JPH0688665B2 - ワーク段積装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば薄葉紙、合成樹脂シート等のロール
（以後ワークと呼ぶ）を、コンベアラインから取り込
み、パレット上にワークを順次段積していくワーク段積
装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、ワークを段積するに際し、次の通り行っていた。
すなわち、コンベア上をワークが搬送されている過程に
おいて、所定位置でコンベアで停止し、作業員がワーク
を人力でコンベア上から降ろし、待機中のフォークリフ
トに設置されたパレット上に順次ワークを積み上げて行
くという方法である。なお、パレット上に段積されたワ
ークはひも掛け行程を経て自動倉庫等の格納設備へ搬入
されるようになっている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来のこのような方法では、人力作業に
よるため、ワーク重量に制限があり、また一作業に要す
る時間も一定とは限らないため、作業効率が悪いという
欠点があった。

本発明の目的は、前記従来方法による欠点を解消し、大
重量ワークをも一定時間内に効率良く段積できるワーク
段積装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明に係るワーク段積装置は、コンベアの一側端側に
配置されかつ開閉可能な床を有するワーク格納部と、該
ワーク格納部の床下方に昇降可能に設置されたパレット
と、前記コンベア上のワークをコンベア運転方向に対し
直角方向へ押し動かし、前記ワーク格納部内へワークを
押し込むための手段とを備えた構成としたものである。

〔作用〕

本発明にあたっては、前記手段によってワーク格納部へ
コンベア上のワークを押し込み、この後ワーク格納部の
床が開くことにより、ワークを該床下方のパレット上に
落下させ、次に、ワーク高さ分のパレットを下降させた
後、前記床を閉じるという行程を、ワーク複数個分又は
一個毎に繰り返すことにより、前記パレット上にコンベ
アから搬送されたワークを順次自動段積するようにして
いる。これによって、人力移動困難な大重量ワークをも
一定時間に効率良く段積できる。

〔実施例〕

以下、図に示す実施例を用いて本発明の詳細を説明す
る。

第１図は本発明に係るワーク段積装置の一実施例を示す
側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線矢視図、第３図は第
１図のＢ−Ｂ線矢視図である。

床面１に設置された架台２には、その上端側にコンベア
３の運転方向に対して直角方向に延設されたボールねじ
４とこれの両側に配置された一対の案内部材５が固定さ
れており、該ボールねじ４案内部材５にはコンベア３上
のワーク６をコンベア３の運転方向に対して直角方向に
押し動かすための押板装置７が摺動自在に取付けられて
いる。

すなわち、該押板装置７は、中央に設けられたボールナ
ット８を介してボールねじ４に螺合されかつ両端部が前
記一対の案内部材５に摺動自在に嵌装されたフレーム９
と、該フレーム９の下部側に取付けられたガイドシャフ
ト10に水平移動可能に装着された一対の押しローラ台1
1、12と該押しローラ台11、12に回転自在に取付けら
れ、かつワーク６に接触し、これを押し動かすための押
しローラ13、14と、前記フレーム９に固定されかつ押し
ローラ台11、12を水平移動させるための電動機15とを備
えた構成となっている。なお、ボールねじ４の一端部に
はフレーム９の移動距離を検知し、制御するためのエン
コーダ16が配設されており、他端部にはボールねじ４を
回転駆動するための電動機43が設けられている。

一方、コンベア３の一側端側にはワーク収納部17が配設
され、該ワーク収納部17の床17a、17bはテーブル開閉電
動機18によって両側（コンベア３の運転方向）に開閉で
きるようになっている。また、床17a、17bの上方にはコ
ンベア３の運転方向に対して直角方向に延設されたボー
ルねじ19及びこれの両側に位置する一対の案内部材20が
配置されており、これらボールねじ19、案内部材20は前
記架台２に固定されている。前記ボールねじ19には移動
用架台21がボールナット22を介して螺合されかつ移動用
架台21の両側部は前記一対の案内部材20に摺動自在に嵌
装されている。また、該移動用架台21の一端部には第１
の制限板23が一体に重設されており、該第１の制限板23
の下端面は前記床17a、17bの近傍まで延びている。該第
１の制限板23はボールねじ19の軸方向に移動可能な構成
となっている。また、前記移動用架台21には前記ボール
ねじ19と直交するごとくしてボールねじ24、25（第３図
参照）が取付けられていると共に、該ボールねじ24、25
の両側には一対の案内部材26、27が配設されている。そ
して、前記ボールねじ24、29がボールナット30、31を介
して螺合されていると共に、第２の制限板28、29の両端
部材は前記一対の案内部材26、27に摺動自在に嵌装され
た構成となっている。また、前記一対のボールねじ24、
25はタイミングギア32、33によって連結されており、電
動機34の駆動によりボールねじ24、25が同時に回転し、
該ボールねじ24、25上の第２の制限板28、29が同時に拡
がりまたは狭まるようになっている。なお、第１の制限
板23、第２の制限板28、29はワーク収納部17の床17a、1
7bを開いた時の、ワーク６と床17a、17bとの摩擦抵抗に
よるワーク６の移動を制限する役目を持つ。前記床17
a、17b、第１の制限板23及び第２の制限板28、29によっ
てワーク収納部材17が構成されている。

一方、該ワーク収納部材17の床17a、17bの下方には、パ
レット35が配設されている。該パレット35はリフタ36上
に設置されていると共に、該リフタ36はシリンダ等の駆
動装置37により昇降可能となっており、かつ自走可能な
駆動装置（図示せず）を備えた構造となっている。な
お、前記床17a、17bの下方には床用レール38に回転自在
に装着されたローラ39が設けられており、前記床17a、1
7bは該ローラ39を介して開閉するようなっている。ま
た、前記床用レール38は架台２に固定されている。さら
に、第２図において符号40はバッファ、41はストッパで
あり、前記床17a、17bの下面に固定されている。

次に、一個のワーク６のみを段積する行程を説明する。
先ず、ワーク６の寸法を予め本装置の制御回路（図示せ
ず）に入力する。すると、ワーク収納部17の第１の制御
板23及び第２の制御板28、29が各々の駆動装置42、34に
より駆動され、ワーク６がワーク収納部17内に格納され
た時、若干の隙間が生じる程度の位置まで移動し、停止
する。このとき、押板装置７の押しローラ台11、12も移
動し、各々の間隔がワーク６をワーク収納部17側へ押し
込むのに必要な寸法に設定される。通常、一定間隔ごと
に同一寸法のワーク６がコンベア３上を搬送されてくる
ため、押板装置７の押しローラ台11、12、台１の制限板
23及び第２の制限板28、29は、その位置を一度設定すれ
ばよく毎回変更する必要はない。

以上のように設定された後、コンベア３が運転され、ワ
ーク６が所定位置、すなわち押しローラ13、14の間に到
達したとき、コンベア３を停止する。次に押板装置７が
駆動され、コンベア３上のワーク６がワーク収納部17、
すなわち床17a、17b、第１の制限板23及び第２の制限板
28、29とで形成された部分へ押み込まれる。そして、該
ワーク６は予め入力された位置、つまり第１の制限板23
に接触する手前において停止する（第１図、第２図にお
いて二点鎖線６′で示す。）。この状態では、ワーク６
が第１の制限板23及び第２の制限板28、29の三辺により
若干の隙間を残して囲まれており、かつ押しローラ13、
14と接触した状態で停止している。なお、この後前記第
１の制限板23及び第２の制限板28、29を微動させて、ワ
ーク６の位置を正しい位置に修正すうように操作しても
よい。

この後、ワーク収納部17の床17a、17bを開き、床17a、1
7b上のワーク６を該床17a、17bの下方に配置されたパレ
ット35に落下させる。なおこのとき、ワーク６は床17
a、17bの略厚み分だけ下方に落下する。該ワーク６を受
けたパレット35を載せたリフタ36の受台ａは、予め入力
されたワーク６の高さ分のみ自動降下する。

次に、押板装置７を元の位置に自動復帰させ、この後先
程と同様にして後続のワークをワーク収納部17内に押し
込む。そして、ワーク収納部17の床17a、17b開動作によ
り、後続のワークは先のワーク６の略真上に落下する。
このくり返し動作により、パレット35上にワークの段積
が形成される。

この後、該段積ワークを搭載したリフタ36を所定方向へ
走行し、本装置の架台２から退出した位置でフォークリ
フト（図示せず）がパレット35を搬送し、段積ワークに
ひも掛けを行った後、後段の自動倉庫等の格納設備まで
運搬される。このようにして、本装置により、当初のコ
ンベアラインから搬送されてきたワークが、自動段積さ
れるのである。なお、段積ワークを搭載したリフタ36が
本装置から出入りし易いようにリフタ36の床部はピット
とする等の対処を行う方が好ましい。

なお、対象ワークが２個の場合は次の通り行われる。す
なわち、予め作製された制御回路の選択により先行ワー
クを押板装置７の押しローラ13、14間に停止させ、押込
運転後、後続ワークを押しローラ13、14間に停止させ
る。この後、該後続ワークの押込運転を行った後、ワー
ク収納部17の床17a、17bを開く。このとき、ワークは床
17a、17bから２個同時に落下するため、この動作をくり
返すことにより２個のワーク段積作業を行うことができ
る。また、押板装置７の停止位置をワーク１個の径寸法
のみの手前で停止させるべく制御することにより、４個
又はそれ以上の段積を行うことも可能である。

また、第４図、第５図は本発明に係るワーク段積装置の
他の実施例を示すものである。該ワーク段積装置にあっ
ては、押板装置７の作動を無終端状のベルト44を介して
行っている点、ワーク収納部17の床17cを片開きかつ前
後方向に開閉させるようにした点、及び該床17cに傾斜
をもたせ、ワーク６落下時、該ワーク６が床17cの一端
から徐々にずり落ちて衝撃を小さくなるようにした点に
特徴がある。なお、第４図、第５図において、符号45は
受けである。

本装置の動作を簡単に説明すると、まずワーク６がコン
ベア３上を搬送され、所定の位置で停止される。する
と、押板装置７が該ワーク６をワーク収納部17の傾斜し
た床17cへ押し上げる。なお、押板装置７はこの後、元
の位置に復帰する。次に、ワーク収納部17の傾斜した床
17cが作動し、ワーク６が該テーブル17cから下方に落下
し、パレット35上に載置される。この後、リフタ36が下
降し、再び上述した動作をくり返す。このようにしてワ
ーク段積作業が成される。

なお、本発明が対象とするワークは、必ずしもロール形
状のみに限らず、角状のものであってもよい。さらに、
押板装置やワーク収納部の形状、機能に工夫を加えるこ
とにより、種々の形状のワークに適用できる。また、本
発明装置にあっては例えば大きなワークを１個のみパレ
ット上に移載する場合にも使用できることは勿論であ
る。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明に係るワーク段積装置によれ
ば、コンベアの一側端側に配置されかつ開閉可能な床を
有するワーク収納部と、該ワーク収納部の床下方に昇降
可能に設置されたパレットと前記コンベア上のワークを
コンベア運転方向に対し直角方向へ押し動かし、前記ワ
ーク収納部内へワークを押し込むための手段とを備えた
構成としたので、前記パレット上にコンベアから搬送さ
れてきたワークを順次段積することができ、これによっ
て人力移動困難な大重量ワークをも一定時間内に効率良
く段積作業を行うことができるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るワーク段積装置の一実施例を示す
側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線矢視図、第３図は第
１図のＢ−Ｂ線矢視図、第４図は本発明に係るワーク段
積装置の他の実施例を示す概略側面図、第５図は第４図
のＣ−Ｃ線矢視図である。 ３……コンベア、６……ワーク、７……押板装置、11、
12……押しローラ台、13、14……押しローラ、17……ワ
ーク収納部、17a〜17c……床、23……第１の制限板、2
8、29……第２の制限板、35……パレット。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 能勢 孝一 東京都千代田区内神田１丁目１番14号 日 立プラント建設株式会社内 審査官 八日市谷 正朗 (56)参考文献 特開 昭55−161729（ＪＰ，Ａ) 特開 昭48−35002（ＪＰ，Ａ) 実公 昭53−44224（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】コンベアの一側端側に配置され、かつ開閉
   可能な床を有するワーク格納部と、該ワーク格納部の床
   下方に昇降可能に設置されたパレットと、前記コンベア
   上のワークをコンベア運転方向に対し、直角方向へ押し
   動かし、前記ワーク格納部内へワークを押し込むための
   手段とを備えたワーク段積装置において、 ワーク格納部が制限板を有し、予め入力されたワーク寸
   法に適合すべく制限板位置が移動し、ワーク格納場所を
   形成するよう構成し、 かつ、ワークをワーク格納部へ押し込むための手段に
   は、ワークに接触し、これを押し込むための押しローラ
   を２個ずつ設けた１対の押しローラを有し、ワーク径又
   は、ワーク格納部へのワーク押込数量の変更を入力する
   に伴い、該１対の押しローラを具備した押しローラ台が
   コンベア方向へ移動可能となるよう構成したことを特徴
   とするワーク段積装置。