出回数nを「1」に設定し(#538)、さらに算出された視線のCALデータ、撮影者の眼鏡情報及び算出された視線のCALデータの信頼性を現在設定されているCALデータナンバーに相当するEEPROM100aのアドレス上に記憶する(#539)。この時、記憶を行おうとするEEPROM100aのアドレス上に既に視線のCALデータが記憶されている場合はCALデータの更新を行う。
【0092】
一連の視線のCAL終了後、カメラは撮影者によってSW−DIAL1、SW−DIAL2或いはモードダイヤルSW−Mが操作されるまで待機する。撮影者がSW−DIAL1、SW−DIAL2を回転させて他のCALナンバーを選択したならば、視線検出回路101は信号入力回路104を介してCALナンバーの変更を検知し(#540)、視線のCALルーチンの初期ステップ(#501)に移行する。
【0093】
また、撮影者がモードダイヤルSW−Mを回転させて他の撮影モードを選択したならば、視線検出回路101は信号入力回路104を介して撮影モードの変更を検知し(#541)メインのルーチンに復帰する(#542)。
【0094】
メインルーチンに復帰する際、SW−DIAL1、SW−DIAL2にて設定されたCALナンバーにおいてCALデータが入力されておらず、初期値のままであったならば、視線検出回路101はCALデータナンバーを“0”に再設定し、強制的に視線禁止モードに設定する。実際にCPU100のEEPROM100aに記憶された現在設定されているCALデータナンバーを“0”(視線禁止モード)に再設定する。
【0095】
尚、本実施形態においては、1点の視標を注視しているときの視線検出回数を10回にして視線のCALを行った例を示したが、10回以上の回数で行っても構わない。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の焦点検出点に個々に対応して配列される第一の視標と、複数の焦点検出点の少なくとも二つを含む領域に対応して配列される第二の視標の二つの異なる大きさのCAL視標を設け、選択された該視標により視線入力機能の制御をするようにしたため、厳密な視線精度を求めるか否かが撮影者自身により選択可能となり、また厳密な視線精度を求めない場合は見易い(大きな)視標でCALを行えるため、視標を固視するといったCAL時の苦痛を与えないカメラを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカメラの要部構成図。
【図2】図1の要部電気的構成を示すブロック図。
【図3】図1のファインダー視野内を説明する図。
【図4】視線検出方法の原理説明図。
【図5】視線検出方法の原理説明図。
【図6】視線検出の動作を示すフローチャート。
【図7】図1のカメラのメイン動作を示すフローチャート。
【図8】図8のキャリブレーションの動作を示すフローチャート。
【図9】本実施形態におけるキャリブレーションの種類と初期値についての説明の図。
【図10】本実施形態におけるキャリブレーションナンバー設定時のファインダー内LCDでの表示を示す図。
【図11】本実施形態におけるキャリブレーションナンバー設定時のファインダー内LCDでの表示を示す図。
【図12】図8の動作説明を助けるためのファインダー内LCDでの表示を示す図。
【図13】図8の動作説明を助けるためのファインダー内LCDでの表示を示す図。
【図14】図8の動作説明を助けるためのファインダー内LCDでの表示を示す図。
【図15】図8の動作説明を助けるためのファインダー内LCDでの表示を示す図。
【符号の説明】
6f イメージセンサー
13 IRED(赤外発光ダイオード)
14 眼球
19 イメージセンサー
20 ファインダー内LCD
100 CPU
101 視線検出回路
103 焦点検出回路
200〜280 焦点検出点
800〜880 視標

Claims (3)

  1. 複数の焦点検出点の焦点検出を行う焦点検出手段と、ファインダー視野内を覗く撮影者の眼球の光軸の回転各を検出し、該回転各から撮影者の視線を検出する視線検出手段と、複数の補正データを採取し眼球の個人差を補正するための視線補正手段と、前記視線補正手段にて算出された補正データを記憶する記憶手段と、視線モードが選択された撮影時には、前記視線検出手段からの視線情報と前記記憶手段にて記憶された補正データに基づいて前記焦点検出手段を制御する制御手段と、前記視線補正手段による補正データ採取時及び前記制御手段によって得られる焦点検出結果(合焦)表示に用いられ、ファインダー内に複数の視標が表示可能な表示手段とを備えた視線機能付光学装置において、
    前記表示手段による視標は、第一の視標と、該視標とは異なる大きさの第二の視標を有し、前記制御手段は、前記第一の視標で行われた視線補正手段で制御する第一の制御手段と、前記第二の視標で行われた視線補正手段で制御する第二の制御手段を有することを特徴とする視線機能付光学装置。
  2. 前記第一の指標及び第二の指標を選択するための選択手段を有し、該選択は前記視線補正手段による補正データ採取時に行われることを特徴とする請求項1記載の視線機能付光学装置。
  3. 前記第一の視標は、前記複数の焦点検出点に個々に対応して配列される複数の視標からなり、前記第二の指標は前記複数の焦点検出点の少なくとも二つを含む領域に対応して配列される複数の視標からなることを特徴とする請求項1記載の視線機能付光学装置。
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