JPH068808A - 自動車の坂道発進補助装置 - Google Patents
自動車の坂道発進補助装置Info
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- JPH068808A JPH068808A JP16881492A JP16881492A JPH068808A JP H068808 A JPH068808 A JP H068808A JP 16881492 A JP16881492 A JP 16881492A JP 16881492 A JP16881492 A JP 16881492A JP H068808 A JPH068808 A JP H068808A
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- vehicle
- distance
- slope
- braking state
- accelerator opening
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 上り坂で坂道発進するさいに坂道の勾配と後
続車両との車間距離に応じたアクセル開度で制動状態を
解除する。 【構成】 勾配センサ10が検出した停車した坂道の勾
配θと距離センサ22が検出した車両後方の物体までの
距離Lとから、コントローラ23があらかじめ設定され
た所定のアクセル開度ψsを割り出し、この所定のアク
セル開度ψsを越えてアクセルペダルが踏み込まれたと
きに、制動状態解除指令を発することにより、車間距離
がある場合は早めに、またその逆に車間距離が乏しい場
合はじっくりと制動解除し、車両寿命を重視した発進補
助と後方安全を重視した発進補助とを臨機応変に使い分
ける。
続車両との車間距離に応じたアクセル開度で制動状態を
解除する。 【構成】 勾配センサ10が検出した停車した坂道の勾
配θと距離センサ22が検出した車両後方の物体までの
距離Lとから、コントローラ23があらかじめ設定され
た所定のアクセル開度ψsを割り出し、この所定のアク
セル開度ψsを越えてアクセルペダルが踏み込まれたと
きに、制動状態解除指令を発することにより、車間距離
がある場合は早めに、またその逆に車間距離が乏しい場
合はじっくりと制動解除し、車両寿命を重視した発進補
助と後方安全を重視した発進補助とを臨機応変に使い分
ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上り坂で坂道発進する
さいに坂道の勾配及び後続車両との車間距離に応じて制
動状態の解除タイミングを可変するようにした自動車の
坂道発進補助装置に関する。
さいに坂道の勾配及び後続車両との車間距離に応じて制
動状態の解除タイミングを可変するようにした自動車の
坂道発進補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両が上り坂に停車したことを検出して
車両を制動状態に保持し、その後にアクセルペダルが踏
み込まれたときに制動状態を解除する装置として、自動
車の坂道発進補助装置が知られている。図4に示す従来
の自動車の坂道発進補助装置1は、前・後輪のブレーキ
機構を駆動するブレーキブースタ2f,2rを制御弁3
を介して給排気制御するとともに、ブレーキペダル4に
よって開閉されるブレーキ弁5を介する空気圧と電子式
コントローラ6からの指令によって制御弁3を切り替え
制御できるよう構成してある。コントローラ6は、坂道
発進補助機能の中枢を担うものであり、アクセルペダル
の踏み込み量を計測するアクセルストロークセンサ7や
クラッチペダルの踏み込み量を計測するクラッチストロ
ークセンサ8、そして車速を計測する車速センサ9さら
には坂道の勾配を計測する勾配センサ10といった各種
のセンサが接続してある。
車両を制動状態に保持し、その後にアクセルペダルが踏
み込まれたときに制動状態を解除する装置として、自動
車の坂道発進補助装置が知られている。図4に示す従来
の自動車の坂道発進補助装置1は、前・後輪のブレーキ
機構を駆動するブレーキブースタ2f,2rを制御弁3
を介して給排気制御するとともに、ブレーキペダル4に
よって開閉されるブレーキ弁5を介する空気圧と電子式
コントローラ6からの指令によって制御弁3を切り替え
制御できるよう構成してある。コントローラ6は、坂道
発進補助機能の中枢を担うものであり、アクセルペダル
の踏み込み量を計測するアクセルストロークセンサ7や
クラッチペダルの踏み込み量を計測するクラッチストロ
ークセンサ8、そして車速を計測する車速センサ9さら
には坂道の勾配を計測する勾配センサ10といった各種
のセンサが接続してある。
【0003】車両走行中は、コントローラ6から制御弁
3に対する働きかけはなく、制御弁3は非作動状態にあ
るため、ブレーキペダル4を踏み込むと、ブレーキ弁5
を介してフロントタンク11f及びリヤタンク11rか
らそれぞれ所定圧力の空気が制御弁3に送り込まれる。
ブレーキ弁5と制御弁3を結ぶ管路には、ストップラン
プスイッチ12が配設してあり、制動操作とともに空気
圧を受圧したストップランプスイッチ12が閉じてスト
ップランプ(図示せず)が点灯する。制御弁3は、スト
ップランプスイッチ12を経由して送り込まれた空気
を、それぞれフロント側とリヤ側のブレーキブースタ2
f,2rに供給するため、ブレーキ機構が駆動されて前
輪と後輪に対して制動がかかる。ブレーキペダル4を離
すと、ブレーキブースタ2f,2r内の空気が制御弁3
を通りブレーキ弁5から排気され、制動は解除される。
3に対する働きかけはなく、制御弁3は非作動状態にあ
るため、ブレーキペダル4を踏み込むと、ブレーキ弁5
を介してフロントタンク11f及びリヤタンク11rか
らそれぞれ所定圧力の空気が制御弁3に送り込まれる。
ブレーキ弁5と制御弁3を結ぶ管路には、ストップラン
プスイッチ12が配設してあり、制動操作とともに空気
圧を受圧したストップランプスイッチ12が閉じてスト
ップランプ(図示せず)が点灯する。制御弁3は、スト
ップランプスイッチ12を経由して送り込まれた空気
を、それぞれフロント側とリヤ側のブレーキブースタ2
f,2rに供給するため、ブレーキ機構が駆動されて前
輪と後輪に対して制動がかかる。ブレーキペダル4を離
すと、ブレーキブースタ2f,2r内の空気が制御弁3
を通りブレーキ弁5から排気され、制動は解除される。
【0004】一旦制動がなされて車両が完全に停止する
と、車速センサ9により停車状態に至ったことが検出さ
れるため、これを受けたコントローラ6からの指令によ
り制御弁3に対する通電がなされ、制御弁3が作動し、
ブレーキ弁5とブレーキブースタ2f,2rを結ぶ流路
が遮断される。従って、ブレーキペダル4から足を離し
てもブレーキブースタ2f,2r内に空気が保持され、
ブレーキ機構は制動状態を維持する。一方、制動状態か
らクラッチペダルを操作してギヤ選択を行い、続いてア
クセルペダルを踏み込むと、コントローラ6から制御弁
3に対して制動状態解除指令が発され、ブレーキブース
タ2f,2r内の空気がブレーキ弁5から排気されるこ
とで、制動状態は解除される。
と、車速センサ9により停車状態に至ったことが検出さ
れるため、これを受けたコントローラ6からの指令によ
り制御弁3に対する通電がなされ、制御弁3が作動し、
ブレーキ弁5とブレーキブースタ2f,2rを結ぶ流路
が遮断される。従って、ブレーキペダル4から足を離し
てもブレーキブースタ2f,2r内に空気が保持され、
ブレーキ機構は制動状態を維持する。一方、制動状態か
らクラッチペダルを操作してギヤ選択を行い、続いてア
クセルペダルを踏み込むと、コントローラ6から制御弁
3に対して制動状態解除指令が発され、ブレーキブース
タ2f,2r内の空気がブレーキ弁5から排気されるこ
とで、制動状態は解除される。
【0005】なお、勾配センサ10が負の勾配を検出し
たとき、すなわち車両が下り坂で停車したときは、ブレ
ーキペダル4を踏み続けることで制動状態を維持し、な
おかつアクセルペダルは踏み込まなくとも制動状態が解
除されるよう配慮してあるため、下り坂ではコントロー
ラ6による制御弁3への通電はなされず、坂道発進補助
機能は効かないようになっている。
たとき、すなわち車両が下り坂で停車したときは、ブレ
ーキペダル4を踏み続けることで制動状態を維持し、な
おかつアクセルペダルは踏み込まなくとも制動状態が解
除されるよう配慮してあるため、下り坂ではコントロー
ラ6による制御弁3への通電はなされず、坂道発進補助
機能は効かないようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の坂道発進補
助装置1は、上り坂での発進補助に威力を発揮するが、
坂道の勾配の大小や後続車両との車間距離に関係なく、
アクセルペダルの操作を受けて制動状態が解除されるよ
うになっており、アクセルペダルがどの程度踏み込まれ
たときにコントローラ6が制動状態解除指令を発するか
は、設計者の意図を汲んで様々な選択がなされてきた。
このため、仮にアクセルペダルをかなり踏み込んだとき
に制動状態が解除されるよう設計してあった場合は、坂
道途中からの発進にさいしてアクセル操作を多少失敗し
ても、車両が後退する危険は少ないものの、多少ブレー
キを引きずるようにして発進することになるため、ブレ
ーキ機構のライニング部分の摩耗が進んだり、或いは動
力機構が低速領域で負荷にさらされるなどの課題があっ
た。また、これとは逆にアクセルペダルを僅かに踏み込
めば制動状態が解除されるよう設計された場合は、アク
セル操作の巧拙によって一旦発進した車両が一時的では
あるが若干後退するような局面も予想され、従って坂道
の勾配がきつかったり後続車両との車間距離が乏しいよ
うな場合には、不用意に坂道をずり下がってしまった車
両に対し後続車両が追突するおそれがあった。また、後
続車両がなくとも、例えば荷下ろしのため上り坂の途中
で車両を道路脇に後退させて電柱等の障害物を背に停車
し、荷下ろしの後に発進させたような場合も、同様の課
題があった。
助装置1は、上り坂での発進補助に威力を発揮するが、
坂道の勾配の大小や後続車両との車間距離に関係なく、
アクセルペダルの操作を受けて制動状態が解除されるよ
うになっており、アクセルペダルがどの程度踏み込まれ
たときにコントローラ6が制動状態解除指令を発するか
は、設計者の意図を汲んで様々な選択がなされてきた。
このため、仮にアクセルペダルをかなり踏み込んだとき
に制動状態が解除されるよう設計してあった場合は、坂
道途中からの発進にさいしてアクセル操作を多少失敗し
ても、車両が後退する危険は少ないものの、多少ブレー
キを引きずるようにして発進することになるため、ブレ
ーキ機構のライニング部分の摩耗が進んだり、或いは動
力機構が低速領域で負荷にさらされるなどの課題があっ
た。また、これとは逆にアクセルペダルを僅かに踏み込
めば制動状態が解除されるよう設計された場合は、アク
セル操作の巧拙によって一旦発進した車両が一時的では
あるが若干後退するような局面も予想され、従って坂道
の勾配がきつかったり後続車両との車間距離が乏しいよ
うな場合には、不用意に坂道をずり下がってしまった車
両に対し後続車両が追突するおそれがあった。また、後
続車両がなくとも、例えば荷下ろしのため上り坂の途中
で車両を道路脇に後退させて電柱等の障害物を背に停車
し、荷下ろしの後に発進させたような場合も、同様の課
題があった。
【0007】本発明は、これらの点に鑑みてなされたも
のであり、坂道の勾配と後続車両との車間距離に応じて
制動状態解除指令を発するアクセル開度を可変し、勾配
が少なく車間距離がある場合は早めに、またその逆に勾
配があって車間距離が乏しい場合は遅めに制動状態を解
除することにより、坂道の勾配と車間距離に応じた適切
な坂道発進補助を可能にすることを目的とする。
のであり、坂道の勾配と後続車両との車間距離に応じて
制動状態解除指令を発するアクセル開度を可変し、勾配
が少なく車間距離がある場合は早めに、またその逆に勾
配があって車間距離が乏しい場合は遅めに制動状態を解
除することにより、坂道の勾配と車間距離に応じた適切
な坂道発進補助を可能にすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、上り坂に停車したことを検出して車両を
制動状態に保持し、その後にアクセルペダルが踏み込ま
れたときに制動状態を解除する自動車の坂道発進補助装
置において、停車した上り坂の勾配を検出する勾配セン
サと、車両後方の物体までの距離を検出する距離センサ
と、この距離センサと前記勾配センサの両出力が供給さ
れ、該両出力を媒介変数としてあらかじめ設定された所
定のアクセル開度を割り出し、該所定のアクセル開度を
越えて前記アクセルペダルが踏み込まれたときに、制動
状態解除指令を発するコントローラを具備することを特
徴とするものである。
め、本発明は、上り坂に停車したことを検出して車両を
制動状態に保持し、その後にアクセルペダルが踏み込ま
れたときに制動状態を解除する自動車の坂道発進補助装
置において、停車した上り坂の勾配を検出する勾配セン
サと、車両後方の物体までの距離を検出する距離センサ
と、この距離センサと前記勾配センサの両出力が供給さ
れ、該両出力を媒介変数としてあらかじめ設定された所
定のアクセル開度を割り出し、該所定のアクセル開度を
越えて前記アクセルペダルが踏み込まれたときに、制動
状態解除指令を発するコントローラを具備することを特
徴とするものである。
【0009】
【作用】上記構成に基づき、勾配センサが検出した停車
した坂道の勾配と、距離センサが検出した車両後方の物
体までの距離とを受けたコントローラが、両出力を媒介
変数としてあらかじめ設定された所定のアクセル開度を
割り出し、この所定のアクセル開度を越えてアクセルペ
ダルが踏み込まれたときに、制動状態解除指令を発する
ことにより、ブレーキ機構や動力機構等に負担をかけな
い発進補助と後方安全を重視した発進補助とを、坂道の
勾配と車間距離に応じて臨機応変に使い分ける。
した坂道の勾配と、距離センサが検出した車両後方の物
体までの距離とを受けたコントローラが、両出力を媒介
変数としてあらかじめ設定された所定のアクセル開度を
割り出し、この所定のアクセル開度を越えてアクセルペ
ダルが踏み込まれたときに、制動状態解除指令を発する
ことにより、ブレーキ機構や動力機構等に負担をかけな
い発進補助と後方安全を重視した発進補助とを、坂道の
勾配と車間距離に応じて臨機応変に使い分ける。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図1ないし
図3を参照して説明する。図1は、本発明の自動車の坂
道発進補助装置の一実施例を示す概略ブロック図、図2
は、図1に示したコントローラに内蔵させた制動状態解
除マップの一例を示す図、図3は、図1に示したコント
ローラの制動状態解除動作を説明するためのフローチャ
ートである。
図3を参照して説明する。図1は、本発明の自動車の坂
道発進補助装置の一実施例を示す概略ブロック図、図2
は、図1に示したコントローラに内蔵させた制動状態解
除マップの一例を示す図、図3は、図1に示したコント
ローラの制動状態解除動作を説明するためのフローチャ
ートである。
【0011】図1に示す自動車の坂道発進補助装置21
は、後続車両との車間距離或いは後方障害物との距離を
計測するための距離センサ22を、他のセンサ7〜10
に追加してコントローラ6に接続し、制動状態の解除タ
イミングを距離センサ22の出力と勾配センサ10の出
力とに応じて可変する構成としたものである。距離セン
サ22は、赤外線を媒体に車両後方の物体までの距離を
計測するもので、車両後方に赤外線を発する赤外線送信
器22aと、後方で反射された赤外線を受信する赤外線
受信器22bと、赤外線送信時点と赤外線受信時点の時
間差から後方物体までの距離を演算する演算器22cか
らなる。
は、後続車両との車間距離或いは後方障害物との距離を
計測するための距離センサ22を、他のセンサ7〜10
に追加してコントローラ6に接続し、制動状態の解除タ
イミングを距離センサ22の出力と勾配センサ10の出
力とに応じて可変する構成としたものである。距離セン
サ22は、赤外線を媒体に車両後方の物体までの距離を
計測するもので、車両後方に赤外線を発する赤外線送信
器22aと、後方で反射された赤外線を受信する赤外線
受信器22bと、赤外線送信時点と赤外線受信時点の時
間差から後方物体までの距離を演算する演算器22cか
らなる。
【0012】コントローラ6は、制動状態解除マップを
内蔵しており、この制動状態解除マップに従って制動状
態を解除するアクセル開度ψsを割り出す。制動状態解
除マップは、図2に示したように、距離センサ22の出
力Lと勾配センサ10の出力θを2軸とする平面上に境
界線B1〜B4で区画された5つの領域が書き込まれて
おり、区画された領域ごとに制動状態解除指令を発する
指標となるアクセル開度ψsが設定してある。実施例で
は、5つの領域R40,R50,R60,R70,R8
0ごとに40,50,60,70,80%の各アクセル
開度ψsが設定してある。また、各領域を区画する4本
の境界線B1〜B4はいずれも勾配θa,θbで横に直
角に折れる2段の階段状をなしており、各階段の立ち上
がり点は距離La〜Liの計9箇所に存在する。ただ
し、境界線B1〜B4の間隔は、例えば距離Lcにある
境界線B1の第2段の立ち上がり点が境界線B2の第1
段の立ち上がり点となり、同様にまた距離Ldにある境
界線B2の第2段の立ち上がり点が境界線B3の第1段
の立ち上がり点となるよう、適宜の間隔に規定してあ
る。なお、アクセル開度ψは、アクセルストロークセン
サ7の出力によって判定され、アクセルペダルを踏み込
むほどアクセル開度ψは大となる関係にある。
内蔵しており、この制動状態解除マップに従って制動状
態を解除するアクセル開度ψsを割り出す。制動状態解
除マップは、図2に示したように、距離センサ22の出
力Lと勾配センサ10の出力θを2軸とする平面上に境
界線B1〜B4で区画された5つの領域が書き込まれて
おり、区画された領域ごとに制動状態解除指令を発する
指標となるアクセル開度ψsが設定してある。実施例で
は、5つの領域R40,R50,R60,R70,R8
0ごとに40,50,60,70,80%の各アクセル
開度ψsが設定してある。また、各領域を区画する4本
の境界線B1〜B4はいずれも勾配θa,θbで横に直
角に折れる2段の階段状をなしており、各階段の立ち上
がり点は距離La〜Liの計9箇所に存在する。ただ
し、境界線B1〜B4の間隔は、例えば距離Lcにある
境界線B1の第2段の立ち上がり点が境界線B2の第1
段の立ち上がり点となり、同様にまた距離Ldにある境
界線B2の第2段の立ち上がり点が境界線B3の第1段
の立ち上がり点となるよう、適宜の間隔に規定してあ
る。なお、アクセル開度ψは、アクセルストロークセン
サ7の出力によって判定され、アクセルペダルを踏み込
むほどアクセル開度ψは大となる関係にある。
【0013】ここで、勾配θの比較的大きな坂道の途中
で坂道発進補助装置21の働きにより制動状態で自動車
が停車したときに、後続車両までの距離Lが余りなかっ
たとする。この場合、各種センサ7〜10及び22の出
力を読み取ったコントローラ23は、図3のステップ
(101)に続くステップ(102)において、距離セ
ンサ23と勾配センサ10の両出力から、制動状態解除
マップ上で点P(θ1,L1)を確定し、点Pを包含す
る領域(ここではR80)に設定されたアクセル開度ψ
s(=80%)を読み取る。次に、運転者がアクセルペ
ダルを踏み込み、アクセルストロークセンサ7の出力か
ら実際のアクセル開度ψが80%を越えたことが判った
時点で、判断ステップ(103)に続くステップ(10
4)において、コントローラ23から制御弁3に対して
制動状態解除のための指令が発される。従って、アクセ
ルペダルを踏み込んだときに、エンジン回転数が上昇し
始めても最初のうちは車輪は制動状態にロックされてい
るため、じわじわと発進した車両がブレーキを多少引き
ずるようにして坂道を登り始める。このため、ブレーキ
機構のライニング部分の摩耗や動力機構への負担増とい
った多少の不利益は蒙るが、後続車両との車間距離が余
りないといった状況下において、後続車両との追突事故
を安全側に余裕をもって回避することができる。
で坂道発進補助装置21の働きにより制動状態で自動車
が停車したときに、後続車両までの距離Lが余りなかっ
たとする。この場合、各種センサ7〜10及び22の出
力を読み取ったコントローラ23は、図3のステップ
(101)に続くステップ(102)において、距離セ
ンサ23と勾配センサ10の両出力から、制動状態解除
マップ上で点P(θ1,L1)を確定し、点Pを包含す
る領域(ここではR80)に設定されたアクセル開度ψ
s(=80%)を読み取る。次に、運転者がアクセルペ
ダルを踏み込み、アクセルストロークセンサ7の出力か
ら実際のアクセル開度ψが80%を越えたことが判った
時点で、判断ステップ(103)に続くステップ(10
4)において、コントローラ23から制御弁3に対して
制動状態解除のための指令が発される。従って、アクセ
ルペダルを踏み込んだときに、エンジン回転数が上昇し
始めても最初のうちは車輪は制動状態にロックされてい
るため、じわじわと発進した車両がブレーキを多少引き
ずるようにして坂道を登り始める。このため、ブレーキ
機構のライニング部分の摩耗や動力機構への負担増とい
った多少の不利益は蒙るが、後続車両との車間距離が余
りないといった状況下において、後続車両との追突事故
を安全側に余裕をもって回避することができる。
【0014】なお、同じ勾配θ1であっても、車間距離
Lが増大するにつれ、車間距離L2ではアクセル開度7
0%,車間距離L3ではアクセル開度60%というよう
に、徐々に制動状態の解除タイミングが早まり、安全余
裕の拡大に合わせてブレーキ機構等に与える負担は軽減
される。
Lが増大するにつれ、車間距離L2ではアクセル開度7
0%,車間距離L3ではアクセル開度60%というよう
に、徐々に制動状態の解除タイミングが早まり、安全余
裕の拡大に合わせてブレーキ機構等に与える負担は軽減
される。
【0015】一方また、勾配の少ない坂道の途中に後続
車両まで十分な距離をもって停車したときに、制動状態
解除マップ上の点Q(θ2,L4)から領域(ここでは
R40)に設定されたアクセル開度ψs(=40%)が
読み取られたとする。この場合、実際のアクセル開度ψ
が40%を越えた時点で、コントローラ23から制御弁
3に対し制動状態解除のための指令が発される。従っ
て、エンジン回転数が上昇し始めて比較的早い段階で車
輪は制動状態を解除される。このため、アクセル操作の
巧拙によって、一旦発進した車両が一時的ではあるが若
干後退するようなことがあっても、ブレーキを引きずり
ながら坂道を登り始めるといったことはなく、後続車両
との車間距離が十分ある状況のなかで、ブレーキ機構や
動力機構に対する負担を軽減した坂道発進が可能であ
る。
車両まで十分な距離をもって停車したときに、制動状態
解除マップ上の点Q(θ2,L4)から領域(ここでは
R40)に設定されたアクセル開度ψs(=40%)が
読み取られたとする。この場合、実際のアクセル開度ψ
が40%を越えた時点で、コントローラ23から制御弁
3に対し制動状態解除のための指令が発される。従っ
て、エンジン回転数が上昇し始めて比較的早い段階で車
輪は制動状態を解除される。このため、アクセル操作の
巧拙によって、一旦発進した車両が一時的ではあるが若
干後退するようなことがあっても、ブレーキを引きずり
ながら坂道を登り始めるといったことはなく、後続車両
との車間距離が十分ある状況のなかで、ブレーキ機構や
動力機構に対する負担を軽減した坂道発進が可能であ
る。
【0016】このように、上記坂道発進補助装置21に
よれば、坂道後方に多少ずり落ちても安全余裕がある場
合は、早めに制動状態を解除してブレーキ機構にかかる
負担を軽減し、またその逆に坂道後方に安全余裕が乏し
い場合は、慌てずにゆっくりと制動状態を解除すること
で後方安全を重視することができ、坂道の勾配と車間距
離に応じて臨機応変に使い分けることにより、きめ細か
な発進補助が可能である。
よれば、坂道後方に多少ずり落ちても安全余裕がある場
合は、早めに制動状態を解除してブレーキ機構にかかる
負担を軽減し、またその逆に坂道後方に安全余裕が乏し
い場合は、慌てずにゆっくりと制動状態を解除すること
で後方安全を重視することができ、坂道の勾配と車間距
離に応じて臨機応変に使い分けることにより、きめ細か
な発進補助が可能である。
【0017】また、コントローラ23は、距離センサ2
2と勾配センサ10の両出力で定まる点が、マップ上の
いずれの領域に包含されるかを判断するだけで、制動状
態の解除に必要な指標となるアクセル開度ψsを簡単に
読み出すことができるため、指標となるアクセル開度ψ
sの割り出しに要する時間は非常に短く、従って先に坂
道発進した後続車両が接近してきたために停車当初の車
間距離よりも発進時の車間距離が狭まってしまったよう
な場合でも、最新の車間距離データに基づいて的確な発
進補助が可能である。
2と勾配センサ10の両出力で定まる点が、マップ上の
いずれの領域に包含されるかを判断するだけで、制動状
態の解除に必要な指標となるアクセル開度ψsを簡単に
読み出すことができるため、指標となるアクセル開度ψ
sの割り出しに要する時間は非常に短く、従って先に坂
道発進した後続車両が接近してきたために停車当初の車
間距離よりも発進時の車間距離が狭まってしまったよう
な場合でも、最新の車間距離データに基づいて的確な発
進補助が可能である。
【0018】さらにまた、距離センサ22は赤外線を媒
体に後方の物体までの距離を計測するため、環境温度や
周囲の騒音等により計測誤差が生ずることはなく、安定
した距離計測が可能である。
体に後方の物体までの距離を計測するため、環境温度や
周囲の騒音等により計測誤差が生ずることはなく、安定
した距離計測が可能である。
【0019】なお、上記実施例において、コントローラ
23は制動解除マップを用いずとも、例えばマップを数
式に置き換えたフローチャートに従って所要のアクセル
開度ψsを割り出すよう構成してもよい。また、距離セ
ンサ22は、赤外線式に限らず、他の例えば超音波を媒
体に物体までの距離を計測する超音波式等を用いること
もできる。
23は制動解除マップを用いずとも、例えばマップを数
式に置き換えたフローチャートに従って所要のアクセル
開度ψsを割り出すよう構成してもよい。また、距離セ
ンサ22は、赤外線式に限らず、他の例えば超音波を媒
体に物体までの距離を計測する超音波式等を用いること
もできる。
【0020】また、上記実施例では、コントローラ23
により制御される制御弁3をブレーキ弁5とブレーキブ
ースタ2f,2rの間に介在させる構成としたが、例え
ばパーキングブレーキを坂道発進補助手段として利用し
たり、或いはまったく独立した制動機構を設けるなどし
てもよい。
により制御される制御弁3をブレーキ弁5とブレーキブ
ースタ2f,2rの間に介在させる構成としたが、例え
ばパーキングブレーキを坂道発進補助手段として利用し
たり、或いはまったく独立した制動機構を設けるなどし
てもよい。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
停車した上り坂の勾配と車両後方の物体までの距離とに
基づいて、コントローラがあらかじめ設定された所定の
アクセル開度を割り出し、この所定のアクセル開度を越
えてアクセルペダルが踏み込まれたときに、制動状態解
除指令を発する構成としたから、坂道の勾配が少なく車
間距離もある場合は、僅かにアクセルペダルを踏み込ん
だだけで制動状態を解除し、その逆に坂道の勾配があっ
て車間距離が少ない場合は、アクセルペダルが十分に踏
み込まれたときに制動状態を解除するようにすること
で、車両重視と安全重視の2視点から坂道発進補助機能
を充実させ、坂道の勾配と車間距離に応じたきめ細かな
発進補助が可能である等の優れた効果を奏する。
停車した上り坂の勾配と車両後方の物体までの距離とに
基づいて、コントローラがあらかじめ設定された所定の
アクセル開度を割り出し、この所定のアクセル開度を越
えてアクセルペダルが踏み込まれたときに、制動状態解
除指令を発する構成としたから、坂道の勾配が少なく車
間距離もある場合は、僅かにアクセルペダルを踏み込ん
だだけで制動状態を解除し、その逆に坂道の勾配があっ
て車間距離が少ない場合は、アクセルペダルが十分に踏
み込まれたときに制動状態を解除するようにすること
で、車両重視と安全重視の2視点から坂道発進補助機能
を充実させ、坂道の勾配と車間距離に応じたきめ細かな
発進補助が可能である等の優れた効果を奏する。
【図1】本発明の自動車の坂道発進補助装置の一実施例
を示す概略ブロック図である。
を示す概略ブロック図である。
【図2】図1に示したコントローラに内蔵させた制動状
態解除マップの一例を示す図である。
態解除マップの一例を示す図である。
【図3】図1に示したコントローラの制動状態解除動作
を説明するためのフローチャートである。
を説明するためのフローチャートである。
【図4】従来の坂道発進補助装置の一例を示す概略ブロ
ック図である。
ック図である。
10 勾配センサ 21 自動車の坂道発進補助装置 22 距離センサ 23 コントローラ
Claims (4)
- 【請求項1】 上り坂に停車したことを検出して車両を
制動状態に保持し、その後にアクセルペダルが踏み込ま
れたときに制動状態を解除する自動車の坂道発進補助装
置において、停車した上り坂の勾配を検出する勾配セン
サと、車両後方の物体までの距離を検出する距離センサ
と、この距離センサと前記勾配センサの両出力が供給さ
れ、該両出力を媒介変数としてあらかじめ設定された所
定のアクセル開度を割り出し、該所定のアクセル開度を
越えて前記アクセルペダルが踏み込まれたときに、制動
状態解除指令を発するコントローラを具備することを特
徴とする自動車の坂道発進補助装置。 - 【請求項2】 前記コントローラは、前記距離センサと
前記勾配センサの出力を2軸とする平面上に、区画され
た複数の領域ごとに前記制動状態解除指令を発する指標
となるアクセル開度を設定したマップを具備することを
特徴とする請求項1記載の自動車の坂道発進補助装置。 - 【請求項3】 前記距離センサは、自動車の後方に赤外
線を発する赤外線送信器と、自動車の後方で反射された
赤外線を受信する赤外線受信器と、前記赤外線送信器の
赤外線送信時点と前記赤外線受信器の赤外線受信時点の
時間差から距離を演算する演算器からなることを特徴と
する請求項1記載の自動車の坂道発進補助装置。 - 【請求項4】 前記距離センサは、自動車の後方に超音
波を発する超音波送信器と、自動車の後方で反射された
超音波を受信する超音波受信器と、前記超音波送信器の
超音波送信時点と前記超音波受信器の超音波受信時点の
時間差から距離を演算する演算器からなることを特徴と
する請求項1記載の自動車の坂道発進補助装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16881492A JPH068808A (ja) | 1992-06-26 | 1992-06-26 | 自動車の坂道発進補助装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16881492A JPH068808A (ja) | 1992-06-26 | 1992-06-26 | 自動車の坂道発進補助装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH068808A true JPH068808A (ja) | 1994-01-18 |
Family
ID=15874996
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16881492A Pending JPH068808A (ja) | 1992-06-26 | 1992-06-26 | 自動車の坂道発進補助装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH068808A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100428089B1 (ko) * | 1996-12-27 | 2004-08-16 | 현대자동차주식회사 | 안전 브레이크 장치 |
KR20040100036A (ko) * | 2003-05-21 | 2004-12-02 | 현대자동차주식회사 | 차량의 브레이크 자동제어 시스템 |
JP2011141001A (ja) * | 2010-01-08 | 2011-07-21 | Denso Corp | 坂道発進補助装置及びプログラム |
WO2012053613A1 (ja) | 2010-10-21 | 2012-04-26 | 日野自動車株式会社 | アイドルストップ制御装置、車両およびアイドルストップ制御方法、並びにプログラム |
JP2013032064A (ja) * | 2011-08-01 | 2013-02-14 | Nissan Motor Co Ltd | 車両用制動支援装置 |
KR20200096351A (ko) * | 2019-02-01 | 2020-08-12 | 주식회사 만도 | 긴급 제동 시스템 및 그 제어 방법 |
JP2020157863A (ja) * | 2019-03-26 | 2020-10-01 | 株式会社アドヴィックス | 車両の自動制動装置 |
-
1992
- 1992-06-26 JP JP16881492A patent/JPH068808A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
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